春休みは強敵でした………
今回は桜のデュエル回です。
長かったので前後編に分かれてしまいました。
最初は遊花視点、途中から桜視点でお送りします。
それでは本編へGO‼︎
★
「それじゃあ、今回の講義はここまで。今日は遅刻しちゃってごめんなさい。次からは気をつける。ありがとうございました」
そんな言葉で闇先パイの講義が終わり、闇先パイは壇上を降りて教室を去っていく。
スカーレットちゃん改め、真紅ちゃんとのデュエルが長引いてしまい、結局私達はみんな揃って遅刻することになってしまった。
私のデュエルが長引いてしまったせいでみんなを巻き込んで遅刻させてしまったため、私はとても心苦しかったのだが、みんな笑いながらこんなこともあると許してくれた。
うぅ、次からはもっと時間にも気をつけてデュエルしないと。
そんなことを考えていると、私の背後から私の肩を誰かが優しく叩いた。
私が振り返ると、そこには苦笑を浮かべている桜ちゃんがいた。
「やっぱり落ち込んでるわね。気にしないでいいって言ってるのに」
「だって、私に付き合わせちゃったから桜ちゃん達まで遅刻しちゃったんだし………」
「それは私達の自業自得って奴よ。私達がもっと早く遊花を止めるなり、先に行くなりすればよかったのにしなかったんだから遊花が落ち込む必要なんてないの」
そういって、桜ちゃんは柔らかい笑顔で私の頰をムニムニと揉む。
多分、励ましてくれてるんだよね?
どちらにせよ、今回のことはもう終わってしまったことだ。
だったら、いつまでもくよくよしてるんじゃなくて、次に同じことが起こらないように気をつける方が大事なハズだ。
「………うん、分かった。ありがとう、桜ちゃん」
「どういたしまして。こんなことでいちいち落ち込まないの。前にも言ったけど、遊花はいつでも馬鹿みたいに明るく笑ってればいいんだから」
「うぅ、それっていい意味なの?」
「いい意味に決まってるでしょ。少なくとも、落ち込んでる遊花より笑ってる遊花を見る方が私は嬉しいわ」
そういいながら桜ちゃんが私の頰から手を放す。
………やっぱり、桜ちゃんは優しい。
だからこそ、そんな桜ちゃんに迷惑をかけないようにもっと頑張らないと。
「し、失礼します‼︎栗原先輩はいらっしゃいますか?」
「ほぇ?」
「ん?」
改めて気合を入れていた私の耳にそんな声が聞こえてくる。
私達が声の聞こえてきた方を見ると、そこにいたのは真紅ちゃんとのデュエルの後に現れた黒髪をクラシカルストレートにした少女。
闇先パイが話していた高等部1学年、学年2位の少女、幸土 刀花がそこにいた。
ーーーーーーー
「栗原先輩、宝月先輩。真紅ちゃんが失礼な態度を取り、ご迷惑をかけてしまい本当に申し訳ありませんでした‼︎」
「わわっ‼︎そんな、頭なんて下げないでいいよ。真紅ちゃんとのデュエルは楽しかったし、私は全然気にしてないから刀花ちゃんが謝る必要なんてないもん」
「私も別に気にしてないわよ。迷惑をかけられた本人がこう言ってるんだし、私がどうこういうことじゃないわ」
勢いよく頭を下げてくる刀花ちゃんに、私は手を振って頭をあげるように言う。
私と桜ちゃんの言葉に、刀花ちゃんは本当に申し訳なさそうな表情を浮かべながら渋々頭をあげた。
突如、私達のいた教室を訪れた刀花ちゃんにお昼休みのことで話がしたいと言われた私と桜ちゃんは刀花ちゃんと一緒にデュエルアカデミア内にあるラウンジに来ていた。
本当は大地君や霊華さんにも謝りたいと言っていたのだが、私達とは違い2人にはまだ次の講義が残っていたため私達だけでお話をすることになった。
元々、あの2人も気にしていないみたいだったから刀花ちゃんに謝られても困惑するだけだったと思うけどね。
「というか、本当に謝るならあの真紅って子でしょうに、なんでアンタが謝りにくるのよ?あの真紅って子は?」
「私はなかったんですが、真紅ちゃんはまだ講義が残ってまして………真紅ちゃんを待ってる間に先輩方がお帰りになられる可能性がありましたので、私だけでも謝りにこようと思ったんです。私、真紅ちゃんの友達ですから。友達が迷惑をかけたのなら、それは私が迷惑をかけたのと同義です。だから、先輩方にはしっかりと謝っておきたかったんです」
刀花ちゃんは真剣な声色でそう口にする。
なんというか、とても律儀な子だ。
自分が行ったことじゃないのに、友達のために頭を下げにくるなんて。
だけど、その思いは理解できる。
刀花ちゃんにとって、真紅ちゃんはきっととても大切な友達なんだろう。
私も、例えば桜ちゃんが誰かに迷惑をかけてしまったら落ち着かなくて謝りに行くと思う。
だから、私は相変わらず申し訳なさそうな表情を浮かべたままの刀花ちゃんに笑顔で応えた。
「刀花ちゃんは優しいんだね。分かった、そういうことなら、ちゃんと謝罪は受け取っておくね。刀花ちゃんの気持ちは、私にも分かるから」
「‼︎ありがとうございます、栗原先輩‼︎」
「やれやれ、相変わらずね、遊花は」
笑い合う私達を、桜ちゃんは微笑ましいものを見るような目で見る。
さて、これで刀花ちゃんの用事は終わったんだと思うけど………私には少し気になっていることがある。
「ねぇねぇ、刀花ちゃんって高等部1年生の学年2位なんだよね?」
「えっと………はい、一応そういうことになっています。未熟な身で学年2位など、恥ずかしいのですが………」
そういって、刀花ちゃんは本当に恥ずかしそうに顔を伏せる。
「じゃあさじゃあさ、私とデュエルしない?学年1位の真紅ちゃんがあんなに強かったんだもん。学年2位の刀花ちゃんのデュエル、すっごく気になってたんだ‼︎」
「えっ?栗原先輩と、ですか?」
私の言葉に刀花ちゃんが驚いた表情を浮かべた。
あれ?そんなに驚くようなことを言ったかな?
