遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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最近毎回更新が遅くなってる気がします、本当に申し訳ありません。
その上今回、本来なら1話で終わらせる予定だったのですが、前後編に分かれてしまいました。
理由?
今回の話の全体の文字数が3万5千字に到達しているといえば分かりやすいでしょうか?
というわけで、遊花VS美傘、前編です。
例によって美傘のデュエルなのでまたフィールドの表記をいつもと変えてます。
そして今回は美傘視点の回想と遊花視点が混ざっています。
それでは本編にGO‼︎





第41話 護り手VS暴風雨・心に刻む信念

 

 

 

 

『ーーー勝者、眼竜 夜‼︎』

 

「………はぁ〜今日も初戦負け、か」

 

遠くから聞こえてくるデュエルの結果を聞いて歓声が飛び交い、賑わいを見せているスタジアムで、私は1人ため息を吐きながら自分がいた控え室からスタジアムの出口に向かってトボトボと歩いていた。

 

デュエルアカデミアを卒業して2ヶ月。

 

プロ試験に合格して念願のプロ決闘者になった私は、思ったように結果を出せず、連敗を続ける日々を送っていた。

 

別に、勝てないことに落ち込んでいるわけじゃない………嘘、勝てないことでも少し落ち込んではいるけれど、それよりも落ち込む理由は他にあった。

 

「………はぁ〜どうやったらお客さんが楽しんでくれるデュエルが出来るんだろう?」

 

それは、私のデュエルではお客さんを楽しませれていないことだ。

 

私がプロ決闘者になったのは、私のおじいちゃんが元プロ決闘者だったからだ。

 

両親が共働きであまり家にいなかった私は、昔からよくおじいちゃんの家に預けられていた。

 

そんな私が寂しい思いをしないように、おじいちゃんは私にデュエルを教えてくれて、デュエルディスクの立体映像を使って、私が驚くようなデュエルをいつも見せてくれていた。

 

そんなおじいちゃんのデュエルは、まるで魔法みたいで………いつも私を笑顔にしてくれた。

 

おじいちゃんは、自分のようなデュエルをする決闘者のことを『エンタメデュエリスト』って呼ぶことを教えてくれて………私も大きくなったら、絶対におじいちゃんみたいに誰かを驚かせて、笑顔にさせるようなエンタメデュエリストになってみせるんだって言うと、おじいちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。

 

私のデッキーーー『オッドアイズ』も、そんなおじいちゃんが私のために作ってくれたデッキだ。

 

両親にはない、私だけの特徴である黒目と青目のオッドアイをイメージして、おじいちゃんがカードを集めて作ってくれたみたい。

 

そんなおじいちゃんに少しでも恩を返せるように、そしておじいちゃんのようなエンタメデュエリストになるために、私はプロ決闘者の世界に入った。

 

………だけど、現実は、思うようにお客さんを驚かせることができず、連敗を続ける日々。

 

こんな私がプロ決闘者を続けてもいいのかと、暗い感情が心に浮かんでくる。

 

「………才能ないのかな、私………」

 

そう呟きながら、俯いたまま控え室があった廊下の曲がり角を曲がり、スタジアムの出口があるホールに行こうとすると………

 

「うぉっ‼︎」

 

「ひゃぅ‼︎」

 

俯いていたせいで私と同じようにホールから曲がり角を曲がろうとしていた男性にぶつかってしまった。

 

私は慌ててその人に頭を下げる。

 

「す、すみません‼︎すみません‼︎」

 

「いや、ちょっと驚いただけだからそんなに謝らなくていいけどさ………下向いて歩いてると危ないぜ?」

 

「はい、本当にご迷惑、を………」

 

そこで私は顔を上げて初めてぶつかった男性の顔をしっかりと見て、自分の血の気が引いていく音が聞こえた気がした。

 

そこにいたのは茶髪のエアリーヘアで、とても優しい瞳をした男性。

 

だけど、その人物の名前を、私は知っている。

 

2年前、突如彗星のように現れたプロチーム『Trumpfkarte』のエースを務め、チームを世界ランキング2位に導き、本人も現世界ランキング9位で『英雄騎士』なんて呼び名がついている、私なんかじゃ足元にも及ばないプロ決闘者で………今日の私の初戦の相手。

 

「ゆ、ゆゆゆ、結束プロ⁉︎」

 

「ん?君は、さっきの」

 

結束 遊騎。

 

間違いなく最高峰のプロ決闘者がそこにいた。

 

私は顔を真っ青にして、結束プロに向けて何度も頭を下げる。

 

「すみません‼︎すみません‼︎本当にすみません‼︎生きていてすみません‼︎」

 

「いやいやいや、落ち着けって‼︎別に怒ってないから‼︎」

 

「すみません‼︎すみません‼︎わちきが悪うござんした‼︎穴掘って埋まってるんで勘弁してくだせぇ‼︎」

 

「だから落ち着いて‼︎………ああ、もう‼︎落ち着けっての‼︎」

 

「あいた‼︎」

 

何度も頭を下げる私の額に、結束プロが軽くチョップを打ち込む。

 

額を押さえて顔を上げると、結束プロは呆れたような表情を浮かべていた。

 

「ようやく止まったか。止めるために少しチョップを入れさせて貰ったけど、別に俺は怒ってないから、少しは落ち着け」

 

「あぅ………すみません」

 

「何回すみませんって言うんだよ………君は確か………今年プロ決闘者になった雨夜プロであってるよな?」

 

「っ⁉︎わ、私のことを覚えててくれたんですか⁉︎」

 

結束プロの口から私の名前が出たことに、驚きの表情を浮かべてしまう。

 

そんな私の反応に首を傾げながらも、結束プロは何でもないことのように言葉を続ける。

 

「ん?まあな。同じ大会に出る決闘者のことは、なるべく全員覚えるようにしてるからな。君は初戦の対戦相手だし、特徴的で綺麗なオッドアイをしてるから覚えやすかった………ああ、悪い。オッドアイのこと気にしてたりしたか?気にしてたのなら謝るよ」

 

「あ、あぅ………だ、大丈夫、です。その、あ、ありがとう、ございます………」

 

結束プロがさらっと口にした言葉に少し頰が熱くなる。

 

まさか雲の上の人だと思っていた人物に覚えられていて、私のオッドアイを綺麗だなんて言って貰えるなんて………

 

それにしても、結束プロはやっぱり凄い人だ。

 

同じ大会に出る決闘者のことを全員覚えるようにしてるなんて………私には、出来そうにない。

 

「………どうかしたのか?なんか表情が暗いが………」

 

「い、いえ‼︎大丈夫です‼︎」

 

心配そうな表情を浮かべる結束プロを見て、私は慌てて手を振って誤魔化す。

 

そんな私を見て何かを感じとったのか、結束プロは頭を掻いてから何かを決めたような笑顔を浮かべて口を開いた。

 

「………よし、これも何かの縁だ。雨夜プロ、まだ時間はあるか?」

 

「えっ?あ、はい。後は帰るだけですから………」

 

「そっか」

 

突然のことに首を傾げる私に、結束プロは優しい表情を浮かべながら笑いかけてーーー

 

「んじゃ、ちょっとばかし付き合えよ。お悩みぐらい、聞いてやるぜ、新人君」

 

ーーー私の、運命を変える言葉を口にした。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「それじゃあ両者共準備ができたようなので、これより、2回戦第2試合、デュエルアカデミア所属、栗原 遊花VS無所属、雨夜 美傘の試合を開始する‼︎」

 

「ふっふっふ、ようやく遊花ちゃんとのデュエルだね。いや〜待ち遠しかったよ」

 

師匠の宣言を聞いて、美傘さんがニコニコと輝くような笑顔で笑いかけてくる。

 

「ようやく遊花ちゃんに特等席でエンタメデュエルを見せれるんだもんね。美傘さん、頑張っちゃうぞ〜‼︎」

 

「はい‼︎私も美傘さんのエンタメデュエル、楽しみです‼︎」

 

「ストレート‼︎な、なんかちょっと照れちゃうよ………うぅ、遊騎さんといい、この師弟は色々と直球過ぎるのが困るなぁ」

 

私がワクワクした表情で美傘さんに笑い返すと、美傘さんは頰を赤らめながら照れたような表情を浮かべる。

 

美傘さんはしばらく照れたような、困ったような表情を浮かべて何かを呟いていたけど、ぶんぶんと首を振るとまた笑顔を浮かべてデュエルディスクを起動した。

 

「それじゃあこれより、雨夜 美傘のエンタメデュエルの開幕だよ‼︎ It's Showtime( さあ、ショータイムだ)‼︎予告する‼︎遊花ちゃんのハートも、勝利も、私がいただいちゃうよ‼︎」

 

そう言って美傘さんは私を指差しながら、指で銃を作って私を撃ち抜くような動作をする。

 

そんな美傘さんを見て、私も深呼吸をしてからデュエルディスクを起動する。

 

美傘さんは霊華さんを圧倒した実力者。

 

最初から全力でぶつからないと‼︎

 

「すー………はー………行きます‼︎」

 

『決闘‼︎』

 

 

遊花 LP8000

 

美傘 LP8000

 

 

ーーーーーーー

 

 

「先攻は私だね‼︎私は EM( エンタメイト)ドクロバットジョーカーを召喚‼︎」

 

 

〈EMドクロバットジョーカー〉☆4 魔法使い族 闇属性

ATK1800

 

 

美傘さんのフィールドに現れたのは帽子を被ったマジシャンのようなモンスター。

 

「EMドクロバットジョーカーの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、デッキからEMドクロバットジョーカー以外のEMモンスター、魔術師ペンデュラムモンスター、オッドアイズモンスターの内、いずれか1体を手札に加えるよ‼︎私が手札に加えるのはオッドアイズペンデュラムドラゴン‼︎」

 

「オッドアイズ………里香さんも使ってたペンデュラムモンスター………」

 

「そしてここからは私のステージだ‼︎私はフィールド魔法、天空の虹彩を発動‼︎」

 

美傘さんがフィールド魔法を発動させると、店内に大きな虹が現れる。

 

「天空の虹彩の効果を発動‼︎1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を破壊してデッキからオッドアイズカードを手札に加えるよ‼︎私はEMドクロバットジョーカーを破壊してデッキからオッドアイズペルソナドラゴンを手札に加えるよ‼︎」

 

「ペンデュラムカードが2枚揃っちゃった………」

 

「期待させて悪いけど、このターンのペンデュラム召喚はお預けかな?遊花ちゃんを驚かせるためには沢山準備をしないとね。私はオッドアイズペンデュラムドラゴンをペンデュラムスケールにセッティング‼︎カードを1枚伏せて、エンドフェイズ‼︎オッドアイズペンデュラムドラゴンの効果発動‼︎ペンデュラムリード‼︎このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター1体を手札に加えるよ‼︎私はデッキからオッドアイズミラージュドラゴンを手札に加えてターンエンドだよ」

 

 

遊花 LP8000 手札5

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ー

ーーーーー

ーー▲ーー ▽

 

美傘 LP8000 手札4

 

 

「私のターン、ドロー‼︎私はクリバンデットを召喚‼︎」

 

 

〈クリバンデッド〉☆3 悪魔族 闇属性

ATK1000

 

 

私の前に現れたのは盗賊のような姿をした黒い毛玉のモンスター。

 

クリバンデットは興奮したように何度も手を振りながら、ぴょんぴょんと跳ね回る。

 

うん、君も大会だから張り切ってるんだね。

 

