遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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大変お待たせ致しました。
デュエルが想像以上に長くなってしまったので前後編に分かれてしまいました。
非力な私を許してくれ………
今回は遊花のデュエル回です。
遊花視点でお送りします。
今回は少し前に登場した意外なキャラがデュエルします。
それでは本編へGO‼︎


第72話 厚遇する守護者

 

 

 

「ふむ、まだデザインは完成していないんだね」

 

「すみません………最近少しバタバタしてまして」

 

「いや、構わないさ。そもそも本題は課題のことではなく、栗原君に渡したいものがあったからだからね」

 

「渡したいもの、ですか?」

 

そういって朗らかに笑う天神先生に、私は課題ができていないことを申し訳なく思いながらも渡したいものがあると言われ首を傾げる。

 

クリムゾンシャドーに操られた服部君とデュエルした翌日の昼休み。

 

私がいつものように闇先パイへの挑戦者達とデュエルを行い、桜ちゃんが集まったデュエルアカデミア生から闇のカードについての噂を調べているところを、校内放送で天神先生に呼び出され、天神先生の研究室に来ていた。

 

てっきり課題の進捗状況を聞くために呼ばれたのかと思ったのだが、どうやら天神先生が私を呼んだのは違う理由らしい。

 

天神先生は自分の机の上にあるファイルの中から1枚のカードを取り出すとそれを私に手渡す。

 

「‼︎………ふぇ?」

 

「………ほぅ、やはりか」

 

天神先生からカードを受け取った瞬間、一瞬妙な感覚がしたがすぐにその感覚は霧散する。

 

私は首を傾げながらも渡されたカードを見る。

 

そのカードに描かれていたのは………

 

「ギャラクシークィーンズライト?これって、ギャラクシークィーン、ですか?」

 

「ああ。この前の君とのデュエルで私の才能が刺激されてね。立役者として渡したいと思ってね」

 

「そんな………」

 

「既存のカテゴリーに入れることを考えたため君には使い難いものではあるのが申し訳ないのだがね」

 

そう言われながらも受け取ったギャラクシークィーンズライトを見る。

 

確かに、その効果は自分フィールドのレベル7以上のモンスター 1体を対象として自分フィールドの全てのモンスターのレベルはターン終了時まで対象のモンスターと同じレベルになるというもの。

 

ローレベルが主体の私のデッキでは使いにくいかも知れないけど、全く使えない可能性がないわけじゃない。

 

「ありがとうございます‼︎絶対に使いこなしますね」

 

「………栗原君はこのカードを使うつもりなのかい?ローレベルである君のデッキでは使いにくいと思うが………」

 

「それでも、せっかくいただいたカードですから」

 

「………君は本当に優しい子のようだね。他者を労り、繋がろうとする。だが、私はそんな君が心配でならないよ」

 

「えっ?」

 

「すべての人間が善人とは限らない。もし、悪意を持つ人間によって君の思いが踏みにじられてしまったら………その優しさが失われてしまう危険性もある」

 

真剣な表情でそう告げる天神先生の言葉に私は目を閉じる。

 

確かに天神先生の言葉は最もだ。

 

すべての人が優しいわけじゃない。

 

困っているフリをして他者を傷つける人だって、いるのかも知れない。

 

だけど………

 

「確かに、天神先生の言葉は最もだと思います。それでも、私は誰かと繋がることを諦めたくないんです。繋がって、託された思いを無駄にはしたくないんです。例え、この気持ちを何百回裏切られようとも、私はこの気持ちは絶対に失いません」

 

「………」

 

「何回も誰かを騙す人間より、何回も誰かに騙されて馬鹿を見て、それでも誰かを信じれる人間の方が、私は好きです。私は、そういう人でいたいんです」

 

「………そうか。君がそういうのであれば、私は口を噤もう。余計なお節介だったようだからね」

 

「い、いえいえ‼︎私の方こそ、生意気なことを言ってしまい申し訳ありませんでした‼︎」

 

苦笑を浮かべる天神先生に私は頭を下げる。

 

思えば心配してくれている天神先生にかなり失礼なことを言ってしまった。

 

うぅ〜まだまだ未熟だなぁ、私。

 

「まあ、君ならば大丈夫だろうが、怪しい人間には注意することだ………ここだけの話だが、最近、数人ではあるが、デュエルアカデミアの中で行方不明者が出ているんだ」

 

「行方不明者、ですか?」

 

「ああ。そのうえ行方不明になった生徒は学年トップクラスに属する人間だったようだ。意図的なものかはわからないが、君も気をつけた方がいい」

 

そういえば先程、桜ちゃんからデュエルアカデミアの中の噂を聞いた時に、そんな話が出ていた気がする。

 

最近になってデュエルアカデミアに通っている生徒が少し減ったように感じると。

 

最近少しずつ寒くなってきているから風邪とかが流行ってるのかなと思っていたのだが、まさかそんな自体になっていたとは。

 

………これも、闇のカードが原因なのだろうか?

 

そんなことを考えていた私の思考は次の天神先生の言葉で完全に止まることになる。

 

「君の学年にも行方不明者がいたハズだ。確かーーー桜糀 紅葉、といったか」

 

「………えっ?」

 

私の身体を冷たい汗が伝っていく。

 

穏やかに進んでいると思っていた私の日常は、既におぞましい気配に侵略されていた。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「桜糀が、行方不明?」

 

「みたい………」

 

「デュエルアカデミアで出た行方不明者、それに闇のカード。私の知らないところでそんなことに巻き込まれていたのね」

 

「ごめんなさい、霊華さん。話したら巻き込んじゃうと思ったから………」

 

「別にいい。私を危ないことに巻き込みたくなかったということぐらい、分かってる。でも、次からは頼って欲しい。私も遊花の友達だから」

 

「ありがとう、霊華さん」

 

放課後。

 

天神先生の研究室から戻った私の様子が明らかにおかしかったため、その後のデュエルは中止となった。

 

不満を漏らす人達もいたのだが、その人達は桜ちゃんがお話してくれたみたい。

 

私といえばまだ天神先生からもたらされた情報のショックが抜けきれず、気付いたら放課後になっていた。

 

授業もかなり上の空で何度も先生に注意されてしまい、そのことを心配した桜ちゃんと霊華さんに何があったかを尋ねられ現在に至る。

 

