今回は闇のデュエル回。
基本的に第3者視点、ところどころ遊花視点でお送りします。
それでは本編へどうぞ。
○
「冬城 闇………デュエル学の実技を担当することになりました………どうぞ、よろしくお願いします」
闇の言葉に体育館にいる生徒達が騒めき始める。
その騒めきに秘められている感情は様々だ。
驚愕、歓喜、疑念、疑惑。
そんな騒めきの中でも闇の表情は変わらない。
そしてそんな騒めきを搔き消すように校長である紫煙は言葉を紡ぐ。
「静粛に。君達から疑念の声が上がるのも当然だ。彼女はチームとしては世界ランキング2位、個人としても世界ランキング4位であり、毎日のように数々の大会で優勝している超一流のプロ決闘者。そんな多忙な彼女がこの学校の講師として働くということが信じられない、本物ではないのではないかと疑う気持ちも分かる」
生徒達の騒めきは最もだというように紫煙は頷く。
そしていかにも名案があるというように、その言葉を口に出す。
「だからこそ、ここは決闘者らしい方法で、彼女が本物であるということを証明したいと思う。これから30分後、デュエル場の中央フィールドにて私と闇君のエキシビションマッチを行う‼︎」
紫煙の言葉に会場は大きく騒めき始める。
デュエルアカデミア・ケルン校の校長を務めている紫煙は引退したとはいえプロ決闘者としてプロリーグで活躍していた決闘者だ。
現在はケルン校の校長という立場にいるため、そのデュエルが見られるという機会はそうそう訪れるものではない。
そして、そんな校長の対戦相手は眉唾物ではあるが現世界ランキング4位のプロ決闘者かも知れない人物なのだ。
滅多に見ることが出来ない引退した元プロ決闘者と、現世界ランキング4位のプロ決闘者かも知れない人物とのデュエル。
生徒達の期待が高まるのは当然だった。
「それでは、これにて始業式を終了する。生徒達は教員の誘導にしたがって速やかにデュエル場の中央フィールドに移動するように」
そんな紫煙の言葉で締めくくられ、波乱の始業式が終了する。
流行る気持ちを抑えられず、教員の誘導よりも早く中央フィールドに向けて駆け出す生徒が続出したどころか、誘導をそっちのけで駆け出す教員まで続出したのは、仕方がないことだろう。
ーーーーーーー
★
「何というか、大変なことになったわね………」
「そうだね………」
教員に誘導され、中央フィールドに移動した私と桜ちゃんは疲れたようにため息を吐く。
そんな私達を見て、中央フィールドに移動する際に合流した紅葉さんと天雷君が苦笑を浮かべる。
「その様子では、冬城プロはお二人に自身がデュエルアカデミアの講師を始めるということを話してはおられなかったようですね」
「まあ、冬城さんは忙しい人だから、伝えるのを忘れてたんじゃないかな?」
「分かってないわね、天雷………闇のことだから、間違いなく確信犯よ」
「絶対に私達を驚かせる為に黙ってたんです。間違いないです………」
「あ、あはは………そこまで断言できちゃうんだ」
疲れた表情でそう断言する私達を見て、天雷君は引き攣った笑みを浮かべる。
天雷君達は師匠と闇先パイが私の家に住んでいることは知らないから、闇先パイの性格から想定したんだろうと思ってるんだろうけど、そんなことはない。
何故なら、闇先パイは今朝出かける際に言った言葉は「仕事に言ってくる」という言葉だけで、デュエルアカデミアに来るなんて一言も言ってなかったのだ。
だからこそ、こうしてデュエルアカデミアに講師として来ることを黙っていたのは私達を驚かせたかったことに他ならない。
「それにしても闇さんと校長先生のデュエルとかどんなデュエルになるんだろうな?」
「闇さんの強さはこの前の大会で十分見せて貰ったけど、校長先生も現役時代は世界ランキングでも上位にいたと聞いてる。だからこそ、想像がつかないわ」
大地君が楽しそうに笑いながら、霊華さんは興味深そうにそんなことを言う。
私も、普段から闇先パイとデュエルをしているから闇先パイの強さはよく分かっているつもりだ。
だけど、プロ決闘者としてプロリーグで行なっている闇先パイのデュエルというのは、実は見たことがない。
だからこそーーー
『それでは、これよりデュエルアカデミア・ケルン校、武者小路 紫煙校長と特別講師、プロ決闘者、冬城 闇のエキシビションマッチを行う‼︎』
中央フィールドにデュエル開始のアナウンスが流れ、生徒達から歓声が上がる中、中央フィールドの中心で校長先生と闇先パイが向かい合う。
初めて見るプロ決闘者としての闇先パイの姿とこれから起こるであろう白熱したデュエルに、私は心を踊らせるのだった。
ーーーーーーー
○
『それでは、これよりデュエルアカデミア・ケルン校、武者小路 紫煙校長と特別講師、プロ決闘者、冬城 闇のエキシビションマッチを行う‼︎』
「むぅ………客寄せパンダになった気分………いつもの衣装よりはマシだけど………」
歓声が上がるデュエル場の中央で、講師らしくオーダーメイドの黒いスーツに身を包んだ闇が無表情ながらも少し困ったような雰囲気で口を開く。
そんな闇を見て、対戦相手である紫煙は面白そうに笑みを浮かべる。
「ははは、普段から大勢の観客の前でデュエルをしているプロ決闘者が今更何を言ってるんだい?プロ決闘者としての衣装でデュエルをしている時よりは視線も少ないだろうに」
「………抜けろ」
「何て恐ろしい呪詛を口にするんだい⁉︎」
闇の言葉に紫煙が思わず頭を抑え、それを見て闇がニヤリと笑う。
そんな闇の様子を見て、紫煙は思わずため息を吐く。
「全く………闇君は本当に相変わらずだね。プロ決闘者になってからも対戦相手に失礼なことばかり言うんじゃないかと気が気じゃなかったよ」
「誰の毛が無いって?」
「言ってるそばからこれだからね‼『気が気じゃない』って言ったんだよ‼︎」
「『薄毛もない』?」
「薄毛くらいはあるよ‼︎」
「えっ………………ご愁傷様です」
「ははは、それくらいにしないと叩き潰すぞ?」
輝く頭皮に青筋を浮かべながら笑っていない目で闇を見る紫煙に、闇は目を閉じると無表情ながらも真剣な雰囲気を感じさせる力強い目で紫煙を見返す。
「上等。やれるものならやってみるといい。私だっていつまでも小娘というわけじゃない」
「っ、驕れる者久しからずという言葉を知らないのかい?」
「威張り散らしてる者は遠からず没落する、でしょ?それなら問題なし。私は自分の力に自信があるだけ。それに久しくなる程時間も経ってない、まだまだ花盛り」
「口が減らないところは、本当に昔から変わらないね。ならばその言葉が本当かどうか試させて貰おうか‼︎」
その紫煙の言葉を皮切りに、両者はデュエルディスクを起動して構えると、戦いの始まりを告げる言葉を口にした。
『決闘‼︎』
闇 LP8000
紫煙 LP8000
ーーーーーーー
「先攻は私だね。早速いかせてもらおう。永続魔法、六武の門を発動するよ」
「むぅ………いきなり面倒なカードが出てきた」
思わず顔を顰める闇に紫煙は朗らかに笑う。
「ははは、闇君相手に手加減なんてすればすぐにやられてしまうからね。こちらだって全力でいくさ。六武の門は六武衆モンスターが召喚・特殊召喚される度にこのカードに武士道カウンターを2つ置き、自分フィールドの武士道カウンターを取り除いた数で違う効果を発動できる。2つでフィールドの六武衆効果モンスターまたは紫炎効果モンスター1体の攻撃力をターン終了時まで500ポイントアップし、4つで自分のデッキ・墓地から六武衆モンスター1体を選んで手札に加え、6つで自分の墓地の紫炎効果モンスター1体を特殊召喚できる」
「相変わらず厄介な効果………」
「さあ、戦を始めるとしよう。私は真六武衆-カゲキを召喚‼︎」
〈真六武衆-カゲキ〉☆3 戦士族 風属性
ATK200
六武の門
武士道カウンター0→2
紫煙の前に現れたのは背中につけた機械の腕で4本の刀を構えている侍。
現れたカゲキは大声で叫び仲間を呼ぶ。
「真六武衆-カゲキの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下の六武衆モンスター1体を特殊召喚する。来なさい、影六武衆-キザル‼︎」
〈影六武衆-キザル〉☆4 戦士族 地属性
ATK1900
六武の門
武士道カウンター2→4
カゲキの後ろに現れたのは刀を逆手に持った忍者。
「影六武衆-キザルの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、自分フィールドに存在する属性以外の六武衆モンスター1体をデッキから手札に加えるよ。私はデッキから水属性の影六武衆-ハツメを手札に加える。さらに真六武衆-カゲキは永続効果で自分フィールドに以外の六武衆モンスターが存在する場合、このカードの攻撃力は1500ポイントアップするよ」
真六武衆-カゲキ
ATK200→1700
「永続魔法、六武の門の効果発動‼︎このカードに置かれている武士道カウンターを4つ取り除き、デッキから真六武衆-キザンを手札に加えるよ」
六武の門
武士道カウンター4→0
「むぅ、モンスターは増えるのに手札がなかなか減らないのが六武衆のズルいとこ」
「ははは、それじゃあ行こうか。雄叫びを上げろ、開戦を告げるサーキット‼︎」
紫煙が正面に手を前に突き出すと、目の前に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は戦士族モンスター2体‼︎私は真六武衆-カゲキと影六武衆-キザルの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎聖騎士の追想 イゾルデ‼︎」
