大変お待たせ致しました。
今回は夜のデュエル回です。
遊騎視点と第三者視点でお送りします。
それでは本編へGO‼︎
☆
「あれだけ遊花と桜に言われてたのに………無茶し過ぎ」
「いや、あれは不可抗力ーーー」
「言い訳しない」
「………悪かったよ」
「素直でよろしい」
公園のベンチに座り、擦り傷だらけの俺を治療してくれた闇にバツが悪く思いながらもそう返事をすると、闇が仕方なさそうな、困ったような笑みを浮かべた。
鱗之助とのデュエルの後、何とか動ける程度まで回復した俺が仕事場である公園まで行くと、公園のベンチに座っていた闇が物凄いジト目でこちらを見ながら手招きをしていた。
どうやら、ヘリオロープで作られたネックレスを通じて俺が怪我をしたことを察知して待ち伏せしていたらしい。
最早発信機みたいだなどと思いながらも、今朝の出来事を説明しながらも、闇からの手当てを受ける。
「というか、お前デュエルアカデミアでの仕事はどうしたんだよ?」
「今の時間は講義がないから抜け出てきた。校長には話を通してあるから問題ない」
「問題しかない気がするが………」
「ん、これでおしまい」
「痛っ⁉︎」
「当たり前………これに懲りたら無理はしないように」
「………できる限りな」
「全く懲りてない………遊騎らしくはあるけど」
俺の手当てを終え、救急箱を鞄の中にしまいながら闇は口元に握り拳を当てて考え込む。
「それにしても、港湾エリアに闇のカードをばら撒いてる奴の関係者がいるのは少し厄介………私達がいる中央エリアからは距離が離れてるし、港湾エリアから海を渡ってケルン外に逃げられたら落とし前をつけられなくなる………」
「それに港湾エリアに拠点があるってことは海を越えて闇のカードがばら撒かれてる可能性もあるもんな」
「私としては遊騎達の危険に繋がらないなら海を越えて闇のカードがばら撒かれようがどうでもいいけど………」
「………相変わらずドライだな、闇は」
「………えい」
「うおっ⁉︎何だよ、いきなり?」
闇の言葉に思わず苦笑を浮かべると、闇は勢いよく俺の身体に抱き着いてくる。
突然のことに戸惑っていると、闇は上目遣いをしながら真剣な声色で口を開いた。
「私は別に正義の味方じゃないから………私にとって大切なのは遊騎達がいる、私の両手の中に収まるちっぽけな世界だけ………そのちっぽけな世界が守れれば、他はどうでもいい………」
「………反応に困ることを言うなよ」
「ふふっ………」
照れ臭くて思わず視線を逸らすと、闇は真剣な表情を崩して面白そうに笑いながら抱きついていた腕を離した。
「それはそれとしてこれからしばらくは港湾エリアも調べることにする。ちょっと遠いから帰りは遅くなるけど………」
「闇は移動手段がないんだからちょっとどころじゃないだろ」
闇はその外見もありバイクや車等の移動手段は所持していない。
中央エリアにある栗原家に戻ってくることも考えると港湾エリアを調べるのはかなり僅かな時間になるだろう。
「………そこは気合で何とかする」
「機動力の足りなさを気合で何とかできるレベルかよ。いいから、港湾エリアの調査は俺に任せろって」
「むぅ………また無茶をする」
「戦闘にはならないように気をつけるって」
「それは無理。遊騎は絶対、手かがりを見つけたらそこに突っ込んでいくから」
「………信用ねぇな」
「信用してるからこそ。だけど、だからこそ遊騎が止まらないことも知ってる」
そういうと闇は俺の手を握って再び真剣な表情を浮かべた。
「何か情報を手に入れたらすぐに連絡して………危ないことは、しないで」
「………善処する」
「ん、それで十分………遊騎は………私が守るから」
そういって寂しそうに笑う闇に、俺は言葉を返すことができなかった。
ーーーーーーー
「それで、無茶を続ける君はこうしてボクと調査をしてるわけだ」
「仕方ないだろ?場所が場所だけに早めの対処が必要だと思ったんだよ」
「まあ君の考えは正しいとは思うけどね。周りに心配をかけてる事実は別として」
「うぐっ………」
何とか仕事を終え、夜に連絡を取り合流した俺は今朝の件を話すと物凄く呆れたようなジト目を向けられた。
夜は1つため息を吐くと真剣な表情で俺を見る。
「はぁ………全く、無茶しかできないのかい、君は?こんなことを続けていると………君は近いうちに死ぬよ」
「………俺はただ、守りたいだけだよ。俺のことを支えてくれる………こんな俺を受け入れてくれた奴らを」
「そのためなら自分を傷つけてでもって?歪んだ自己犠牲精神だね………いや、自己犠牲の果てにある自殺衝動、かな?」
「そんなこと………」
「………どちらにせよ、ボクの前で死ぬことは赦さないからね。死んでも生きてて貰うよ」
「………死んでたら生きてないだろ」
「はは、そうかもね」
そういうと夜は真剣な表情を崩して俺に背を向ける。
「とにかく、今は情報収集だよ。港湾エリアには酒場が多いし、そこでその鱗之助とかいう船乗りの情報収集をしてみよう」
「………ああ」
歩き出す夜の後を追って俺も港湾エリアを歩き始める。
歩き始めた俺の頭の中で、先程の夜の言葉が嫌に重く響いていた。
ーーーーーーー
「ここだね」
「ああ」
夜空に月が輝き始めた頃、鱗之助の情報を得るため、数軒の酒場を回って情報収集をしていた俺達はとある会社の宿舎に辿り着いた。
どうやら鱗之助は国内の港と港の間を航行する内航船の船員をしており、普段はこの宿舎で寝泊まりをしているらしい。
今朝の件もあり、既にこの宿舎はもぬけの殻になっている可能性も高いが、今は僅かでも闇のカードの手かがりである鱗之助の情報を得る必要がある。
虎穴に入らずんば虎子を得ず。
多少危険だろうと踏み込むしかないと思ってはいたのだが………
「………夜、気づいてるか?」
「………ああ。見られてる………いや、囲まれてるね。この宿舎の中にいる人間にも見られてる。しかも………」
『ウゥ………ウァ‼︎』
「不乱健が言うには見ている人間全員から闇のカードに操られてる気配がするってさ」
「マジか………」
俺の問いかけに、夜は小さく頷いて辺りに意識を向けながら答える。
どうやら踏み込んだ虎穴には親の虎もいたらしい。
情報収集をするために俺達は鱗之助のことを酒場で聞いて回った。
その際に鱗之助に繋がっている人間がいたのかも知れない。
いや、今回の敵は闇のカードを生み出すような奴らだ。
見ている人間全員から闇のカードの気配がするということは、闇のカードの関係者の情報を探す人間が現れたら自動的に迎撃するような機能が闇のカード自体に備わっている可能性すら否定はできない。
「退くしかない………か?」
「素直に退かせて貰えればいいんだけどね。君は怪我人、しかもバイクは駅において来ただろ?徒歩でこの人数を巻くのは流石に厳しい」
「それでもやるしかないだろ」
「そうだけど………っ、避けて、遊騎‼︎」
「くらえぇぇぇ‼︎」
「っ⁉︎くっ‼︎」
夜が叫ぶのと同時に俺の背後から1人の船乗りが雄叫びをあげながら殴りかかってきた。
俺は咄嗟に横っ跳びをして躱そうとしたが完全に躱しきることはできず、路地裏の方に殴り飛ばされる。
すると、吹き飛ばされた路地裏の方から同じように2人の船乗りが俺を捕らえようと飛びかかってきた。
「っ‼︎やられる、か‼︎」
「がっ‼︎」
俺は殴り飛ばされた勢いを利用し、地面を転がって飛びかかってきた船乗り達を避け、お返しに蹴りをくらわせる。
「遊騎‼︎今飛びかかってきた奴らがいた路地裏には人がいない‼︎」
「なら、そこから逃げる、ぞ‼︎」
「ぐっ‼︎」
男達が飛び出してきた路地裏に向かって走り出した夜の声を聞きながら再び殴りかかってきた船乗りをカウンターの要領で蹴り飛ばして夜の後を追う。
すると、先程入ろうとしていた宿舎からも扉を吹き飛ばしながら何人もの船乗りが飛び出してきて、こちらに向かって走りはじめた。
「チッ、ゾンビ映画かよ‼︎」
