遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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お待たせ致しました。
今回は遊騎のデュエル回です。
遊騎視点と第3者視点が入り乱れてお送りします。
それでは本編へGO‼︎



第64話 悪意の庭

○ 

 

 

「クックックッ、ハハハハハ‼︎また1つ、完成したぞ‼︎私の至高の作品が‼︎やはり、私の才能に不可能はない‼︎」

 

薄暗い部屋の中、抑えきれない歓喜と狂気を含んだ男の笑い声が響き渡る

 

「へぇーまた新しいカードが出来たんだーそれにしても、もう少し静かにすることはできないのかな?」

 

「っ⁉︎また君か………どうにかならないのか、君のその神出鬼没さは」

 

「自分でどうにかできるならしてるんだけどねー残念なことにそうはいかないんだよ。あなたも分かってるでしょ?」

 

狂気を含んだ男の笑い声が響く部屋に、突如としてどこか呆れたような幼い少女の声が加わる。

 

男が声が聞こえた方に視線を向けると、デスクの上に腰をかけ、デスクの上においてあったスケッチブックをパラパラと見ながら、男にジト目を向ける幼い少女がいた。

 

突然現れてジト目を向けてくる少女に、男は近くに置いてあった3枚のカードを少女に向かって投げつけた。

 

「おっと、だからいきなり投げないでってばー」

 

「テストプレイが必要だ。君にはそのカードのテストプレイをして貰いたい」

 

「あれ?珍しいね、私がテストプレイをしてもいいの?街にばら撒くんじゃなくて?」

 

少女はスケッチブックをデスクの上に戻し、カードを投げつけられたことに不満を漏らしながらも意外そうな声を出す。

 

そんな少女に男は再び近くにおいてあったカードを手に取りながら口を開く。

 

「そのカードはまだ表に出すには早い。あまり情報が出回ると面倒だ。ゲームでも自分のレベルが5や10に到達した瞬間に敵のレベルが50まで跳ね上がれば手も足もでないだろう?」

 

「へぇ、それだけ強力な力なんだ」

 

「だが、そうなるのは私としても本位ではない。となれば、君が使うのが1番だろう。君の力なら誰の記憶にも残らないのだから( ・・・・・・・・・・・・・・)。そうだろう、正体不明の抹消者( アンノウンイレイザー)?」

 

「勝手に変な名前をつけないで欲しいんだけどね………まあいいや。面白そうだし、乗ってあげるよ。そろそろ退屈だったから、どこかで遊んでこようと思ってたんだー」

 

そういうと、少女は勢いよくデスクから飛び降りる。

 

そのままいつものように消えようとした少女に、男は待ったをかける。

 

「待ちたまえ。君にもう1つテストプレイして貰いたいものがある」

 

「………何?言っておくけど、また投げ渡してきたらやらないからねー」

 

少女の言葉に再びカードを投げ渡そうとしていた男は動きを止め、仕方がなさそうに少女に2枚のカードを手渡す。

 

「これを試すの………って、これ白紙じゃんかーこれで何を試すのさ?」

 

何も書かれていない白紙のカードを見て少女は眉をひそめる。

 

そんな少女に男は楽しそうな声色で口を開いた。

 

「ククク、そのカードは白紙で構わないのだよ。そのカードは闇の力を込めることでカードへと変化するのさ」

 

「闇の力を?」

 

「気が向いた時で構わない。そのカードに闇の力を込めてみるといい。そうすればそのカードは新たな形を得るだろう。それがそのカードのテストプレイだ」

 

「へぇ、まあ楽しそうならなんでもいいよ。それじゃあね」

 

そういうと、まるで初めからその部屋にいなかったかのように、少女の姿と気配が消えた。

 

少女がいなくなった部屋の中で、男は少女が手にしていたスケッチブックを開くと、忌々しそうに表情を歪めた。

 

「私の才能こそ至高のハズなのだ………私の才能こそ………」

 

狂気を孕んだ男の呟きに、答える者はいなかった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

「………ふぅ、ようやく終わりだな」

 

公園のゴミを集めたゴミ袋を抱え、俺は額に浮かぶ汗を拭いながら一息つく。

 

大和とのデュエルから2日が経った。

 

結局あの後、夜と闇のカード探しをしたのだが、大和が再び俺の前に現れることはなかった。

 

闇のことを警戒しているのか、他の場所で闇のカードを狩っているのかは分からないが、俺としても今の状態で再び大和とデュエルをすればただでは済まないだろうから、ホッとしている。

 

結局、闇から大和のことについてそれ以上聞くことはできなかった。

 

それは俺に隠すことなんてないと公言していた闇が珍しく言い淀んだからだ。

 

頼めば教えてはくれるんだろうが、あの闇が言い淀んだということは余程の理由があるのだろう。

 

俺だって、自分がプロリーグを追放された時のことなんてそう易々と他人に話せることじゃない。

 

誰にだって、触れて欲しくない記憶はある。

 

俺や遊花であれば両親のこと、闇にとってはそのことが触れて欲しくないことだったという話だ。

 

親しき仲にも礼儀あり。

 

だからこそ、俺は闇が自分から話してくれるか大和から直接話しを聞けるまではこの話を忘れることにしたのだった。

 

「そっちはいいとして、闇のカードについても少しは手掛かりを得たいところだよなぁ」

 

そう呟き、思わずため息を吐く。

 

闇もそうだが、今回の事件には決定的に分からないことが多すぎる。

 

闇のカードをばら撒いているのは誰なのか?

 

闇のカードを何のためにこの街にばら撒いているのか?

 

俺が闇のカードのことを追ってもう半月になるが、俺だけならともかくそれよりも前に調べ始めていた闇までその情報を一切得られていないのは不思議だった。

 

どれだけ用意周到に準備をしていようが、闇のカードを渡している以上誰かの記憶には残るハズだ。

 

だが、被害にあった人間も闇のカードに操られていた人間も、誰も闇のカードを手にしたことを覚えていないとなれば、流石に不自然じゃないだろうか?

 

最初は闇のカードに操られている人を片っ端から倒していけば誰かからは情報を得られるかと思っていたが、このままだと拉致があかない。

 

どこかアプローチを変える必要がある。

 

「とは言っても、どうすりゃいいんだか」

 

そんなことを呟きながら、ゴミを片付けていると………

 

「………ん?」

 

ふと、どこからか視線を感じた。

 

俺は思わず視線を感じた方向を見るが、そこには公園に植えてある木があるだけで、人影はない。

 

「………前にもあったな、こんなこと」

 

俺は思わずため息を吐いた。

 

確かあれはブラックミストに操られた男に襲われた日だった。

 

昼食の時間に視線を感じ、視線を感じた場所に行ってみるがそこには誰もおらず、戻ると自分の弁当が半分程消えており、再び同じ場所から視線を感じていた。

 

正直訳がわからない。

 

催眠術だとか超スピードとかそんな類いのものじゃないんだろうが、妙な感覚を味わい微妙な気分になったのを覚えている。

 

そしてその感覚を今再び感じている。

 

俺はもう1度ため息を吐きながら、仕事を片付け、近くのロッカーに預けていた荷物を取りに行ってから公園に戻る。

 

前はこの時には視線の主はいなくなっていたのだが………

 

「まだ、視線を感じるな」

 

公園に戻っても感じていた視線は無くならなかった。

 

とはいえ、このままでいても事態は進展しない。

 

この後には夜と会って再び闇のカードを探す手筈になっている。

 

なら………

 

「おい‼︎誰だか知らないが見てるんだろ?出てこいよ‼︎」

 

俺はダメ元で公園にいるであろう何者かに声をかけてみる。

 

ダメならばこのまま夜と待ち合わせをした場所まで移動して探すまでだ。

 

そう意気込んでいたのだが、その予想はあっさり外れることになる。

 

「うん、いいよー」

 

「………は?」

 

そんな声が俺の背後から聞こえてきて、俺は後ろを振り返る。

 

そこにいたのは、幼い少女だった。

 

綺麗な銀髪をツインテールにし、大きくて袖から手が出ていないデュエルアカデミアの制服に身を包んで、どこか楽しそうな無邪気な笑みを浮かべてこちらを見ている。

 

身長からして初等部の中学年と言ったところだろうか?

