風邪というのは………治したと思っても身体の内側からミミズのように這い出てくる………つまり、風邪が治りきっておらず再びダウンしてたってことです、はい。
そのかわり久しぶりの3万字越えですよ。
今回は遊騎のデュエル回。
遊騎視点でお送りします。
遊騎の新しい力が覚醒する?
それでは本編へGO‼︎
☆
「ご馳走様でした」
「はい、お粗末様でした。師匠、食後のコーヒーはいかがですか?」
「ありがとう、いただくよ」
「遊花、私もコーヒー欲しい」
「分かりました。じゃあ少し待っててくださいね」
「………ホント、こんな状況になっても相変わらずよね、アンタ達は」
嬉しそうにコーヒーを注ぎに行った遊花を見て、桜が呆れながら朝食の玉子焼きを口に入れる。
No.の件を遊花達に知られた翌日。
俺達はいつもと変わらない朝を過ごしていた。
いくらNo.の件に関わることになったとはいえ、こんな朝早くから動くわけじゃないんだから当たり前なんだけどな。
「それにしても、デュエルアカデミアの中にまでNo.が入り込んでるなんて思わなかった。ごめん」
No.を所持している者がデュエルアカデミアの中にまでいたということを聞いた闇が項垂れる。
遊花達が闇のカードを知ったことについては、昨日の内に闇にも話を通した。
闇曰く、いずれはそんな日が来ると思っていたらしい。
しかし、そのことに付随してNo.がデュエルアカデミアにまで入り込んでいたという話を聞いた時には少し落ち込んだような表情を浮かべていた。
元々闇がデュエルアカデミアで特別講師をすることになったのは校長に頼みを聞いて貰う代わりにデュエルアカデミアの特別講師をするという約束があったのと、遊花達に闇のカードによる被害が及ばないように陰ながら守るためだったらしい。
しかし、結果としてそんな闇の目を掻い潜り闇のカードがデュエルアカデミアにも入り込んでいたことに対して責任を感じているのだろう。
無表情でも、真面目で心優しい闇には、少しでも自分の身内に危険が及んでしまう状況を見過ごしてしまったことが許せないのだろう。
そんなの、闇が背負うものじゃないのにな。
「別に闇が謝ることでもないだろ?悪いのは闇のカードをばら撒いてる奴らなんだから」
「遊騎の言う通りよ。別にアンタの責任でNo.って言うのが出回ってるわけじゃないんだから、気にしなくてもいいの。遊花だって怪我したわけじゃないんだから」
「遊騎………桜………」
俺と桜の言葉に、闇が悲痛な表情を浮かべてこちらを見る。
そんな闇に、遊花はリビングキッチンで注いできたコーヒーを正面に置きながら、優しい表情で首を振った。
「そうですよ。むしろ私達の方こそごめんなさいです。今まで闇先パイが守ってくれてたのに、気づけなくてごめんなさい」
「遊花………そんなの、気にしなくていい………私が勝手にやっただけ………」
「はい。だから、私も勝手に謝って、勝手に感謝するんですよ。いつも私達を守ってくれてありがとうございます。でも、これからは私達にも闇先パイが抱えてるものを少しは背負わせてくださいね」
「むぅ………遊花はズルい………そんな言い方をされたら断りにくい………」
遊花の言葉に闇が困ったように笑うと、遊花がテーブルに置いたコーヒーを飲んで目を逸らす。
きっと、遊花の真っ直ぐな気持ちが恥ずかしかったんだろう。
「さてと、それじゃあ俺はそろそろ行くかな」
「えっ?師匠、もう行くんですか?いつもより早いと思うんですが………」
遊花から渡されたコーヒーを飲み干し、席を立った俺を見て遊花が首を傾げる。
そんな遊花に俺は自分の荷物を纏めながら答える。
「ああ、仕事の前に少しだけ見回りでもしてみようと思ってな。今まで見回りをしてたのは夕方以降だったが、そこで手掛かりを得られなかったなら朝方に何かが起きてる可能性もあるんじゃないかと思ってな」
「なら、私も行く………」
「いや、闇は遊花達に闇のカードについて説明してやってくれ。俺もそこまで詳しいわけじゃないから大まかな説明しかできなかったし。それに、俺の仕事ならまだ小回りは効くが、闇達はそういうわけにはいかないだろう?なら、俺が適任ってだけの話だよ。んじゃ、行くか」
「あ、待ってください‼︎」
「ん?どうした?」
そう言ってリビングを出ようとする俺を、遊花が引き止める。
俺が首を傾げながら振り返ると、遊花が俺の前まで歩いてきて俺の手を取って心配そうに握りしめた。
「お気をつけて。無茶だけは、しないでくださいね」
「………ああ、分かってるよ」
「アンタはすぐに無茶するんだから、ヤバそうならすぐに連絡するのよ?」
「ん、何かあったらすぐに行く」
「分かってるって。んじゃ、いってきます」
「………はい、いってらっしゃい。師匠」
遊花の頭を軽く撫で、桜と闇に苦笑を返しながら栗原家を出て、自分のバイクに跨りヘルメットを被る。
「さて、それじゃあ無理せず、捜査開始といきますか」
そんなことを呟きながら俺はケルンの街を走り出すのだった。
ーーーーーーー
「んーこの辺りではそんなに変わった感じはないか。まあ、あまりくるエリアじゃないから、普段の様子もよく分からないが」
バイクから降り、少し伸びをしながら周囲の様子を見渡す。
俺の目の前に広がるのは太陽の光を受けて燦々と輝く巨大な海原と、その海原を豪快に滑るいくつもの船舶。
ここは決闘都市『ケルン』に存在する港湾エリア。
決闘都市『ケルン』はいくつかの大きなエリアに分かれているが、海を越えて『ケルン』に入ろうとするならば間違いなく通ることになるのがこの港湾エリアだ。
俺や遊花達が住んでいる中央エリアからは少し離れており、バイク等の交通手段を使わないと来るのに時間がかかるし、闇のカードが頻繁にばら撒かれていることから、海を越えて外部から入り込んでいるとは考えにくかったから今までは今まで来ることもなかったが、だからといってばら撒いている奴らが潜伏していたり、闇のカードが全くばら撒かれていないとは思えない。
今度はこういう場所も捜索範囲に加えた方がいいのかも知れないななどと思いながら、辺りを見渡していると、どこかから言い争うような声が聞こえてきた。
「ですから、私はこれからデュエルアカデミアに行かなければならないので………」
「そう言わずに、な、俺と遊ぼうぜ?デュエルアカデミアなんてサボっちまえばいいじゃんか。俺と遊んでくれたら珍しいカードを嬢ちゃんにあげるからさ」
「ん?なんだ?」
声が聞こえてきた方を見ると、そこには船乗りの格好をした男に絡まれているデュエルアカデミアの制服を着た少女がいた。
船乗りの男は下心満載の笑顔で少女に詰め寄り、少女は困った表情を浮かべていた。
こんな朝っぱらからナンパされるとは災難だなと思いながらも、このまま放っておくのも後味が悪いため少女達に近づいていく。
近づきながら少女の顔を確認すると、そこにいたのは想定外の人物だった。
「ん?もしかして、桜糀か?」
「えっ?この声………結束さん、ですか?」
ナンパされていた少女ーーー遊花の友人である桜糀が驚いた表情で俺の方を見る。
桜糀 紅葉。
遊花の為に『Natural』で開いた大会の1回戦で俺と戦い、遊花の為に俺を試し、遊花の師匠を辞めさせようとした少女だ。
あれから会うこともなかったが、まさかこんなところで再開するとは思わなかった。
「何故このようなところに結束さんが………」
「あーちょっと野暮用でな。桜糀はここら辺に住んでるのか?デュエルアカデミアからは少し遠いと思うが」
「は、はい。この先にあるバス停でバスに乗り、デュエルアカデミアに通学しております」
「へぇ、そうか。偉いんだな、桜糀は」
俺が関心したように頷くと。桜糀が気まずそうに顔を伏せる。
まあ、演技とはいえあれだけ貶した相手が目の前にいるから気まずいのだろう。
それに、状況が状況だしな。
「おいおい、兄ちゃん。知り合いだか何だか知らねぇが、その嬢ちゃんは俺と今から遊びに行くんだよ。邪魔しないで貰えねぇか?」
そう言って、桜糀にナンパをしていた男が不機嫌そうな表情を浮かべる。
桜糀をナンパしていたのは茶髪のネープレスで無色のストライプが入った制服に身を包んだガタイのいい男。
乗組員はストライプの間の色で部署が変わるという話を聞いたことがあるが、無色は確か甲板部だったハズだ。
荷物の積み下ろしとかをしているハズだから、そりゃあガタイもいいだろう。
「とか言ってるけど、実際はどうなんだ、桜糀」
「そのような事実はございません。私はデュエルアカデミアに行かなければなりませんし、第一貴方のように礼儀がない方の相手をするなどありえません。貴方様の相手をするぐらいなら、デュエルアカデミアを休んで結束さんに相手をして貰います」
「だ、そうだ。脈もなさそうだし、諦めたらどうだ?」
桜糀のはっきりとした否定の言葉を聞いて船乗りの男を見る。
桜糀のはっきりとした否定の言葉を聞き、男は一瞬唖然としたが、すぐに表情を切り替えて面白そうに笑った。
「ハハハハハ‼︎ますます気に入ったぜ‼︎どうしても嬢ちゃんと遊びたくなっちまった‼︎」
「マジか、お前………」
あれだけはっきりと拒絶されたのに心底面白そうに笑う船乗りの男に、俺は表情を引き攣らせる。
「よし‼︎なら、こうしよう‼︎兄ちゃん、俺とデュエルだ‼︎」
「はあ?何で俺が………」
「兄ちゃんが勝てば、嬢ちゃんは兄ちゃんの物だ。だが、俺が勝ったら嬢ちゃんは俺が貰うぜ‼︎」
「………なんで俺が巻き込まれるんだよ………」
船乗りの男は一方的にそう言ってデュエルディスクを構える。
あまりにあんまりな展開に背後にいる桜糀に視線をやると、桜糀は困ったような申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「………はぁ、仕方ないか」