私が首を傾げていると、桜ちゃんが呆れた表情で口を開いた。
「なんで刀花が驚いてるのか分からないって表情ね。本当に、自分の状況が特異だってことの自覚がないんだから」
「特異?」
「あのね、今の遊花にはデュエルで勝てば闇に挑戦できるって権利があるせいで、色んな奴が遊花とデュエルをすることを望んで、長蛇の列を作るぐらい待ってるのよ?そんな遊花からデュエルを挑まれるなんて、闇へ挑戦するチャンスが自分から転がってきてるようなものなの」
「あーそういうことになるんだ………あれ?じゃあ私からデュエルを挑んだら………」
「ある意味運がいいってことになるけど、待ち時間もなくデュエルができたってことで刀花は周りからの妬みが凄いでしょうね」
「やっぱり、そうなりますよね」
「ええっ⁉︎そんなぁ………」
桜ちゃんの言葉に、刀花ちゃんは引き攣った笑みを浮かべ、私は思わず顔を顰めてしまう。
今の状況にまさかそんな弊害があるなんて思わなかった。
それじゃあしばらくの間、私は自分の好きにデュエルをしたらたくさん迷惑をかけちゃうの?
うぅ〜刀花ちゃんのデュエルが見たいのに〜‼︎
「………あの、栗原先輩は私のデュエルが見たいんですよね?」
「えっ?うん、そうだけど………」
「なら、あの、宝月先輩に、お願いがあるのですが………」
「ん?私?」
「はい‼︎あの、私とデュエルしていただけませんか‼︎」
刀花ちゃんがどこか緊張した様子で桜ちゃんにデュエルを申し込む。
もしかして、私と直接デュエルしたら不味いから、桜ちゃんとデュエルをして私に刀花ちゃんのデュエルを見せようとしてくれてるのかな?
だけど、そのわりには凄く緊張してるみたいなんだけど………
そんな刀花ちゃんの様子に桜ちゃんは首を傾げながら応える。
「別に構わないし、理由も分かるけど、なんでそんなに緊張してるのよ?」
「その、ご存知だとは思うのですが、私達は栗原先輩と宝月先輩の期末試験でのデュエルを映像で見せていただいたんです」
「うぐっ………分かってたことではあるけど、あのデュエルが下級生に広まってるっていうのはダメージがデカいわね」
刀花ちゃんの言葉に、桜ちゃんは恥ずかしそうに頭を抱えて項垂れる。
刀花ちゃんは首を傾げているが、桜ちゃんの気持ちは凄く分かる。
あの期末試験での桜ちゃんとのデュエルは、私が神路祇君とデュエルすることをかけて、お互いに譲れない思いを込めて全力で戦ったデュエルだ。
だからこそ、あのデュエルはお互い感情のままにぶつかり、デュエルの後には桜ちゃんは感極まって泣いてしまっていて、それが見られていると思うと頭も抱えたくなるよね。
「えっと、それで、そのデュエルを見せて貰った時から是非宝月先輩とデュエルして見たかったんです。あんな綺麗なデュエルをする宝月先輩と」
「綺麗?私のデュエルが?」
「はい‼︎」
自分のデュエルが綺麗と言われ、思わず顔を上げた桜ちゃんに刀花ちゃんは興奮したように何度も頷く。
「栗原先輩とのデュエルでの流れるようなカード捌きから生み出された完全なエクストラリンク。あんな綺麗なデュエル、初めて見ました。だから、そんな宝月先輩のデュエルと実際にデュエルしてみたいんです‼︎」
「うっ………そんなきらきらした目で見られると照れるわね………この真っ直ぐさ、誰かさんの姿が重なるわ」
そういって、桜ちゃんは何故か私の方をチラッと見て、観念したようにため息を吐いた。
「はぁ〜分かったわ。デュエルしましょ、刀花。アンタの期待に応えれるかは、分からないけどね」
「‼︎本当ですか⁉︎ありがとうございます‼︎」
「遊花も、それでいいかしら?」
「うん‼︎刀花ちゃんのデュエルも見れるし、桜ちゃんがデュエルしてるところを見るのも私は大好きだから」
「っ〜〜〜また恥ずかしいことを………ああもう‼︎はじめるわよ、刀花‼︎アンタの実力、私達に見せてみなさい‼︎」
「は、はい‼︎未熟な身ですが、精一杯ぶつからせていただきます‼︎よろしくお願いいたします‼︎」
そういって、2人は距離をとるとデュエルディスクを起動し、デュエルの始まりを告げる言霊を発した。
『決闘‼︎』
桜 LP8000
刀花 LP8000
ーーーーーーー
●
「先攻は私です‼︎まずは永続魔法、サイバネットコーデックを発動‼︎さらに私はドラコネットを召喚します‼︎」
〈ドラコネット〉☆3 サイバース族 闇属性
ATK1400
刀花が最初に出してきたのはデータの身体を持つ小型のドラゴンのようなモンスターだった。
さて、1年生の学年2位の実力、しっかり見せて貰おうじゃない。
「ドラコネットの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、手札・デッキからレベル2以下の通常モンスター1体を守備表示で特殊召喚します‼︎来てください、ビットロン‼︎」
〈ビットロン〉☆2 サイバース族 地属性
DEF2000
ドラコネットが電波を飛ばすと、その電波をキャッチして白い羽根を持つ小さな球体のモンスターが現れた。
そして刀花は正面に手をかざす。
「現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
「リンク召喚ね」
刀花の正面に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は通常モンスター1体‼︎私はビットロンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎リンクスパイダー‼︎」
〈リンクスパイダー〉LINK1 サイバース族 地属性
ATK1000 ↓
ビットロンがサーキットの中に吸い込まれていき、代わりに機械の蜘蛛がサーキットの中から現れる。
「リンクスパイダーの効果発動‼︎1ターンに1度、自分メインフェイズに手札からレベル4以下の通常モンスター1体をこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する‼︎来てください、デジトロン‼︎」
