遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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いよいよ準決勝、遊花VSリーネです。
基本は遊花視点で途中に第3者視点が混ざります。
今回は少し難産でした、文字数もほぼ3万字で長めです。
それでは本編にGOなのです。




第46話 戦乙女VS羽根・奇跡の出会い

 

 

 

「全員集合したな?それじゃあ準決勝第1試合、『Trumpfkarte』所属、天羽 リーネVSデュエルアカデミア所属、栗原 遊花を開始する」

 

お昼休憩も終わり、参加者が全員集まったのを確認した師匠が、準決勝の始まりを告げる。

 

「とうとう準決勝ね。リーネさん相手でも、しっかりやって来なさいよ」

 

「うん、全力でぶつかってくるね‼︎」

 

桜ちゃんの問いに笑顔で応えながら、私はリーネさんが待っている場所に移動する。

 

リーネさんは近寄ってきた私を見て、ほんの一瞬、辛そうな表情を浮かべる。

 

そのことに私が疑問を覚える前に、リーネさんは何事もなかったように笑顔を浮かべて私に話しかけてきた。

 

「ようやく遊花ちゃんとのデュエルなのですね。今回はよろしくお願いするのです、遊花ちゃん」

 

「あっ、はい‼︎こちらこそ、よろしくお願いします‼︎」

 

リーネさんがそういって頭を下げるのを見て、私も慌てて頭を下げると、リーネさんは優しい笑みを浮かべながらデュエルディスクを起動する。

 

私もそんなリーネさんを見てデュエルディスクを起動し、大きく深呼吸をする。

 

相手は闇先パイにして自分より強いと言わしめた決闘者。

 

闇先パイに歯が立たない私なんかじゃ、足元にも及ばないかも知れない。

 

それでも………私はチラッと審判をしている師匠を見る。

 

このデュエルに勝てれば決勝戦。

 

そしてそこでデュエルできる可能性があるのは、師匠か闇先パイだ。

 

2人は、この1ヶ月の間に色々なことを教えてくれた。

 

私が楽しくデュエルが出来るように配慮してくれて、私をもう1度デュエルの道に戻してくれた師匠。

 

私が全力で楽しいデュエル出来るように戦術を一緒に考えてくれて、それが身につくまで何度も手伝ってくれた闇先パイ。

 

そんな2人に、直接デュエルして、今の私の姿を見せたい。

 

だからこそ………リーネさんがどんなに強くても、このデュエルでの勝利だけは譲りたくない‼︎

 

「すー………はー………いきます‼︎」

 

「ふふっ、いい気迫なのです。それでこそ、リーネも全力でデュエルできるのです‼︎『Trumpfkarte』所属、天羽リーネ、出陣なのです‼︎」

 

『決闘‼︎』

 

 

遊花 LP8000

 

リーネ LP8000

 

 

ーーーーーーー

 

 

「先攻は貰います‼︎私はミスティックパイパーを召喚‼︎」

 

 

〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性

ATK0

 

 

現れたのはフルートのようなものを弾いている男の人。

 

現れたミスティックパイパーはいつものように私にサムズアップをする。

 

「ミスティックパイパーの効果発動‼︎このカードをリリースして自分のデッキからカードを1枚ドローします‼︎そしてこの効果でドローしたカードをお互いに確認し、レベル1モンスターだった場合、自分はカードをもう1枚ドローします‼︎」

 

ミスティックパイパーが姿を消し、私はカードをドローする。

 

「私が引いたのはゴーストリックランタン‼︎レベル1モンスターなのでもう1枚ドローします‼︎カードを2枚伏せてターンエンドです‼︎」

 

 

遊花 LP8000 手札4

 

ーー▲▲ー ー

ーーーーー

ー ー

ーーーーー

ーーーーー ー

 

リーネ LP8000 手札5

 

 

「リーネのターン、ドローなのです‼︎早速行かせて貰うのです‼︎魔法カード、隣の芝刈り発動なのです‼︎」

 

「っ、そのカードは喰代君の時に使ってた………」

 

「このカードは自分のデッキの枚数が相手よりも多い場合に発動できるのです。その効果はデッキの枚数が相手と同じになるように、自分のデッキの上からカードを墓地へ送るのです‼︎さあ、遊花ちゃんの残りのデッキ枚数を教えて欲しいのです」

 

「私のデッキは38枚です」

 

私のデッキ枚数を聞いて、リーネさんが少し驚いた表情を見せる。

 

「むむっ、遊花ちゃんのデッキは少し枚数が多いのですね。リーネは54枚なので、その差分の16枚のカードを墓地に送らせて貰うのです。さらに墓地に送られた妖刀竹光の効果発動なのです‼︎」

 

「っ、師匠も使ってる竹光シリーズですか………」

 

「デッキから妖刀竹光以外の竹光カードをデッキから手札に加えるのです。リーネは黄金色の竹光を手札に加えるのです。さらに魔法カード、増援を発動なのです‼︎その効果でデッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加えるのです‼︎リーネはデッキから閃刀姫-レイを手札に加えるのです‼︎」

 

「来ましたね、リーネさんの相棒のモンスター………」

 

「さあ、早速遊花ちゃんにリーネの相棒を紹介するのです‼︎戦場を舞う始まりの戦乙女‼︎閃刀姫-レイ‼︎」

 

 

〈閃刀姫ーレイ〉☆4 戦士族 闇属性

ATK1500

 

 

リーネさんの前に現れたのは刀を持ち、制服を着た白髪の少女。

 

レイはフィールドに現れると、私に向かってぺこりと丁寧にお辞儀をする。

 

「それじゃあ早速行っちゃうのですよ‼︎刀術式起動なのです‼︎戦場へと続くサーキット‼︎」

 

「っ、やっぱりリンク召喚してきますよね………」

 

リーネさんが正面に手をかざし、巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は炎属性以外の閃刀姫モンスター1体‼︎私は閃刀姫ーレイをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

レイの正面に現れた巨大なサーキットがレイの身体を通過するように動き始める。

 

そしてサーキットが輝き、レイの身体を通過すると、そこには真っ赤な鎧を身に纏ったレイの姿があった。

 

「リンク召喚‼︎業火の如き閃滅の刃なのです‼︎リンク1‼︎閃刀姫-カガリ‼︎」

 

 

〈閃刀姫-カガリ〉LINK1 機械族 炎属性

ATK1500 ↖︎

 

 

「閃刀姫-カガリの効果発動‼︎アルヴィト‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の閃刀魔法カード1枚を対象としてそのカードを手札に加えるのです‼︎リーネは墓地から閃刀起動-エンゲージを手札に加えるのです‼︎」

 

「あのカードは確か………」

 

「そして魔法カード、閃刀起動-エンゲージなのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動でき、デッキから閃刀起動-エンゲージ以外の閃刀カード1枚を手札に加え、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、自分はデッキから1枚ドローできるのです‼︎リーネの墓地には勿論3枚以上魔法カードがあるので後の効果も発動するのですよ」

 

「っ、サーチとドローを両立できるのは強力ですね………」

 

「リーネはデッキから閃刀機-シャークキャノンを手札に加えてさらに1枚ドローなのです‼︎そして装備魔法、妖刀竹光を閃刀姫-カガリに装備するのです‼︎」

 

「うっ、装備できる竹光カードも引かれてたんですか………」

 

カガリの手元に禍々しいオーラを纏った竹刀が現れ、カガリはその竹刀を手に持つ。

 

「さらに魔法カード、黄金色の竹光なのです‼︎自分フィールドに竹光と名のついた装備魔法が存在する場合に発動でき、デッキからカードを2枚ドローするのです‼︎………ふふっ、どうやらリーネのデッキは本気で遊花ちゃんにぶつかれって言ってるみたいなのです。フィールド魔法、閃刀空域-エリアゼロを発動なのです‼︎」

 

「っ⁉︎閃刀はフィールド魔法まであるんですか⁉︎」

 

リーネさんがフィールド魔法を発動すると、店内がSFに出てくる電脳空間じみた世界に変わる。

 

これが閃刀のフィールド魔法………リーネさんの有利なフィールド。

 

「それじゃあ早速、閃刀空域-エリアゼロの効果発動なのです‼︎このカード以外の自分フィールドのカード1枚、妖刀竹光を対象として発動するのです‼︎自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から閃刀カード1枚を選んで手札に加える事ができ、残りのカードはデッキに戻すのです。そして、閃刀カードがめくられた場合、さらに対象にしていたカードを墓地へ送るのです‼︎」

 

「っ⁉︎対象になったのは妖刀竹光だから………」

 

「閃刀カードがめくれたら竹光カードもサーチさせて貰えるのですよ。リーネはデッキの上から3枚をめくって閃刀術式-ジャミングウェーブを手札に加えて、妖刀竹光を墓地に送るのです。そして墓地に送られた妖刀竹光の効果でデッキから2枚目の黄金色の竹光を手札に加えさせて貰うのですよ〜」

 

「うっ………手札がどんどん増えて全然減らない」

 

カガリが手に持っていた妖刀竹光がデータが消えるように分解されて消滅すると、リーネさんの手札がさらに増える。

 

あれだけ動いているのにリーネさんの手札はまだ8枚もある。

 

これが、闇先パイにして自分より強いと言わしめたリーネさんの実力。

 