俺はため息を吐きながらデュエルディスクを起動する。
多分このままデュエルを受けなければこの男はこのまま桜糀に付き纏うだろう。
なら、さっさと俺が倒して諦めさせた方が楽だ。
「分かった。そのデュエル、受けてやる。俺に負けたら潔く桜糀のことを諦めろよ」
「へっ、そうこなくっちゃなぁ‼︎俺は水喰 鱗之助(みずはみ りんのすけ)‼︎狙った獲物は逃がさない男だ‼︎」
「御託はいい。やろうぜ?」
『決闘‼︎』
遊騎 LP8000
鱗之助 LP8000
ーーーーーーー
「先攻は貰うぜ‼︎俺は手札から
〈海皇子ネプトアビス〉☆1 海竜族 水属性
DEF0
フィールドに現れたのは金色の矛を持つ男性のモンスター。
「さらに墓地に送られた水精鱗-アビスヒルデの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、同名カードは1ターンに1度手札から同名以外の水精鱗と名のついたモンスター1体を特殊召喚する‼︎
〈水精鱗-アビスパイク〉☆4 魚族 水属性
DEF800
ネプトアビスに追従するように銀色の魚の鎧を纏った魚人が現れる。
どうやらこの男のデッキは見た目通り水属性が主体のデッキみたいだな。
「水精鱗-アビスパイクの効果発動‼︎このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、手札の水属性モンスター1体を墓地へ捨てて、デッキからレベル3の水属性モンスター1体を手札に加える‼︎俺は手札から
〈水精鱗-アビスヒルデ〉☆3 水族 水属性
DEF400
さらにアビスパイクが咆哮をあげると、アビスパイクの背後から現れたのは魚の尾ビレを持つ妖精。
まだ召喚権も使われてないのにモンスターが3体………これはまだまだ展開されそうだな。
「デッキから海皇の竜騎隊を墓地へ送って海皇子ネプトアビスの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度デッキから同名カード以外の海皇モンスター1体を墓地へ送ってデッキから同名カード以外の海皇カード1枚を手札に加える‼︎俺はデッキから2枚目の海皇の竜騎隊を手札に加える‼︎そして墓地へ送られた海皇の竜騎隊の効果発動‼︎このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、デッキから同名カード以外の海竜族モンスター1体を手札に加える‼︎俺はデッキからエクシーズスライドルフィンを手札に加える‼︎」
「減った手札まで回復されたか」
「行くぜ‼︎荒れ狂え‼︎海をも喰らうサーキット‼︎」
「リンク召喚か………」
鱗之助が正面に手を前に突き出すと、目の前に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は魚族・海竜族・水族モンスター2体‼︎俺は海皇子ネプトアビスと水精鱗-アビスヒルデの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎
〈水精鱗-サラキアビス〉LINK2 海竜族 水属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
ネプトアビスとアビスヒルデの2体がサーキットの中に消え、代わりに金色の矛を持つ紫髪の女神が現れる。
「まだまだ行くぜ‼︎俺は海皇の竜騎隊を召喚‼︎」
〈海皇の竜騎隊〉☆4 海竜族 水属性
ATK1800
さらに、サラキアビスに付き従うように海竜に乗った魚人が姿を現す。
レベル4モンスターが2体、ということは………
「俺は水属性レベル4モンスターの水精鱗-アビスパイクと海皇の竜騎隊でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
アビスパイクと竜騎隊が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると、そこに現れたのは鮫のような身体を持つ巨大な白龍。
「獰猛なる力で世界を安寧に導け‼︎来な‼︎ババムートシャーク‼︎」
〈ババムートシャーク〉★4 海竜族 水属性
ATK2600
「ババムートシャーク………」
「ババムートシャークの効果発動‼︎ステイブルシャウト‼︎1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除き、EXデッキから水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体を特殊召喚する‼︎ただし、このターンこのカードは攻撃できなくなるが、先攻なら関係ねぇ。来な、
〈水精鱗-アビストリーテ〉★3 海竜族 水属性
DEF2800
ババムートシャークが咆哮をあげると、その咆哮に呼び寄せられるかのようにイルカの尾を持つ紫髪の女神が現れた。
「再び墓地へ送られた海皇の竜騎隊の効果発動‼︎俺はデッキから海皇の重装兵を手札に加える。そして水精鱗-サラキアビスの永続効果、ウォータープロテクションにより、このカードのリンク先のモンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする‼︎」
ババムートシャーク
ATK2600→3100
水精鱗-アビストリーテ
DEF2800→3300
「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。さあ、兄ちゃん。アンタの男気を見せてみな」
遊騎 LP8000 手札5
ーーーーー ー
ーーーーー
ー ☆
ーー○ー□
ーー▲ーー ー
鱗之助 LP8000 手札3
「俺のターン、ドロー‼︎よし、魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローする‼︎」
「っ⁉︎何だと⁉︎」
「さっきの説明で海皇モンスターは水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合に効果があることは分かっているし、水精鱗にも手札を捨てる効果があることも分かった。そんな状況でアンタの手札に海皇モンスターなんて残しておけるかよ。俺は5枚、アンタは3枚捨てて同じ枚数ドローだ
」
「姑息な手を………」
「わざわざアンタの土俵でデュエルをしてやる義理はないからな。俺は墓地に送られたくず鉄の像、それにチェーンして妖刀竹光の効果発動‼︎」
「チッ、墓地に送られた時に発動するカードがあったのか………」
「妖刀竹光の効果でデッキから妖刀竹光以外の竹光カードをデッキから手札に加える‼︎俺はデッキから黄金色の竹光を手札に加える‼︎さらにくず鉄の像の効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地のジャンクモンスター1体を対象としてそのモンスターを守備表示で特殊召喚する‼︎甦れ、チューナーモンスター、ジャンクチェンジャー‼︎」
〈ジャンクチェンジャー〉☆3 戦士族 地属性
DEF900
フィールドに現れたのは鋼鉄の身体を持つロボットのような戦士。
「ジャンクチェンジャーの効果発動‼︎このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、フィールドのジャンクモンスター1体を対象として2つの効果から1つを選択して発動できる。対象のモンスターのレベルを1つ上げるか、対象のモンスターのレベルを1つ下げる。俺は2つ目の効果を使用し、ジャンクチェンジャーのレベルを1つ上げる‼︎」
ジャンクチェンジャー
☆3→4
ジャンクチェンジャーの身体が赤く輝き、レベルが1つ上がる。
「俺は
〈H・C サウザンドブレード〉☆4 戦士族 地属性
ATK1300
フィールドに頭巾を被り、背中に何本もの刀を背負った戦士のモンスターが現れる。
「H・C サウザンドブレードの効果発動‼︎1ターンに1度手札にあるヒロイックカードを捨ててデッキからヒロイックモンスターを特殊召喚する‼︎俺は手札にある
〈H・C クラスプナイフ〉☆1 戦士族 地属性
DEF100
サウザンドブレードに導かれ、フィールドに現れたのは鉄の鎧を見に纏った巨大なナイフを持つ戦士。
「この効果を使ったH・C サウザンドブレードは守備表示になる」
H・C サウザンドブレード
ATK1300→DEF1100
クラスプナイフを呼び出したサウザンドブレードは膝をつき、防御の構えを取る。
「さらにH・C クラスプナイフの効果発動‼︎このカードがH・Cと名のついたモンスターの効果によって特殊召喚に成功した時、デッキからH・Cと名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる‼︎俺はデッキから
「リンク召喚か………」
俺が正面に手を前に突き出すと、目の前に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は戦士族モンスター2体‼︎俺はH・C サウザンドブレードとH・C クラスプナイフの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎追想に生きる王女‼︎リンク2‼︎聖騎士の追想 イゾルデ‼︎」
〈聖騎士の追想 イゾルデ〉LINK 2 戦士族 光属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