 

まさか自分を見ていたのがこんなに幼い少女だとは思わなかった。

 

それにこの少女の姿、顔立ち………どこかで見たことがあるような………

 

「君が、俺を見ていたのか?」

 

「そうだよーお兄さん、結構鋭いんだね。私のことを気づいてくれる人って、あんまりいないんだけどなー」

 

そういって、どこか感情がこもっていない透き通った声で少女は笑う。

 

戸惑いの表情を浮かべる俺に、少女は楽しそうに、そして何でもないことのように、それを告げた。

 

「お兄さん、闇のカードについて知りたいんだよね?」

 

「っ⁉︎何を………」

 

「隠さなくてもいいよー私、知ってるもん。お兄さん達が闇のカードについて調べてるって。だって闇のカードをばら撒いてるの私だもん」

 

「なっ⁉︎」

 

少女の言葉に、俺は絶句する。

 

こんな幼い少女が、この街に闇のカードをばら撒いている元凶だったのか⁉︎

 

「一体何のためにーーー」

 

「ふふ、知りたい?じゃあ、デュエルしよ?」

 

「何?」

 

「私とデュエルをしてくれたら闇のカードについてお兄さんに少し教えてあげる。どう?」

 

そういって、少女は変わらない無邪気な笑みを浮かべる。

 

ここでデュエルを受けるのは危険だ。

 

相手は何故だか知らないが俺達のことを知っている。

 

それでデュエルを挑んできたというのであれば、探りを入れている俺達を消しにきた可能性が高い。

 

それでも、この少女が本当に闇のカードをばら撒いているのなら、この少女を倒せば闇のカードがこれ以上広まるのを止めることができるかも知れない。

 

それにやった手に入れた手掛かりを、ここで手放すわけにはいかない。

 

だからーーー

 

「いいぜ、そのデュエルを受ける」

 

「ふふ、お兄さんならそう言ってくれると思ってたよ。それじゃあ早速、ステージを変えよう」

 

そしてデュエルディスクを操作すると、急に辺りの風景が変化した。

 

夕暮れ時の公園は消え、辺りは色とりどりの花々が咲き誇り、その花々の中央に巨大な大樹がそびえ立つ花園に変わっていた。

 

「っ⁉︎これは、あのヘンテコヘルメット野郎がやったのと同じ………‼︎」

 

「ああ、お兄さんは閉幕世界( クローズワールド)を知ってるんだね」

 

「閉幕………世界?」

 

「そう。立体映像に質量を与えた現実世界とは別の仮想領域。それがこの閉幕世界なんだって。まあ、私は話が難しくて途中で聞くのやめちゃったけど」

 

少女の言葉に俺は表情を引きつらせる。

 

少女の言っている言葉が本当なのだとしたらそれはとんでもないことだ。

 

立体映像に質量を与えた現実世界とは別の仮想領域?

 

そんなもの現代の技術でできるなんて聞いたこともない。

 

そして少女の言葉からこの空間を作ったのは少女ではない。

 

この空間を生み出した奴は、他にいる。

 

おそらく、あのヘンテコヘルメット野郎が。

 

「そしてここが私の閉幕世界、世界樹の花園(ユグドラシル )。綺麗な場所でしょ?それに便利なんだよ、ここならデュエルが終わるまで誰も出れないし入れないから、誰の邪魔も入らないもん」

 

「っ………」

 

少女の言葉に俺は思わず苦い表情を浮かべた。

 

やはり、この空間に外部から鑑賞することは不可能らしい。

 

つまり、助けは求められず、そのうえ脱出不能。

 

やろうと思えば少女はこのまま俺を閉じ込めることもできる。

 

………これは、本格的に悪乗りが過ぎたかもな。

 

「さあ、デュエルを始めよう。楽しいゲームにしようね」

 

そういって、少女は無邪気にデュエルディスクを構える。

 

どのみち、ここでデュエルを受けなくてもこの空間から脱出する方法はない。

 

それならば、俺の取れる選択肢は1つだけだ。

 

「ああ、やってやるさ。君に勝って闇のカードが広まるのを止める‼︎」

 

そういって、俺はデュエルディスクにデッキをセットしようとし、ある事に思い至りEXデッキから1枚のカードを抜いて胸ポケットにいれた。

 

抜いたカードはコートオブアームズのカード。

 

あのヘンテコヘルメット野郎はコートオブアームズを狙っていた。

 

もし、俺がデュエルに負け、コートオブアームズが少女に渡った場合、間違いなくあのヘルメット野郎に渡るだろう。

 

コートオブアームズはエクシーズキラーの効果を持っているが、この少女がエクシーズモンスターを使ってくるかは分からない。

 

なら、のけておいても影響は大きくなく、もし負けても少女に渡ることは防げるハズだ。

 

「いくぞ‼︎」

 

「いい意気込みだね。それじゃあ、ゲームスタートだよ」

 

『決闘‼︎』

 

 

遊騎 LP8000

 

少女 LP8000

 

 

ーーーーーーー

 

 

「先攻は俺だな」

 

俺は手札を見てから少女に視線を向ける。

 

外見がデュエルアカデミア生初等部の生徒であろうと、相手はやっと見つけた闇のカードに関する手掛かりだ。

 

そしてあれだけ自信を持っているということはかなりの実力者なのだろう。

 

幸い手札はいい方だ。

 

なら、様子見なんてせずに全力でぶつかっていく‼︎

 

「魔法カード、予想GUYを発動‼︎自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードは発動できる。デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚する‼︎来い、クィーンズナイト‼︎」

 

 

〈クィーンズナイト〉☆4 戦士族 光属性

DEF1600

 

 

俺の前に赤い鎧を身に纏った女性の騎士が現れる。

 

「さらに俺はキングスナイトを召喚‼︎」

 

 

〈キングスナイト〉☆4 戦士族 光属性

ATK1600

 

 

そしてクィーンズナイトに並び立つようには黄金の鎧を身に纏った騎士が現れる。

 

そして並び立ったクィーンズナイトとキングスナイトはお互いに剣を掲げて更なる騎士を呼ぶ。

 

「キングスナイトの効果発動‼︎自分フィールドにクィーンズナイトが存在し、このカードを召喚に成功した時、デッキからジャックスナイト1体を特殊召喚する‼︎集え、絵札の三銃士‼︎来い、ジャックスナイト‼︎」

 

 

〈ジャックスナイト〉☆5 戦士族 光属性

ATK1900

 

 

クィーンズナイトとキングスナイトの剣に合わせるように剣を掲げる青い鎧の騎士が現れる。

 

「おー一気に3体のモンスターを並べるなんてなかなかやるねー」

 

「行くぞ、斬り開け‼︎運命に抗うサーキット‼︎」

 

「早速リンク召喚だね」

 

俺が正面に手をかざすと巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は戦士族モンスター2体‼︎俺はクィーンズナイトとキングスナイトをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎追想に生きる王女‼︎リンク2‼︎聖騎士の追想 イゾルデ‼︎」

 

 

〈聖騎士の追想 イゾルデ〉LINK 2 戦士族 光属性

ATK1600 ↙︎ ↘︎

 

 

クィーンズナイトとキングスナイトがサーキットに吸い込まれていき、代わりにフィールドに現れたのは金髪と白髪の2人の女性型のモンスター。

 

「聖騎士の追想 イゾルデの効果発動‼︎リンクレカレクション‼︎リンク召喚に成功した時、デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。ただし、このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。俺はデッキからDーHERO( デステニーヒーロー)BlooーD( ブルーディー)を手札に加える‼︎」

 

「へぇー運命を司る英雄か」

 

「まだまだ行くぞ‼︎聖騎士の追想 イゾルデの更なる効果発動‼︎メモリーズギフト‼︎デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送り、墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する‼︎俺はデッキから妖刀竹光、最強の盾、ビッグバンシュート、閃光の双剣-トライス、孤毒の剣を墓地に送り、デッキから天融星カイキを特殊召喚‼︎」

 

 

〈天融星カイキ〉☆5 戦士族 光属性

DEF2100

 

 

イゾルデに導かれ俺のフィールドに鬼の顔の鎧を見に纏った鎧武者が現れる。

 

「天融星カイキの効果、それにチェーンして墓地に送られた妖刀竹光の効果発動。デッキから妖刀竹光以外の竹光カードを手札に加える。俺はデッキから黄金色の竹光を手札に加える。そして天融星カイキの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、ライフポイントを500を払って発動できる‼︎」

 

 

遊騎 LP8000→7500

 

 

「自分の手札・フィールドから、戦士族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎俺はレベル5以上の戦士族モンスター、ジャックスナイトと天融星カイキを融合‼︎」

 

「へぇーお次は融合召喚か」

 

カイキが雄叫びをあげると、空に見える星が輝き、カイキとジャックスナイトを照らす。

 

その光に導かれるように、カイキとジャックスナイトは粒子に変わり、混ざり合う。

 

「天に融けし戦士よ、絵札の騎士よ‼︎今交わりて、勝利を照らす星となれ‼︎融合召喚‼︎」

 

混ざり合った粒子が輝くと、その場に現れたのは漆黒のマントを羽織り、巨大な槍を持つ鬼神。

 

「勝利を告げる明星‼︎覇勝星イダテン‼︎」

 

 

〈覇勝星イダテン〉☆10 戦士族 光属性

ATK3000

 

 

「覇勝星イダテンの効果発動‼︎このカードが融合召喚に成功した場合、デッキから戦士族・レベル5モンスター1体を手札に加える‼︎俺はデッキから2枚目のジャックスナイトを手札に加える‼︎そして覇勝星イダテンの効果発動‼︎神行法‼︎1ターンに1度、手札を任意の枚数捨ててこのカードの攻撃力を捨てた数×200ポイントアップさせる‼︎俺は手札の妖刀竹光を捨てて、覇勝星イダテンの攻撃力を200ポイントアップさせる‼︎」

 

 

覇勝星イダテン

ATK3000→3200

 

 