「無駄口を叩かない‼︎三十六計逃げるに如かず、だよ‼︎」
月が照らす路地裏の一本道を夜と並走して駆け抜ける。
後ろから聞こえる唸り声はどんどん大きくなっていき、ちらりと背後を見るとその人数は数十人と言える規模まで膨れ上がっていた。
「くそっ‼︎どうする?このまま人通りが多い通りに出ちまったら大混乱だぞ?」
「騒ぎに紛れて逃げきれるかも知れないけど、あの理性がないバーサーカー達があのままの勢いで人通りの多い通りに出たら玉突き事故で間違いなく死人が出るだろうね‼︎」
「だからってこのまま逃げ続けることも………」
「………仕方ない、か」
「は⁉︎夜⁉︎」
そういうと、夜は急に走るのを止めて船乗り達の方を向く。
突然の夜の行動に俺も戸惑って脚を止める。
「ここはボクに任せて遊騎は先に逃げて」
「ばっ⁉︎死亡フラグなんか立ててんじゃねぇよ⁉︎」
「ここで2人共やられたら元も子もないでしょ?そして君は負傷中だ。君よりはボクが殿を務めた方が時間は稼げるさ」
「それなら負傷してる俺が囮になった方が………」
「言ったろ?ボクの前で死ぬことは赦さない、死んでも生きてて貰うって」
「おまーーー」
「いいから‼︎早く逃げろ、結束 遊騎‼︎君の無事を願ってる人間が待ってるんだろ⁉︎」
「っ………くそっ‼︎」
夜の剣幕に、俺は苦虫を噛み潰しながら再び走り始める。
このままあの船乗り達に襲われたら、負傷してる俺じゃ役に立てないだろう。
なら、今の俺にできることは………
俺は拳を握り締めながら、自分の成すべきことを成す為に夜道を走り続けるのだった。
ーーーーーーー
○
「ようやく行ったね………」
走り去っていく遊騎を眺めながら、夜は深いため息を吐く。
「全く困った共犯者君だ。勝手に死ぬと決めつけるなんて止めて貰いたいよ。ボクより死ぬ可能性が高い癖に」
『ウゥ‼︎』
「不乱健もそう思うだろ?まあ、それが彼の欠点でありながら、嫌いになれないところなんだけど………」
「うおぉぉぉ‼︎」
困ったような苦笑を浮かべる夜の背後から1人の船乗りが殴りかかる。
船乗りの拳が夜の身体を捕らえようとした瞬間、夜は船乗りの方を見ずにその拳を掴む。
「なっ⁉︎」
「いい加減、五月蝿い………少し静かにして貰えるかな」
「う………あぁぁぁ‼︎」
船乗りの拳を掴んだ夜はそのままその場で半回転して船乗りの身体を振り回すと、後ろから追ってきていた船乗り達に向かって投げ飛ばした。
突然投げ飛ばされてきた船乗りを躱すことができず、追ってきていた船乗り達の何人かはドミノ倒しのようにその場に倒れていった。
「うーん、ストライクは取れなかったか。ボーリングって難しいな」
『ウゥ………』
「もう少し力加減をしろ、って?ボクより力技が得意な不乱健が何を言ってるのさ?」
「捕まえた‼︎」
「だから五月蝿い、って‼︎」
「げふっ⁉︎」
「ぐぎゃっ⁉︎」
夜が不乱健と話している隙をついて、夜を取り抑えようと飛びかかってきた2人の船乗りを、夜はひらりと躱して蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた船乗りはもう1人の船乗りを巻き込みながら凄い勢いで近くのコンクリートでできた建物の壁にめり込み、そのまま2人の船乗りは気を失った。
『ウゥ』
「………うん、確かにこれはやり過ぎたよ。反省する」
「な⁉︎なんだこいつ⁉︎」
仲間が吹き飛ばされていくのを見て、ドミノ倒しに巻き込まれず、残った船乗りも動揺する。
そんな船乗りに夜はデュエルディスクを起動して構える。
「ボクもあまり野蛮な真似はしたくないんだ。どうせなら1人ずつデュエルをして決めないかい?」
「っ‼︎舐めやがって‼︎テメェなんか俺様がぶっ潰してやる‼︎」
夜の挑発に乗ってデュエルディスクを起動した船乗りと、それを見て身を引いた他の船乗り達を見て内心ほくそ笑む。
いくら自分が強かろうがこの身体はただの少女でしかない。
そして相手の船乗り達は成人した男性だ。
倒れている者もいるが、このまま体力勝負となれば流石に分が悪い。
だが、デュエルとなれば夜が一本道の中央で陣取っている以上、逃げた遊騎を追うこともできず、遊騎が逃げる時間を充分に稼げると踏んでいた。
「できるものならご勝手に。行くよ?」
『決闘‼︎』
夜 LP8000
船乗り LP8000
ーーーーーーー
「先攻は貰うよ。ボクはモンスターをセット。カードを1枚伏せてターンエンドだよ」
夜 LP8000 手札3
ーー▲ーー ー
ーー◼︎ーー
ー ー
ーーーーー
ーーーーー ー
船乗り LP8000 手札5
「俺様のターン、ドロー‼︎俺様はフィールド魔法、巨大要塞ゼロスを発動‼︎」
船乗りがフィールド魔法を発動すると、辺りの風景が機械的な要塞の内部に変化する。
「巨大要塞ゼロスの発動時の効果処理として、俺様はデッキからボスラッシュ1枚を手札に加える‼︎そして巨大要塞ゼロスの効果発動‼︎1ターンに1度、自分メインフェイズに手札から巨大戦艦モンスター1体を特殊召喚する‼︎来い、巨大戦艦テトラン‼︎」
〈巨大戦艦テトラン〉☆6 機械族 風属性
ATK1800
フィールドに現れたのは4本の腕を持つ巨大な宇宙戦艦。
テトランの姿を見て、夜は思わず引き攣った笑みを浮かべた。
「………いつから船乗りが乗る船は宇宙船になったんだい?」
「船乗りに乗りこなせねぇ船なんてねぇんだ‼︎宇宙船だろうと船である限り乗りこなしてやらぁ‼︎巨大要塞ゼロスの効果発動‼︎自分フィールドに巨大戦艦モンスターが召喚・特殊召喚された場合、そのモンスターに、自身の効果で使用するカウンターを1つ置く‼︎さらに自分フィールドの巨大戦艦モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップし、相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない‼︎」
巨大戦艦テトラン
ATK1800→2300
カウンター0→1
「さらに永続魔法、ボスラッシュを発動‼︎自分が通常召喚していないターンにこのカードを発動でき、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分は通常召喚できないが、自分フィールドの表側表示の巨大戦艦モンスターが破壊され墓地へ送られた場合、そのターンのエンドフェイズにデッキから巨大戦艦モンスター1体を特殊召喚する‼︎」
「破壊されても次々と別の巨大戦艦がやってくるってわけか………面倒だね」
「巨大戦艦テトランの効果発動‼︎このカードのカウンターを1つ取り除く事で、フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する‼︎テメェのセットカードを破壊だ‼︎」
巨大戦艦テトラン
カウンター1→0
テトランが4本の腕から弾丸を発射し、夜がセットしていたカードを破壊した。
「ギブ&テイクが破壊されちゃったか」
「バトル‼︎巨大戦艦テトランでセットモンスターを攻撃‼︎スティールテンタクル‼︎」
「セットモンスターは精気を吸う骨の塔だよ」
〈精気を吸う骨の塔〉☆3 アンデット族 闇属性
DEF1500
骨が組み合わさった不気味な塔がテトランの4本の鉄の腕に押し潰され消滅する。
しかし、骨の塔を消滅させた瞬間、テトランの鉄の腕が爆発し、爆発はテトランの身体中に広がるとそのままテトランは爆散した。
「巨大戦艦テトランの効果、戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時にこのカードのカウンターを1つ取り除き、カウンターのない状態で戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時にこのカードを破壊する」