〈デジトロン〉☆2 サイバース族 地属性
DEF0
リンクスパイダーがデータの糸を吐き出すと、その糸に釣られてビットロンに似た角を持つ小さな球体のモンスターが現れた。
「次、行きます‼︎現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
「連続リンク召喚………」
刀花の正面に再び巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は効果モンスター2体‼︎私はリンクスパイダーとドラコネットをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎戦いの始まりを告げる電子の騎士‼︎リンク2‼︎コードトーカー‼︎」
〈コードトーカー〉LINK2 サイバース族 闇属性
ATK1300 ↑↓
サーキットから現れたのは無色の鎧を纏う騎士。
「この瞬間、永続魔法、サイバネットコーデックの効果発動‼︎コードトーカーモンスターがEXデッキから自分フィールドに特殊召喚された場合、そのモンスター1体を対象としてそのモンスターと同じ属性のサイバース族モンスター1体をデッキから手札に加えます‼︎ただし、このターン、同じ属性のモンスターを自分のサイバネットコーデックの効果で手札に加える事はできず、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしかEXデッキから特殊召喚できません。さらにこのカード名の効果は同一チェーン上では1度しか発動できません」
「成る程ね。刀花のデッキはサイバース族、特にそのコードトーカーモンスターが軸になってるってわけね………それにしても、刀花の名前でそのデッキは狙いすぎじゃない?そりゃ真紅に"
「うぐっ‼︎い、言わないでください‼︎私だって少し気にしてるんですから‼︎でも、これお父さんから貰ったデッキですし、今更使うのを止めるのなんて………」
「あー刀花が使ってることを否定するつもりはないわよ?悪かったわね、気にしてることに触れちゃって」
想像以上に刀花が傷ついた表情を浮かべたので、私は罰が悪く思いながら謝る。
そんな私に、刀花は慌てて手と首をブンブンと振る。
「い、いえいえ‼︎宝月先輩が謝る必要なんてありません‼︎私だって自覚はしてますから‼︎そ、それよりもデュエルを続けますね‼︎サイバネットコーデックの効果でデッキから闇属性のサイバース族モンスター、マイクロコーダーを手札に加えます‼︎まだまだ行きます‼︎現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
「またリンク召喚か………」
「召喚条件はサイバース族モンスター2体以上‼︎この瞬間、手札のマイクロコーダーの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分フィールドのサイバース族モンスターをコードトーカーモンスターのリンク素材とする場合、手札のこのカードもリンク素材にできます‼︎」
「っ⁉︎手札からリンク素材にできるモンスター⁉︎」
「私は手札のマイクロコーダーとコードトーカーを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
刀花の手札からコードトーカーを更に小さくしたような騎士が、フィールドからコードトーカーが2体に分身してサーキットに吸い込まれる。
そしてサーキットが輝くと中から現れたのは巨大な盾を持つ透き通った水色の鎧を纏った騎士。
「リンク召喚‼︎勝利を導く守護騎士‼︎リンク3‼︎エンコードトーカー‼︎」
〈エンコードトーカー〉LINK3 サイバース族 光属性
ATK2300 ↑↓↘︎
「今度は光属性のコードトーカーか」
「再び永続魔法、サイバネットコーデックの効果、それにチェーンしてマイクロコーダーの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、コードトーカーモンスターのリンク素材として手札・フィールドから墓地へ送られた場合、デッキからサイバネット魔法・罠カード1枚を手札に加え、フィールドのこのカードを素材とした場合にはその1枚をサイバース族・レベル4モンスター1体にできます。私はデッキから永続魔法、サイバネットオプティマイズを手札に加えます。さらにサイバネットコーデックの効果でデッキから光属性のサイバース族モンスター、サイバースガジェットを手札に加えます‼︎」
「連続リンク召喚をしてるハズなのに手札がなかなか減らないわね………」
「私は今手札に加えた永続魔法、サイバネットオプティマイズを発動し、その効果を発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分メインフェイズにサイバース族モンスター1体を召喚します‼︎ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしかEXデッキから特殊召喚できません」
「っ、また召喚ができるのね。おまけにその縛りなんてあってないようなものじゃない」
「私はバランサーロードを召喚します‼︎」
「げっ‼︎そのモンスターは………」
〈バランサーロード〉☆4 サイバース族 光属性
ATK1700
現れたのはデータの身体を持つ戦士のモンスター。
この状況で出てくるのは、少し辛いわね。
「バランサーロードの効果発動‼︎1ターンに1度、ライフポイントを1000払ってこのターン自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにサイバース族モンスター1体を召喚できます‼︎私はライフポイントを1000払って、サイバースガジェットを召喚します‼︎」
刀花 LP8000→7000
〈サイバースガジェット〉☆4 サイバース族 光属性
ATK1400
現れたのは頭にガジェットをつけたロボットのモンスター。