大地君も心配していたみたいだけど、今日はどうしても外せない用があったらしくまた今度話を聞かせてくれと、私を心配しながらも帰っていった。

 

本当に、自分が情けない。

 

「それにしてもまさか行方不明者まで出てるとはね。危ないことだと分かってはいたけど………」

 

「闇先パイの話だと、闇のカードに適合できなかった人の身体を乗っ取っちゃうこともあるみたいだから、それでそのままどこかに連れてかれちゃったのかな?」

 

「問題はどこに連れていかれたのかと、何が狙いか、ね。後はどれだけ相手が問題を大きくしたいか。行方不明者が出てきてるなら遠からずデュエルセキュリティは動くわ」

 

「あ、そうだね。それならすぐに見つかるかも」

 

「それは希望的観測。もし、見つけれても闇のカードに操られた人がデュエルセキュリティに危害を加えたら公務執行妨害で捕まる」

 

「えっ⁉︎で、でもその人達は操られてて………」

 

「これはどちらかといえばオカルトの分類。それをあの頭が硬いデュエルセキュリティがまともに取り扱うとは思わない。危害を加えれば間違いなく罪になる」

 

「そんな………」

 

霊華さんの言葉に私は血の気が引く。

 

もし、闇のカードに操られた紅葉さんが捜索にきたデュエルセキュリティの人に危害を加えることになれば………

 

「そんなのダメ‼︎早く探さないと‼︎」

 

「でも、どうするのよ?遊騎からはデュエルアカデミアの中でNo.を所持している人間の相手だけしか許可されてないでしょ?それなのにどうやって探しに行くのよ?」

 

「それは………」

 

「ん………それから学内の活動の一貫、ということならどう?」

 

「えっ?どういう意味、ですか?」

 

霊華さんの言葉に私は首を傾げる。

 

学内の活動?紅葉さんを探しに行くのが?

 

「学内の活動で行方不明者を捜索する必要があるなら、それを断るのは学生として不自然。だから、学校の活動としてどうしても桜糀を探さないといけない理由を作ればいい」

 

「でも、そんなことどうやって………」

 

「こういう時に動く組織がデュエルアカデミアには2つある。1つは生徒会、もう1つは風紀委員会。こういう事態の場合、教員に近い権限があるこの2つは捜索に関わるハズ。まずは情報収集もかねて、風紀委員会に乗り込んでみる。そこで協力関係を取り付けて私達も捜索に加えて貰おう」

 

 

ーーーーーーー

 

 

「失礼する」

 

「ちょっ⁉︎何ですのあなた一体⁉︎」

 

「御子神 霊華。風紀委員長に用があってきた」

 

「す、すみません‼︎失礼します‼︎れ、霊華さん、いきなり過ぎますよ‼︎」

 

「そう?」

 

「………まさか本当に言葉通り乗り込むとは、恐れ入ったわ、御子神」

 

風紀委員会の教室に辿り着いた私達は、いきなり教室に入っていった霊華さんを慌てて止めていた。

 

風紀委員会に乗り込んでって言ってたけど、まさか言葉の綾じゃなくてそのままの意味だなんて思わなかった。

 

「げぇっ‼︎宝月 桜⁉︎」

 

「………お嬢様、淑女がそのような言葉を使うのははしたないと、前も述べたハズですが」

 

「ほぇ?」

 

突然の乱入者である私達に、ざわざわしはじめる教室に一際大きな声が響く。

 

桜ちゃんの名前が聞こえてきたので、思わずそちらの方を見ると、金髪に縦ロールの女生徒と黒髪をセミロングにしたメイドさんがそこにいた。

 

えっと、この人達は確か………

 

「うげっ、鬼石 千晶。なんでアンタがいるのよ………」

 

「あ、思い出した。鬼石さんですよね?桜ちゃんと仲がいい」

 

「「仲良くなんかない(ありませんわ)‼︎」」

 

「ひゅぃ‼︎息合ってるのに………」

 

「遊花、多分喧嘩友達」

 

「「友達じゃない(ありませんわ)‼︎」」

 

「息ぴったり」

 

桜ちゃんと鬼石さんに同じタイミング( ユニゾン)で怒鳴られ、私は思わず霊華さんの背中に隠れる。

 

いつも教室で楽しそうに話してたから仲がいいと思うんだけどなぁ………

 

「………コホン。ご機嫌よう、宝月 桜。貴方のような輩が風紀委員会に何のご様子ですの?ああ、己が罪を振り返って自首でもしに参りました?それは殊勝な心意気ですわ」

 

「っ、アンタの方こそ風紀委員会の教室なんかで何してるのよ?ああ、何かやらかしてお説教中だったのかしら?悪いわね、辱めちゃって」

 

「っ、お生憎様。私はこれでも副委員長ですので。いつも力で周りをねじ伏せている野蛮な貴方とは違いますの」

 

「はぁ⁉︎アンタが副委員長?アンタみたいな喚き散らすことしかできない高飛車が副委員長とか風紀委員会も可哀想ね」

 

「何ですって⁉︎」

 

「何よ‼︎」

 

「あの、桜ちゃんも鬼石さんもその辺にしてーーー」

 

「「はい?」」

 

「あ、ごめんなさい。何でもないです」

 

こちらを見た2人の表情が怖くて思わず視線を逸らす。

 

すると、鬼石さんの側で控えていたメイドさんが申し訳なさそうに頭を下げてきた。

 

「申し訳ございません。お嬢様はこうして宝月様と戯れ合うことのみが生き甲斐なのでご容赦いただければと」

 

「だから生き甲斐ではありませんわ‼︎貴女本当に失礼ですわね、珊瑚‼︎前にも言いましたが本当に貴女は私のメイドですの⁉︎」

 

「お嬢様を弄ぶのが私の生き甲斐ですので」

 

「だからそんな生き甲斐捨ててしまえ、ですわ‼︎」

 

怒る鬼石さんを見て、珊瑚さんがすごく楽しそうに笑う。

 

うぅ、話が進まないよぉ………

 

どうしようかと困っていると、そんな私の姿が見えたのか珊瑚さんが改めて私に向き直る。

 

「申し訳ありません。お嬢様が可愛かったので少しはしゃいでしまいました」

 