今回も一緒に頑張ろうね。

 

「バトル‼︎クリバンデットでダイレクトアタック‼︎バンデットクロー‼︎」

 

「あいた‼︎」

 

 

美傘 LP8000→7000

 

 

クリバンデットが美傘さんの身体を爪で斬り裂いてライフを削る。

 

よし、まずは先制攻撃が通った。

 

「メインフェイズ2、カードを1枚伏せてエンドフェイズにクリバンデッドの効果発動‼︎このカードをリリースしてデッキの上から5枚めくり、その中から魔法・罠カード1枚を手札に加えて残りを墓地におきます‼︎」

 

攻撃が成功し、喜んでぴょんぴょんと跳ねていたクリバンデッドが私に手を振ってから姿を消す。

 

そんなクリバンデットを見て思わず笑顔を浮かべながら、私はデッキの上から5枚のカードをめくって中から1枚のカードを手札に加えた。

 

「私は魔法カード、ワンフォーワンを手札に加えてターンエンドです‼︎」

 

 

遊花 LP8000 手札5

 

ーー▲ーー ー

ーーーーー

ー ー

ーーーーー

ーー▲ーー ▽

 

美傘 LP7000 手札4

 

 

「私のターン、ドロー‼︎ It's Showtime( さあ、ショータイムだ)‼︎私はスケール1、オッドアイズペルソナドラゴンと、スケール8のオッドアイズミラージュドラゴンでペンデュラムスケールをセッティング‼︎」

 

美傘さんを挟むように光の柱が立ち上り、その光の中に2体のドラゴンの姿が映る。

 

そしてそのドラゴンの下には1と8の数字が浮かんだ。

 

「これで私は2から7までのモンスターを同時に特殊召喚可能‼︎揺れろ揺れろ、魂の振り子‼︎空に輝け、虹のアーチ‼︎ペンデュラム召喚‼︎飛び出せ、私のモンスター達‼︎」

 

美傘さんがそういうと空に巨大な穴が空き、そこからフィールドに向かって2つの光が舞い降りる。

 

「レベル3、雷天気ターメル‼︎」

 

 

〈雷天気ターメル〉☆3 天使族 光属性

ATK1700

 

 

最初に現れたのはクレヨンのような物を持ち背中に雷を背負ったモンスター。

 

そしてターメルの後ろに現れるのは赤と青の目を持つ巨大な龍。

 

「そして、EXデッキより現れて、美しき2色の眼で観客を魅了せよ‼︎レベル7、オッドアイズペンデュラムドラゴン‼︎」

 

 

〈オッドアイズペンデュラムドラゴン〉☆7 ドラゴン族 闇属性

ATK2500

 

 

「オッドアイズペンデュラムドラゴン………まさかまた戦うことになるなんて思わなかったな」

 

「あれれ?遊花ちゃんはオッドアイズペンデュラムドラゴンのことを知ってるの?このカード、私以外に持ってる人を見たことないんだけど………」

 

「はい、ちょっと異世界で」

 

「………遊騎さんも言ってたよね、それ。そのネタ遊騎さん達の中で流行ってるの?まあいいや。それじゃあバトルフェイズ‼︎」

 

「なら、バトルフェイズ開始時にリバースカードオープン‼︎永続罠、通行増税‼︎お互いのプレイヤーは手札を1枚墓地へ送らなければ攻撃宣言が出来なくなります‼︎」

 

「うわぁ、面倒なカードが出ちゃったな。だけどここは果敢に攻めちゃうよ‼︎手札を1枚捨ててオッドアイズペンデュラムドラゴンでダイレクトアタック‼︎螺旋のストライクバースト‼︎」

 

ペンデュラムドラゴンが虹色のブレスを私に向かって放とうとする。

 

美傘さんのデッキはさっきのデュエルを見た限り相手の動きを封じながら大量展開からの一斉攻撃で決めにいくデッキだった。

 

なら、最初から出来るだけダメージは抑えていく‼︎

 

「虹には虹で対抗です‼︎攻撃宣言時、手札から虹クリボーの効果発動‼︎このカードをそのモンスターに装備し、そのモンスターは攻撃することが出来ません‼︎レインボーガード‼︎」

 

「うっ、そんなカードが手札にあったのかー」

 

私の手札から虹色の角を持つ球体が現れてペンデュラムドラゴンの動きを止める。

 

それを見て美傘さんは渋い表情を浮かべた。

 

「うぅ〜最後の手札は捨てたくないからこのターンはもう攻撃出来ないか。仕方ない、メインフェイズ2。まずは天空の虹彩の効果を発動‼︎ペンデュラムゾーンのオッドアイズミラージュドラゴンを破壊してデッキからオッドアイズアークペンデュラムドラゴンを手札に加えるよ。そしてリバースカードオープン‼︎永続罠、ペンデュラムスイッチ‼︎自分のモンスターゾーンのペンデュラムモンスター1体を対象としてそのペンデュラムモンスターを自分のペンデュラムゾーンに置くことができるよ‼︎私はエクストラモンスターゾーンのオッドアイズペンデュラムドラゴンをペンデュラムゾーンにおくよ‼︎」

 

「っ、またペンデュラムドラゴンがペンデュラムゾーンに………装備モンスターがいなくなったことで虹クリボーは墓地に送られます」

 

光の柱の中にいた緑色のドラゴンの姿が消え、代わりにフィールドにいたペンデュラムドラゴンが光の柱の中に入っていく。

 

「オッドアイズが活躍したからお次は天気の出番だよ。雷天気ターメルの効果発動‼︎自分フィールドの表側表示の永続魔法・永続罠カードを1枚墓地へ送ってデッキから天気魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置くよ‼︎私はペンデュラムスイッチを墓地へ送ってデッキから雪の天気模様をフィールドの中央に表側表示で置くよ‼︎」

 

ターメルがクレヨンを空に向かって投げると、クレヨンがひとりでに動いて雲を描き、その雲から雪が降り始める。

 

「雪の天気模様は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できず、このカードと同じ縦列の自分のメインモンスターゾーン及びその両隣の自分のメインモンスターゾーンに存在する天気効果モンスターはこのカードを除外してデッキから天気カード1枚を手札に加え、この効果は相手ターンでも使えるという効果を得る。ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事はできなくなるけどね」

 

「霊華さんのデュエルでは何度もその効果で手札を増やしていましたね………かなり厄介なカードです」

 

「さらにこのターン私は通常召喚を行なってない。私は雷天気ターメルをリリースして極天気ランブラをアドバンス召喚‼︎」

 

ターメルの姿が粒子に変わって空に登っていき、ターメルが描いた雲の中に入っていく。

 

しばらくするとその雲から粒子が降り注ぎ、粒子が形を成すとオーロラを背にしている長い緑髪のモンスターが現れた。

 

 

〈極天気ランブラ〉☆6 天使族 闇属性

ATK2200

 

 

「極天気ランブラの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、自分の手札・デッキ・墓地から天気魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置くよ‼︎私はデッキから晴れの天気模様を雪の天気模様の右横に表側表示で置くよ‼︎」

 

ランブラが空に手をかざすと、雲に切れ間ができ、そこから太陽が顔を覗かせた。

 

「晴れの天気模様も自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できず、このカードと同じ縦列の自分のメインモンスターゾーン及びその両隣の自分のメインモンスターゾーンに存在する天気効果モンスターはこのカードを除外し、自分フィールドのモンスター1体をリリースし、そのモンスターとカード名が異なる天気モンスター1体を自分の手札・墓地から選んで特殊召喚する効果を得るよ。この効果も勿論相手ターンでも発動できる」

 

「美傘さんのデッキにはペンデュラムモンスターがいますからリリースするコストはほとんど無いようなものというわけですね」

 

That's right( その通り)‼︎流石は遊騎さんの弟子、理解が早いね。そして極天気ランブラの永続効果でこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの天気魔法・罠カードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されないよ。エンドフェイズ‼︎オッドアイズペンデュラムドラゴンの効果発動‼︎ペンデュラムリード‼︎このカードを破壊し、デッキから EM( エンタメイト)ペンデュラムマジシャンを手札に加えてターンエンドだよ」

 

 

遊花 LP8000 手札4

 

ーー△ーー ー

ーーーーー

ー ー

ーー○ーー

△ー雪晴ー ▽

 

美傘 LP7000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎まずは手札からクリボーンを捨てて魔法カード、ワンフォーワンを発動‼︎デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する‼︎お願い、ミスティックパイパー‼︎」

 

 

〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性

DEF0

 

 

フィールドに現れたのはフルートのようなものを弾いている男の人。

 

今の手札だと少し厳しいから、今回もお願いね、ミスティックパイパー。

 

そんなことを思う私にミスティックバイパーは任せろとでも言うようにサムズアップをした。

 

「ミスティックパイパーの効果発動‼︎このカードをリリースして自分のデッキからカードを1枚ドローします。そしてこの効果でドローしたカードをお互いに確認し、レベル1モンスターだった場合、自分はカードをもう1枚ドローします‼︎」

 

「むむっ、レベル1が主体の遊花ちゃんのデッキでそのモンスターが出てくるということは………」

 

「私が引いたのはクリアクリボー‼︎レベル1モンスターなのでもう1枚ドローします‼︎」

 

ミスティックパイパーが姿を消し、私はさらにカードをドローする。

 

………うん、この手札ならどうにかなりそう‼︎

 

「私はクリアクリボーを召喚‼︎」

 

 

〈クリアクリボー〉☆1 天使族 光属性

ATK300

 

 

現れたのは紫色の毛玉のようなモンスター。

 

召喚されたクリアクリボーは不安そうな鳴き声をあげている。

 

だ、大丈夫だよ。

 

君に戦って貰うわけじゃないからそんなに怯えないで?

 

「墓地に存在するジェットシンクロンの効果発動‼︎手札を1枚墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外される‼︎」

 

「クリバンデットの時に墓地に落ちてたんだね」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性

DEF0

 

 

現れたのは小さなジェット機のような機械のモンスター。

 

現れたジェットシンクロンはクリアクリボーを宥めるようにクリアクリボーの周りを飛び回る。

 

「私はレベル1、クリアクリボーとジェットシンクロンでオーバーレイ‼︎。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

「まずはエクシーズ召喚か」

 

クリアクリボーとジェットシンクロンが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこには白い馬に乗る小さな首無しの騎士がいた。

 

「闇夜に紛れし哀しき妖精‼︎その刃で疑惑を切り裂け‼︎ランク1‼︎ゴーストリックデュラハン‼︎」

 

 

〈ゴーストリックデュラハン〉★1 悪魔族 闇属性

ATK1000

 

 

「ゴーストリックデュラハンの永続効果、スリーピィフィアー。このカードの攻撃力は自分フィールドのゴーストリックと名のついたカードの数×200ポイントアップします‼︎」

 

 

ゴーストリックデュラハン

ATK1000→1200

 

 

「ゴーストリックデュラハン………確か竜河さんのデュエルで攻撃力を半減させようとしてたっけ。このままだと極天気ランブラを超えられちゃうか」

 

「バトル‼︎通行増税の効果で手札を1枚捨ててゴーストリックデュラハンで極天気ランブラを攻撃‼︎」

 

「なら、私は雪の天気模様の効果を得た極天気ランブラの効果を発動‼︎このカードを除外してデッキから天気カード1枚を手札に加えるよ。極天気ランブラを除外してデッキから曇天気スレットを手札に加えるよ‼︎」

 

「攻撃対象がいなくなりましたが攻撃はそのまま続行です‼︎ゴーストリックデュラハンでダイレクトアタック‼︎ナイトオブビヘッド‼︎」

 

「うわっ⁉︎」

 

「ええっ⁉︎」

 

 

美傘 LP7000→5800

 

 

デュラハンが美傘さんの首元を斬り付け、それを見て、私と美傘さんが驚きの声をあげる。

 

「怖っ⁉︎怖いよ‼︎立体映像だとは分かってるけど流石に怖すぎるって‼︎」

 

「ご、ごごご、ごめんなさい‼︎」

 

私は必死に頭を下げて美傘さんに謝る。

 

そ、そういえばいつも駄天使にランクアップさせてたからデュラハンでまともにプレイヤーを攻撃したことってなかった気がする。

 

ま、まさかそんな攻撃をするなんて………

 

デュラハンは不思議そうに身体を揺する。

 

も、もうその攻撃は禁止‼︎

 

私も心臓に悪いから‼︎

 

そんな私の視線を受けてデュラハンはガクッと項垂れた。

 

うっ………可愛そうだけど、あれは心臓に悪いし、もし異世界の時みたいにダメージが実体化するようなことがあったら怖いから、ここはしっかりと言い聞かせておかないといけないよね?