「再び墓地に送られた妖刀竹光の効果発動‼︎デッキから折れ竹光を手札に加え、聖騎士の追想 イゾルデに装備魔法、折れ竹光を装備‼︎そして魔法カード、黄金色の竹光を発動‼︎自分フィールドに竹光と名のついた装備魔法が存在する場合に発動でき、デッキからカードを2枚ドローする‼︎」

 

「なかなか手札が減らないねー」

 

「まだだ‼︎魔法カード、蛮族の狂宴LV5‼︎自分の手札・墓地から戦士族・レベル5モンスターを2体まで選んで特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは、効果が無効化され、このターン攻撃できない。蘇れ、ジャックスナイト、天融星カイキ‼︎」

 

 

〈天融星カイキ〉☆5 戦士族 光属性

DEF2100

 

 

〈ジャックスナイト〉☆5 戦士族 光属性

ATK1900

 

 

「お、レベル5モンスターが2体。ということは………」

 

「俺は光属性レベル5の天融星カイキ、ジャックスナイトでオーバーレイ‼︎2体の光属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

カイキとジャックスナイトが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると空から純白の鎧を見に纏った戦士が降りてくる。

 

「星々を守りし光の戦士‼︎セイクリッドプレアデス‼︎」

 

 

〈セイクリッドプレアデス〉★5 戦士族 光属性

ATK2500

 

 

「やっぱりエクシーズ召喚だ。1ターンにリンク、融合、エクシーズをしてくるなんて、驚かせてくれるねー」

 

俺のモンスター達を見て、少女はパチパチと空虚な拍手をする。

 

この余裕そうな雰囲気………挑発のつもりか、それとも本当に余裕なのか。

 

どちらにせよ、油断はしない。

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 

遊騎 LP7500 手札3

 

ー▲△▲ー ー

ーー○ー○

ー ☆

ーーーーー

ーーーーー ー

 

少女 LP8000 手札5

 

 

「さあ、楽しいゲームを始めよう。私のターン、ドロー。魔法カード、予想GUYを発動」

 

「何?」

 

「効果の説明は不要だよね?私はデッキからチューナーモンスター、エンジェルトランペッターを特殊召喚するよ」

 

 

〈エンジェルトランペッター〉☆4 戦士族 光属性

DEF1600

 

 

フィールドに現れたのは闇の霧を放つアサガオのモンスター。

 

「さらに手札から薔薇恋人( バララヴァー)を捨てて魔法カード、ワンフォーワンを発動。デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚するよ。おいで、死の花-ネクロフルール」

 

 

〈死の花-ネクロフルール〉☆1 植物族 闇属性

DEF0

 

 

さらにエンジェルトランペッターの放つ闇の霧の中かや枯れ果てた白ユリのモンスターが現れる。

 

「さて、魔法カード、フレグランスストーム。フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体を破壊し、自分のデッキからカードを1枚ドローする。さらに、この効果でドローしたカードが植物族モンスターだった場合、そのカードをお互いに確認し自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。私は死の花-ネクロフルールを破壊してカードを1枚ドローするよー」

 

ネクロフルールが嵐によって吹き飛ばされてフィールドに舞い散り、少女はカードを1枚ドローする。

 

「私がドローしたのは椿姫ティタニアル。植物族モンスターだからさらにもう1枚ドローするね。そして破壊された死の花-ネクロフルールの効果発動。このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、自分のデッキから時花の魔女-フルールドソルシエール1体を特殊召喚する事ができる」

 

「破壊された時の効果持ちだったか………」

 

「おいで、時花の魔女-フルールドソルシエール」

 

舞い散っていたネクロフルールの花びらがフィールドの中央に集まっていくと、花びらが花の杖を持つ魔女の姿を成した。

 

 

〈時花の魔女-フルールドソルシエール〉☆8 魔法使い族 闇属性

ATK2900

 

 

「いきなり攻撃力2900の最上級モンスターか‼︎」

 

「時花の魔女-フルールドソルシエールの効果発動、ネクロイドブルーム。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、相手の墓地に存在するモンスター1体を選択して選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚するよ」

 

「何⁉︎」

 

「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできず、このターンのエンドフェイズ時に破壊されちゃうけどね。私はあなたのキングスナイトを貰っちゃうね」

 

 

〈キングスナイト〉☆4 戦士族 光属性

ATK1600

 

 

フルールドソルシエールが杖を振るうと、地面から身体に紫色の花が植え付けられたキングスナイトが現れる。

 

あの子のフィールドにはレベル4でありチューナーのエンジェルトランペッターがいる。

 

このままだとキングスナイトを利用されてレベル8のシンクロモンスターかランク4のエクシーズモンスターに繋げられる。

 

いや、あの子は召喚権もまだ使っていないからアドバンス召喚も考えられる。

 

難しいところではあるが、次のターンのことを考えるならここは………

 

「セイクリッドプレアデスの効果発動‼︎ゾディアックリターン‼︎オーバーレイユニットを1つ使い、1ターンに1度、相手のカード1枚を手札に戻す‼︎この効果は相手ターンでも使用することが出来る‼︎俺はキングスナイトを手札に戻す‼︎」

 

「ありゃりゃ、回収されちゃったかー」

 

プレアデスが放つ星の弾丸がキングスナイトの身体に植え付けられた紫色の花を弾き飛ばし、そのまま空間に穴を開けてキングスナイトを俺の手札に移動させる。

 

「まあいいや。これでセイクリッドプレアデスの効果は使えなくなったしね。私はイービルソーンを召喚」

 

 

〈イービルソーン〉☆1 植物族 闇属性

ATK100

 

 

フィールドに現れたのは手榴弾の形をした棘の生えた実をつけている花のモンスター。

 

「イービルソーンの効果発動。このカードをリリースして相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分のデッキから同名カードを2体まで表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。ただし、この効果で特殊召喚した同名カードは効果を発動する事ができないけどね。まずは軽いジャブってことで、300ポイントのダメージ、受けて貰うよ」

 

「くっ………」

 

 

遊騎 LP7500→7200

 

 

イービルソーンがつけていた手榴弾の形をした棘の生えた実が弾け、弾け飛んだ棘が俺の身体を貫く。

 

そして俺の身体に当たらなかった棘が落ちた場所から2体のイービルソーンが生えてきた。

 

 

〈イービルソーン〉☆1 植物族 闇属性

DEF300

 

 

「さあ、どんどんフィールドに彩りを添えようかなー1体のイービルソーンをリリースして、永続魔法、超栄養太陽。自分フィールド上のレベル2以下の植物族モンスター1体をリリースしてリリースしたモンスターのレベル+3以下のレベルを持つ植物族モンスター1体を、手札・デッキから特殊召喚する。ただし、このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊し、そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。イービルソーンのレベルは1。私はデッキからローンファイアブロッサムを特殊召喚するよ」

 

「っ‼︎厄介なモンスターが出てきたな」

 

 

〈ローンファイアブロッサム〉☆3 植物族 炎属性

DEF1400

 

 

超栄養太陽によりイービルソーンが変異し、フィールドに現れたのは黄色い爆弾のような実をつけた植物。

 

あのカードは植物族のデッキではかなり強力なカードであり、制限カードにまでなったカードだからその効果は知っている。

 

これはかなり不味いことになるかも知れないな。

 

「ローンファイアブロッサムの効果発動。1ターンに1度、自分フィールドの表側表示の植物族モンスター1体をリリースしてデッキから植物族モンスター1体を特殊召喚するよ。私はローンファイアブロッサムをリリースしてデッキから姫葵マリーナを特殊召喚するよ」

 

 

〈姫葵マリーナ〉☆8 植物族 炎属性

ATK2800

 

 

ローンファイアブロッサムの実が弾け、辺りを爆煙が包む。

 

そして爆煙が晴れると、そこには向日葵の身体を持つアルラウネのモンスターが現れた。

 

「まだまだ行くよー私は墓地に存在する薔薇恋人の効果発動。墓地のこのカードを除外して、手札から植物族モンスター1体を特殊召喚する。そしてこの効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、相手の罠カードの効果を受けない。おいで、椿姫ティタニアル」

 

 

〈椿姫ティタニアル〉☆8 植物族 風属性

ATK2800

 

 

マリーナに寄り添うように現れたのは椿の身体を持つアルラウネのモンスター。

 

これだけでもかなり面倒な状況になっているが、少女の不敵な表情を見るとまだまだ本気じゃないのが分かる。

 

そして、また少女の展開は終わっていない。

 

「それじゃあお待ちかね。私はレベル1、イービルソーンに、レベル4、チューナーモンスター、エンジェルトランペッターをチューニング」

 

「来るか、シンクロ召喚………」

 

エンジェルトランペッターが光の輪になり、イービルソーンが小さな星に変わり、光の道になる。

 

光の道が輝くと、その中から現れるのは白い薔薇のドレスを纏った少女。

 

「黒薔薇の庭に咲く純潔なる少女よ、聖域を侵す者に白き茨の呪いを与えよ。シンクロ召喚、白き薔薇乙女、ガーデンローズメイデン」

 

 

〈ガーデンローズメイデン〉☆5 植物族 闇属性

ATK1600

 