サウザンドブレードとクラスプナイフがサーキットの中に消え、金髪と白髪の2人の女性が現れる。
「聖騎士の追想 イゾルデの効果発動‼︎リンクレカレクション‼︎リンク召喚に成功した時、デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。ただし、このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。俺はデッキから
〈ヒーローキッズ〉☆2 戦士族 地属性
DEF600
イゾルデに導かれ、姿を現したのはSFで出てきそうなバトルスーツを着た小さな戦士。
「墓地に送られた妖刀竹光の効果、それにチェーンしてヒーローキッズの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、デッキから同名カードを任意の枚数特殊召喚する事ができる‼︎俺はデッキから2体のヒーローキッズを特殊召喚する‼︎」
〈ヒーローキッズ〉☆2 戦士族 地属性
DEF600
ヒーローキッズがバトルスーツを操作し通信を行うと、呼び出しに応じた2体のヒーローキッズがフィールドに現れる。
「チッ、雑魚がわらわらと集まって来やがる」
「そして墓地に送られた妖刀竹光の効果発動。デッキから折れ竹光を手札に加える。まだまだ終わらないぜ?ヒーローキッズ1体をリリースして魔法カード、モンスターゲート‼︎自分フィールドのモンスター1体をリリースして通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターを特殊召喚し、残りのめくったカードは全て墓地へ送る‼︎1枚目、閃光の双剣-トライス、2枚目、融合、3枚目、キングスナイト‼︎通常召喚可能なモンスターのため、キングスナイトを特殊召喚だ‼︎」
〈キングスナイト〉☆4 戦士族 光属性
ATK1600
ヒーローキッズの姿が消え、代わりに現れたのは黄金の鎧を身に纏った騎士。
「さて、初陣だ。斬り開け‼︎運命に抗うサーキット‼︎」
「またリンク召喚か………」
「召喚条件はカード名が異なるモンスターモンスター2体‼︎俺はヒーローキッズとキングスナイトの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎業火の剣豪‼︎リンク2‼︎剛炎の剣士‼︎」
〈剛炎の剣士〉LINK 2 戦士族 炎属性
ATK1300 ↙︎ ←
ヒーローキッズとキングスナイトがサーキットの中に消え、二振りの赤い大剣を構えた戦士が姿を現わす。
「剛炎の剣士の永続効果、業火招来‼︎フィールドの戦士族モンスターの攻撃力は500ポイントアップする‼︎」
剛炎の剣士が雄叫びを上げると、俺のモンスターが炎のオーラを身に纏う。
ジャンクチェンジャー
ATK1500→2000
聖騎士の追想 イゾルデ
ATK1600→2100
ヒーローキッズ
ATK300→800
剛炎の剣士
ATK1300→1800
「全体を強化するリンクモンスターか」
「まだまだ行くぜ‼︎俺はレベル2、ヒーローキッズに、レベル4、チューナーモンスター、ジャンクチェンジャーをチューニング‼︎」
「来るか、シンクロ召喚‼︎」
ジャンクチェンジャーが光の輪になり、ヒーローキッズが小さな星に変わり、光の道になる。
「夜空に輝く星屑は、希望の道を照らし出す‼︎シンクロ召喚‼︎光芒を描け、スターダストチャージウォリアー‼︎」
〈スターダストチャージウォリアー〉☆6 戦士族 風属性
ATK2000→2500
光の道が輝くと、その中から翼にいくつもの砲身を持つ空色の戦士が現れた。
「スターダストチャージウォリアーの効果発動‼︎スターリーチャージ‼︎このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分はデッキから1枚ドローする‼︎そして装備魔法、月鏡の盾をスターダストチャージウォリアーに装備‼︎」
チャージウォリアーの手元に満月のような綺麗な金色の輝きを放つ盾が現れる。
「このカードの装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時のみ、装備モンスターの攻撃力・守備力は、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力と守備力の内、高い方の数値を+100ポイントアップした数値になる‼︎」
「ほぅ、戦闘じゃ絶対に勝てるってわけか」
「そしてスターダストチャージウォリアーにはもう1つ効果がある。スターダストチャージウォリアーの永続効果、アナアレーションシューティング‼︎このカードは特殊召喚された相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる‼︎」
「っ⁉︎何だと⁉︎」
「行くぞ、バトル‼︎スターダストチャージウォリアーで水精鱗-アビストリーテを攻撃‼︎ファーストフルムーンドロップ‼︎ダメージ計算時、月鏡の盾によりスターダストチャージウォリアーは水精鱗-アビストリーテの守備力を+100ポイントアップした数値になる‼︎」
スターダストチャージウォリアー
ATK2500→3400
水流を盾にアビストリーテは逃げようとするが、チャージウォリアーは水流の隙間を縫い、翼の砲身でアビストリーテを撃ち抜いた。
「クッ………やるじゃねぇか。破壊された水精鱗-アビストリーテの効果発動‼︎このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地から同名カード以外の水精鱗と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる‼︎甦れ、水精鱗-アビスヒルデ‼︎」
〈水精鱗-アビスヒルデ〉☆3 水族 水属性
DEF400
「蘇ろうが関係ない。二撃目だ‼︎スターダストチャージウォリアーで水精鱗-アビスヒルデを攻撃‼︎セカンドフルムーンドロップ‼︎」
スターダストチャージウォリアー
ATK2500→1400
再び姿を現したアビスヒルデをチャージウォリアーが撃ち抜いて消滅させる。
「まだまだいくぜ、三撃目だ‼︎スターダストチャージウォリアーでババムートシャークを攻撃‼︎サードフルムーンドロップ‼︎」
スターダストチャージウォリアー
ATK2500→3200
ババムートシャークが咆哮を上げながら、チャージウォリアーに喰らい付こうとするが、チャージウォリアーが翼の砲身をババムートシャークの口に砲身を突っ込み、砲撃をして消滅させた。
鱗之助 LP8000→7900
「クッ………」
「四撃目‼︎スターダストチャージウォリアーで水精鱗-サラキアビスを攻撃‼︎フォースフルムーンドロップ‼︎」
「チッ、水精鱗-サラキアビスの効果発動‼︎オーシャンカーラント‼︎相手ターンに手札を1枚墓地へ送って、デッキから水精鱗モンスター1体を手札に加える‼︎手札を1枚捨て、デッキから
スターダストチャージウォリアー
ATK2500→1700
サラキアビスは水流を操り、防壁を作るがチャージウォリアーの放った砲撃がその防壁を貫き、サラキアビスの身体を貫いた。
鱗之助 LP7900→7800
「水精鱗-サラキアビスの効果発動‼︎アクアリターン‼︎このカードが相手モンスターの攻撃または相手の効果で破壊された場合、デッキから水属性モンスターを1体を墓地へ送り、自分の墓地の水属性モンスター1体を対象としてそのモンスターを守備表示で特殊召喚する‼︎俺はデッキから海皇の重装兵を墓地へ送り、甦れ、水精鱗-アビストリーテ‼︎」
〈水精鱗-アビストリーテ〉★3 海竜族 水属性
DEF2800
「っ、また蘇ってきたか………」
「それだけじゃねぇぜ。墓地に送られた海皇の重装兵の効果発動‼︎このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象とし、その相手の表側表示のカードを破壊する‼︎スターダストチャージウォリアーは破壊させて貰うぜ‼︎」
「何っ⁉︎」
爆散したサラキアビスの爆煙の中から重装備の魚人がチャージウォリアーに突撃し、共に爆散する。
一気にライフを削りに行きたかったが、俺のモンスターに復活したアビストリーテを超えることができない。
「墓地に送られた月鏡の盾の効果発動‼︎表側表示のこのカードがフィールドから墓地へ送られた場合、500ライフポイントを払ってこのカードをデッキの一番上または一番下に戻す。俺は500ライフポイントを支払い月鏡の盾をデッキの一番上に戻す」
遊騎 LP8000→7500
「メインフェイズ2。俺は聖騎士の追想 イゾルデに装備魔法、折れ竹光を装備する。さらに魔法カード黄金色の竹光を発動‼︎自分フィールドに竹光と名のついた装備魔法が存在する場合に発動でき、デッキからカードを2枚ドローする‼︎」
「チッ、また月鏡の盾が手札に入ったか」
「装備魔法、月鏡の盾を聖騎士の追想 イゾルデに装備‼︎カードを2枚伏せてターンエンドだ」
遊騎 LP7500 手札3
ー▲△△▲ ー
ーー☆ーー
☆ ー
ー□ーーー
ーー▲ーー ー
鱗之助 LP7800 手札3
「俺のターン、ドロー‼︎魔法カード、サルベージ‼︎自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を選択して手札に加える‼︎俺は墓地から海皇子ネプトアビスと水精鱗-アビスグンデを手札に加える‼︎そして海皇子ネプトアビスを召喚‼︎」
〈海皇子ネプトアビス〉☆1 海竜族 水属性