「ということは、ボスラッシュの効果で次の巨大戦艦が出てくるってわけか」
「メインフェイズ2‼︎カードを1枚伏せ、エンドフェイズ、永続魔法、ボスラッシュの効果発動‼︎俺様はデッキから巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅱを特殊召喚だ‼︎」
〈巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅱ〉☆6 機械族 炎属性
DEF1100→1600
新たに要塞の奥から現れたのは赤いラインの入った銀色の巨大な宇宙戦艦。
「巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅱの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、このカードにカウンターを3つ置き、巨大要塞ゼロスの効果で追加でカウンターを1つ置く‼︎」
巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅱ
カウンター0→4
「巨大戦艦モンスターは共通効果で戦闘では破壊されない。ただし、戦闘を行ったダメージステップ終了時カウンターを1つずつ取り除いていき、取り除けない場合、破壊されるがな」
「つまり、実質4回の戦闘破壊耐性ってわけだ。巨大要塞ゼロスとボスラッシュの効果もあるし、本当に面倒だね」
「さあ、俺様の艦隊を突破できるものならしてみな‼︎ターンエンドだ‼︎」
夜 LP8000 手札3
ーーーーー ー
ーーーーー
ー ー
ーー□ーー
ー▲△ーー ▽
船乗り LP8000 手札3
「あまり時間をかけてられないって言うのに、なかなかどうしてやってくれるじゃないか。ボクのターン、ドロー‼︎魔法カード、名推理‼︎相手は1~12までの任意のレベルを宣言し、ボクは通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターのレベルが宣言されたレベルと同じ場合、めくったカードを全て墓地へ送る。違った場合、そのモンスターを特殊召喚し、残りのめくったカードは全て墓地へ送るよ」
「運試しのカードか………俺様が宣言するのはレベル3だ」
「レベル3ね。それじゃあデッキをめくっていくよ。1枚目、アンデットストラグル、2枚目、リターンオブアンデット、3枚目、ヴァンパイアの使い魔‼︎ヴァンパイアの使い魔のレベルは1。どうやら君は名探偵にはなれなかったようだね」
「チッ、外したか」
「宣言されたレベルと違うため、ヴァンパイアの使い魔は特殊召喚される‼︎おいで、ヴァンパイアの使い魔‼︎」
〈ヴァンパイアの使い魔〉☆1 アンデット族 闇属性
DEF0
現れたのは小さな蝙蝠のモンスター。
ヴァンパイアの使い魔は夜の肩に止まり、その首に牙を立てる。
「ヴァンパイアの使い魔の効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、同名カードは1ターンに1度、500ライフポイントを払って発動できる。デッキからヴァンパイアの使い魔以外のヴァンパイアモンスター1体を手札に加える。ボクは500ライフポイントを支払いデッキからシャドウヴァンパイアを手札に加えるよ」
夜 LP8000→7500
「そしてヴァンパイアの使い魔をリリースしてシャドウヴァンパイアをアドバンス召喚‼︎」
〈シャドウヴァンパイア〉☆5 アンデット族 闇属性
ATK2000
フィールドに現れたのは影のように薄く、黒く染まった巨大な吸血鬼。
現れたシャドウヴァンパイアは咆哮をあげる。
「シャドウヴァンパイアの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、手札・デッキからシャドウヴァンパイア以外の闇属性のヴァンパイアモンスター1体を特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚に成功したターン、そのモンスター以外の自分のモンスターは攻撃できない。ボクはデッキからヴァンパイアロードを特殊召喚する‼︎」
〈ヴァンパイアロード〉☆5 アンデット族 闇属性
ATK2000
フィールドに現れたのは夜空のようなマントを羽織った吸血鬼。
「そして、このカードは通常召喚できず、自分フィールド上に存在するヴァンパイアロード1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる‼︎ボクはフィールドのヴァンパイアロードを除外する‼︎」
ヴァンパイアロードがマントを翻すと、マントで隠れたヴァンパイアロードの身体が膨れ上がっていき、紫色の身体に爪のような物が背中から飛び出した始まりの吸血鬼が姿を現わす。
「現れろ。全ての吸血鬼を統べる真祖‼︎ヴァンパイアジェネシス‼︎」
〈ヴァンパイアジェネシス〉☆8 アンデット族 闇属性
ATK3000
「ヴァンパイアジェネシス………そいつがテメェの切り札か」
「ヴァンパイアジェネシスの効果発動‼︎ソウルサブミット‼︎1ターンに1度、手札からアンデット族モンスター1体を墓地に捨てる事で、捨てたアンデット族モンスターよりレベルの低いアンデット族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する‼︎ボクは手札のレベル8モンスター、死霊王 ドーハスーラを墓地に送って戻っておいで、ヴァンパイアの使い魔‼︎」
〈ヴァンパイアの使い魔〉☆1 アンデット族 闇属性
DEF0
「まだだよ‼︎魅力せよ‼︎月夜に輝くサーキット‼︎」
「リンク召喚か………」
夜が正面に手をかざすと、巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件はアンデットモンスター2体‼︎ボクはヴァンパイアの使い魔とシャドウヴァンパイアの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎月下で戯れる吸血鬼‼︎リンク2‼︎ヴァンパイアサッカー‼︎」
〈ヴァンパイアサッカー〉LINK 2 アンデット族 闇属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
ヴァンパイアの使い魔とシャドウヴァンパイアがサーキットの中に消え、代わりに現れたのはピンクの帽子を被った吸血鬼。
「ヴァンパイアサッカーの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、相手の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを相手フィールドに守備表示で特殊召喚し、特殊召喚したそのモンスターはアンデット族になる。ボクは君のフィールドに君の墓地から巨大戦艦テトランを特殊召喚するよ」
ヴァンパイアサッカーが墓地にいたテトランの残骸に噛みつくが、機械の身体の硬さに歯を押さえて涙目になる。
泣きそうになりながらも、ヴァンパイアサッカーは勢いよくテトランを蹴り飛ばすが、その硬さに足を押さえてその場を跳びはねる。
しかし、蹴り飛ばした衝撃でテトランは再稼働し、船乗りのフィールドに蘇った。
〈巨大戦艦テトラン〉☆6 機械族→アンデット族 風属性
DEF2300→2800
「無理させてゴメンね。ヴァンパイアサッカーの効果発動‼︎1ターンに1度自分・相手の墓地からアンデット族モンスターが特殊召喚された場合に自分はデッキから1枚ドローする‼︎」
「チッ、手札を増やしやがったか。だが、巨大要塞ゼロスの効果で特殊召喚された巨大戦艦テトランにカウンターを1つ置く‼︎」
巨大戦艦テトラン
カウンター0→1