動きに全然無駄がない。

 

「さあ、どんどんやるのですよ‼︎魔法カード、予見通帳なのです‼︎リーネのデッキの上からカード3枚を裏側表示で除外して、このカードの発動後3回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカード3枚を手札に加えるのです」

 

「うっ、さらに時間経過によるドローカードを引かれましたか………」

 

「まあ、保険レベルのドローカードなのです。遊花ちゃんとのデュエルでは時間をかければかけるだけ不利になりそうですし………だから、いけいけどんどん、なのです‼︎魔法カード、閃刀術式-ジャミングウェーブなのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象としてそのカードを破壊し、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、フィールドのモンスター1体を選んで破壊できるのです。最も、遊花ちゃんのフィールドにモンスターはいないのですけどね。それでも、セットカードを1枚破壊させて貰うのです‼︎」

 

「っ、リバースカードオープン‼︎速攻魔法、クリボーを呼ぶ笛‼︎その効果で自分はデッキからクリボーまたはハネクリボー1体を選択し、手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができます‼︎私か選ぶのは手札に加える効果‼︎私はデッキからクリボーを手札に加えます‼︎」

 

「ん〜避けられちゃった上にクリボーまで手札に加えられちゃったのですか………なら、早めに使わせにいくしかないのですね。まずは手札を1枚墓地に送って装備魔法、破邪の大剣-バオウを閃刀姫-カガリに装備するのです‼︎」

 

カガリの目の前に禍々しい大剣が現れ、カガリはその大剣を一生懸命引き抜いて、ふらつきながら構える。

 

「破邪の大剣-バオウの効果で装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、このカードを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、そのモンスターの効果は無効化されるのです。そして閃刀姫-カガリの永続効果‼︎ヒルド‼︎このカードの攻撃力は自分の墓地の魔法カードの数×100ポイントアップするのです‼︎今のリーネの墓地には22枚の魔法カードがあるのです‼︎なので、閃刀姫-カガリ攻撃力は2200ポイントアップするのです‼︎」

 

 

閃刀姫-カガリ

ATK1500→2000→4200

 

 

「っ、いきなり攻撃力4200………」

 

「バトルなのです‼︎閃刀姫-カガリでダイレクトアタック‼︎ダヴィンスレイヴ‼︎」

 

カガリは大剣を正面に構えると、こちらに向けて勢いよく振りかぶってその大剣を投げようと………投げてくるんですか⁉︎

 

「と、通しません‼︎相手モンスターの直接攻撃宣言時、手札のゴーストリックランタンの効果発動‼︎その攻撃を無効にし、このカードを手札から裏側守備表示で特殊召喚します‼︎」

 

「ふむ、防いできたのですか」

 

カガリが大剣を投げようとした瞬間カガリの正面にジャックオーランタンのような幽霊が現れる。

 

ランタンが急に現れたことで驚いたのか、カガリは涙目になりながらランタンに向けて大剣を投げつける。

 

大剣を投げつけられたことでランタンが慌てて姿を消すと、大剣は私の顔の真横を通り過ぎていった。

 

こ、怖いよ‼︎

 

後、数センチでも外れてたら、すぷらった、だったよ‼︎

 

「やっぱり遊花ちゃんの防御を突破するのは一筋縄では行かなそうなのです。メインフェイズ2、リーネはカードを2枚伏せてターンエンドなのです」

 

 

遊花 LP8000 手札4

 

ーーー▲ー ー

ーー◼︎ーー

ー ☆

ーーーーー

ー▲△▲ー ▽

 

リーネ LP8000 手札2

 

 

「わ、私のターン、ドロー‼︎まずはゴーストリックランタンを反転召喚‼︎」

 

 

〈ゴーストリックランタン〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK800

 

 

再び姿を見せるジャックオーランタンのようなモンスター。

 

ランタンは現れると同時に震えながら私に寄り添ってくる。

 

………うん、君も大剣を投げられたのが怖かったんだよね、その気持ちは凄く分かるよ。

 

「さらに金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性

ATK400

 

 

現れたのは霊体になっている猫のモンスター。

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚します‼︎」

 

「なら、その効果にチェーンして手札にある幽鬼うさぎの効果を発動なのです‼︎フィールドのモンスターの効果が発動した時、またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送ってフィールドのそのカードを破壊するのです‼︎」

 

「っ、金華猫が………‼︎」

 

「さらにチェーンしてリバースカードオープンなのです‼︎速攻魔法、閃刀機-シャークキャノンなのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、相手の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを除外するのです‼︎自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、除外せずにそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚できるのですが、今回はその効果は使わないのです。リーネは遊花ちゃんの墓地からミスティックパイパーを除外するのです‼︎」

 

「うっ、ミスティックパイパーまで………」

 

カガリの手元にランチャーのようなものが現れ、カガリが引き金を引くとそこから放たれたレーザーが私の墓地からミスティックパイパーを除外する。

 

さらにリーネさんの手札から兎の霊が金華猫に向かって勢いよく突撃し、吹き飛ばしてお互いに消滅した。

 

「さらに墓地に魔法カードが増えたので閃刀姫-カガリの攻撃力は上がるのですよ」

 

 

閃刀姫-カガリ

ATK4200→4300

 

 

金華猫もミスティックパイパーも私のデッキではモンスターの展開の要になるとても重要なカード。

 

その2枚を対処されたのはかなり厳しい。

 

「なら、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「リンク召喚なのですね」

 

私の前に現れる巨大なサーキット。

 

お願い、あなたの出番だよ‼︎

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体‼︎私はゴーストリックランタンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

出てきたのは青い球体型のモンスター。

 

リンクリボーはいつものようにフィールドに出るのと同時に私に擦り寄ってくる。

 

うん、今回もあなたの力、存分に使わせてもらうね。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 

遊花 LP8000 手札3

 

ーー▲▲ー ー

ーーーーー

☆ ☆

ーーーーー

ー▲△ーー ▽

 

リーネ LP8000 手札1

 

 

「リーネのターン、ドローなのです‼︎スタンバイフェイズ、予見通帳の使用から1ターン経過なのです。そして閃刀空域-エリアゼロの効果発動なのです‼︎破邪の大剣-バオウを対象にしてデッキの上から3枚をめくって閃刀術式-アフターバーナーを手札に加えて破邪の大剣-バオウを墓地に送るのです‼︎」

 

「っ、そのカードは‼︎」

 

「そして今手札に加えた魔法カード、閃刀術式-アフターバーナー発動なのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターを破壊し、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊できるのです‼︎破壊するモンスターは当然リンクリボーなのです‼︎」

 

「っ、チェーンするカードはありません………」

 

「なら、遊花ちゃんのセットカード1枚とリンクリボーを破壊しちゃうのです‼︎」

 

カガリが刀の形をした8つの炎を飛ばし、リンクリボーとセットカードを切り裂き破壊する。

 

「くっ、ですが破壊された永続罠、ゴーストリックナイトの効果発動‼︎このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、このターン相手は攻撃宣言できません‼︎」

 

「むむっ、破壊された時に攻撃を封じるカードまであるのですか………なかなか攻撃させて貰えないのです。墓地に魔法カードが増えたのと閃破邪の大剣-バオウが外れたことで刀姫-カガリの攻撃力は変化するのですよ」

 

 

閃刀姫-カガリ

ATK4200→4000

 

 

「装備魔法が無くなったのにまだ攻撃力が4000も………」

 

「とは言ったものの、このまま閃刀姫-カガリでいても遊花ちゃんがヴァレルソードドラゴンやスターヴヴェノムフュージョンドラゴンを出してきちゃうと高攻撃力を利用されちゃうので、ちゃんと防御よりの形態に変えさせて貰うのです‼︎刀術式起動なのです‼︎戦場へと続くサーキット‼︎」

 

「っ、再びリンク召喚ですか………」

 

「召喚条件は水属性以外の閃刀姫モンスター1体‼︎私は閃刀姫-カガリをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

リーネさんが手をかざすと、カガリの正面に巨大なサーキットが現れ、カガリの身体を通過するように動き始める。

 

カガリがサーキットを潜ると、今度は4つの盾を装備した青い鎧を身に纏ったレイの姿が現れた。

 

「リンク召喚‼︎水簾の如き刀衛の盾なのです‼︎リンク1‼︎閃刀姫ーシズク‼︎」

 

 

〈閃刀姫ーシズク〉LINK1 機械族 水属性

ATK1500 ↗︎

 

 

「次は水の閃刀姫ですね………」

 

「閃刀姫ーシズクの永続効果、ヘルフィヨトゥル‼︎相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分の墓地の魔法カードの数×100ポイントダウンするのです‼︎リーネの墓地には魔法カードは25枚あるので、遊花ちゃんのモンスターの攻撃力は2500ポイントダウンするのです‼︎」

 

「うぅ、全体を2500ポイントも下げられると攻撃が通せないです………」

 

「リーネはカードを1枚伏せてエンドフェイズに閃刀姫ーシズクの効果発動‼︎ヘルヴォル‼︎このカードを特殊召喚したターンのエンドフェイズ、デッキから同名カードが自分の墓地に存在しない閃刀魔法カード1枚を手札に加えるのです‼︎リーネはデッキから閃刀機構-ハーキュリーベースを手札に加えてターンエンドなのです‼」

 

 