 

「ガーデンローズメイデンの効果発動、ローゼンアルタール。このカードが特殊召喚に成功した場合、自分のデッキ・墓地からブラックガーデン1枚を選んで手札に加える。私はデッキからブラックガーデンを手札に加えて、そのままフィールド魔法、ブラックガーデンを発動ー‼︎」

 

少女がそういってブラックガーデンを発動すると、世界樹の花園に変化が訪れる。

 

色とりどりの花が咲き誇っていた花園を茨が侵食していき、色とりどりの花が枯れていく代わりに辺り一面に黒い薔薇が咲き誇った。

 

「ようこそ私のゲームエリアへ。ここはブラックガーデン………世界樹の花園に寄生し、全ての生命を養分として花を咲かせる異界の花園」

 

「ブラックガーデン………」

 

「さあ、思う存分戦おうか。バトル」

 

「なら、バトルフェイズ開始時、墓地に存在する天融星カイキの効果発動‼︎」

 

「‼︎へぇ、さっきのセイクリッドプレアデスで墓地に戻してたのか」

 

「元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つレベル5以上の戦士族モンスターが自分フィールドに存在している相手ターンに、このカードを墓地から特殊召喚する‼︎蘇れ、天融星カイキ‼︎」

 

 

〈天融星カイキ〉☆5 戦士族 光属性

DEF2100

 

 

「そしてライフポイントを500を払って天融星カイキの効果発動‼︎」

 

 

遊騎 LP7200→6700

 

 

「また融合召喚かーだけどその前にチェーンしてフィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動」

 

「何?」

 

「ブラック・ガーデンの効果以外でモンスターが表側表示で召喚・特殊召喚される度に、そのモンスターの攻撃力を半分にし、その後、そのコントローラーは、相手のフィールドに植物族・闇属性・レベル2・攻撃力守備力800のローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

「っ‼︎弱体化とトークンを生成する効果を持ってるのか⁉︎」

 

少女の言葉に反応するように花園に蔓延っていた茨がカイキに向かって伸び、その身体を締め上げる。

 

締め上げられたカイキが苦悶の声を上げると、少女のフィールドに黒い薔薇が咲いた。

 

 

天融星カイキ

ATK1000→500

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

「くっ、厄介なフィールド魔法だな。天融星カイキの効果発動‼︎俺は覇勝星イダテンとレベル5以上の戦士族モンスター天融星カイキを融合‼︎」

 

「あれ?せっかく出した覇勝星イダテンを融合しちゃうんだ?」

 

カイキが雄叫びをあげると、再び空に見える星が輝き、カイキとイダテンを照らす。

 

その光に導かれるように、カイキとイダテンは粒子に変わり、混ざり合う。

 

「天に融けし戦士よ、勝利を告げる明星よ‼︎今交わりて、覇道を照らす星となれ‼︎融合召喚‼︎」

 

混ざり合った粒子が輝くと、その場に現れたのは漆黒の鎧を纏い、巨大な槍を携えた6本の腕と3つ顔を持つ闘神。

 

「覇道を告げる凶星‼︎覇道星シュラ‼︎」

 

 

〈覇道星シュラ〉☆12 戦士族 闇属性

ATK0

 

 

「へぇ、レベル12の融合モンスターなのに攻撃力は0………しかもそのモンスターを攻撃表示か。モンスターが特殊召喚されたことでブラックガーデンの効果発動、このカードは攻撃力を下げれなくてもローズトークンは出せる」

 

「………本当に厄介なフィールド魔法だな」

 

少女の言葉に反応するように花園に蔓延っていた茨がシュラに向かって伸び、その身体を締め上げようとする。

 

シュラは6本の腕を使い巻きついてきた茨を容易く引きちぎると、シュラが引きちぎった茨の残骸から黒い薔薇が咲いた。

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

「ガーデンローズメイデンで聖騎士の追想 イゾルデを攻撃。シュラーフローゼン」

 

ローズメイデンが手を伸ばすとイゾルデ達に向かって白い茨が襲いかかる。

 

「相討ち狙いか。だが、そうはさせない‼︎覇道星シュラの効果発動‼︎神威‼︎1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズに相手フィールドの全ての表側表示モンスターの攻撃力は0になる‼︎」

 

「っ‼︎相手のモンスターを一気に弱体化させるのか………なかなかやるねー」

 

シュラの身体を赤い闘気が包み込み、シュラが雄叫びを上げるとその闘気が少女のモンスター達に吹き荒れる。

 

シュラの闘気に当てられたモンスター達はその身体を萎縮させ、金縛りにあったかのように動けなくなった。

 

 

ガーデンローズメイデン

ATK1600→0

 

 

時花の魔女-フルールドソルシエール

ATK2900→0

 

 

姫葵マリーナ

ATK2800→0

 

 

椿姫ティタニアル

ATK2800→0

 

 

ローズトークン

ATK800→0

 

 

「迎え撃て、聖騎士の追想 イゾルデ‼︎ツインアタック‼︎」

 

イゾルデ達は伸びてきた茨を躱すように同時に跳び上がり、空中で一回転してからガーデンメイデンに跳び蹴りを加える。

 

吹き飛ばされたガーデンメイデンはそのまま爆散し、辺りに白い薔薇が舞い散った。

 

 

少女 LP8000→6400

 

 

「くっ………だけど、ただではやられないよ?姫葵マリーナの効果発動、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外の自分フィールド上の植物族モンスター1体が戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊できる。私は覇道星シュラを破壊させて貰うよ」

 

「っ、だから相討ちを狙ってたのか………」

 

舞い散った白い薔薇をマリーナが弾丸に変え、シュラの身体を貫き、爆散させる。

 

だが、シュラはただではやられない‼︎

 

「破壊された覇道星シュラの効果発動‼︎六道輪廻‼︎融合召喚したこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合、覇勝星イダテン1体を融合召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎」

 

「‼︎へぇ、そんな効果まであるんだね」

 

「再び現れて勝利を告げろ‼︎覇勝星イダテン‼︎」

 

 

〈覇勝星イダテン〉☆10 戦士族 光属性

ATK3000→1500

 

 

現れたイダテンは茨に締め上げられるが、少女のフィールドは埋まっているためローズトークンは生まれなかった。

 

「覇勝星イダテンの効果発動‼︎俺はデッキから3枚目のジャックスナイトを手札に加える‼︎」

 

「手札補充までされちゃうか。ふふ、やっぱりゲームはこうじゃないと面白くないよね」

 

そういって少女は無邪気に笑う。

 

状況からしてかなり追い詰めているハズなんだが、これぐらいならまだ余裕ってわけか。

 

「とはいえ、このまま戦うと私が不利だからね。少し戦術を変えさせて貰おうかなー?だけどその前に、椿姫ティタニアルで聖騎士の追想 イゾルデを攻撃。カメーリエドルン」

 

「迎え撃て、聖騎士の追想 イゾルデ‼︎ツインアタック‼︎」

 

ティタニアルが茨を操り、イゾルデ達を襲おうとするが、茨が届く前にイゾルデ達はティタニアルの懐に潜り込み蹴りを加えると、ティタニアルはそのまま爆散し、辺りに椿の花が舞い散った。

 

 

少女 LP6400→4800

 

 

「いたた、これで再び姫葵マリーナの効果発動、私は聖騎士の追想 イゾルデを破壊させて貰うよ」

 

舞い散った椿の花がイゾルデ達を包み込み、爆散させた。

 

「メインフェイズ2、咲き誇れ、生命を飲み込むサーキット」

 

「リンク召喚か………」

 

少女が正面に手をかざすと巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は植物モンスター2体。私はローズトークン2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。リンク2、アロマセラフィージャスミン」

 

 

〈アロマセラフィージャスミン〉LINK 2 植物族 光属性

ATK1800→900 ↙︎↘︎

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

ローズトークンがサーキットに吸い込まれ、葉っぱの羽根を持つ妖精のモンスターが現れる。

 

それと同時に茨がセラフィージャスミンに向かって伸び、その身体を締め上げて俺のフィールドにローズトークンを生む。

 

あれは空子も使っていたリンクモンスターだな。

 

確かにローズトークンが生み出される関係上、あのデッキとは相性が良さそうだ。

 

「アロマセラフィージャスミンの効果発動。1ターンに1度、このカードのリンク先の自分のモンスター1体をリリースしてデッキから植物族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。私は時花の魔女-フルールドソルシエールをリリースしてデッキからチューナーモンスター、スポーアを特殊召喚する」

 

 

〈スポーア〉☆1 植物族 風属性

DEF800 ATK400→200

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

フルールドソルシエールの姿が消え、少女のフィールドには綿胞子のモンスターが現れ、俺のフィールドにはローズトークンが生まれる。

 

チューナーを出してきたということはシンクロ召喚か?

