遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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今回はチーム戦の大将戦、遊花のデュエルです。
視点は基本的には遊花視点、少しだけ遊騎視点が混ざります。






幕間5・黄昏の光

 

 

 

 

 

「それじゃあ最後に大将戦に入る。遊陽、皆の前に」

 

「はい‼︎」

 

「遊花、お願い」

 

「分かりました」

 

闇先パイに促され、私は子供達の前に出て行く。

 

子供達は前に出てきた私をとても真剣な表情で見つめており、そんな子供達の見本になれるのか少しだけ不安を感じてしまう。

 

だけど、これは闇先パイが私やこの教会の子供達のために考えて提案してくれたこと。

 

後輩として、そしていつもお世話になっている身として、闇先パイのお役に立たないと。

 

そうして密かに自分を鼓舞していると、私の前に対戦相手である遊陽ちゃんがやってくる。

 

遊陽ちゃんは、これからのデュエルが待ちきれないのかそわそわしており、とても嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

「遊花お姉ちゃん、今日はよろしくお願いします‼︎」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

 

「それじゃあこれよりチーム『空子軍団』VSチーム『月花騎士』の大将戦をはじめる。遊陽、遊花構えて」

 

丁寧に頭を下げてくる遊陽ちゃんに、私も同じように頭を下げて応え、闇先パイの言葉に、遊陽ちゃんと同時にデュエルディスクを起動する。

 

………遊陽ちゃんは、幼くても師匠が認める決闘者。

 

今日の師匠や桜ちゃんのデュエルを見て、この教会の子供達がどのくらい強いのかはよく分かった。

 

だからこそ、私も全力でぶつかる‼︎

 

「行くよ、遊花お姉ちゃん‼︎」

 

「うん、遊陽ちゃん‼︎」

 

『決闘‼︎』

 

 

遊花 LP8000

 

遊陽 LP8000

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「先攻は遊陽だよ‼︎」

 

遊陽ちゃんが元気いっぱいな声をあげる。

 

師匠が8割は勝てないという遊陽ちゃんのデュエル………一体どんなデュエルなんだろう?

 

「まずは魔法カード、堕天使の追放‼︎同名カードは1ターンに1度、デッキから堕天使の追放以外の堕天使カード1枚を手札に加えるよ‼︎私はデッキから堕天使イシュタムを手札に加えるよ‼︎」

 

「堕天使?」

 

聞いたことがないカード名に私は首を傾げながら思わず自分のEXデッキを見る。

 

………うん、多分駄天使は関係ないよね。

 

おそらく今遊陽ちゃんが言っているのは駄目な天使じゃなくて堕ちた天使のことだ。

 

だけど、そんなテーマ、私は聞いたことがないけど………

 

「さらに手札からヘカテリスを捨てて効果発動‼︎自分メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ捨てて、デッキから神の居城-ヴァルハラ1枚を手札に加えるよ‼︎」

 

「神の居城-ヴァルハラ………」

 

そのカードのことは知っている。

 

確か天使族を特殊召喚する効果を持つ永続魔法だ。

 

ということは、遊陽ちゃんのデッキは天使族デッキかな?

 

確かに、教会に住んでいる遊陽ちゃんにはぴったりなカードかも知れない。

 

「遊陽は、永続魔法、神の居城-ヴァルハラを発動‼︎自分フィールドにモンスターが存在しない場合、1ターンに1度、自分メインフェイズに手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する‼︎見ててね、遊花お姉ちゃん。遊陽の切り札を‼︎」

 

「っ⁉︎もう切り札が出てくるの⁉︎」

 

「知恵を司る戦いの女神‼︎アテナ‼︎」

 

 

〈アテナ〉☆7 天使族 光属性

ATK2600

 

 

遊陽ちゃんの声に応えるように現れたのは巨大な盾と三又の矛を持った女神。

 

その姿はとても神々しく、見る者を圧倒する。

 

これが、遊陽ちゃんの切り札………一体どんな効果が………

 

「行くよ、遊花お姉ちゃん‼︎遊陽は、創造の代行者ヴィーナスを召喚‼︎」

 

 

〈創造の代行者ヴィーナス〉☆3 天使族 光属性

ATK1600

 

 

遊陽ちゃんの前に胸の前で手を組んだ長髪の天使が現れる。

 

それに合わせてアテナが手に持った矛を空に掲げる。

 

「この瞬間、アテナの効果発動‼︎断罪の雷‼︎このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、このカード以外の天使族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、相手に600ポイントのダメージを与えるよ‼︎」

 

「‼︎バーン効果………」

 

天使族が場に出る度に発動するバーン効果。

 

それはかなり強力な効果だと思う。

 

そして………何だか凄く嫌な予感がする。

 

だから、ここは………

 

「アテナな効果にチェーンして手札からクリフォトンの効果発動‼︎このカードを手札から墓地へ送り、2000ライフポイントを払って、このターン、自分が受ける全てのダメージは0になります‼︎」

 

 

遊花 LP8000→6000

 

 

アテナが掲げた矛から光が空へと登っていくと、突如出現した雲から雷が私に向かって降り注ぐ。

 

雷が私の身体に当たろうとした時、私の前に現れた電球のような姿をしたモンスターが、私の身体を包みこむように光の粒子を放ち、降り注ぐ雷を無効化した。

 

アテナの雷が無効化されたのを見て、遊陽ちゃんは凄く嬉しそうな表情を浮かべた。

 

「凄い‼︎遊陽お姉ちゃん、遊陽が先攻でもアテナの雷を防げるんだ‼︎遊騎お兄ちゃんでも防げなかったのに‼︎」

 

「えっ?う、うん?」

 

何故か嬉しそうにそう語る遊陽ちゃんに私は首を傾げてしまう。

 

アテナの効果を防がれたのに、どうしてこんなに嬉しそうなんだろう?

 

いつもはすぐに( ・・・・・・・)デュエルが終わっちゃうけど( ・・・・・・・・・・・・・)今日は( ・・・)長い時間デュエルができそう( ・・・・・・・・・・・・・)‼︎もっともっと楽しいデュエルをしようね‼︎」

 

「………えっ?」

 

遊陽ちゃんの言葉に、私は違和感を覚える。

 

今の言葉は一体どういう………

 

困惑する私に構わず、遊陽ちゃんは凄く楽しそうに笑いながらも、少し悩んだ表情を見せる。

 

「でも、どうしよう?アテナの効果を防がれるのなんて闇先生とデュエルする時ぐらいだし………ん〜でも、前に闇先生は『1度動き出したら最後まで動ききる方がいい』って言ってたもんね。よし、行くよ、遊花お姉ちゃん‼︎」

 

「っ‼︎」

 

「創造の代行者ヴィーナスの効果発動‼︎500ライフポイントを払って手札・デッキから神聖なる球体( ホーリーシャインボール)1体を特殊召喚するよ‼︎500ライフポイント払って、おいで神聖なる球体‼︎」

 

 

遊陽 LP8000→7500

 

 

〈神聖なる球体〉☆2 天使族 光属性

DEF500

 

 

ヴィーナスが祈りを捧げると、ヴィーナスの側に白い球体が姿を現わす。

 

「アテナの効果は強制効果だから、ダメージは与えられないけど発動はしちゃうの。ゴメンね、遊花お姉ちゃん」

 

アテナが再び雷を降らせるが、私の身体を包みこんでいる光の粒子が降り注ぐ雷を無効化する。

 

うーん、ダメージを受けることはないって分かってるんだけど、それでも少しビックリしちゃうな。

 

「さらに創造の代行者ヴィーナスの効果発動‼︎さらに2回500ライフポイントを払ってデッキから2体の神聖なる球体を特殊召喚‼︎」

 

「その効果、ターン制限とか無かったんだね」

 

 

遊陽 LP7500→6500

 

 

〈神聖なる球体〉☆2 天使族 光属性

DEF500

 

 

ヴィーナスの側にさらに2体の神聖なる球体が現れ、私の身体を雷が襲う。

 

すでにアテナの効果は4回発動しているため、クリフォトンを使っていなければ2400ものダメージを受けていた。

 

おまけにそんなダメージを与えるような動きをしているのに、遊陽ちゃんの手札は残っているし、まだEXデッキからモンスターをだしてもいない。

 

………何となく、師匠が8割は勝てず、私が1番勝機があると言っていた理由が分かった気がした。

 

「それじゃあ行くよ‼︎輝いて‼︎希望を照らすサーキット‼︎」

 

「リンク召喚だね」

 

遊陽ちゃんが手をかざすと、遊陽ちゃんの目の前に巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は天使族モンスター2体‼︎遊陽は2体の神聖なる球体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎失落の堕天使‼︎」

 

 

〈失落の堕天使〉LINK2 天使族 闇属性

ATK1600 ↙︎↘︎

 

 

2体の神聖なる球体がサーキットに吸い込まれると、代わりに漆黒の翼と悪魔の角を持つ天使が現れる。

 

現れた失落の天使に反応して雷が降り注ぐが当然私にダメージはない。

 

………うん、これあと何回繰り返されるんだろう?