遊花 LP8000 手札3

 

ーーー▲ー ー

ーーーーー

ー ☆

ーーーーー

ー▲▲ーー ▽

 

リーネ LP8000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎っ、ここで引くんですか………」

 

私が引いたのは増殖のカード。

 

手札にクリボーもあるから使用すればヴァレルソードに繋げることができる。

 

もしリーネさんがカガリのままにしていたらデュエルを終わらせることができたかも知れないけど、シズクに変えられてしまったせいで与えられるダメージはかなり少なくなってしまう。

 

………なんだか、完全にリーネさんのペースに巻き込まれている気がする。

 

だけど、少しでも攻めないことには前に進めない‼︎

 

「私はクリボーを召喚‼︎」

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300→0

 

 

「ふむふむ、ここでクリボーを出してきたということは………」

 

「速攻魔法‼︎増殖‼︎自分フィールド上に表側表示で存在するクリボー1体をリリースして自分フィールド上にクリボートークンを可能な限り守備表示で特殊召喚します‼︎」

 

「やっぱりトークンを増やしてリンク召喚に繋げるのですね」

 

 

〈クリボートークン〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

私のフィールドにいたクリボーが5体に増える。

 

「行きます‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私の前に巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は通常モンスター1体‼︎私はクリボートークンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎リンクスパイダー‼︎」

 

 

〈リンクスパイダー〉LINK1 サイバース族 地属性

ATK1000→0 ↓

 

 

私の前に機械の蜘蛛が現れる。

 

「まだまだ行きます‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎召喚条件はモンスター2体‼︎私はクリボートークンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎プロキシードラゴン‼︎」

 

 

〈プロキシードラゴン〉LINK 2 サイバース族 光属性

ATK1400→0 ←→

 

 

次に現れたのは白い身体をした機械の竜。

 

「墓地に存在するリンクリボーの効果発動‼︎スケープリンク‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースしてこのカードを墓地から特殊召喚する‼︎私はクリボートークンをリリース‼︎もう1度戻っておいで、リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300→0 ↓

 

 

私のフィールドに再びリンクリボーが姿を現わす。

 

これで準備は整った‼︎

 

「そして、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私が正面に手をかざすと私の前に巨大なサーキットが現れる。

 

そして私は1つ深呼吸をして、そのモンスターを呼ぶ。

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はリンクスパイダー、リンクリボー、プロキシードラゴンを 2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

「リンク4モンスター………来るのですね」

 

「お願い、私に劣勢を覆す力を貸して‼︎リンク召喚‼︎閉ざされた運命を斬り開く魂の( つるぎ)リンク4‼︎ヴァレルソードドラゴン‼︎」

 

私の呼び声に応えるように龍の咆哮が世界に響いた。

 

 

〈ヴァレルソードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性

ATK3000→500 ↙︎←↓↑

 

 

「やっぱりヴァレルソードドラゴンなのですね。確かにヴァレルソードドラゴンなら閃刀姫ーシズクは突破できるのです。ですが、今のままだと2回攻撃もできないのですよ?」

 

「ちゃんと手はあります‼︎最後のクリボートークンを除外して異次元の精霊を特殊召喚‼︎」

 

 

〈異次元の精霊〉☆1 天使族 光属性

ATK0

 

 

フィールドにいたクリボートークンの姿が光に包まれて消滅し、その場所に赤い服を着た小さな精霊のモンスターが現れる。

 

「この方法で特殊召喚した場合、次のスタンバイフェイズに特殊召喚をするために除外したモンスターはフィールドに戻りますが、トークンなのでその効果は関係ありません。ここでヴァレルソードドラゴンの効果発動‼︎アサシネイトショット‼︎1ターンに1度、攻撃表示モンスター1体を対象として発動‼︎そのモンスターを守備表示にし、このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。そしてこの効果の発動に対して相手は効果を発動できない‼︎この効果は相手ターンにでも使用することが出来ます‼︎対象にするのは、異次元の精霊です‼︎」

 

ヴァレルソードが異次元の精霊に空砲を撃つと、異次元の精霊はわざとらしく胸を抑えてフィールドに倒れこむ。

 

………意外とノリがいいね、君達。

 

 

異次元の精霊

ATK0→DEF100

 

 

「成る程なのです。これなら2回攻撃もできるのですね」

 

「いきます、バトル‼︎ヴァレルソードドラゴンで閃刀姫ーシズクを攻撃‼︎攻撃宣言時、ヴァレルソードドラゴンの効果発動‼︎アブソーブブースト!1ターンに1度、このカードが表側表示モンスターに攻撃宣言した時、ターン終了時まで、このカードの攻撃力はそのモンスターの攻撃力の半分アップし、そのモンスターの攻撃力は半分になる‼︎」

 

「っ、ごめんなさいなのです。耐えて欲しいのです、閃刀姫ーシズク」

 

シズクが4つの盾を集めると、魔法陣が現れ、シズクを覆うように光の障壁を生み出す。

 

光の障壁で防御を固めるシズクにヴァレルソードが勢いよく近づき、剣を振るう。

 

シズクはその障壁でヴァレルソードを受け止め、剣からエネルギーを魔法陣に吸収していたが、ヴァレルソードが咆哮をあげると逆に障壁に亀裂が入り、エネルギーを吸収されはじめた。

 

 

ヴァレルソードドラゴン

ATK500→1250

 

 

閃刀姫ーシズク

ATK1500→750

 

 

「斬り開いて、ヴァレルソードドラゴン‼︎剣光のベイオネットブレイク‼︎」

 

「あいたたた、なのです」

 

ヴァレルソードは1度後ろに下がると吸収したエネルギーを纏った剣を勢いよくシズクに向けて振り下ろす。

 

ヴァレルソードの剣を受けると、シズクの纏っていた障壁と4つの盾は粉々に砕け散り、レイは土煙を上げながら弾き飛ばされた。

 

 

リーネ LP8000→7500

 

 

レイが吹き飛ばされた方向を向いてヴァレルソードが警戒するように咆哮をあげる。

 

しばらくして土煙が晴れると、ボロボロになりながらもフィールドに立っているレイの姿があった。

 

「えっ⁉︎どうして閃刀姫ーレイが⁉︎」

 

「閃刀姫ーシズクが破壊された時に墓地にいる閃刀姫ーレイの効果発動なのです‼︎このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドの表側表示の閃刀姫リンクモンスターが相手の効果でフィールドから離れた場合、または戦闘で破壊された場合にこのカードを特殊召喚するのです‼︎」

 

 

〈閃刀姫ーレイ〉☆4 戦士族 闇属性

DEF1500

 

 

「っ、そんな効果が………ですが、ヴァレルソードドラゴンは2回攻撃ができます‼︎そのうえ閃刀姫ーシズクがいなくなったことで攻撃力も元に戻ってます‼︎」

 

 

ヴァレルソードドラゴン

ATK1250→3750

 

 

「もう1度斬り開いて‼︎ヴァレルソードドラゴンで閃刀姫ーレイを攻撃‼︎剣光のベイオネットブレイク‼︎」

 

ヴァレルソードが剣を構えてレイに迫る。

 

それを見て、リーネさんは正面に手をかざしながらニヤリと笑った。

 

「自身をリリースして閃刀姫ーレイの効果発動なのです‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

「EXデッキから閃刀姫モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚するのです‼︎この効果は相手ターンでも発動できるのです‼︎」

 

「っ⁉︎つまり擬似的なリンク召喚が可能なのですか⁉︎」

 

ヴァレルソードが剣をレイに振りかざそうとしたところで、レイの正面に巨大なサーキットが現れ、ヴァレルソードがサーキットに弾かれて吹き飛ばされる。

 

レイが身体を起こして勢いよくサーキットを通過すると、今度は重機のように巨大な4つの機械の手を装備し、橙色の鎧を身に纏ったレイの姿が現れた。

 

「地盤の如き揺るぎない豪腕なのです‼︎リンク1‼︎閃刀姫ーカイナ‼︎」

 

 

〈閃刀姫ーカイナ〉LINK1 機械族 地属性

ATK1500 ↘︎

 

 

「次は地の閃刀姫………」

 

「閃刀姫-カイナの効果発動‼︎フリスト‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターは相手ターン終了時まで攻撃できなくなるのです‼︎対象は勿論、ヴァレルソードドラゴンなのです‼︎」

 

「っ⁉︎攻撃制限を付与する閃刀姫⁉︎」

 

弾き飛ばされたヴァレルソードが再び剣を構えてカイナに迫る。

 

しかし、そんなヴァレルソードの身体をカイナは4つの機械の手を使って拘束し、完全に封じ込めた。

 

「っ、ヴァレルソードドラゴン………私はこのままターンエンドです」

 

「エンドフェイズ、閃刀姫-カイナの効果は解けるのですよ」

 

リーネさんがそういうと、カイナは拘束していたヴァレルソードの身体を放すと、4つの機械の手でヴァレルソードを殴りつけてラッシュをかけると、最後にはカイナ自身の手でヴァレルソードを思いっきり殴り飛ばした。

 

………色々とツッコミたいけど、この状況はかなりマズイ。

 

気を引き締めていかないと、一瞬でやられる。

 

 

遊花 LP8000 手札1

 

ーーー▲ー ー

ーー□ーー

☆ ☆

ーーーーー

ー▲▲ーー ▽

 

リーネ LP7500 手札2

 

 

「リーネのターン、ドローなのです‼︎スタンバイフェイズ、予見通帳の使用から2ターン経過なのです。まずは自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に装備魔法、閃刀機構-ハーキュリーベースを閃刀姫-カイナに装備するのです‼︎」

 

カイナの後ろに巨大な戦闘機のようなものが現れる。

 

………どう見ても装備魔法って外見をしてないんだけど………あれ、本当に装備魔法なのかな?