 

「メインフェイズ2。私はカードを2枚伏せてターンエンドです」

 

 

遊花 LP8000 手札0

 

ー▲△▲ー ー

ーーーーー

ー ○

ーーーーー

△ー雪晴ー ▽

 

美傘 LP5800 手札3

 

 

「あーびっくりした。まさかこんな風に驚かされるなんて思わなかったよ………なら、今度は私が遊花ちゃんを驚かさないとね‼︎私のターン、ドロー‼︎スタンバイフェイズ‼︎極天気ランブラの効果発動‼︎フィールドのこのカードが天気カードの効果を発動するために除外された場合、次のターンのスタンバイフェイズに除外されているこのカードを特殊召喚するよ‼︎」

 

 

〈極天気ランブラ〉☆6 天使族 闇属性

ATK2200

 

 

It's Showtime( さあ、ショータイムだ)‼︎私はスケール8のオッドアイズアークペンデュラムドラゴンで再びペンデュラムスケールをセッティング‼︎」

 

消えていた光の柱の中にいたペンデュラムドラゴンに似た姿をしたドラゴンが現れる。

 

そしてそのドラゴンの下に8の数字が浮かぶ。

 

「これで私は再び2から7までのモンスターを同時に特殊召喚可能‼︎揺れろ揺れろ、魂の振り子‼︎空に輝け、虹のアーチ‼︎ペンデュラム召喚‼︎飛び出せ、私のモンスター達‼︎」

 

美傘さんがそういうと空に巨大な穴が空き、そこからフィールドに向かって3つの光が舞い降りる。

 

「レベル3、曇天気スレット‼︎」

 

 

〈曇天気スレット〉☆3 天使族 風属性

ATK1500

 

 

最初に現れたのはペンのような物を持ち雲を纏っているモンスター。

 

「レベル4、EMペンデュラムマジシャン‼︎」

 

 

〈EMペンデュラムマジシャン〉☆4 魔法使い族 地属性

ATK1500

 

 

次に現れたのは真っ赤なシルクハットを被ったマジシャンのモンスター。

 

そしてスレットとペンデュラムマジシャンの後ろから再び赤と青の目を持つ巨大な龍が現れる。

 

「そして、再びEXデッキより現れて、美しき2色の眼で観客を魅了せよ‼︎レベル7、オッドアイズペンデュラムドラゴン‼︎」

 

 

〈オッドアイズペンデュラムドラゴン〉☆7 ドラゴン族 闇属性

ATK2500

 

 

「今度は3体………」

 

「EMペンデュラムマジシャンの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのカードを2枚まで対象としてそのカードを破壊し、破壊した数だけデッキからEMペンデュラムマジシャン以外のEMモンスターを同名カードは1枚まで手札に加えるよ‼︎私は晴れの天気模様と雪の天気模様を破壊してデッキから EM( エンタメイト)レ・ベルマンと EM( エンタメイト)バリアバルーンバクを手札に加えるよ‼︎」

 

ペンデュラムマジシャンが指を鳴らすと、降っていた雪と太陽が消え、ペンデュラムマジシャンの手元に2枚のカードが現れる。

 

「さらに曇天気スレットの効果発動‼︎このカードが自分フィールドに存在し、このカード以外の自分フィールドの表側表示の天気カードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の天気魔法・罠カードを2枚まで対象としてそのカードを自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置くよ‼︎私は墓地から晴れの天気模様と雪の天気模様を再び同じ場所に置くよ‼︎」

 

「っ⁉︎破壊した天気魔法が戻るんですか⁉︎」

 

スレッドが纏っていた雲を空に飛ばし、さらに持っていたペンを空に投げる。

 

ペンが空に飛ばされた雲に入ると、再びフィールドに雪が降りはじめ、雲の切れ間からは太陽が顔を出した。

 

「ふふん、どんどんいくよ‼︎私は墓地に存在するチューナーモンスター、貴竜の魔術師の効果を発動‼︎このカードが手札・墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル7以上のオッドアイズモンスター1体を対象として、そのモンスターのレベルを3つ下げ、このカードを特殊召喚する‼︎」

 

「っ、通行増税の効果で捨ててたんですね」

 

「私はオッドアイズペンデュラムドラゴンのレベルを3つ下げて貴竜の魔術師を召喚‼︎」

 

 

オッドアイズペンデュラムドラゴン

☆7→4

 

 

〈貴竜の魔術師〉☆3 魔法使い族 炎属性

DEF1400

 

 

現れたのは白いローブを纏った魔法使いのモンスター。

 

「チューナー、ということは………」

 

「そう、シンクロ召喚だよ‼︎貴竜の魔術師の効果でこのカードをシンクロ素材とする場合、ドラゴン族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できず、他のシンクロ素材にオッドアイズモンスター以外のモンスターを使用した場合、このカードを持ち主のデッキの一番下に戻るよ。私は、レベル4となったオッドアイズペンデュラムドラゴンに、レベル 3、チューナーモンスター、貴竜の魔術師をチューニング‼︎」

 

貴竜の魔術師が光の輪になり、ペンデュラムドラゴンが小さな星に変わり、光の道になる。

 

そして光の道が輝くと、その中から燃え上がる炎と共にルビーのような体躯を持つ龍が現れた。

 

「シンクロ召喚‼︎観客を魅力し、熱狂の炎を灯せ‼︎オッドアイズメテオバーストドラゴン‼︎」

 

 

〈オッドアイズメテオバーストドラゴン〉☆7 ドラゴン族 炎属性

ATK2500

 

 

「炎のオッドアイズ………」

 

「オッドアイズメテオバーストドラゴンの効果発動‼︎ペンデュラムコネクト‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、自分のペンデュラムゾーンのカード1枚を対象としてそのカードを特殊召喚する‼︎ただし、このターン、このカードは攻撃できなくなるよ。私はペンデュラムゾーンのオッドアイズペルソナドラゴンを特殊召喚‼︎」

 

メテオバーストドラゴンの前に大きな魔法陣が現れ、美傘さんの隣に立っている光の柱にも同じ魔法陣が現れる。

 

そして光の柱が姿を消すと、その魔法陣の中から白い仮面のような身体を持つ赤と青の目を持つ小さな龍が現れた。

 

 

〈オッドアイズペルソナドラゴン〉☆5 ドラゴン族 闇属性

ATK1200

 

 

「オッドアイズペルソナドラゴンの効果発動‼︎1ターンに1度、EXデッキから特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする‼︎この効果は相手ターンでも発動できるよ。私はゴーストリックデュラハンを対象に、その効果を無効にするよ‼︎」

 

「っ、なら‼︎チェーンしてゴーストリックデュラハンの効果発動‼︎ホロウエクスキュート‼︎オーバーレイユニットを1つ使い、フィールド上のモンスター1体を対象に、選択したモンスターの攻撃力を半分にします‼︎この効果は相手ターンでも使えます‼︎対象は極天気ランブラ‼︎」

 

デュラハンがその手に持った小さな剣を振るうと、その剣から不可視の斬撃が飛び、ランブラが膝をつく。

 

そんなデュラハンにペルソナドラゴンが咆哮を放ち、デュラハンも膝をついた。

 

 

極天気ランブラ

ATK2200→1100

 

 

ゴーストリックデュラハン

ATK1200→1000

 

 

「攻撃力を下げられるのは仕方ないけど、それでも私は止まらないよ‼︎天空の虹彩の効果を発動‼︎私はオッドアイズメテオバーストドラゴンを破壊してデッキから EM( エンタメイト)オッドアイズディゾルヴァーを手札に加えるよ‼︎」

 

「えっ?せっかく出したオッドアイズメテオバーストドラゴンを破壊しちゃうんですか?」

 

メテオバーストドラゴンの姿が粒子に代わり、私は困惑の表情を浮かべる。

 

そんな私を見て、美傘さんはニヤリと笑った。

 

「にひひ、心配ご無用‼︎オッドアイズアークペンデュラムドラゴンのペンデュラム効果発動‼︎リターンペンデュラム‼︎自分フィールドのオッドアイズカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の手札・デッキ・墓地からオッドアイズモンスター1体を選んで特殊召喚する‼︎蘇って、オッドアイズメテオバーストドラゴン‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

光の柱にいるアークペンデュラムドラゴンが咆哮する。

 

すると、散っていた粒子が集まって大きな魔法陣が生まれ、その中から再びルビーのような体躯を持つ龍が現れた。

 

 

〈オッドアイズメテオバーストドラゴン〉☆7 ドラゴン族 炎属性

ATK2500

 

 

「またオッドアイズメテオバーストドラゴンがフィールドに………」

 

「破壊されて蘇生したことによりオッドアイズメテオバーストドラゴンの攻撃制限は解かれるよ。そしてオッドアイズメテオバーストドラゴンの永続効果、メテオフェーズ‼︎このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズ中にモンスターの効果を発動できないよ‼︎」

 

「っ⁉︎そんな効果が⁉︎」

 

美傘さんから告げられたメテオバーストドラゴンの効果に私は苦しい表情を浮かべる。

 

バトルフェイズ中のモンスター効果封じ。

 

それはモンスター効果を軸に防御を行う私のデッキの天敵とも言える効果。

 

美傘さんの今の手札は4枚。

 

その上、美傘さんには蘇生を行える晴れの天気模様と手札を増やせる雪の天気模様がある。

 

それを使って極天気ランブラを蘇生し、攻撃力を戻せば私のライフポイントを大きく削れる。

 

そうなればメテオバーストドラゴンを処理出来ない私は防御手段がなくなり、間違いなく負ける。

 

「行くよ、バトル‼︎手札を1枚捨ててオッドアイズメテオバーストドラゴンでゴーストリックデュラハンを攻撃‼︎メテオブレス‼︎」

 

メテオバーストドラゴンの口元に炎が集まり、デュラハンに向けて放たれそうになる。

 

………多分、期末試験が終わった直後の私ならここでどうにも出来なくなり負けていただろう。

 

だけど、今の私はその時とは違う。

 

僅かな間だったけど、大切な出会いを経験したんだもん‼︎

 

「神楽さん、また力をお借りします‼︎リバースカードオープン‼︎速攻魔法、皆既日蝕の書‼︎太陽の光が隠れることで全てのモンスターが眠りにつく‼︎フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にします‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

