書いてる途中に1度データが全て消えて絶望してました。
話としては短めです
今回は新キャラ登場回。
基本は遊騎視点、最初だけ第3者視点でお送りします。
というわけで、本編へGO‼︎
○
「バトル。終わりだよ、ヴェルズウロボロスでNo.66覇鍵甲虫マスターキービートルに攻撃。侵食のイモータルフリーズ」
「んぎゃあああ‼︎」
操られた男 LP100→0
「むぅ………またNo.………か………結構倒したのになかなかばら撒いてる奴の尻尾が掴めない」
闇は自分の元に飛んできた闇のカードを懐に仕舞うと、闇のカードを失い、倒れた男に近づいてインヴェルズオリジンを男のデュエルディスクにセットし、インヴェルズオリジンの闇の力で男の記憶とデュエルディスクのデータを書き換える。
なかなか黒幕に辿り着けないことに苛立ちいつも以上に無表情になっていると、そんな闇に話しかけてくる声があった。
「相変わらずしけたツラしてるな『氷の女王』」
「………」
闇が不機嫌そうに声が聞こえた方向を見ると、そこにいたのは白髪をツーブロックにした男。
その男は不機嫌そうな闇を気にした素ぶりも見せずに言葉を続ける。
「闇のカード狩り、精が出るじゃねぇか。今のプロ決闘者ってのはそんなに暇なのか?」
「………ご想像にお任せする。少なくとも、貴方よりは忙しい」
「はっ、そりゃあそうだ。天下のプロ決闘者が無職より忙しくなかったらそれこそおかしいだろ」
そういって男は吐き捨てるように笑う。
そんな男を、闇は冷たい表情で睨む。
「それで、何の用?」
「アンタに聞きたいことがある。最近、アンタ以外に闇のカードのことを嗅ぎまわってる奴がいるらしい。知らねぇか?」
「………心当たりはある。だけど、私がそれを貴方に教える必要、ある?」
「………いや、ねぇよ。なら、アンタからそいつに言っといてくれねぇか?闇のカードには関わるなってよ」
そういって、男は真剣な表情で闇を見る。
そんな男に、闇は興味がなさそうに背を向ける。
「闇のカードを探すことを決めたのはその人の意思。私がとやかく言うことじゃない」
「っ………はっ、そうかよ。なら、そいつがどうなってもいいんだな?」
「………」
そう脅すように言う男に、闇は無表情を通り越した虚無の表情を浮かべて振り返る。
「それは、戦線布告?あの頃のように、成すすべも無く私に叩き潰されたいっていう宣言?」
「っ、いいぜ?俺だってあの頃とは違う。今ならアンタを倒せるかも知れねぇぜ?」
「自惚れもここまでくるといっそ清々しい。いっそ二度と立ち上がれないように闇の中に消し去るのも一考だね」
闇の身体から、深夜の闇をさらに深くしたような漆黒のオーラが溢れ始め、男も身体から微小の闇を溢れ出させながらデッキに手をかける。
一触即発。
闇がデュエルディスクを起動しようとした時、夜の闇を引き裂くようなサイレンの音が聞こえてきた。
聞こえてくるサイレンの音に、闇はため息を吐くと溢れ出していた闇を霧散させ、男に背を向けた。
「興が冷めた。面倒なことになる前に帰る」
「逃げるのか?」
「好きにとればいい。貴方もさっさとこの場から去れば?
「………チッ、闇のカードは俺が狩る。邪魔する奴は全員俺の敵だ」
そういうと男は身を翻し夜の闇の中に消えていく。
闇はため息を吐きながら、空に浮かんだ月を見上げた。
「面倒なことになった………遊騎の邪魔、しないといいけど」
そんな闇の呟きも、夜の闇の中に溶けていくのだった。
ーーーーーーー
☆
「ゴメン、遅くなったね」
「いや、構わない。別に予定があったわけじゃないしな」
「そういって貰えると助かるよ。さあ、今日も張り切って闇のカードをばら撒いている奴を探すとしようじゃないか」
そういって、いつものように黒いパーカーを深く被って先を行く夜を追って街の中を歩き出す。
夜と初めて出会った日から5日。
俺達は暇があれば連絡を取り合い、合流して闇のカードをばら撒いた奴を探すようになった。
しかし、闇のカードを所持している決闘者は見つかるものの闇のカードをばら撒いていると思われる決闘者の情報を得られることは無かった。
闇のカードに操られていた人間にも、闇のカードを回収した後に話を聞いてみたが誰に聞いても返ってくるのは『いつの間にか手にしていた』という言葉だけだった。
どうやら闇のカードに操られている間の記憶はまばらになっているらしく、入手した直前から記憶が途切れているようだ。
つまり、操られていた人間からでは闇のカードをばら撒いた人間の正体は特定出来ない。
だからこそ、今は闇のカードをばら撒いている人間が現れるかを探すことにしてみたんだが………
「正直、砂漠の中で一本の針を探すようなものだよね。ただでさえケルンには人が多くて外部からも観光客がよく来る。これで犯人が観光客ですでに街の外とかだと流石にお手上げだよ」
「まあ、それは無いと思うけどな。それなら流石にこれだけ闇のカードに関連した事件が立て続けに起こらないだろう」
「実行犯と生産元が違う可能性はあるけどね。実行犯に闇のカードを渡してばら撒かせて生産元は街の外でデータを取ってるとか」
「………ありそうだから困るな」
そういって夜と一緒にため息を吐く。
本当にこの調子で闇のカードをばら撒いているあの黒ずくめのヘンテコヘルメット野郎に辿り着けるのだろうか?