 

「失落の堕天使の効果発動‼︎手札を1枚捨ててデッキから堕天使スペルビアを手札に加えるよ‼︎さらに手札の堕天使イシュタムの効果発動‼︎手札からこのカードと堕天使カード1枚を捨てて自分はデッキから2枚ドローするよ‼︎遊陽は堕天使イシュタムと堕天使スペルビアを捨てて2枚ドロー‼︎」

 

「サーチしたカードを使っての手札交換………墓地肥やしの意味もあるのかな?」

 

「次、行くよ‼︎輝いて‼︎希望を照らすサーキット‼︎」

 

遊陽ちゃんの目の前に再び巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は天使族モンスター2体以上‼︎遊陽は神聖なる球体と失落の堕天使を2体分として扱ってをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク3‼︎天空神騎士( セレスティアルナイト)ロードパーシアス‼︎」

 

 

〈天空神騎士ロードパーシアス〉LINK3 天使族 光属性

ATK2400 ↙︎↓↘︎

 

 

神聖なる球体と失落の堕天使が2体に分身してサーキットに吸い込まれると、サーキットからケンタウロスのように馬の脚を持つ天使が現れた。

 

「アテナのもう1つの効果発動‼︎身捧ぐ祈り‼︎1ターンに1度、アテナ以外の自分フィールドの表側表示の天使族モンスター1体を墓地へ送り、アテナ以外の自分の墓地の天使族モンスター1体を対象としてその天使族モンスターを特殊召喚するよ‼︎」

 

「っ⁉︎そんな効果まであるの⁉︎」

 

「創造の代行者ヴィーナスを墓地へ送って、戻っておいで、堕天使スペルビア‼︎」

 

 

〈堕天使スペルビア〉☆8 天使族 闇属性

ATK2900

 

 

ヴィーナスの姿が粒子に変わり、天に昇っていくと、代わりに天から舞い降りたのは鷹のような羽根に、壺のような頭を持つ堕天使。

 

そして壺の中から闇が溢れ出し、フィールドで形を成していく。

 

「堕天使スペルビアの効果発動‼︎このカードが墓地からの特殊召喚に成功した時、堕天使スペルビア以外の自分の墓地の天使族モンスター1体を対象としてその天使族モンスターを特殊召喚する‼︎出番だよ、堕天使イシュタム‼︎」

 

 

〈堕天使イシュタム〉☆10 天使族 闇属性

ATK2500

 

 

形を成した闇は4枚の漆黒の翼を持つ堕天使に変わる。

 

一気に大型のモンスターが2体………だけど、まだまだ終わりって訳じゃなさそうだね。

 

「堕天使イシュタムの効果発動‼︎1000ライフポイントを払い、自分の墓地の堕天使魔法・罠カード1枚を対象として、その魔法・罠カードの効果を適用し、その後墓地のそのカードをデッキに戻す‼︎この効果は相手ターンでも発動できるよ‼︎遊陽はライフポイントを1000払って墓地の堕天使の追放の効果を適用し、デッキから堕天使アスモディウスを手札に加えて堕天使の追放をデッキに戻すよ‼︎」

 

 

遊陽 LP6500→5500

 

 

「また堕天使が手札に………」

 

「まだまだ行くよ‼︎魔法カード、アドバンスドロー‼︎自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8以上のモンスター1体をリリースしてデッキからカードを2枚ドローする‼︎堕天使イシュタムをリリースして2枚ドロー‼︎そしてこの瞬間、天空神騎士ロードパーシアスの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分フィールドの表側表示の天使族モンスターが墓地へ送られた場合、自分の墓地から天使族モンスター1体を除外して除外したモンスターよりレベルが高い天使族モンスター1体を手札から特殊召喚する‼︎」

 

「‼︎ということは………」

 

「墓地の神聖なる球体を除外して、手札から堕天使アスモディウスを特殊召喚‼︎」

 

 

〈堕天使アスモディウス〉☆8 天使族 闇属性

ATK3000

 

 

フィールドに現われたのは鴉のような濡羽色の翼を持つ堕天使。

 

「堕天使アスモディウスの効果発動‼︎1ターンに1度、自分メインフェイズにデッキから天使族モンスター1体を墓地へ送る‼︎遊陽はデッキからイーバを墓地に送るよ‼︎そして墓地に送られたイーバの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分のフィールド・墓地の天使族・光属性モンスターを2体まで除外し、除外した数だけ、デッキからイーバ以外のレベル2以下の天使族・光属性モンスターを同名カードは1枚まで手札に加えるよ‼︎」

 

「っ、まだ手札が増えるの⁉︎」

 

「遊陽は墓地の2体の神聖なる球体を除外して、デッキからトリックスターリリーベルとトリックスターマンドレイクを手札に加えるよ‼︎そして手札に加えたトリックスターリリーベルの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、ドロー以外の方法で手札に加わった場合、このカードを手札から特殊召喚する‼︎」

 

 

〈トリックスターリリーベル〉☆2 天使族 光属性

DEF2000

 

 

遊陽ちゃんのフィールドに現れたのは鈴を持った妖精のようなモンスター。

 

そろそろ止まって欲しいんだけど………終わらないよね、多分。

 

「天空神騎士ロードパーシアスのもう1つの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、手札を1枚捨てて『天空の聖域』のカード名が記されたカードまたは『天空の聖域』1枚をデッキから手札に加え、フィールドに『天空の聖域』が存在する場合にはその1枚を天使族モンスター1体にできるよ‼︎遊陽は手札を1枚捨ててデッキからマスターヒュペリオンを手札に加えるよ‼︎そして手札から捨てられたトリックスターマンドレイクの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度手札から墓地へ送られた場合、このカードを守備表示で特殊召喚するよ‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外されるよ」

 

 

〈トリックスターマンドレイク〉☆2 天使族 光属性

DEF1000

 

 

リリーベルに寄り添うように、ハート型のタンバリンを持った妖精が現れる。

 

遊陽ちゃんのバトルゾーンが埋まったけど、全然動きが止まる予感がしないや。

 

そんな私の予感を肯定するかのように、遊陽ちゃんが正面に手をかざす。

 

「また行くよ‼︎輝いて‼︎希望を照らすサーキット‼︎」

 

「………だよね」

 

「召喚条件はトリックスターモンスター2体‼︎遊陽はトリックスターリリーベルとトリックスターマンドレイクをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎トリックスタースイートデビル‼︎」

 

 

〈トリックスタースイートデビル〉LINK2 天使族 光属性

ATK2000 ←→

 

 

サーキットから現れたのは悪魔のような衣装を着た妖精のモンスター。

 

これでまた遊陽ちゃんのバトルゾーンに空きができる。

 

「このカードは、自分の手札・フィールド上・墓地に存在する代行者と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、手札から特殊召喚する事ができる‼︎墓地の創造の代行者ヴィーナスを除外して、おいで、マスターヒュペリオン‼︎」

 

 

〈マスターヒュペリオン〉☆8 天使族 光属性

ATK2700

 

 

フィールドに現れたのは太陽のような輝きを放つ天使。

 

遊陽ちゃんのフィールドにレベル8のモンスターが3体。

 

これってまさか………

 

「遊陽はレベル8、堕天使スペルビア、堕天使アスモディウス、マスターヒュペリオンでオーバーレイ‼︎ 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

「‼︎やっぱりエクシーズ召喚‼︎しかも、ランク8の大型エクシーズモンスター‼︎」

 

スペルビア、アスモディウス、ヒュペリオンが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとフィールドに現れたのは背中に沢山の棒を背負い、野球のバットを持った戦士。

 

「教え導く熱血教師‼︎ランク8‼︎熱血指導王ジャイアントトレーナー‼︎」

 

 

〈熱血指導王ジャイアントトレーナー〉★8 戦士族 炎属性

ATK2800

 

 

「攻撃力は下がってる………というか、天使族以外もいるんだね」

 

ダメージがないから目眩しのように何度も降り注ぐだけになっていたアテナの雷がこないことに少し感動を覚える。

 

だけど、レベル8モンスターを3体使ってでてきたんだから厄介な効果を持っているハズだ。

 

「熱血指導王ジャイアントトレーナーの効果発動‼︎熱血指導‼︎このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキからカードを1枚ドローし、お互いに確認。確認したカードがモンスターだった場合、さらに相手ライフに800ポイントのダメージを与えるよ‼︎熱血指導王ジャイアントレーナーの効果は1ターンに 3度まで使用できるけど、代わりにこの効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えないよ」

 

「うっ、ダメージは受けないけど、まだ手札が増えるの?バトルフェイズが行えないのも先攻だから関係ないし………」

 

「それじゃあ熱血指導王ジャイアントレーナーの効果でカードを1枚ドロー‼︎ドローしたカードはオネスト。モンスターカードだから800ポイントのダメージを与えるよ‼︎」

 

ジャイアントトレーナーのバットから何故か雷が放たれて、私の身体を襲う。

 

うぅ、結局雷に襲われることには変わりはないんだね、ダメージはないけど。

 

「続けて熱血指導王ジャイアントレーナーの効果発動‼︎カードを1枚ドロー‼︎ドローしたのは魔法カード、堕天使の戒壇。さらに最後のオーバーレイユニットを使って熱血指導王ジャイアントレーナーの効果発動‼︎カードを1枚ドロー‼︎ドローしたのは、トリックスターナルキッス‼︎モンスターカードだから800ポイントのダメージを与えるよ‼︎」

 

「うぅ………目がチカチカしてきたよ………」

 

ダメージは受けないけど、このドローで遊陽ちゃんの手札は6枚になった。

 

………バトルゾーンも整ってるのに、何で最初より増えてるの?

 

「まだまだ終わらないよ‼︎」

 

「もうそろそろ終わって‼︎」

 

「魔法カード、堕天使の戒壇‼︎同名カードは1ターンに1度、自分の墓地の堕天使モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する‼︎蘇って、堕天使スペルビア‼︎」

 

 

〈堕天使スペルビア〉☆8 天使族 闇属性

DEF2400

 

 

私の心からの叫びも虚しく、再び現れるスペルビア。

 

うっ、またアテナの雷が降ってくるよ………

 

「そして堕天使スペルビアの効果発動‼︎もう1度お願い、トリックスターリリーベル‼︎」

 

 

〈トリックスターリリーベル〉☆2 天使族 光属性

DEF2000

 

 

「よし、輝いて‼︎希望を照らすサーキット‼︎」

 

遊陽ちゃんの目の前に4度目の巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は天使族モンスター2体以上‼︎遊陽は堕天使スペルビアとトリックスタースイートデビルを2体分として扱ってをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク3‼︎トリックスターフォクシーウィッチ‼︎」

 

 

〈トリックスターフォクシーウィッチ〉LINK3 天使族 光属性

ATK2200 ←↑→

 

 

サーキットから現れたのはピンクの衣装に身を包んだ魔法少女のような妖精のモンスター。

 

「そして、輝いて‼︎希望を照らすサーキット‼︎」

 

遊陽ちゃんの目の前にすぐさま5度目の巨大なサーキットが現れる。

 

遊陽ちゃんの反応からして、これは大型のリンクモンスターが来そうだね。

 