「サイバースガジェットの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象としてそのモンスターを守備表示で特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化されます。戻って来てください、マイクロコーダー‼︎」
〈マイクロコーダー〉☆1 サイバース族 闇属性
DEF0
これで刀花のフィールドには一気にモンスターが並んだ。
これは、また来るわね。
「現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
「まあ、そうよね」
「召喚条件は効果モンスター2体以上‼︎私はバランサーロード、サイバースガジェット、マイクロコーダーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
バランサーロード、サイバースガジェット、マイクロコーダーがサーキットに吸い込まれる。
そしてサーキットが輝くと中から現れたのは巨大な銃を持つ橙色の鎧を纏った騎士。
「リンク召喚‼︎騎士達を纏める騎士団長‼︎リンク3‼︎トランスコードトーカー‼︎」
〈トランスコードトーカー〉LINK3 サイバース族 地属性
ATK2300 ↑↓→
「次は地属性のコードトーカーか」
「再び永続魔法、サイバネットコーデックの効果、それにチェーンしてサイバースガジェットの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分フィールドサイバース族、光属性、レベル2、攻撃力守備力0のガジェットトークン1体を特殊召喚します‼︎来てください、ガジェットトークン‼︎」
〈ガジェットトークン〉☆2 サイバース族 地属性
DEF0
刀花のフィールドにサイバースガジェットが頭につけていたガジェットが現れる。
「さらにサイバネットコーデックの効果でデッキから地属性のサイバース族モンスター、コードジェネレーターを手札に加えます‼︎」
「っ、本当に手札が全然減らないわね」
「そしてトランスコードトーカーの永続効果、ブリリアントコマンダー‼︎このカードが相互リンク状態の場合、このカード及びこのカードの相互リンク先のモンスターの攻撃力は500ポイントアップし、相手の効果の対象になりません‼︎」
トランスコードトーカー
ATK2300→2800
エンコードトーカー
ATK2300→2800
「更にトランスコードトーカーの効果発動‼︎リターンコマンド‼︎同名カードは1ターンに1度、トランスコードトーカー以外の自分の墓地のリンク3以下のサイバース族リンクモンスター1体を対象としてそのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する‼︎ただし、この効果を発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できません‼︎戻って来てください、コードトーカー‼︎」
〈コードトーカー〉LINK2 サイバース族 闇属性
ATK1300 ↑↓
再びフィールドにコードトーカーが舞い戻る。
これは、まだしばらくは終わりそうにないわね。
「まだ止まりません‼︎現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
刀花の正面にこのターン6回目のサーキットが現れる。
「召喚条件はモンスター3体‼︎私はデジトロン、ガジェットトークン、コードトーカーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
デジトロン、ガジェットトークン、コードトーカーがサーキットに吸い込まれる。
そしてサーキットが輝くと中から現れたのは手甲状のパーツからクワガタムシの顎のような爪が伸びた燃えるような赤色の鎧を纏った騎士。
「リンク召喚‼︎全てを打ち砕く豪胆なる騎士‼︎リンク3‼︎パワーコードトーカー‼︎」
〈パワーコードトーカー〉LINK3 サイバース族 炎属性
ATK2300→2800 ↙︎←→
「お次は炎属性のコードトーカー………そろそろ止まって欲しいところね」
「永続魔法、サイバネットコーデックの効果発動‼︎デッキから炎属性のサイバース族モンスター、デグレネードバスターを手札に加えます‼︎そして私は墓地にいるバランサーロードとドラコネットを除外してデグレネードバスターを特殊召喚します‼︎」
〈デグレネードバスター〉☆7 サイバース族 炎属性
ATK2500
現れたのは両肘にドリルをつけたロボットのモンスター。
「そして除外されたバランサーロードの効果発動‼︎このカードが除外された場合、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚します‼︎来てください、コードジェネレーター‼︎」
〈コードジェネレーター〉☆3 サイバース族 地属性
ATK1300
現れたのはトランスコードトーカーを小型化したようなモンスター。
「そして現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
「まだ続くわよね………」
「召喚条件はサイバース族モンスター2体‼︎私はデグレネードバスターとコードジェネレーターをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎戦いの終局を告げる電子の騎士‼︎リンク2‼︎コードトーカーインヴァート‼︎」
〈コードトーカーインヴァート〉LINK2 サイバース族 光属性
ATK1300 ←→
サーキットから現れたのはコードトーカーに似た白銀の鎧を纏う騎士。