 

「これで準備完了。咲き誇れ、生命を飲み込むサーキット」

 

少女が正面に手をかざすと再び巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は効果モンスター2体以上。私は姫葵マリーナ、スポーア、アロマセラフィージャスミンを2体分として扱ってリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン」

 

「リンク4の大型リンクモンスターか‼︎」

 

マリーナ、スポーア、そしてセラフィージャスミンが2体に分身してサーキットに吸い込まれていく。

 

そしてサーキットが光り輝くとそこから現れるのは機械的な身体を持つ竜。

 

「リンク召喚。悪意より生まれし全てを破壊し尽くす爆竜。リンク4、トポロジックボマードラゴン」

 

 

〈トポロジックボマードラゴン〉LINK4 サイバース族 闇属性

ATK3000 ↙︎↓↑↘︎

 

 

「トポロジックボマードラゴン………確か里香さんが使ってたモンスターだったな。だが、そのモンスターだってブラックガーデンに縛られる」

 

 

トポロジックボマードラゴン

ATK3000→1500

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

ブラックガーデンの茨がトポロジックボマーを締め上げ、俺のフィールドにローズトークンを生み、俺のフィールドがモンスターに埋め尽くされる。

 

しかし、ブラックガーデンにより締め付けられているトポロジックボマーは俺を見て、嘲笑うかのようにニヤリと笑った。

 

「さあ、リセットの時間だよ。トポロジックボマードラゴンの効果発動、アオスシュテルベン。このカードがモンスターゾーンに存在し、フィールドのリンクモンスターのリンク先にこのカード以外のモンスターが特殊召喚された場合、お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する」

 

「っ⁉︎何だって⁉︎」

 

「ただし、このターン、このカード以外の自分のモンスターは攻撃できない。まあ、もうバトルフェイズも終わっちゃったから関係無いけどね。それじゃあ、壊しちゃえ、トポロジックボマードラゴン」

 

少女の声にトポロジックボマーは歓喜の咆哮を上げながら体内からエネルギーを放出する。

 

放出されたエネルギーはフィールドのモンスターを全て焼き払った。

 

「ぐっ………モンスターが全滅………」

 

「ふふっ、よく出来ました。私はカードを1枚伏せてターンエンドだよ。さあ、もっとゲームを楽しもう」

 

 

遊騎 LP6700 手札5

 

ー▲ー▲ー ー

ーーーーー

☆ ー

ーーーーー

ーー▲ーー ▽

 

少女 LP4800 手札0

 

 

「俺のターン、ドロー‼︎よし、魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローする‼︎お前は手札がない。よって俺のみ5枚のカードを捨ててドローだ」

 

「お、手札交換か。いいタイミングで引いたねー」

 

「まだだ‼︎魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在する聖騎士の追想 イゾルデ、セイクリッドプレアデス、覇道星シュラ、覇勝星イダテン2体をEXデッキに戻してカードを2枚ドローする‼︎さらに、リバースカードオープン‼︎罠発動、貪欲な瓶‼︎墓地に存在する蛮族の狂宴LV5と妖刀竹光、ジャックスナイト3体をデッキに戻してシャッフルし、カードを1枚ドローする‼︎」

 

「おおー結構ドローするねー」

 

俺はドローした手札を見て考える。

 

ブラックガーデンによって表側表示で召喚・特殊召喚される度に、ローズトークンが生み出される。

 

幸いローズトークンを出す場所を決めるのは召喚したプレイヤーのため、2回まではトポロジックボマーのリンク先から外すことができるが3度目は確実にトポロジックボマーの効果を発動させてしまう。

 

なら、ここは一点突破で決めにいく‼︎

 

「相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚することができる。来い、H・C( ヒロイックチャレンジャー)強襲のハルベルト‼︎」

 

 

〈H・C 強襲のハルベルト〉☆4 戦士族 地属性

ATK1800→900

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

俺の前に現れたのはハルバードを持った紫の鎧を纏った戦士。

 

「そしてH・C( ヒロイックチャレンジャー)サウザンドブレードを召喚‼︎」

 

 

〈H・C サウザンドブレード〉☆4 戦士族 地属性

ATK1300→650

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

さらにハルベルドに並び立つように頭巾を被り、背中に何本もの刀を背負った戦士が現れる。

 

「俺は戦士族、レベル4のH・C 強襲のハルベルトとH・C サウザンドブレードでオーバーレイ‼︎2体の戦士族モンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

ハルベルドとサウザンドブレードが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこにいたのは赤い鎧を着た王者の風格を漂わせる戦士。

 

「光を纏て、闇を切り裂く孤高の王者‼︎HーC( ヒロイックチャンピオン)エクスカリバー‼︎」

 

 

〈HーC エクスカリバー〉★4 戦士族 光属性

ATK2000

 

 

「へぇ、随分カッコいいエクシーズモンスターだね。だけど、ブラックガーデンの効果は受けて貰うよ」

 

少女の言葉に反応するように茨がエクスカリバーに向かって伸び、その身体を縛り付けて黒い薔薇を咲かせる。

 

 

HーC エクスカリバー

ATK2000→1000

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

「そしてトポロジックボマードラゴンの効果発動、アオスシュテルベン。リンク先にこのカード以外のモンスターが特殊召喚されたから、お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する。まあ、破壊されちゃうのは私のローズトークンだけだけどね」

 

少女の声にトポロジックボマーは再び体内からエネルギーを放出し、ローズトークンを焼き払う。

 

これであの子のモンスターはトポロジックボマードラゴンだけだ‼︎

 

「HーC エクスカリバーの効果発動‼︎シャイニングフォース‼︎オーバーレイユニットを2つ使い、このカードの攻撃力は、次の相手のエンドフェイズ時まで元々の攻撃力の倍になる‼︎」

 

エクスカリバーの周りを漂っていたオーバーレイユニットがエクスカリバーに集まり、エクスカリバーの身体が光り輝くと、エクスカリバーは力を込めて身体を縛っていた茨を吹き飛ばした。

 

 

HーC エクスカリバー

ATK1000→4000

 

 

「成る程、元々の攻撃力の倍にすることでブラックガーデンの影響を無効化したのか」

 

「バトル‼︎HーC エクスカリバーでトポロジックボマードラゴンを攻撃‼︎必殺剣 刀光剣影‼︎」

 

「迎え撃って、トポロジックボマードラゴン。断絶のフェアリュックトハイト」

 

トポロジックボマーが口からレーザーを放ち、エクスカリバーを迎撃しようとする。

 

しかし、エクスカリバーはその攻撃を躱すと空に向けて力強く跳び上がり、一刀の元その身体を斬り裂き、爆散させた。

 

 

少女 LP4800→2300

 

 

「あいたた………トポロジックボマードラゴン、やられちゃったか」

 

「まだだ‼︎このターンで決着をつける‼︎速攻魔法、旗鼓堂々‼︎のターン、自分はモンスターを特殊召喚できなくなる代わりに、自分の墓地の装備魔法カード1枚をその正しい対象となるフィールド上のモンスターに装備する‼︎ただしこの効果で装備した装備魔法カードはエンドフェイズ時には破壊される‼︎俺はこの効果で墓地に存在する装備魔法、閃光の双剣-トライスをHーC エクスカリバーに装備する‼︎」

 

エクスカリバーの剣が消え、代わりにエクスカリバーの手元に1組の双剣が現れる。

 

「閃光の双剣-トライスを装備したモンスターは攻撃力が500ポイントダウンする代わりにバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる‼︎」

 

「‼︎ここで2回攻撃………‼︎」

 

 

HーC エクスカリバー

ATK4000→3500

 

 

「これによりHーC エクスカリバーはもう1度攻撃することができる‼︎これで終わりだ‼︎HーC エクスカリバーでダイレクトアタック‼︎必殺剣 一箭双雕‼︎」

 

エクスカリバーが双剣をクロスするようにして少女の身体を斬り裂こう迫る。

 

しかし、エクスカリバーの双剣が少女を斬り裂こうとした瞬間、少女の身体を薄い障壁が覆い、エクスカリバーの双剣を弾き飛ばした。

 

「何⁉︎」

 

「いやー危なかったよ。だけど、私はダメージを受けてない。相手ターンの戦闘ダメージ計算時、リバースカードオープン。罠発動、ガードブロック。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。これでダメージは無しってことで」

 

そういって少女はデッキからカードを1枚ドローする。

 

決めきれなかった………だが、 トポロジックボマーは破壊し、少女のフィールドにはモンスターも残っていない。

 

もう少しで決着をつけられる………ハズだ。

 

「メインフェイズ2、俺はカードを2枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、旗鼓堂々の効果で閃光の双剣-トライスは破壊される」

 

 

HーC エクスカリバー

ATK3500→4000

 

 

遊騎 LP6700 手札2

 

ー▲ー▲▲ ー

ーーーーー

ー ○

ーーーーー

ーーーーー ▽

 

少女 LP2300 手札1

 

 

「ふふ、いいね。ここまで追い詰められたのは久しぶり。やっぱりゲームはこうじゃないとね」

 

そういって、少女は愉快そうに笑う。

 

少女の手札は1枚。

 

フィールドにモンスターはなく、残っているのはブラックガーデンだけだ。

 

これだけ追い詰めているハズなのに、この異常なまでの余裕はなんなんだ?