『ウゥ‼︎』
「ん?何か感じたのかい、不乱健?」
『ウゥ………ウァ‼︎』
「そっか、ありがとう。遊騎、どうやらこの近くに闇のカードを持ってる人間がいるみたいだ」
「そうか、わかった。不乱健にもありがとうと言っといてくれ」
『ウゥゥ‼︎』
「どういたしまして、だってさ」
夜がデュエルディスクから不乱健を取り出して走り出し、俺はその後を追う。
夜と捜索を初めてからこうして不乱健が夜のことを呼ぶことがあった。
どうやら闇のカードである不乱健には闇のカードがある位置が分かるようだ。
俺の持っている闇のカードはそんな反応を見せないから不乱健だけの特殊な能力なのか、俺が未だに自分の闇のカードの声を聞けていないからなのかどちらかは定かでは無い。
それでもあの不乱健の言ってる言葉が分かる夜は凄いと思うが、本人曰く慣れ、らしい。
絶対にそんなものではないと思うが、困ることではないので深く追求するのは止めておいた。
「こっちだね………って、えっ⁉︎」
「っ⁉︎何だ、これ?」
夜について行き、辿り着いたのは路地裏にある小さな酒場だった。
その酒場の周りには、10人程の人間が倒れ伏していた。
慌てて近づいてみたが、目立った外傷はなくただ眠っているだけのようだった。
それでも、これだけの人間が倒れているのは明らかにおかしい。
俺は夜と頷きあうと、店の中に踏み込む。
店の中は異常な静寂が支配していた。
というのも、外で眠っている人達と同じように店の中にいる人達が全員眠っている。
店の店員であろう人まで眠っていることから、この状況は明らかに異常だった。
そんな店の中で1つだけ動く人影があった。
スーツ姿の男が周りの人間が全て眠っているのにも関わらず、1人で店にある酒を勝手に開けて飲んでいる。
そしてその男の身体から漏れ出している微細な闇。
間違いない、あの男が闇のカードの所持者だ。
「君かい?ここにいる人達を全員眠らせたのは?」
「あぁ?なんだぁ、テメェらぁ?」
夜が話しかけると酒を飲んでいた男は不機嫌そうな表情でこちらを向く。
男は明らかに酔っ払っており、呂律も回っていない。
しかし、その目に浮かんでいるのは明らかな狂気。
「悪いけど、手短かに言うよ?君はNo.というカードを所有しているね?」
「ああん?それが何だって言うんだぁ?」
「そのカードをボク達に譲って欲しい。そのカードは、危険なものだから」
「はっ‼︎誰が渡すかってんだよぉ‼︎コイツがあれば俺様は好きなだけ酒が飲めるんだからよぉ‼︎」
「………分かってはいたけど、話にならないね」
「だな。酔ってるせいなのか、闇のカードの影響なのか分かりにくいが」
どちらにせよ、この状況をほっておくわけにはいかない。
そう思って俺がデュエルディスクを起動しようとした時ーーー
「見つけたぜ、闇のカード」
俺の背後から男の声が聞こえた。
俺が振り返るとそこに立っていたのは白髪をツーブロックにした男だった。
その男は俺達の間に割り込むように入ってくると、デュエルディスクを起動して男に向けながら、こちらに声をかける。
「お前らか。最近闇のカードのことを嗅ぎまわってんのは?悪りぃが、邪魔するなよ?アイツは俺の標的だ。あの闇のカードは俺が貰う」
「は?誰なんだあんた一体?」
そんな俺の問いかけに白髪の男は応えずに闇のカードに取り憑かれている男にデュエルディスクを向ける。
あまりの自体に困惑していると、予想外の場所からその答えが告げられた。
「お前は………射手園 大和(いてぞの やまと)‼︎」
「知ってるのか、夜?」
「………まあ、ね。1年前、暴力事件を起こしてプロリーグから追放された元プロ決闘者さ」
そういって夜が不機嫌そうに白髪の男を睨む。
そんな夜を、白髪の男ーーー大和は横目で見て、面白そうに笑う。
「ん………テメェ、もしかして『真祖』か?どうしてテメェがここにいる?」
「『真祖』?」
「っ、ボクのことはどうだっていいだろう?お前こそ、何でここにいる‼︎」
「はっ、言っただろう?あの闇のカードをいただきにきたんだよ」
「なっ⁉︎お前なんかに渡せるわけないだろう⁉︎」
「お、おい、夜?落ち着けって」
明らかに怒りの表情を浮かべて、大和に噛み付く夜に困惑してしまう。
まだ短い付き合いだが、闇みたいにあんまり感情を外に出さないタイプだと思っていたため、この反応は少し予想外だ。