 

「閃刀姫-カイナの効果発動‼︎グロッティ‼︎このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分が閃刀魔法カードの効果を発動する度に、自分は100ポイントライフを回復するのです」

 

「っ、ライフの回復までできるのですか………」

 

 

リーネ LP7500→7600

 

 

「閃刀機構-ハーキュリーベースには装備したモンスターが直接攻撃できず、1度のバトルフェイズ中にモンスターに2回攻撃できるようになり、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在し、装備モンスターが攻撃でモンスターを破壊した場合に自分はデッキから1枚ドローする効果があるのですが、今回はそんなの関係ないのです。リーネは閃刀空域-エリアゼロの効果発動なのです‼︎閃刀機構-ハーキュリーベースを対象にしてデッキの上から3枚をめくって閃刀術式-ベクタードブラストを手札に加えて閃刀機構-ハーキュリーベースを墓地に送るのです‼︎そして墓地に送られた閃刀機構-ハーキュリーベースの効果発動なのです‼︎このカードが効果でフィールドから墓地へ送られた場合、閃刀機構-ハーキュリーベース以外の自分の墓地の閃刀カードを3枚まで対象としてそのカードをデッキに戻すのです‼︎」

 

「っ‼︎そっちが狙いだったんですね………」

 

「レーネは墓地から閃刀姫-カガリ、閃刀姫ーシズク、閃刀術式-ジャミングウェーブをデッキに戻すのです‼︎そして閃刀姫-カイナの効果で閃刀空域-エリアゼロと閃刀機構-ハーキュリーベース分、ライフを回復するのです」

 

 

リーネ LP7600→7800

 

 

「さらに魔法カード、閃刀術式-ベクタードブラストなのです‼︎自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に、お互いのデッキの上からカードを2枚墓地へ送り、その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、EXモンスターゾーンの相手モンスターを全て持ち主のデッキに戻す事ができるのです‼︎」

 

「っ⁉︎それじゃあ………」

 

カイナの手元に巨大な大剣が現れ、カイナはその切っ先をヴァレルソードに向ける。

 

すると、大剣の先端が開き、砲塔になるとそこから巨大なレーザーが放たれ、それを受けたヴァレルソードは消滅した。

 

 

リーネ LP7800→7900

 

 

「っ、ヴァレルソードドラゴン………ですが、墓地に送られたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが墓地に送られた場合に特殊召喚します‼︎」

 

「むっ、今の閃刀術式-ベクタードブラストで落ちたのですね」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性

DEF2100

 

 

現れたのはドットの身体を持つモンスター。

 

ヴァレルソードは戻されたけど、モンスターの数は変わらないならまだ大丈夫。

 

そんな私の浅はかな考えを吹き飛ばすように、リーネさんが正面に手をかざす。

 

「刀術式起動なのです‼︎戦場へと続くサーキット‼︎」

 

「っ、またリンク召喚………」

 

リーネさんが正面に手をかざし、巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は炎属性以外の閃刀姫モンスター1体‼︎私は閃刀姫ーカイナをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

カイナの正面に現れた巨大なサーキットがカイナの身体を通過するように動き始める。

 

そしてサーキットが輝き、カイナの身体を通過すると、そこには再び真っ赤な鎧を身に纏ったレイの姿があった。

 

「リンク召喚‼︎再燃する業火の如き閃滅の刃なのです‼︎リンク1‼︎閃刀姫-カガリ‼︎」

 

 

〈閃刀姫-カガリ〉LINK1 機械族 炎属性

ATK1500 ↖︎

 

 

「閃刀姫-カガリの効果発動‼︎アルヴィト‼︎リーネは墓地から閃刀起動-エンゲージを手札に加えるのです‼︎そしてそのまま閃刀起動-エンゲージを発動なのです‼︎デッキから閃刀術式-ジャミングウェーブを手札に加えて1枚ドロー‼︎さらに手札に加えた閃刀術式-ジャミングウェーブを発動なのです‼︎遊花ちゃんのセットカードとモンスター1体を破壊させて貰うのです‼︎」

 

「っ、リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎ダメージダイエット‼︎このターン自分が受ける全てのダメージは半分になります‼︎」

 

「ダメージを軽減する罠だったのですね………ですけど、ドットスケーパーは破壊させて貰うのです‼︎」

 

「っ………」

 

カガリから放たれるジャミングウェーブで私のフィールドが異次元の精霊のみになる。

 

ダメージダイエットは発動できたから大丈夫だとは思いたいけど………このターンのリーネさんの動きを見ていると、このまますんなりと終わるとは思えない。

 

そんな私の予感を裏付けように、リーネさんは私を追い詰める更なる手を打つ。

 

「手札を1枚捨ててリバースカードオープンなのです‼︎装備魔法、閃光の双剣-トライスを閃刀姫-カガリに装備するのです‼︎」

 

「っ⁉︎ブラフで伏せてたカードだったんだ………しかも、あのカードって師匠が大地君とのデュエルで使ってた………」

 

「閃光の双剣-トライスを装備したモンスターは攻撃力が500ポイントダウンする代わりにバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができるのです‼︎そして閃刀姫-カガリの永続効果‼︎ヒルド‼︎今のリーネの墓地には27枚の魔法カードがあるのです‼︎なので、その攻撃力は………」

 

 

閃刀姫-カガリ

ATK1500→1000→3700

 

 

「攻撃力3700の2回攻撃⁉︎」

 

カガリの手元に1組の双剣が現れ、カガリはそれを手に持って構える。

 

「バトルなのです‼︎」

 

「なら、バトルフェイズが開始時に墓地に存在するリンクリボーの効果発動‼︎スケープリンク‼︎異次元の精霊をリリースしてーーー」

 

「そうはさせないのです‼︎速攻魔法、墓穴の指名者なのです‼︎相手の墓地のモンスター1体を対象として、そのモンスターを除外し、次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化されるのです‼︎リーネが除外するのはリンクリボーなのです‼︎」

 

「っ、そんな⁉︎」

 

 

閃刀姫-カガリ

ATK3700→3800

 

 

私の墓地からリンクリボーが除外される。

 

そのうえリンクリボーのリリースはコストだから異次元の精霊もフィールドからいなくなっている。

 

つまり、カガリの攻撃を防ぐ方法がない。

 

いくらダメージダイエットを使ってるからといっても、これはマズイ。

 

「閃刀姫-カガリでダイレクトアタック‼︎そしてダメージステップ、リバースカードオープンなのです‼︎速攻魔法、リミッター解除‼︎」

 

「っ⁉︎リミッター解除⁉︎」

 

「リミッター解除の効果で自分フィールドの全ての機械族モンスターの攻撃力は、ターン終了時まで倍になるのです‼︎ただし、この効果が適用されているモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊されるのです。現在の3800。そこから倍で固定され、永続効果で墓地に落ちるリミッター解除分の数値が足されるのです。つまり、その攻撃力は………」

 

 

閃刀姫-カガリ

ATK3800→7600→7700

 

 

「攻撃力7700の2回攻撃⁉︎」

 

「奥義………閃刀術式-アフターバーナー起動………オーバーロード‼︎」

 

リーネさんがそう叫ぶとカガリの背中に魔法陣が浮かび上がると、その魔法陣から刀の形をした8つの炎が後方に展開され、カガリが手にしていたトライスにも炎が宿る。

 

しかし、炎はそれだけには止まらず、トライスから溢れ出しカガリの身体すらも包み込み、カガリ自体を太陽のように輝く炎の球体に姿を変える。

 

カガリは炎に包まれたまま、後方に勢いよく炎を噴き出させ、私に向かって突撃し、すれ違いざまにトライスを逆手に持って斬りつける。

 

「くっ‼︎」

 

 

遊花 LP8000→4150

 

 

「もう1度、閃刀姫-カガリでダイレクトアタック‼︎」

 

リーネさんの声に、私の横を通り過ぎていったカガリが旋回し、再び私に向かってくる。

 

そして私の前で跳び上がると、炎が弾け、姿を現したカガリが炎を纏ったトライスを順手に持ち直し、思いっきり振り下ろした。

 

「ティルヴィング‼︎」

 

「きゃあ‼︎」

 

 

遊花 LP4150→300

 

 

カガリの剣撃がまともに入り、8000あったライフが一気に削られ、レッドゾーンに突入する。

 

リミッター解除の効果発動が適用されているカガリはエンドフェイズには破壊されるけど………それはエンドフェイズまでカガリだったらの話だ。

 

「メインフェイズ2なのです‼︎刀術式起動なのです‼︎戦場へと続くサーキット‼︎」

 

「っ、やっぱりそうなりますよね………」

 

「召喚条件は水属性以外の閃刀姫モンスター1体‼︎私は閃刀姫-カガリをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