 

「難しい表情をしてるねーお兄さん。もっとゲームを楽しもうよ」

 

「………君はデュエルを楽しんでるんだよな?」

 

「ん?そうだよ?」

 

「なら、何で闇のカードをばら撒いてるんだ?君も知ってるだろ、闇のカードを使いこなせない奴は暴走する。それで他の人に危害が加わるかも知れない状況なんかじゃ、楽しめないだろ?」

 

「なんで?」

 

俺の問いに少女は心底不思議そうに首を傾げ、そしてどこか感情がこもっていないような声で口を開く。

 

「だって、ゲームって言うのはフェアじゃないと面白くないでしょ?私も相手を傷つけるんだから(・・・・・・・・・・・・・ )相手も私を傷つけれないと(・・・・・・・・・・・・)面白くないよ(・・・・・・)?」

 

「なっ⁉︎」

 

少女の言葉に、俺は思わず絶句してしまう。

 

まさか、この少女が闇のカードをばら撒いている理由はーーー

 

「それにお兄さんみたいに闇のカードに適合できる人もちゃんといるしね。こうやってばら撒いてれば、どんな人なら闇のカードを使えるかが分かるでしょ?」

 

「っ、実験してるつもりなのか?この街の人を使って、この街に生きる人の平穏を壊してまで‼︎」

 

「ふふ、さあね?私は楽しければなんでもいいんだよ。さてと、お話はおしまい。楽しいデュエル、続けよ?私のターン、ドロー………あれ?」

 

ドローしたカードを見て少女は一瞬首を傾げ、何かを思い出したのか、手を打った。

 

「あーそういえば実験してこいって言われたっけ。まあちょうどいいかな、お兄さん、結構強いし。それじゃあこの力、早速試させて貰おうっと」

 

そういって少女がドローしたカードを掲げる。

 

すると、そのカードから大量の闇が噴き出した。

 

「私が引いたのはRUM( ランクアップマジック)七皇の剣( ザ・セブンス・ワン)‼︎」

 

「RUM………七皇の剣?」

 

少女が掲げたカードを見て、俺は疑問を口に出す。

 

RUMというカードには覚えがある。

 

前に『Natural』で行った大会で天雷が使用し、フィールドにいたアトゥムスを切り札であるサンダーエンドドラゴンにランクアップさせたカードだ。

 

そのことからRUMというのはエクシーズモンスターをランクアップさせるカードのハズ。

 

だが、少女のフィールドにはエクシーズモンスターどころかモンスターすら存在しない。

 

発動できないハズのカード………それでも俺の本能はあのカードが不味いということを告げていた。

 

そして、その予感は的中する。

 

「このカード名の効果はデュエル中に1度しか適用できず、自分のドローフェイズに通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1の開始時に発動できる‼︎私はRUMー七皇の剣を発動‼︎CNo.以外のNo.101〜No.107のいずれかをカード名に含むモンスター1体を、自分のEXデッキ・墓地から選んで特殊召喚し、そのモンスターと同じNo.の数字を持つCNo.モンスター1体を、そのモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎」

 

「No.を直接EXデッキから出せるカードだと⁉︎いや、それよりもCNo.って………」

 

「すぐに分かるよ。お兄さんには特別に見せてあげる。No.の進化をね。RUMー七皇の剣の効果でEXデッキより現れろ、No.103‼︎無より生まれし氷の令嬢、神葬零嬢ラグナゼロ‼︎」

 

 

〈No.103神葬零嬢ラグナゼロ〉★4 天使族 水属性

ATK2400

 

 

現れたのは氷の剣を持った氷の翼で空を舞う天使。

 

だが、これで終わりじゃない。

 

「そしてNo.103神葬零嬢ラグナゼロ1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオスエクシーズチェンジ‼︎」

 

「カオス………エクシーズチェンジ、だと?」

 

ラグナゼロが空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると空から舞い降りたのは透き通った氷の翼が黒く染まり、巨大な鎌を手にした死の天使。

 

「現れろ、CNo.103‼︎罪ある者へ永遠の休息を与える氷の令嬢、神葬零嬢ラグナインフィニティ‼︎」

 

 

〈CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ〉★5 天使族 水属性

ATK2800

 

 

「これが呪われた闇を持つNo.に更なる呪いを重ねて進化させた力、CNo.だよ」

 

「これが………CNo.………っ‼︎」

 

現れたラグナインフィニティが放つ威圧感に思わず息をするのを忘れてしまいそうになり、思いっきり自分の頰を叩く。

 

雰囲気に呑まれたらダメだ。

 

呑まれたら………確実にやられる。

 

「………確かに強そうなモンスターだが、そいつもブラックガーデンの効果は受けるハズだ」

 

「うん、受けるよ。そうじゃないとフェアじゃないもんね」

 

少女の言葉に反応するように茨がラグナインフィニティに向かって伸び、その身体を縛り付けて黒い薔薇を咲かせた。

 

 

CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ

ATK2800→1400

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

「確かに攻撃力は下がったけど、この子の効果を耐えられるかな?CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティの効果発動、ウンエントリヒフェアボート‼︎1ターンに1度、カオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して、選択したモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、そのモンスターをゲームから除外する‼︎」

 

「っ⁉︎何だって⁉︎」

 

「この効果は相手ターンでも発動できるよ。対象は勿論、HーC エクスカリバー‼︎HーC エクスカリバーの現在の攻撃力は4000。元々の攻撃力が2000だから2000ポイントのダメージを受けて貰うよ‼︎」

 

ラグナインフィニティがエクスカリバーに向けて手をかざすと吹雪が吹き荒れ、エクスカリバーの身体が凍りついていく。

 

エクスカリバーの身体が完全に凍りつくと、ラグナインフィニティは鎌を振るって斬撃を放ち、エクスカリバーごと俺の身体を切り裂いた。

 

「っ‼︎ぐあぁぁぁ‼︎」

 

 

遊騎 LP6700→4700

 

 

ラグナインフィニティの放った斬撃により、俺の身体から鋭い痛みが襲ってくる。

 

その痛みは前にロンゴミアントに足を貫かれた時のものよりも酷い。

 

幸いカオスオーバーレイユニットは無くなったが、こんな攻撃を何度も受けたら、今度こそ病院送りでは済まなくなる。

 

「これでお兄さんのモンスターは消えちゃったね。それじゃあ、どんどん行くよ。魔法カード、貪欲な壺。墓地に存在するトポロジックボマードラゴン、アロマセラフィージャスミンをEXデッキに、時花の魔女-フルールドソルシエール、イービルソーン2体をデッキに戻してカードを2枚ドローするよ。………あは」

 

ドローしたカードを見て、少女は笑みを浮かべる。

 

なんだ?何を引いた?

 

俺は警戒しながら少女がドローしたカードに視線を向ける。

 

その瞬間ーーー

 

「っ‼︎⁉︎ぐっ‼︎」

 

そのカードから今まで見た闇のカードの比ではない程の大量の闇が噴き出し、心臓を鷲掴みにされたような悪寒が俺の身体を貫き、俺は全身から一気に冷や汗が吹き出すのを感じながら、急いでそのカードから視線を逸らした。

 

ダメだ、アレを直視してはいけない(・・・・・・・・・・・・)

 

アレを直視したら最期、間違いなく俺はあのカードに喰われる(・・・・・・・・・・)

 

そう俺の本能が告げていた。

 

そんな俺の様子に気付いたのか、少女は残念そうに肩を竦めた。

 

「残念、お兄さんでも無理か。まあ、すぐに発狂しなかっただけマシかな?そう簡単にはいかないことは分かってるし、それが分かっただけよしとしよう」

 

「何を………言って………」

 

「安心していいよ、私は使わないから。使っちゃうとゲームが成り立たなくなっちゃうしね。せっかくここまで楽しいデュエルをしたんだもん。最後にお兄さんが自滅して終わっちゃったらつまらないしね。もうこっちを見ても大丈夫だよ、見えないようにポケットにしまったから」

 

少女の言葉を聞き、俺はおそるおそる少女の方を見ると少女の手札が1枚になっており、代わりに少女の胸ポケットから大量の闇が吹き出していた。

 

「………いいのか、それを使わなくて。実質手札が1枚減ったようなものだぞ?」

 

「強がりはよしなよ。そうして立っているのも辛いでしょ?」

 

そういって、少女は何の気なしに笑う。

 

その笑顔はどこか空虚でーーー

 

「それに、この手札だけでも十分お兄さんにトドメはさせるからね」

 

「何⁉︎」

 

ーーー確かな自信が宿っていた。

 

「永続魔法、増草剤。1ターンに1度、自分の墓地の植物族モンスター1体を対象としてその植物族モンスターを特殊召喚する。ただし、この効果でモンスターを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できず、この効果で特殊召喚したモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。戻っておいで、死の花-ネクロフルール」

 

 

〈死の花-ネクロフルール〉☆1 植物族 闇属性

DEF0

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

少女のフィールドにネクロフルールが現れ、俺のフィールドに黒い薔薇が咲く。

 

この状況でネクロフルールを蘇生させるなんて、一体何を………

 

「私はフィールド魔法、ブラックガーデンのもう1つの効果を発動‼︎」

 