ATK800
「っ、そいつは………」
「デッキから海皇の狙撃兵を墓地へ送って海皇子ネプトアビスの効果発動‼︎俺はデッキから2枚目の海皇の重装兵を手札に加える‼︎そして墓地へ送られた海皇の狙撃兵の効果発動‼︎このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた時、相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して破壊する‼︎兄ちゃんの左端のセットカードを破壊して貰うぜ‼︎」
「くっ、ピンポイントガードが………」
「これだけじゃ終わらなねぇぜ‼︎手札の海皇の重装兵と水精鱗-アビスグンデを捨てて水精鱗-メガロアビスの効果発動‼︎手札からこのカード以外の水属性モンスター2体を墓地へ捨ててこのカードを手札から特殊召喚する‼︎来やがれ、水精鱗-メガロアビス‼︎」
〈水精鱗-メガロアビス〉☆7 海竜族 水属性
ATK2400
フィールドに現れたのは白い鎧を纏ったホオジロザメのモンスター。
しかも、海皇の重装兵と水精鱗-アビスグンデがコストにされたってことは………
「海皇の重装兵の効果、水精鱗-メガロアビスの効果、水精鱗-アビスグンデの効果発動‼︎水精鱗-アビスグンデの効果で墓地より甦れ、水精鱗-アビスパイク‼︎」
〈水精鱗-アビスパイク〉☆4 魚族 水属性
DEF800
「次に水精鱗-メガロアビスの効果発動‼︎アビスシャウト‼︎このカードの効果で特殊召喚に成功した時、デッキからアビス魔法・罠カード1枚を手札に加える。俺はデッキから罠カード、アビスコールを手札に加える‼︎最後に海皇の重装兵の効果発動‼︎聖騎士の追想 イゾルデを破壊する‼︎」
「くっ‼︎すまない、イゾルデ………俺は再び墓地に送られた月鏡の盾の効果発動‼︎俺は500ライフポイントを支払い月鏡の盾をデッキの一番下に戻す」
遊騎 LP7500→7000
「ほぅ、このままデッキの上に固定しねぇのか。まあいい。水精鱗-メガロアビスの効果発動‼︎アビスアトラサティ‼︎このカード以外の自分フィールドの表側攻撃表示の水属性モンスター1体をリリースしてこのターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる‼︎俺は海皇子ネプトアビスをリリースして水精鱗-メガロアビスに2回攻撃を付与する‼︎」
「っ、2回攻撃か………」
「それだけじゃねぇぜ‼︎墓地に送られた海皇子ネプトアビスの効果発動‼︎このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、同名カード以外の自分の墓地の海皇モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎
「何っ⁉︎」
「甦れ、海皇の竜騎隊‼︎」
〈海皇の竜騎隊〉☆4 海竜族 水属性
ATK1800
再びフィールドに現れる竜騎隊。
それを見て鱗之助がニヤリと笑った。
「いい機会だ。兄ちゃんも別嬪な嬢ちゃんもよく見とけよ?同じもんじゃぁねぇが。俺が嬢ちゃんにプレゼントしようとした素晴らしいカードを見せてやるよ」
「素晴らしいカード?」
「よく意味が分かりませんが………」
「安心しな、嬢ちゃんもきっと気にいると思うぜ?もっとも………兄ちゃんは怪我しちまうかも知れねぇがな」
「怪我、だと?………っ、まさか⁉︎」
鱗之助の言葉に不穏な気配を感じ、眉をひそめた瞬間、俺の身体を悪寒が駆け抜ける。
間違いない、この感覚は………‼︎
「俺は水属性レベル4モンスターの水精鱗-アビスパイクと海皇の竜騎隊でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
アビスパイクと竜騎隊が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると、そこに現れたのは蜘蛛の姿を持つ鮫のような深海の竜。
「来な、No.37‼︎獰猛なる捕食者よ‼︎希望を識る者に絶望の姿を見せよ‼︎希望織竜スパイダーシャーク‼︎」
〈No.37希望織竜スパイダーシャーク〉★4 海竜族 水属性
ATK2600
「やっぱり、No.‼︎」
「No.………ですか?結束さんはご存知なのですか?」
現れたスパイダーシャークを警戒する俺に桜糀が困惑した様子で質問を投げかけてくるが、あいにくその質問に答える余裕はない。
警戒する俺を見て、鱗之助は楽しそうに笑みを浮かべる。
「あん?何だよ、兄ちゃんは知ってんのか。すげぇよな、コイツらは。とんでもねぇパワーを秘めてやがる。コイツらがいれば、全てを思い通りにすることだってできるんだ‼︎」
「っ、No.に操られてる………ってわけでもないようだな」
言動は支離滅裂だが、鱗之助の目にははっきりと意思が宿っている。
操られていない………それがいいことってわけでもなさそうだがな。
俺の言葉に、鱗之助は明らかに不機嫌そうな表情を浮かべて俺を睨む。
「操られる?そんな軟弱な奴らと俺を一緒にしてんじゃねぇ‼︎自分を偽り、取り繕うからNo.程度に呑み込まれんだよ‼︎自分の欲望を曝け出しちまえば、自分の欲望に取り込まれることなんてねぇんだからよぉ‼︎」
そういって不気味に笑う鱗之助を見て、後ろにいる桜糀が半歩下がる。
確かに鱗之助はNo.には操られていない。
だが、No.に操られていなくとも、鱗之助は自分の欲望の赴くままに動いてNo.を使用している。
それは、No.に操られている人間と何が違うのだろうか?
危険だ………こいつはここで倒さないと間違いなく街中に被害が及ぶ。
「バトル‼︎No.37希望織竜スパイダーシャークで剛炎の剣士を攻撃‼︎この瞬間、No.37希望織竜スパイダーシャークの効果発動‼︎ストリングスウェーブ‼︎1ターンに1度、自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000ポイントダウンする‼︎」
「っ、相手モンスター全体を弱体化させるNo.‼︎」
スパイダーシャークが口から糸を吐くと、その糸が波打つように剛炎の剣士を縛り付け、動きを封じ込める。
剛炎の剣士
ATK1800→800
「消し飛ばせ、No.37希望織竜スパイダーシャーク‼︎ヴェノムタイド‼︎」
動きを封じ込められた剛炎の剣士に、スパイダーシャークが毒々しい津波を発生させる。
っ、この攻撃は………⁉︎
「っ、桜糀‼︎」
「えっ⁉︎」
俺は後ろにいた桜糀を突き飛ばし、毒の津波から庇うように桜糀に覆い被さる。
その瞬間、スパイダーシャークが放った津波が剛炎の剣士を呑み込んで、溶かし尽くし、さらに少量の毒の津波の余波が俺の身体を襲った。
「ぐっ………あああっ⁉︎」
「結束さん⁉︎」
遊騎 LP7000→5200
身体中を焼けるような痛みが駆け抜ける。
苦痛に喘ぐ俺を見て、桜糀が悲痛そうな表情を浮かべ、鱗之助が愉快そうに笑った。
「ははははは‼︎軟弱な割には男気があるじゃねぇか‼︎」
「っ、貴方は‼︎」
「大丈夫、だ。桜糀には、当たらなかったみたいだな。良かった………」
「結束さん………私などのために………」
「心配すんな、この程度なら、まだ大丈夫だからさ」
立ち上がり、精一杯不敵に笑ってみせる俺に、桜糀が泣きそうになる。
………正直、桜糀には1人で逃げてもらいたいんだが………こいつの性格上、逃げてなんかくれないよな。
このままだと、桜糀が攻撃に巻き込まれちまう。
早めに決着をつけねぇとな………
「破壊された剛炎の剣士の効果、それにチェーンしてH・Cサウザンドブレードの効果発動‼︎H・Cサウザンドブレードの効果でこのカードが墓地に存在し、戦闘・効果で自分がダメージを受けた時、このカードを墓地から攻撃表示で特殊召喚する‼︎」
〈H・C サウザンドブレード〉☆4 戦士族 地属性
ATK1300
俺のフィールドに再びサウザンドブレードが現れる。
「さらに剛炎の剣士の効果発動‼︎転生魂火‼︎リンク召喚したこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、リンクモンスター以外の自分の墓地の戦士族モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される‼︎甦れ、H・C エクストラソード‼︎」
〈H・C エクストラソード〉☆4 戦士族 地属性
ATK1000
さらにサウザンドブレードと並び立つように銀色の鎧を身に纏った二刀流の戦士が現れた。
「蘇生効果があったか。だが、攻撃表示だなんて迂闊すぎだ‼︎水精鱗-メガロアビスでH・C サウザンドブレードを攻撃‼︎メガロブレード‼︎」
メガロアビスが手にした大剣をサウザンドブレードに振り下ろす。
だが、そんな分かりきった攻撃を易々と喰らうわけがない‼︎
「手札に存在するH・Cソードシールドの効果を発動‼︎ヒロイックモンスターが存在する時に手札から墓地に送ることでこのターン、戦闘によって発生するダメージは0になり、自分フィールド上のヒロイックモンスターは戦闘で破壊されない‼︎」
「チッ、そんなモンスターを持ってやがったのか‼︎」
サウザンドブレードの腕に剣と盾が融合した武器が現れ、メガロアビスの攻撃を受け止める。
これでこのターン、これ以上やられる心配はない。
「チッ、ここでやられておけばよかったのによぉ。メインフェイズ2、俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
遊騎 LP5200 手札2
ー▲ーーー ー