リーネさんが手をかざすと、カガリの正面に巨大なサーキットが現れ、カガリの身体を通過するように動き始める。

 

カガリがサーキットを潜ると、炎を纏っていた鎧が消え、再び4つの盾を装備した青い鎧を身に纏ったレイの姿が現れた。

 

「リンク召喚‼︎絶え間無き水簾の如き刀衛の盾なのです‼︎リンク1‼︎閃刀姫ーシズク‼︎」

 

 

〈閃刀姫ーシズク〉LINK1 機械族 水属性

ATK1500 ↗︎

 

 

「閃刀姫ーシズクの永続効果、ヘルフィヨトゥル‼︎リーネの墓地には魔法カードは30枚あるので、遊花ちゃんのモンスターの攻撃力は3000ポイントダウンするのです‼︎」

 

「っ………3000は流石にキツいですね………」

 

これでヴァレルソードを出せたとしても攻撃力は0。

 

私のライフを考えるとコンバットトリックのカードを使われるだけでアウトだ。

 

おまけにただシズクを倒しても再びレイが出てきて他の閃刀姫に変化されてしまう。

 

そうなるとどうしようもない。

 

「エンドフェイズに閃刀姫ーシズクの効果発動‼︎ヘルヴォル‼︎リーネはデッキから閃刀機-ホーネットビットを手札に加えてターンエンドなのです。さあ、遊花ちゃん。この逆境をどうにかできますか?」

 

 

遊花 LP300 手札1

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ☆

ーーーーー

ーーーーー ▽

 

リーネ LP7900 手札2

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「な、何とか耐え切ったわね」

 

「どうしてデュエルしてる遊花より桜の方が動揺してるの?」

 

「ほ、ほっといてよ‼︎なんか見てて落ち着かないのよ‼︎」

 

「そういうもの?」

 

「そういうものなの‼︎」

 

カガリの攻撃が終わり、遊花のライフが大きく削られた頃。

 

遊花のデュエルを観戦してはらはらしている桜を見て、闇は首を傾げていた。

 

そんな闇に、近くにいた炎が嗜めるように声をかける。

 

「冬城、お前も観戦している時に結束が負けそうになったら心配するだろう?」

 

「?心配しなくても遊騎は勝つよ?」

 

「………例えが悪かったのか、それとも冬城の結束への信頼が厚すぎるのか、どう考えるか困る解答だな」

 

「いや、間違いなく闇の結束への信頼が過剰過ぎるだけだから………炎さんも本当に変に真面目よね」

 

闇の返答に微妙な表情を返す炎を見て、桜は疲れたような表情を浮かべる。

 

そんな桜や炎の様子を気にすることもなく、闇はマイペースに炎に言葉を投げかける。

 

「それはそれとして、炎。社長の様子、少し変」

 

「やはり冬城もそう思うか?」

 

「変?リーネさんが?」

 

「ん。いつもの社長なら、いくら遊花のデッキが自分のデッキの天敵だからってもう少しのんびりと確実に攻めていくハズ。だけど、今日の社長はどこか鬼気迫るものを感じる」

 

「へ?遊花のデッキがリーネさんの天敵?あんなに遊花が追い詰められてるのに?」

 

闇の言葉に、桜は首を傾げる。

 

遊花があんなに圧倒されているのに、どうしてそんな遊花がリーネの天敵になるのかと。

 

首を傾げる桜に闇は淡々と口を開く。

 

「桜は遊花のデッキの特徴として、防御力に長けていることは分かるよね?」

 

「当たり前でしょ?遊花のデッキにはクリボーシリーズのカードがたくさん入ってるし、そうじゃなくてもバトルフェーダーやゴーストリックが入ってるのよ?あの防御はそう簡単に抜かせて貰えないからよく分かってるわ」

 

「ん、そんな桜に問題。遊花の防御力を削っていくには何が効果的?」

 

「防御力を削る方法?モンスター効果を封じるのが1番だとは思うけど、それは削るって感じじゃないわよね。なら、物量とか?遊花の防御って1回の攻撃に対しての防御って感じだし」

 

「いい着眼点。それじゃあ今日見た感想だけでいい。社長のプレイスタイルは?」

 

「リーネさんのプレイスタイル?そりゃあ閃刀姫モンスターでの単騎突破………あ」

 

そこまで言って桜は目を丸くする。

 

そんな桜を見て、闇は頷きながら言葉を続ける。

 

「気付いた?そう、単騎で戦うことに長けている社長の閃刀姫で遊花の防御力を突破するのは至難の技。社長は基本的に閃刀姫リンクモンスター1体を強化して戦うわけだけど、1体ということは攻撃は連続攻撃を付与しない限り1度のみ。そして1度の攻撃なら遊花のモンスター達なら手札に1枚あれば1ターン防ぐことができる。そのうえ遊花のデッキはあれでドロー能力にも長けてるからなかなか手札が減らない。普通なら増える手札に攻撃回数が追いつかないで徐々に遊花が有利になっていくハズなんだけど………」

 

「今の状況だと遊花が得意な単騎の防御をしきれずに追い詰められてるってわけよね」

 

「そういうこと。勿論最初に遊花の手札を増やさせないように妨害をしてるからそれが効いてるというのもある。それに社長の手札や伏せカードがもっと充実してるなら別。社長のデッキは単騎で戦う分それをサポートする手札誘発や妨害系の速攻魔法も結構入ってるから手札さえ整えれば確かに突破も不可能ではない。だけど、あそこまで徹底して使えるカードを使い切って速攻をかける必要はドローの妨害が成功してる時点でない。それこそ次のターンには予見通帳で手札が3枚増えるわけだし、次のターンに増えた手札も使って同じように攻めていれば多分遊花は負けてる」

 

「リーネさんがミスをしたってこと?」

 

「ミスとも言い難いけど、結果的に遊花は生き残ってるわけだし、それならより確実な手を打つ方が無難。それが分からない社長ではないハズ。あの人はデュエルをするより見るのが好きだからあまりデュエルをしないだけで、デュエルタクティクスは間違いなく今のプロリーグの中で1番天才的だから」

 

「………闇にそこまで言わせるってことは本当に相当ってわけよね」

 

闇の真っ直ぐな言葉に、リーネが苦笑いを浮かべる。

 

世界ランキング4位の決闘者がここまで言うような相手と自分の親友はデュエルをし、まだ生き残っているということに、どう反応すればいいのか困ってしまうのだ。

 

そんな桜と闇に、炎が何かを考え込むように顎に手を当てながら口を開く。

 

「そういえば俺とのデュエルの際に天羽は"この大会でやりたいことがある"と言っていたな」

 

「やりたいこと?」

 

「ああ。そしてそれがどうやら栗原に関係しているらしい」

 

「遊花に?リーネさんがなんでまた………就職試験とか?」

 

「天羽の場合は本人が気に入れば就職試験は合って無いようなものだから違うと思うが………それに何やら深刻そうな表情をしていたしな」

 

「深刻そうな表情………遊花………社長………接点………」

 

炎の言葉に闇も真剣な表情で考え込む。

 

そしてしばらく考え込むとポツリと呟く。

 

「………病院の時?」

 

「病院って、私と遊花が初めてリーネさんと会った日のこと?」

 

「ん………そういえば、桜。遊花に社長をどこかで見たことがないか聞いてた」

 

「あーそうなのよね。なんかリーネさんをどこかで見た気がするのよね………遊花に関係してる何かだったと思うんだけど………」

 

「遊花に関係………社長と、遊花の共通点………?………っ、まさか………⁉︎」

 

「冬城?何か分かったのか?」

 

思わず目を見開いた闇に、炎が訝しげな表情を浮かべる。

 

そんな炎に、闇は悲しそうな表情を浮かべながらデュエル中の2人に視線を移した。

 

「多分………だから遊花に黙ってたんだね、遊騎は………」

 

「結束?なんで結束の名前がそこで出てくるのよ?」

 

首を傾げる桜に、闇は悲しそうな表情のままどこか覚悟を決めた表情をしているリーネを見て呟いた。

 

「きっと、すぐに分かる。あの2人はーーー」

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「………やっぱり、リーネさんは凄い人です」

 

1対1ならまず破られることはないクリボー達の防御能力を突破して一気にレッドゾーンまでライフを削られたことに、私は素直に尊敬の念をリーネさんに抱く。

 

そんな私を見て、リーネさんは辛そうな表情を浮かべながら首を振る。

 

「………違うのです。リーネは、遊花ちゃんにそんな目を向けられるような人間じゃないのですよ」

 

「そんなことーーー」

 

「そんなことあるのですよ。リーネは、怖がりで卑怯な臆病者なのですから」

 

リーネさんは辛そうな、どこか覚悟を決めたような表情でぽつぽつと話しはじめる。

 

「リーネは、遊花ちゃんに謝らないといけないことがたくさんあるのです」

 

「謝らないといけないこと、ですか?」

 

「はい、なのです。遊花ちゃんは覚えていないかも知れないのですが、リーネは遊花ちゃんをいっぱい傷付けているのです。それなのに、それを直接謝ることもできず、そんな遊花ちゃんを自分の作ったチームに入れようとする、最低な人間なのです」

 

そういうと、リーネさんは悲しそうな表情で、目尻に涙を浮かべながら、その言葉を口に出す。

 