そして俺達が揉めている間に、闇のカードに操られた男が動き出す。
「うるせぇぞぉ、テメェらぁ‼︎静かに酒も飲めやぁしねぇ‼︎テメェらなんざぁ、永遠に眠ってろぉ‼︎」
男がそう叫んだかと思うと、男の身体から白い霧の塊が俺達の方に放たれる。
何だか分からないが、アレに当たるのは不味い気がする‼︎
「うおっ‼︎」
「‼︎チッ‼︎」
「うわっ⁉︎なに………これ………」
「っ‼︎夜‼︎」
男を横目で見ていた俺と大和は身を翻してその霧の塊を交わすことができた。
しかし、大和の方を見ていた夜は気づくのに遅れ、その霧の塊に飲み込まれてしまう。
霧に飲み込まれた夜は戸惑いの声をあげたかと思うとその場に倒れ伏せる。
慌てて近寄ってみると、外傷自体はなかったが、外にいた人達と同じように深い眠りに落ちてしまっていた。
まさか、外の人達もこうやって眠らせたのか⁉︎
眠りについた夜を見て、大和は忌々しそうに表情を歪めながら闇のカードに取り憑かれた男を見た。
「チッ、素人が手を出すからこうなるんだ。おい、酒飲み野郎。俺とデュエルしろ」
「デュエルだとぉ?」
「俺が勝ったらテメェの闇のカードをいただく。もしテメェが勝ったら、俺達はここから去る。そうしたら好きなだけ酒が飲めるぜ?」
「っ、おい‼︎」
「いいから黙ってろ‼︎それで、どうする?」
「………いいだろう、テメェが俺様に勝てるわけがないからなぁ‼︎」
「決まりだな」
そういって、大和と男がデュエルディスクを起動する。
そしてーーーデュエルが始まった。
大和 LP8000
泥酔男 LP8000
ーーーーーーー
「俺様の先攻だぁ‼︎俺様は
〈堕ち武者〉☆4 アンデット族 闇属性
ATK1700
フィールドに現れたのは顔だけになった侍の亡霊。
「堕ち武者の効果発動だぁ‼︎このカードが召喚に成功した時、デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送るぅ‼︎俺はデッキからネクロフェイスを墓地に送るぞぉ‼︎」
「アンデットデッキか………」
「カードを2枚伏せてターンエンドだぁ‼︎」
大和 LP8000 手札5
ーーーーー ー
ーーーーー
ー ー
ーー○ーー
ー▲▲ーー ー
泥酔男 LP8000 手札2
「俺のターン、ドロー‼︎中央に魔弾の射手カスパールを召喚‼︎」
〈魔弾の射手カスパール〉☆3 悪魔族 光属性
ATK1200
フィールドに現れたのはマントを羽織った悪魔の羽根を持ち、異形の手をした銃士。
「さらにライフを2000払って、中央で魔法カード、同胞の絆を発動‼︎」
大和 LP8000→6000
「このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えなくなる代わりに、自分フィールドのレベル4以下のモンスター1体を対象として、そのモンスターと同じ種族・属性・レベルでカード名が異なるモンスター2体をデッキから特殊召喚する‼︎ただし、このカードの発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。魔弾の射手カスパールを対象に、来やがれ、魔弾の射手ドクトル、魔弾の射手ザキッド‼︎それぞれ魔弾の射手カスパールの左右に特殊召喚だ‼︎」
〈魔弾の射手ドクトル〉☆3 悪魔族 光属性
ATK1400
〈魔弾の射手ザキッド〉☆3 悪魔族 光属性
ATK1600
カスパールに並び立つように現れたのは同じように悪魔の羽根と異形の手を持つ医師とガンマンのモンスター。
「ここで魔弾の射手カスパールの効果発動だ。同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、発動したカードとカード名が異なる魔弾カード1枚をデッキから手札に加える。俺はデッキから速攻魔法、魔弾-クロスドミネーターを手札に加える」
そういって大和の手札に魔法カードが加わる。
見たことがないモンスター達だが、どうやら魔弾というカテゴリーのデッキみたいだな。