ー○○ーー
ー ○
ー□ー○ー
ー▲▲▲ー ー
鱗之助 LP7800 手札1
「俺のターン、ドロー‼︎」
カードをドローした瞬間、俺のEXデッキから闇が溢れ出し始める。
………正直言って使うのは癪だが、今の俺の手札であのフィールドを突破するには使うしかないか。
「仕方ねぇ、乗せられてやるよ。H・C サウザンドブレードの効果発動‼︎手札からH・C ダブルランスを捨て、デッキから
〈H・C 強襲のハルベルト〉☆4 戦士族 地属性
ATK1800
H・C サウザンドブレード
ATK1300→DEF1100
サウザンドブレードと並び立つように現れたのはハルバードを持った紫の鎧を纏った戦士。
これでレベル4モンスターが3体揃った。
これでエクシーズ召喚にーーー
「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎メタバース‼︎」
「‼︎そのカードは………」
「このカードはデッキからフィールド魔法を手札に加えるか、自分フィールドに発動することができる‼︎俺はフィールド魔法、異次元の古戦場-サルガッソを発動‼︎」
「異次元の古戦場-サルガッソ、だと?」
鱗之助がフィールド魔法を発動すると、辺りが損壊した航空母艦などが浮遊する船の墓場に変わる。
何故このタイミングでフィールド魔法を………
「どうしてこのタイミングでフィールド魔法を発動したのかって顔をしてるな?なら、教えてやる。フィールド魔法、異次元の古戦場-サルガッソの効果はエクシーズ召喚に成功する度に、そのプレイヤーは500ポイントダメージを受け、また、エクシーズモンスターをコントロールしているプレイヤーは、それぞれの自分のエンドフェイズ毎に500ポイントダメージを受けるからだ‼︎」
「なっ⁉︎このタイミングでエクシーズメタのフィールド魔法だと⁉︎」
「テメェがエクシーズ召喚を狙ってることなんて分かりきってんだよ‼︎さあ、自分から命を削ってくか、考えるんだなぁ‼︎」
嘲笑うように鱗之助が声をあげる。
確かにこの状況でバーンダメージを受けるのは痛い。
だが、条件はあっちも同じ。
多少の痛みぐらい覚悟しなければ、この状況から逆転できはしない。
「臆しはしない‼︎俺はクィーンズナイトを召喚‼︎」
〈クィーンズナイト〉☆4 戦士族 光属性
ATK1500
俺の前に赤い鎧を身に纏った女性の騎士が現れる。
俺はその姿を確認してから、正面に手をかざす。
「俺はレベル4のクィーンズナイト、H・C サウザンドブレード、H・C エクストラソードでオーバーレイ‼︎3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
クィーンズナイト、サウザンドブレード、エクストラソードが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けるとそこから現れるのは異形の存在。
悪魔のような身体に白いツノ、黒い鉤爪を持つ異形の神。
「騎士の魂が宿し紋章よ‼︎今こそその魂を示せ‼︎現れろ‼︎No.69
〈No.69 紋章神コートオブアームズ〉★4 サイキック族 光属性
ATK2600
「⁉︎結束さんもNo.を………」
「‼︎ほぅ、兄ちゃんもNo.を持ってたか。だが、エクシーズ召喚をしたことでフィールド魔法、異次元の古戦場-サルガッソの効果発動‼︎500ポイントのダメージを受けて貰うぜ‼︎」
「ぐっ‼︎」
遊騎 LP5200→4700
空から雷が降り注ぎ、俺の身体を貫く。
だけど、この程度で止まってなんかいられるかよ‼︎
「まずはオーバーレイユニットになったH・C エクストラソードの効果発動‼︎このカードをオーバーレイユニットとしてエクシーズ召喚したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする‼︎」
No.69 紋章神コートオブアームズ
ATK2600→3600
「さらにNo.69 紋章神コートオブアームズの効果発動‼︎ロストグローリー‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上の全てのエクシーズモンスターの効果を無効にする‼︎」
「っ⁉︎何だと⁉︎」
コートオブアームズから謎の波動が放たれ、スパイダーシャークとアビストリーテが色を失っていく。
「さらにNo.69 紋章神コートオブアームズの効果発動‼︎アームズドレイン‼︎自分のメインフェイズ時、1ターンに1度、このカード以外のエクシーズモンスター1体を選択し、エンドフェイズ時まで、このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る‼︎」
「なっ⁉︎テメェ‼︎」
「対象はNo.37希望織竜スパイダーシャークだ‼︎お前の効果、いただくぜ‼︎」
コートオブアームズの鉤爪から光の糸が現れ、スパイダーシャークの身体を貫き、力を吸い取っていく。
「バトル‼︎No.69 紋章神コートオブアームズでNo.37希望織竜スパイダーシャークを攻撃‼︎この瞬間、No.37希望織竜スパイダーシャークとなったNo.69 紋章神コートオブアームズ効果発動‼︎ストリングスウェーブ‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000ポイントダウンする‼︎」
「チッ、猿真似野郎が‼︎」
コートオブアームズが腕から糸を放つと、その糸が鱗之助のモンスター達を縛り付け、動きを封じ込める。
No.37希望織竜スパイダーシャーク
ATK2600→1600
水精鱗-アビストリーテ
ATK1600→600
水精鱗-メガロアビス
ATK2400→1400
「やれ、No.69 紋章神コートオブアームズ‼︎クレストマジェスティ・バージョン・ヴェノムタイド‼︎」
「チッ、迎え撃て‼︎No.37希望織竜スパイダーシャーク‼︎ヴェノムタイド‼︎」
スパイダーシャークが毒々しい津波を発生させると、コートオブアームズも同じように毒々しい津波を発生させ、相殺させる。
相殺し、油断したスパイダーシャークに、コートオブアームズはさらにツノからエネルギー波を撃ち込み、消滅させた。
鱗之助 LP7800→5800
「ぐあぁぁぁ‼︎」
「続けて、H・C 強襲のハルベルトで水精鱗-メガロアビスを攻撃‼︎ライトニングハルバード‼︎」
「ぐぅっ‼︎」
鱗之助 LP5800→5400
ハルベルトが動きを封じられたメガロアビスを雷を纏ったハルバードで貫く。
「H・C 強襲のハルベルトの効果発動‼︎このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時にデッキからヒロイックカードを手札に加える。俺はデッキからH・C ダブルランスを手札に加える‼︎俺はこのままターンエンドだ‼︎」
「テメェ、調子に乗ってんじゃねぇぞ‼︎フィールド魔法、異次元の古戦場-サルガッソの効果発動‼︎500ポイントのダメージを受けろ‼︎」
「っ‼︎」
遊騎 LP4700→4200
遊騎 LP4200 手札2
ー▲ーーー ー
ーーー○ー
○ ー
ー□ーーー
ーー▲▲ー ▽
鱗之助 LP5400 手札1
「テメェ、遊んでやればつけやがりやがって‼︎遊びは終わりだ‼︎その生意気な面が歪むまでぐちゃぐちゃにぶっ潰してやる‼︎俺のターン、ドロー‼︎手札の
〈水精鱗-ディニクアビス〉☆7 海竜族 水属性
DEF2400
フィールドに現れたのは銀色の鎧を纏った魚人。
「水精鱗-ディニクアビスの効果発動‼︎このカードの効果で特殊召喚に成功した時、デッキからレベル4以下の水精鱗モンスター1体を手札に加える‼︎俺はデッキから
〈水精鱗-アビスディーネ〉☆3 水族 水属性
DEF200
さらにディニクアビスに導かれ、クリオネのような尾を持つ水の精霊が姿を現わす。
「そして、荒れ狂え‼︎海をも喰らうサーキット‼︎」
「またリンク召喚か………」
鱗之助が正面に手を前に突き出すと、再び巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は魚族・海竜族・水族モンスター2体‼︎俺は水精鱗-アビスディーネと水精鱗-アビストリーテの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎再び姿を現せ‼︎リンク2‼︎水精鱗-サラキアビス‼︎」
〈水精鱗-サラキアビス〉LINK2 海竜族 水属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
「っ、またサラキアビスか………」
「まだだ‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎アビスコール‼︎自分の墓地の水精鱗と名のついたモンスター3体を選択して表側守備表示で特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、攻撃宣言できず、エンドフェイズ時に破壊される‼︎甦れ、水精鱗-アビスディーネ‼︎水精鱗-アビスヒルデ‼︎水精鱗-アビスグンデ‼︎」
〈水精鱗-アビスディーネ〉☆3 水族 水属性
DEF200→700
〈水精鱗-アビスヒルデ〉☆3 水族 水属性
DEF400
〈水精鱗-アビスグンデ〉☆3 水族 水属性
DEF800→1300
アビスコールによってフィールドに現れる3体の水精鱗。
呼び出されたモンスターは3体共レベル3モンスター。
狙いはランク3エクシーズか?