「構わないよ。シャドウヴァンパイアのデメリットでボクは攻撃できない。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
夜 LP8000 手札1
ーー▲ーー ー
ー○ーーー
☆ ー
ーー□□ー
ー▲△ーー ▽
船乗り LP8000 手札3
「俺様のターン、ドロー‼︎」
「スタンバイフェイズ、墓地に存在する死霊王 ドーハスーラの効果発動‼︎フィンドリバイヴ‼︎フィールドゾーンに表側表示でカードが存在する場合、自分・相手のスタンバイフェイズに発動できる。このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する‼」
「何⁉︎」
「蘇れ、死霊王 ドーハスーラ」
〈死霊王 ドーハスーラ〉☆8 アンデット族 闇属性
DEF2000
要塞の床に穴が開くとその中から現れたのは髑髏の身体を持つ魔術師のような蛇。
「俺様のフィールド魔法を利用しやがったな‼︎だが、そんな蛇が1体増えたぐらいでなんだってんだ‼︎巨大戦艦テトランの効果発動‼︎このカードのカウンターを1つ取り除く事で、フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する‼︎テメェのセットカードを破壊だ‼︎」
巨大戦艦テトラン
カウンター1→0
テトランが再び夜がセットしていたカードに向かって4本の腕から弾丸を発射する。
放たれた弾丸を見て夜はニヤリと笑った。
「それを待ってたよ。死霊王ドーハスーラの効果発動‼︎ゴーストグラジュエイト‼︎死霊王 ドーハスーラ以外のアンデット族モンスターの効果が発動した時に2つある効果から1つを選んで適用する。ただし、このターン、自分の死霊王 ドーハスーラの効果で同じ効果を適用できない。その効果を無効にするか、自分または相手の、フィールド・墓地のモンスター1体を選んで除外する‼︎」
「何だと‼︎」
「ヴァンパイアサッカーの効果で巨大戦艦テトランはアンデット族になっている。そして死霊王 ドーハスーラの効果は対象をとらないから巨大要塞ゼロスに防がれることもない‼︎ボクは2つ目の効果を適用して巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅱを除外する‼︎」
ドーハスーラの魔術でビッグコアMk-Ⅱが闇に呑まれて消滅し、テトランが放った弾丸が夜のセットカードを破壊する。
しかし、夜のセットカードが破壊された瞬間、夜の背後に強欲な壺が乗った巨大なスロットマシーンが現れ、左端のスロットが7の数字で止まった。
「な、なんだそいつは⁉︎」
「君の巨大戦艦テトランに破壊されたカードだよ。相手のカードの効果によって墓地へ送られた魔法カード、ジャックポット7の効果発動‼︎このカードは相手のカードの効果によって墓地へ送られた時、ゲームから除外される。そしてこの効果によってゲームから除外された自分のジャックポット7が3枚揃った時、自分はデュエルに勝利する‼︎」
「なっ⁉︎特殊勝利のカードだと⁉︎」
「言っただろう?あまり時間をかけるつもりはないんだ。特殊勝利だろうが何だろうが、取れる手段は全てとらせて貰うよ」
そういって不敵な笑みを浮かべる夜を見て、船乗りは怒りの眼を夜に向ける。
そしてそんな船乗りの身体から闇が溢れ始めるか。
「すましやがって‼︎そんなに早く終わらせてぇなら終わらせてやるよ‼︎相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードは手札から特殊召喚できる‼︎来やがれ、巨大戦艦ブラスターキャノンコア‼︎」
〈巨大戦艦ブラスターキャノンコア〉☆9 機械族 地属性
ATK2500→3000
フィールドに現れたのは巨大な銀色の宇宙戦艦。
「巨大戦艦ブラスターキャノンコアの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、このカードにカウンターを3つ置き、巨大要塞ゼロスの効果で追加でカウンターを1つ置く‼︎」
巨大戦艦ブラスターキャノンコア
カウンター0→4
「さらに巨大要塞ゼロスの効果発動‼︎、巨大戦艦カバードコアを特殊召喚だ‼︎」
〈巨大戦艦カバードコア〉☆7 機械族 地属性
ATK2500→3000
さらにブラスターキャノンコアと編隊飛行するように円形のボディとその本体を覆うようにカバーが装備された巨大な宇宙戦艦が現れる。
「巨大要塞ゼロスの効果で巨大戦艦カバードコアに自身の効果で使用するカウンターを1つ置く‼︎」
巨大戦艦カバードコア
カウンター0→1
「数を揃えてきたか………」
「これだけじゃ終わらねぇ‼︎テメェに見せてやる‼︎俺様の力をよぉ‼︎魔法カード、星に願いを‼︎自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択、選択したモンスターと同じ攻撃力または同じ守備力を持つ自分フィールド上のモンスターのレベルは、エンドフェイズ時まで選択したモンスターと同じになる‼︎俺様は巨大戦艦ブラスターキャノンコアを選択し、同じ攻撃力を持つ巨大戦艦カバードコアのレベルを巨大戦艦ブラスターキャノンコアと同じにする‼︎」
巨大戦艦カバードコア
☆7→9
「レベル9モンスターが2体………来るね」
「俺様はレベル9となった巨大戦艦カバードコアと巨大戦艦ブラスターキャノンコアでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
カバードコアとブラスターキャノンコアが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれ、渦が爆ける。
しかしーーー
「?モンスターの姿が見えない?」
渦が弾けた場所には何も存在しておらず、夜は首を傾げる。
そんな夜を、船乗りは鼻で笑う。
「ハッ、テメェの目は節穴か?いるだろうが、俺達の真上によぉ‼︎」
「真上だって?」
船乗りの言葉に夜は上を見上げる。
しかし、そこにモンスターらしき姿はなく要塞の天窓から太陽が夜達を照らしていた。
「………えっ?太陽?」
そこで夜は異変に気付く。
夜のデュエルが始まったのは時刻が夜の8時を回った頃で、辺りは夜の闇に包まれていた。
だというのに、現在空に太陽が浮かんでいるという状況は明らかに異常だった。
「っ、まさか………‼︎」
夜が異変に気付いて再び突如現れた太陽を見上げると、太陽の後ろから機械の身体が展開され、太陽を覆っていく。
そして現れるのは空を覆い尽くす程の巨大な建造物。
「宇宙に浮かびし大輪よ‼︎その絶大なる神気で世界を見下ろせ‼︎現れろ‼︎No.9 天蓋星ダイソンスフィア‼︎」
〈No.9 天蓋星ダイソンスフィア〉★9 戦士族 光属性
ATK2800
「っ、いくらなんでも限度がある。何でも大きければいいってわけじゃないってば‼︎」
「No.9 天蓋星ダイソンスフィアの効果発動‼︎プリシジャンカルキュレーション‼︎このカードの攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターが相手フィールド上に存在する場合、自分のメインフェイズ1にオーバーレイユニットを1つ取り除く事で、このターンこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる‼︎」
「‼︎直接攻撃をしてくるNo.⁉︎」
「テメェのフィールドにはNo.9 天蓋星ダイソンスフィアより攻撃力が高いヴァンパイアジェネシスがいる‼︎よって、No.9 天蓋星ダイソンスフィアは効果を発動できるってワケだ‼︎」
ダイソンスフィアの中心にある太陽にオーバーレイユニットが吸い込まれると、ダイソンスフィアの外装が光りはじめる。