「コードトーカーインヴァートの効果、それにチェーンしてコードジェネレーターの効果発動‼︎このカードがコードトーカーモンスターのリンク素材として手札・フィールドから墓地へ送られた場合、デッキから攻撃力1200以下のサイバース族モンスター1体を墓地へ送り、そしてフィールドのこのカードを素材とした場合には墓地へ送らず手札に加える事もできます‼︎私はデッキからドングルドングリを手札に加えます‼︎そしてコードトーカーインヴァートの効果発動‼︎このカードがリンク召喚に成功した場合に、手札からサイバース族モンスター1体をこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚します‼︎来てください、ドングルドングリ‼︎」
〈ドングルドングリ〉☆1 サイバース族 闇属性
DEF0
インヴァートに導かれフィールドに現れたのはUSBコネクタにドングリがくっ付いているようなモンスター。
「ドングルドングリの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドにサイバース族・闇属性・レベル1・攻撃力守備力0のドングルトークン1体を特殊召喚します‼︎来てください、ドングルトークン‼︎」
〈ドングルトークン〉☆1 サイバース族 闇属性
DEF0
ドングルドングリがUSBコネクタから外れりと、USBコネクタがそのままトークンとしてモンスターに変わる。
このフィールド………嫌な予感がしてきたわね。
「あと少し‼︎現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
刀花の正面に現れるのはこのターン8回目のサーキット。
「召喚条件はサイバース族モンスター2体以上‼︎私はドングルトークン、コードトーカーインヴァートを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
ドングルトークンとインヴァート2体に分身してサーキットに吸い込まれる。
そしてサーキットが輝くと中から現れたのは巨大な緑色の鎧を纏った魔導騎士。
「リンク召喚‼︎戦場に終焉をもたらす叡智の騎士‼︎リンク3‼︎エクスコードトーカー‼︎」
〈エクスコードトーカー〉LINK3 サイバース族 風属性
ATK2300 ←↑→
「今度は風属性のコードトーカー………」
「永続魔法、サイバネットコーデックの効果、それにチェーンしてエクスコードトーカーの効果発動‼︎ヴァイアビィラティクローズ‼︎このカードがリンク召喚に成功した時、EXモンスターゾーンのモンスターの数だけ、使用していないメインモンスターゾーンを指定して指定したゾーンはこのモンスターが表側表示で存在する間は使用できません‼︎」
「っ⁉︎モンスターゾーンを封じる効果⁉︎」
「私が指定するのはエンコードトーカーの正面、エンコードトーカーのリンクマーカーが向いているゾーンを指定します‼︎」
エクスコードがエンコードの正面にある私のゾーンに重力場を放ち、エンコードの正面のゾーンを消失させた。
エンコードのリンクマーカー先へのEXデッキからの特殊召喚を封じてきた。
そして刀花のフィールドにはまだドングリが残っている。
ということは、刀花の狙いは………
「サイバネットコーデックの効果でデッキから風属性のサイバース族モンスター、ガベージコレクターを手札に加えます‼︎これで最後です‼︎現れて‼︎未来を描くサーキット‼︎」
刀花の正面にこのターン最後のサーキットが現れる。
「召喚条件はレベル2以下のサイバース族モンスター1体‼︎私はドングルドングリをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎トークバックランサー‼︎」
〈トークバックランサー〉LINK1 サイバース族 闇属性
ATK1200 ↓
もう1つのエクストラモンスターゾーンに緑と青の鎧を着た槍兵が現れる。
これで、刀花のモンスターは全て相互リンクで繋がった。
「やっぱり、狙いはエクストラリンクだったのね」
「エクスコードトーカーの効果に頼ってエンコードトーカーのリンクマーカーを封じてるので宝月先輩みたいな完璧なエクストラリンクではありませんが、これで宝月先輩のEXデッキは完全に封じました‼︎」
やりきった表情で嬉しそうに刀花がそう告げる。
「私みたいに完璧じゃない………ね」
その言葉に私は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
私のエクストラリンクはトーチゴーレムとカグヤ、そしてファイアウォールの効果を使って強引に行ったものだ。
それに引き換え刀花のエクストラリンクはサーチや特殊召喚を繰り返し、リンク3であるコードトーカーモンスターを並べて堅実に完成させたものだ。
完成度で言えば、間違いなく刀花のエクストラリンクの方が上だ。
これが高等部1年、学年2位の実力………
「さらにエクスコードトーカーの永続効果、ダブルコネクト‼︎このカードのリンク先のモンスターは、攻撃力が500ポイントアップし、効果では破壊されません‼︎」
パワーコードトーカー
ATK2800→3300
トークバックランサー
ATK1200→1700
「私だけが宝月先輩のデッキを把握しているのも不公平なので、改めて私の布陣を説明しておきます。トランスコードトーカーの永続効果でトランスコードトーカー及びトランスコードトーカーの相互リンク先のモンスターの攻撃力は500ポイントアップし、相手の効果の対象にならず、エクスコードトーカーの永続効果で、エクスコードトーカーのリンク先のモンスターは、攻撃力が500ポイントアップし、効果では破壊されません。さらにエンコードトーカーの効果、リフレクトサンクチュアリで、1ターンに1度、このカードのリンク先の自分のモンスターが、そのモンスターより攻撃力が高い相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に、その自分のモンスターはその戦闘では破壊されず、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になり、そのダメージ計算後、このカードまたはこのカードのリンク先の自分のモンスター1体を選び、その攻撃力をターン終了時まで、その戦闘を行った相手モンスターの攻撃力分アップします。またパワーコードトーカーの効果、マキシマムインクリースは1ターンに1度、パワーコードトーカーが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、パワーコードトーカーのリンク先の自分のモンスター1体をリリースし、このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、元々の攻撃力の倍になります」