〈聖騎士の追想 イゾルデ〉LINK 2 戦士族 光属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
カゲキとキザルの2体がサーキットの中に消えると代わりに金髪と白髪の2人の女性が現れる。
「聖騎士の追想 イゾルデの効果発動‼︎リンク召喚に成功した時、デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。ただし、このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。私はデッキから大将軍 紫炎を手札に加える。さらに聖騎士の追想 イゾルデの効果発動‼︎デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送り、墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。私はデッキから妖刀竹光、団結の力、魔導師の力、やり過ぎた埋葬を墓地に送り、デッキから影六武衆-ドウジを特殊召喚‼︎」
〈影六武衆-ドウジ〉☆4 戦士族 闇属性
ATK1700
六武の門
武士道カウンター0→2
イゾルデに導かれ、フィールドに現れたのは銃を構えた忍者。
「墓地に送られた妖刀竹光の効果発動。デッキから妖刀竹光以外の竹光カードを手札に加える。私はデッキから黄金色の竹光を手札に加える。まだまだいくよ、自分フィールドに真六武衆-キザン以外の六武衆モンスターが存在する場合、真六武衆-キザンは手札から特殊召喚できる‼︎来なさい、真六武衆-キザン‼︎」
〈真六武衆-キザン〉☆4 戦士族 地属性
ATK1800
六武の門
武士道カウンター2→4
ドウジの側に黒い鎧を見に纏った侍が現れる。
「影六武衆-ドウジの効果発動‼︎このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分フィールドにこのカード以外の六武衆モンスターが召喚・特殊召喚された時、デッキから六武衆カード1枚を墓地へ送る。私はデッキから真六武衆-シナイを墓地に送る。さて、1度手札交換といこうか。魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローする‼︎私は4枚、闇君は5枚捨てて同じ枚数ドローだよ」
「相変わらず、動きに無駄が無い………」
「これでも元プロ決闘者だからね。さあ、良いものもドローすることができたし、ここからが本番だ。雄叫びを上げろ、開戦を告げるサーキット‼︎」
「またリンク召喚………」
紫煙が正面に手を前に突き出すと、目の前に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は六武衆モンスターを含む戦士族モンスター2体‼︎聖騎士の追想 イゾルデと真六武衆-キザンの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎軍を率いて出陣せよ‼︎リンク2‼︎六武衆の軍大将‼︎」
〈六武衆の軍大将〉LINK 2 戦士族 地属性
ATK1000 ↙︎ ↘︎
六武の門
武士道カウンター4→6
イゾルデとキザンがサーキットの中に姿を消すと、フィールドに背中に2本の刀を背負いながら、1本の大刀を持った侍が現れる。
「六武衆の軍大将の効果発動‼それにチェーンして影六武衆-ドウジの効果も発動するよ。影六武衆-ドウジの効果で私はデッキから真六武衆-エニシを墓地に送るよ。そして六武衆の軍大将の効果、このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨ててデッキから武士道カウンターを置く効果を持つカード1枚を手札に加えるよ。私は手札を1枚捨ててデッキから六武衆の結束を手札に加え、そのまま永続魔法、六武衆の結束を発動。このカードも六武衆モンスターが召喚・特殊召喚される度にこのカードに武士道カウンターを1つ、最大2つまで置き、武士道カウンターが置かれているこのカードを墓地へ送ることでこのカードに置かれていた武士道カウンターの数だけ、自分はデッキからドローすることができる」
「むっ、まだ手札を増やしてくるか………」
「まだまだ展開させて貰おう。魔法カード、ソウルチャージ‼︎自分の墓地のモンスターを任意の数だけ対象としてそのモンスターを特殊召喚し、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×1000ライフポイントを失う。ただし、同名カードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない」
「今は先攻1ターン目だからバトルフェイズも何もないでしょ………」
「私は墓地から真六武衆-カゲキ、真六武衆-シナイ、真六武衆-エニシを特殊召喚し、3000ポイントのライフを失うよ」
〈真六武衆-カゲキ〉☆3 戦士族 風属性
ATK200→1700
〈真六武衆-シナイ〉☆3 戦士族 水属性
ATK1500
〈真六武衆-エニシ〉☆4 戦士族 光属性
ATK1700
六武の門
武士道カウンター6→8
六武衆の結束
武士道カウンター0→1
六武衆の軍大将
武士道カウンター0→1
紫煙 LP8000→5000
紫煙のライフが削られる代わりに、紫煙を守るように3人の侍が現れる。
「六武衆の軍大将の永続効果でこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードのリンク先に六武衆モンスターが召喚・特殊召喚される度に、このカードに武士道カウンターを1つ置くよ。そしてまた六武衆モンスターが特殊召喚されたことで影六武衆-ドウジの効果で私はデッキから影六武衆-フウマを墓地に送るよ。そして再び永続魔法、六武の門の効果発動‼︎このカードに置かれている武士道カウンターを4つ取り除き、墓地から真六武衆-ミズホを手札に加えるよ」
六武の門
武士道カウンター8→4
「そして今手札に加えた真六武衆-ミズホは自分フィールドに真六武衆-シナイが表側表示で存在する場合、手札から特殊召喚する事ができる。来なさい、真六武衆-ミズホ‼︎」
〈真六武衆-ミズホ〉☆3 戦士族 炎属性
ATK1500
六武の門
武士道カウンター4→6
六武衆の結束
武士道カウンター1→2
六武衆の軍大将
武士道カウンター1→2
シナイに寄り添うように赤い鎧の女武者が現れる。
「そしてまた六武衆モンスターが特殊召喚されたことで影六武衆-ドウジの効果で私はデッキから六武衆の影武者を墓地に送るよ。さらに永続魔法、六武衆の結束の効果でこのカードを墓地へ送りデッキから2枚ドローするよ」
「むぅ………1ターン目だからって好き勝手動いて………」
「ははは、悪いねぇ。だけどこの手札なら闇君のターンは回ってこないかも知れないね」
「むっ?」
「魔法カード、ブーギートラップ。同名カードは1ターンに1枚しか発動できず、手札を2枚捨て、自分の墓地の罠カード1枚を対象としてこのカードは発動することができる。対象にした罠カードを自分フィールドにセットし、この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できるようになる。私は手札を2枚捨てて墓地から罠カード、忍の六武をセットするよ」
「‼︎そのカードは確か………」
「さあいくよ、罠発動、忍の六武‼︎このカードは自分フィールドに六武衆モンスターが6体存在し、その属性が全て異なる場合のみ発動することができるかなり発動が難しいカードだ。ただし、その分このカードは強力な効果を秘めている。その効果は次の相手ターンをスキップするのさ‼︎」
「………本当に容赦がない」
「私のフィールドには地属性の六武衆の軍大将、風属性の真六武衆-カゲキ、炎属性の真六武衆-ミズホ、水属性の真六武衆-シナイ、光属性の真六武衆-エニシ、そして闇属性の影六武衆-ドウジの6属性の六武衆モンスターが揃っている。これで闇君の次のターンはスキップだ‼︎」
紫煙が発動した忍の六武から鎖の立体映像が現れ、闇の身体とデュエルディスクを縛り、その光景を見て会場から響めきが起こる。
デュエルアカデミアケルン校、校長、元プロ決闘者、武者小路 紫煙。
その実力は実戦から遠ざかってなお健在であり、プロ決闘者を相手に一方的に追い詰めることができるということを生徒達は理解する。
それだけの実力を見せつけながらも、紫煙は表情を緩めない。
何故なら、これだけの戦術を見せてさえーーー闇の表情は一切変わらないのだから。
「ははは、これでも闇君の表情は変えられないか」
「驚いてはいる………というより、むしろやり過ぎとまで思う。私の実力を見させるつもりないでしょ?」
「そういうわりには動揺した素ぶりすら見せないじゃないか」
「当然………私は強いから」
闇の自信に満ち溢れたその言葉に、紫煙は面白そうに笑みを浮かべる。
自分の教え子であった少女が確かな自信を持って自分と相対している。
その事実が、年甲斐も無く紫煙を高ぶらせる。
「ははは、ならばその強さを存分に見せて貰おうじゃないか。そのためにも、一切の手加減はしないよ」
「元々してない癖に………御託はいいからデュエルを進める」
「そうさせて貰うよ。私はフィールドにいる風属性の真六武衆-カゲキ、炎属性の真六武衆-ミズホ、水属性の真六武衆-シナイの属性が異なる六武衆モンスター3体を墓地に送ることでこのカードをEXデッキから特殊召喚できる‼︎」
紫煙の言葉にカゲキ、ミズホ、シナイの3体が粒子に変わり、フィールドに残った六武衆達の影に溶けていく。