「次だ。魔弾の射手ザキッドと同じ縦列で魔法カード、精神統一を発動‼︎同名カードは1ターンに1度、デッキから同名カード1枚を手札に加える。そして魔弾の射手ザキッドの効果を発動だ。同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、手札から魔弾カード1枚を捨てて自分はデッキから2枚ドローする。俺は手札の魔弾-クロスドミネーターを捨てて2枚ドローする。さらに魔弾の射手ドクトルと同じ縦列で魔法カード、一時休戦。お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローし、次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になる。そして魔弾の射手ドクトルの効果発動。同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、その発動したカードとカード名が異なる魔弾カード1枚を自分の墓地から選んで手札に加える。俺は墓地に存在する魔弾-クロスドミネーターを手札に戻す」
「手札が増えてるだとぉ?ふざけやがってぇ‼︎」
「はっ、ふざけてるなんて、闇のカードに酔ってるテメェにだけは言われたくねぇな。俺は左端にカードを1枚伏せてターンエンドだ」
大和 LP6000 手札6
ーーーー▲ ー
ー○○○ー
ー ー
ーー○ーー
ー▲▲ーー ー
泥酔男 LP8000 手札3
「俺様のターン、ドローだぁ‼︎ダメージを与えられないだとぉ?そんなもの俺様には関係ねぇんだよぉ〜‼︎」
「あぁ?」
「速攻魔法、手札断殺‼︎お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送りぃ、その後、それぞれデッキから2枚ドローするぅ‼︎」
「手札交換か………いいぜ。だが、同じ縦列で魔法・罠カードが発動したことにより魔弾の射手ドクトルの効果発動だ‼︎」
「なにぃ⁉︎俺様が使っても発動するだとぉ⁉︎」
「言ったハズだぜ?同じ縦列で魔法・罠カードが発動した時だと。誰も自分のだなんて言っていない。ちゃんと説明されたものは聞いとくもんだぜ?俺は墓地から手札断殺で捨てた永続罠、魔弾-ブラッディクラウンを手札に戻す」
「面倒な野郎めぇ………ちょろちょろ動いてんじゃねぇよ‼︎俺様は酒呑童子を召喚だぁ‼︎」
〈酒呑童子〉☆4 アンデット族 地属性
ATK1500
現れたのは大きな酒瓶を手に持った金髪の鬼。
「酒呑童子の効果発動だぁ‼︎1ターンに1度、2つの効果から1つを選択して発動できるぅ‼︎俺様は自分の墓地からアンデット族モンスター2体を除外してデッキから1枚ドローする効果を選択し、墓地のゴブリンゾンビとネクロフェイスを除外して1枚ドローだぁ‼︎さらに除外されたネクロフェイスの効果発動だぁ‼︎このカードがゲームから除外された時、お互いはデッキの上からカードを5枚ゲームから除外するぅ‼︎」
「チッ、デッキ破壊か………」
「さらに手札を1枚捨てて除外されているネクロフェイスを対象として装備魔法、DDRを発動だぁ‼︎そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備するぅ‼︎戻りやがれぇ、ネクロフェイスぅ‼︎」
〈ネクロフェイス〉☆4 アンデット族 闇属性
ATK1200
フィールドに現れたのは何本もの触手が蠢いている人形の頭。
「まだだぁ‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動、リターンオブアンデットぉ‼︎フィールドのアンデット族モンスター1体を選んで除外し、その後、そのコントローラーの墓地からアンデット族モンスター1体を選び、その持ち主のフィールドに守備表示で特殊召喚するぅ‼︎俺様はネクロフェイスを除外して墓地からピラミッドタートルを特殊召喚だぁ‼︎」
〈ピラミッドタートル〉☆4 アンデット族 地属性
DEF1400
ネクロフェイスが姿を消し、代わりに姿を現したのはピラミッドを背負った亀のモンスター。
「再び除外されたネクロフェイスの効果発動だぁ‼︎さらにお互いはデッキの上からカードを5枚ゲームから除外するぅ‼︎」
「チッ、面倒なことをしやがる。チェーンして魔弾の射手カスパールの効果発動だ。俺はデッキからカウンター罠、魔弾-デッドマンズバーストを手札に加える」
「はははっ‼︎サーチでもなんでも好きにしやがれぇ‼︎どうせテメェはすぐに何もできなくなるんだからよぅ‼︎」
男が笑うのと同時に男の周りを漂っていた闇が集まり始める。
この感覚は………来るか?