「さらに墓地に存在する水精鱗-アビスマンダーを除外して効果発動‼︎墓地のこのカードをゲームから除外し、2つの効果から1つを選択して発動できる。自分フィールド上の全ての水精鱗と名のついたモンスターのレベルを1つ上げるか、自分フィールド上の全ての水精鱗と名のついたモンスターのレベルを2つ上げる‼︎」
「っ⁉︎レベル上昇の効果だって⁉︎」
「俺は1つ目の効果を選択し、自分フィールド上の全ての水精鱗と名のついたモンスターのレベルを1つ上げる‼︎」
水精鱗-ディニクアビス
☆7→8
水精鱗-アビスディーネ
☆3→4
水精鱗-アビスヒルデ
☆3→4
水精鱗-アビスグンデ
☆3→4
鱗之助のフィールドの水精鱗のレベルが上昇する。
それと共に再び俺の身体を悪寒が駆け抜ける。
「っ、この感覚は‼︎」
「後悔させてやるよ‼︎俺に歯向ったことをな‼︎俺はレベル4となった水精鱗-アビスディーネ、水精鱗-アビスヒルデ、水精鱗-アビスグンデでオーバーレイ‼︎3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
アビスディーネ、アビスヒルデ、アビスグンデが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると、現れたのは深い闇のような体躯を持つ深海の竜。
「来な、No.32‼︎獰猛なる深海の帝王よ‼︎全てを喰らい、その血で世界を塗り潰せ‼︎海咬龍シャークドレイク‼︎」
〈No.32海咬龍シャークドレイク〉★4 海竜族 水属性
ATK2800→3300
「2体目のNo.だと⁉︎だが、エクシーズ召喚したことでお前の異次元の古戦場-サルガッソの効果が発動する‼︎」
空から雷が降り注ぎ、鱗之助の身体を貫こうとするが、鱗之助の周りに透明な防壁が現れ、雷を弾いた。
「何⁉︎」
「ハッ、馬鹿が。自分のカードだぞ?そんなもの対策してるに決まってんだろうが‼︎墓地に存在するサルガッソの灯台の効果発動‼︎このカードが墓地に存在する限り、異次元の古戦場-サルガッソの効果によって自分が受ける効果ダメージは0になるんだよ‼︎」
「なっ⁉︎そんなカードいつ………っ、サラキアビスの効果を使った時か‼︎」
「これでエクシーズ召喚しようが俺は無事なんだよ‼︎お前は地獄行きだがな‼︎さらなる絶望を教えてやる‼︎リバースカードオープン‼︎エクシーズリボーン‼︎自分の墓地のエクシーズモンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてオーバーレイユニットとする‼︎深き深淵より甦れ、No.37希望織竜スパイダーシャーク‼︎」
〈No.37希望織竜スパイダーシャーク〉★4 海竜族 水属性
ATK2600→3100
「っ、スパイダーシャークまで………」
「それだけじゃねぇぜ‼︎墓地に存在するエクシーズスライドルフィンの効果発動‼︎このカードが墓地に存在し、自分フィールドにエクシーズモンスターが特殊召喚された場合、そのエクシーズモンスター1体を対象としてこのカードをそのモンスターの下に重ねてオーバーレイユニットとする‼︎ただし、この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できないがな。俺は墓地に存在するエクシーズスライドルフィンをNo.37希望織竜スパイダーシャークのオーバーレイユニットにするぜ‼︎」
鱗之助の墓地から黄色い体躯のイルカが現れ、スパイダーシャークのオーバーレイユニットに変わる。
これでスパイダーシャークは2回効果を使えるようになったのか。
こいつは、ヤバイぜ。
「バトルだ‼︎さっきの借りを返してやるよ‼︎No.37希望織竜スパイダーシャークでNo.69 紋章神コートオブアームズを攻撃‼︎この瞬間、No.37希望織竜スパイダーシャークの効果発動‼︎ストリングスウェーブ‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000ポイントダウンする‼︎」
「っ、チェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎ダメージダイエット‼︎このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる‼︎」
「チッ、フリーチェーンの防御カードか。構うか、縛り上げろスパイダーシャーク‼︎」
スパイダーシャークが口から糸を吐き、コートオブアームズとハルベルトを縛り付ける。
No.69 紋章神コートオブアームズ
ATK3600→2600
H・C 強襲のハルベルト
ATK1800→800
「消し飛ばせ、No.37希望織竜スパイダーシャーク‼︎ヴェノムタイド‼︎」
「っ、迎え撃て‼︎No.69 紋章神コートオブアームズ‼︎クレストマジェスティ‼︎」
スパイダーシャークが放つ毒々しい津波をコートオブアームズはツノからエネルギー波を放ち相殺しようとするが、身体を縛られた状態では完全に相殺することはできず毒の津波に呑み込まれて消滅し、その余波が俺の身体も蝕んでいく。
「ぐっ………あああっ‼︎」
遊騎 LP4200→3950
「いいぞ、もっと苦しめ‼︎No.32海咬龍シャークドレイクでH・C 強襲のハルベルトを攻撃‼ブラッディクランチ‼︎」
シャークドレイクが動きが封じられたハルベルトに勢いよく喰らいつき、ハルベルトが苦痛の声をあげる。
シャークドレイクはハルベルトの身体をある程度貪ると、ハルベルトを俺の方に向かって勢いよく吹き飛ばした。
遊騎 LP3950→2700
「くっ………」
「まだ終わりじゃねぇぜ?No.32海咬龍シャークドレイクの効果発動‼︎アビスラッグ‼︎1ターンに1度、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除いて、破壊したそのモンスターを相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚し、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする‼︎戻って来やがれ、H・C 強襲のハルベルト‼︎」
〈H・C 強襲のハルベルト〉☆4 戦士族 地属性
ATK1800→800
シャークドレイクに噛み付かれ、瀕死状態に陥ったハルベルトが立ち上がる。
破壊したモンスターを弱体化させるとはいえ蘇生させる効果。
一体この効果に何の意味がーーー
「さらに、このバトルフェイズ中、No.32海咬龍シャークドレイクはもう1度だけ攻撃できる‼︎」
「っ⁉︎連続攻撃だと⁉︎」
「もう1度喰らいつけ‼︎No.32海咬龍シャークドレイクでH・C 強襲のハルベルトを攻撃‼デュアルブラッディクランチ‼︎」
シャークドレイクが瀕死状態のハルベルトに勢いよく喰らいつき、その身体を呑み込んでいく。
シャークドレイクはハルベルトを完全に喰らい尽くすと、歓喜の咆哮を上げながら、口からハルベルトが着ていた鎧を俺に向けて勢いよく吐き出した。
「ぐっ‼︎がああっ‼︎」
遊騎 LP2700→1450
「結束さん‼︎」
鎧が俺の身体にぶつかり、俺の身体は数メートル吹き飛ばされ、桜糀が悲痛な声をあげながら、俺に駆け寄ってくる。
マズい………想像していた以上に身体にダメージが入ってる。
このままじゃ、最悪デュエル中に意識が飛んでそのまま負ける。
「さて、テメェの墓地にはダメージを受けたら出てくるモンスターがいるんだよな?なら、これ以上の攻撃は止めておくか。優しいだろう、俺?」
「………っ、下賤な輩が、どの口で‼︎」
「おいおい、嬢ちゃん。それはねぇぜ?本当は野郎と思えばデュエル中にそいつを殺すことだってできんだぜ?生かしてやってるだけ温情じゃねぇか」
「貴様‼︎」
「………威張り散らすことだけは、達者だな。そういうのは、本当に、俺を殺してから言えって、の」
「あん?」
自分本位な理論を振りかざす鱗之助に桜糀が掴みかかりに行きそうになるのを、痛む身体を堪えて立ち上がり、何とか止める。
「結束さん‼︎いけません、動かれては………」
「大丈夫だ。まだデュエルも終わってないしな。この程度で、俺は死なねぇから、桜糀もあんな奴の言葉に乗せられんな」
「結束、さん………」
「ハッ、強がるじゃねぇか。そんなぼろぼろの身体で何ができるってんだよ‼︎」
ふらふらになりながらも立ち上がった俺を見て、不機嫌そうに鱗之助が吠える。
何ができる………か。
そんなもの、分かりきっているだろ。
「決まってるだろ、デュエルだよ。ライフポイントはまだ残ってんだ。ライフポイントが消えるまで、俺は絶対に折れねぇぞ」
「っ………」
必ず勝つという気持ちを込め睨みつける俺の眼光に気圧されるように、鱗之助の身体が無意識に半歩下がる。
そんな俺を見て、桜糀が戸惑った表情を浮かべる。
「結束さん、何故そこまでしてデュエルをするのですか?私があの男に付き纏われたのが原因で、こんな危険なデュエル、貴方様がしなくても………」
「まあ、確かに、わざわざ俺である必要はないと思うよ。セキュリティとかに言ったら解決してくれるかも知れないしさ」
そう言いながら、俺は苦笑を浮かべる。
確かに、桜糀の問題を解決するのは、俺である必要はない。
だけど………
「でも、ここで逃げたら桜糀を守ってやれないだろ?」
「………えっ?」
俺の言葉に、桜糀が目を丸くする。
そんな桜糀に俺は真剣な表情のまま告げる。
「別に義務とか使命とか思ってるわけじゃないさ。俺の身体を動かしてるのは、そんな思いじゃない。自分の身近な知り合いを守りたい。そんな単純なことなんだ。誰かに強制されたわけでもない、俺の知り合いは、俺が守る。他の誰かなんかに、こんな役目はやれねぇよ」
「っ、結束、さん………」
驚く桜糀に俺は笑いかけると、庇うように鱗之助の前に立つ。
「だから、勝たせて貰うぜ。鱗之助、テメェなんかに、この子を傷つけさせるかよ‼︎」
「っ、生意気なことばかりを言いやがって‼︎そこまで言うならこの状況から逆転して見やがれ‼︎テメェみたいな軟弱者に、俺が倒せるって言うんならよぉ‼︎俺はこれでターンエンドだ‼︎」
遊騎 LP1450 手札2
ーーーーー ー
ーーーーー
ー ☆
ー□○ー○
ーーーーー ▽
鱗之助 LP5400 手札0
怒鳴りながらも、鱗之助はターンエンドを宣言した。
怒ってはいるが、思考自体は冷静らしい。
まあ、攻撃されたら割と危なかったんだがな。
サルガッソのせいで俺はエクシーズ召喚をするとライフポイントが削れてしまう。
それならエクシーズ以外の戦術に頼りたいところだが、現在の俺の手札はH・C ダブルランスとシャッフルリボーン。
ダブルランスからリンク召喚できるイゾルデは出しちまったし、ダブルランスにはシンクロ召喚には使えない制約がある。
その上、ダブルランスから出せる融合モンスターなんてものはいないし、いたとしても融合カードはない。
となれば、どうしてもエクシーズ召喚に頼らざるおえないのだが、ダブルランスから出せるエクスカリバーではスパイダーシャークの効果が使える限り勝ち目はないし、1ターン持っても次の俺のターンの終わりにはサルガッソのバーンでゲームエンドだ。
正直、ここから逆転する可能性はかなり低い。
だけど、まだドローが残っている。
それならば、諦めるにはまだ早い、よな。
「俺のターン‼︎」
不安を吹き飛ばすように、声を張り上げてデッキの上のカードを握る。
頼む、俺のデッキよ。
この逆境を吹き飛ばす力を、俺に貸してくれ‼︎
「ドロー‼︎」
勢いよくカードを引き抜いて、ドローしたカードを見る。
「っ、このカードは………」
ドローしたカードは、俺が知らない間に手にしていた島さんですら分からないと言っていた謎のカードだった。
デッキを組み直した時に一応入れておいたのだが、まさかこんなタイミングでドローするなんてな。
「………分が悪い賭けだよな」
正直、このカードの力は全くの未知だ。
入手した時のことも覚えていないし、共に手に入れたカードのことを踏まえると間違いなく闇のカードなのだろう。
このぼろぼろの身体で使えるのかどうかすら分からない。
下手したら使うことで俺が闇のカードに呑み込まれ、桜糀にまで危害が加わってしまう可能性もある。