そして影から飛び出てくるのは光り輝く忍び装束を着た忍者。
「六武の影に生きる忍びの長‼︎影六武衆-リハン‼︎」
〈影六武衆-リハン〉☆5 戦士族 光属性
ATK2400
六武の門
武士道カウンター6→8
六武衆の軍大将
武士道カウンター2→3
「特殊な条件で出せる融合モンスター………忍者の癖に全然忍んでない」
「それは言わないお約束さ。六武衆モンスターが特殊召喚されたことで影六武衆-ドウジの効果で私はデッキから六武衆-ニサシを墓地に送るよ。さらにレベル4、六武衆モンスターの真六武衆-エニシと影六武衆-ドウジでオーバーレイ‼︎2体の六武衆モンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
「今度はエクシーズ召喚………」
エニシとドウジが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けるとそこにいたのは赤い鎧に身を包んだ仮面の侍。
「戦乱の世を治める魔王の影‼︎六武衆の影-紫炎‼︎」
〈六武衆の影-紫炎〉★4 戦士族 地属性
ATK2500
六武の門
武士道カウンター8→10
六武衆の軍大将
武士道カウンター3→4
「さて、十分動いたことだし、私はこれで1度ターンエンドとしよう」
闇 LP8000 手札5
ーーーーー ー
ーーーーー
☆ ー
○○ー○ー
ーー△ーー ー
紫煙 LP5000 手札1
「私のターン………忍の六武の効果でスキップされる」
「それにより再び私のターンだ、ドロー‼︎………ふむ、このカードか。ならば、永続魔法、六武の門の効果発動‼︎六武衆の軍大将に置かれている武士道カウンターを4つ取り除き、墓地から真六武衆-カゲキを手札に加えるよ」
六武衆の軍大将
武士道カウンター4→0
「墓地に存在するシャッフルリボーンの効果発動‼︎自分フィールドのカード1枚を対象としそのカードを持ち主のデッキに戻してシャッフルし、その後自分はデッキから1枚ドローする。ただしこのターンのエンドフェイズに、自分の手札を1枚除外する‼︎私はフィールドの六武衆の軍大将をEXデッキに戻し、カードを1枚ドローするよ」
「手札抹殺………いや六武衆の軍大将かブーギートラップの時かな」
「私は再び永続魔法、六武の門の効果発動‼︎このカードに置かれている武士道カウンターを4つ取り除き、墓地から影六武衆-ハツメを手札に加えるよ」
六武の門
武士道カウンター10→6
「私は真六武衆-カゲキを召喚‼︎」
〈真六武衆-カゲキ〉☆3 戦士族 風属性
ATK200→1700
六武の門
武士道カウンター6→8
「真六武衆-カゲキの効果発動‼︎来なさい、影六武衆-ハツメ‼︎」
〈影六武衆-ハツメ〉☆4 戦士族 水属性
ATK1600
六武の門
武士道カウンター8→10
カゲキの後ろに現れたのは苦無を持ち、桃色の着物に青いマフラーをつけたくノ一。
現れたハツメはさらに仲間を呼び寄せる。
「影六武衆-ハツメの効果発動‼︎自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、六武衆モンスター2体を除外し、影六武衆-ハツメ以外の自分の墓地の六武衆モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎私は墓地の六武衆-ニサシと真六武衆-エニシを除外して、チューナーモンスター、六武衆の影武者を特殊召喚‼︎」
〈六武衆の影武者〉☆2 戦士族 地属性
DEF1800
六武の門
武士道カウンター10→12
現れたのは甲冑を纏った緑色の服を着た侍。
その姿を見て、闇は一瞬面白そうに表情を緩めた。
「チューナーモンスター………それなら次は………」
「勿論、シンクロ召喚さ。私は‼︎レベル3、六武衆モンスター、真六武衆-カゲキに、レベル2、戦士族チューナー、六武衆の影武者をチューニング‼︎」
六武衆の影武者が光の輪になり、カゲキが小さな星に変わり、光の道になる。
そして光の道が輝くと、その中から現れるのは紫色のオーラを放つ赤い鎧を纏った侍。
「戦乱の世を治める為、夢幻の力を知らしめろ‼︎シンクロ召喚‼︎戦乱が生んだ冷徹なる魔王‼︎真六武衆-シエン‼︎」
〈真六武衆-シエン〉☆5 戦士族 闇属性
ATK2500
六武の門
武士道カウンター12→14
「真六武衆-シエン………校長の切り札か………」
「これだけではないよ。永続魔法、六武の門の効果発動‼︎六武の門に置かれている武士道カウンターを6つ取り除き、自分の墓地の紫炎効果モンスター1体を特殊召喚できる‼︎さあ蘇れ、戦乱の世を治め、人々に安寧をもたらす天下御免の大将軍‼︎大将軍 紫炎‼︎」
〈大将軍 紫炎〉☆7 戦士族 炎属性
ATK2500
六武の門
武士道カウンター14→8
現れたのは赤紫のオーラを放つシエンに似た赤い鎧を纏った侍。
「むっ、次は漢字の紫炎………」
「さて、これで仕上げとしようかな。永続魔法、六武の門の効果発動‼︎このカードに置かれている武士道カウンターを4つ取り除き、デッキから六武衆の師範を手札に加えるよ」
六武の門
武士道カウンター8→4
「そして自分フィールドに武衆モンスターが存在するとき、六武衆の師範は特殊召喚できる。来なさい、六武衆の師範‼︎」
〈六武衆の師範〉☆5 戦士族 地属性
ATK2100
六武の門
武士道カウンター4→6
紫煙のフィールドに眼帯をつけた白髪の老人が現れ、紫煙のモンスターゾーンが6体のモンスターにより再び埋まる。
これだけモンスターを展開してなお紫煙の手札は3枚も残っている。
げに恐ろしきは六武の門のサーチ効果と六武衆の展開能力。
そしてこの布陣の恐ろしいところは展開されているモンスターの数だけではない。
「闇君なら知っているね。真六武衆-シエンの効果、天下布武は1ターンに1度、相手が魔法・罠カードを発動した時にその発動を無効にし破壊する。そして大将軍 紫炎の効果、天下静謐はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手は1ターンに1度しか魔法・罠カードを発動できない」
「つまり、私は1ターンに1度しか魔法・罠は使えず、致命的な魔法・罠ならそれを無効にすることができるということ………」
「そして真六武衆-シエンと大将軍 紫炎はどちらもフィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分フィールドの六武衆モンスター1体を破壊できる。そうそう簡単には突破できないよ」
「………」
「最もそれが効果を発揮するのはこのターン闇君が生き残れればの話だけどね。六武衆の影-紫炎の効果発動‼︎偽・天下布武‼︎1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除き、自分フィールドの攻撃力2000未満の六武衆モンスター1体を対象としてそのモンスターの元々の攻撃力はターン終了時まで2000になる‼︎この効果は相手ターンでも発動できるよ。私はこの効果で影六武衆-ハツメの攻撃力を2000にするよ」
影六武衆-ハツメ
ATK1600→2000
六武衆の影-紫炎の鼓舞によりハツメの攻撃力が上がる。
これで総攻撃力は14100。
闇のライフポイントを完全に削りきることができる。
「さあ、闇君は耐えられるかな?バトル‼︎真六武衆-シエンでダイレクトアタック‼︎六天魔王斬‼︎」
シエンが刀を振るい、紫のオーラを纏った斬撃を闇に放つ。
放たれた斬撃に、闇は無表情のまま1枚のカードを掲げると、フィールドに鐘の音が鳴り響き、斬撃が霧散した。
〈バトルフェーダー〉☆1 悪魔族 闇属性
DEF0
「あまり私を舐めないで。バトルフェーダーの効果発動。相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了するわ。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される」
「おやおや、止められてしまったね。確かにモンスター効果は止められないが、闇君のデッキにモンスター効果の防御カードは少ないと思っていたんだがね」
そういいながらも特に驚いた様子も見せない紫煙に、闇は表情をほんの少しだけ緩ませて胸を張る。
「最近、防御特化の後輩が増えたから………教えてるだけじゃなくて、私だってその子から学んで変わってる。前にも話したハズ、私も少しは成長してる。いつまでも、学生気分の小娘じゃない」
「ははは、成る程ね。彼女が君の影響を受けているように、君も彼女の影響を受けているというわけだ。メインフェイズ2、私はカードを1枚伏せ、エンドフェイズに、シャッフルリボーンの効果で手札を1枚除外してターンエンドだ」
闇 LP8000 手札4
ーーーーー ー
ーー□ーー
○ ー
○○○○○
ーー△▲ー ー
紫煙 LP5000 手札1
「長かった………ようやく私のターン」
そう呟いて、闇は改めてフィールドを見る。
紫煙のフィールドにはシエン、紫炎、リハン、六武衆の影-紫炎と言った六武衆の切り札達が勢揃いしている。
そのうえ戦線を維持する蘇生効果を持つハツメ、相手による効果破壊時に墓地の六武衆を回収することができる六武衆の師範、そして何より六武衆を展開する限り次の六武衆をいくらでも手札に加え、紫炎を蘇生することができる六武の門がある。
この布陣の厄介なところはどれか単体を破壊したところで大したダメージにはならないところだ。
そして切り崩すことができなければ再び同じ布陣が展開され、そのまま連続攻撃を受けて敗北することになる。
「どうしたんだい?私の六武衆に怖気付きでもしたかな?」