「俺様はレベル4の堕ち武者と酒呑童子でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
堕ち武者と酒呑童子が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると、そこに現れたのは一升瓶を抱えて瓶や空き缶が散らばる中眠っているバク。
「眠りを司る獣よぉ‼︎歯向かう全ての者に永遠の眠りを与えろぉ‼︎現れろ‼︎No.41泥睡魔獣バグースカ‼︎」
〈No.41泥睡魔獣バグースカ〉★4 悪魔族 地属性
DEF2000
「出やがったな、No.‼︎」
現れたNo.を見て、大和は面白そうに笑みを浮かべる。
そんな大和を見てバグースカに乗っ取られている男が不愉快そうな表情を浮かべる。
「そんな表情ができるのは今の内だぁ‼︎No.41泥睡魔獣バグースカの効果発動ぅ‼︎エターナルスリープワールドぉ‼︎このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、フィールドの表側表示モンスターは守備表示になり、フィールドの守備表示モンスターが発動した効果は無効化されるぅ‼︎」
「‼︎はっ、なかなか強力な効果じゃねぇか」
バグースカの身体から白い霧が吹き出し、辺りを包みこむ。
霧に包まれた銃士達はその場に崩れ落ちる。
倒れこむ直前に銃士達はそれぞれが銃の引き金を引き、弾丸を放つが放たれた弾丸は見当違いの方向に飛んでいき、銃士達は眠りについた。
魔弾の射手カスパール
ATK1200→DEF2000
魔弾の射手ドクトル
ATK1400→DEF1200
魔弾の射手ザキッド
ATK1600→DEF200
「これでテメェのモンスターはおねんねだぁ‼︎テメェがデッキ切れになるまで永遠になぁ‼︎墓地に存在するリターンオブアンデットの効果発動だぁ‼︎除外されている自分のアンデット族モンスター1体を選んでデッキに戻し、このカードを自分フィールドにセットするぅ‼︎ただし、この効果でセットしたこのカードはフィールドから離れた場合に除外されるがなぁ‼︎俺様は除外されているピラミッドタートルをデッキに戻してこのカードをセットするぅ‼︎カードを1枚伏せてターンエンドだぁ‼︎」
「………そろそろ頃合いだな」
「あぁ?何を言ってるんだぁ?」
大和の言葉に男は怪訝な表情を浮かべる。
そんな男に、大和は吐き捨てるように言葉を紡ぐ。
「分からないのか?テメェの本体が姿を現したんだ。もう加減せずに終わらせてやれるって言ってんだ」
「っ‼︎なんだとぉ⁉︎テメェなんかに俺様が倒せるハズがーーー」
「そういうのはもう聞き飽きてんだ。終わりにしようぜ、エンドフェイズ、手札から罠発動‼︎魔弾-デスペラード‼︎」
「手札から罠だとぉ⁉︎」
男が驚愕の表情を浮かべ、大和がそんな男を面白そうに笑う。
「悪いな。魔弾モンスターには永続効果としてモンスターゾーンに存在する限り、自分・相手ターンに自分は魔弾魔法・罠カードを手札から発動できんだよ」
「なにぃ⁉︎そんな効果聞いてないぞぉ⁉︎」
「はっ、言ってないからな。テメェを倒すのにわざわざ自分の手の内を晒すかよ。魔弾-デスペラードの効果、同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドに魔弾モンスターが存在する場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象としてそのカードを破壊する。俺が破壊するのはピラミッドタートルだ」
先程カスパールが放った弾丸が円を描くように曲がり、警戒するピラミッドタートルの身体を貫いて爆散させる。
「なっ⁉︎弾丸が戻って………」
「『魔弾の射手』ってオペラを知ってるか?悪魔が与えた弾丸は、たとえどこに銃口を向けようと魔力によって狙った獲物に必ず命中するが7発目の弾丸だけは、悪魔の望んだ標的に命中させるって話だ。コイツらその話がモチーフになったモンスターなんだよ」
「クソがぁ………だがぁ、プレイミスだなぁ?No.41泥睡魔獣バグースカがいる限り、テメェは動けねぇのによぉ?」
「んなもん関係ねぇよ。どっちみち、テメェは次のターンには終わるんだからな」
大和 LP6000 手札7