「つまり、エンコードトーカー、トランスコードトーカー、パワーコードトーカーは戦闘破壊も効果による除去も難しいってわけね」
「さらにパワーコードトーカーのもう1つの効果、リストラクションブレイクは1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターの効果をターン終了時まで無効にし、永続魔法サイバネットオプティマイズには自分のコードトーカーモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できなくなります」
「効果無効まであるなら本格的に戦闘でどうにかするのは厳しいわね」
「そしてトランスコードトーカーの効果で同名カードは1ターンに1度、トランスコードトーカー以外の自分の墓地のリンク3以下のサイバース族リンクモンスター1体を対象としてそのモンスターをトランスコードトーカーのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚し、トークバックランサーもこのカード以外の自分フィールドのサイバース族モンスター1体をリリースし、そのモンスターと元々のカード名が異なる自分の墓地のコードトーカーモンスター1体を対象としてそのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する効果があります」
「っ、面倒な効果ばかり………少し破壊したぐらいじゃ蘇生させて元通りってわけね………」
「私はこれでターンエンドです」
桜 LP8000 手札5
ーーーーー ー
ー×ーーー
☆ ☆
ー☆☆☆ー
ー△△ーー ー
刀花 LP7000 手札2
「本当に、大したものね。高等部1年でこれだけのことができるなら、確かに学年2位にだってなれるわ」
「えへへ、ありがとうございます」
刀花が照れたように笑う。
確かに刀花の布陣は強力だ。
エクストラリンクが成立してるし、それぞれのコードトーカー達がお互いを強化し、その布陣をより強固にしている。
だけどーーー
「だけど、私だって上級生としてのプライドがあるの。私と遊花のデュエルを見せて貰ったみたいだけど、あのデュエルで私の全てを見せれたわけじゃないし、私だってあのデュエルの時から成長してる。それに………教えてあげるわ。私はエクストラリンクを使うけど、
「………えっ?」
私の言葉に刀花は目を丸くする。
そんな刀花に、私は好戦的な笑みを浮かべて勢いよくカードを引き抜いた。
「そのエクストラリンク、壊させて貰うわよ‼︎私のターン、ドロー‼︎私は刀花のエンコードトーカーをリリースし、海亀壊獣ガメシエルを刀花のフィールドに攻撃表示で特殊召喚‼︎」
「っ⁉︎エンコードトーカー⁉︎」
〈海亀壊獣ガメシエル〉☆8 水族 水属性
ATK2200
エンコードを喰らい、刀花のフィールドに巨大な亀が現れる。
「私のモンスターをリリースして私のフィールドにモンスターを………」
刀花が現れたガメシエルを見て目を見開いく。
やっぱり、刀花は私の壊獣の効果を知らなかったみたいね。
刀花は私と遊花のデュエルを見せられたらしいけど、私は期末試験での遊花とのデュエルでは壊獣達の効果を使っていなかった。
何故なら、私の戦略を知っている遊花が私にヘルテンペストを使わせないためにフィールドにモンスターを残さないように動いていたからだ。
だからこそ、あのデュエルで壊獣の効果を使用する機会は最後までなかったんだけど、それがこんな形で役に立つなんてね。
「っ‼︎エンコードトーカーがリリースされたということは‼︎」
「これで刀花のエクストラリンクは壊れたわ。まずは行くわよ、相棒‼︎月より来たる永遠の姫‼︎
〈妖精伝姫-カグヤ〉☆4 魔法使い族 光属性
ATK1850
現れたのは月のマークが入っている扇子を持ったお姫様。
カグヤは挨拶をするように私に扇子をひらひらと振ってにこやかに笑うのを見て、私は思わず顔を顰める。
「………妖精伝姫-カグヤの効果発動!召喚に成功した時、デッキから攻撃力1850の魔法使い族モンスター1体を手札に加える。私は2体目の妖精伝姫-カグヤを手札に加えるわ。妖精伝姫-カグヤの効果発動‼︎アンリーゾナブルディマンド‼︎1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動‼︎相手はそのモンスターの同名カード1枚を自身のデッキ・EXデッキから墓地へ送ってこの効果を無効にできる。墓地へ送らなかった場合、このカードと対象のモンスターを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できるわ。対象は勿論、海亀壊獣ガメシエルよ」
「っ、私のデッキに海亀壊獣ガメシエルは入ってません………」
刀花がそう宣言するとカグヤがガメシエルに向かって歩いていき、その巨体を軽々と持ち上げ、私に向けて放り投げるとガメシエルはカードとして手札に戻り、カグヤもドヤ顔で胸を張りながら私の手札に戻っていった。
その姿を見て、私は思わず頭を抱える。
………やっぱり最近カグヤが意思を持って動いてる気がするのよね。
疲れてるのかしら、私。
「宝月先輩?」
突然頭を抱えた私を見て、刀花が心配そうに首を傾げる。
………色々思うところはあるけれど、刀花に心配かけるわけにもいかないわね。