「怖気付く?冗談、むしろその逆」
「逆だって?」
ドローもせずに考え込んでいた闇に紫煙が尋ねると、そのような答えが返ってきて紫煙は不思議そうな表情を浮かべる。
そんな紫煙に、闇は無表情を少しだけ崩し、楽しそうな笑みを浮かべた。
「校長が私に対して全力でデュエルをしてるのが伝わってくる。だからこそ………全力でデュエルをする校長を、私も遠慮なく倒しにいける」
「‼︎」
「心が躍るね………私のターン、ドロー。魔法カード、闇の誘惑。自分はデッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター1体を除外する。そして手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る」
「ドローカードか………いいだろう。闇の誘惑は無効にしない。その代わり、大将軍 紫炎の効果でこのターン、闇君はもう魔法・罠カードを発動できないよ」
「構わない。私はデッキから2枚ドローし、手札からヴェルズサンダーバードを除外する………ふふっ、なかなか運がいい。闇の誘惑でドローしたチューナーモンスター、彩宝龍の効果発動」
「むっ‼︎」
「彩宝龍の効果、このカードがデッキから手札に加わった場合、このカードを相手に見せて、このカードを特殊召喚する。おいで、彩宝龍」
〈彩宝龍〉☆5 海竜族 水属性
DEF2600
闇のフィールドに水晶のように透き通った輝きを放つ水竜が現れる。
それを確認してから闇は楽しそうに正面に手をかざす。
「私は、レベル1、バトルフェーダーに、レベル5、チューナーモンスター、彩宝龍をチューニング」
彩宝龍が光の輪になり、バトルフェーダーが小さな星に変わり、光の道になる。
光の道が輝くと、その中から現れるのは氷の身体を持った長い体躯の龍。
「闇に導かれた氷槍は、世界の全てを凍て付かせる。シンクロ召喚。希望を凍り付かせる氷竜。氷結界の龍ブリューナク」
〈氷結界の龍ブリューナク〉☆6 海竜族 水属性
ATK2300
「氷結界の龍ブリューナク………確かにこの状況ではかなり厄介なモンスターだね」
「氷結界の龍ブリューナクの効果発動、フリージングワールド。同名カードは1ターンに1度、手札を任意の枚数墓地へ捨て、捨てた数だけ相手フィールドのカードを対象としてそのカードを持ち主の手札に戻す。私は手札を2枚捨てて真六武衆-シエンと大将軍 紫炎を手札に戻す」
ブリューナクが翼を振るうと、猛烈な吹雪が吹き荒れはじめる。
「破壊ではないから確かに真六武衆-シエンと大将軍 紫炎じゃ防げない。だが、その効果を通すかどうかはまた別の話さ。ライフポイントを1500支払い、カウンター罠、神の通告‼︎」
「むっ」
紫煙 LP5000→3500
「ライフポイントを1500支払うことで2つの効果を発動することができる。モンスターの効果が発動した時にその発動を無効にし破壊するか、自分または相手がモンスターを特殊召喚する際にその特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する効果だ。当然、この状況ではモンスターの効果が発動した時にその発動を無効にし破壊する効果が発動し、氷結界の龍ブリューナクは破壊されるよ」
吹雪を放っていたブリューナクに天から雷が降り注ぎ、ブリューナクの身体を貫いて爆散させる。
「これで闇君はブリューナクだけではなく使える手札を2枚失った。そのうえ魔法・罠カードももう発動できない。残り2枚の手札でこの状況をどうにかできるのかい?」
「余裕。これで校長のセットカードは無くなった。後は全てを吹き飛ばすだけ。私はレスキューラビットを召喚」
〈レスキューラビット〉☆4 獣族 地属性
ATK300
闇の目の前にヘルメットを被ったうさぎのモンスターが現れる。
現れたレスキューラビットは空高く跳び上がってそのまま姿を消す。
「レスキューラビットの効果、フィールドのこのカードを除外して、デッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体を特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。私はヴェルズヘリオロープを2体特殊召喚」
〈ヴェルズヘリオロープ〉☆4 岩石族 闇属性
ATK1950
代わりに空中から落ちてきたのは2体の禍々しい闇を纏った岩石の戦士。
現れたヘリオロープを見て紫煙は興味深そうに目を細める。
「ほう、噂として聞いてはいたがしばらく見ない間に禍々しいモンスターを使うようになったね」
「私はレベル4のヴェルズヘリオロープ2体でオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚」
2体のヘリオロープが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると空からフィールドに降り立ったのは赤い複眼に黒い星座が描かれたマントのような羽根がつき、胸にヴェルズのマークが描かれた悪魔。
「闇より生まれ、闇を払いし星の王子、ランク4、励輝士ヴェルズビュート」
〈励輝士ヴェルズビュート〉★4 悪魔族 光属性
ATK1900
「また見たこともないモンスターだね。そのモンスターがこの状況を覆すのかい?」
「ん、励輝士 ヴェルズビュートの効果発動、エキシトンフラッシュ。自分メインフェイズまたは相手バトルフェイズに、相手の手札・フィールドのカードを合計した数が自分の手札・フィールドのカードを合計した数より多い場合、オーバーレイユニットを1つ取り除いて発動できる。このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する」
「っ⁉︎何だって⁉︎」
「ただしこの効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。私の手札とフィールドにあるカードは2枚、校長は8枚。私の方が少ないため、フィールドのカードは全て破壊させてもらう」
ヴェルズビュートが胸の前で拳を突き合わせると、ヴェルズビュートの腹部にある赤い宝石から光が放たれ、紫煙のフィールドに降り注ぐと、六武衆達が跡形も無く消え去った。
「確かに真六武衆-シエンと大将軍 紫炎はどちらもフィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分フィールドの六武衆モンスター1体を破壊できる。だけど、それはあくまでも永続効果による身代わり。同時に全てのモンスターを破壊してしまえば、身代わりはできない」
「くっ………まさかそんな強力なエクシーズモンスターがいるとはね………だが、破壊された六武衆の師範の効果発動‼︎このカードが相手の効果で破壊された場合、自分の墓地の六武衆モンスター1体を対象としてそのモンスターを手札に加える。私は墓地に存在する真六武衆-カゲキを手札に加える‼︎」
「これで一先ず逆転した。私はカードを1枚伏せてターンエンド」
闇 LP8000 手札0
ーー▲ーー ー
ーーーーー
ー ○
ーーーーー
ーーーーー ー
紫煙 LP3500 手札2
「まさかあのフィールドを全て吹き飛ばされるとはね。私のターン、ドロー‼︎私は真六武衆-カゲキを召喚‼︎」
〈真六武衆-カゲキ〉☆3 戦士族 風属性
ATK200
「真六武衆-カゲキの効果発動‼︎」
「それもいい加減通さない。チェーンしてリバースカードオープン。永続罠、エンペラーオーダー。モンスターが召喚に成功した時に発動するモンスターの効果が発動した時、その発動を無効にし、無効にされたプレイヤーは1枚ドローする。私は真六武衆-カゲキの効果を無効にして1枚ドローさせる」
「っ、そんなカードが伏せられていたのか………エンペラーオーダーの効果で1枚ドローするよ」
紫煙が苦虫を噛み潰したような表情でカードをドローする。
カゲキの効果でチューナーを呼び出し、ヴェルズビュートを破壊する予定だったが無効化されてしまっては、ヴェルズビュートを倒せないどころか攻撃力が200しかないカゲキをそのままにしなければならない。
そのうえエンペラーオーダーにより手札が増えたことで再びヴェルズビュートの効果が発動できるようになっている。
無理に動こうとしてもこのままでは再びヴェルズビュートにより全てを破壊されてしまうのだ。
「世界ランキング4位は伊達ではないね。私はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
闇 LP8000 手札0
ーー△ーー ー
ーーーーー
ー ○
ーー○ーー
ーー▲ーー ー
紫煙 LP3500 手札2
「私のターン、ドロー………バトル。励輝士ヴェルズビュートで真六武衆-カゲキを攻撃。ビュートクラッシュ」
ヴェルズビュートが腹部にある赤い宝石に左手をかざすと、ヴェルズビュートの左手に光り輝く白いサーベルが現れる。
サーベルを手にしたヴェルズビュートはカゲキに向かって跳び上がると、サーベルでカゲキの身体を貫き、深く押し込んでから引き抜いてカゲキに背を向ける。
サーベルで貫かれたカゲキはヴェルズビュートが背を向けると光に包まれ、爆散した。
紫煙 LP3500→1800
「ん、あと少し。メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンド」
闇 LP8000 手札0
ーー△▲ー ー
ーーーーー
ー ○
ーーーーー
ーー▲ーー ー
紫煙 LP1800 手札2
「ははは、まさかここまで追い詰められるとは………本当に、成長したね、闇君。学生時代の君からでは考えられないぐらいに」