「は、はぁ………」

 

「改めまして、私は千晶お嬢様のメイドの珊瑚と申します。このデュエルアカデミアには1人では何もできないポンコツなお嬢様のために特例として立ち入らせて貰っており、その代わりに学内の事務をいくつか引き受けております。以後、お見知り置きを」

 

「は、はい。私は栗原 遊花です。よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、よろしくお願い致します。それで風紀委員会にどのようなご用でしょうか?風紀委員長は所用で少し出られているので、ポンコツなお嬢様の代わりに完璧なメイドである私がご用件を伺わせていただきますわ」

 

「聞こえてますわよ、珊瑚ー‼︎」

 

「は、はい。実はーーー」

 

後ろで怒鳴り声をあげながら他の風紀委員の人に取り押さえられてる鬼石さんを横に、私は風紀委員会を訪れた理由を話していく。

 

友人が行方不明になってること、その捜索のために風紀委員会と共に行方不明者の捜索を行いたいということを闇のカードのことはぼかし、霊華さんにフォローされながらも話していく。

 

私の話を聞いた珊瑚さんは顎に握り拳を当てて少し考え込むような仕草を見せる。

 

「成る程、事情は分かりました。しかし、今回の件はまだ不明瞭な部分が多くあります。そのため調査の中で栗原様達にまで危害が及ぶ可能性もないとは言い切れません。ですので、正規の風紀委員でない栗原様達を調査に加えるのはーーー」

 

「無理無茶無謀なのは分かっています‼︎それでも、私は友達を助けたいんです‼︎だからお願いします‼︎私に捜索を手伝わせてください‼︎」

 

私は必死に珊瑚さんに頭を下げる。

 

私が無茶を言ってるということは分かってる。

 

それでも、私は紅葉さんを助けたい‼︎

 

「決意は固い………ですか。分かりました、それでは試験と参りましょう」

 

「えっ?試験?」

 

そういうと珊瑚さんはデュエルディスクを構えて私に向ける。

 

「ここは決闘都市『ケルン』です。大抵の物事はデュエルで決着をつけることができます。私は栗原様の実力は存じているつもりですが、ここにいる風紀委員会の皆様は知りません。なので、貴方の実力を私達に示してください」

 

「………分かりました」

 

私はデュエルディスクを起動して珊瑚さんに構える。

 

このデュエルは絶対に負けられない。

 

お願い、私のデッキ。

 

友達を助けるために、力を貸して‼︎

 

「………いきます‼︎」

 

「それでははじめると致しましょう」

 

『決闘‼︎』

 

 

遊花 LP8000

 

珊瑚 LP8000

 

 

ーーーーーーー

 

 

「先攻は私ですね。モンスターをセット。カードを2枚伏せてターンエンドです」

 

「随分控えめなスタートですね。それならば、僭越ながら私がリードさせていただきましょう」

 

「えっ?」

 

カードを伏せるだけでエンドフェイズに入った私に珊瑚さんがそんな言葉を口にした。

 

まだ私の先攻1ターン目なのに………何だか、嫌な予感がする。

 

「私は手札のドラゴンメイドエルデを捨ててその効果を発動します‼︎」

 

「ドラゴンメイド………ですか?」

 

「ドラゴンメイドエルデの効果、同名カードは1ターンに1度、このカードを手札から捨てることで手札からレベル4以下のドラゴンメイドモンスター1体を特殊召喚します‼︎そして現在の状況から分かるようにこの効果は相手ターンでも発動することができます。現れなさい、ドラゴンメイドラドリー‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドラドリー〉☆2 ドラゴン族 水属性

DEF1600

 

 

珊瑚さんの呼び方によりフィールドに現れたのは洗濯籠を抱えた着物風のメイド服を着た紫髪の竜人の少女。

 

「そして特殊召喚されたドラゴンメイドラドリーの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送ります‼︎」

 

フィールドに現れたラドリーは現れた拍子に足を滑らせて洗濯籠に入っていた洗濯物を辺り一面にばら撒いてしまい、慌てた表情を浮かべる。

 

「ふふっ、運がいいです。墓地に送られたコドモドラゴンの効果発動‼︎同名カードの効果は1ターンに1度しか発動できず、この効果を発動するターン、自分はドラゴン族モンスターしか特殊召喚できず、バトルフェイズを行えません。最も、栗原さんのターンなのでこのデメリットはないようなものですが。このカードが墓地へ送られた場合、手札からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚します‼︎現れなさい、ドラゴンメイドナサリー‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドナサリー〉☆2 ドラゴン族 地属性

DEF1600

 

 

慌てているラドリーを慰めるように現れたのはナースキャップを被ったメイド服を着た桃髪の竜人の少女。

 

「さらにドラゴンメイドナサリーの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、同名カード以外の自分の墓地のレベル4以下のドラゴンメイドモンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚します‼︎」

 

「また特殊召喚ですか⁉︎まだ私のターンなのに………」

 

「ふふっ、持て成す者として先じて行動してこそのメイドですから、ご容赦ください。現れなさい、ドラゴンメイドティルル‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドティルル〉☆3 ドラゴン族 炎属性

DEF1700

 

 

次に現れたのはボウルを抱えたメイド服を着た赤髪の竜人の少女。

 

「ドラゴンメイドティルルの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから同名以外のドラゴンメイドモンスター1体を手札に加え、その後、手札からドラゴンメイドモンスター1体を選んで墓地へ送ります‼︎私はデッキからドラゴンメイドフランメを手札に加え、ドラゴンメイドルフトを墓地に送ります」

 

「うぅ、私の先攻なのにモンスターが3体も………改めてターンエンドです」

 

 

遊花 LP8000 手札2

 

ーー▲▲ー ー

ーー◼︎ーー

ー ー

ー□□□ー

ーーーーー ー

 

珊瑚 LP8000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎スタンバイフェイズ、前のターンに墓地に落ちたアークブレイブドラゴンの効果発動‼︎」

 

「っ⁉︎まだ墓地から発動するドラゴンがいるんですか⁉︎」

 

「このカードが墓地へ送られた次のターンのスタンバイフェイズに、同名カード以外の自分の墓地のレベル7・8のドラゴン族モンスター1体を対象として特殊召喚します‼現れなさい、ドラゴンメイドルフト‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドルフト〉☆8 ドラゴン族 風属性