「リーネは………リーネは、遊花ちゃんのご両親が亡くなった交通事故の加害者の娘なのです。遊花ちゃんのご両親を………遊花ちゃんの幸せを奪ったのは………リーネのママなのです」

 

「………」

 

「それなのに、リーネは、遊花ちゃんに直接それを言うのが怖くて………謝ることも、出来なくて………黙ったままで………遊花ちゃんを自分の居場所に引き入れようとして………本当に、最低最悪な人間なのです‼︎」

 

「………」

 

「でも、もう、隠していたくなんてないから………遊花ちゃんを、これ以上傷付けるような人間の傍にいて欲しくないから………今日、絶対に話そうって、決めていたのです」

 

「………」

 

「何度謝ったって、許されることではないのです………遊花ちゃんの家族を奪ったのは、間違いなく、リーネの家族なのです………ごめんなさい………ごめんなさいなのです………」

 

ぼろぼろと、リーネさんは涙を流しながら私に頭を下げて懺悔をする。

 

そんなリーネさんを見て、私はーーー

 

「………やっぱり、まだ気にしていたんですね、リーネさんは」

 

「………えっ?」

 

「私の方こそ、リーネさんには言わないといけないことがあるんです」

 

ーーーリーネさんに向かって深く頭を下げて、その言葉を口に出した。

 

「ごめんなさい、リーネさん。私も、リーネさんをいっぱい傷つけてしまいました。本当に、ごめんなさい」

 

「………………えっ?」

 

私の言葉に、リーネさんは目を見開き、震える声で私に問いかける。

 

「な、んで………遊花、ちゃんが謝って………いや、それよりも、覚えて………たのですか………?」

 

「………実は、病院でリーネさんに会った日、頭の中に何かが引っかかった気がして、お爺ちゃんの家に電話したんです。そしたら、お爺ちゃんがリーネさんの事を覚えてて、教えてくれたんです。リーネさんが、あの日………お父さん達の葬儀の時に、私にいっぱい謝ってくれたお姉さんだったんだって」

 

 

ーーーーーーー

 

 

「よろしいでしょうか?」

 

「ああ、わざわざありがとうね。そちらも大変だろうに………」

 

「いえ、私の家族はそちらの女の子の心に消えない傷を作ってしまった。本当に、謝っても謝りきれない」

 

「………家族を失ったのはそちらも同じさ。そちらの娘さんも、あまり気にやまないことだ。今回の事故は、どちらが悪いというものでもないのだからね」

 

「………お気遣い、ありがとうございますなのです。でも、本当に、申し訳ありませんでした」

 

俯いている私の隣で、お爺ちゃんと誰かの声がする。

 

だけど、その声も近くじゃなくて、どこか遠くから聞こえているようで、現実味がわかない。

 

………いや、いっそのこと、現実じゃなかったらどれだけよかったのだろう?

 

大好きな………大好きな、お父さんとお母さんが、交通事故で、いなくなってしまうなんて………

 

いっそ、この世界全てが夢だったらどんなにいいのだろう?

 

そんな、意味もない現実逃避を続ける私の耳に、どこかから冷ややかな女の人の声が聞こえてきた。

 

「………アンタ、ムカつくね」

 

「………えっ?」

 

そんな声に、私が顔をあげると、そこには冷ややかな目で私を睨みつけている私よりも少し年上の黒髪の少女がいた。

 

少女は侮蔑するような目で、さらに私に言葉を続ける。

 

「アンタ1人が全部の不幸を背負ってるなんて思わないでよ………アンタ以外にも悲しんでる人はいるんだ。アンタの方が"可哀想"だなんて、勘違いするなよ」

 

「………っ」

 

その少女の言葉に、私は再び顔を伏せる。

 

………少女の言う通りだ。

 

家族を亡くしたのは、私だけじゃない。

 

交通事故を起こした相手の人も、今回の事故で亡くなったって、お爺ちゃんは言っていた気がする。

 

それなのに、私1人が不幸になった気でいるなんて………そんなの、許されるわけがない。

 

………ああ、なんで世界はこんなにも辛いことで溢れてるんだろう。

 

………こんな世界、いっそのこと全て壊れてしまえばーーー

 

「………えっ?」

 

そんな、自分のものじゃないような黒い感情が私の頭に浮かびそうになった時、私の近くで何かが叩かれる音が響き、先程私に声をかけてきていた少女の呆然としたような声が聞こえた。

 

私が少しだけ顔をあげると、私を守るように、綺麗な金髪をした女の人が立っているのが目に入った。

 

「何を………言ってるのですか?」

 

「えっ?」

 

「この子に何を言ってるのですか‼︎」

 

金髪の女性は怒ったように声を張り上げると、黒髪の少女の襟元を掴む。

 

金髪の女性の声に驚いたのか、黒髪の少女もどこか怒ったような声をあげる。

 

「だ、だって、あの娘1人に不幸面されちゃ堪らないじゃないか‼︎リーネだってママを無くして辛いのに、アイツの不幸の方が上みたいで、リーネの辛さは軽く見られてるみたいじゃーーー」

 

「………嬉しくないのです」

 

「ーーーえっ?」

 

「リーネの為に言ってくれた事なんだって分かってるのです。分かってるけど………どちらがより不幸かを秤にかけて、それで勝ったって………全然嬉しくなんて、ないのです‼︎」

 

そういうと、金髪の女性は黒髪の少女を突き飛ばす。

 

そして金髪の女性は震える声で少女に怒りの声をあげる。

 

「リーネはそんなこと、微塵も頼んでいないのです‼︎辛いけど、辛いなんて思っちゃいけないのです‼︎苦しいけど、苦しんで当然なのです‼︎リーネの家族が、この子を苦しめてるのに、今度はリーネが、この子を苦しめないといけないんですか‼︎」

 

「ち、違ーーー」

 

「何も違わないのです‼︎こちらがこの子の幸せを奪ったのに、どうしてこちらが被害者面をするのですか‼︎この子は何も悪くなんてないのです‼︎辛くて当然なのです‼︎それなのに、なんでリーネの存在が、この子を糾弾しないといけないのですか‼︎」

 

そこまでいうと、金髪の女性は振り返って私の前でしゃがみ込み、地面に頭をつける。

 

「ごめんなさい………本当に、ごめんなさいなのです………」

 

「っ、あ、のーーー」

 

「あなたをたくさん苦しめて、何もできなくて、ごめんなさい………ごめんなさい………ごめんなさい、なのです………」

 

目の前で、泣きながら地面に頭をつけて謝る女性に、私はなんて言葉をかけていいのか分からなくなる。

 

結局、私は女性に何も言葉を返すことが出来ないまま、お爺ちゃんと女性の父親らしき人の仲裁により、女性は父親らしき人に連れられて去っていった。

 

そして、私は………そんな女性を………リーネさんを見て、何も言葉を返してあげれなかったことを、酷く後悔したんだ。

 

自分のことしか見えていなかった、私自身の浅はかな思いを………

 

 

ーーーーーーー

 

 

「あの時、私は自分のことしか考えられていませんでした。家族を失ったのは、リーネさんだって同じだったハズなのに、私1人が不幸になった気がして………だから、謝らないといけないのは私も同じなんです。リーネさんのことまで頭が回らず、自分のことしか考えられなくて、ごめんなさい」

 

「ちが、違うのです………悪いのは、リーネの方で………」

 

そういって、震えた声で否定するリーネさんに、私は首を振りながら安心させるように声をかける。

 

「何も違いませんよ。お爺ちゃんから聞きました、あの事故は整備不良で突発的に起こったものだって。だから、リーネさんのお母さんにも、悪いところなんてありません。リーネさんが、必要以上に責任を感じる必要なんてないんです」

 

「で、でも………でもでも、リーネは………遊花ちゃんの幸せを………」

 

「………確かに、お父さん達がいなくなったのは、今でも悲しいです。だけど、だからといって、今の私は不幸なんかじゃありません。悲しいことはあったけど………私は、師匠に出会うことができましたから」

 

「‼︎遊騎君に………会えたから?」

 

「はい」

 

リーネさんの言葉に私は柔らかな笑みを浮かべる。

 

前に、異世界に行った時、優しい、偽りの世界を見せられたことがある。

 

そこには、私の両親がいて、師匠はプロリーグから追放されてなくて、それでも私と師匠や闇先パイとの関係も変わっていない、とても幸せな世界だったと思う。

 

だけど、今にして思えばそんな世界だけは、例え過去に遡って未来を変えれるとしても起こりえないと断言できる。

 

私が師匠に出会えたのは、私が両親を失った悲しみから抜け出せずに日々を過ごしていたから。

 

師匠が私に会ったのは、プロリーグから追放されてそれでも諦めずに過ごしていたから。

 

もし、私の両親が生きていたら、私が過去を振り切れていたら、私はあの日の公園にはいない。

 

もし、師匠がプロリーグを追放されていなかったら、師匠が諦めていたら、師匠はあの日の公園にいない。

 

大きな不幸と、小さな小さな偶然が重なりあって、奇跡が起こったからこそ、私と師匠の出会いはある。

 

だからこそ、これだけは断言できる。

 

私と師匠が出会い、こうして師弟になるのは、私が両親を失って塞ぎ込み、師匠がプロリーグから追放される、この辛い現実でしかありえない。

 