「召喚条件はトリックスターモンスター2体以上‼︎遊陽はトリックスターリリーベルとトリックスターフォクシーウィッチを3体分として扱ってをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

「リンク4モンスター………」

 

リリーベルがサーキットに吸い込まれ、後を追うようにフォクシーウィッチが3体に分身しながらサーキットに飛び込んでいく。

 

そしてサーキットが輝くと、現れたのは女王のような尊大な雰囲気を醸し出している妖精。

 

「リンク召喚‼︎妖精達のマドンナ‼︎リンク4、トリックスターベラマドンナ‼︎」

 

 

〈トリックスターベラマドンナ〉LINK4 天使族 光属性

ATK2800 ↙︎↓↑→

 

 

「トリックスターのリンク4モンスター………」

 

「トリックスターベラマドンナの永続効果、妖精の花道‼︎リンク召喚したこのカードのリンク先にモンスターが存在しない場合、このカードは他のカードが発動した効果を受けないよ‼︎」

 

「っ⁉︎完全耐性持ちの大型リンクモンスター⁉︎」

 

ベラマドンナは遊陽ちゃんから見て、フィールドの右端に召喚されている。

 

ベラマドンナのリンクマーカーは上、右、下、左斜め下だから、リンクマーカーの先にモンスターが現れることはない。

 

「最後のもう一押し‼︎魔法カード、死者蘇生‼︎」

 

「まだそんなカードが残ってたの⁉︎」

 

「自分または相手の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚するよ‼︎もう1度おいで、堕天使スペルビア‼︎」

 

 

〈堕天使スペルビア〉☆8 天使族 闇属性

ATK2900

 

 

このターン3度目のスペルビアの蘇生。

 

心無しスペルビアが疲れているように見えるのは気のせいかな?

 

「堕天使スペルビアの効果発動‼︎戻ってきて、マスターヒュペリオン‼︎」

 

 

〈マスターヒュペリオン〉☆8 天使族 光属性

ATK2700

 

 

再び現れるヒュペリオン。

 

遊陽ちゃんのフィールドに再び揃う2体のレベル8モンスター。

 

ということは………

 

「遊陽はレベル8、堕天使スペルビア、マスターヒュペリオンでオーバーレイ‼︎ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

スペルビアとヒュペリオンが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとフィールドに現れたのは白銀の鎧を纏った竜の騎士。

 

「高貴なる竜の騎士‼︎ランク8‼︎神竜騎士フェルグラント‼︎」

 

 

〈神竜騎士フェルグラント〉★8 戦士族 光属性

ATK2800

 

 

「神竜騎士フェルグラントは1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除き、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのターン、対象のモンスターは効果が無効になり、このカード以外の効果を受けなくなる効果を持ってるよ。そしてこの効果は相手ターンでも発動できる」

 

「効果無効と効果耐性を与えるモンスター………」

 

ただでさえ突破し辛い状況なのに、さらに強固なフィールドになった。

 

これが遊陽ちゃんの実力………師匠が認める闇先パイの教え子。

 

このターン、アテナの雷が降り注いだ回数は19回。

 

もし、クリフォトンが最初の手札になかったら。

 

もし、1回のダメージが少ないからとクリフォトンを使わなかったら、私はすでに負けていた。

 

この子は………きっと私の全力でも届かないぐらい強い。

 

だけど………

 

「遊陽はカードを1枚伏せてターンエンドだよ‼︎えへへ、遊花お姉ちゃんがどんなデュエルを見せてくれるか、楽しみだなぁ」

 

無邪気に笑う遊陽ちゃんに、私は気を引き締める。

 

それでも、遊陽ちゃんは私とのデュエルをこんなに楽しみにしてくれている。

 

だったら、今出せる私の全力で、遊陽ちゃんに応えてみせる‼︎

 

 

遊花 LP6000 手札4

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ☆

○ー○○☆

ーー△▲ー ー

 

遊陽 LP5500 手札3

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

「な、何よ………あれ………」

 

「相変わらず、ぶっ飛んだ強さだな、遊陽は」

 

遊陽のデュエルを見て、桜が茫然とした表情を浮かべる。

 

まあ、驚く気持ちも分かるけどな。

 

俺がいた時よりもデュエルのキレが上がってるし。

 

「今のターン、遊花がクリフォトンを持ってなかったら………」

 

「負けてたな。アテナによる600バーンが19回に熱血指導王ジャイアントトレーナーの800バーンが2回、計13000のバーンダメージによる先攻ワンショットキルだ」

 

「………そんなの洒落にならないわよ」

 

「分かっただろ?俺が8割負ける理由。俺のデッキはモンスターの戦闘を主にしてるからバーン系には弱い。仮に耐え切っても大型天使が残ってて戦闘で突破しようとすればオネストがくる可能性が高い。相性が悪すぎるんだよ」

 

俺のデッキにバーンを防げるようなカードはほとんど入っていない。

 

そのためある程度バーンでライフを削られてから大型モンスターで攻撃されればそれだけで簡単にライフは尽きる。

 

そのうえ俺のデュエルは高攻撃力のモンスター単騎で相手の切り札を突破し、そこから小型のモンスターで追撃を加えていくスタイルだ。

 

遊陽の大型モンスターを複数体用意するような戦い方とは相性が悪い。

 

「………私もあれだけバーンされるとどうしようもないわ。闇はどうするの?」

 

「昔の闇は氷結界を使ってたからな。氷結界にはロック系の効果で攻撃制限や魔法カードやモンスター効果を使用する時に手札コストを要求するモンスターがいる。そこで縛って固めたところで氷結界の三龍や影霊衣で突破してたな」

 

「じゃあ今は?」

 

「先攻取ってヴェルズオピオンを出せばある程度はどうにかなるだろう。あのカードはレベル5以上の特殊召喚を封じるからな。大型天使の展開を防げるのがデカいだろう」

 

「後攻なら?」

 

「展開されるだけなら闇はどうとでもできる。バーンは手札誘発を引けるかどうかだな。まあそんなの誰にでも言えることではあるが。闇もあれでプロだからな。その手の対策カードぐらいは用意してるさ」

 

俺の言葉に桜は納得したような表情を浮かべる。

 

まあ、対策があるからといって勝てるかはまた別の話だけどな。

 

それでも闇なら勝利を掴み取ってるだろうと思えるのは、それだけ付き合いが長いからだろう。

 

「それにしても、あの堕天使ってカードはなんなの?私、見たことないんだけど?」

 

何の気なしに、桜がそんな質問を投げかけてくる。

 

そんな桜の質問に、俺は思わず複雑な表情を浮かべてしまう。

 

「………ごめん、聞いちゃ不味い話だった?」

 

「いや、悪くはないんだけどな………こう、どう説明するかがな………」

 

思わず出してしまった表情に気付いたのか、桜は申し訳なさそうな表情で謝ってきた。

 

そんな桜に首を振って応えながら、俺は少しずつ話だす。

 

「んーまあ、結論から言ってしまえば、俺達にも分からない。俺も闇も、遊陽以外で堕天使を使ってる決闘者を見たことないからな」

 

「遊騎達でも知らないの?」

 

「ああ。元々あの堕天使は遊陽がこの教会に来た時から持っていたものなんだが………遊陽の境遇は闇に似ててな」

 

「………それって、記憶喪失の所を拾われたってこと?」

 

「‼︎何だ、知ってたのか」

 

桜の口から出た言葉に俺は驚く。

 

まぁ、闇も隠すようなことはしてないし、知っててもおかしくはないが。

 

「………まあね。前に大会の休憩時間に島さんから聞いたの」

 

「ああ、島さんからか。まぁ知ってるなら話は早いが、遊陽は別に記憶喪失って訳ではないな。最も、下手したらそれよりも質は悪いが」

 

「闇よりも?」

 

「ああ………遊陽はな、捨て子なんだよ。しかも、産まれてすぐの赤ん坊の頃に、この教会の前に捨てられていたらしい」

 

「えっ………?」

 

俺の言葉に桜の目が見開かれる。

 

そんな桜に構わず、俺は話を続ける。

 

「遊陽を最初に見つけたのは闇だ。9年前、俺達が中等部に入った頃、『Natural』でデュエルした帰り道、この教会の前にあのデッキと共に毛布に包まれて捨てられていた遊陽を発見したらしい。とりあえず院長を呼んで、遊陽を保護してセキュリティにも連絡して調べて貰ったんだが、遊陽の両親だと思われる人物の足取りはケルンから出たところで途切れてたらしくてな。結局は見つけられなかった」

 

「そんな………」

 

「そんなことがあって、遊陽はずっとこの教会で暮らしてるんだよ。境遇が似てるからか闇も遊陽のことは妹みたいに可愛がっててな。俺も暇があれば様子を見に来てたから、遊陽にとって俺と闇は兄や姉代わりになってるんだろう。だから、遊陽の堕天使達の出処は分からない。だけど、遊陽にとって堕天使達は家族との唯一の繋がりなのかもな。どんな理由があったかは分からないけど、デッキを用意して毛布に包んで見つかりやすい教会の前に遊陽をおいてたんだ、遊陽への愛情があったって、信じてやりたいよな」

 

「………」

 

俺の言葉に、桜は複雑そうな表情を浮かべながら遊陽を見る。

 

そんな桜を微笑ましく思いながら、俺も遊陽の方を見る。

 

遊陽は、本当に楽しそうに遊花とデュエルをしている。

 

………闇に聞いた話だと、もう教会にいる子供達ではほとんど遊陽の相手にはならないらしい。

 

遊陽と対等にデュエルができるのは空子と竜路の2人だけ。

 

その2人でも、遊陽が後攻ならばという条件付きだ。

 

だから最近、遊陽が先攻になった時点で諦める子供達も出てきて、遊陽は全力でデュエルができなかったらしい。

 

だからこそ、今回この教会に来ることを決めた時、闇と話して遊花を遊陽とデュエルさせてみようという話になった。

 

遊花も遊陽も、俺達と対等にデュエルができる決闘者だからお互いにいい刺激になるだろうし、防御特化の遊花なら、遊陽の全力も受けきることができると思ったのだ。

 