「………言ったハズ、私も少しは成長してる」
本当に嬉しそうに笑う紫煙に闇は無表情ながらも警戒する。
紫煙はそんな闇に苦笑しながらも力強い目で闇を見据える。
「だけど、これでも私はデュエルアカデミアの校長だからね。そう簡単に負けるわけにはいかない」
「それぐらい分かってる。だからこそ、私も全力が出せる」
「そうかい。ならば、逆転させて貰うとしよう。私のターン、ドロー‼︎自身のライフポイントを100にし、リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎究極背水の陣‼︎」
「‼︎そのカードは………なら、チェーンしてリバースカードオープン。罠発動、ダメージダイエット。このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる」
紫煙 LP1800→100
「フリーチェーンの防御カードか。まあ構わないさ。究極背水の陣は自分のライフポイントを100になるように払って発動でき、自分の墓地の六武衆と名のついたモンスターを同名カードは1枚までで可能な限り特殊召喚する‼さあ、蘇りなさい、歴戦の勇士達よ‼︎影六武衆-キザル‼︎影六武衆-ハツメ‼︎六武衆の師範‼︎影六武衆-リハン‼︎真六武衆-シエン‼︎」
〈影六武衆-キザル〉☆4 戦士族 地属性
ATK1900
〈影六武衆-ハツメ〉☆4 戦士族 水属性
ATK1600
〈六武衆の師範〉☆5 戦士族 地属性
ATK2100
〈影六武衆-リハン〉☆5 戦士族 光属性
ATK2400
〈真六武衆-シエン〉☆5 戦士族 闇属性
ATK2500
紫煙のフィールドに、5体の六武衆が姿を現わす。
「影六武衆-キザルの効果発動‼︎」
「この状況なら普通のドローで魔法カードを引かれる方が怖い。その効果は無効化しない」
「ならば私はデッキから炎属性の影六武衆-ゲンバを手札に加える。雄叫びを上げろ、開戦を告げるサーキット‼︎」
紫煙が正面に手を前に突き出すと、目の前に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は六武衆モンスターを含む戦士族モンスター2体‼︎六武衆の師範と影六武衆-キザルの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎再び軍を率いて出陣せよ‼︎リンク2‼︎六武衆の軍大将‼︎」
〈六武衆の軍大将〉LINK 2 戦士族 地属性
ATK1000 ↙︎ ↘︎
「六武衆の軍大将の効果発動‼私は手札を1枚捨ててデッキから六武の門を手札に加え、再び発動‼︎」
「っ、厄介なものを………」
「まだまだここからさ。影六武衆-ハツメの効果発動‼︎墓地に存在する影六武衆-ドウジと六武衆の師範を除外し、蘇りなさい影六武衆-キザル‼︎」
〈影六武衆-キザル〉☆4 戦士族 地属性
ATK1900
六武の門
武士道カウンター0→2
六武衆の軍大将
武士道カウンター0→1
「再び影六武衆-キザルの効果発動‼︎今度は風属性の影六武衆-フウマを手札に加える。私は影六武衆-ゲンバを召喚‼︎」
〈影六武衆-ゲンバ〉☆2 戦士族 炎属性
ATK200
六武の門
武士道カウンター2→4
六武衆の軍大将
武士道カウンター1→2
現れたのは身体中に火薬の詰められた竹筒を付けた忍者。
「影六武衆-ゲンバの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、除外されている自分の六武衆モンスター1体をを手札に加える‼︎私は除外されている六武衆の師範を手札に加えるよ。そして私はフィールドにいる地属性の影六武衆-キザル、炎属性の影六武衆-ゲンバ、水属性の影六武衆-ハツメの属性が異なる六武衆モンスター3体を墓地に送り、忍者らしく分身の術といこうじゃないか。EXデッキより2体目の影六武衆-リハンを特殊召喚する‼︎」
〈影六武衆-リハン〉☆5 戦士族 光属性
ATK2400
六武の門
武士道カウンター4→6
六武衆の軍大将
武士道カウンター2→3
紫煙の言葉にキザル、ゲンバ、ハツメの3体が粒子に変わり、フィールドに2体目のリハンが現れる。
「さて、そろそろ厄介ものにはご退場いただこうかな。まずは永続魔法、六武の門の効果発動‼︎このカードに置かれている武士道カウンターを4つ取り除き、墓地から六武衆の真影を手札に加えるよ」
六武の門
武士道カウンター6→2
「影六武衆-リハンの効果発動‼︎光縛拳‼︎1ターンに1度、手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、六武衆カード1枚を除外し、フィールドのカード1枚を対象として除外する‼︎私は手札の影六武衆-フウマを除外して励輝士ヴェルズビュートを除外する‼︎」
リハンが印を結ぶと、リハンの掌に光の球体が現れ、リハンがヴェルズビュートに突撃して、光の球体をヴェルズビュートに押し当てると、ヴェルズビュートは光の球体に呑まれて消滅する。
「っ、ゴメンね、ヴェルズビュート………」
「さあ、まだまだいくよ。自分フィールドに武衆モンスターが存在するとき、六武衆の師範は特殊召喚できる。来なさい、六武衆の師範‼︎」
〈六武衆の師範〉☆5 戦士族 地属性
ATK2100
六武の門
武士道カウンター2→4
六武衆の軍大将
武士道カウンター3→4
「再び永続魔法、六武の門の効果発動‼︎このカードに置かれている武士道カウンターを4つ取り除き、墓地から真六武衆-キザンを手札に加えるよ」
六武の門
武士道カウンター4→0
「そして2体目の影六武衆-リハンの効果発動‼︎光縛拳‼︎手札の真六武衆-キザンを除外してエンペラーオーダーも除外する‼︎」
2体目のリハンによりエンペラーオーダーも消滅する。
これで闇のフィールドは完全にガラ空きになってしまった。
だが、まだ紫煙の攻撃は終わらない。
「速攻魔法、六武衆の影忍術‼︎自分フィールドのモンスター1体を墓地へ送り、除外されている自分の六武衆モンスター1体を特殊召喚する‼︎六武衆の師範を墓地に送り、現れなさいチューナーモンスター、影六武衆-フウマ‼︎」
〈影六武衆-フウマ〉☆1 戦士族 風属性
DEF1800
六武の門
武士道カウンター0→2
六武衆の軍大将
武士道カウンター4→5
六武衆の師範の姿が消え、代わりに現れたのは風魔手裏剣を持った忍者。
そしてフウマに寄り添うように周りに霊魂を漂わせた赤い鎧の侍が現れる。
〈六武衆の真影〉☆4 戦士族 闇属性
DEF2000
六武の門
武士道カウンター2→4
「自分が影六武衆モンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、手札から六武衆の真影は特殊召できる」
「チューナーとレベル4の六武衆………ということは………」
「私は‼︎レベル4、六武衆モンスター、六武衆の真影に、レベル1、戦士族チューナー、影六武衆-フウマをチューニング‼︎」
六武衆の真影が光の輪になり、フウマが小さな星に変わり、光の道になる。
そして光の道が輝くと、その中から現れるのは紫色のオーラを放つ赤い鎧を纏った2体目の侍。
「戦乱の世を治める為、夢幻の力を知らしめろ‼︎シンクロ召喚‼︎戦乱が生んだ冷徹なる2人目の魔王‼︎真六武衆-シエン‼︎」
〈真六武衆-シエン〉☆5 戦士族 闇属性
ATK2500
六武の門
武士道カウンター4→6
六武衆の軍大将
武士道カウンター5→6
「っ、2体目の真六武衆-シエン………」
「さて、これで仕上げだ。永続魔法、六武の門の効果発動‼︎六武の門に置かれている武士道カウンターを6つ取り除き、自分の墓地の紫炎効果モンスター1体を特殊召喚できる‼︎さあ再び蘇れ、戦乱の世を治め、人々に安寧をもたらす天下御免の大将軍‼︎大将軍 紫炎‼︎」
〈大将軍 紫炎〉☆7 戦士族 炎属性
ATK2500
六武の門
武士道カウンター6→0
「さて、これで一通り動き終わったね。六武衆の軍大将の永続効果、このカードの攻撃力は自分フィールドの武士道カウンターの数×100ポイントアップするよ」
六武衆の軍大将
ATK1000→1600
「それじゃあバトルだ。六武衆の軍大将でダイレクトアタック‼︎六連斬‼︎」
「っ………」
闇 LP8000→7200
六武衆の軍大将が大刀を振り回し、闇を6回連続で斬りつける。
「続けていくよ、1体目の影六武衆-リハンでダイレクトアタック‼︎忍烈光斬‼︎」
「うっ………」
闇 LP7200→6000
「さらに2体目の影六武衆-リハンでダイレクトアタック‼︎忍烈光斬‼︎」
「っ、まだまだ平気………」
闇 LP6000→4800
2体のリハンが光を纏った忍刀で闇の身体を斬り裂き、素早くその場を飛び退くと、2体のリハンの後ろから2体のシエンが紫のオーラを纏った斬撃を闇に放つ。
「まだまだ終わらないよ‼︎1体目の真六武衆-シエンでダイレクトアタック‼︎六天魔王斬‼︎」
「くっ………」
闇 LP4800→3550
「追撃だよ。2体目の真六武衆-シエンでダイレクトアタック‼︎六天魔王斬‼︎」
「くぅ………結構効くね………」
闇 LP3550→2300
「まだ最後の攻撃が残っているよ‼︎大将軍 紫炎でダイレクトアタック‼︎紫炎大斬刀‼︎」
「ぐっ………」
闇 LP2300→1050
紫炎が繰り出した紫色の炎を纏った斬撃により、闇のライフポイントが一気に削られ、闇が厳しい表情を浮かべる。
そんな闇を見て、紫煙は表情を緩めながらターンを進める。