だが、それでも………
「やるっきゃないならやるしかないよな」
使ってしまえば、どうなるかは分からない。
だけど、これを使うことでしか桜糀を助ける可能性がないのなら………
「本当に癪だが………乗せられてやるよ‼︎魔法カード、シャッフルリボーン‼︎自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに除外される‼︎甦れ、No.69 紋章神コートオブアームズ‼︎」
「何?」
〈No.69 紋章神コートオブアームズ〉★4 サイキック族 光属性
ATK2600
「あまりのダメージにいかれちまったのか?効果もオーバーレイユニットもないNo.を出して何になるって言うんだよ‼︎」
フィールドに再び現れたコートオブアームズを見て鱗之助が俺を嘲笑う。
ああ、確かに本来ならあまり意味がない一手だよ、
俺が手札にあるカードを発動しようとした瞬間、立体映像のコートオブアームズが俺の方を見た。
その目はまるで覚悟はできているのかと問いかけてくるような目をしている。
そんなコートオブアームズに、俺は不敵な笑みを浮かべて返す。
覚悟?そんなものーーー
「できてるに決まってんだろ‼︎俺は
「RUM、だと?」
「自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高いCNo.またはCXと名のついたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ね、エクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎俺はNo.69 紋章神コートオブアームズ1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオスエクシーズチェンジ‼︎」
「カオス………エクシーズチェンジ、だと?なんだ?お前は何を言っているんだ⁉︎」
コートオブアームズが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
それと同時にEXデッキから大量の闇が溢れ出し、俺の身体を包み込んだ。
「ぐっ………ああああああああああ‼︎」
「っ、結束様‼︎」
初めてコートオブアームズを呼び出した時と同じように身体中に嫌な感覚が駆け巡り、ぼろぼろの俺の身体を奪おうとし、その闇から様々な声が聞こえてくる。
『殺せ‼︎』
『奪え‼︎』
『お前を不当に扱った者に復讐しろ‼︎』
『復讐はお前の正当な権利だ‼︎』
『その力を、欲望を、全て開放しろ‼︎』
その声が聞こえる度に、俺の意識が薄れていく。
ああ、これが闇のカードに取り憑かれた者の感覚なんだな。
確かに、耳障りのいい言葉ばかりだよ。
だけどな………俺は1番初めにお前を使った時に言ったハズだぜ、コートオブアームズ。
「俺は弟子の為に死ぬわけにはいかないし、俺自身でいなきゃならないって、な‼︎それに、今の俺にはあの頃よりも守らないといけない誓いが増えてんだよ‼︎」
そう叫んで俺は初めてコートオブアームズを使った時のように胸の前で腕をクロスする。
「俺は大切な弟子を、あいつが望む場所まで連れて行く‼︎それまであいつの師匠として一緒に運命と戦うって決めてんだ‼︎今更呪い風情が入り込む余地なんてねぇんだよ‼︎」
『………』
「お前なんかじゃ………いや、もう誰だろうと、俺は止められねぇ‼︎」
気合いを入れて嫌な感覚を吹き飛ばすように胸の前でクロスした腕を振り払う。
すると途端に嫌な感覚が消え、意識もはっきりしてくる。
闇が俺の身体から吹き飛ぶ刹那。
どこか楽しげな声が俺の耳に響いた。
『………いいだろう。お前も力を手に入れたならば、未来は己の手で勝ち取ってみせろ』
「………そんなの、言われるまでもねぇよ‼︎」
そんな俺の叫びに応えるように宙に浮かんだ混沌の渦が爆ける。
そして渦が爆けるとそこから現れるのは進化を遂げた異形の存在。
血のような真紅に染まった悪魔のような身体に漆黒のツノ、金色の鉤爪を持つ異形の死神。
「騎士の魂が宿し紋章よ‼︎混沌の力を受け継ぎ、彷徨う魂を導け‼︎現れろ‼︎CNo.69
〈CNo.69 紋章死神カオスオブアームズ〉★5 サイキック族 光属性
ATK4000
「カオス………ナンバーズだと⁉︎何だそれは⁉︎そんなもん、聞いたことねぇぞ⁉︎」
「なら、たっぷりその身に教えてやるよ‼︎RUMーバリアンズフォースの効果には続きがある。CNo.またはCXと名のついたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ね、エクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚した後、相手フィールド上にオーバーレイユニットが存在する場合、相手フィールド上のオーバーレイユニット1つを、この効果で特殊召喚したエクシーズモンスターの下に重ねてカオスオーバーレイユニットとする‼︎」
「何だと⁉︎」
「俺が選ぶのはNo.37希望織竜スパイダーシャークのオーバーレイユニットだ‼︎吸い尽くせ、カオスアブソーブ‼︎」
カオスオブアームズが咆哮を上げ、金色の腕から光の糸を放ち、スパイダーシャークの身体を串刺にし、オーバーレイユニットごと力を根こそぎ奪い取ると、スパイダーシャークの身体が薄く透けていく。
そしてスパイダーシャークの力を奪い尽くすと、カオスオブアームズはスパイダーシャークを光の糸でスパイダーシャークを振り回して投げ飛ばした。
「スパイダーシャークのオーバーレイユニットが………だ、だが、エクシーズ召喚をしたことでフィールド魔法、異次元の古戦場-サルガッソの効果発動‼︎500ポイントのダメージを受けろ‼︎」
遊騎 LP1450→950
空から雷が降り注ぎ、俺の身体を貫き、俺のライフがレッドゾーンに突入する。
だが、そんなのはもう関係ない‼︎
「CNo.69 紋章死神カオスオブアームズの効果発動‼︎オーバーキルドレイン‼︎このカードがNo.69 紋章神コートオブアームズをカオスオーバーレイユニットとしている場合、1ターンに1度、このカードのカオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択し、エンドフェイズ時まで、このカードの攻撃力は選択したモンスターの元々の攻撃力分アップし、このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る‼︎」
「何だと⁉︎」
「対象は、No.32海咬龍シャークドレイク‼︎」
カオスオブアームズが再び咆哮を上げ、金色の腕から光の糸を放ち、シャークドレイクの身体を串刺にし、その全てを奪い取る。
CNo.69 紋章死神カオスオブアームズ
ATK4000→6800
「攻撃力………6800だと⁉︎」
「バトルだ‼︎CNo.69 紋章死神カオスオブアームズでNo.32海咬龍シャークドレイクを攻撃‼︎ブラッディクランチ‼︎」
シャークドレイクから力を奪ったカオスオブアームズは、光の糸でシャークドレイクを縛り付け、その身体に喰らいつくと、そのままシャークドレイクを振り回して鱗之助に向けて投げ飛ばす。
鱗之助 LP5400→1900
「ぐがぁぁぁぁ‼︎テメェ‼︎」
「まだだ‼︎No.32海咬龍シャークドレイクとなったCNo.69 紋章死神カオスオブアームズの効果発動‼︎アビスラッグ‼︎カオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、破壊したそのモンスターを相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚し、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする‼︎再び現れろ、No.32海咬龍シャークドレイク‼︎」
〈No.32海咬龍シャークドレイク〉★4 海竜族 水属性
ATK2800→3300→2300
「これで終わりだ‼︎CNo.69 紋章死神カオスオブアームズでNo.32海咬龍シャークドレイクを攻撃‼︎」
俺の声を聞きカオスオブアームズはシャークドレイクに突撃し、シャークドレイクの身体に光の糸を突き刺して巨大な腕で身体を抑え込み動きを封じると、カオスオブアームズの身体が金色に輝き始める。
カオスオブアームズの輝きが増していくと、それと同時にシャークドレイクの身体が少しずつ溶けていく。
「終わりだ、メルトアウトヘルデザイア‼︎」
シャークドレイクの身体が原型を留めれない程に溶けると、カオスオブアームズはツノからエネルギー波をシャークドレイクに向けて放ち、そのまま爆散させた。
「クソ‼︎この俺が、軟弱者なんかに………ぐあぁぁぁ‼︎」
鱗之助 LP1900→0
ーーーーーーー
「俺の、勝ちだ………‼︎」
デュエルが終わり、カオスオブアームズに吹き飛ばされた鱗之助のデュエルディスクから凄い勢いで回転して俺の元に飛んでくる2枚のカードを掴み取る。
俺が手にした2枚のカードを見て、鱗之助は怒り狂うように俺を睨みつける。
「クソっ‼︎クソがぁぁぁ‼︎俺がこんな奴なんかに負けるだと⁉︎ふざけるな‼︎何なんだよ⁉︎テメェはよぉ⁉︎」
「………」
怨嗟の声を出しながら何度も地面を叩く鱗之助を、俺は憐憫の目で見る。
そんな俺に気づいたのか、鱗之助は怒り狂った様子で立ち上がり、俺に怒鳴り声をあげながら想定外の言葉を口にした。
「CNo.なんてもん
「っ⁉︎お前、今何て言った⁉︎あの男も作ったなんて言ってなかった?お前、No.を作ってる奴を知ってるのか⁉︎」
「あの野郎、俺に黙っていやがったな⁉︎クソが、今からでも乗り込んで文句を言いに言ってやる‼︎」
鱗之助から漏れた言葉に、俺は思わず目を見開く。
間違いない………コイツはNo.を作った奴を、その居場所を知っている。
「覚えてろよ、クソ野郎‼︎テメェは絶対に俺がぶっ潰してやる‼︎テメェ以上の力を手に入れてなぁ‼︎」
「っ、待て‼︎………くっ‼︎」
「結束様‼︎」
俺に明確な殺意を叩きつけながら走り去っていく鱗之助を追おうとしたが、先程までのデュエルのダメージが大きくその場に膝をついてしまい、桜糀が慌てた様子で俺の身体を支える。
そうしている間にも鱗之助は走り去っていき、そのまま姿が見えなくなってしまった。
「クソっ………折角の手がかりだってのに………」
「無理をしてはいけません。どう言った理由なのかは存じておりませんが、その身体であの輩を追うのは危険です。大怪我という程ではないかも知れませんが、あまり無茶はしないでください」
「………分かったよ」
桜糀の言葉を聞き、身体の力を抜く。
鱗之助の姿は完全に見失ってしまったし、この身体で次に闇のカードを使ったデュエルを行えば流石に俺の身体も持たないだろう。
幸い鱗之助の名前と特徴は覚えている。
それを頼りに鱗之助の追っていけば黒幕にまで辿り着けるかも知れない。
ならば、万全の状態でことに臨む方がいい。
「悪いな、桜糀。危険な目に合わせちまって」
「そんな、それは私の台詞でございます。あのような危険な輩から助けて頂き、このような怪我を負わせてしまうなど、遊花さんにも合わせる顔がありません」
そう言って桜糀が泣きそうな表情で俯く。
きっと今桜糀の中ではこんな怪我をするようなデュエルに巻き込んでしまったことと、前に大会でデュエルした時に俺に行ったことの罪悪感が綯交ぜになっているのだろう。
桜糀も変に真面目な奴だからな。
だが、そんな罪悪感を桜糀が抱く必要はない。
「何言ってんだよ。桜糀のおかげで俺は知りたかったことの手がかりが得られたんだ。お前のお手柄だぜ」
「っ………ですが………」
「それに、デュエル中にも言ったぜ?俺の知り合いは、俺が守る。ただそれだけのことだ。お前が遊花の将来を守ってやろうと俺に挑んだように、俺がお前を守ってやりたいと思ったから鱗之助と戦ったんだ。お前のせいなんかじゃない」
そういって俺は桜糀に向かって笑顔を浮かべる。
「だから、気にすんな。お前を守れて、よかったぜ。俺はさ」
「っ………はい、ありがとうございます」
俺の言葉を聞き、ようやく桜糀が笑顔を浮かべる。
何とかなった、かな?