「俺様は巨大戦艦テトランを攻撃表示に変更する」
巨大戦艦テトラン
DEF2800→ATK2300
「バトル‼︎巨大戦艦テトランでヴァンパイアサッカーを攻撃‼︎スティールテンタクル‼︎」
「くっ‼︎」
夜 LP8000→7300
テトランの4本の鉄の腕がヴァンパイアサッカーを押し潰し、同時にテトランが爆散する。
「巨大戦艦テトランの効果、戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時にこのカードのカウンターを1つ取り除き、カウンターのない状態で戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時にこのカードを破壊する。そしてコイツが本命だ‼︎No.9 天蓋星ダイソンスフィアでダイレクトアタック‼︎グリッタージャッジメント‼︎」
「ぐっ‼︎ああっ‼︎」
夜 LP7300→4500
ダイソンスフィアの外装から一斉にレーザーの雨が降り注ぎ、レーザーの雨に身体を貫かれた夜は苦痛の声を上げる。
「ハッ、思い知ったか。俺様の力を‼︎」
「っ………この程度でもう勝った気でいるのかい?だとしたら、とんだロマンチストだね」
「チッ、減らず口を‼︎なら完膚なきまでに叩き潰してやるよ‼︎メインフェイズ2‼︎カードを1枚伏せ、エンドフェイズ、永続魔法、ボスラッシュの効果発動‼︎俺様はデッキから巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲを特殊召喚だ‼︎」
〈巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲ〉☆8 機械族 光属性
DEF1900→2400
新たに要塞の奥から現れたのはビッグコアMk-Ⅱに似た、中央部に砲塔がつき、赤いラインの入った銀色の巨大な宇宙戦艦。
「巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲの効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、このカードにカウンターを3つ置き、巨大要塞ゼロスの効果で追加でカウンターを1つ置く‼︎」
巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲ
カウンター0→4
「俺様はこれでターンエンドだ‼︎減らず口を叩くってんならNo.9 天蓋星ダイソンスフィアを倒してみやがれ‼︎」
夜 LP4500 手札1
ーーーーー ー
ー○□ーー
ー ○
ーー□ー
ー▲△▲ー ▽
船乗り LP8000 手札0
「ボクのターン、ドロー‼︎ヴァンパイアジェネシスの効果発動‼︎ソウルサブミット‼︎さらにその効果にチェーンして死霊王ドーハスーラの効果発動‼︎ゴーストグラジュエイト‼︎」
「ハッ、狙いがバレバレなんだよ‼︎チェーンしてリバースカードオープン‼︎カウンター罠、エクシーズブロック‼︎自分フィールド上のオーバーレイユニットを1つ取り除いて相手が発動した効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する‼︎No.9 天蓋星ダイソンスフィアのオーバーレイユニットを1つ取り除き、死霊王ドーハスーラを破壊だ‼︎」
ダイソンスフィアがオーバーレイユニットをエネルギーに変換し、ドーハスーラにレーザーを放って消滅させる。
「くっ‼︎だけど、ヴァンパイアジェネシスの効果によりボクは手札のレベル2モンスター、ヴァンパイアの眷属を墓地に送って戻っておいで、ヴァンパイアの使い魔‼︎」
〈ヴァンパイアの使い魔〉☆1 アンデット族 闇属性
DEF0
「ヴァンパイアの使い魔の効果発動‼︎ボクは500ライフポイントを支払いデッキからヴァンパイアスカージレットを手札に加えるよ」
夜 LP4500→4000
「さらに墓地のヴァンパイアの眷属の効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地に存在する場合、手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、ヴァンパイアカード1枚を墓地へ送ってこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。ボクはヴァンパイアの使い魔を墓地に送りヴァンパイアの眷属を特殊召喚‼︎」
〈ヴァンパイアの眷属〉☆2 アンデット族 闇属性
DEF0
ヴァンパイアの使い魔の姿が闇に包まれると、その身体が身体の半分が闇に呑まれた白い獣が現わる。
「ヴァンパイアの眷属の効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、同名カードは1ターンに1度、500ライフポイントを払ってデッキからヴァンパイア魔法・罠カード1枚を手札に加える。ボクは500ライフポイントを支払いデッキからヴァンパイアの支配を手札に加えるよ」
夜 LP4000→3500
ヴァンパイアの眷属はヴァンパイアの使い魔のように夜の足に牙を立てと、夜の手札にヴァンパイアの支配が手札に加わる。
「オーバーレイユニットは無くなったけど、このまま放置して何かされても嫌だからね。ここは攻める‼︎バトル‼︎ヴァンパイアジェネシスでNo.9 天蓋星ダイソンスフィアに攻撃‼︎ブラッディストーム‼︎」
ヴァンパイアジェネシスが手をかざすと、ヴァンパイアジェネシスの周囲に血で出来た槍が現れ、ダイソンスフィアに向かって放たれる。
しかし、その攻撃を船乗りは鼻で笑った。
「ハッ‼︎馬鹿め、その攻撃が自分の首を締めることを知るがいい‼︎攻撃対象にされたNo.9 天蓋星ダイソンスフィアの効果発動‼︎バーニングサンチャージ‼︎このカードがオーバーレイユニットの無い状態で攻撃対象に選択された時、自分の墓地のモンスター2体を選択し、このカードのオーバーレイユニットとする事ができる‼︎俺様は墓地の巨大戦艦カバードコアと巨大戦艦ブラスターキャノンコアを再びこのカードのオーバーレイユニットとする‼︎」
ダイソンスフィアの身体にある太陽にカバードコアとプラスターキャノンコアが吸収され、オーバーレイユニットが生み出される。
「オーバーレイユニットを再び生み出す効果⁉︎だけど、倒してしまえばいいだけの話だ‼︎」
「そんな簡単に行くわけねぇだろうが‼︎リフレクトプラネット‼︎オーバーレイユニットを持っているこのカードが攻撃されたバトルステップ時に1度、その攻撃を無効にする‼︎」
「攻撃無効まで⁉︎」
ダイソンスフィアに生み出されたオーバーレイユニットが吸い込まれると、ダイソンスフィアが障壁に包まれ、ヴァンパイアジェネシスの槍を全て弾き飛ばした。
「これでNo.9 天蓋星ダイソンスフィアは再びダイレクトアタックができる‼︎ありがとよ、オーバーレイユニットを補充してくれてよぉ‼︎」
「っ、メインフェイズ2、カードを2枚伏せてターンエンドだよ」
夜 LP3500 手札1
ーー▲▲ー ー
ー○□ーー
ー ○
ーー□ー
ーー△▲ー ▽
船乗り LP8000 手札0
「俺様のターン、ドロー‼︎」
「スタンバイフェイズ、墓地に存在する死霊王 ドーハスーラの効果発動‼︎フィンドリバイヴ‼︎蘇れ、死霊王 ドーハスーラ‼︎」
「いい加減ウゼェんだよ‼︎チェーンして速攻魔法、墓穴の指名者‼︎相手の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを除外し、次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される‼︎死霊王 ドーハスーラは除外だ‼︎」
「くっ………死霊王 ドーハスーラが」