「十分な戦果だね。さて、このままでは危ないかも知れないから保険をかけておこう。メインフェイズ2、魔法カード、一時休戦。お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローし、次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になるよ」
「っ、よりによってここでそれ………」
削られたライフポイントと紫煙との圧倒的なまでの戦力差、そして一時休戦によるダメージの無効化という状況に、闇は表情を硬くする。
紫煙のフィールドには六武衆の軍大将と2体のリハンとシエン、そして紫炎が存在する。
これにより魔法・罠は2回まで無効化されるうえに使用できてもターンに1回のみ。
おまけに耐えようとしてもリハンによりその術を除外されてしまう。
紫煙のライフポイントはたったの100だが、その100を削るのがあまりにも遠い。
「私はこのままターンエンドだ。さあ、追い詰めたよ。この状況を覆せるかな?」
闇 LP1050 手札1
ーーーーー ー
ーーーーー
☆ ー
○○○○○
ーー△ーー ー
紫煙 LP100 手札1
ーーーーーーー
★
「ちょっ、校長先生ってあんなに強かったの⁉︎」
「元プロ決闘者だということは存じておりましたが、まさか冬城プロが押される程とはお強いとは思いませんでしたね」
「うん。校長先生、凄く強い」
闇先パイと校長先生のデュエルを見て、みんなが口々にそう呟く。
校長先生のフィールドを闇先パイが完全に破壊したかと思えば校長先生はすぐにそれ以上のフィールドを整えて闇先パイを追い詰めてしまった。
これが元プロ決闘者だった校長先生の実力。
2人の息もつかさぬ接戦に、私は思わず圧倒されてしまった。
「この状況は流石に闇さんも厳しいか?」
「校長先生のフィールドには魔法・罠の使用に制限をかける大将軍 紫炎と、魔法・罠を無効にする真六武衆-シエンが2体いる。それに対して闇さんはフィールドにカードはなく手札も1枚。おまけに一時休戦の効果で次のターンが終わるまでダメージを与えることができない。これは流石に闇さんでも覆すのは厳しいと思う」
2人のデュエルを見て、大地君と霊華さんがそう言葉を漏らす。
そんな2人の言葉を、みんなが肯定するかのように口を噤む。
確かに、この状況はどう見ても闇先パイの方が不利だ。
校長先生の圧倒的なフィールドをドローを含めてのたった2枚の手札で攻略するのはかなり厳しいと思う。
だけど、それでもーーー
「ううん、闇先パイは勝つよ」
「遊花?」
私の言葉に桜ちゃんは困ったような表情を浮かべ、みんなもきょとんとした表情を浮かべる。
そんな桜ちゃん達に、私は笑顔を浮かべながら確かな自信を持って笑顔で口を開く。
「だって………闇先パイは、強いから」
私の言葉に、みんなが目を丸くして、思わず闇先パイの方を見る。
そこにはいつもの無表情を崩し、楽しそうに笑っている闇先パイの姿があった。
信じてますよ、闇先パイ。
ーーーーーーー
○
「私のターン………」
巡ってきた自分のターン。
しかし、一時休戦により紫煙にダメージを与えることはできないため、このターンでの闇の勝利はありえない。
手札、墓地、除外、デッキ、そしてフィールド。
使える全ての情報を頭に入れ、絶えず思考を続けながら、考えをまとめるために闇は深く深呼吸をする。
「すー………はー………ふふっ」
「?どうかしたのかい?」
「何でもない………少し、面白かっただけ」
深呼吸をしてから思わず漏れてしまったというような闇の笑みに紫煙は首を傾げる。
そんな紫煙の質問に答えながら、闇はどんな逆境に追い込まれても、決して諦めず深呼吸をしながら乗り越えていった、現在自分のデュエルを見ているであろう遊花のことを思い浮かべる。
初めて会った時、手札を奪い尽くされ、ドローも封じられ、それでもライフが尽きる最後の時まで諦めなかった、自分に出来た初めての後輩。
あの時の遊花に比べれば、この状況など全然逆境などではない。
そして、どんな逆境でも覆し、自らの思いを貫いてきた遊花と交わした約束が、闇にはある。
遊花が自分のいる場所まで辿り着くのをいつまでも待っているという約束。
そんな約束を交わした遊花の前で、そう易々と負けるわけにはいかない。
だからこそ、闇は不敵な笑みを浮かべながら口を開く。
「校長………」
「何だい?」
「このデュエル………私が勝つよ」
「ほう、この状況でも自身の勝利を疑わないというわけだね」
「無論………」
闇は1度目を閉じ、強い意志が込められた目でデッキの上のカードを引きながらその言葉を口に出す。
「私は、強いから………ドロー」
ドローしたカードを見て、闇は薄く笑った。
「さあ、全力で楽しもう………私はヴェルズケルキオンを召喚」
〈ヴェルズケルキオン〉☆4 魔法使い族 闇属性
ATK1600
現れたのは両手に杖を持った魔術師のようなモンスター。
「ヴェルズケルキオンの効果、自分の墓地のヴェルズモンスター1体を除外し、自分の墓地のヴェルズモンスター1体を対象としてそのモンスターを手札に加える。私は墓地のヴェルズヘリオロープ1体を除外して、ヴェルズオウィスプを手札に加える」
「手札抹殺で落ちていたカードだね………」
「さらにヴェルズケルキオンには墓地からモンスターを回収する効果を発動したターンのメインフェイズにヴェルズモンスターを1体召喚できる。私はヴェルズオウィスプを召喚」
〈ヴェルズオウィスプ〉☆4 炎族 闇属性
ATK450
フィールドに現れたのは青白い炎の姿をしたモンスター。
そのモンスターを見て紫煙は目を細める。
「これでレベル4モンスターが2体………エクシーズ召喚かい?」
「残念、ハズレ。バトル。ヴェルズオウィスプで大将軍 紫炎を攻撃。エロージョンウィルオウィスプ」
「‼︎特効してくるのかい?迎え撃ちなさい、紫炎大斬刀‼︎」
突撃してきたヴェルズオウィスプを紫炎は紫色の炎を纏った斬撃で斬り伏せる。
「一時休戦の効果で確かにダメージは入らないがこれに何の意味が………」
「デュエルはパズルみたいに全てが組み合わさってこそ意味を為す。意味のない行動なんてない。ヴェルズオウィスプの効果、このカードと戦闘を行った効果モンスターの効果をダメージ計算後に無効化する。そしてこの効果はヴェルズオウィスプがいなくなっても継続される」
「‼︎何だって⁉︎」
斬り伏せられたハズのヴェルズオウィスプが紫炎の身体に纏わりつき、その動きを封じ込める。
「これで魔法・罠の発動枚数制限は完全に無くなった。メインフェイズ2、墓地から罠カード、ブレイクスルースキルを除外して効果発動」
「っ、それも手札抹殺の時のカードか………」
「相手フィールドの効果モンスター1体を対象としてその相手の効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。私は真六武衆-シエン1体の効果を無効にする」
「これは無効にしても意味がないね………いいだろう、真六武衆-シエンの効果は無効化される」
突然シエンの後ろの空間が割れ、白い恐竜が現れ、シエンをその空間の中に引きずり込んでシエンの身動きを封じた。
「後一手、墓地に存在するシャッフルリボーンの効果発動。自分フィールドのカード1枚を対象としそのカードを持ち主のデッキに戻してシャッフルし、その後自分はデッキから1枚ドローする。ただしこのターンのエンドフェイズに、自分の手札を1枚除外する」
「また墓地から発動できるカード………その効果も通そう」
「私はヴェルズケルキオンをデッキに戻してシャッフルし、カードを1枚ドローする………ふふっ、いいカード………魔法カード、儀式の準備」
「っ‼︎儀式の準備だって⁉︎」
「デッキからレベル7以下の儀式モンスター1体を手札に加え、その後、自分の墓地の儀式魔法カード1枚を選んで手札に加える事ができる。私はデッキからブリューナクの
「っ、発動できるということは条件は整っているというわけか。ならば、真六武衆-シエンの効果、天下布武‼︎1ターンに1度、相手が魔法・罠カードを発動した時にその発動を無効にし破壊する‼︎」
シエンから紫色のオーラが溢れ出し、発動しようとしていた影霊衣の降魔鏡を破壊する。
破壊された影霊衣の降魔鏡を見て、闇は不敵な笑みを浮かべた。
「これで、本当に障害は無くなった。魔法カード、貪欲な壺‼︎」
「っ⁉︎この状況でまだドローカードを残していたのかい⁉︎」
「墓地に存在する氷結界の龍ブリューナクをEXデッキに、彩宝龍、ブリューナクの影霊衣、クラウソラスの
「っ、ドローが止まらない………」
「まだまだ繋げられる。速攻魔法、異次元からの埋葬‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体まで対象として墓地に戻す。私は除外されているバトルフェーダー、ヴェルズヘリオロープ、ヴェルズサンダーバードを墓地に戻す。そしてこれで私の墓地にある闇属性モンスターが7体になった。自分の墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する場合に、魔法カード、終わりの始まり‼︎自分の墓地に存在する闇属性モンスター5体をゲームから除外する事で、自分のデッキからカードを3枚ドローする‼︎そしてそれにチェーンして自分の通常魔法発動時、手札を全て捨て、速攻魔法、連続魔法‼︎」
「なっ⁉︎そのカードは………⁉︎」
闇が発動した連続魔法を見て、紫煙が目を見開く。
そんな紫煙に、闇は楽しそうな笑みを浮かべた。