たった1ターン目の攻防で、あれだけ楽しそうにデュエルができているのだから、やはり2人をデュエルさせようと思ったのは間違いではなかっただろう。

 

「………まぁ、少し予想外のこともあったけどな………闇の奴、気付いてたのに言わなかったな?」

 

「遊騎?何か言った?」

 

「………いや、何でもない」

 

こちらを見て首を傾げる桜を誤魔化しながら改めて遊陽を見る。

 

………遊陽が、堕天使のカードを使用する時、カードから薄く闇が溢れているのが見えた。

 

最近、闇のヴェルズの力を直接見たからか、俺が手に入れて以来使わないようにしているあのカード達が原因なのか、俺にも少しだけ見えるようになったそれが、どういうことを意味しているのかはよく分かる。

 

闇が何も言わないということは大丈夫ということだとは思うが、やはり少しだけ落ち着かない。

 

………遊陽が使っている堕天使達は………間違いなく闇のカードだ。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

遊陽ちゃんの布陣は攻防共にかなり強固な布陣だ。

 

だけど、この手札なら突破するのもそう難しくはないハズ‼︎

 

「カードを1枚伏せて魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨てて同じ枚数ドローするよ‼︎私も遊陽ちゃんも3枚の手札を捨てて同じ枚数ドローだよ‼︎」

 

「あ、オネストが捨てられちゃった………」

 

「さらに手札から捨てられた魔轟神獣キャシーの効果発動‼︎このカードが手札から墓地へ捨てられた時、フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊します‼︎私が破壊するのは神竜騎士フェルグラント‼︎」

 

「‼︎させないよ‼︎神竜騎士フェルグラントの効果発動‼︎神竜の加護‼︎1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除き、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのターン、対象のモンスターは効果が無効になり、このカード以外の効果を受けなくなる‼︎この効果は相手ターンでも発動できるよ‼︎遊陽は神竜騎士フェルグラントを対象に効果を無効にしてこのカード以外の効果を受けなくするよ‼︎」

 

手札から捨てられた身体に金色の腕輪のようなものをつけた猫のモンスターが、緑色のボールのような悪魔を神竜騎士に向かって弾き飛ばすが、金色のオーラを纏った神竜騎士は身体に当たった悪魔を弾き、そのまま斬り伏せた。

 

神竜騎士は倒せなかったけど、これで無効化効果もなくなった。

 

これで思う存分動ける‼︎

 

「リバースカードオープン‼︎魔法カード、儀式の下準備‼︎デッキから儀式魔法カード1枚を選び、さらにその儀式魔法カードにカード名が記された儀式モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選んで、そのカード2枚を手札に加えるよ‼︎私が加えるのはイリュージョンの儀式とサクリファイス‼︎」

 

「‼︎遊花お姉ちゃん、儀式モンスターを使うんだ‼︎」

 

「私は儀式魔法、イリュージョンの儀式を発動‼︎自分の手札・フィールドから、レベルの合計が1以上になるようにモンスターをリリースし、手札からサクリファイスを儀式召喚するよ‼︎私は手札のサクリボーをリリースして儀式召喚を行う‼︎」

 

私の前に現れるのは金色の目の形をした壺が現れ、その中にクリボーに似た毛玉のモンスターが吸い込まれていく。

 

しばらくすると壺が割れ、中から妖しい邪眼を持つモンスターが現れた。

 

「儀式召喚‼︎相手を捕える妖しい邪眼‼︎サクリファイス‼︎」

 

 

〈サクリファイス〉☆1 魔法使い族 闇属性

ATK0

 

 

「これが遊花お姉ちゃんの儀式モンスター………ちょっと怖いなぁ」

 

「サクリボーの効果発動‼︎このカードがリリースされた場合に自分はデッキから1枚ドローするよ‼︎そしてサクリファイスの効果発動‼︎アブソープション‼︎1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象にそのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターの数値分アップし、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊できるよ‼︎対象は、天空神騎士ロードパーシアス‼︎吸い込んじゃって、サクリファイス‼︎」

 

「あっ‼︎天空神騎士ロードパーシアスが‼︎」

 

サクリファイスのお腹にある穴が開き、ロードパーシアスが吸い込まれる。

 

しばらくすると背中についている羽のような部分からロードパーシアスの姿が浮き上がった。

 

 

サクリファイス

ATK0→2600

 

 

「とりあえず1体、次はこう‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「‼︎今度はリンク召喚⁉︎」

 

私が正面に手をかざすと巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はトークン以外のレベル1モンスター1体‼︎私はサクリファイスをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎相手を捕える深淵の邪眼‼︎リンク1‼︎サクリファイスアニマ‼︎」

 

 

〈サクリファイスアニマ〉LINK1 魔法使い族 闇属性

ATK0 ↑

 

 

サクリファイスがサーキットに吸い込まれ、代わりにサーキットからジャイアントトレーナーの正面にサクリファイスに似た怪しげな邪眼を持つモンスターが現れる。

 

「またサクリファイス………ということは‼︎」

 

「サクリファイスアニマの効果発動‼︎コネクトアブソープション‼︎1ターンに1度このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象にその表側表示モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする‼︎対象は熱血指導王ジャイアントトレーナー‼︎吸い込んじゃって、サクリファイスアニマ‼︎」

 

アニマの目の上にある空間が開き、ジャイアントトレーナーを吸い込む。

 

しばらくするとアニマの背中についている羽のような部分からジャイアントトレーナーが持っていたバットが現れた。

 

 

サクリファイスアニマ

ATK0→2800

 

 

「ジャイアントトレーナーまで………」

 

「バトル‼︎サクリファイスアニマで神竜騎士フェルグラントを攻撃‼︎ダークイリュージョンスイング‼︎」

 

「迎え撃って、神竜騎士フェルグラント‼︎神竜剣‼︎」

 

アニマが羽根に現れたバットを射出して神竜騎士の身体を貫くが、それでも近づいてきた神竜騎士に斬られ、お互いに爆散する。

 

「ありがとう、サクリファイスアニマ。墓地に存在するエキストラケアトップスの効果発動‼︎このカードが墓地に存在し、EXモンスターゾーンのモンスターがメインモンスターゾーンのモンスターとの戦闘で破壊され墓地へ送られた時、このカードをその破壊されたEXモンスターゾーンのモンスターの持ち主のフィールドに守備表示で特殊召喚するよ‼︎」

 

「手札抹殺の時に落としてたんだね」

 

 

〈エキストラケアトップス〉☆1 戦士族 地属性

DEF100

 

 

爆散したアニマの代わりにダンボールで出来たトリケラトプスの着ぐるみを着たモンスターが現れる。

 

「メインフェイズ2、手札のドットスケーパーを捨てて魔法カード、魔法カード、ワンフォーワンを発動‼︎デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚するよ‼︎おいで、チューナーモンスター、ジェットシンクロン‼︎」

 

「チューナーモンスター⁉︎」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性

DEF0

 

 

フィールドに現れたのは小さなジェット機のような機械のモンスター。

 

「さらに墓地に送られたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが墓地に送られた場合に特殊召喚するよ‼︎」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性

DEF2100

 

 

ジェットシンクロンに寄り添うようにドットの身体を持つモンスターが現れる。

 

「チューナーモンスター………遊花お姉ちゃんはシンクロ召喚も使えるの?」

 

「うん、行くよ?私は‼︎レベル1、ドットスケーパーと、レベル1、エキストラケアトップスに、レベル1、チューナーモンスター、ジェットシンクロンをチューニング‼︎」

 

ジェットシンクロンが光の輪になり、ドットスケーパーとケアトップスが小さな星に変わり、光の道になる。

 

「悠久に響く祈りの歌が、争いを鎮める新風となる‼︎シンクロ召喚‼︎未来に羽ばたけ、霞鳥クラウソラス‼︎」

 

 

〈霞鳥クラウソラス〉☆3 鳥獣族 風属性

DEF2300

 

 

光の道が輝くと、その中から緑の翼で羽ばたく綺麗な鳥が現れた。

 

「ジェットシンクロンの効果発動‼︎このカードがシンクロ素材として墓地へ送られた場合、デッキからジャンクモンスター1体を手札に加える‼︎私はデッキからジャンクリボーを手札に加えるよ‼︎ジャンクリボーの効果、ジャンクバレットは自分にダメージを与える魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時、自分の手札・フィールドのこのカードを墓地へ送ってその発動を無効にして破壊することができるよ」

 

「‼︎アテナの効果は強制効果だから、天使族モンスターを出すとアテナが破壊されちゃう………」

 

「私はこのままターンエンド‼︎」

 

 

遊花 LP6000 手札2

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー □

○ーーー☆

ーー△▲ー ー

 

遊陽 LP5500 手札3

 

 

「遊花お姉ちゃん、凄い‼︎こんなにすぐに対策されちゃうなんて思わなかった‼︎遊陽も負けてられないね、遊陽のターン、ドロー‼︎まずはトリックスターベラマドンナの効果発動‼︎妖精の介錯‼︎このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合、自分の墓地のトリックスターモンスターの種類×200ポイントのダメージを相手に与えるよ‼︎」

 

「っ、ベラマドンナもバーン効果を持ってたんだね」

 

「遊陽の墓地にはトリックスターリリーベル、トリックスターナルキッス、トリックスタースイートデビル、トリックスターフォクシーウィッチの4種類のトリックスターがいるから800ポイントのダメージだよ‼︎」

 

ベラマドンナの周りに4つの光の玉が浮かびあがり、私の身体を貫くように放たれる。

 

 

遊花 LP6000→5200

 

 

「くっ‼︎」

 

「そして手札からこのカード以外の堕天使カード2枚を捨てることで、このカードを手札から特殊召喚する‼︎遊陽は手札の堕天使マリーと背徳の堕天使を捨てて堕天使マスティマを特殊召喚‼︎」

 

 

〈堕天使マスティマ〉☆7 天使族 闇属性

ATK2600

 

 

現れたのは獣のような顔を持つ白翼の天使。

 

「この瞬間、アテナの効果発動‼︎断罪の雷‼︎堕天使マスティマが特殊召喚されたから600ポイントのダメージを与えるよ‼︎」

 