「何⁉︎まだ効果があったのか⁉︎」

 

「フィールドの全ての植物族モンスターの攻撃力の合計と同じ攻撃力を持つ、自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカード及びフィールドの植物族モンスターを全て破壊して、全て破壊した場合、対象のモンスターを特殊召喚する‼︎私のフィールドにいる死の花-ネクロフルールの攻撃力は0だけど、お兄さんのフィールドには攻撃力800のローズトークンが2体いる。私はブラックガーデンとフィールドにの植物族モンスターを全て破壊して再び咲き誇れ白き薔薇乙女、ガーデンローズメイデン」

 

辺り一面に咲き誇っていた黒い薔薇がネクロフルールを巻き込みながら朽ち果てていく。

 

そして全ての黒い薔薇が朽ち果てると、その残骸からローズメイデンが姿を現した。

 

 

〈ガーデンローズメイデン〉☆5 植物族 闇属性

ATK1600

 

 

「破壊された死の花-ネクロフルールの効果それにチェーンしてガーデンローズメイデンの効果発動、ローゼンアルタール。私は墓地から再びブラックガーデンを手札に加える。そして破壊された死の花-ネクロフルールの効果発動。デッキからまたおいで、時花の魔女-フルールドソルシエール」

 

 

〈時花の魔女-フルールドソルシエール〉☆8 魔法使い族 闇属性

ATK2900

 

 

「っ、またフルールドソルシエールが………」

 

「時花の魔女-フルールドソルシエールの効果発動、ネクロイドブルーム。今度はH・C サウザンドブレードを貰っちゃうね」

 

 

〈H・C サウザンドブレード〉☆4 戦士族 地属性

ATK1300

 

 

フルールドソルシエールが杖を振るうと、地面から身体に紫色の花が植え付けられたサウザンドブレードが現れる。

 

サウザンドブレードは攻撃できないが、サウザンドブレードが攻撃出来なくとも少女のフィールドにいる他のモンスター達だけで十分に俺のライフを削りきることができる。

 

だが、俺のセットカードの1枚はピンポイントガード。

 

このカードは相手モンスターの攻撃宣言時に自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚し、この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、戦闘・効果では破壊されなくなる罠カードだ。

 

残りの伏せカードは拮抗勝負と活路への希望だから使えないが、これなら少女のモンスターが攻撃してきても防ぎきれるハズだ。

 

だが、少女はそんな俺の心を読んだかのように無邪気な笑みを浮かべた。

 

「わかってるよ。この程度じゃお兄さんを倒せないことは」

 

「っ‼︎」

 

「だから、もっともっと追い詰めないとね。墓地に存在するスポーアの効果発動。このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できず、このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地からこのカード以外の植物族モンスター1体を除外してこのカードを特殊召喚し、この効果で特殊召喚したこのカードのレベルは除外したモンスターのレベル分だけ上がる。私は墓地の死の花-ネクロフルールを除外してスポーアを特殊召喚」

 

 

〈スポーア〉☆1→2 植物族 風属性

DEF800

 

 

少女のフィールドに再びスポーアが現れる。

 

あのモンスターはチューナーだったハズ。

 

狙いはシンクロ召喚か?

 

だが、少女のエクストラモンスターゾーンには既にラグナインフィニティが存在している。

 

なら、狙いは………

 

「さて、これが最後の準備だよ。私はフィールド魔法、ブラックガーデンを再び発動」

 

「この状況で、またブラックガーデン?」

 

俺達の周りを再び黒い薔薇が包み込む。

 

そして少女は楽しそうに手をかざす。

 

「いくよ、咲き誇れ、生命を飲み込むサーキット」

 

「っ、やっぱりリンク召喚か………」

 

「召喚条件は効果モンスター2体以上。私はCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ、スポーア、H・C サウザンドブレードをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン」

 

ラグナインフィニティ、スポーア、そして紫色の花に操られたサウザンドブレードがサーキットに吸い込まれていく。

 

そしてサーキットが光り輝くとそこから現れるのは機械的な身体を持つ白黒の竜。

 

「リンク召喚。悪意より生まれし全てを消去する電子竜。リンク3、トポロジックトゥリスバエナ」

 

 

〈トポロジックトゥリスバエナ〉LINK4 サイバース族 闇属性

ATK2500 ↙︎↑↘︎

 

 

「また、トポロジックリンクモンスター………ってことは‼︎」

 

「察しがいいね。ブラックガーデンの効果でトポロジックトゥリスバエナは縛られ、そのリンク先にローズトークンを特殊召喚する」

 

 

トポロジックトゥリスバエナ

ATK2500→1250

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

ブラックガーデンの茨がトゥリスバエナを締め上げ、俺のフィールドにローズトークンが生み出される。

 

それを見て、トゥリスバエナはトポロジックボマーのように嘲笑うかのようなニヤリとした笑みを浮かべた。

 

「トポロジックトゥリスバエナの効果発動、アルプトラウムタオフェ。このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合、そのモンスター及びフィールドの魔法・罠カードを全て除外し、この効果で除外した相手のカードの数×500ポイントのダメージを相手に与える」

 

「っ⁉︎今度は魔法・罠を‼︎」

 

「やっちゃえ、トポロジックトゥリスバエナ‼︎」

 

少女の声にトゥリスバエナは歓喜の咆哮を上げながら体内からエネルギーを放出し、ブラックガーデンごと俺の魔法・罠を消滅させる。

 

「除外したお兄さんのカードは3枚だから1500のダメージを受けて貰うよ」

 

「くっ………があっ‼︎」

 

 

遊騎 LP4700→3200

 

 

トゥリスバエナの放ったエネルギーの余波で俺の身体は吹き飛ばされる。

 

「ぐっ………戦闘ダメージを受けた時、H・Cサウザンドブレードの効果発動………このカードが墓地に存在し、戦闘・効果で自分がダメージを受けた時、このカードを墓地から攻撃表示で特殊召喚する‼︎」

 

 

〈H・C サウザンドブレード〉☆4 戦士族 地属性

ATK1300

 

 

俺のフィールドに再び現れるサウザンドブレード。

 

それを見て少女は浮かべた笑みを濃くする。

 

「ふふ、それ‼︎それだよ、お兄さん‼︎無駄な足掻きだとわかっていても最後まで諦めないその意思‼︎それでこそ楽しいゲームなんだよ。だから、私も最後まで手は抜かないよ。咲き誇れ、生命を飲み込むサーキット‼︎」

 

少女が正面に手をかざすと再び巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は効果モンスター2体以上‼︎私はガーデンローズメイデンとトポロジックトゥリスバエナを3体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

ガーデンローズメイデン、そしてトポロジックトゥリスバエナが3体に分身してサーキットに吸い込まれていく。

 

そしてサーキットが光り輝くと再び現れるのは機械的な身体を持つ竜。

 

「リンク召喚‼︎悪意より生まれし全てを破壊し尽くす爆竜よ、再びその姿を現せ‼︎リンク4、トポロジックボマードラゴン‼︎」

 

 

〈トポロジックボマードラゴン〉LINK4 サイバース族 闇属性

ATK3000 ↙︎↓↑↘︎

 

 

「バトル。トポロジックボマードラゴンでH・C サウザンドブレードを攻撃‼︎断絶のフェアリュックトハイト‼︎」

 

トポロジックボマーがサウザンドブレードに向けて口からレーザーを放ち、サウザンドブレードを消滅させる。

 

 

遊騎 LP3200→1500

 

 

「ぐうっ‼︎」

 

「この瞬間、トポロジックボマードラゴンの効果発動‼︎ヴォールシュプレンゲン‼︎このカードが相手モンスターを攻撃したダメージ計算後、その相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える‼︎H・C サウザンドブレードの攻撃力は1300‼︎1300ポイントのダメージを受けて貰うよ‼︎」

 

「ぐあぁぁぁ‼︎」

 

 

遊騎 LP1500→200

 

 

トポロジックボマーが放ったエネルギー波に吹き飛ばされ、俺は地面を転がり、立つことができなくなる。

 

俺の手札に攻撃を防ぐカードはない。

 

そして少女のフィールドにはまだフルールドソルシエールが残っている。

 

「さあ、楽しいゲームだったけどそろそろ終わりの時間だよ。最期に何か言い残すことはある?」

 

そういって少女は無邪気に笑う。

 

そんか少女に俺は無理矢理身体を起こし、拳を握り締めながら口を開いた。

 

「………次は、負けない」

 

「‼︎………ぷっ、あはははは‼︎それはすごくいい心がけだね‼︎じゃあ、終わりだよ。時花の魔女-フルールドソルシエールでダイレクトアタック‼︎シャルムプフランフェ‼︎」

 

少女の宣言に、フルールドソルシエールが杖に魔力を集め、紫の閃光が俺に迫る。

 

その光景を最後に俺は意識を手放した。

 

 

遊騎 LP200→0

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「ふふ、面白かったよ、お兄さん」

 

意識を失い、地面に倒れ伏せた遊騎を見て、少女は遊騎のデッキから移動してきたNo.達を手に、楽しげに笑う。

 