ATK2700

 

 

フィールドに龍の咆哮が響いたかと思うと、空から緑の体躯を持つ龍が舞い降りる。

 

「魔法カード、アドバンスドロー‼︎自分フィールドに表側表示に存在するレベル8以上のモンスター1体、ドラゴンメイドルフトをリリースして発動‼︎デッキから2枚ドローします‼︎ふふっ、それでは私なりのおもてなしを存分にお楽しみくださいませ。まずは料理をお持ち致しましょう。1000ライフポイントを払って魔法カード、簡易融合( インスタントフュージョン)を発動‼」

 

 

珊瑚 LP8000→7000

 

 

ティルルがキッチンワゴンにクロッシュを乗せてフィールドの中央に移動し、クロッシュを開けるとその中から湯気を立てているカップ麺が姿をみせる。

 

………えっと………

 

「あの、どう見てもインスタント食品なんですが………」

 

「申し訳ありません。鬼石家はあまり裕福ではありませんので、このようなおもてなししか………よよよ」

 

「ダウト‼︎ダウトですわ‼︎酷い風評被害ですわ‼︎」

 

「ぷっ………そ、そうなの………それはお気の毒に………ぷふっ」

 

「笑い過ぎですわよ、宝月 桜‼︎」

 

「鬼石さん………」

 

「栗原 遊花もあからさまな嘘泣きに騙されて悲しそうな表情を浮かべるのはやめてくださらない⁉︎貴女どれだけ純粋ですの⁉︎」

 

「………と、私の趣味のお嬢様弄りはこの辺にして」

 

「最低‼︎最低ですわ、このメイド‼︎」

 

「簡易融合の効果で1000ライフポイントを払って、レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚します‼︎この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊されます‼︎いらしてください、暗黒火炎龍‼︎」

 

 

〈暗黒火炎龍〉☆4 ドラゴン族 闇属性

DEF1250

 

 

クロッシュに乗せられていたカップ麺の匂いにつられ、炎の身体を持つ龍が姿を現わす。

 

「それでは参ります。防護せよ‼︎輝石を守護するサーキット‼︎」

 

珊瑚さんが正面に手を前に突き出すと、巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はトークン以外のレベル4以下のドラゴン族モンスター2体‼︎私は暗黒火炎龍とドラゴンメイドラドリーの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎ツイントライアングルドラゴン‼︎」

 

 

〈ツイントライアングルドラゴン〉LINK 2 ドラゴン族 闇属性

ATK1600 ↓→

 

 

暗黒火炎龍とラドリーがサーキットの中に消えると、代わりに両腕に三角形のシールドを持つ黒竜が現れた。

 

「ツイントライアングルドラゴンの効果発動‼︎このカードがリンク召喚に成功した時、500ライフポイントを払い、自分の墓地のレベル5以上のモンスター1体を対象としてそのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚します‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターン攻撃できません。いらしてください、アークブレイブドラゴン‼︎」

 

 

珊瑚 LP7000→6500

 

 

〈アークブレイブドラゴン〉☆7 ドラゴン族 光属性

ATK2400

 

 

ツイントライアングルが咆哮をあげると、フィールドに金と白銀の体躯を持つ龍が現れる。

 

「続けて参ります。防護せよ‼︎輝石を守護するサーキット‼︎」

 

「またリンク召喚ですか………」

 

「召喚条件はトークン以外のモンスター2体以上‼︎私はアークブレイブドラゴンとツイントライアングルドラゴンを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク3‼︎スリーバーストショットドラゴン‼︎」

 

 

〈スリーバーストショットドラゴン〉LINK 3 ドラゴン族 闇属性

ATK2400 ←↓↑

 

 

アークブレイヴと2体に分身したツイントライアングルがサーキットの中に消えると、代わりに真っ赤な体躯に3つの銃口を持つ龍が現れる。

 

「それでは早速バトル、と言いたいところですが、まずはバトルフェイズ開始時にドラゴンメイドナサリーの効果発動‼︎」

 

「バトルフェイズ開始時に、ですか?」

 

「同名カードは1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズ開始時、このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル7のドラゴンメイドモンスター1体を選んで特殊召喚します‼︎さあ、お出迎えの時間です。ドラゴンメイドナサリー、真なる力をお見せしなさい‼︎私はドラゴンメイドナサリーを手札に戻し、墓地からドラゴンメイドエルデを特殊召喚します‼︎」

 

ナサリーが深くお辞儀をするとナサリーの身体が光を放つ。

 

やがて光が収まると、ナサリーのいた場所にはナースキャップを被った桃色の体躯を持つ龍が現れた。

 

 

〈ドラゴンメイドエルデ〉☆7 ドラゴン族 地属性

ATK2600

 

 

「ドラゴンの姿を持つメイドさん………だからドラゴンメイドなんですね」

 

「理解していただけたようですね。ですが、まだ終わってはいません。ドラゴンメイドナサリーと同じようにドラゴンメイドティルルの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズ開始時に、このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル8のドラゴンメイドモンスター1体を選んで特殊召喚します‼︎交代の時間ですよ、私はドラゴンメイドティルルを手札に戻し、墓地からドラゴンメイドルフトを特殊召喚します‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドルフト〉☆8 ドラゴン族 風属性

ATK2700

 

 

ティルルが深くお辞儀をして姿を消すと、代わりに空からルフトがフィールドに舞い降りた。

 

「一気に上級ドラゴンが………」

 

「それでは改めて、バトルです‼︎スリーバーストショットドラゴンでセットモンスターを攻撃‼︎バーストショット‼︎」

 

「させません‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎聖なるバリア -ミラーフォース-‼︎相手モンスターの攻撃宣言時に、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊します‼︎」

 

スリーバーストが私に向けて銃弾を放つがその銃弾を見えない壁が受け止める。

 

しかし、ミラーフォースを見ても珊瑚さんは余裕の笑みを崩さない。

 

「ふふっ、危ないですね。ですが、スリーバーストショットドラゴンの効果発動‼︎1ターンに1度、ダメージステップにモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、その発動を無効にします‼︎」

 

「っ、限定的な無効効果⁉︎」

 