「なら、ジャンクリボーの効果発動‼︎ジャンクバレット‼︎自分にダメージを与える魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時、自分の手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、その発動を無効にして破壊する‼︎」

 

ジャンクリボーが増殖しながら雷を放とうとするアテナに突撃し、自爆する。

 

これでアテナはーーー

 

「堕天使マスティマの効果発動‼︎1000ライフポイントを払い、自分の墓地の堕天使魔法・罠カード1枚を対象として、その魔法・罠カードの効果を適用し、その後墓地のそのカードをデッキに戻す‼︎この効果は相手ターンでも発動できるよ‼︎」

 

「っ⁉︎堕天使イシュタムと同じ効果⁉︎まさか、その効果って堕天使の共通効果なの⁉︎」

 

「遊陽はライフポイントを1000払って墓地の堕天使の戒壇を適用し、自分の墓地の堕天使モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する‼︎蘇って、堕天使スペルビア‼︎堕天使の戒壇をデッキに戻すよ‼︎」

 

 

遊陽 LP5500→4500

 

 

〈堕天使スペルビア〉☆8 天使族 闇属性

DEF2400

 

 

再びフィールドに現れるスペルビア。

 

それが意味するのは女神の帰還。

 

「そして堕天使スペルビアの効果発動‼再び姿を現せ、︎知恵を司る戦いの女神‼︎アテナ‼︎」

 

 

〈アテナ〉☆7 天使族 光属性

ATK2600

 

 

「っ、またアテナがフィールドに………」

 

「アテナのもう1つの効果発動‼︎身捧ぐ祈り‼︎堕天使スペルビアを墓地に送り、墓地から蘇って、オネスト‼︎」

 

 

〈オネスト〉☆4 天使族 光属性

ATK1100

 

 

スペルビアが消え、代わりに現れたのは白翼の天使。

 

「アテナの効果発動‼︎断罪の雷‼︎オネストが特殊召喚されたから600ポイントのダメージを与えるよ‼︎」

 

「うっ………」

 

 

遊花 LP5200→4600

 

 

私の身体をアテナの雷が貫く。

 

確かに天使が特殊召喚されればダメージは入るけど、なんでオネストを………

 

「オネストの効果発動‼︎自分メインフェイズにフィールドの表側表示のこのカードを持ち主の手札に戻すよ‼︎」

 

「えっ⁉︎そんな効果もあったの⁉︎」

 

「そして手札に戻ったオネストを召喚‼︎」

 

 

〈オネスト〉☆4 天使族 光属性

ATK1100

 

 

「アテナの効果発動‼︎断罪の雷‼︎オネストが召喚されたから600ポイントのダメージを与えるよ‼︎」

 

「くっ………」

 

 

遊花 LP4600→4000

 

 

私の身体が再びアテナの雷に貫かれる。

 

し、知らなかった………オネストって光属性のモンスターの攻撃力を上げるだけじゃないんだ………

 

「バトル‼︎堕天使マスティマで霞鳥クラウソラスを攻撃‼︎暴虐‼︎」

 

マスティマがクラウソラスにむけて拳を振り抜く。

 

しかし、その拳はクラウソラスを庇うように現れたサクリボーによって防がれた。

 

「墓地に存在するサクリボーの効果発動‼︎自分のモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外するよ‼︎」

 

「そんな効果が………なら、アテナで霞鳥クラウソラスを攻撃‼︎裁きの穿通‼︎」

 

「ゴメンね、霞鳥クラウソラス………」

 

アテナが三又の矛を投げると、三又の矛はクラウソラスの身体を貫通し、クラウソラスを粒子に変えた。

 

「墓地に存在するエキストラケアトップスの効果発動‼︎このカードが墓地に存在し、EXモンスターゾーンのモンスターがメインモンスターゾーンのモンスターとの戦闘で破壊され墓地へ送られた時、このカードをその破壊されたEXモンスターゾーンのモンスターの持ち主のフィールドに守備表示で特殊召喚する‼︎」

 

 

〈エキストラケアトップス〉☆1 戦士族 地属性

DEF100

 

 

「続けていくよ‼︎オネストでエキストラケアトップスを攻撃‼︎誠実な白翼‼︎」

 

オネストの白翼から、羽根が弾丸のように放たれ、ケアトップスの身体を貫いた。

 

「エキストラケアトップスの効果発動‼︎自身の効果で特殊召喚されたこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、自分はカードを1枚ドローする‼︎」

 

「攻撃を防ぐだけじゃなくてドローまで考えてたんだ。でも、これで遊花お姉ちゃんのフィールドはがら空きだよ‼︎トリックスターベラマドンナでダイレクトアタック‼︎妖精の紗幕‼︎」

 

「きゃあ‼︎」

 

 

遊花 LP4000→1200

 

 

ベラマドンナが手に持った鎌を振るうと光の斬撃が放たれて私のライフが大きく削られる。

 

これで私のライフは残り1200。

 

アテナの効果が2回発動するだけで尽きる。

 

だけどーーー

 

「メインフェイズ2ーーー」

 

「今だよ‼︎自分フィールドにカードが存在しない場合、手札から罠発動‼︎拮抗勝負‼︎」

 

「手札から罠⁉︎それって、遊騎お兄ちゃんも使ってた………」

 

「相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードの数より多い場合、自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる‼︎自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手はフィールドのカードを裏側表示で除外しなければならない‼︎私のフィールドには拮抗勝負1枚のみ。だから、遊陽ちゃんにも1枚になるようにフィールドのカードを除外して貰うよ‼︎」

 

「っ、遊陽はアテナを選んでそれ以外のカードを除外するよ‼︎そしてトリックスターベラマドンナはこのカードのリンク先にモンスターが存在しない場合に他のカードが発動した効果を受けないからフィールドに残る‼︎」

 

アテナとベラマドンナ以外のカードが粒子に変わり、消滅する。

 

その光景を見て、遊陽ちゃんは楽しそうに笑う。

 

「凄い凄い‼︎遊陽お姉ちゃん、凄く強い‼︎」

 

「あはは、それでも遊陽ちゃんには追い詰められてるけどね」

 

「遊陽、こんなに楽しいデュエルは久しぶりなの。遊陽が全力でデュエルをすると、いつもすぐにデュエルが終わっちゃうの。だから、遊陽の全力を受け止めてくれる遊花お姉ちゃんとのデュエル、凄く楽しい‼︎」

 

「………そうなんだ。じゃあ、遊陽ちゃんにもっと楽しんで貰えるように、私ももっと頑張らないとね」

 

遊陽ちゃんの言葉に、私は気合を入れ直す。

 

………きっと、遊陽ちゃんの言葉は真実なのだろう。

 

遊陽ちゃんは、それぐらいに強い。

 

遊陽ちゃん強さはこの教会で見た空子ちゃんや竜路君達とは比べ物にならない程異質なものだ。

 

まるで………闇先パイとデュエルしてるような気分になる。

 

でも、そんな遊陽ちゃんが私とのデュエルを楽しんでくれている。

 

ならば、最後までその期待に応えたい。

 

「私はこれでターンエンドだよ‼︎」

 

 

遊花 LP1200 手札1

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ー

○ーーー☆

ーーーーー ー

 

遊陽 LP4500 手札1

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

私はドローしたカードを見て少しだけ考える。

 

………少しだけ危ない橋を渡ることになる。

 

だけど、この状況を突破するならやってみるしかない。

 

「速攻魔法、サクリファイスフュージョン‼︎アイズサクリファイス融合モンスターカードの融合素材モンスターを自分の手札・フィールド・墓地から除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚するよ‼︎私が除外するのは、墓地のサクリファイスとドットスケーパー‼︎」

 

「今度は融合⁉︎凄い凄い‼︎」

 

「妖しい邪眼よ、電子の精霊よ‼︎今交わりて、全てを奪う力とならん‼︎融合召喚‼︎全てを見透かす叡智の邪眼‼︎ミレニアムアイズサクリファイス‼︎」

 

 

〈ミレニアムアイズサクリファイス〉☆1 魔法使い族 闇属性

ATK0

 

 

フィールドに現れた渦の中から出てきたのは金色の邪眼と身体を持つモンスター。

 

「今度は融合モンスターのサクリファイスなんだ」

 

「そして、除外されたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが除外された場合に特殊召喚するよ‼︎」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性

DEF2100

 

 

「ミレニアムアイズサクリファイスは1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、相手のフィールド・墓地の効果モンスター1体を対象としてその相手の効果モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値分アップし、このカードの効果で装備したモンスターと同名のモンスターは攻撃できず、その効果は無効化するよ‼︎」

 

「‼︎効果が発動したら吸収されちゃうのはちょっと嫌だなぁ」

 

「私はクリアクリボーを召喚‼︎」

 

 

〈クリアクリボー〉☆1 天使族 光属性

ATK300

 

 

現れたのは紫色の毛玉のようなモンスター。

 

「あ、可愛い。だけど、そのモンスターを出してどうするの?」

 

「この子自体は何もしないよ。でも、大事なのはクリアクリボーは天使族ってこと」

 

「あ‼︎」

 

「アテナの効果、断罪の雷はアテナがモンスターゾーンに存在する状態で、このカード以外の天使族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、相手に600ポイントのダメージを与える効果。天使族を召喚したのが私でも、その効果は発動するよね?」

 

「うっ、アテナの効果発動‼︎断罪の雷‼︎クリアクリボーが召喚されたから600ポイントのダメージを与えるよ‼︎」

 

「チェーンしてミレニアムアイズサクリファイスの効果発動‼︎ミレニアムアブソープション‼︎1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、相手のフィールド・墓地の効果モンスター1体を対象としてその相手の効果モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備するよ‼︎」

 

「うぅ、アテナが吸収されちゃう………」

 

「ううん、私が対象にするのは、遊陽ちゃんの墓地の堕天使アスモディウス‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

ミレニアムアイズのお腹にある穴から暴風のような吸い込みが起こり、墓地からアスモディウスが引きずり出され、身体を飲み込まれたアスモディウスはミレニアムアイズの金色の身体の上に漆黒の翼だけが現れる。