「………何でもないわ。続けるわよ?私は刀花のトランスコードトーカーをリリースし、再び海亀壊獣ガメシエルを特殊召喚‼︎」
「っ、トランスコードトーカーまで………」
〈海亀壊獣ガメシエル〉☆8 水族 水属性
ATK2200
トランスコードを喰らい、刀花のフィールドに再びガメシエルが現れる。
「トランスコードトーカーがいなくなったことでパワーコードトーカーの攻撃力も下がるわね」
パワーコードトーカー
ATK3300→2800
「次行くわよ、手札の
「転生炎獣?聞いたことがないサイバース族モンスターですね」
「そして今手札に加えた転生炎獣ガゼルの効果発動‼︎1ターンに1度転生炎獣ガゼル以外のサラマングレイトモンスターが自分の墓地に送られた場合、このカードを手札から特殊召喚する‼︎」
〈転生炎獣ガゼル〉☆3 サイバース族 炎属性
DEF1000
私のフィールドに現れるのは炎を纏ったガゼルのモンスター。
「転生炎獣ガゼルのもう1つの効果発動‼︎1ターンに1度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから転生炎獣ガゼル以外のサラマングレイトカード1枚を墓地に送る。私はデッキから
「また転生炎獣………」
「墓地に存在する転生炎獣スピニーの効果発動‼︎自分フィールドに転生炎獣スピニー以外のサラマングレイトモンスターが存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外されるわ‼︎」
〈転生炎獣スピニー〉☆3 サイバース族 炎属性
DEF1500
私の墓地からガゼルに寄り添うように炎を纏ったアルマジロトカゲが現れる。
私はそれを見て正面に手をかざす。
「私の新しい力、存分に見せてあげるわ‼︎私はレベル3の転生炎獣ガゼルと転生炎獣スピニーでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
「エクシーズ召喚⁉︎」
ガゼルとスピニーが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると空から舞い降りるのは炎を纏った荒馬。
「さあ、初陣よ‼︎輪廻を駆ける幻想の荒馬‼︎
〈転生炎獣ミラージュスタリオ〉★3 サイバース族 炎属性
ATK2000
「サイバース族のエクシーズモンスター………」
「転生炎獣ミラージュスタリオの効果発動‼︎シードオブファイア‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除いてデッキからサラマングレイトモンスター1体を守備表示で特殊召喚する‼︎ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分は炎属性以外のモンスターの効果を発動できないわ。私はデッキから
〈転生炎獣フェネック〉☆3 サイバース族 炎属性
DEF200
ミラージュスタリオが嘶くとその声に誘われて炎のついた尻尾を持つ狐が姿を現わす。
「そして、行くわよ‼︎繋がって‼︎希望に導くサーキット‼︎」
「‼︎ここでリンク召喚⁉︎」
「召喚条件は炎属性の効果モンスター2体‼︎私は転生炎獣ミラージュスタリオと転生炎獣フェネックをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎
〈転生炎獣サンライトウルフ〉LINK2 サイバース族 炎属性
ATK1800 ↓↑
ミラージュスタリオとフェネックがサーキットに吸い込まれ、代わりに炎を纏った機械的な狼が現れる。
「何でせっかく出したエクシーズモンスターを使ってリンク召喚を………」
「勿論、意味があるからよ。転生炎獣フェネックの効果、それにチェーンして転生炎獣ミラージュスタリオの効果発動‼︎バックドラフト‼︎エクシーズ召喚したこのカードがサラマングレイトリンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合、フィールドのモンスター1体を対象としてそのモンスターを持ち主の手札に戻す‼︎」
「えっ⁉︎リンク素材にされた時に効果を発動させるエクシーズモンスター⁉︎」
「対象はエクスコードトーカー‼︎」
リンク素材として消えたハズのミラージュスタリオが炎でできた幻影となって現れ、エクスコードトーカーを吹き飛ばす。
「エクスコードトーカーがいなくなったことで私の使用不能ゾーンは解除され、パワーコードトーカーとトークバックランサーの攻撃力も下がるわ」
パワーコードトーカー
ATK2800→2300
トークバックランサー
ATK1700→1200
「そして転生炎獣フェネックの効果発動‼︎このカードがリンク2以上のサイバース族リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合、デッキからサラマングレイト通常魔法カード1枚を手札に加える。私はデッキからフュージョンオブファイアを手札に加えるわ。このカードはルール上サラマングレイトカードとしても扱うからサーチすることができるわ」
「フュージョン………まさか、融合魔法⁉︎」
「ご名答よ。魔法カード、フュージョンオブファイア‼︎自分の手札及び自分・相手フィールドからサラマングレイト融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚するわ‼︎私は手札の
「っ⁉︎私のモンスターを使って融合召喚⁉︎」
私の手札から現れた炎を纏ったジャガーとパワーコードが稲妻を纏った炎の渦に呑み込まれていく。
「炎を纏し獣よ、豪胆なる騎士と交わりて、新たな世界に、生命の炎を灯せ‼︎融合召喚‼︎」
そして渦が弾けると、フィールドに降り立つのは全身から紫炎を撒き散らす紫色の魔獣。
「紫炎を司る古の魔獣‼︎
〈転生炎獣ヴァイオレットキマイラ〉☆8 サイバース族 炎属性
ATK2800
「今度はサイバース族の融合モンスター………」