スリーバーストが受け止められている弾丸に向けて更なる弾丸を放つと、見えない壁は砕け散り私のモンスターに向けて勢いよく突き進む。

 

「っ、セットモンスターはフリップフローズンです‼︎」

 

 

〈フリップフローズン〉☆1 サイバース族 水属性

DEF500

 

 

セットされていた氷の精霊がスリーバーストの銃弾に撃ち抜かれ、粉々に砕け散る。

 

しかし、フローズンを破壊してもまだスリーバーストの銃弾は止まらない。

 

「さらにスリーバーストショットドラゴンの効果により、このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与えます‼︎」

 

「っ⁉︎貫通効果まで………なら、手札からクリボーの効果発動‼︎ダークエンヴェロップ‼︎相手モンスターが攻撃した場合、そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にします‼︎」

 

私を貫こうとする銃弾の前に、クリボーが受け止め、粒子になって消えていく。

 

「そして墓地に送られたフリップフローズンの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て守備表示にします‼︎」

 

フィールドに強力な冷気が発生し、あまりの寒さにドラゴンメイド達は身体を丸めて地面にへたり込む。

 

これでこのターンの追撃はない。

 

 

ドラゴンメイドエルデ

ATK2600→DEF1000

 

 

ドラゴンメイドルフト

ATK2700→DEF1700

 

 

「防がれてしまいましたか。ならば、バトルフェイズ終了時にドラゴンメイドエルデの効果発動‼︎」

 

「今度はバトルフェイズ終了時に発動するんですか⁉︎」

 

「同名カードは1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズ終了時、このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札からレベル2のドラゴンメイドモンスター1体を選んで特殊召喚します‼︎ドラゴンメイドエルデよ、従者の姿に戻りなさい‼︎ドラゴンメイドナサリーを特殊召喚‼︎」

 

エルデが咆哮をあげるとエルデの身体が再び光を放つ。

 

やがて光が収まると、エルデのいた場所に恥ずかしそうに笑うナサリーが現れた。

 

 

〈ドラゴンメイドナサリー〉☆2 ドラゴン族 地属性

DEF1600

 

 

「成る程、バトルフェイズが終わればメイドの姿に戻るんですね」

 

「左様でございます。いつまでも臨戦態勢でいてはお客様におくつろぎいただくことはできませんから。ですが、まだ私のおもてなしは終わっていませんよ?特殊召喚されたドラゴンメイドナサリーの効果発動‼︎」

 

 

「っ、そういえば最初に効果を発動したのは私のターンでしたね………」

 

「墓地より戻りなさい、ドラゴンメイドラドリー‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドラドリー〉☆2 ドラゴン族 水属性

DEF1600

 

 

ナサリーに呼び出され、ラドリーが慌てた様子で洗濯籠を手に現れる。

 

「そして特殊召喚されたドラゴンメイドラドリーの効果発動‼︎自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送ります‼︎」

 

慌てて現れたラドリーは足を滑らせて洗濯籠に入っていた洗濯物を辺り一面にばら撒いてしまい、それを見たナサリーは頭を抱えた。

 

 

「さらにドラゴンメイドエルデと同じようにドラゴンメイドルフトの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズ終了時に、このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札からレベル3のドラゴンメイドモンスター1体を選んで特殊召喚します‼︎交代の時間ですよ、私はドラゴンメイドルフトを手札に戻し、手札からドラゴンメイドティルルを特殊召喚します‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドティルル〉☆3 ドラゴン族 炎属性

DEF1700

 

 

ルフトが咆哮をあげて飛び立つと、代わりに姿を消していたティルルが姿を現した。

 

「特殊召喚されたドラゴンメイドティルルの効果発動‼︎デッキからドラゴンメイドフルスを手札に加え、そのまま墓地に送ります。それでは、メインフェイズ2です。魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨てて同じ枚数ドローします‼︎私は4枚、栗原様は1枚のカードを捨ててドローします‼︎」

 

「うっ、上級のドラゴンメイドが一気に墓地に………」

 

「おや?これはこれは、今日の私のおもてなし力は絶好調のようです」

 

「おもてなし力って………」

 

「私はドラゴンメイドパルラを召喚します‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドパルラ〉☆3 ドラゴン族 風属性

ATK500

 

 

新たにフィールドに現れたのはティーポットを持ったメイド服を着た緑髪の竜人の少女。

 

多分、髪の色からしてこの子がルフトになるんだろうな。

 

「ドラゴンメイドパルラの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから同名カード以外のドラゴンメイドカード1枚を墓地へ送ります。私が墓地に送るのは魔法カード、ドラゴンメイドのお召し替え。そして墓地のドラゴンメイドのお召し替えの効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、同名カードは1ターンに1度、自分フィールドのドラゴンメイドモンスター1体を対象として、このカードを手札に加え、そのモンスターを持ち主の手札に戻します。私はドラゴンメイドナサリーを手札に戻し、ドラゴンメイドのお召し替えを手札に加えます」

 

「うぅ、また手札が………」

 

「さらに永続魔法、ドラゴンメイドのお出迎えを発動‼︎自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分フィールドのドラゴンメイドモンスターの数×100ポイントアップします‼︎私のフィールドには3体のドラゴンメイドがいるため、自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップします‼︎」

 

 

スリーバーストショットドラゴン

ATK2400→2700

 

 

ドラゴンメイドティルル

DEF1700→2000

 

 

ドラゴンメイドラドリー

DEF1600→1900

 

 

ドラゴンメイドパルラ

ATK500→800

 

 

「さらにドラゴンメイドのお出迎えの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分フィールドにドラゴンメイドモンスターが2体以上存在する場合、自分の墓地の同名カード以外のドラゴンメイドカード1枚を対象として手札に加えます‼︎私は墓地のドラゴンメイドフランメを手札に加えます‼︎そして、魔法カード、ドラゴンメイドのお召し替えを発動‼︎自分の手札・フィールドから、ドラゴン族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚します‼︎」

 

「っ⁉︎融合魔法⁉︎」

 

「私はフィールドのドラゴンメイドモンスター、ドラゴンメイドラドリーと手札のドラゴン族モンスター、ドラゴンメイドナサリーで融合‼︎無垢なる竜人よ、看護の竜人と合わさりて、主人を守る力を生み出せ‼︎融合召喚‼︎」