 

その隙にアテナが雷で私の身体を貫いた。

 

 

ミレニアムアイズサクリファイス

ATK0→3000

 

 

遊花 LP1200→600

 

 

「どうしてアテナを吸収しないの?」

 

「それじゃあトリックスターベラマドンナを倒せないからね。それに、別にアテナを吸収しないわけじゃないよ」

 

「えっ⁉︎」

 

「墓地のサクリファイスフュージョンの効果発動‼︎自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの効果モンスター1体を対象とし自分フィールドの、アイズサクリファイス融合モンスターまたはサクリファイス1体を選び、その効果による装備カード扱いとして対象の相手の効果モンスターを装備するよ‼︎対象はアテナ‼︎」

 

ミレニアムアイズは今度はアテナを吸収し、ミレニアムアイズの手元にアテナが持っていた巨大な盾と三又の矛が現れた。

 

 

ミレニアムアイズサクリファイス

ATK3000→5600

 

 

「アテナまで………このためにアテナは吸収しなかったんだね」

 

「その通り‼︎バトル‼︎ミレニアムアイズサクリファイスでトリックスターベラマドンナを攻撃‼︎マインドスキャンイリュージョン‼︎」

 

「迎え撃って、トリックスターベラマドンナ‼︎妖精の紗幕‼︎」

 

ベラマドンナが鎌を振い、光の斬撃をミレニアムアイズに放つが、ミレニアムアイズはアテナが持っていた巨大な盾で光の斬撃を防ぐ。

 

光の斬撃を防いだミレニアムアイズは手に持っていた三俣の矛をベラマドンナに投げつけ、さらにお腹の穴から闇の球体を放ち、ベラマドンナの身体を貫いた。

 

 

遊陽 LP4500→1700

 

 

「うっ、ベラマドンナが………」

 

「さらにクリアクリボーでダイレクトアタック‼︎クリアタック‼︎」

 

「きゃっ‼︎」

 

クリアクリボーが身体をびくびくと震わせながら、目を瞑り勢いよく遊陽ちゃんに突撃する。

 

………本当に臆病なんだね、君は。

 

 

遊陽 LP1700→1400

 

 

「一気にライフが削られちゃった。だけど、遊花お姉ちゃんのライフもあと少し。次のターンに私がモンスターを出してその子を攻撃したら終わっちゃうよ?」

 

遊陽ちゃんに指を刺され、クリアクリボーが涙を浮かべながら私の後ろに隠れる。

 

………私を盾にされても困るんだけど………まぁ、そこもちゃんと考えてるけどね。

 

「大丈夫。ちょっと勿体無いけど、ちゃんと方法は考えてるから。メインフェイズ2、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「えっ‼︎リンク召喚⁉︎」

 

私が正面に手をかざすと巨大なサーキットが現れる。

 

今、私のエクストラモンスターゾーンにはミレニアムアイズがいる。

 

正直、ミレニアムアイズは使いたくないけど、クリアクリボーを攻撃表示のままにしないためにはこれしかない。

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体。私はミレニアムアイズサクリファイスをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚‼︎希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

ミレニアムアイズがサーキットに吸い込まれ、代わりに元気一杯に飛び出してきたのは青い球体のモンスター。

 

今回も頼んだよ、リンクリボー。

 

「そして私はレベル1、クリアクリボーとドットスケーパーでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

「凄い‼︎遊花お姉ちゃん、エクシーズ召喚まで使えるんだ‼︎」

 

クリアクリボーとドットスケーパーが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこには白い馬に乗る小さな首無しの騎士がいた。

 

「闇夜に紛れし哀しき妖精‼︎その刃で疑惑を切り裂け‼︎ランク1‼︎ゴーストリックデュラハン‼︎」

 

 

〈ゴーストリックデュラハン〉★1 悪魔族 闇属性

DEF0

 

 

「まだだよ‼︎私はゴーストリックデュラハン1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクアップエクシーズチェンジ‼︎」

 

「ランクアップ?」

 

デュラハンが再び空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると空から舞い降りたのは黒いドレスを身に纏い、白い羽根にところどころ漆黒の羽根が混ざる女の子のモンスター。

 

「闇夜を彷徨う自由な天使‼︎その気ままさで憂鬱を払え‼︎ランク4‼︎ゴーストリックの駄天使‼︎」

 

 

〈ゴーストリックの駄天使〉★4 天使族 闇属性

DEF2500

 

 

駄天使が私の周りをひらひらと飛びながらいつものようにドヤ顔で空を指差して決めポーズをとる。

 

………うーん、遊陽ちゃんの堕天使を見てからだと余計にそう思うけど、やっぱり貴女は駄目な方の駄天使だよね。

 

そんな私の内心を読んだのか、駄天使が心外だというように、ぷんぷんと怒ってみせた。

 

ごめんごめん、ちゃんと頼りにしてるから、そんなに怒らないで?

 

「ゴーストリックの駄天使は同名以外のゴーストリックモンスターに重ねてエクシーズ召喚を行うことができるの」

 

「へぇ〜そんなエクシーズ召喚もあるんだ」

 

「そしてゴーストリックの駄天使の効果発動‼︎チャームコール‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除くことでデッキからゴーストリック魔法・罠を手札に加えるよ‼︎私が手札に加えるのはゴーストリックロールシフト‼︎」

 

堕天使が私に向けて小さなハートを飛ばすとそれがカードになって私の手札に加わる。

 

といっても、現状使えるわけじゃないから次のターンを耐え切れたらだね。

 

「私はこのままターンエンド‼︎」

 

 

遊花 LP600 手札1

 

ーーーーー ー

ーーー□ー

ー ☆

ーーーーー

ーーーーー ー

 

遊陽 LP1400 手札1

 

 

「やっぱり、遊花お姉ちゃんは凄く強い‼︎だから、遊陽ももっともっと全力を出すよ‼︎」

 

「………あはは、まだ全力を出せるんだ」

 

そういってニコニコと笑う遊陽ちゃんに、私は思わず苦笑してしまう。

 

………遊陽ちゃんの攻勢で私の防御手段も流石に尽きた。

 

遊陽ちゃんがバーン系のカードをドローしたらそれだけで私の負け。

 

遊陽ちゃんがどんなカードをドローするかで、全てが決まる。

 

「遊陽のターン、ドロー‼︎魔法カード、貪欲な壺‼︎」

 

「っ、ここでドローカード………」

 

「墓地に存在する失落の堕天使、天空神騎士ロードパーシアス、熱血指導王ジャイアントトレーナー、神竜騎士フェルグラント、トリックスターベラマドンナをEXデッキに戻してカードを2枚ドロー‼︎………あれ?」

 

勢いよくドローしたカードを見て、遊陽ちゃんが目を丸くする。

 

?一体何をドローしたんだろう?

 

「拾ってから今までどうやってもドローできなかったのに………えっ?遊花お姉ちゃんに会いに来たの?」

 

「遊陽ちゃん?」

 

「………そっか。うん、そうなんだね。分かった。会わせてあげるね、遊花お姉ちゃんに‼︎」

 

遊陽ちゃんは何かを呟くと、私の方を見て今ドローしたカードの内、1枚のカードを私に向ける。

 

その瞬間、遊陽ちゃんが持っていたカードが一瞬鈍い闇色に光った気がした。

 

「行くよ、遊花お姉ちゃん‼︎このモンスターは自分の墓地にモンスターが10体以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる‼︎」

 

「っ、聞いたことがない特殊召喚条件?」

 

遊陽ちゃんの告げた召喚条件に、私は戸惑いの声をあげる。

 

………何でだろう?

 

聞いたことがないハズなのに、私はこれから出てくるモンスターをよく知っている気がする( ・・・・・・・・・・・)

 

妙な感覚に戸惑っていると、そのモンスターがフィールドに現れる。

 

現れたのは機械の身体を持つ巨大な天使にして、時を司る究極の神。

 

「さあ、おいで‼︎究極時械神セフィロン‼︎」

 

 

〈究極時械神セフィロン〉☆10 天使族 光属性

ATK4000

 

 

「究極時械神………セフィロン」

 

その名前を呟くと、チクりと胸を刺すような痛みが走った。

 

セフィロンも、まるで見定めているような目で私を見ている。

 

この妙な感覚、前にもどこかで………

 

「行くよ、遊花お姉ちゃん‼︎究極時械神セフィロンの効果発動‼︎」

 

「っ‼︎」

 

「1ターンに1度、レベル8以上の天使族モンスター1体を自分の手札・墓地から特殊召喚する事ができる‼︎この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、攻撃力は4000になる‼︎蘇って、堕天使イシュタム‼︎」

 

 

〈堕天使イシュタム〉☆10 天使族 闇属性

ATK2500→4000

 

 

セフィロンの力で、イシュタムが強化されてフィールドに現れる。

 

本当に、敵に回すと厄介な効果だね( ・・・・・・・・・・・・)………

 

「遊陽は堕天使ユコバックを召喚‼︎」

 

 

〈堕天使ユコバック〉☆3 天使族 闇属性

ATK700

 

 

フィールドに現れたのは身体に鎖をつけた小型の天使。

 

「堕天使ユコバックの効果発動‼︎このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから堕天使カード1枚を墓地へ送るよ‼︎遊陽はデッキから堕天使の戒壇を墓地に送るよ‼︎」

 

ユコバックの効果で堕天使の戒壇が墓地に落ちる。

 

これで堕天使モンスターの共通効果を使われるだけでスペルビアとアテナが蘇る。

 

そうなれば、確実に私はやられる。

 

最も、もしかしたらこのターンで決着がついてしまうかも知れないけど。

 

「バトル‼︎堕天使ユコバックでリンクリボーを攻撃‼︎暴食‼︎」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、リンクリボーの効果発動‼︎ゼロリンク‼︎このカードをリリースし、その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる‼︎」

 

リンクリボーの身体が粒子に変わってユコバックに纏わりつき、その力を奪う。

 

 

堕天使ユコバック

ATK700→0

 

 

「モンスターがいなくなったから攻撃は中止するよ‼︎続けて、堕天使イシュタムでゴーストリックの駄天使を攻撃‼︎自裁の闇‼︎」

 