フィールドに現れていた太陽に月が重なり、太陽の光が遮られてフィールドが夜のように暗くなる。

 

あたりが暗くなったことにより、フィールドにいたモンスターは全て眠りについた。

 

「ただし、このターンのエンドフェイズに、相手フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にし、その後、この効果で表側守備表示にしたモンスターの数だけ相手はデッキからドローします」

 

美傘さんの攻撃を防いだことで、観客席が少し賑やかになってくる。

 

美傘さんは攻撃を防いだ私と、賑やかになってきた観客席を見て、輝くような笑顔を見せた。

 

「………あはは‼︎まさかこの攻撃も躱されちゃうなんてね。いいね、すっごくいいよ‼これこそエンターテイメントって奴だもん‼︎さあ、遊花ちゃん。私達でもっと観客を盛り上げちゃおう‼︎」

 

「‼︎はい‼︎」

 

「メインフェイズ2。このまま手札が増えちゃうと手札制限もあって少し勿体ないから使えるカードは使っておくかな?私はスケール1、EMレ・ベルマンをペンデュラムスケールにセッティング‼︎」

 

美傘さんの隣に再び光の柱が立ち上り、その光の中にベルを被ったモンスターの姿が映り、その下に1の数字が浮かんだ。

 

これで美傘さんは次のターンも2から7までのペンデュラム召喚が行える。

 

「さらにカードを1枚伏せてエンドフェイズ‼︎皆既日蝕の書の効果で眠っていたモンスターが目覚め、表側守備表示になり私はカードを5枚ドローするよ‼︎」

 

「なら私もエンドフェイズ‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎裁きの天秤‼︎相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計数より多い場合に発動でき、自分はその差の数だけデッキからドローします‼︎」

 

「っ⁉︎それも狙っての皆既日蝕の書だったの⁉︎」

 

「美傘さんのフィールドのカードは11枚、私は裁きの天秤、ゴーストリックデュラハン、通行増税の3枚。その差分の8枚のカードをドローします‼︎」

 

「ここにきて8枚もドローか………これは楽しくなってきたよ‼︎私も皆既日蝕の書の効果で全てのモンスターを表側にするよ‼︎皆、起きろ起きろ起きろー‼︎」

 

 

 

〈曇天気スレット〉☆3 天使族 風属性

DEF1000

 

 

〈極天気ランブラ〉☆6 天使族 闇属性

DEF2000

 

 

〈EMペンデュラムマジシャン〉☆4 魔法使い族 地属性

DEF800

 

 

〈オッドアイズペルソナドラゴン〉☆5 ドラゴン族 闇属性

DEF2400

 

 

〈オッドアイズメテオバーストドラゴン〉☆7 ドラゴン族 炎属性

DEF2000

 

 

「そして表側表示になった枚数、つまり5枚のカードをドロー‼︎………っ、このカードは………」

 

美傘さんがドローしたカードの1つを見て目を見開く。

 

そして、まるで悪戯を思いついた子供のような笑顔を浮かべた。

 

「にひひ‼︎これは面白いことになりそうだよ‼︎改めて私はこれでターンエンドだよ‼︎」

 

 

遊花 LP8000 手札8

 

ーー△ーー ー

ーーーーー

ー ■

□□□□□

△▲雪晴△ ▽

 

美傘 LP5800 手札6

 

 

美傘さんのフィールドは全て埋まっていて手札は6枚。

 

そしてメテオバーストドラゴンを封じないと私のデッキで美傘さんの攻撃を防いでいくのには限界がある。

 

だけど、美傘さんのペンデュラムゾーンにアークペンデュラムドラゴンがある限り、破壊しても蘇生されてしまう。

 

だけど、この手札なら………‼︎

 

「私のターン、ドロー‼︎まずは魔法カード、マジックプランター‼︎自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚を墓地へ送って自分はデッキから2枚ドローします‼︎私は通行増税を墓地に送って2枚ドロー‼︎」

 

「攻撃制限を取り払ってきたか………それに手札は10枚。さあ、どんなのがくるかな?」

 

「まずはこれです‼︎速攻魔法‼︎エネミーコントローラー‼︎私は2つの効果の内、自分フィールドのモンスター1体をリリースし、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象に、その表側表示モンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る効果を選択‼︎私はゴーストリックデュラハンをリリースし、オッドアイズメテオバーストドラゴンのコントロールを得ます‼︎」

 

ゲームのコントローラーが私の前に現れ、デュラハンの姿が消えるとコントローラーが動きはじめる。

 

コントローラーがコマンドを入力し終えるとメテオバーストドラゴンの姿が消え、私のフィールドに現れた。

 

「オッドアイズメテオバーストドラゴンを奪われちゃったか………敵に回すと厄介なんだよね、あの効果。おまけにエクストラモンスターゾーンも空いちゃった」

 

「それだけじゃありません‼︎墓地に送られたゴーストリックデュラハンの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分の墓地のゴーストリックカード1枚を対象としてそのカードを手札に加えます。私は墓地にあるゴーストリックランタンを手札に加えます‼︎」

 

「っ、それもクリバンデットの時に落ちたカードか」

 

「どんどんいきます‼︎速攻魔法‼︎クリボーを呼ぶ笛‼︎その効果で自分はデッキからクリボーまたはハネクリボー1体を選択し、手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができる‼︎私か選ぶのは特殊召喚‼︎おいで、クリボー‼︎」

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

私の前に現れたのは茶色の毛玉のようなモンスター。

 

今回も貴方の力、使わせて貰うよ‼︎

 

「速攻魔法‼︎増殖‼︎自分フィールド上に表側表示で存在するクリボー1体をリリースして自分フィールド上にクリボートークンを可能な限り守備表示で特殊召喚します‼︎」

 

「‼︎この流れは、竜河さんの時に見た連続リンク召喚の流れ⁉︎」

 

 

〈クリボートークン〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

私のフィールドに4体のクリボーが現れる。

 

さあ、行くよ‼︎

 

「導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私が手をかざすと、目の前に大きなサーキットが現れる。

 

まずは貴方の出番だよ‼︎

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体。私はクリボートークンをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚‼︎希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

私の前に元気一杯に飛び出してくるのは青い球体のモンスター。

 

今回もよろしくね、リンクリボー。

 

さらに私は続けて正面に手をかざし、サーキットを出現させる。

 

「さらに導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「やっぱり連続リンク召喚だね」

 

「召喚条件はモンスター2体。私はクリボートークン2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚‼︎リンク2‼︎プロキシードラゴン‼︎」

 

 

〈プロキシードラゴン〉LINK 2 サイバース族 光属性

ATK1400 ←→

 

 

次に現れたのは白い身体をした機械の竜。

 

「どんどん行きます‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎召喚条件は通常モンスター1体‼︎私はクリボートークンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎リンクスパイダー‼︎」

 

 

〈リンクスパイダー〉LINK1 サイバース族 地属性

ATK1000 ↓

 

 

私の前に機械の蜘蛛が現れる。

 

「そして導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「一気に4回のリンク召喚か………うーん、こういうのも派手でいいなー」

 

このターン4度目のサーキット。

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はリンクスパイダー、リンクリボー、プロキシードラゴンを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

「リンク4………大型が来るね」

 

美傘さんの防御はかなり硬い。

 

だからこそ、その防御を撃ち抜く力を私に貸して‼︎

 

「閉ざされた運命を撃ち抜く信念の弾丸‼︎リンク4‼︎ヴァレルロードドラゴン‼︎」

 

私の呼び声に応えるように龍の咆哮がフィールドに轟いた。

 

 

〈ヴァレルロードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性

ATK3000 ↙︎←→↘︎

 

 

「ヴァレルロードドラゴンか。また厄介なモンスターが出てきたね」

 

「まだ終わりじゃありません‼︎魔法カード、イリュージョンの儀式を発動‼︎」

 

「っ、今度は儀式モンスターか。やるね、遊花ちゃん」

 

私の前に現れるのは金色の目の形をした壺。

 

「自分の手札・フィールドから、レベルの合計が1以上になるようにモンスターをリリースし、手札からサクリファイスを儀式召喚します‼︎私は手札のサクリボーをリリース‼︎」

 

金色の目の形をした壺に背中に千年眼が付いている茶色の毛玉のようなモンスターが吸い込まれていく。

 

しばらくすると壺が割れ、中から妖しい邪眼を持つモンスターが現れた。

 

「儀式召喚‼︎相手を捕える妖しい邪眼‼︎サクリファイス‼︎」

 

 

〈サクリファイス〉☆1 魔法使い族

ATK0

 

 

「サクリボーの効果発動‼︎このカードがリリースされた場合に自分はデッキから1枚ドローします‼︎そしてサクリファイスの効果発動‼︎アブソープション‼︎1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象にそのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターの数値分アップし、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊できるよ‼︎対象はオッドアイズペルソナドラゴン‼︎吸い込んじゃって、サクリファイス‼︎」

 

「っ、ヴァレルロードドラゴンは選ばれないし、サクリファイスは手札からの特殊召喚。オッドアイズメテオバーストドラゴンも墓地から蘇生したから効果を無効には出来ないか………ゴメンね、オッドアイズペルソナドラゴン」

 

サクリファイスのお腹にある穴が開き、ペルソナドラゴンが吸い込まれる。

 

しばらくすると背中についている羽のような部分から白い仮面が浮き上がった。

 

 

サクリファイス

ATK0→1200

 

 

「何も無ければバトルフェイズに入りますが、何かありますか?」

 

「バトルフェイズになるとオッドアイズメテオバーストドラゴンの効果でモンスター効果が封じられるから使うなら今だけど………フィールドをガラ空きにするのも少し怖いからここはスルーだよ」

 

「ならバトル‼︎サクリファイスで曇天気スレットを攻撃‼︎イリュージョン・ペルソナブラスト‼︎」

 

サクリファイスのお腹にある穴が開き、そこからドラゴンの咆哮が響き、衝撃波になってスレットを吹き飛ばして消滅させる。

 

「くっ………曇天気スレットは破壊される」

 

「ここからが本番です‼︎手札を1枚捨てて、速攻魔法、超融合‼︎」

 

「なっ⁉︎そのカードは⁉︎」

 

「手札を1枚捨てて発動し、自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚します‼︎このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できません‼私が融合するのはサクリファイスと極天気ランブラ‼︎」

 

「うっ、極天気ランブラを使われちゃうか。サクリファイスを使うってことはあの融合モンスターのサクリファイスだね。動き辛くはなっちゃうけど、攻撃力がないあのモンスターならまだ………」

 

そういって、ホッとしたような表情を浮かべる美傘さんに私は笑顔を浮かべながら首を振る。

 

「残念ですが、出てくるのはミレニアムアイズサクリファイスじゃありません。私は、フィールドの闇属性モンスター、サクリファイスに、闇属性モンスター、極天気ランブラを融合‼︎妖しい邪眼よ、極光の輝きと交わりて、孤独を壊す力とならん‼︎」

 

フィールドに現れた嵐のように激しい渦にサクリファイスとランブラが吸い込まれていく。

 

さあ、久しぶりの出番だから、思いっきりお願いね。

 

私のそんな思いに応えるように、渦が弾け、産声をあげるように龍の咆哮が響いた。

 

「融合召喚‼︎閉ざされた世界を溶かす毒龍‼︎スターヴヴェノムフュージョンドラゴン‼︎」

 

 