知り合いが泣いてる姿なんて見たくないからな。
「そういえば、桜糀はバスの時間は大丈夫なのか?結構時間が経っちまったが………」
「あ………」
俺の言葉にハッとしたように桜糀が手につけた腕時計を見て、慌てた様子で立ち上がり、困ったような表情を浮かべて俺を見た。
「いけません‼︎もうすぐバスが到着してしまいます‼︎ですが………」
「3年の出席日数は大事だろ?俺のことなら気にすんな。しばらく休んだら動けるようになるさ。むしろ、これで桜糀が遅刻したらそっちの方が俺は気にするぞ」
「っ、重ね重ねすみません。このご恩、いつか必ず貴方様に返します、結束様」
「だから別にいいって………ん?様?」
「それでは失礼します」
「ん?あ、ああ。またな」
首を傾げる俺に深く頭を下げ、桜糀は走り去っていった。
なんか変な言葉が聞こえてきた気がするけど、きっと気のせいだろう。
「それにしても………あー疲れた」
桜糀の姿が見えなくなったところで、俺は大の字になって寝転がった。
意識が飛ぶ程ではなかったとはいえ、やはりNo.の攻撃を喰らうのは並のことではない。
「身体も鍛えないといけねぇかな」
そういいながら先程鱗之助から手に入れたNo.を何の気なしに覗き込む。
シャークドレイクはともかくスパイダーシャークは水属性指定があったから使えないよな、などと思いながらカードを覗き込むと、そこには想定外の光景があった。
「………は?」
俺は目に映った光景に思わず飛び起き、改めて自分が手に入れたカードを見る。
鱗之助とのデュエルで出てきたのはシャークドレイクとスパイダーシャーク。
だからこそ、勝利した俺が手に入れるNo.はその2枚のハズだ。
だが、俺が手に入れたカードは
いや、正確に言えばその言葉は正しくない。
1枚は確かに鱗之助が使用していたシャークドレイクのカードだ。
だが、もう1枚………スパイダーシャークのハズだったカードに変化が起きていた。
「白紙………だと?」
シャークドレイクと共に手に入れたそのカードには
テキストもランクなどのデータもない完全に真っ白なカード。
困惑する俺だったが、そんな俺の頭に島さんから聞いた言葉が浮かび上がる。
『No.はNo.を手にした者の心の闇や欲望を読み取り、その姿や能力を決めてしまうんだ。例えば、誰かを倒したいという欲望なら戦闘では負けなくなるとか、誰にも邪魔はさせたくないという欲望なら相手を縛る効果、とかね。他にもその効果に付随した特殊な力を使用者に授けるんだ。最も、1度姿を獲得してしまえば、そこから変化することはそうそうないみたいだけどね』
No.は手にした者の心の闇や欲望を読み取り、その姿や能力を決め、1度姿を獲得してしまえば、そこから変化することはそうそうない、島さんはそう言っていた。
だが、それは言い換えれば稀になら姿が変化してしまうということではないのか?
つまりは、スパイダーシャークのカードからまだ誰の欲望も読み取っていない、真っさらなNo.に戻された。
そしてその原因は………
「このカード、か?」
俺が取り出したのはRUMーバリアンズフォースのカード。
このカードの効果でスパイダーシャークのオーバーレイユニットを奪った時、スパイダーシャークの姿は消えかけていた。
このカードがオーバーレイユニットごと、スパイダーシャークの姿を形取っていた心の闇や欲望を呑み込んでしまったのだとすれば………
「いや、まだ推測の域をでないか」
俺は頭に浮かんだ想像を頭を振って振り払う。
何にせよ、このカードがヤバいカードだってことはよく分かった。
このカードを使い続けても大丈夫なのか、そんな不安も浮かんでくる。
「はぁ………やれやれだな」
そんな俺のため息は海風に流されて消えていくのだった。
次回予告
闇から闇のカードについての説明を受けた遊花はいつも通りの日常を送りながらもデュエルアカデミアで変わったことがないかを調べ始める。
そんな中、遊花はかつてデュエルした香月から再びデュエルを挑まれる。
どこか様子がおかしい香月を訝しみながらも遊花はデュエルを受けるのだが………
次回 遊戯王Trumpfkarte
『赤き影』
次回は遊花のデュエル回。
遊花視点でお送りする予定です。
香月との再戦はどうなってしまうのか?
次回をお楽しみに。
そして今回のお話はカオスオブアームズ登場回でした。
今回登場した鱗之助のデッキは海皇水精鱗。
コストをそのまま攻撃に繋げれる厄介なテーマです。
何気に敵サイドの構成員の1人………といっても下っ端レベルですが。
彼の情報を追って遊騎の物語は少しずつ進んでいきそうです。
そして遊騎が手にした新しい力、カオスオブアームズ。
対No.用CNo.で、打点が高く、効果だけでなく攻撃力も吸収し、相手が攻めてこようとしたら全て壊すんだと言わんばかりに相手のフィールドを吹き飛ばす死神です。
リミテッドバリアンズフォースで出しやすく全破壊は使えるというのがいいですよね。
これからカオスオブアームズがどう活躍していくのかお楽しみに。
そしてここからは小説の内容にも関わってくるOCGの話。
皆さん、新しい新制限の内容、どうでしたか?
あまり長すぎるのもあれなので少しだけ個人的な感想をば。
禁止
トロイメアマーメイド
破滅竜ガンドラX
うん、君達は仕方ないと思うよ。
前者は幻影オルフェでの盤面が強すぎて、後者はワンキル的な意味で。
制限
転生炎獣ガゼル
超雷龍-サンダードラゴン
雷鳥龍-サンダードラゴン
レディデバッガー
メタバース
とうとうメタバースまで………フィールド魔法関連は制限されすぎだと思うの、厄介なフィールド魔法が多いから仕方ないけど。
ガゼルとレディデバッガーはサーチ多いし、1枚になってもまだまだ回りそうかなって感じですね。
サンダードラゴンはメイン2枚がやられてるのでかなり痛いです。
桜と終夜のデッキは組みなおさねば。
準制限
ABC-ドラゴン・バスター
SPYRAL-ジーニアス
ダークアームドドラゴン
ダークグレファー
ダイナレスラーパンクラトプス
TG ハイパーライブラリアン
デビルフランケン
氷結界の龍 トリシューラ
影霊衣の反魂術
魔鍾洞
シンクロ期ぐらいに強かったカードが戻ってきた印象ですね。
ライブラリアンとかトリシューラとか、結構嬉しいです。
新規規制はパンクラトプス、ダークグレファー、魔鍾洞。
順番に言うと汎用性の高さ、墓地肥やし、ロックって感じでしょうか?
魔鍾洞は制限ぐらいにはなるかと思いましたがメタバースが身代わりになったのかな?
無制限
E・HERO エアーマン
真竜拳士ダイナマイトK
餅カエル
ルドラの魔導書
神の宣告
停戦協定
昔の時代にやってた人がみたら何いってるんだコイツってなりそうな内容ですね。
エアーマン3枚入れれるようになったのはサーチしやすくなってHEROではかなり嬉しいですね。
神の宣告が無制限になるのもちょっと信じがたい感じ。
停戦協定はもっと早く解除してよかったよ、絶対忘れられてたよ。
総合的に見れば個人的にはあまり影響ない感じです。
桜と終夜のデッキが少し引っかかりましたが、どちらも入れたいけどスペース上どけた他のカードがあるのですぐに補填できましたし。
もうすぐリボルバーデッキ、そして来月は新弾も来ますから、また色々考えねば。
それじゃあ今回はここまでです。
また次回。
ではでは〜