例え出会ってからのIFは存在しても、それよりも前のIFで、私達がこうして出会い、師弟になることはきっとない。

 

私と師匠の出会いは、そんな奇跡の中でしか起こらない。

 

「お父さん達がいなくなったことを肯定するわけじゃありません。だけど、辛い出来事にも、失くしてきたものにも、痛みにも、ちゃんと意味があったんです。今の私には………師匠が、桜ちゃんが、闇先パイが、一緒にいてくれます。そして、こんな私を支えてくれる、期待してくださる皆さんがいます。だから、私は今、十分幸せなんです」

 

「………遊花ちゃんは………今、幸せ、なのですか?」

 

「はい。それだけは、リーネさんにだって否定させません。私は、十分幸せ者なんです。これ以上の幸せを望んだら、きっと罰が当たっちゃいます。だから………」

 

私はそこで言葉を区切り、心から幸せだって、リーネさんに伝わるような笑顔を浮かべる。

 

「リーネさんが、これ以上苦しむ必要なんてないんです。リーネさんは、私に十分幸せを運んでくれたんですよ」

 

「っ………遊花、ちゃん………」

 

私の言葉に、リーネさんの目から涙が溢れる。

 

そんなリーネさんを見て、私は笑顔を浮かべたまま、デッキの1番上のカードを握る。

 

「だからこそ、このデュエルは絶対に勝って見せます。リーネさんが運んでくれた幸せは、私に運命だって乗り越えられる力をくれたんだって、はっきり見せたいですから‼︎」

 

「………それは無理なのです。この状況から遊花ちゃんが逆転するなんて、それこそ奇跡的なことなのですよ?」

 

「それなら、奇跡を起こすだけです。私には、夢があります」

 

「夢………ですか?」

 

「はい………それは、どんな逆境でも、笑顔で、楽しそうに切り抜けて、皆を驚かせるデュエルができるプロ決闘者になること。そして、そんな気持ちを教えてくれた師匠が、プロリーグから追放されるような、卑怯者じゃない。誰かの為に戦うことが出来る立派な決闘者なんだって証明することです‼︎」

 

「‼︎遊花ちゃん………」

 

「っ、遊花、お前………」

 

リーネさんと審判をしていた師匠が目を見開いて驚きの声を漏らす。

 

「その夢を叶えるために、諦めることだけはしないってことを、私は師匠に………そして私自身に誓ったんですから‼︎」

 

「………なら、見せて欲しいのです。遊花ちゃんが奇跡を起こすのを。リーネが、本当に遊花ちゃんに幸せを運んだってことを、証明してみて欲しいのです」

 

「………はい‼︎すー………はー………私のターン‼︎」

 

深く深呼吸をして、握るカードに力を込める。

 

私のフィールドにカードはなく、手札も現状1枚のみ。

 

次のターンになれば予見通帳の効果でリーネさんの手札は一気に増える。

 

そうなれば、リーネさんはきっと私を確実に倒すことができるカードを手に入れるだろう。

 

それは、今までのリーネさんのデュエルを見てきたからこそ感じる確信めいた予想。

 

だからこそ、このターンが最後のチャンス。

 

お願い、私のデッキ………私は、リーネさんに証明したいの。

 

リーネさんが運んでくれた幸せは、私をちゃんと救ってくれたということを。

 

私が救われる程、幸福な奇跡を起こしてくれたんだってことを。

 

だから、お願い………私に、運命を乗り越える力を貸して‼︎

 

「ドロー‼︎」

 

勢いよくカードを引き抜き、ゆっくりとそのカードを自分の目の前に持ってくる。

 

「っ、このカードは………」

 

ドローしたカードを見て、私は思わず目を見開く。

 

………まだ、望みはある。

 

「魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在するリンクスパイダー、プロキシードラゴンをEXデッキに、金華猫、クリボー、異次元の精霊をデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローします‼︎」

 

「………この状況でドローカードを使ってくるなんて、流石なのです。だけど、やっぱり奇跡は起きなかったみたいなのです。貪欲な壺にチェーンして手札から灰流うららの効果発動なのです」

 

「‼︎」

 

「デッキからカードを手札に加える効果、デッキからモンスターを特殊召喚する効果、デッキからカードを墓地へ送る効果、そのいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨ててその効果を無効にするのです。これで遊花ちゃんはドローできず、手札も1枚のみ。次のターンでおしまいなのです」

 

リーネさんの手札から動物の耳が生えた着物の少女が現れ、その少女が手をかざすとフィールドに桜吹雪が巻き起こる。

 

そんな桜吹雪の中、私はーーー

 

「信じてました」

 

「えっ?」

 

「リーネさんなら、きっと私の行動を止めるカードが手札にあるって。信じていました」

 

ーーーそういって、満面の笑みを浮かべた。

 

「っ、一体何を………」

 

「リーネさんが、私の動きを止めてくれなければ、きっと私は負けていました。だけど、止めてくれたからこそ、奇跡は起こる………このターンに引いた、師匠から貰った、このカードで‼︎」

 

「っ、遊騎君から貰ったカード⁉︎」

 

 

ーーーーーーー

 

 

『期末試験でいい結果を出した時の為に、島さんに頼んでおいたんだ。まあ、頑張った弟子の為のご褒美って奴だな』

 

『ご褒美………⁉︎このカードって‼︎』

 

『遊花は持ってなかっただろ?遊花のことだから欲しいかなと思ったんだ。まあ、使えるかどうかは分からないからご褒美と言えるかも微妙なところだが………使えないならお守り代わりにでもしてくれ』

 

『いえ‼︎いえいえ‼︎絶対使います‼︎師匠がせっかく探してくれたご褒美なんですから‼︎えへへ〜やった‼︎』

 

 

ーーーーーーー

 

 

私の頭に、リーネさんと出会った日の、病室での師匠との一幕が思い出される。

 

師匠………あなたはやっぱり、私の最高の師匠です。

 

あなたのおかげで、私は新しい自分に変わることが、変身することができるんです。

 

「チェーンが発生した時、自分の手札からこのカードを特殊召喚する事ができます‼︎」

 

「っ、特殊な召喚条件のモンスター⁉︎」

 

さあ………いこう、相棒( ・・)‼︎

 

「夢見る想いは、運命だって乗り越えられます‼︎いつまでも、私と共に羽ばたいて‼︎ハネクリボーLV9‼︎」

 

私の声に応えるように、優しくも勇ましい声が聞こえた気がした。

 

 

〈ハネクリボーLV9〉☆9 天使族 光属性

ATK?

 

 

巻き起こる桜吹雪の中、フィールドに現れたのは赤き鎧に身を包んで変身した天使の羽を持つ私の最高の相棒。

 

その姿に、リーネさんは驚きに目を見開く。

 

「LV9………進化した、遊花ちゃんのハネクリボー、なのですか?だけど、攻撃力が………決まってないのです?」

 

「ハネクリボーLV9が自分フィールド上に表側表示で存在する限り、お互いに発動した魔法カードは墓地へ送られずゲームから除外されます。なので、灰流うららに無効化された貪欲な壺はそのまま除外されます」

 

桜吹雪が止み、フィールドには相棒のLV9とシズクの姿だけが残る。

 

そんなフィールドで、相棒の赤き鎧が輝き、相棒の右手に周囲から光の粒子を集め始める。

 

「そして、ハネクリボーLV9の永続効果、スペルアブソーブ‼︎このカードの攻撃力・守備力は相手の墓地に存在する魔法カードの数×500ポイントの数値になる‼︎」

 

「っ⁉︎閃刀姫-カガリに似た効果なのです⁉︎しかも相手って、リーネの墓地には今………」

 

「リーネさんの墓地にある魔法カードは30枚‼︎閃刀姫-シズクの効果で攻撃力は3000ポイントダウンしますが、それでもその攻撃力は………‼︎」

 

 

ハネクリボーLV9

ATK?→15000→12000

 

 

「3000ポイント下がってるのに、攻撃力12000⁉︎」

 

「これで決まりです‼︎バトル‼︎ハネクリボーLV9で閃刀姫-シズクを攻撃‼︎」

 

「っ、迎え撃つのです、閃刀姫-シズク‼︎奥義、閃刀術式-ジャミングウェーブ起動‼︎スヴァーヴァ‼︎」

 

リーネさんがそう叫ぶと、シズクの周りに4枚の盾が展開され、シズクの前方に魔法陣が出現する。

 

シズクがその魔法陣に飛び込むよう突っ込むと、シズクの身体を覆うような水流が現れ、水流を纏ったシズクはそのまま水流の勢いに乗って相棒に向かって突撃する。

 

向かってくるシズクを迎え撃つように相棒が右手を構えると、集まっていた光の粒子が止まり、赤き鎧が強く光輝く。

 

赤き鎧が光輝くと、相棒は空に向けて飛び立ち、空中で一回転すると勢いよくシズクに向かって突撃する。

 

向かってきた相棒を水流を纏った刀で斬り裂こうとするシズクに、相棒は光輝くその右手を振り下ろした。

 

「バーサーカークリティカルクラッシュ‼︎」

 

ぶつかり合う相棒の右手とシズクの刀。

 

次の瞬間、相棒とシズクを中心に爆発が起き、フィールドを包むように爆煙が舞う。

 

そんな爆煙の中から飛び出してくる1つの影。

 