〈スターヴヴェノムフュージョンドラゴン〉☆8 ドラゴン族 闇属性

ATK2800

 

 

「ドラゴンの融合モンスター⁉︎」

 

「スターヴヴェノムフュージョンドラゴンの効果発動‼︎パワースワローヴェノム‼︎このカードが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選び、その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップする‼︎対象にするのはEMペンデュラムマジシャン‼︎」

 

「ええっ⁉︎」

 

スターヴヴェノムがペンデュラムマジシャンに毒の瘴気を放ち、その力を奪い取っていく。

 

 

スターヴヴェノムフュージョンドラゴン

ATK2800→4300

 

 

「攻撃力4300⁉︎」

 

「ヴァレルロードドラゴンでEMペンデュラムマジシャンを攻撃‼︎銃声のイジェクトフレア‼︎」

 

ヴァレルロードの口から砲台が現れ、ペンデュラムマジシャンに向けて粒子砲を放つ。

 

「この瞬間、ヴァレルロードドラゴンの効果発動‼︎エロージョンエイミング‼︎このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に、その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得て、そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られます‼︎」

 

「ううっ、今回はモンスターを奪われてばかりだよ………」

 

私が効果を宣言すると、ヴァレルロードの粒子砲が威力を増し、ペンデュラムマジシャンを包み込みこちらのバトルゾーンに移動させる。

 

これで美傘さんのフィールドはガラ空きになった‼︎

 

「スターヴヴェノムフュージョンドラゴンでダイレクトアタック‼︎消失のヴェノムストリーム‼︎」

 

「ぐうぅぅぅ‼︎」

 

 

美傘 LP5800→1300

 

 

スターヴヴェノムが毒のブレスが美傘さんのライフを大きく削る。

 

美傘さんのライフは残り僅か。

 

だけどこれ以上、攻撃を続ける手段はない。

 

それでも、私のライフポイントはまだ8000で美傘さんのライフは1300。

 

これだけライフを削れたならだいぶ有利になっているハズだ。

 

「いたた………思ってた以上に削られちゃったな。だけど、このターンが終わればオッドアイズメテオバーストドラゴンが戻ってくる。そうなればモンスター効果で防御を行う遊花ちゃんには辛いハズだよ?」

 

「そこもちゃんと考えてます‼︎メインフェイズ2、オッドアイズメテオバーストドラゴンを除外して異次元の精霊を特殊召喚‼︎」

 

「うぇっ⁉︎」

 

 

〈異次元の精霊〉☆1 天使族 光属性

DEF100

 

 

フィールドにいたメテオバーストドラゴンの姿が光に包まれて消滅し、その場所に赤い服を着た小さな精霊のモンスターが現れる。

 

「この方法で特殊召喚した場合、次のスタンバイフェイズに特殊召喚をするために除外したモンスターはフィールドに戻ります。ですが、フィールドに戻るのは次のスタンバイフェイズに異次元の精霊が残っていればの話です‼︎墓地に存在するリンクリボーの効果発動‼︎スケープリンク‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースしてこのカードを墓地から特殊召喚する‼︎私は異次元の精霊をリリース‼︎戻っておいで、リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

異次元の精霊の姿が消え、代わりにリンクリボーが跳ねるように私の前に現れる。

 

それを見て、美傘さんが苦い笑みを浮かべる。

 

「これで事実上オッドアイズメテオバーストドラゴンは完全に除外されるわけだね………流石に除外から戻す方法は持ってないや」

 

「私はカードを2枚伏せてターンエンドです‼︎」

 

「なら、エンドフェイズにリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎活路への希望‼︎」

 

「っ、ここで活路への希望ですか………」

 

「効果は知ってるみたいだね。自分のLPが相手より1000以上少ない場合、1000LPを払って発動‼︎」

 

 

美傘 LP1500→500

 

 

「お互いのLPの差2000につき1枚、自分はデッキからドローする‼︎私のライフは500‼︎遊花ちゃんは8000‼︎よって3枚のカードをドロー‼︎」

 

美傘さんの手札が一気に3枚も増える。

 

これで次のドローも入れて美傘さんの手札はさっきまでの私と同じで10枚。

 

モンスターは全部倒せたけど、次のターンの攻撃はかなり激しいものになりそう。

 

 

スターヴヴェノムフュージョンドラゴン

ATK4300→2800

 

 

遊花 LP8000 手札1

 

ーー▲▲ー ー

ーー□☆○

ー ☆

ーーーーー

△ー雪晴△ ▽

 

美傘 LP500 手札9

 

 

「………ふぃ〜………やっぱり遊花ちゃんは強いね。だけど、デュエルはまだまだ終わらない‼︎追い詰められたこの状況から大逆転して皆に最高のエンターテイメントをお送りしないとね‼︎」

 

「………ふふっ」

 

そういって満面の笑顔を浮かべる美傘さんを見て、私も思わず笑顔が溢れる。

 

そんな私を見て、美傘さんは不思議そうに首を傾げる。

 

「あれれ、どうかした?まだ美傘さん何にもしてないけど」

 

「いえ、やっぱり美傘さんも笑うんだなって思って」

 

「えーもしかして美傘さん笑わない女だと思われてた?クール系な私………ありかな?」

 

「い、いえ、そういう意味じゃなくて、やっぱり美傘さんも師匠みたいに、逆境の中で笑える人なんだなって」

 

「あーそういうことか」

 

私の言葉に美傘さんは納得がいったというような表情を浮かべる。

 

そして美傘さんは審判をしている師匠の方をチラリと見ると、柔らかい表情を浮かべた。

 

「それは当然だよ。だってそれは、私が遊騎さんから学んだことだからね」

 

「師匠から………ですか?」

 

「うん。私ね、プロ決闘者になったばかりの頃はずっと負けてばかりの日々だったんだ。多分、最長で1ヶ月近くは連敗してた」

 

「ええっ⁉︎こんなに強い美傘さんがですか⁉︎」

 

美傘さんが口にした言葉に私は驚きを露わにする。

 

全召喚方法を華麗に使いこなしている美傘さんが1ヶ月も負け続けてただなんて、信じられない。

 

そんな私を見て、美傘さんは苦笑を浮かべながら頭を掻く。

 

「あはは………恥ずかしい話だけど、当時の私は凄く弱かったもん。デッキの中身も今とは違ってオッドアイズ達だけだったし、そのオッドアイズ達を使いこなすことすら、私には出来ていなかった。おまけにそんな調子だから観客を驚かせて笑顔にさせるようなデュエルなんて到底出来っこなくて………あの頃は、プロ決闘者を辞めようかと本気で悩んでたぐらいだった」

 

「美傘さん………」

 

「そんな時だったよ、遊騎さんと出会ったのは。遊騎さんは、当時の私なんかじゃ足元にも及ばないプロ決闘者だったのに、新人だった私なんかの悩みを聞いてくれて、その悩みを吹き飛ばすきっかけをくれたんだ」

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「んー雨夜プロは何か飲みたいものとかあるか?」

 

「い、いえいえいえ、お気になさらず‼︎」

 

「まあそう気にすんなって。新人に奢ってやるって言うのを1度やってみたかったんだ。ウチは新人とか入ってこないしな。というわけで、どうせ高いものでもないんだし、大人しく奢られてくれれば助かる」

 

「あぅ、じゃ、じゃあ、コーヒーを………」

 

「おう」

 

………どうしてこんなことになったんだろう?

 

スタジアムの一角にある誰もいない休憩所。

 

その中にある自動販売機で缶コーヒーを買っている結束プロを見ながら私は途方にくれていた。

 

『ちょっとばかし付き合えよ』、そう言われて付いてきてしまったが、一体これから自分はどうなってしまうんだろう?

 

やっぱり、さっきぶつかったことを本当は怒っていて、お話という名のお説教が待っていたり………

 

「ほれ」

 

「ひゃう⁉︎」

 

自分よりも遥かに大物である人物と2人っきりという状況に不安で押しつぶされそうになって俯いていた私は、いきなり額に冷たい感触を感じて驚きの声を漏らしてしまう。

 

恐る恐る顔をあげるとそこには私に缶コーヒーを差し出して面白そうに笑う結束プロの姿があった。

 

「そんなにびびられるのも新鮮だな。ほら、雨夜プロの分だ」

 

「あ、ありがとうございます………」

 

私は恥ずかしさに顔を赤くしながら結束プロから缶コーヒーを受け取る。

 

結束プロは自分の缶コーヒーを開けると、それを一飲みしてから私に声をかけてくる。

 

「ふぅ………それで、雨夜プロはなんであんな暗い表情で歩いてたんだ?」

 

「っ‼︎あの、その………」

 

そのストレートな物言いに、私は思わず言葉を詰まらせる。

 

そんな私に苦笑しながらも、結束プロは優しい表情を浮かべて口を開く。

 

「悪い、まどろっこしいのは苦手でさ。いきなりで言いづらいとは思うけど、誰かに話すことで、少しは楽になるかも知れないぜ?まあ、それも別に俺じゃなくてもいいんだけどな」

 

「えっと、結束プロは、その、なんで、私の、ことを………」

 

「んー純粋に気になったんだ。雨夜プロ、滅茶苦茶暗い顔をしてるからさ。よくいるんだよ、雨夜プロみたいに暗い表情で思い悩んでプロ決闘者を辞める新人。プロ決闘者になれる奴ってさ、プロになれるだけの人をワクワクさせることができる凄い所があるんだ。それなのに辞めちゃうなんて、勿体ないじゃないか」

 

「っ………」

 

「だから、せめて俺が気付いた範囲の人ぐらいは、悩んでるならどうにかしてやりたいなって思ってさ」

 

「………優しいんですね、結束プロは」

 

「………いや、全然優しくなんかないさ。誰をも助けられるわけじゃないしな。ただ………折角気づけたのに何もしないのは死ぬほど後悔する。それが嫌だから声をかけた。それだけのことだよ」

 

そう言って結束プロは柔らかい表情で私を見る。

 

その目を見て、私は悟る。

 

この人は、本当にそれだけのために私に声をかけてくれたんだ。

 

偶々出会った私が悩んでいるのを見抜いて、心配だから声をかけてくれた。

 

本当に、それだけで………それだけのことが………今の私には凄く嬉しくって………

 

「あの、結束プロ………どうすれば、誰かを驚かせて、笑顔にさせるようなデュエルが出来るようになりますか?」

 

気付いたら、そんな言葉が私の口から飛び出していた。

 

「誰かを驚かせて、笑顔にさせるようなデュエル………か。それが雨夜プロがプロ決闘者になった理由だって考えてもいいのかな?」

 

「はい。私はお客さんに楽しんでもらえるデュエルがしたいんです」

 

私の言葉を聞き、結束プロは笑うこともなく、真剣な表情で考えはじめる。

 

「んー難しい話だな。俺はお客さんが楽しんで貰えるような工夫なんて全然してないしな」

 

「………そうなんですか?」

 

「俺はプロ決闘者にはならないといけなかったからなったってだけだし。他の人達は世界ランキング9位で凄いとか言うけど、俺はただ好きなようにデュエルをしてるだけだからな」

 

「………意外です。結束プロはいつも華麗な逆転劇を見せているから、そういうこともちゃんと考えてデュエルしてるんだと思ってました」

 

そんなことを口にする私に結束プロは苦笑しながら首を横に振る。

 

「俺が?ないない。そんなこと考えてると、肝心なところで決心が鈍ったりするからな。狙って逆転が出来るようにするぐらいなら、最初から追い込まれないようにデュエルするって。まあ、上手くいかないから毎回追い込まれるんだけどな」