倒れ伏せた遊騎の身体に怪我はなく、代わりに倒れ伏せた遊騎の真横には何かが大地を抉っていったかのような跡が残っていた。

 

「最後の言葉が『次は負けない』だなんて、本当に面白いなーお兄さんは。まだまだゲームも序盤。私とこんなに楽しいゲームができるプレイヤーをこんなに早く消しちゃうのは惜しいもんね」

 

そういって、少女は無邪気に笑う。

 

最後のフルールドソルシエールの攻撃。

 

少女はフルールドソルシエールに命じて遊騎から攻撃を逸らしていた。

 

それは単なる気まぐれではあったが、最後まで諦めなかったことにより、遊騎は何とか自分の命を繋ぐことができたのだ。

 

「まあ、次に会う時にはお兄さんは私のことを覚えていないと思うけど(・・・・・・・・・・・)。それはそれで楽しみにしておこうかな?あ、そうだ」

 

そういって、少女は協力者である男から渡された白紙のカードを2枚取り出すと、遊騎がデュエルの前にデッキから抜いて胸ポケットにいれていたカードを取り出した。

 

「みーつけた。あ、抵抗しても無駄だよ。私に君の力は効かないからね」

 

取り出したカードーーーコートオブアームズは抵抗するように闇を少女に放つが少女はその闇をいとも容易く打ち消す。

 

そして抵抗がなくなったコートオブアームズを2枚の白紙のカードと重ね合わせ、少女が目を閉じる。

 

すると、少女の身体から闇が溢れだし、コートオブアームズごと白紙のカードを呑み込んでいく。

 

しばらくすると闇に呑まれた白紙だった2枚のカードにそれぞれ絵柄が浮かびあがった。

 

「ふふ、でーきた。成果は出さないとうるさそうだから他のカードは貰っていくけど、代わりにこれをお兄さんにあげるよ。次のステージではもっともっと楽しいゲームをしようね、お兄さん」

 

そういうと、少女はポケットからメモ帳とペンを取り出し、何かを書き記すとそれを破ってから3枚のカードを包んで遊騎の服のポケットに入れ、自分のデュエルディスクを操作して世界樹の花園を解除する。

 

辺りの景色が元の公園に戻ると、少女は初めからそこにはいなかったかのように姿を消し、倒れ伏せた遊騎だけが残るのだった。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「………き…う…遊騎‼︎しっかりするんだ‼︎」

 

「っ‼︎………あ?」

 

誰かに身体を強く揺さぶられ、俺の意識が浮上していく。

 

俺は目を開けて妙に痛む身体を何とか起こすと、身体を揺さぶっていた人物は心底安心したような声を出した。

 

「遊騎‼︎気がついたかい?」

 

「よ………る?」

 

「そうだよ。全く、約束の時間になっても来ないから様子を見に来れば、こんなところでぶっ倒れてるんだからね。心配をかけさせないでおくれよ」

 

そういって、いつものように黒いパーカーを深く被った夜が安堵の息を吐く。

 

そう言われて辺りを見渡すとそこはいつも仕事をしている公園だった。

 

公園にある時計を見ると時刻は19時を回っており、辺りはすっかり夜の帳が下りている。

 

「それで、一体何があったんだい?こんなところで倒れているなんて、只事じゃないだろ?」

 

「何があったか………か」

 

そう言われて、俺は倒れる前に起こったことは思い出す。

 

しかし………

 

「………思い出せない」

 

「はぁ?」

 

「何かが、あったハズだ。とても大事な何かが、あった気がする。だけど、それが何なのか、思い出せない」

 

「思い出せないって………倒れてたってことは余程のことがあったハズだろ?それが何で思い出せないのさ?」

 

俺の返答に夜が戸惑った表情を浮かべる。

 

俺は集中して何があったかを思い出そうとするが、全く思い出せなかった。

 

「ん………これは?」

 

思い出せないことに困惑しながら、俺は自分の身体を改めて見てみると何故か腕についているデュエルディスクが起動したままになっていた。

 

そしてデュエルディスクが告げているのは、ライフポイントが0になり、俺が敗北したということ。

 

「っ‼︎そうだ‼︎」

 

「遊騎?どうしたんだい?」

 

そこまで考えると、突然俺の中に先程までの記憶がノイズ混じりで蘇ってくる。

 

「デュエル、したんだ。闇のカードをばら撒いてる奴と」

 

「っ⁉︎何だって⁉︎そいつは一体………」

 

「だけど、それだけだ。姿とかデッキとか、手かがりになりそうな記憶があったハズなんだが、その記憶がまるで消しゴムで(・・・・・)消されてしまったかのように(・・・・・・・・・・・・・)思い出せないんだ(・・・・・・・・)。覚えているのはそいつが闇のカードをばら撒いている側の敵だったということと………俺がそいつに負けたってことだ」

 

「なっ⁉︎遊騎が、負けた?冗談だろ?」

 

「冗談なら良かったんだけどな………」

 

そういって、俺は自分のデュエルディスクからEXデッキを取り出す。

 

もし、このデュエルディスクと、俺が思い出した記憶が間違えていないんだとしたら………

 

「No.が………ない」

 

呆然としたような夜の声に、俺も苦い表情を浮かべる。

 

俺が取り出したEXデッキからは、そこに存在したハズのNo.が全てなくなっていた。

 

「No.がないってことは、負けて勝者にカードが移ったってことだ………悪い」

 

「………む、悪いって何だい。ボクがNo.を奪われたことを怒るとでも思ってるのかい?」

 

「………怒らないのか?」

 

「怒るとも。そんなことでボクが怒ると思ってたことをね」

 

そういって、夜は俺の頬を摘むと思いっきり横に引っ張った。

 

「いてて‼︎」

 

「ったく、そんなよく分からない相手と戦って生き残っただけでも儲け物なのに、何でボクが怒らないといけないのさ?あんまり見くびらないでくれよ、共犯者クン。君とボクは運命共同体なんだからね」

 

「っ………悪い」

 

「うん、ボクはこう見えて優しいから許してあげよう」

 

そういって夜は笑みを浮かべた。

 

………全く、敵わないな。

 

「とはいったものの、No.が無くなったってことはもう遊騎は無理して闇のカードに関わる必要はなくなったんじゃないかい?」

 

「いや、そうでもない。コートオブアームズだけEXデッキから外しておいたからな」

 

「EXデッキに入れておかなければ奪われない、か。アイツから得た知識って言うのが気に入らないけどね」

 

「そう言うなって………ん?」

 

俺がコートオブアームズを仕舞ったハズのポケットに手を入れると、ポケットの中から妙な感触が伝わってきた。

 

俺は首を傾げながらそれを取り出すとそこには1枚のメモ用紙と、それに包まれて3枚のカードが入っていた。

 

俺は思わず夜と顔を見合わせてそのメモ帳を見る。

 

「『そのカード達はお兄さんにあげるよ。今度はもっと楽しいゲームで遊ぼうね by正体不明の抹消者( アンノウンイレイザー)』………何だこれ?」

 

「文面的に君を倒した人物からのラブレターの類かな?かなりふざけた輩だけど、君は一体何をしたんだい?」

 

「そんなの俺が聞きてえよ。それでそのカード達って言うのは………は?」

 

「………何だいこれ?」

 

メモ用紙に包まれていたカードを見て俺達は目を丸くする。

 

包まれたカードの内、1枚は俺が仕舞ったコートオブアームズだった。

 

しかし、残りの2枚が問題だった。

 

包まれていたのは見たことがない魔法カードとエクシーズモンスター。

 

そしてそこに書かれていた名前は………

 

「カオス………ナンバーズ?」

 

俺が失った記憶の中で、何かが動いた気がした。

 




次回予告

突然手に入れてしまったギャラクシークィーンについて調べるため、遊花は天神の研究室を訪れる。
天神も存在を知らないギャラクシークィーンのカードに遊花は疑問を抱きながらも、天神は手掛かりになるかも知れないと遊花にとあるカードを手渡し、代わりに天神とのデュエルの中でギャラクシークィーンを見せることを頼まれる。
天神に渡されたカードは遊花にとって予想もしていなかったもので?
更なる手掛かりを求めて、遊花は天神とのデュエルに挑む。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『僅かな希望』


次回は遊花のデュエル回。
遊花視点でお送りする予定です。
遊花はギャラクシークィーンについての手掛かりを得ることができるのか?
そして遊花が手渡されたカードとは?
次回をお楽しみに。

そして今回のお話は、遊騎敗北。
何気に作中で初めての敗北なんですよね。
そんな遊騎を破った少女のデッキはブラックガーデンデッキ。
めちゃくちゃ面倒くさいデッキです。
戦い方的にも、裁定的にも。
そしてまだまだ本気を出していないので隠してること満載です。
というか名前すら隠されてます。
これからまたどのようにこの少女が関わってくるのか、楽しみにしていただけたらなと思います。

それじゃあ今回はここまで。
もう連休も終わりますね………ん?連休なんてあったっけ?
作中のように私の記憶も弄られているかも知れません休みなんてなかった。
皆さまも長い連休による五月病にはお気をつけください。
それではここでお開き。
ではでは〜
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