闇から現れようとしたドーハスーラが地面から這い出てきた手に掴まれ、闇の中に戻される。
「これで邪魔ものも消えた‼︎No.9 天蓋星ダイソンスフィアの効果発動‼︎プリシジャンカルキュレーション‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除く事で、このターンこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる‼︎」
「させない‼その効果に︎チェーンしてカウンター罠、ヴァンパイアの支配‼︎自分フィールドにヴァンパイアモンスターが存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、その発動を無効にし破壊する‼︎その後、破壊したカードがモンスターカードだった場合、自分はその元々の攻撃力分だけライフポイントを回復する‼︎これでーーー」
「そんな小細工が効くかよ‼︎それにチェーンしてカウンター罠、ギャクタン‼︎罠カードが発動した時、その発動を無効にし、そのカードを持ち主のデッキに戻す‼︎」
「っ‼︎」
発動したヴァンパイアの支配がデッキに戻っていき、夜は苦い表情を浮かべる。
そんな夜を見て、船乗りは嗜虐的な笑みを浮かべる。
「さっきまでの威勢はどうしたよぉ〜?偉そうな口を聞いてた割には大したことねぇなぁ?俺様は巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲを攻撃表示に変更する‼︎」
巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲ
DEF2400→ATK3200
「バトル‼︎No.9 天蓋星ダイソンスフィアでダイレクトアタック‼︎グリッタージャッジメント‼︎」
「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎パワーウォール‼︎相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0になるように500ダメージにつき1枚、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る‼︎No.9 天蓋星ダイソンスフィアの攻撃で発生する戦闘ダメージは2800‼︎よってデッキの上から6枚のカードを墓地に送ってダメージを0にする‼︎」
夜がデッキの上から7枚のカードを墓地に送羅列、粒子の盾に変わりダイソンスフィアのレーザーを防ぐ。
「墓地に落ちたグローアップブルームの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、墓地のこのカードを除外してデッキからレベル5以上のアンデット族モンスター1体を手札に加える‼︎ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない‼︎ボクは………」
グローアップブルームの効果を発動した夜は少し逡巡した後、観念するかのようにデッキからモンスターを加える。
「っ、仕方ない、か。ボクはヴァンパイアフロイラインを手札に加えるよ」
「チッ、防ぎやがったか‼︎なら、巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲでヴァンパイアジェネシスを攻撃‼︎ラディアントブラスト‼︎」
「っ………ヴァンパイアフロイラインの効果発動‼︎モンスターの攻撃宣言時このカードを手札から守備表示で特殊召喚する‼︎」
〈ヴァンパイアフロイライン〉☆5 アンデット族 闇属性
DEF2000
夜がフロイラインのカードをフィールドに置くが、フィールドには何も現れなかった。
デュエルディスクには確かに存在しているのに姿を現さないフロイラインに、船乗りが訝しげな表情を浮かべる。
「何?テメェのモンスターはどこだ?」
「………さあね。それより、攻撃はどうする?因みにヴァンパイアフロイラインには自分のアンデット族モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、100の倍数のライフポイントを最大3000まで払ってその自分のモンスターの攻撃力・守備力はそのダメージ計算時のみ払った数値分アップする効果があるよ」
「チッ、このまま攻撃したら大ダメージってわけか。なら、攻撃対象を変更し、ヴァンパイアの眷属を攻撃する‼︎」
ビッグコアMk-Ⅲの放ったレーザーの一斉掃射を受け、ヴァンパイアの眷属が消滅する。
「戦闘を行ったダメージステップ終了時、巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲの効果によりカウンターを1つ取り除く」
巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲ
カウンター4→3
「俺様はこれでターンエンドだ。さあ、いつまで持つかなぁ?テメェの身体はよぉ?」
夜 LP3500 手札1
ーーーーー ー
ー○ー□ー
ー ○
ーー○ー
ーー△ーー ▽
船乗り LP8000 手札0
「ボクのターン、ドロー………思ったより、時間がかかっちゃったね」
「何?」
夜の言葉に船乗りは首を傾げる。
そんな船乗りに、夜は不敵な笑みで応える。
「終わりにしよう。このターンで、君とのデュエルを」
「何だと⁉︎」
「まずは墓地に存在する罠カード、リターンオブアンデットの効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、除外されている自分のアンデット族モンスター1体を選んでデッキに戻し、このカードを自分フィールドにセットする‼︎ただし、この効果でセットしたこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。ボクは除外されている死霊王 ドーハスーラをデッキに戻してこのカードをセットする」
「っ、除外からデッキに戻すカードがあったのか………」
「そしてカードがセットされたこの瞬間、墓地の
夜の右隣に光の柱が立ち上り、その光の中に虹色に輝く魔術師の姿が映る。
そしてその魔術師の下には12の数字が浮かぶ。
「EM五虹の魔術師のペンデュラム効果により、お互いは自身の魔法&罠ゾーンにセットされているカードの数により効果を適用する。0枚なら自分フィールドのモンスターは攻撃できず、効果を発動できなくなる」
「っ‼︎ってことは………」
「君ご自慢のNo.はもう無力ってわけさ。さらに墓地にあるアンデットストラグルの効果発動‼︎このカードもリターンオブアンデットと同じように除外されている自分のアンデット族モンスター1体を選んでデッキに戻し、このカードを自分フィールドにセットする。ただし、この効果でセットしたこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。ボクは除外されているグローアップブルームをデッキに戻してこのカードをセットする」
「チッ、インチキくさいことをしやがって‼︎」
「まだまだ序の口さ。ボクは
〈堕ち武者〉☆4 アンデット族 闇属性
ATK1700
フィールドに現れたのは顔だけになった侍の亡霊。
「堕ち武者の効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る‼︎ボクはデッキからグローアップブルームを墓地に送り、再びその効果を発動‼︎除外してデッキから死霊王 ドーハスーラを手札に加える‼︎ボクは墓地に存在するチューナーモンスター、ゾンビキャリアの効果を発動。手札を1枚デッキの上に置くことでこのカードを墓地から特殊召喚する‼︎」