 

「そうなんですか………結束プロのデュエルが1番近いんです。私が目指している、誰かを驚かせて、笑顔にさせるようなデュエルに」

 

「俺のデュエルが?」

 

「はい。結束プロのデュエルには、いつも驚かされて、思わず笑顔になっちゃいますから」

 

結束プロは世界ランキング9位のプロ決闘者だけど、強いから人気があるというわけではない。

 

結束プロのデュエルは、どんな逆境に追い込まれても必ず逆転し、観客を驚かせるものだ。

 

その華麗な逆転劇を見せてくれるのが、結束プロのデュエルの魅力だと思う………私も、その、そんな結束プロのファンだったりするし。

 

だからこそ、毎回見事な逆転劇を見せている結束プロはそういうところも考えてデュエルをしてるんだと思っていた。

 

でも、実際は結束プロはそういうことは意識せずにデュエルをしている。

 

なら、誰かを驚かせて、笑顔にさせるようなデュエルをするにはどうしたら………

 

「んー俺のデュエルね………それなら1つだけ思い浮かぶことがあるな」

 

「⁉︎本当ですか⁉︎それは一体………」

 

結束プロの呟きに、私は思わず身を乗り出す。

 

そんな私に、結束プロは何でもないことのようにその言葉を口にした。

 

「全力で自分も楽しんでデュエルをする」

 

「えっ?自分も楽しんで………?」

 

「ああ。それだけは誰にも負けない自信があるからな」

 

結束プロの言葉に私は思わず首を傾げてしまう。

 

そんな私に、結束プロはさらに言葉を重ねる。

 

「雨夜プロはさ、楽しんでデュエルしてるか?」

 

「そんな、楽しんでデュエルする余裕なんて、私には………」

 

「雨夜プロとの今日のデュエル。雨夜プロ、こんな顰めっ面でずっと辛そうにデュエルしてたぜ」

 

結束プロは自分の頰を引っ張って深刻そうな表情を浮かべる。

 

私は、デュエルをしている時にそんな表情を?

 

そして結束プロは引っ張っていた頰を放すと、輝くような笑顔で私に笑いかけた。

 

「顰めっ面でデュエルしてても、誰も笑顔になんかならないぜ。誰かを笑顔にしたいなら、まずは自分が笑顔でいないとな」

 

「誰かを笑顔にしたいなら、自分が笑顔で………」

 

「だからこそ、自分も全力で楽しんでデュエルをする。楽しんでデュエルをしてたら、勝手に笑顔も浮かんでくるさ。俺は、いつもデュエルを全力楽しんでるぜ。対戦相手が次はどんな戦術がくるのか、どんなモンスターが見れるのか、そう思うだけでワクワクが止まらない。だからこそ、そんな戦術を、凄いモンスター達を打ち破ってみたいから、逆転してみせるんだ」

 

「………でも、私にはそんな実力なんて………」

 

そういって俯いてしまう私の肩を、結束プロは優しく叩いて口を開く。

 

「実力なんて、全力でやってけばいずれは付いてくるさ。雨夜プロとのデュエル、結構楽しかったぜ。あんな色々な召喚方法が使える奴なんてほとんどいないしさ。だから、変に肩肘張らずに、1度心行くまで楽しんでデュエルをしてみろよ。きっと、雨夜プロが目指している景色が見れるハズだぜ」

 

そういって、うーんと伸びをする結束プロは、そのまま視線を休憩所内の時計に移して表情を引攣らせた。

 

そして慌てた表情で残っていた缶コーヒーを一気飲みして私に向かって顔の前で手を合わせる。

 

「悪い‼︎中途半端になっちまったけど、もうすぐ次の試合が始まっちまうから、先に失礼させて貰うな‼︎」

 

そういって慌てて休憩所を出て行こうとする結束プロの背中に私は慌てて頭を下げた。

 

「あっ、あの、ありがとうございました‼︎私………精一杯楽しんでデュエルをしてみます‼︎」

 

そんな私の言葉に、結束プロは面白そうに笑った。

 

「だから、そんな変に肩肘張らなくていいんだって。雨夜プロは真面目過ぎるから、もう少し馬鹿になってみなよ」

 

「ええっ⁉︎」

 

「んじゃ、また機会があったらな。そうだ、良かったら俺のデュエルを見てってくれよ。雨夜プロが言ってたみたいに、雨夜プロが笑顔になって、驚いてくれるようなデュエルが出来るように頑張ってみるからさ」

 

そういって、今度こそ結束プロは休憩所を出て行った。

 

そんな結束プロを見送り、私は結束プロに言われた言葉を唱えてみる。

 

「全力で楽しんでデュエルをする。変に肩肘張らず、もう少し馬鹿になってみる………うん、もう少し、頑張ってみよう」

 

そういって、私も休憩所から出て行って観戦席に向かう。

 

そこで見た結束プロのデュエルは、やっぱり私を笑顔にしてくれて………私がもう1度頑張るきっかけをくれた。

 

そして………遊騎さんのくれたアドバイスは、私を夢だったエンタメデュエリストにしてくれたんだ。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「あの時遊騎さんがアドバイスをくれたから、今の私はここにいる。プロ決闘者を辞めることもなく、誰かを驚かせて、笑顔にさせる決闘者………エンタメデュエリストになれたんだ」

 

「そんなことがあったんですか………やっぱり、師匠は昔から師匠なんですね」

 

美傘さんが話してくれた過去に、私は思わず頰を緩ませる。

 

だって、昔の師匠も、今の師匠と変わらないってことが分かったから。

 

イカサマでプロリーグから追放されるなんてことがあっても………私が尊敬している師匠は、何も変わっていないってことが分かったから。

 

「私は今、最高に楽しんでデュエルをしてる。だからこそ、皆を驚かせて、華麗に遊花ちゃんに勝っちゃうよ‼︎」

 

「私だって、美傘さんとのデュエルは楽しいです‼︎だから、絶対に負けません‼︎」

 

「行くよ、遊花ちゃん‼︎私のターン、ドロー‼︎………ふふっ、これで揃ったね」

 

ドローしたカードを見て、美傘さんは楽しそうな笑顔を浮かべながら、観戦している人達にも聞こえるように声を上げた。

 

「さあ、さあ、お立ち会い‼︎これから皆さんにはお見せするのはエンタメデュエリスト、雨夜 美傘のとっておき‼︎ペンデュラムスケールを超えた、ペンデュラム召喚を皆さんにお見せ致します‼︎」

 

「ペンデュラムスケールを超えた………ペンデュラム召喚?」

 

「それではまずは下準備を致しましょう。魔法カード、魔導契約の扉‼︎自分の手札から魔法カード1枚を選んで相手の手札に加え、その後、自分のデッキからレベル7・8の闇属性モンスター1体を自分の手札に加えるよ‼︎」

 

「モンスターのサーチカード………ここで使っておきます‼︎チェーンしてリバースカードオープン、速攻魔法、魔力の泉‼︎相手フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけ自分はデッキからドローし、その後、自分フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけ自分の手札からカードを選んで捨てます‼︎」

 

「っ⁉︎ここにきてまた大量ドローカードを使ってくるか………やるね、遊花ちゃん」

 

「ただし、このカードの発動後、次の相手ターンの終了時まで、相手フィールドの魔法・罠カードは破壊されず、発動と効果を無効化されなくなります。美傘さんのフィールドにある表側の魔法・罠は2枚のペンデュラムカードと雪の天気模様、晴れの天気模様、魔導契約の扉の5枚。私のフィールドに表側の魔法・罠は魔力の泉1枚。よって5枚ドローし、1枚手札を捨てます‼︎」

 

「想定外に手札が増えちゃったけど問題ないかな?魔導契約の扉の効果で遊花ちゃんにはこのカードをプレゼント‼︎」

 

「あ、ど、どうも………」

 

私の手札に美傘さんの手札から魔法カードが加わってくる。

 

私の手札を増やしてまで一体どんなモンスターを呼ぶんだろう?

 

「私がデッキから手札に加えるのは今回の主役、レベル8、オッドアイズファンタズマドラゴン‼︎」

 

「オッドアイズファンタズマドラゴン………?」

 

美傘さんの手札に見たことのないオッドアイズが手札に加わる。

 

あれが美傘さんが言っていたペンデュラムスケールを超えるモンスターなの?

 

「さてさて、主役は手札に加わったわけだけど、もうちょっとだけ舞台を整えようかな?手札を1枚捨てて魔法カード、ペンデュラムコール‼︎カード名が異なる魔術師ペンデュラムモンスター2体をデッキから手札に加え、このカードの発動後、次の相手ターン終了時まで自分のペンデュラムゾーンの魔術師カードは効果では破壊されなくなるよ‼︎私はデッキから相克の魔術師と相生の魔術師を手札に加えるよ‼︎さらに墓地に存在する晴天気ベンガーラの効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの表側表示の永続魔法・永続罠カード1枚を墓地へ送って、このカードを守備表示で特殊召喚し、手札から天気魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置きます‼︎私は雪の天気模様を墓地に送り、墓地の晴天気ベンガーラを特殊召喚し、手札から永続罠、オーロラの天気模様を置くよ‼︎」

 

 

〈晴天気ベンガーラ〉☆3 天使族 炎属性

DEF400

 

 

フィールドに降り出した雪が溶けて現れたのは、光り輝くオーロラとパレットと筆を持ったモンスター。

 

「そして、このカードは通常召喚する場合、モンスター3体をリリースして召喚しなければならず、モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる‼︎私はフィールドの晴天気ベンガーラ、永続魔法、晴れの天気模様、永続罠、オーロラの天気模様を墓地に送り、手札からモンスターをアドバンス召喚するよ‼︎」

 

「っ⁉︎この条件は霊華さんの時に使った………」

 

「世界を驚愕させる竜を超えし機兵‼︎真竜機兵ダースメタトロン‼︎」

 

 

〈真竜機兵ダースメタトロン〉☆9 幻竜族 光属性

ATK3000

 

 

フィールドにかかっていたオーロラと共に太陽が消え去り、空から剣と矛を持ち、黄金の鎧を身を纏った竜が降りてくる。

 

「真竜機兵ダースメタトロンの永続効果、サクリファイスレジスタンス‼︎このカードは、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたカードと元々の種類が同じカードの効果を受けないよ‼︎今回真竜機兵ダースメタトロンをアドバンス召喚するのにモンスター、魔法、罠を全て使ってるから、今の真竜機兵ダースメタトロンは全てのカード効果を受けないよ‼︎」

 

「っ、完全耐性を持つモンスター………」

 

「そしていよいよ主役の登場だよ‼︎手札のオッドアイズファンタズマドラゴンの効果発動‼︎自分のペンデュラムゾーンにカードが2枚存在し、自分のEXデッキに表側表示のオッドアイズペンデュラムモンスターが存在する場合に、このカードを手札から特殊召喚する‼︎ただし、この効果を発動するターン、自分はペンデュラム召喚できない‼︎」

 

「っ⁉︎ペンデュラム召喚出来なくなる代わりにスケールを超えて手札から出せるからペンデュラムスケールを超えたペンデュラム召喚ってわけですか………」

 

It's Showtime( さあ、ショータイムだ)‼︎限界を超えて揺れろ、魂の振り子‼︎地上に希望の橋を描け、虹のアーチ‼︎オーバースケールペンデュラム‼︎」

 