ーーーー▲ ー
ー□□□ー
ー □
ーーーーー
ー▲▲▲ー ー
泥酔男 LP8000 手札0
「俺のターン、ドロー‼︎速攻魔法、魔弾-クロスドミネーター‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドに魔弾モンスターが存在する場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効化される‼︎対象はNo.41泥睡魔獣バグースカだ‼︎」
「なにぃ⁉︎ならば、リバースカードオープン‼︎速攻魔法、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてターン終了時までそのモンスターは、攻撃力が600ポイントダウンし、効果の対象にならず、効果では破壊されないぃ‼︎対象はNo.41泥睡魔獣バグースカだぁ‼︎」
「無駄だって言ってんだよ。手札からカウンター罠、魔弾-デッドマンズバースト‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドに魔弾モンスターが存在する場合、相手が魔法・罠カードを発動した時、その発動を無効にし破壊する‼︎」
「なんだとぉ⁉︎」
ドクトルが放った弾丸がバグースカが纏おうとしていた聖衣を撃ち抜き、キッドが放った弾丸がバグースカの身体を撃ち抜き、あまりの痛みにバグースカが放っていた白い霧を止める。
白い霧が吹き飛んだ瞬間、銃士達が眠りから覚めた。
No.41泥睡魔獣バグースカ
DEF2000→0
「これで効果も使えるな。同じ縦列で魔法・罠が発動したことで魔弾の射手カスパールと魔弾の射手ドクトルの効果発動だ。魔弾の射手ドクトルの効果で墓地から魔弾-デスペラードを、魔弾の射手カスパールの効果でデッキから速攻魔法、魔弾-ネバーエンドルフィンを手札に加える。さらに手札から永続罠、魔弾-ブラッディクラウン‼︎同名カードは1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに手札から魔弾モンスター1体を特殊召喚し、この効果でモンスターが特殊召喚されたゾーンと同じ縦列の相手のメインモンスターゾーンが使用されていない場合、そのゾーンはターン終了時まで使用できない‼︎さあ出番だぜ。魔弾を生み出しし堕天した天使達の長‼︎魔弾の悪魔 ザミエル‼︎」
〈魔弾の悪魔 ザミエル〉☆8 悪魔族 光属性
ATK2500
カスパールが天に向かって弾丸を放つと、その弾丸に導かれるように天より舞い降りたのは銃士達と同じ悪魔の羽根を持ち、両手に銃を手にした双銃の悪魔。
「さあ、終わりにしようぜ。俺は守備表示になっていた魔弾モンスターを全て攻撃表示に変更する」
魔弾の射手カスパール
DEF2000→ATK1200
魔弾の射手ドクトル
DEF1200→ATK1400
魔弾の射手ザキッド
DEF200→ATK1600
「リバースカードオープン‼︎罠発動、メテオレイン‼︎このターン自分のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える‼︎」
「ぐっ………だが、俺様のライフポイントは8000ポイント丸々残っているぅ‼︎テメェのモンスターじゃこのターンでトドメなどさせるわけがないぃ‼︎」
「終わりだって言ってんだろ。バトル‼︎魔弾の悪魔 ザミエルでNo.41泥睡魔獣バグースカを攻撃‼︎ダメージステップ、速攻魔法、魔弾-ネバーエンドルフィン‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドの魔弾モンスター1体を対象としてそのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで元々の数値の倍になる‼︎」
「なんだとぉ⁉︎」
「ただし、このカードを発動するターン、対象のモンスターは直接攻撃できないがな。対象にするのは魔弾の悪魔 ザミエルだ‼︎」
ザミエルの双銃に弾丸が装填され、それぞれの銃から光と闇が溢れ出す。
魔弾の悪魔 ザミエル
ATK2500→5000
「攻撃力………5000だとぉ⁉︎」
「やれ、魔弾の悪魔 ザミエル‼︎ヴァイスシュヴァルツパトローネ‼︎」