イシュタムの身体から闇が溢れ出し、駄天使の身体を包み込む。

 

驚いた駄天使はいつものようにひび割れているハートを作り出し、そのハートからビームを放つが、闇に触れたビームは跳ね返され、駄天使自身の身体を貫いた。

 

「っ、ゴーストリックの駄天使………」

 

「これで終わりかな?究極時械神セフィロンでダイレクトアタック‼︎」

 

セフィロンの両手に光が集まっていく。

 

この攻撃を受けたら私の負け………だけど、まだ終わってない‼︎

 

「相手モンスターの直接攻撃宣言時、墓地のクリアクリボーの効果発動‼︎自分はデッキから1枚ドローし、そのドローしたカードがモンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚してその後、攻撃対象をそのモンスターに移し替えるよ‼︎」

 

「‼︎さっきのモンスターにそんな効果が………」

 

お願い、私のデッキ………遊陽ちゃんとの楽しいデュエルを………セフィロンとの再開( ・・)を、まだ終わらせたくないの‼︎

 

だからお願い、私に力を貸して‼︎

 

そんな風に願いながら、私は勢いよくカードをドローする。

 

そこにいたのはーーー

 

「………ありがとう、相棒。まだ、終わらないよ‼︎」

 

「‼︎」

 

「いつだって、私と共に‼︎ハネクリボー‼︎」

 

〈ハネクリボー〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

現れるのは天使の羽を持つ私の相棒。

 

ハネクリボーは私を庇うように両手を広げる。

 

「っ、攻撃対象が変更になったから、究極時械神セフィロンでハネクリボーを攻撃‼︎」

 

セフィロンが両手に集めた光をレーザーのようにハネクリボーに放ち、ハネクリボーが粒子になる。

 

粒子になる瞬間、ハネクリボーは私を見て笑った気がした。

 

そして粒子となったハネクリボーが私を包むように漂い始める。

 

「ハネクリボーの効果発動‼︎プリフィケーション‼︎このカードがフィールドから墓地に送られたターン、自分の受ける戦闘ダメージは0になる‼︎」

 

「これ以上攻撃する手段はなかったけど、あっても無理だったね。メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンドだよ‼︎エンド時に堕天使ユコバックの攻撃力は元に戻るね」

 

 

堕天使ユコバック

ATK0→700

 

 

遊花 LP600 手札1

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ー

ー○○○ー

ーー▲ーー ー

 

遊陽 LP1400 手札0

 

 

私の手札はゴーストリックロールシフトのみ。

 

遊陽ちゃんのフィールドには攻撃力700のユコバックがいるけど、遊陽ちゃんが守る手段もなくユコバックを出したとは思えないから多分、あの伏せカードはユコバックを守るかフィールドから退けるカードなのだろう。

 

今の私の状況じゃ、どうやっても勝てない。

 

だけど………

 

私はチラリと遊陽ちゃんの顔を見る。

 

遊陽ちゃんの顔は、私がここからどんなことをしてくるのかを楽しみにしているような満面の笑みだった。

 

遊陽ちゃんは、私とのデュエルを本当に楽しんでくれている。

 

だからこそ、遊陽ちゃんの期待には応えてあげたい。

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

………まだ、望みはある。

 

「魔法カード、貪欲な壺‼︎」

 

「‼︎遊花お姉ちゃんも、ここでドローカードを引いたの⁉︎」

 

「墓地に存在するリンクリボー、サクリファイスアニマ、ゴーストリックデュラハン、ゴーストリックの堕天使をEXデッキに、ハネクリボーをデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローする‼︎」

 

ドローしたカードを見て、私は再び闘志を燃やす。

 

「………うん。まだ、何も終わってない‼︎」

 

「‼︎」

 

「行くよ、遊陽ちゃん‼︎魔法カード、シャッフルリボーン‼︎自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに除外される‼︎戻ってきて、霞鳥クラウソラス‼︎」

 

 

〈霞鳥クラウソラス〉☆3 鳥獣族 風属性

DEF2300

 

 

フィールドに再びクラウソラスが姿を現わす。

 

 

「私は金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性

ATK400

 

 

現れたのは霊体になっている猫のモンスター。

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚するよ‼︎戻ってきて、チューナーモンスター、魔轟神獣キャシー‼︎」

 

 

〈魔轟神獣キャシー〉☆1 獣族 光属性

DEF600

 

 

金華猫と戯れ合うようにキャシーが墓地から飛び出してくる。

 

「チューナーモンスター………ということは‼︎」

 

「私は‼︎レベル3、霞鳥クラウソラスに、レベル1、魔轟神と名のついたチューナーモンスター、魔轟神獣キャシーをチューニング‼︎」

 

キャシーが光の輪になり、クラウソラスが小さな星に変わり、光の道になる。

 

そして光の道が輝くと、その中から現れるのは黒い鎧を纏った白い身体の一角獣。

 

「混沌の門より出し神獣、その力はあらゆるものを戒める‼︎シンクロ召喚‼︎可能性を封じる獣‼︎魔轟神獣ユニコール‼︎」

 

 

〈魔轟神獣ユニコール〉☆4 獣族 光属性

ATK2300

 

 

「魔轟神獣ユニコール?」

 

「魔轟神獣ユニコールの永続効果、プリーセプトヴァイアビラティ‼︎このカードがフィールド上に表側表示で存在し、お互いの手札が同じ枚数である限り、相手が発動した魔法・罠・効果モンスターの効果は無効化され破壊される‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

「私の手札はさっきのターンに手札に加えたゴーストリックロールシフト。このカードを伏せれば私と遊陽ちゃんの手札は共に0。遊陽ちゃんの発動する効果は全て無効化されるよ」

 

「っ、なら、今使えばいいだけだよ‼︎堕天使ユコバックをリリースして、リバースカードオープン、神属の堕天使‼︎」

 

「………やっぱりユコバックを逃す方法があったんだね」

 

「このカードは手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、堕天使モンスター1体を墓地へ送って発動できて、フィールドの効果モンスター1体を選び、その効果をターン終了時まで無効にし、そのモンスターの攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復するよ‼︎遊陽は究極時械神セフィロンの効果を無効化して、その攻撃力分、4000のライフポイントを得るよ‼︎」

 

 

遊陽 LP1400→5400

 

 

「っ、ライフポイントが5400まで………」

 

「遊花お姉ちゃんの手札はさっき遊花お姉ちゃんが言ったようにゴーストリックロールシフトだけ。これで遊陽のライフポイントは削り切れないね」

 

「………ううん、まだだよ‼︎墓地に存在するシャッフルリボーンの効果発動‼︎自分フィールドのカード1枚を対象としそのカードを持ち主のデッキに戻してシャッフルし、その後自分はデッキから1枚ドローする。ただしこのターンのエンドフェイズに、自分の手札を1枚除外する‼︎私はフィールドの魔轟神獣ユニコールをEXデッキに戻し、カードを1枚ドローする‼︎」

 

私は深呼吸をすると、デッキの上のカードを握りしめる。

 

このドローで、デュエルの勝敗が決まる。

 

お願い、私のデッキ。

 

もう1度、私の思いに応えて‼︎

 

「すー………はー………ドロー‼︎」

 

勢いよくドローしたカードを、ゆっくりと自分の顔の前に持ってくる。

 

ドローしたカードを見て、私は満面の笑みを浮かべた。

 

「………ありがとう、私のデッキ。遊陽ちゃん、このデュエル。私の勝ちだよ‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

「手札を1枚捨てて、速攻魔法、超融合‼︎」

 

「超融合?」

 

私が発動したカードに、遊陽ちゃんは首を傾げる。

 

「このカードは手札を1枚捨てて発動でき、自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない‼︎私はフィールドの闇属性モンスター、金華猫と、遊陽ちゃんのフィールドの闇属性モンスター、堕天使イシュタムを融合‼︎」

 

「っ⁉︎遊陽のイシュタムを使って融合⁉︎」

 

「守護霊となりし猫よ、堕ちたる天使と交わりて、孤独を壊す力となれ‼︎」

 

フィールドに稲妻を纏った渦が現れ、その中に金華猫とイシュタムが吸い込まれる。

 

そして渦が弾けると、現れるのは全てを溶かす毒龍。

 

「融合召喚‼︎閉ざされた世界を溶かす毒龍‼︎スターヴヴェノムフュージョンドラゴン‼︎」

 

 

〈スターヴヴェノムフュージョンドラゴン〉☆8 ドラゴン族 闇属性

ATK2800

 

 

「ドラゴンの融合モンスター⁉︎」

 

「スターヴヴェノムフュージョンドラゴンの効果発動‼︎パワースワローヴェノム‼︎このカードが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選び、その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップする‼︎対象にするのは究極時械神セフィロン‼︎」

 

 

スターヴヴェノムフュージョンドラゴン

ATK2800→6800

 

 

スターヴヴェノムがセフィロンに毒の瘴気を放ち、その力を奪い取る。

 

「攻撃力………6800………」

 

「まだだよ‼︎スターヴヴェノムフュージョンドラゴンの効果発動‼︎スキルスワローヴェノム‼︎1ターンに1度、相手フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象としてターン終了時まで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る‼︎対象は究極時械神セフィロン‼︎」

 

「えっ?」

 

スターヴヴェノムが再びセフィロンに毒の瘴気を放ち、次は効果を奪い取る。

 

それを見て、遊陽ちゃんが不思議そうに首を傾げた。

 

「究極時械神セフィロンの効果を奪ってどうするの?」

 

「勿論、効果を使うんだよ。究極時械神セフィロンとなったスターヴヴェノムフュージョンドラゴンの効果発動‼︎リザレクションウィッシュ‼︎1ターンに1度、レベル8以上の天使族モンスター1体を自分の手札・墓地から特殊召喚する事ができる‼︎この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、攻撃力は4000になる‼︎」

 

「えっ⁉︎遊花お姉ちゃんのデッキってレベル1モンスターのデッキのハズなのに、レベル8以上の天使族モンスターなんてどこにも………」

 