勢いよく爆煙から飛び出し、姿を現したのは私の、最高の相棒の姿だった。

 

「私の………勝ちです‼︎」

 

「………奇跡を、起こされちゃったのです………証明、されちゃったのですね」

 

 

リーネ LP7900→0

 

 

ーーーーーーー

 

 

「………そこまで‼︎勝者………栗原 遊花‼︎」

 

師匠の宣言に、観戦席からどよめきが聞こえてくる。

 

そんな中、どこか憑き物が落ちたような表情で、リーネさんが私の前までやってくる。

 

「見せてもらったのです。遊花ちゃんが起こす奇跡、運命だって乗り越えられる力を。こんなの見せられたら、納得するしかないのです」

 

「リーネさん………」

 

「遊花ちゃん………リーネは最低最悪な人間なのです………それでも、遊花ちゃんは許してくれるのですか?」

 

「………当たり前です。許すに決まってます。リーネさんは、自分のことしか考えられず、リーネさんをたくさん傷つけてしまった私を、許してくれますか?」

 

「っ………当たり前なのです‼︎」

 

「ひゃぅ‼︎り、リーネさ………むぎゅぅ⁉︎」

 

そこまで言って感極まって我慢出来なくなったのか、リーネさんが力一杯私の身体を抱き締める。

 

リーネさんが喜んでくれたのは嬉しいんですが………こ、これはちょっとキツいです。

 

「ちょっ、抱きつくのを止めろリーネ‼︎」

 

「むぅ、遊騎君、なんで止めるのです?もしかして、嫉妬なのです?」

 

「このアホ‼︎そういう呑気なことを言ってるんじゃないだよ‼︎窒息‼︎遊花がお前の胸のせいで窒息してんの‼︎」

 

「………ほぇ?」

 

「む〜、〜〜〜‼︎」

 

「あ、あわわ⁉︎大丈夫なのです⁉︎」

 

「すー………はー………あ、危うく死んじゃうところでした」

 

力一杯抱きしめてくるリーネさんの腕を必死にタップすると、リーネさんが慌てて手を離し、私は必死に深呼吸をする。

 

まさか、抱きしめられて窒息死しそうになるなんて思わなかった。

 

「大丈夫か、遊花?」

 

「す、すみません師匠。ありがとうございます」

 

少し顔色を悪くした私の背中を、師匠が優しく摩ってくれる。

 

そんな師匠の顔は窒息しかけた私を見て、同情しているようだった。

 

………もしかして、師匠もやられたことがあるのかな?

 

そんなことを考えた時、私は無意識のうちに自分の胸に手をやっていた。

 

………うん、小さくはない、むしろ大きい方ではあると思う。

 

だけど、リーネさんには敵わないし………男の人は大きいのが好きって聞くし………やっぱり、師匠も大きい方が好きなのかな?

 

「遊花?どうかしたのか?やっぱり体調が悪いか?」

 

「な、な、なんでもないです‼︎あは、あはは………」

 

「そうか?大丈夫ならいいんだが………」

 

心配そうな目で見てくる師匠に、罪悪感を感じながら私は慌てて頭を振って笑顔を見せる。

 

今、何考えてたんだろう………うぅ〜なんか変なことを考えてた気がする………それに、ちょっと、胸も変な気がする………どうしたんだろう、私?

 

自分の無意識の行動に戸惑っていると、リーネさんが改めて私に話しかけてくる。

 

「遊花ちゃん、改めてごめんなさいなのです」

 

「い、いえいえ、そんな、私は大丈夫ですから、気にしないでください‼︎」

 

「………そういって貰えると、リーネも助かるのです。それで、改めて遊花ちゃんにお話したいことがあるのですが………」

 

「私にお話………ですか?」

 

「はいなのです。前に遊騎君達が話していた遊花ちゃんを『Trumpfkarte』に入れたいって話なのですが、こちらから遊花ちゃんをスカウトしたいのです」

 

「えっ、ええっ〜〜〜⁉︎」

 

リーネさんの言葉に、私は驚いて声を上げ、周りのざわつきもより一層強くなる。

 

そんな中、リーネさんは真っ直ぐとした目で私を見る。

 

「今日、遊花ちゃんと実際にデュエルをして確信したのです。遊花ちゃんは、必ず遊騎君や闇ちゃんと同じ、もしかしたらそれ以上の決闘者になるのです。だからこちらから、遊花ちゃんに頼みたいのです。遊花ちゃん、『Trumpfkarte』に入って貰えませんか?」

 

「えっと、あの、その………」

 

突然のことに狼狽える私を見て、師匠が批難するような目でリーネさんを見る。

 

「リーネ‼︎お前、いつものことながら性急過ぎるぞ⁉︎せめてもう少し遊花が落ち着いてからな………」

 

「うぅ〜でもでも、どうしても遊花ちゃんのデュエルをもっと見たくなっちゃったのです。それに、遊花ちゃんが目指しているのは遊騎君なのですよ?遊騎君のことを知ってるリーネとしては、やっぱり応援したくなっちゃうのです」

 

「お、お前なぁ………」

 

「あ、あの‼︎リーネさん‼︎」

 

「はいなのです」

 

頭を抱えている師匠を横目に、私はリーネさんに話しかける。

 

そんなリーネさんに、私は真剣な表情で問いかける。

 

「リーネさんから見て、私は、師匠みたいな決闘者になれますか?師匠みたいに、どんな逆境でも、笑顔で、楽しそうに切り抜けて、皆を驚かせるデュエルができて、それで………誰かに勇気を与えられるような決闘者に、なれますか?」

 

「………リーネの全てを賭けて、保証するのです。遊花ちゃんは、遊花ちゃんの望む決闘者に、必ずなることができるのです」

 

「………私は、まだ自信がありません。本当に師匠みたいな決闘者になれるのか、不安で仕方ないです。だけど、それでもやっぱり、私は師匠みたいな決闘者になりたい。そうなれると信じてくれている皆さんの期待に、応えたいんです」

 

「遊花………」

 

師匠の驚くような声が聞こえる。

 

そして私は、リーネさんに深く頭を下げる。

 

「こちらこそ、お願いします。私を、『Trumpfkarte』に入れて貰えませんか?」

 

「‼︎勿論なのです‼︎こちらこそ、よろしくお願いするのです‼︎」

 

そういって、リーネさんは満面の笑みを浮かべて私の手を取った。

 

そんな私達を見て、師匠は真っ直ぐな目で私を見て口を開く。

 

「………いいんだな?」

 

「………はい。これは、私が決めたことですから」

 

「………そっか。なら、俺から言えることはないな。頑張れよ、遊花」

 

「………あ」

 

そういって、師匠は柔らかな笑顔を見せ、私は思わず声を漏らしてしまう。

 

その師匠の笑顔が、凄く嬉しかったから。

 

そんな師匠の笑顔が、ずっと見たかったから。

 

「さて、色々と話を詰めて行きたいのですが、とりあえず今は大会が終わるのを待つことにするのです。いい加減、これ以上待たせると不機嫌になってしまいそうな人がいるですから」

 

「へっ?」

 

「失礼。不機嫌にはならない。ちょっと待ちきれないだけ」

 

私の背中から聞こえた声に振り向くと、うずうずと待ちきれないというような雰囲気を出す闇先パイがいた。

 

そうだ、色々あったから忘れていたけど次の試合はーーー

 

「………それじゃあ準決勝第2試合、無所属、結束 遊騎VS『Trumpfkarte』所属、冬城 闇を開始する………か」

 

「ん………」

 

ーーー師匠と闇先パイ。

 

私の尊敬する2人の決闘者のデュエルが始まろうとしていた。





次回予告

遊騎と闇。
遊花のデュエルの師であり、幼い頃からずっと一緒だった決闘者同士のデュエルが始まる。
お互いに一歩も譲らないデュエルの中、2人は懐かしい光景に笑みを浮かべる。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『英雄VS氷槍・楽しいデュエル』


次回、準決勝・遊騎VS闇、前編です。
予告してた通り前後編に分かれる予定です。
幼い頃から共にいた友人同士は一体どのようなデュエルを見せるのか?
次回をお楽しみに。

そして今回の遊花とリーネのデュエルは、遊花の思いと遊騎が渡したカードが奇跡を起こしました。
といっても、元々のデッキの相性としてはリーネのデッキの方が不利でした。
閃刀は特性上メインモンスターゾーンが空いてないといけないので、単騎で戦うことしかできず、それに対して遊花のデッキは1回の攻撃を確実に防ぎにいくクリボー系列やゴーストリックが入っているので単騎ではなかなか突破できません。
それを突破して遊花を追い詰めたリーネは流石プロと言えるでしょう。
それでも過去を振り切り、夢の為に新しい切り札であるハネクリボーLV9で正面から突破してみせたのも遊花の成長ですね。
ハネクリボーLV9がリーネの閃刀姫ーカガリと対になる性能を秘めていたのも大きいですけどね、どっちも赤い鎧なので書いてて似てるなって思いましたが。
個人的には現在登場している最後の閃刀姫を出せなかったのが少し残念です、まだまだ精進が必要だなって思います。

それじゃあ今回はここまでです。
次回はちょっとリアルで仕事が忙しくなってきたのでもしかしたら少し遅くなるかもです。
気長に待ってくれると嬉しいです。
ではでは〜
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