「っ⁉︎チューナーモンスターだと⁉︎」
「ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合に除外されるけどね」
〈ゾンビキャリア〉☆2 アンデット族 闇属性
DEF200
フィールドに現れた小さなゾンビを見て、夜は少しだけ笑みを浮かべると正面に手をかざす。
「ボクは、レベル4、アンデット族の堕ち武者に、レベル2、チューナーモンスター、ゾンビキャリアをチューニング」
ゾンビキャリアが光の輪になり、堕ち武者が小さな星に変わり、光の道になる。
光の道が輝くと、その中から現れるのは骨の身体を持つ骸の龍。
「紅き月に導かれ、死者の声を世界に届けよ‼︎シンクロ召喚‼︎死に寄り添う優しき賢竜‼︎デスカイザードラゴン‼︎」
〈デスカイザードラゴン〉☆6 アンデット族 炎属性
ATK2400
「デスカイザードラゴン、だと?」
「この子の効果は今は使えないんだけどね。そんなの今は些細な話さ。魅力せよ‼︎月夜に輝くサーキット‼︎」
「リンク召喚か………」
夜が正面に手をかざすと、巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件はアンデットモンスター2体‼︎ボクはヴァンパイアフロイラインとデスカイザードラゴンの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎再び月下で戯れる吸血鬼‼︎リンク2‼︎ヴァンパイアサッカー‼︎」
〈ヴァンパイアサッカー〉LINK 2 アンデット族 闇属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
デスカイザーがサーキットに吸い込まれると、何故かサーキットが光り輝き再びヴァンパイアサッカーが姿を現わす。
「ヴァンパイアサッカーの効果発動‼︎ボクは再び君のフィールドに君の墓地から巨大戦艦テトランを特殊召喚するよ」
ヴァンパイアサッカーが墓地にいたテトランの残骸を投げ飛ばすと、落ちた衝撃で再びテトランが再起動を始めた。
〈巨大戦艦テトラン〉☆6 機械族→アンデット族 風属性
DEF2300→2800
カウンター0→1
「ヴァンパイアサッカーの効果発動‼︎1ターンに1度自分・相手の墓地からアンデット族モンスターが特殊召喚された場合に自分はデッキから1枚ドローする‼︎さらにヴァンパイアジェネシスの効果発動‼︎ソウルサブミット‼︎ボクは手札のレベル8モンスター、死霊王 ドーハスーラを墓地に送って戻っておいで、デスカイザードラゴン‼︎」
〈デスカイザードラゴン〉☆6 アンデット族 炎属性
ATK2400
「遊騎、君から教えて貰った戦術使わせて貰うよ。ボクは墓地に存在する速攻魔法、バスターモードゼロを除外して効果発動‼︎自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して、手札・デッキからバスターモード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする‼︎そしてこの効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる‼︎ボクはデッキから罠カード、バスターモードをセットする‼︎」
「バスターモードだと⁉︎」
セットされたバスターモードを見て、夜は1度目を閉じると楽しそうな笑みを浮かべてその力を解放する。
「行くよ、デスカイザードラゴンをリリースし、リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎バスターモード‼︎」
「っ‼︎」
「自分フィールドのシンクロモンスター1体をリリースしてそのモンスターのカード名が含まれる/バスターモンスター1体をデッキから攻撃表示で特殊召喚する‼︎アクセスコード、デスカイザードラゴンEXE‼︎」
デスカイザーの正面に骸骨で出来た鎧が現れる。
デスカイザーが咆哮を上げると、鎧が弾け飛びデスカイザーに装着されていく。
装着が終わるとそこに佇むのは悪魔の鎧を見に纏った骸の竜。
「幽鬼合体‼︎デスカイザードラゴン/バスター‼︎」
〈デスカイザードラゴン/バスター〉☆8 アンデット族 炎属性
ATK2900
「デスカイザードラゴン/バスター、だと⁉︎」
「さあ、始めようか。偽りの太陽が照らすこの夜に………亡霊の宴をね。デスカイザードラゴン/バスターの効果発動‼ゴーストフィースト‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、自分・相手の墓地からアンデット族モンスターを任意の数だけ選択して自分フィールド上に特殊召喚する‼︎」
「なっ⁉︎アンデットモンスターの任意蘇生だと⁉︎」
「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターンのエンドフェイズ時に破壊されるけどね。戻っておいで、シャドウヴァンパイア‼︎死霊王 ドーハスーラ‼︎」
〈シャドウヴァンパイア〉☆5 アンデット族 闇属性
ATK2000
〈死霊王 ドーハスーラ〉☆8 アンデット族 闇属性
ATK2800
〈闇より出でし絶望〉☆8 アンデット族 闇属性
ATK2800
デスカイザードラゴン/バスターが咆哮を上げると、闇の中から亡者達が雄叫びを上げながら姿を現わす。
「くっ、大型モンスターを大量に蘇らせるだと⁉︎」
「まだだ‼︎ボクは闇属性レベル8モンスター、死霊王 ドーハスーラと闇より出でし絶望でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」
ドーハスーラと闇より出でし絶望が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けると、現れたのは顔に布を被った巨大な人型のモンスター。
「人に生み出されし生命よ‼︎その優しき拳で闇を撃ち砕け‼︎現れろ‼︎No.22不乱健‼︎」
〈No.22不乱健〉★8 アンデット族 闇属性
ATK4500
『ウゥ………ウァァァ‼︎』
夜を守るように夜の前に現れた不乱健は空に向かって雄叫びをあげ、辺りの空気を震わせる。
「馬鹿な、No.だと⁉︎」
「さあ、仕上げといこうか。墓地のアクションマジック-ダブルバンキングの効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分メインフェイズに手札から魔法カード1枚を捨ててこのカードを自分の魔法&罠ゾーンにセットするよ。ただし、この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。ボクは手札のアンデットネクロナイズを捨ててこのカードをセットする。さらに今墓地にいったアンデットネクロナイズの効果発動‼︎このカードもリターンオブアンデットと同じように除外されている自分のアンデット族モンスター1体を選んでデッキに戻し、このカードを自分フィールドにセットする。ただし、この効果でセットしたこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。ボクは除外されているゾンビキャリアをデッキに戻してこのカードをセットする」
ネクロナイズがセットされたことで夜の魔法・罠ゾーンが埋まる。
その瞬間、光の柱にいた五虹の魔術師から虹色のオーラが夜のモンスター達に放たれ、その身体を包み込んだ。
「EM五虹の魔術師のペンデュラム効果発動‼︎自分フィールドに4枚以上のセットカードがある時、自分フィールドのモンスターの攻撃力は元々の数値の倍になる‼︎」
「っ⁉︎何だと⁉︎」
ヴァンパイアサッカー
ATK1600→3200
シャドウヴァンパイア