ザミエルが双銃から魔弾を放つ。
バグースカはその魔弾を避けるように身体を逸らすが、魔弾はバグースカを追尾するかのように曲がり、バグースカの身体を撃ち抜き、爆散させた。
泥酔男 LP8000→3000
「があああっ‼︎………………あれぇ?僕は何を………?」
「ん?もしかして、正気に戻ったのか?」
バグースカが破壊された瞬間、男の目に理性の色が戻る。
酔っているせいでまだ呂律は怪しいが、バグースカに操られていた時の狂気の瞳ではない。
しかし、バグースカに操られていた男が正気に戻ったにも関わらず、大和はそのままデュエルを続ける。
「はっ、闇のカードが破壊されて一時的に正気に戻ったか。魔弾の射手ドクトルでダイレクトアタック‼︎ギフトパトローネ‼︎」
「へっ?ぐあぁぁぁ‼︎」
泥酔男 LP3000→1600
ドクトルが放った弾丸が正気に戻った男の足を貫き、男が苦痛の声を漏らす。
あの攻撃、実体化している⁉︎
このままだと不味い‼︎
「おい‼︎止めろ‼︎その男はもう正気に戻ってるだろ⁉︎」
「はっ、素人が。今は闇のカードが破壊されたことで一時的に正気に戻ってるだけだ。このままほっとけばまたさっきの状態に逆戻りだ。だから、さっさとトドメを刺すしかねぇんだよ‼︎魔弾の射手ザキッドでダイレクトアタック‼︎」
「ひっ‼︎り、リバースカードオープン‼︎永続罠、闇次元の解放‼︎除外からーーー」
「だから、終わりだ。ライフポイントを半分払い、手札からカウンター罠発動‼︎レッドリブート‼︎」
大和 LP6000→3000
「相手が罠カードを発動した時に発動できる‼︎その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする‼︎その後相手はデッキから罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。最もこのカード発動後、ターン終了時まで罠カードは発動できないがな」
「そ、そんな………」
「終わりだ、やれ、魔弾の射手ザキッド‼︎ゲシュヴィントパトローネ‼︎」
大和がそう口にした瞬間、キッドの銃から弾丸が放たれ、先程と同じように男の足を貫いた。
「うわぁぁぁぁぁ‼︎」
泥酔男 LP1600→0
ーーーーーーー
「No.41泥睡魔獣バグースカ。テメェは俺の物だ」
痛みに気を失った男のデュエルディスクからバグースカが浮びあがり、大和の手に渡る。
俺は気を失った男に近付き様子を確認する。
怪我は………浅い。
これなら病院に連れていけば何とかなるハズだ。
だが………
「おい。あそこまでやる必要は無かっただろ」
俺はバグースカのカードを見ていた大和を睨み付ける。
そんな俺を大和は鼻で笑った。
「はっ、とんだ甘ちゃんだな、『英雄騎士』。いや、今は『墜ちた英雄』って言った方がいいか?」
「っ⁉︎お前、俺のことを………」
「知らないわけないだろ?お前と俺は同類なんだからよ。まあ、そんな同類がこんな甘ちゃんだとは思わなかったけどな」
そういって大和が手で銃の形を作って俺の方に向ける。
「テメェが何で闇のカードを追ってるのかは知らねぇが。そこで呑気に寝てる奴と一緒にこの件からさっさと手を引け。テメェみたいな甘ちゃんがやっていけるようなことじゃねぇんだよ」
大和は俺に向かって銃を撃つような仕草をする。
「『英雄騎士』。まだお前がこの件に関わるってんなら今度はお前の闇のカードをいただく」
「おい‼︎」
「う、うーん………あれ………ボクは………」
「‼︎夜‼︎」
後ろで夜の声が聞こえ、振り向くと夜が眠たそうに目を擦りながら起き上がるところだった。
その間に大和は俺に背を向けて路地裏の奥に歩き出す。
「確かに伝えたぜ。じゃあな」
「………」
夜や怪我をしている男を放っておくわけにもいかず、俺は大和が去って行くのをただ見ていることしか出来なかった。
ーーーーーーー
「ゴメン、迷惑をかけたね」
「いや、構わない。俺も咄嗟に対処が出来なくて悪かったな」
「それこそ遊騎が気にすることじゃないさ。不用意によそ見していたボクが悪いしね。それにしても、ムカつくね、大和の奴………」
あれからデュエルセキュリティに連絡をし、店にいた人達が全員起きるのを確認し、怪我をした男を病院に運んでから、病院近くのベンチに座って夜が眠っていた間のことを話した。