美傘さんがそういうと空に今まで以上に巨大な穴が空き、そこからフィールドに向かって勢いよく1つの光が流星のように舞い降り、辺りを土煙で包む。

 

そして土煙が吹き払われると、骨を想起させる身体に様々な色の宝玉を身に付け、巨大な黒い角を持った眼に青い炎が宿らせた龍が現れた。

 

「その美しき2色の眼で観客を幻想の世界に誘え‼︎レベル8、オッドアイズファンタズマドラゴン‼︎」

 

 

〈オッドアイズファンタズマドラゴン〉☆8 ドラゴン族 闇属性

ATK3000

 

 

「これが………ペンデュラムスケールを超えたペンデュラム召喚」

 

「それじゃあ行くよ?バトル‼︎真竜機兵ダースメタトロンでヴァレルロードドラゴンを攻撃‼︎」

 

「くっ………ヴァレルロードドラゴンの効果発動‼︎ジャムバレット‼︎オッドアイズファンタズマドラゴンを対象にして攻撃力・守備力を500ポイントダウンさせます‼︎この効果は相手ターンにも発動することができ、この効果に対して相手は効果を発動することが出来ません‼︎」

 

ヴァレルロードが手についているリボルバーから弾丸を撃ち出し、ファンタズマドラゴンを怯ませる。

 

 

オッドアイズファンタズマドラゴン

ATK3000→2500

 

 

「頼んだよ、真竜機兵ダースメタトロン‼︎スキュアブレイズ‼︎」

 

「迎え撃って、ヴァレルロードドラゴン‼︎銃声のイジェクトフレア‼︎」

 

ヴァレルロードが粒子砲を放ち、ダースメタトロンは空から炎の槍を無数に振らせる。

 

それぞれの攻撃はぶつかり合うこと無くお互いの身体を貫いた。

 

「真竜機兵ダースメタトロンの効果発動‼︎ディファレントサモン‼︎アドバンス召喚したこのカードが相手によって破壊された場合、地・水・炎・風属性のいずれかの融合・シンクロ・エクシーズモンスター1体をEXデッキから特殊召喚するよ‼︎」

 

「っ‼︎」

 

風穴が空き消滅していくダースメタトロンを中心に次元に穴が開く。

 

そしてその穴の中から暴風と共にエメラルドのような体躯を持つ龍が現れた。

 

「私が呼び出すのはこのモンスター‼︎観客を魅力し、歓声の旋風を巻き起こせ‼︎オッドアイズボルテックスドラゴン‼︎」

 

 

〈オッドアイズボルテックスドラゴン〉☆7 ドラゴン族 風属性

ATK2500

 

 

「融合の………風のオッドアイズ‼︎」

 

「オッドアイズボルテックスドラゴンの効果発動‼︎サンダーフウァールウインド‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象としてそのモンスターを持ち主の手札に戻す‼︎対象はリンクリボー‼︎」

 

「っ………ゴメンね、リンクリボー」

 

ボルテックスドラゴンがリンクリボーを中心にして高速で旋回すると、リンクリボーを包み込むように竜巻が発生する。

 

身体の小さなリンクリボーが竜巻に耐えられるハズもなく、目を回しながら吹き飛ばされて消えていった。

 

「今度は私のモンスターを返して貰おうかな?オッドアイズボルテックスドラゴンでEMペンデュラムマジシャンを攻撃‼︎ボルテックスソニック‼︎」

 

ボルテックスドラゴンは風を纏ってペンデュラムマジシャンに突撃し、すれ違いざまにその翼でペンデュラムマジシャンを斬り裂いた。

 

「破壊されたEMペンデュラムマジシャンはEXデッキに送られる。そしてお待ちかね、オッドアイズファンタズマドラゴンでスターヴヴェノムフュージョンドラゴンを攻撃‼︎」

 

「えっ⁉︎攻撃力はこっちの方が高いのに⁉︎」

 

ファンタズマドラゴンがスターヴヴェノムに突撃していく。

 

スターヴヴェノムも負けじとファンタズマドラゴンに向かって突撃し、2体の龍がぶつかり合う。

 

「手札に存在するEMオッドアイズディゾルヴァーの効果発動‼︎自分のペンデュラムモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時、このカードを手札から特殊召喚し、その自分のモンスターはその戦闘では破壊されないよ‼︎」

 

 

〈EMオッドアイズディゾルヴァー〉☆8 魔法使い族 闇属性

ATK2000

 

 

フィールドに銀色の鎧に身を包み、錫杖を持った魔術師のようなモンスターが現れ、ファンタズマドラゴンの身体を包むように光のベールを魔法で生み出す。

 

「確かに戦闘破壊は出来なくなったけど、それに何の意味が………」

 

「EMオッドアイズディゾルヴァーを出したのは追撃のため。 本命はこっちさ‼︎オッドアイズファンタズマドラゴンの効果発動‼︎ファントムワールド‼︎このカードが相手モンスターに攻撃するダメージ計算時、その相手モンスターの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、自分のEXデッキの表側表示のペンデュラムモンスターの数×1000ポイントダウンする‼︎」

 

「っ⁉︎それじゃあ‼︎」

 

「私のEXデッキにいるペンデュラムモンスターはEMドクロバットジョーカー、オッドアイズミラージュドラゴン、EMペンデュラムマジシャン、貴竜の魔術師、そしてオッドアイズペンデュラムドラゴンの5枚‼︎よって、スターヴヴェノムフュージョンドラゴンの攻撃力は5000ポイントダウン‼︎」

 

「っ、スターヴヴェノム‼︎」

 

ファンタズマドラゴンの身体に様々な色の宝玉が輝き、その宝玉からEXデッキにいるペンデュラムモンスターの幻影が現れる。

 

現れた幻影はそれぞれの攻撃をスターヴヴェノムに放ち、スターヴヴェノムを怯ませる。

 

 

スターヴヴェノムフュージョンドラゴン

ATK2800→0

 

 

「やっちゃえ、オッドアイズファンタズマドラゴン‼︎幽幻のファンタズマミラージュ‼︎」

 

「っ、迎え撃って‼︎スターヴヴェノムフュージョンドラゴン‼︎消失のヴェノムストリーム‼︎」

 

スターヴヴェノムがファンタズマドラゴンに向かって毒のブレスを放つ。

 

しかし、毒のブレスはファンタズマドラゴンの身体をすり抜けて、ファンタズマドラゴンの姿が幻のように消えていく。

 

スターヴヴェノムが気配を感じて後ろを振り向くと、ファンタズマドラゴンの口元から青い炎のブレスが放たれる。

 

そのブレスに合わせて、ファンタズマドラゴンの宝玉からファンタズマドラゴンの姿をした幻影が現れ、ブレスと共にスターヴヴェノムを呑み込み、喰らい尽くした。

 

 

遊花 LP8000→5500

 

 

「うぅっ………破壊されたスターヴヴェノムフュージョンドラゴンの効果発動‼︎ロンリーブレイク‼︎融合召喚したこのカードが破壊された場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する‼︎」

 

「っ、させないよ‼︎オッドアイズボルテックスドラゴンの効果発動‼︎ボルテックスディフェンド‼︎このカード以外のモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時にEXデッキから表側表示のペンデュラムモンスター1体をデッキに戻すことで、その発動を無効にして破壊する‼︎私はオッドアイズペンデュラムドラゴンをデッキに戻してその効果を無効にするよ‼︎」

 

破壊されたスターヴヴェノムから大量の毒の瘴気が溢れ出す。

 

しかし、ボルテックスドラゴンが生み出した風の防壁にその瘴気は吹き飛ばされた。

 

「危なかった………追撃だよ‼︎EMオッドアイズディゾルヴァーでダイレクトアタック‼︎ソルーションマジック‼︎」

 

「きゃっ‼︎」

 

ディゾルヴァーの杖から青い炎の球が放たれ、私の身体にぶつかる。

 

 

遊花 LP5500→3500

 

 

「よし、攻撃が通った‼︎速攻魔法、セベクの祝福‼︎自分のモンスターが直接攻撃によって相手に戦闘ダメージを与えた時、その数値分だけ自分のライフポイントを回復する‼︎」

 

「っ、ここでライフ回復の速攻魔法………」

 

 

美傘 LP500→2500

 

 

美傘さんの500まで削れていたライフポイントが2500まで回復する。

 

このターンで負けることはないからランタンを使わなかったけど、これならランタンを使って攻撃を防いでおくべきだったかも知れない。

 

「メインフェイズ2、天空の虹彩の効果を発動‼︎私はEMオッドアイズディゾルヴァー破壊してデッキからオッドアイズファントムドラゴンを手札に加えるよ‼︎そしてオッドアイズアークペンデュラムドラゴンのペンデュラム効果発動‼︎リターンペンデュラム‼︎墓地から蘇って、オッドアイズペルソナドラゴン‼︎」

 

 

〈オッドアイズペルソナドラゴン〉☆5 ドラゴン族 闇属性

DEF2400

 

 

美傘さんのフィールドに再びペルソナドラゴンが現れる。

 

ペルソナドラゴンはEXデッキから特殊召喚したモンスターの効果を無効にでき、ボルテックスドラゴンも効果を無効にして破壊することができる。

 

これを突破するのは、なかなか難しそうだ。

 

………やっぱり、美傘さんは強い。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド‼︎」

 

「なら、エンドフェイズにリバースカードオープン‼︎永続罠、リビングデッドの呼び声‼︎自分の墓地のモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚します‼︎戻ってきて、サクリファイス‼︎」

 

「っ、ここでサクリファイスか………」

 

 

〈サクリファイス〉☆1 魔法使い族

ATK0

 

 

私のフィールドにサクリファイスが戻ってくる。

 

サクリファイスならペルソナドラゴンの効果を受けないし、効果を使うことを警戒させればボルテックスドラゴンを牽制できる。

 

だから………次のターンで一気に叩く‼︎

 

 

遊花 LP3500 手札6

 

ーーー△ー ー

ーーー○ー

ー ○

ーー○□ー

△ー▲ー△ ▽

 

美傘 LP2500 手札5

 

 

「私のターン、ドロー‼︎私は金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性

ATK400

 

 

現れたのは霊体になっている猫のモンスター。

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚します‼︎対象はミスティックパイパーです‼︎」

 

「サクリファイスが怖いからね、そこはスルーさせて貰おうかな」

 

「なら、金華猫の効果で墓地から戻ってきて、ミスティックパイパー‼︎」

 

 

〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性

DEF0

 

 

「次です‼︎墓地に存在するジェットシンクロンの効果発動‼︎手札を1枚墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外されます‼︎」

 

「オーバーレイユニットになってたからまた墓地に戻ってたのか………それもスルーだよ」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性

DEF0

 

 

「だったら、墓地に送られたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが墓地に送られた場合に特殊召喚‼︎」

 

「ええっ⁉︎そ、それもスルーだよ」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性

DEF2100

 

 

現れたのはドットの身体を持つモンスター。

 

現れたモンスター達を見て、美傘さんは本当に楽しそうに笑う。

 

「まさかサクリファイスを警戒させて一気に5体もモンスターを並べちゃうなんてね。さあ、遊花ちゃんはここから何をするのかな?リンク召喚?エクシーズ召喚?シンクロ召喚?それとも、サクリファイスを使って融合召喚かな?」

 

ワクワクした表情で私を見ている美傘さんに、私も笑顔を浮かべながら首を振る。

 