ATK2000→4000
デスカイザードラゴン/バスター
ATK2900→5800
ヴァンパイアジェネシス
ATK3000→6000
No.22不乱健
ATK4500→9000
「攻撃力9000だと⁉︎」
「君のモンスターが耐性を持っていたってこれなら関係ない。モンスターが生き残ろうとも、君が生き残れなければ関係ない‼︎バトル‼︎デスカイザードラゴン/バスターで巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲに攻撃‼︎マストダイパーガトーリィ‼︎」
「ぐあぁぁ‼︎」
船乗り LP8000→5400
デスカイザードラゴン/バスターが放った炎がビッグコアMk-Ⅲを呑み込み、燃やし尽くす。
「EM五虹の魔術師のペンデュラム効果により、効果を発動できなくなっている巨大戦艦はカウンターを取り除けない。巨大戦艦は戦闘破壊されないらしいけど、それは逃げられないのと同じだよね?ヴァンパイアジェネシスで巨大戦艦ビッグコアMk-Ⅲに攻撃‼︎ブラッディストーム‼︎」
「がぁぁぁっ⁉︎」
船乗り LP5400→2600
ヴァンパイアジェネシスの放つ血で出来た槍が、燃え続けているビッグコアMk-Ⅲを貫き、ビッグコアMk-Ⅲの機体のあちこちから爆炎が上がる。
「これで最後‼︎No.22不乱健でNo.9 天蓋星ダイソンスフィアを攻撃‼︎カラプスフィスト‼︎
『ウァァァァァ‼︎』
「くっ‼︎迎え撃て‼︎No.9 天蓋星ダイソンスフィア‼︎グリッタージャッジメント‼︎」
虹色のオーラを纏った不乱健が助走をつけ、ダイソンスフィアに向かって勢いよく跳躍すると、不乱健を地上に落とそうとダイソンスフィアも外装から一斉にレーザーの雨を降らせる。
不乱健は虹色のオーラを使って、空中を蹴りながらレーザーの雨を交わすとその巨大な拳をダイソンスフィアの核に振りおろす。
すると、ダイソンスフィアの核が粉々に砕け散り、ダイソンスフィアは爆散した。
「ぐあぁぁぁっ‼︎」
船乗り LP2600→0
ーーーーーーー
「ふぅ………なんとか勝ったけど………」
デュエルが終わり、気絶した船乗りから移動してきたダイソンスフィアを手に取りながら、立体映像が消えて元の路地裏に戻ったことを確認した夜は辺りを見回す。
立体映像が消えた路地裏では夜を取り囲むように船乗りが近づいてきていた。
どうやらフィールド魔法で当たりの風景を張り替えた際に反対側の路地から近づいてきていたようだ。
「さっきより増えてる………まあ、アレだけ巨大なモンスターが攻撃してたんだから居場所もバレるよね」
夜はため息を吐きながら、空に浮かぶ月を見上げる。
「遊騎は………逃げてくれたよね?馬鹿なことしないといいんだけど………いや、馬鹿はボクの方かもね」
夜はそう自嘲気味に笑うと、再び船乗り達に向かってデュエルディスクを構える。
「………いいよ、こんなに月も綺麗なんだ。いくらでも相手してあげようじゃないか」
そういって、夜が船乗り達と再びデュエルを始めようとしたところでーーー
「っ、何か聴こえる………これは、エンジン音?」
夜の耳が自分の後方から聴こえてくるエンジン音を捉えた。
何かのエンジン音はどんどん夜のいる場所に近づき、そのエンジン音がバイクのものであると気付いた時には夜達の姿をバイクのライトが照らしていた。
「邪魔だ‼︎どけ‼︎」
バイクに乗っている人物は怒鳴り声を上げながら減速することなく夜達に近づき、夜を背後から取り囲んでいた船乗り達は慌てて近づいてきたバイクを避ける。
「ちょっ⁉︎嘘でしょ⁉︎」
夜が思わず衝撃に備えて顔を隠すように手をかざすが、バイクは夜の少し手前でUターンをすると夜の真横に止まった。
おそるおそる夜がバイクに乗っている人物に目をやると、そこにいたのはーーー
「悪い、待たせたな」
「遊騎⁉︎」
被っていたヘルメットを脱いで夜を庇うように立つ遊騎がいた。
「な、何で逃げてないのさ⁉︎」
「何でって、逃げるわけないだろ。夜が、俺の友達が俺を庇って1人で危険なことをしようとしてるんだ。それを見捨てちまったら、俺はもう胸を張って夜の友達だなんて言えなくなる」
「っ………ば、馬鹿なのかい⁉︎いや、分かってたよ、君が馬鹿なことぐらい‼︎分かってたけど、何で戻ってきちゃうのさ⁉︎」
そういいながら夜は遊騎に詰め寄る。
「戻ってきたら、君は絶対に無茶をするじゃないか‼︎そうならないために君を逃したって言うのに‼︎それなのに君は‼︎」
「酷い言われようだな………まあ否定はできないんだが。安心しろよ、俺だって別に無策で戻ってきたわけじゃない。強力な助っ人を連れてきたからさ」
「えっ?」
夜が首を傾げた瞬間、遊騎の背後から何者かが船乗り達の前に躍り出る。
そこにいたのはスーツを着た黒髪でショートボブの小学生程の少女。
その少女はデュエルディスクを起動しながら平坦な声で遊騎に尋ねる。
「この人達が手掛かり?」
「一応な。もっとも、闇のカードに操られてるからどこまで情報を引き出せるかは分からないけどな」
「そう………この人達が遊騎を傷付けたんだよね?」
「えっ?まあ、確かに不意を突かれて少し殴り飛ばされたりはしたけど………」
「そう………遊騎を傷つけたんだ………そっか………ふふっ」
「………ええっと、遊騎?彼女は大丈夫かい?」
「………悪い、ダメかも知れない」
無表情のまま不気味な声を漏らす少女に、夜は引き攣った笑みを浮かべる。
遊騎は頭を掻きながら、困ったようにその名を口にした。
「とりあえず………ほどほどにな、闇」
「ん………任せて………この人達は私の心を滾らせた………だから………1人残らず………ブチころがす………」
「………ほどほどにな」
引き攣った笑みを浮かべる遊騎達を背に、闇は無表情のまま闘志を滾らせるのだった。
次回予告
No.を生み出している人物を見つけ出すため、遊騎達は闇のカードによって操られた船乗り達を倒しながら港湾エリアを調査していく。
そんな遊騎達の前に以前遊騎を襲った謎の装備をつけた決闘者が姿を現わす。
突如現れた全ての元凶を倒すため闇はデュエルを挑むのだが………
次回 遊戯王Trumpfkarte
『不自然な凶星』
次回は闇のデュエル回。
遊騎視点でお送りする予定です。
突如現れた全ての元凶とのデュエルの行方は?
次回をお楽しみに。
そして今回は夜のデュエル回でした。
相手は巨大戦艦………シューティングらしく次々とボスキャラが出てくる面白いデッキです。
そんなシューティングデッキに入ってた闇のカードはダイソンスフィア………最早戦艦ですらありませんがボスっぽさはあります。
そしてそんな巨大戦艦達を夜はデスカイザードラゴン/バスターの物量攻めで突破しました。
夜が/バスターを戦術に取り入れたのは遊騎の影響を受けてたりします。
これからもお互いに影響を受けあっていくのかな?
そんなところもお楽しみに。
それじゃあ今回はここまで。
少し遅くはなりましたが、皆さまは今回の新弾はいかがだったでしょうか?
私は破戒を作って楽しんでおりました。
相手のモンスターを使ってリンク召喚をするの、楽しいです‼︎
そして何といっても嬉しかったのがエレキカンシャ‼︎
エレキの新規ですよ‼︎嬉しすぎるのですよ‼︎
早速終夜君のデッキに投入して楽しんでおります。
OっKaさんやOToっつぁんの力を借りてよりカオスなことになってますけどね‼︎
デッキ内容がサンダードラゴンエレキサンダーみたいになってますが………彼のデッキはどこに行こうとしてるのでしょうか?
勿論パイロフェニックスやダークフルードの力を得て桜も強化されてます。
これからどのように物語に出てくるかお楽しみに‼︎
といったところで今回はお開き。
世間が夏休みに入り、私の仕事は一層忙しくなるので更新は少し遅くなってしまいそうですが、あまり遅くならないよう精一杯頑張ります‼︎
ではでは〜