「転生炎獣ヴァイオレットキマイラの効果にチェーンして転生炎獣サンライトウルフの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードのリンク先にモンスターが召喚・特殊召喚された場合、自分の墓地から炎属性モンスター1体を選んで手札に加える‼︎ただし、このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できない。私は墓地の転生炎獣ウルヴィーを手札に加えるわ。転生炎獣ヴァイオレットキマイラの効果発動‼︎リインカネーションブレイズ‼︎このカードが融合召喚に成功した場合に、このカードの攻撃力はターン終了時まで、素材としたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分だけアップする‼︎私が素材にしたのは攻撃力1800の転生炎獣Jジャガーと攻撃力2300のパワーコードトーカー‼︎よって転生炎獣ヴァイオレットキマイラの攻撃力は2100ポイントアップするわ‼︎」
転生炎獣ヴァイオレットキマイラ
ATK2800→4900
「攻撃力4900………⁉︎」
「そして墓地から手札に加わった転生炎獣ウルヴィーの効果発動‼︎このカードが効果で自分の墓地から手札に加わった場合、このカードを相手に見せ、自分の墓地の炎属性モンスター1体を対象としてそのモンスターを手札に加えるわ。私は墓地から転生炎獣ガゼルを手札に加えるわ」
「うぅ、全然手札が減りません………」
「それはアンタもでしょうが………行くわよ、バトル‼︎転生炎獣サンライトウルフでトークバックランサーを攻撃‼︎サンライトオーバードライブ‼︎」
サンライトウルフが炎を纏った拳でトークバックに殴りかかる。
しかし、その拳がトークバックに触れようとした瞬間、トークバックが持っていた槍が黄色の蛇に変わり、サンライトウルフを吹き飛ばした。
「手札からプロフィビットスネークの効果を発動‼︎自分のサイバース族リンクモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に、このカードを手札から墓地へ送ってその相手モンスターを持ち主の手札に戻します‼︎」
「っ⁉︎そんなモンスターが………………海亀壊獣ガメシエルは残っちゃうわね。でも、トークバックランサーを残すわけにはいかない………リンクモンスターだけでも殲滅するわ‼︎転生炎獣ヴァイオレットキマイラでトークバックランサーを攻撃‼︎インフュアリエイティングインレジュメント‼︎」
紫炎を纏ったヴァイオレットキマイラが1つの弾丸となり、トークバックを貫く。
身体を貫かれたトークバックは、その熱量で内側から身体を溶かされ跡形もなく消滅した。
刀花 LP7000→3300
「うぅ………凄い………やっぱり、宝月先輩、強いです。私のエクストラリンクをあんな方法で突破されるなんて、思っても見ませんでした」
そういって、刀花がどこか嬉しそうに笑う。
そんな刀花の様子に首を傾げながら、私は思わず刀花に問いかける。
「何だか嬉しそうね。状況としては刀花の方が不利だと思うんだけど?」
「確かに、戦況は私の方が不利です。サイバネットコーデックもサイバネットオプティマイズだって残ってますが、手札はガベージコレクターしか残ってません。それでも、宝月先輩とのデュエルは凄く楽しいんです。宝月先輩は、私が思ってた通りの………いえ、私の先を行く凄い決闘者ですから」
「っ………」
そういって刀花が心底楽しそうな笑顔を浮かべる。
私はその心底楽しそうな笑顔を見て、思わずデュエルを観戦している遊花に視線を向ける。
遊花は、胸の前で小さな拳を握りしめながら、楽しそうに私達のデュエルを見ていた。
………やっぱり、重なるわね。
刀花の姿に、遊花の姿が。
「だから、負けちゃうかも知れませんけど、最後まで諦めないでデュエルします。私の全力が宝月先輩にどれだけ通用するのか、試して見たいんです‼︎」
「………そう。なら、精一杯刀花の全力をぶつけなさい。先輩らしく、正面から刀花を受け止めてあげるわ」
「‼︎はい、お願いします‼︎」
「メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンドよ。エンドフェイズ、転生炎獣ヴァイオレットキマイラの攻撃力は元に戻るわ」
転生炎獣ヴァイオレットキマイラ
ATK4900→2800
ヴァイオレットキマイラが纏っていた炎が消え、攻撃力が元に戻る。
刀花の目は、まだ死んでいない。
いや、死んでいないどころかデュエルが始まった時よりも輝きを増している。
このデュエルは、間違いなくここからが本番だ。
だけど、こんな私に憧れてくれている刀花に、こんな私を見守ってくれている遊花に、無様なところなんて見せられない。
だから、例え刀花がどんな戦術を繰り出してこようとも、その戦術を超えてみせるわ‼︎
桜 LP8000 手札4
ーー▲ーー ー
ー○ーーー
ー ー
○ーーーー
ー△△ーー ー
刀花 LP3300 手札1
次回予告
刀花のデュエルに、遊花の姿を見た桜は全力で刀花を迎え撃つ。
激しさを増すデュエルの中、桜は自分の変化に気付く。
桜が自身と向き合う時、桜の耳に相棒の声が響く。
次回 遊戯王Trumpfkarte
『全てを壊す獣の姫』
次回は桜のデュエル回後編。
桜視点でお送りする予定です。
刀花とのデュエルの結末は?
次回をお楽しみに。
そんなところで今回はここまで。
皆さま、今回は本当に遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
春休みからの新年度という影響もあり、仕事の忙しさが普段の数倍になり疲れすぎて帰ったら玄関先でぶっ倒れて眠るぐらいには大変だったので、とてもじゃないですが更新ができるような状態じゃなかったんです。
とりあえず春休みも何とか乗り越えれたので、更新ペースを戻せるように頑張ります‼︎
と言ったところで今回はここでお開き。
ではでは〜