 

洗濯物をばら撒いて青ざめるラドリーの手を引いてナサリーがフィールドに出来た渦の中に飛び込んでいく。

 

そして渦が弾けるとそこに現れたのは眼鏡をかけた黒髪の竜人。

 

「ドラゴンメイドを統べる家政婦長‼︎ドラゴンメイドハスキー‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドハスキー〉☆9 ドラゴン族 光属性

ATK3000

 

 

「ドラゴンメイドの融合モンスター………」

 

「そして速攻魔法、超再生能力‼︎このカードを発動したターンのエンドフェイズ、自分の手札から捨てられた及び自分の手札・フィールドからリリースされたドラゴン族モンスターの数だけ自分はデッキからドローします‼︎」

 

「っ、ドローカード‼︎なら、チェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎裁きの天秤‼︎相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計数より多い場合に発動でき、自分はその差の数だけデッキからドローします‼︎」

 

「成る程、そちらもドローカードを残していましたか」

 

「珊瑚さんのフィールドのカードは6枚、私は裁きの天秤と手札1枚の2枚‼︎その差分の4枚のカードをドローします‼︎」

 

「お見事です。私はカードを1枚伏せ、エンドフェイズに、超再生能力の効果発動‼︎このターン、リリース及び捨てられたドラゴンはドラゴンメイドルフト2体にドラゴンメイドエルデ、ドラゴンメイドフランメの4体。よってカードを4枚ドローします‼︎これで私はターンエンドでございます」

 

 

遊花 LP8000 手札5

 

ーーーーー ー

ーーーーー

☆ ー

ー○□○ー

ーー△▲ー ー

 

珊瑚 LP6500 手札5

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

「スタンバイフェイズ、前のターンに墓地に落ちたアークブレイブドラゴンの効果、それにチェーンしてドラゴンメイドハスキーの効果発動‼︎コーチングホスピタリティー‼︎」

 

「っ‼︎ドラゴンメイドハスキーも発動できる効果があるんですか………」

 

「まずはドラゴンメイドハスキーの効果、自分・相手のスタンバイフェイズに、このカード以外の自分フィールドのドラゴンメイドモンスター1体を対象としてそのモンスターよりレベルが1つ高い、またはレベルが1つ低いドラゴンメイドモンスター1体を自分の手札・墓地から選んで守備表示で特殊召喚します‼︎」

 

「ドラゴンメイドの展開効果………‼︎」

 

「私はドラゴンメイドティルルを対象に、墓地より戻りなさい、ドラゴンメイドラドリー‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドラドリー〉☆2 ドラゴン族 水属性

DEF1600

 

 

ハスキーに呼び出され、青ざめた表情のラドリーがフィールドに現れる。

 

「次にアークブレイブドラゴンの効果発動‼︎私は墓地より巨神竜フェルグラントを特殊召喚‼︎」

 

フィールドにアークブレイヴの咆哮が響く。

 

すると、空より金色に輝く巨大な龍が咆哮を上げながらフィールドに舞い降りた。

 

 

〈巨神竜フェルグラント〉☆8 ドラゴン族 光属性

ATK2800

 

 

「巨神竜フェルグラント………そんかモンスターまで墓地に送られてたんですね」

 

「特殊召喚されたドラゴンメイドラドリーの効果、それにチェーンして巨神竜フェルグラントの効果発動‼︎グランドプレステージ‼︎このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合、相手のフィールド・墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力は、除外したモンスターのレベルまたはランク×100ポイントアップします‼︎私は栗原様の墓地からクリボールを除外して、巨神竜フェルグラントの攻撃力を100ポイント上昇させます‼︎」

 

「っ、クリボー‼︎」

 

巨神竜フェルグラントの咆哮により、クリボーの魂が異次元に吹き飛ばされる。

 

 

巨神竜フェルグラント

ATK2800→2900

 

 

「さらにドラゴンメイドラドリーの効果発動‼︎自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送ります‼︎」

 

慌てて現れたラドリーは先程ばら撒いてしまった洗濯物で足を滑らせ、ばら撒かれていた洗濯物を辺り一面に撒き散らす。

 

その姿を見て、ハスキーは冷たい笑みを浮かべるとラドリーの首根っこを掴んで、フィールドの隅でお説教を始めた。

 

な、何だか見ててラドリーが可愛そうになってくるんだけど………

 

「フィールドのドラゴンメイドが増えたことでドラゴンメイドのお出迎えを発動‼︎私のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力はさらに上昇します」

 

 

スリーバーストショットドラゴン

ATK2700→2800

 

 

巨神竜フェルグラント

ATK2900→3300

 

 

ドラゴンメイドティルル

DEF2000→2100

 

 

ドラゴンメイドパルラ

ATK800→900

 

 

ドラゴンメイドラドリー

DEF1600→2000

 

 

ドラゴンメイドハスキー

ATK3000→3400

 

 

珊瑚さんのフィールドのドラゴンがさらに攻撃力を上げる。

 

何とかさっきは凌げたけど、珊瑚さんのドラゴンメイドの展開能力は危険だ。

 

早めに手を打たないと、このままじゃ防御が間に合わなくなる。

 

だけど、その分珊瑚さんのデッキもすごい勢いで減っていってる。

 

なら………‼︎

 

「私はこのままバトルフェイズに入ります‼︎」

 

「モンスターがいないのにバトルフェイズに、ですか?………バトルフェイズ開始時、ドラゴンメイドティルル、ドラゴンメイドパルラ、ドラゴンメイドラドリーの効果をそれぞれ発動‼︎ドラゴンメイドティルル、ドラゴンメイドパルラは自分・相手のバトルフェイズ開始時に、このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル8のドラゴンメイドモンスター1体を選んで特殊召喚し、ドラゴンメイドラドリーは自分・相手のバトルフェイズ開始時、このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル7のドラゴンメイドモンスター1体を選んで特殊召喚します‼︎真なる力をお見せしなさい‼︎私はドラゴンメイドティルル、ドラゴンメイドパルラ、ドラゴンメイドラドリーをそれぞれ手札に戻し、現れなさい、ドラゴンメイドフランメ‼︎ドラゴンメイドルフト‼︎ドラゴンメイドフルス‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドフランメ〉☆8 ドラゴン族 炎属性