「いいえ、私がするのは今まで美傘さんに見せたどの召喚方法でもありません‼︎私はフィールドに存在するサクリファイス、金華猫、ミスティックパイパー、ドットスケーパー、4体のレベル1モンスターを墓地に送ることで墓地からモンスターを特殊召喚します‼︎」

 

「っ⁉︎私の真竜機兵ダースメタトロンみたいに聞いたことがない特殊な召喚条件⁉︎」

 

フィールドにいた4体のレベル1モンスターが粒子に代わり、私の正面に集まっていく。

 

そしてその粒子は重なり合い、大きな闇の巨人が、私を守るように現れた。

 

「おいで‼︎絶望を統べる優しき神‼︎絶望神アンチホープ‼︎」

 

 

〈絶望神アンチホープ〉☆12 悪魔族 闇属性

ATK5000

 

 

私が特殊召喚したアンチホープを見て、観戦席のざわめきが強くなる。

 

現れたアンチホープを見て、美傘さんは驚きに目を見張る。

 

「こ、攻撃力5000のモンスター⁉︎レベル1モンスターからそんなモンスターが出てきちゃうの⁉︎」

 

美傘さんのライフポイントは残り2500。

 

フィールドのオッドアイズボルテックスドラゴンを攻撃すればちょうどライフは0になる‼︎

 

「ここで決めます‼︎バトル‼︎絶望神アンチホープでオッドアイズボルテックスドラゴンに攻撃‼︎ホープブレイクパニッシャー‼︎」

 

「っ、迎え撃って‼︎オッドアイズボルテックスドラゴン‼︎ボルテックスソニック‼︎」

 

ボルテックスドラゴンは風を纏い、凄まじい速さでアンチホープに突撃していく。

 

それに対してアンチホープは背中の大剣を抜き、向かってくるボルテックスドラゴンを見据えて大剣を振るう。

 

一瞬の交差。

 

アンチホープは大剣を支えに膝をついたが、ボルテックスドラゴンはその身体を斬り裂かれ、粒子になって消えていった。

 

「これでーーー‼︎」

 

「手札から、EMバリアバルーンバクを捨てて効果発動‼︎」

 

「っ⁉︎そのカードはEMペンデュラムマジシャンで手札に加えてたカード?」

 

「自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、このカードを手札から捨てて、その戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは0になる‼︎」

 

「っ、クリボーみたいに戦闘ダメージを0にするモンスター………」

 

美傘さんを衝撃から守るようにシルクハットを被った風船のようなバクが現れ、衝撃を受け止めると粒子になって消えていく。

 

「そしてオッドアイズアークペンデュラムドラゴンのペンデュラム効果発動‼︎リターンペンデュラム‼︎デッキより現れて、美しき2色の眼で観客を魅了せよ‼︎レベル7、オッドアイズペンデュラムドラゴン‼︎」

 

 

〈オッドアイズペンデュラムドラゴン〉☆7 ドラゴン族 闇属性

DEF2000

 

 

再びフィールドに現れるペンデュラムドラゴン。

 

このターンで決めることが出来なかったのは少し不味い。

 

アンチホープは強力な攻撃力を持っている代わりにこのモンスター以外の攻撃を封じてしまう。

 

だけど、美傘さんのデッキはペンデュラムモンスターが主体のデッキ。

 

何度倒しても戻ってくるペンデュラムモンスターを壁にされたら突破することが出来なくなる。

 

それに時間を稼がれてアンチホープを倒して攻撃する準備を整えられたらまた追い詰められる。

 

「っ、メインフェイズ2、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私が手をかざすと、目の前に大きなサーキットが現れる。

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体。ジェットシンクロンをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚‼︎もう1度、希望を守って‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

サーキットの中から私に擦り寄るようにリンクリボーが現れる。

 

オッドアイズ達の攻撃を考えると、リンクリボーだけじゃまだ心許ない。

 

そんな時、魔導契約の扉で美傘さんから手渡されたカードが視界に入る。

 

………このカードならもう少し時間が稼げるかも。

 

「私は魔法カード、光の護封剣を発動‼︎この効果でーーー」

 

「ふっふっふ、 使ったね( ・・・・)?」

 

「ーーーえっ?」

 

美傘さんから渡された光の護封剣を発動した瞬間、美傘さんが悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべる。

 

そして美傘さんは観戦している人達にも聞こえるように声を上げた。

 

「さあ、さあ、お立ち会い‼︎ここからがエンタメデュエリスト、雨夜 美傘の本領発揮だよ‼︎光の護封剣の発動にチェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎バーストリバース‼︎」

 

「バーストリバース………?」

 

「このカードはライフポイントを2000払って発動できる‼︎」

 

 

美傘 LP2500→500

 

 

「そして自分の墓地のモンスター1体を選択して裏側守備表示で特殊召喚できるんだ‼︎」

 

「裏側守備表示で?」

 

美傘さんが使った罠カードに私は首を傾げる。

 

確かに光の護封剣には効果処理として、相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、そのモンスターを全て表側表示にするという効果がある。

 

それを利用しようとしているのは分かるけど、美傘さんのデッキはペンデュラムモンスターが主体のハズだし、天気モンスターも効果の特性からリバースモンスターがいるとは考え辛い。

 

一体何をーーー

 

「私がセットするのはペンデュラムコールで墓地に送ったカード、ウェザーレポート‼︎」

 

「ウェザー………レポート?」

 

また私が聞いたことのないモンスター名に首を傾げる。

 

しかし、観戦席にいたプロ決闘者達の人達がざわつき始める。

 

プロ決闘者の人達がざわつくようなカード………凄く、嫌な予感がする。

 

「そして光の護封剣の発動時の効果処理として、相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、そのモンスターを全て表側表示にする‼︎さあ、驚け‼︎ウェザーレポート‼︎」

 

 

〈ウェザーレポート〉☆4 水族 水属性

DEF1500

 

 

フィールドに降り注ぐ光の剣により姿を現したのは傘を差した雪だるまのようなモンスター。

 

見たことがないモンスターだけど、一体どんな効果を………

 

警戒を露わにする私に、美傘さんは咳払いをしてから真剣な表情を浮かべる。

 

「コホン。デュエルの途中ですが、ここでお昼のニュースの時間です」

 

「へっ?」

 

「明日のバトルフェイズは暴風が吹き荒れるでしょう。全てを薙ぎ払われないように注意してくださいね」

 

「い、一体何を………」

 

急にお天気キャスターのような雰囲気で物騒なことを言いはじめた美傘さんに私は目を丸くしてしまう。

 

そんな私に美傘さんは再び悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべて、口を開いた。

 

「ウェザーレポートのリバース効果発動‼︎シャインブレイク‼︎相手フィールド上に表側表示で存在する『光の護封剣』を全て破壊し、破壊に成功した場合、次の自分のバトルフェイズを2回行う事ができる‼︎」

 

「ええっ⁉︎」

 

美傘さんの言葉に、私や観戦していた人達から驚きの声がとぶ。

 

そんな中、ウェザーレポートが傘を振るうと光の剣が消えていく。

 

しまった、光の護封剣を渡してきたのはこのためだったんだ………だけど、こんなのを予想しろだなんて無理があるよ‼︎

 

動揺する私に美傘さんはドヤ顔を浮かべながら、笑いかけてくる。

 

「あれ〜?乗せられちゃった?」

 

「むむむ〜‼︎まんまと乗せられちゃいましたよ〜‼︎」

 

「あはは‼︎ごめんごめん。本当にかかるなんて私も思ってなくてさ。プロリーグの人達は色んなカードを覚えている人が多いから、こんなピンポイントメタなカードでも覚えて警戒する人がいるからなかなか決まらないんだよね」

 

そういって面白そうに笑う美傘さんを見ていると、何だか毒気が抜かれていく。

 

でも、状況が圧倒的に不利になったのは確かだ。

 

これで美傘さんは次のバトルフェイズを2回行うことができる。

 

それは実質美傘さんのモンスター全てが2回攻撃になるのと同じだ。

 

現在美傘さんのフィールドにいる4体のモンスターが全員攻撃するだけでも8回の攻撃回数になる。

 

「さてと、これで次の私のターン、バトルフェイズを2回行うことが出来る。私のモンスターの猛攻を、遊花ちゃんは耐え切れるかな?」

 

そういって笑顔を浮かべる美傘さんを、私は真っ直ぐ見つめ返す。

 

「………美傘さんが、人を驚かせて笑顔にさせることを信念としているように、私にだって譲れない信念があります」

 

「‼︎遊花ちゃんの信念?」

 

「はい………それは、どんな逆境でも、笑顔で、楽しそうに切り抜けて、皆を驚かせるデュエルをすること‼︎だから、どんな逆境でも私は諦めません‼︎耐えることなら、私は誰にも負けない自信があります‼︎だから、次の美傘さんの攻撃も耐え切って、絶対に切り抜けてみせます‼︎」

 

そういって笑顔を浮かべる私を見て、美傘さんは一瞬目を丸くして、それから輝くような笑顔を浮かべた。

 

「それじゃあ、私の攻撃、耐え切れるものなら耐えてみろ‼︎遊騎さんの弟子の本領、見せて貰うよ‼︎」

 

「はい‼︎私はカードを2枚伏せてターンエンドです‼︎」

 

私は気合を入れてターンの終了を宣言する。

 

ここから、美傘さんの怒涛の攻撃があるハズ。

 

正直言って、今の手札じゃ少し心許ない。

 

だけど………諦めない。

 

絶対にこの逆境を耐え切って、逆転してみせるんだから‼︎

 

 

遊花 LP3500 手札2

 

ーー▲▲ー ー

ーー○ーー

☆ ー

□□○□ー

△ーーー△ ▽

 

美傘 LP500 手札4




次回予告

美傘の奇想天外な戦術にはまり、窮地に追い込まれる遊花。
そんな遊花に美傘の強烈な攻撃が絶え間無く放たれる。
絶え間無い猛攻の中、それでも遊花は諦めずに希望に手を伸ばす。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『護り手VS暴風雨・逆境の後の希望』


次回、遊花VS美傘、決着です。
なんか物凄くいいところで終わってしまい申し訳ありません。
ただ書ききっちゃうと多分4万から5万とかいう数字が見えてくるので、それは流石に無いだろうと思って区切らせていただきました。
次回はなるべく早めに更新したいと思います。
遊花は美傘の猛攻を耐えきることが出来るのか?
次回をお楽しみに。

そして今回は美傘の過去のお話でした。
美傘が突発的に思いついた面白そうなことをやろうとするのは、遊騎の、変に肩肘張らず、もう少し馬鹿になってみろというアドバイスを美傘が真面目に受け取った結果だったりします。
その後に接した時には現在の美傘だったので遊騎は忘れていますが、本来の美傘の性質はもっと生真面目です。
つまり、美傘が奇行に走るのも元を正せば遊騎のせいだったりします。
なんということをしてくれたのでしょう。
今回のデュエルは誰かを驚かせるという美傘の信念そのものだったりします。
まあ、ウェザーレポートなんて使われたら驚きますよね。
そんなウェザーレポートですが、このデッキに入っているちゃんとした(入れている時点でちゃんとしているかはともかく)理由があったりします。
そしてウェザーレポートは今回のタイトルでいえば暴風雨の中の雨の部分です。
それじゃあ暴風は?
それはまた次回ということで。

それじゃあ今回はこんなところで。
仕事が少し忙しくなってきましたが、出来る限り早く皆様にお見せ出来るよう頑張りたいと思います。
ではでは〜
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