話を聞いた夜は心底不機嫌そうに口を尖らせる。
「夜はあいつと知り合いなのか?」
「ん………まあ、昔にちょっと、一緒にデュエルをする機会があっただけさ。それ以上でもそれ以下でもない」
少し寂しそうな表情を浮かべながら、夜はそう呟く。
言葉と表情には明らかに含みがあるが、それはきっと夜からすれば触れて欲しくないところなのだろう。
だからこそ、俺はあえてそこには触れずに話を続ける。
「あいつは、これ以上この件に関わるなって言ってきた。口ぶりや行動からしてばら撒いた奴ではなさそうだが、このまま闇のカードを追っていくならぶつかることになりそうだな」
そう言って先程のデュエルを思い出す。
自分のターンだろうと相手のターンだろうと、自在に手札から多様な魔弾を放って相手の戦術を撃ち抜いていく大和のデュエル。
だが、先程のデュエルであいつの全力が見えたとも思えない。
大和の口ぶりが正しいなら、魔弾は7枚あるハズだからまだ見えていない魔弾もある。
そして何より、あの口ぶりからして大和はまだ奥の手を隠しているハズだ。
正直、やりあったら勝てるかどうかは分からない。
「それで、遊騎はどうするの?大和が言ったように、この件から手を引く?」
夜が試すような口ぶりでそんなことを言う。
そんな夜に俺は首を振りながら答えた。
「いや、勿論このまま闇のカードをばら撒いている奴を探す。どの道俺は闇のカードをばら撒いてる奴に知られてるんだ。今更引いたところで危険なのには変わりない。それに………あいつのやり方は気にくわない」
俺はそう言って病院の方を見る。
最後、闇のカードの効力が切れて正気に戻った時、他にも手段があったハズだ。
No.という闇のカードは勝者の元に移動する。
なら、正気に戻った際にサレンダーを促すこともできたハズだ。
そうすれば、無駄に怪我をすることもなくバグースカは大和の手に渡ったハズだ。
だが、そんなことを気にすることもなく、大和は攻撃を続けて操られていた男を傷つけた。
あのやり方は、俺には気にくわない。
そんな俺の答えに、夜は満足したように笑うと、俺の肩に手をおいた。
「ふふっ、遊騎ならそう言うと思っていたよ。だったら、ボクも降りるわけにはいかないね」
「いや、別に無理して夜が付き合う必要はないんだぞ?今回危険な目にあったんだし………」
「何を言ってるんだい。ボクだって君と同じで闇のカードを持ってる人間には狙われてるんだ。今更降りても変わらないさ。それに、初めて会った時に言っただろう?君とボクは同じ秘密を持つ共犯者なんだ。相手が降りないのに、自分が降りるなんて無しさ」
そういって、夜が冗談めかして笑う。
そんな夜を見て、俺は思わず笑みを浮かべると夜に向かって手を掲げた。
「そっか。それじゃあ改めて、よろしく頼むぜ、夜」
「おうともさ‼︎」
そういって俺達は笑い合いながらハイタッチをする。
誰が相手になろうとも、闇のカードをばら撒いている奴を見つけ出して、絶対に止めてみせる。
その思いは一層強くなり、俺の中で燃え上がっていくのだった。
次回予告
闇によってもたらされた多忙ながらも充実した日常を送る遊花。
そんな遊花を訪ねて、一風変わった挑戦者が現れる。
挑戦者の態度に戸惑いながらも、遊花は挑戦者からの苛烈なデュエルに闘志を燃やす。
次回 遊戯王Trumpfkarte
『真紅の竜王』
次回は遊花のデュエル回………そして遊花sideの新キャラ登場です。
とりあえず遊花視点でお送りする予定です。
もしかしたら前後編に分けるかも?
次回をお楽しみに。
そして今回登場の新キャラクター、大和。
デッキは魔弾。
伏せてなくてもぱんぱん手札から魔法・罠を撃ってくるずるっ子です。
遊騎達とは別の独立した勢力の彼はまた状況を引っ掻き回していきそうです。
それじゃあ今回はここまで。
皆さんはエンディミオンのストラクは買いましたか?
私は魔力カウンターデッキ自体が好きだったのですぐに3つ買って新デッキを組んじゃいました。
久しぶりに覇魔導士アーカナイトマジシャンを使うと楽しいです。
そして個人的にはカグヤが収録されたのと、サーチ先が増えたのがとても嬉しいです。
次はどんなカグヤデッキ組もうかなぁ?
といったところで今回はお開き。
ではでは〜