私の言葉に、遊陽ちゃんが狼狽える。

 

そんな遊陽ちゃんに、私はにっこりと笑いながら、そのモンスターを呼んだ。

 

「いるんだよ、私のとっておきの相棒が‼︎いつまでも、私と共に羽ばたいて‼︎ハネクリボーLV9‼︎」

 

「ハネクリボーLV9⁉︎」

 

 

〈ハネクリボーLV9〉☆9 天使族 光属性

ATK?→4000

 

 

スターヴヴェノムの咆哮に導かれ、フィールドに現れたのは赤き鎧に身を包んだ天使の羽を持つ私の相棒。

 

ずっと墓地で待たせちゃってゴメンね、相棒。

 

そんな私の内心を呼んだのか気にしないでと言うように、相棒は身体を振る。

 

「そんなモンスターいつ………あ、最初の手札抹殺‼︎」

 

「行くよ、バトル‼︎スターヴヴェノムフュージョンドラゴンで究極時械神セフィロンを攻撃‼︎消失のヴェノムストリーム‼︎」

 

スターヴヴェノムが放つ毒のブレスがセフィロンを飲み込んでいく。

 

ブレスに飲み込まれて消える瞬間、セフィロンは私と遊陽ちゃんを見て微笑んだ気がした。

 

 

遊陽 LP5400→2600

 

 

「っ………セフィロン………」

 

「これで決まりだよ‼︎ハネクリボーLV9でダイレクトアタック‼︎」

 

相棒が右手を構えると、集まっていた光の粒子が止まり、赤き鎧が強く光輝く。

 

赤き鎧が光輝くと、相棒は空に向けて飛び立ち、空中で一回転すると勢いよく遊陽ちゃんに向かって突撃し、光輝くその右手を振り下ろす。

 

その右手が当たる瞬間、遊陽ちゃんは嬉しそうで………それでもやっぱり悔しそうな笑みを浮かべた。

 

「あーあ………負けちゃったなぁ」

 

「バーサーカークリティカルクラッシュ‼︎」

 

 

遊陽 LP2600→0

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「………そこまで、勝者、遊花」

 

「………ふぅ、何とか勝てた………」

 

立体映像が消え、私は一息吐く。

 

しかし、先程までの桜ちゃんとのデュエルとは違い、子供達の声はなく、完全に静まり返っている。

 

私がそのことに戸惑っていると、遊陽ちゃんが私に近付いてくる。

 

その顔に浮かんでいたのは………満面の笑みだった。

 

「凄い‼︎やっぱり遊花お姉ちゃんは凄いね‼︎デュエルに負けるなんて久しぶり‼︎」

 

「えっ?えっと、ありがとう?」

 

「ねぇねぇ、遊花お姉ちゃん。もう1回デュエルしよ?今度は遊陽が勝ってみせるから‼︎」

 

「えっ、えっと………」

 

遊陽ちゃんのあまりの勢いに押されていると、闇先パイが微笑ましいものを見るような目でこちらに近付いてきた。

 

「遊陽、そこまで。遊陽のチーム戦は終わったけど、遊花は次の子達とのデュエルもあるから」

 

「あ………ごめんなさい」

 

満面の笑みを一瞬で曇らせ、しょんぼりとした表情を浮かべる遊陽ちゃんに、私は思わず首を振って、遊陽ちゃんと目線が合うようにしゃがみ込む。

 

「ううん、気にしないでいいんだよ。それじゃあ、チーム戦が一通り終わったら、またデュエルしようか」

 

「本当⁉︎」

 

「うん、約束」

 

「えへへ、ありがとう、遊花お姉ちゃん」

 

そういって、遊陽ちゃんがぱあっと花が咲いたような笑顔を見せる。

 

うん、可愛い。

 

妹がいたらこんな感じなのかな?

 

「あ、そうだ‼︎遊花お姉ちゃん、このカードあげる‼︎」

 

そんなことを考えていたら、遊陽ちゃんがデッキから1枚のカードを取り出し、私の手におく。

 

「えっ⁉︎このカード………」

 

遊陽ちゃんから渡されたのは………究極時械神セフィロン。

 

デュエル中に遊陽ちゃんが使用し、私が妙な感覚を感じたモンスター。

 

私は慌てて究極時械神セフィロンを遊陽ちゃんの手に返す。

 

「だ、ダメだよ‼︎これは遊陽ちゃんのカードなんだから‼︎」

 

「でも、きっとセフィロンも遊花お姉ちゃんに使って欲しがってるよ?だって、デッキに入れてから今まで1度もドローしたことなかったのに、遊花お姉ちゃんとデュエルした時だけドローできたんだもん。きっと、遊花お姉ちゃんに会いたかったんだよ」

 

「で、でも、セフィロンを貰っちゃうと遊陽ちゃんのデッキが足りなくなるんじゃ………」

 

「心配いらないよ。セフィロンはたまたま拾ったカードだし、セフィロンを入れるからデッキから外したカードもあるもん」

 

そういって、遊陽ちゃんが心配はいらないと言うように笑顔を見せる。

 

私は、改めて究極時械神セフィロンのカードを見る。

 

………やっぱり、間違いない。

 

なんでか分からないけど、私はこの子と繋がっている( ・・・・・・)気がする。

 

この感覚には、覚えがある。

 

1つは相棒………ハネクリボー達から感じるもの。

 

もう1つは………絶望神アンチホープや、ダークネオスフィアから感じたものだ。

 

………この感覚が何なのかは分からないけど、それでも、この子から()を感じるなら………

 

「………分かった。大切に使わせて貰うね?」

 

「うん‼︎」

 

遊陽ちゃんから手渡された究極時械神セフィロンをしっかりと握りしめる。

 

いつか、この感覚が何なのか、分かる日がくるのかな?

 

そんなことを考えていると、突然子供達の歓声が聞こえてきた。

 

私が驚いて子供達の方を見ると、子供達はきらきらした目で私を見ていた。

 

「すげー‼︎遊陽に勝っちまった‼︎」

 

「あの姉ちゃんつぇー‼︎」

 

「私もお姉ちゃんとデュエルしてみたい‼︎」

 

「私もー‼︎」

 

「えっ?ええっ?」

 

「ふふ、遊陽とのデュエルを見て、遊花のことを気に入ったみたいだね」

 

私が戸惑っていると、闇先パイが嬉しそうに声をかけてくる。

 

「ありがとう、遊花。遊花なら、遊陽の全力をちゃんと受け止めてくれると思ってた。私だと、正面から叩き潰すことにしかならなくて、どうにもできなかったから。助かった」

 

「いえ、そんな、私なんて………」

 

「ん、遊花は自己評価が低いのが悪いところ。もっと誇っていい。これからも、遊陽に構ってあげて欲しい。遊陽は、私の妹みたいなものだから」

 

「闇先パイ………はい、勿論です‼︎」

 

優しい眼差しで遊陽ちゃんを見る闇先パイに、私はしっかりと頷き返す。

 

そんな私を見て、闇先パイは柔らかく笑った。

 

「ありがとう、遊花」

 

「あ………」

 

「?どうかした?」

 

その笑顔は本当に一瞬で、すぐにいつもの無表情に戻ってしまったけど………きっと、闇先パイの心からの笑顔だったと思う。

 

それが何だか嬉しくて、私は思わず笑顔を浮かべながら首を振った。

 

「いえ、何でもないです」

 

「そう?ならいい。それじゃあ次のチーム戦もはじめていい?」

 

「はい‼︎今日はとことんデュエルしちゃいますから‼︎」

 

そんなことをいいながら、再び子供達とのチーム戦がはじまる。

 

遊陽ちゃん達に出会え、闇先パイのことをちょっとだけ知ることができた。

 

私はそんな幸せを噛み締めながら、日が暮れるまで、子供達とデュエルを行うのでした。

 





今回も闇の実家での子供達とのチーム戦回。
大将戦は何とか遊花の勝利です。
危うく先攻ワンキルをくらうところでしたが、防御特化の本領発揮でしたね。
そんな遊花とデュエルしたのは天真爛漫な天使使いの遊陽。
デッキとしては堕天使とトリックスターを取り入れたアテナの天使バーンです。
冒頭に行ったように、アテナのバーンで一気にライフを削って先攻ワンキルだってできちゃいます、大体ヴィーナスが悪い。
そしてバーンで削りきれなくても並んだ大型モンスター達で攻めれるのでバーンができなくても普通に強いです。
そして遊花は新しく究極時械神セフィロンを手に入れました。
遊花のデッキでは今のところLV9ぐらいしか蘇生できませんが、そんなセフィロンがどう活躍していくかも楽しみにしていただけたらなと思います。

そして前回に書いたかと思ったら更新の際にミスって消えてたみたいなので少しだけ宣伝をば。
現在、この作品は前にもコラボしたyunnnさんの作品の「遊戸 里香の表裏生活」にて、他の作者さん達の作品と合わさった合同の長編大規模コラボ中です。
そしてこの作品からは遊騎、遊花、終夜の3人が現在、「遊戸 里香の表裏生活」出演させて貰ってます。
今回はリアルファイトもある世界に迷い込んでしまったようですが、ウチの子達って戦闘力皆無なんですよね。
できるとしても桜か闇ですが、その2人もいないのでどうなることやら。
yunnnさんの「遊戸 里香の表裏生活」、皆さんもぜひ見てみてください‼︎

それじゃあ今回はここまで。
皆さんは最新弾は買われたのでしょうか?
私はとりあえず2箱買い、ファイアーウォールXのホロとドミネイトのシクが手に入ったので大変満足しております。
ただ、気になる点が1つ。
手に入ったウルトラ枠を見ていたのですが、ファイアーウォールX、ラルバウール、マイニング、アストラム、アンブロエール………………あれ、ディンギルス兄さんは?
スーパー枠ですら全種類1枚ずつは揃っているのにディンギルスだけいないとかいう始末………兄さんが報われなさ過ぎて涙が出そうです。
最新弾のカードを使ったデュエルも早く書きたいな、なんて思いつつ今回はここでお開き。
次回からは二章に入りますので、またお付き合い頂けたらなと思います。
ではでは〜
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