ATK2700→3100

 

 

〈ドラゴンメイドルフト〉☆8 ドラゴン族 風属性

ATK2700→3100

 

 

〈ドラゴンメイドフルス〉☆7 ドラゴン族 水属性

ATK2600→3000

 

 

ティルル、パルラ、ラドリーの姿がそれぞれ光り輝き、光りが収まるとそれぞれの髪の色と同じ色をした体躯の龍が姿を現わす。

 

強力なドラゴン達だけど、そんなことはもう関係ない‼︎

 

「私はこのままバトルフェイズを終了し、バトルフェイズ終了時に手札から罠発動‼︎拮抗勝負‼︎」

 

「っ‼︎そのカードは………」

 

「自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードは手札からも発動できる‼︎相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードの数より多い場合、自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる‼︎自分フィールドのカードの数と同じになるように、相手はフィールドのカードを裏側表示で除外しなければならない‼︎私のフィールドには今発動した拮抗勝負のみ。珊瑚さんにもフィールドのカードが1枚になるようにカードを除外して貰います‼︎」

 

「やられましたね………仕方ありません。ドラゴンメイドハスキー以外のカードを全て除外します」

 

拮抗勝負の力でハスキー以外のカードが全て粒子に変わって消えていく。

 

「お見事です。しかし、私の手札には戻ってきたドラゴンメイド達がいますよ?」

 

「だったらいなくなって貰えばいいんです‼︎メインフェイズ2‼︎まずは魔法カード、一時休戦‼︎お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローし、次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になります‼︎さらに魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨てて同じ枚数ドローします‼︎私は4枚、珊瑚さんは9枚のカードを捨ててドローします‼︎」

 

「っ⁉︎ここで………しかもこれは………‼︎」

 

私が発動した手札抹殺により、私と珊瑚さんは再びカードを引きなおす。

 

改めてカードをドローした珊瑚さんは残り1枚となった自分のデッキをチラリと見ると、感心した表情を浮かべて私を見た。

 

「少しデッキを削り過ぎましたか。それを見抜いてデッキ破壊にシフトしてくるとは………そのうえ、次のターンに最後の1枚をドローしようと一時休戦により私は栗原様にダメージを与えれません。このままいけば、私は確実に敗北するというわけですか」

 

「前に私も墓地肥やしやドローのし過ぎでデッキ切れになりそうになったことがありましたから。今の珊瑚さんのデッキの減り方ならデッキ破壊にシフトできると思ったんです」

 

それは前に『Natural』で行われた大会の決勝戦で師匠とデュエルした時にやってしまった私の悪手。

 

勿論、全力でいかなければその時点で師匠には負けていただろうけど、デュエルに集中し過ぎたせいでお互いのデッキの枚数を把握しながらデュエルするということが、あの時の私にはできていなかった。

 

それでも師匠は真正面から私にぶつかってくれたからデッキ切れで終わるという結末はむかえなかったけど、師匠はあのまま私のデッキが切れるまで防御を固めるだけでもよかったのだ。

 

ならばこそ、あの経験も活かして自分の力に変えなければいけない。

 

それができなければ、悪手を打った私にそれでも真正面からぶつかってくれた師匠に申し訳が立たないから。

 

「成る程、自らの失敗を糧に自身の力に変える。大変素晴らしいことだと思います。お見事でした」

 

「確かに、これで決まってくれればそれでいいんだと思います。だけど、そうじゃないですよね?」

 

「………」

 

「珊瑚さんの目を見れば分かります。珊瑚さんの目は、全然諦めていません。この状況をどう覆すのかまでは、私には分かりませんけど………珊瑚さんにまだ手があるというのなら、私も自分の全力で最後までぶつかるだけです‼︎」

 

「………ほぅ、これは参りましたね。どうやら私は、栗原様のことを過小評価していたようです」

 

私の言葉に、珊瑚さんは心底感心したというような声を漏らし、深く頭を下げた。

 

「お見それしました。今までの非礼、深くお詫び申し上げます」

 

「いえ、私がまだまだ未熟なのはよく知っていますから。だから、御指南の程よろしくお願いします‼︎」

 

そういって私も頭を下げる。

 

そんな私を見て、珊瑚さんはくすりと笑うともう1度恭しく頭を下げた。

 

「ならば、私の全力のおもてなしに付き合っていただけますか?」

 

「勿論です‼︎」

 

「ありがとうございます。ならば、早速動かせていただきましょう。私は墓地に存在する守護竜プロミネシス、さらに手札に存在する守護竜ガルミデスの効果発動‼︎」

 

「えっ⁉︎守護、竜?」

 

柔らかい笑顔を浮かべながらも、確かな自信を持った目で珊瑚さんは2体の竜の名を呼ぶ。

 

「まずは守護竜ガルミデスの効果、通常モンスターが自分の墓地へ送られた場合、このカードを手札から特殊召喚します‼︎」

 

「っ、さっきの手札抹殺で通常モンスターが落ちちゃったんですね………」

 

「いらしてください、守護竜ガルミデス‼︎」

 

 

〈守護竜ガルミデス〉☆3 ドラゴン族 地属性

ATK1600

 

 

現れたのは身体にある青い宝玉を煌めかせている黒竜。

 

「さらに守護竜プロミネシスの効果、このカードが墓地に存在し、通常モンスターが自分の墓地へ送られた場合、このカードを特殊召喚します‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外されます。いらしてください、守護竜プロミネシス‼︎」

 

 

〈守護竜プロミネシス〉☆1 ドラゴン族 炎属性

DEF200

 

 

さらにガルミデスと並び立つように黄色い宝玉を煌めかせた炎を纏った竜が姿を現わす。

 

「これが私のもう1つの力、守護竜です。その力、存分にご堪能ください」

 

「はい‼︎私はこのままターンエンドです‼︎」

 

 

遊花 LP8000 手札4

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ー

ー○□○ー

ーーーーー ー

 

珊瑚 LP6500 手札8

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

これで珊瑚さんのデッキは無くなった。

 

だけど、その表情が曇ることはない。

 

「参ります‼︎防護せよ‼︎輝石を守護するサーキット‼︎」

 