「連続魔法の効果………このカードの効果は、その通常魔法の効果と同じになる………つまり今、連続魔法は終わりの始まりをコピーする………そして連続魔法は効果のみをコピーし、コストまではコピーしない。つまり、ノーコストで3枚ドロー‼︎さらに終わりの始まりの効果で墓地のバトルフェーダー、ネクロフェイス、ヴェルズヘリオロープ、ヴェルズオウィスプ、ヴェルズサンダーバードを除外して3枚ドロー‼︎」
「一気に6枚のカードをドローだって⁉︎」
「さらに除外されたネクロフェイスの効果、このカードがゲームから除外された時、お互いはデッキの上からカードを5枚ゲームから除外する‼︎」
「くっ⁉︎ここでデッキ破壊までしてくるのかい⁉︎」
闇と紫煙のデッキの上から一気に5枚のカードが除外され、お互いにデッキが僅か数枚になる。
追い詰められていたハズの闇の脅威の連続ドローに、会場からも驚愕の声が上がっていた。
現世界ランキング4位のプロ決闘者、『氷の女王』冬城 闇。
その正体を疑う者は、もう会場にはいなかった。
「そしてこれが最後の準備。墓地に存在するトリシューラの影霊衣と影霊衣の降魔鏡を除外して影霊衣の降魔鏡の効果発動、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分の墓地からこのカードと影霊衣モンスター1体を除外してデッキから影霊衣魔法カード1枚を手札に加える。私はデッキから
「そんな効果があったんだね………これは影霊衣の降魔鏡を無効にしたのは完全に下策だったね」
「そして、儀式魔法、影霊衣の万華鏡‼︎儀式召喚するモンスターと同じレベルになるように、自分の手札・フィールドのモンスター1体をリリース、またはEXデッキのモンスター1体を墓地へ送り、手札から影霊衣儀式モンスターを任意の数だけ儀式召喚する‼︎」
「儀式モンスターを任意の数儀式召喚する儀式魔法だって⁉︎」
驚愕の表情を浮かべる紫煙に、闇は自分の手札を見て、くすりと笑う。
「ふふっ、ちょうど出せるのがこのモンスター達だなんてね………心が躍るね、遊花………私はEXデッキからレベル7モンスター、氷結界の龍グングニールを墓地に送る」
フィールドに輝くダイヤモンドのような物が現れ、それにグングニールの姿が浮かび上がる。
しばらくするとそのダイヤモンドが輝きはじめ、光が収まると、ダイヤモンドがあった場所に魔槍を持った白い一角獣の鎧を纏った魔法使いと緑の鳥のような鎧を纏った小柄な戦士が現われる。
「その身に宿すは混沌の門より出し神獣‼︎その魔法はあらゆるものを戒める‼︎儀式召喚‼︎可能性を凍りつかせる魔導師‼︎ユニコールの
〈ユニコールの影霊衣〉☆4 魔法使い族 水属性
ATK2300
「その身に宿すは祈りの歌‼︎その旋律は争いをも凍てつかせる吹雪となる‼︎儀式召喚‼︎未来に舞い上がる戦士‼︎クラウソラスの影霊衣‼︎」
〈クラウソラスの影霊衣〉☆3 戦士族 水属性
DEF2300
「一気に2体のモンスターを儀式召喚してくるとはね………だが、攻撃力も守備力も些か足りないようだよ?」
「攻撃力や守備力が足りなくても、それを補うだけの強さをこの子達は持っている。ユニコールの影霊衣の永続効果、プリーセプトソーサリー‼︎このカードがモンスターゾーンに存在する限り、EXデッキから特殊召喚されたフィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される」
「‼︎効果無効とは厄介だね………」
ユニコールの影霊衣が魔槍を振るうと、魔槍から吹雪が吹き荒れ、EXデッキから出てきたリハンとシエン、六武衆の軍大将を凍らせる。
六武衆の軍大将
ATK1600→1000
六武衆の軍大将
武士道カウンター6→0
「さらにクラウソラスの影霊衣の効果、プレアーシンフォニーはEXデッキから特殊召喚された、フィールドのモンスター1体を対象としてターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。そしてこの効果は相手ターンでも発動できる」
「っ、EXデッキから出てくるモンスターに対して強力な効果を発揮する儀式モンスターとは、また厄介なモンスター達だね」
「私はカードを3枚伏せて、ターンエンド」
闇 LP1050 手札0
ー▲▲▲ー ー
ーー○□ー
☆ ー
○○○○○
ーー△ーー ー
紫煙 LP100 手札1
「私のターン、ドロー‼︎」
「スタンバイフェイズ、リバースカードオープン。速攻魔法、大欲の壺。除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎私は除外されているトリシューラの影霊衣、バトルフェーダー、ネクロフェイスをデッキに戻してカードを1枚ドローする」
「っ、ここでドローカードか………見事だよ、闇君。確かに闇君が呼び出した儀式モンスターは強力な効果を秘めているよ。だがそのモンスター達が無効化できるのはあくまでEXデッキから出したモンスターだけだ‼︎私は墓地から特殊召喚した影六武衆-リハンの効果発動‼︎光縛拳‼︎フィールドの六武衆の軍大将を除外してユニコールの影霊衣を除外する‼︎」
リハンが印を結ぶと、六武衆の軍大将の身体が粒子に変わり、リハンの掌に集まって光の球体をに変わる。
リハンはユニコールの影霊衣に突撃し、光の球体を押し当ててユニコールの影霊衣を消滅させる。
「っ、ゴメンね、ユニコールの影霊衣」
「これで効果を封じられていたモンスター達の氷が溶ける。そして2体目の影六武衆-リハンの効果発動‼︎光縛拳‼︎手札の六武衆-ヤリザを除外してクラウソラスの影霊衣を除外する‼︎」
「させない、クラウソラスの影霊衣の効果発動‼︎プレアーシンフォニー‼︎EXデッキから特殊召喚された、フィールドのモンスター1体を対象としてターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化する‼︎対象にするのは今効果を使っている2体目の影六武衆-リハン‼︎」
凍らされていたリハンが氷の中から飛び出し、クラウソラスの影霊衣に光の球体を押し当てようとする。
そんなリハンに対し、クラウソラスの影霊衣が歌を歌いはじめると、吹雪が吹き荒れ、リハンを再び氷の中に閉じ込めた。
影六武衆-リハン
ATK2400→0
「だが、これでクラウソラスの影霊衣はもう効果を使えない‼︎バトル‼︎真六武衆-シエンでクラウソラスの影霊衣を攻撃‼︎六天魔王斬‼︎」
シエンが紫のオーラを纏った斬撃をクラウソラスの影霊衣に放つ。
しかし、斬撃がクラウソラスの影霊衣を斬り裂こうとした瞬間、クラウソラスの影霊衣の身体が氷に包まれ、斬撃を弾き飛ばした。
「何⁉︎」
「手札からグングニールの
「っ、仕留め損なったね。メインフェイズ2、私は攻撃した真六武衆-シエン以外の全てのモンスターを守備表示にする」
真六武衆-シエン
ATK2500→DEF1400
影六武衆-リハン
ATK2400→DEF2400
影六武衆-リハン
ATK0→DEF2400
大将軍 紫炎
ATK2500→DEF2400
攻撃してきたシエン以外の全てのモンスターが防御を固める。
紫煙のライフは残り100。
クラウソラスの影霊衣がフィールドに残ってしまったため、幸い攻撃したシエンは墓地から特殊召喚したシエンだったが、下手にモンスターを攻撃表示で残してしまうとクラウソラスの影霊衣の効果により攻撃力を0にされ、そのまま攻撃されてしまえば敗北してしまう。
クラウソラスの影霊衣の攻撃力はたったの、1000。
次のターンを凌ぎきればリハンで除外できることを考えれば当然の選択だった。
「私はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
影六武衆-リハン
ATK0→ATK2400
闇 LP1050 手札0
ー▲ー▲ー ー
ーーー□ー
ー ー
□□□○□
ーー△▲ー ー
紫煙 LP100 手札0
「私のターン、ドロー………校長………そろそろ終わりにしよう」
「っ⁉︎」
「クラウソラスの影霊衣の効果発動‼︎プレアーシンフォニー‼︎対象は守備表示になっている真六武衆-シエン」
真六武衆-シエン
ATK2500→0
クラウソラスの影霊衣の歌が響き、防御を固めていたシエンを凍りつかせる。
「私は終末の騎士を召喚」
〈終末の騎士〉☆4 戦士族 闇属性
ATK1400
クラウソラスの影霊衣と並び立つように黒い騎士が現れる。
「終末の騎士の効果、召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る。 私はデッキから亡龍の戦慄ーデストルドーを墓地に送る。そして墓地に存在する亡龍の戦慄ーデストルドーの効果発動。同名カードは1ターンに1度、ライフポイントを半分支払い、レベル6以下のモンスター、クラウソラスの影霊衣を対象として、このカードを特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは対象にしたモンスターのレベル分だけ下がり、フィールドから離れた場合はデッキの一番下に戻る」
闇 LP1050→525
〈 亡龍の戦慄ーデストルドー〉☆7→4 ドラゴン族 闇属性
DEF3000
墓地から現れたのは赤黒くところどころ骨が見えているドラゴン。
「 レベル4、亡龍の戦慄ーデストルドーと終末の騎士でオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚」
デストルドと終末の騎士が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けるとそこにいるのは王者の風格を持つグレムリン。
「群れを伴い進撃せよ、ランク4、キングレムリン」
〈キングレムリン〉★4 爬虫類族 闇属性
ATK2300
「キングレムリンの効果、王者の呼び声。オーバーレイユニットを1つ使い1ターンに1度、デッキから爬虫類族モンスター1体を手札に加える。私はデッキからカゲトカゲを手札に加える」
キングレムリンの咆哮が響き、闇の手札にカードが加わる。
「私は墓地に存在するチューナーモンスター、ゾンビキャリアの効果を発動。手札を1枚デッキの上に置くことでこのカードを墓地から特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合に除外される」
〈ゾンビキャリア〉☆2 アンデット族 闇属性
DEF200
闇が手札をデッキの上に置くと、地中から小さなゾンビが現れる。
「っ、まだそんなモンスターを墓地に残していたのかい。だが、闇君のEXモンスターゾーンは既にキングレムリンで使っている。狙いはリンク召喚かい?」
そんな紫煙に、闇は薄く笑う。
「ハズレ。これで決めにいく。このカードは自分の手札・フィールドのモンスターのみを素材とした融合召喚及び自分フィールドの異なるモンスター3体を除外した場合にEXデッキから特殊召喚できる‼︎私はクラウソラスの影霊衣、キングレムリン、ゾンビキャリアのカード名が異なるモンスター3体を除外して融合‼︎」
「っ⁉︎除外することで特殊召喚できる融合モンスターだって⁉︎」
クラウソラスの影霊衣、キングレムリン、ゾンビキャリアがフィールドに現れた渦に飛び込んでいく。
「この場に満ちる龍の邪念が最凶の龍の姿を為す‼︎融合召喚‼︎」
そして渦が爆けるとその中から現れたのは、4つの氷の翼を持ち、全ての頭に3本の角が生えた三つ首の氷龍。
「魂をも凍てつかせる最凶の龍‼︎氷獄龍トリシューラ‼︎」
〈氷獄龍トリシューラ〉☆9 ドラゴン族 水属性
ATK2700
「氷獄龍トリシューラ⁉︎何だい、その見たこともないトリシューラは⁉︎」
「ナイショ。ドラゴン族を融合素材にしてないから効果はないけど、攻撃力は校長のライフを削りきるのには十分」
「っ、通すわけにはいかないね。ライフポイントを半分支払い、カウンター罠、神の宣告‼︎」
「っ、まだそんなカードを………」
紫煙 LP100→50
「ライフポイントを半分支払うことで2つの効果を発動することができる。魔法・罠カードが発動した時にその発動を無効にし破壊するか自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際にそれを無効にし、そのモンスターを破壊する。今回発動するのはモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際にそれを無効にし、そのモンスターを破壊する効果。氷獄龍トリシューラは破壊されるよ‼︎」
神の宣告から放たれた光の波動が氷獄龍を消滅させる。
「なら、墓地に存在するグングニールの影霊衣と影霊衣の万華鏡を除外して影霊衣の万華鏡の効果発動、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分の墓地からこのカードと影霊衣モンスター1体を除外してデッキから影霊衣魔法カード1枚を手札に加える。私はデッキから
「手札もないのに儀式魔法を手札に加えてどうするつもりだい?」
「こうする。リバースカードオープン‼︎永続罠、闇次元の解放‼︎除外されている自分の闇属性モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎ただし、このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊され除外され、そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。私が対象にするのは召喚僧サモンプリースト‼︎」
「狙いはエクシーズ召喚か‼︎そんな効果通させないよ。真六武衆-シエンの効果、天下布武‼︎1ターンに1度、相手が魔法・罠カードを発動した時にその発動を無効にし破壊する‼︎」
シエンから紫色のオーラが溢れ出し、発動しようとしていた闇次元の解放を破壊する。
「これで完全に闇君のモンスターはいなくなった。どうやらこれで終わりみたいだね」
紫煙の言葉に、闇は顔を伏せ………口元に笑みを浮かべた。
「………うん、終わり………私の勝ちだよ」
「っ⁉︎」
「これで止めるものは何もない………これが私の本当の決め技。リバースカードオープン‼︎魔法カード、ミラクルシンクロフュージョン‼︎」
「なっ⁉︎融合魔法⁉︎」
「自分のフィールド・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎私は墓地に存在するドラゴン族シンクロモンスター、氷結界の龍グングニールと、戦士族モンスター、クラウソラスの影霊衣を融合‼︎」
フィールドに現れた渦に、墓地から飛び出してきたグングニールとクラウソラスが吸い込まれていく。
そして渦が弾けるとそこに現れたのは巨大な槍を持つ青い鎧を纏った竜の騎士。
「戦士の心は竜に宿り、うねりとなりて騎士へと導く‼︎融合召喚‼︎心に響く勇敢なる魂‼︎波動竜騎士ドラゴエクィテス‼︎」
〈波動竜騎士ドラゴエクィテス〉☆10 ドラゴン族 風属性
ATK3200
「ここで攻撃力3200の融合モンスターだって⁉︎」
「バトル‼︎波動竜騎士ドラゴエクィテスで真六武衆-シエンを攻撃‼︎」
「っ、迎え撃て、真六武衆-シエン‼︎六天魔王斬‼︎」
ドラゴエクィテスがシエンを貫くように槍を振るい、シエンも紫のオーラを纏った刀で槍を弾いて応戦する。
激しい鍔迫り合いの中、一瞬の隙をつきシエンがドラゴエクィテスの槍を後方に弾き飛ばし、紫のオーラを纏った斬撃を放つ。
ドラゴエクィテスはその斬撃を空を翔び紙一重で躱すと、弾き飛ばされた槍を拾い、旋回して勢いをつけると、槍を水平に構えシエンに向かい猛烈な勢いで突進する。
「これで決まり。ヴォーゲンシャルシュピース‼︎」
シエンは再び斬撃を放ったが猛烈な勢いで突進するドラゴエクィテスの槍に弾かれ、そのまま身体を槍で貫かれて大きな風穴を開けると、楽しそうに笑いながら消滅した。
「………ははは、確かに見せて貰ったよ。君の成長を………その覚悟を、ね」
紫煙 LP50→0
ーーーーーーー
『しょ、勝者、プロ決闘者、冬城 闇‼︎』
「ぶい」
デュエルが終わり、沸き起こる歓声の中、闇が無表情のまま右手でVサインを作る。
そんな闇を見て、紫煙は愉快そうに笑う。
「ははは、負けたよ。やはり老体では現役のプロ決闘者である闇君には及ばないか」
「ターンを私に回さずに倒そうとした癖によく言う。普通ならあの時点で負けてる」
「それでも闇君には届かなかったけどね」
「当然………私は強いから」
「ははは、その言葉も正しいことを証明されてしまったね。さてと、これからどうするんだい?君が本物だと言うことを証明したのはいいが、このままだと君のところに生徒が押し寄せそうだよ?」
そういって、紫煙が歓声が止まない観戦席を見る。
観戦していた生徒は今にも闇達がいるデュエル場に入ってきそうになっていた。
闇はそんな観戦席をチラリと見ると、デュエルディスクを起動しながら口を開く。
「無論逃げる………人混みに紛れるのは得意。今日は落ち着きそうにないから、そのまま帰ってもいい?」
「………まあ、こればっかりは仕方ないね。ああ、こちらで許可するよ」
「ん、それじゃあ失礼する。楽しいデュエルをありがとう、校長。お願いね、氷獄龍トリシューラ」
闇がそういってデュエルディスクにカードをセットすると、立体映像の氷獄龍が現れる。
生徒達が現れた氷獄龍に目を奪われていると、氷獄龍が氷の翼を羽ばたかせ立体映像の吹雪を引き起こす。
氷獄龍が引き起こした吹雪に思わず生徒達が目を瞑り、再び目を開けると、氷獄龍の立体映像と共に闇の姿はデュエル場から消えていた。
「全く………本当に、面白い子だね、闇君は」
別の意味で騒めき始めるデュエル場で、紫煙は本当に愉快そうに笑い声をあげるのだった。
次回予告
闇がデュエルアカデミアで紫煙とデュエルをしている最中、遊騎は島に呼ばれ『Natural』を訪れていた。
『Natural』からの帰り道、遊騎は倒れている決闘者とその近くに佇む謎の人物に出会う。
その人物から溢れ出している闇のカードの気配に、遊騎はその人物にデュエルを挑む。
次回 遊戯王Trumpfkarte
『闇より出でし怪物』
次回は遊騎のデュエル回。
遊騎視点でお送りする予定です。
そして二章のメインになる新キャラの登場?
次回をお楽しみに。
そして今回は闇とデュエルアカデミア校長、紫煙のデュエルでした。
紫煙のデッキは六武衆。
いつ見ても六武の門の展開補助能力はおかしいです。
何故あれで無制限なのか………かなり最初期に登場したテーマのハズなのに何だかんだで息が長いテーマですね。
そんな紫煙に何とか勝利した闇。
現役プロの意地を見せましたね。
彼女のデッキも一章からまた少し成長しています。
二章では活躍も多くなりそうなので、これからの闇の活躍にも期待していただけたらなと思います。
それじゃあ今回はここまで。
ようやく資格試験が終わったのでこれで今まで試験勉強に使ってたリソースを更新に割けるハズなので頑張って更新頻度を上げていきたいです。
まあ、もう少し文字数減らしたり話数を分割すれば更新自体は多くなるんですけどね、今回も結局約3万字だし。
ただそうすると話数がいたずらに増えて話があまり進まなくなるという罠。
現状デュエルパートだけで2万いってるのでなんとかしたいところです。
そんなところで今回はお開き。
ではでは〜