珊瑚さんが正面に手を前に突き出すと、巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はドラゴン族モンスター2体‼︎私は守護竜ガルミデスと守護竜プロミネシスの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

ガルミデスとプロミネシスがサーキットに吸い込まれていく。

 

そしてサーキットが光り輝くと、サーキットから現れるのは白銀の鎧を身につけ、紫の宝玉を輝かせた巨大な竜。

 

「リンク召喚‼︎無償の愛を守る白銀の竜‼︎リンク2‼︎守護竜アガーペイン‼︎」

 

 

〈守護竜アガーペイン〉LINK2 ドラゴン族 闇属性

ATK1500 ↓↑

 

 

「守護竜のリンクモンスター………」

 

「守護竜アガーペインの真価を見せるのはもう少し先の話です。永続魔法、星遺物の守護竜を発動‼︎このカードの発動時に、自分の墓地のレベル4以下のドラゴン族モンスター1体を対象にそのモンスターを手札に加えるか特殊召喚します‼︎墓地より戻りなさい、ドラゴンメイドナサリー‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドナサリー〉☆2 ドラゴン族 地属性

DEF1600

 

 

「さらにドラゴンメイドナサリーの効果発動‼︎墓地より戻りなさい、ドラゴンメイドラドリー‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドラドリー〉☆2 ドラゴン族 水属性

DEF1600

 

 

「うっ………またドラゴンメイド達が………」

 

「まだまだ行きますよ。防護せよ‼︎輝石を守護するサーキット‼︎」

 

珊瑚さんが正面に手を前に突き出すと、再び巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はレベル4以下のドラゴン族モンスター1体‼︎私はドラゴンメイドラドリーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎守護竜ピスティ‼︎」

 

 

〈守護竜ピスティ〉LINK1 ドラゴン族 闇属性

ATK1000 →

 

 

ラドリーがサーキットの中に消えると代わりに現れたのは赤い宝玉を輝かせる黒竜。

 

「また守護竜のリンクモンスター………」

 

「永続魔法、星遺物の守護竜の効果を発動‼︎1ターンに1度、自分フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象としてその自分のモンスターの位置を、他の自分のメインモンスターゾーンに移動します。私は守護竜ピスティを中央のメインモンスターゾーンに移動します」

 

星遺物の守護竜の効果でピスティがフィールドの中央に移動する。

 

これでアガーペインのリンク先が空いた。

 

狙いは更なるEXデッキからの召喚?

 

そんなことを考える私を見て、珊瑚さんはくすりと笑った。

 

「警戒しなくとも、すぐに答えあわせをしますよ。守護竜アガーペインの効果発動‼︎ラブイリュージョン‼︎自分メインフェイズに2体以上のリンクモンスターのリンク先となる、EXモンスターゾーンまたは自分フィールドにEXデッキからドラゴン族モンスター1体を特殊召喚します‼︎」

 

「EXデッキからドラゴン族モンスターを直接特殊召喚するんですか⁉︎」

 

「私は守護竜アガーペインと守護竜ピスティのリンク先となるモンスターゾーンにEXデッキからドラゴン族モンスターを特殊召喚します‼︎いらしてください、竜魔人キングドラグーン‼︎」

 

アガーペインとピスティが咆哮をあげると、空に亀裂ができる。

 

その亀裂が広がっていくと、亀裂の先にある空間から巨大な竜が姿を現した。

 

 

〈竜魔人キングドラグーン〉☆7 ドラゴン族 闇属性

ATK2400

 

 

「竜魔人キングドラグーンの永続効果により、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はドラゴン族モンスターを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできません‼︎」

 

「全体への効果耐性………‼︎」

 

「それだけではありませんよ。竜魔人キングドラグーンの効果発動‼︎1ターンに1度、手札からドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚します‼︎いらしてください、青氷の(ブルーアイス)白夜龍(ホワイトナイツドラゴン )‼︎」

 

「青氷の白夜龍⁉︎」

 

 

〈青氷の白夜龍〉☆8 ドラゴン族 水属性

ATK3000

 

 

フィールドに現れたのは氷の身体を持つ青き巨龍。

 

その名前だけではなく、姿までも異世界で見たことがある伝説の白龍に似ている。

 

だけど、その雰囲気から感じる白夜龍の本質はきっと別物だ。

 

「青氷の白夜龍は効果によりこのカードを対象とする魔法・罠カードが発動した時にその発動を無効にし破壊する効果とこのカード以外の自分の表側表示モンスターが攻撃対象に選択された時、自分フィールドの魔法・罠カード 1枚を墓地へ送って攻撃対象をこのカードに移し替えることができます」

 

「効果無効に攻撃の誘導………守護竜やキングドラグーンを守るための龍」

 

「それではバトルフェイズに移ります。バトルフェイズ開始時、ドラゴンメイドナサリーの効果発動‼︎交代の時間です、このカードを手札に戻し、墓地からドラゴンメイドフルスを特殊召喚します‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドフルス〉☆7 ドラゴン族 水属性

ATK2600

 

 

ナサリーが深くお辞儀をして姿を消すと、代わりにフルスが姿を現わす。

 

1体は拮抗勝負で除外したから2体目が落ちてたということだろう。

 

だけど、このターンは一時休戦の効果によりダメージは受けない。

 

なら、狙いは別にあるハズ………

 

「私はこのままバトルフェイズを終了し、ならば、バトルフェイズ終了時にドラゴンメイドフルスの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズ終了時、このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札からレベル2のドラゴンメイドモンスター1体を選んで特殊召喚します‼︎忙しくてすみませんが、交代の時間です。ドラゴンメイドナサリーを特殊召喚‼︎」

 

フルスが咆哮をあげ、空に飛び上がるとナサリーが再び姿を現わす。

 

 

〈ドラゴンメイドナサリー〉☆2 ドラゴン族 地属性

DEF1600

 

 

「そしてメインフェイズ2、私は手札のドラゴンメイドフルスを捨ててその効果を発動します‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードを手札から捨て、自分または相手の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを持ち主のデッキに戻します‼︎」

 

「っ⁉︎ということは………‼︎」

 

「私は墓地よりドラゴンメイドラドリーをデッキに戻します」

 

珊瑚さんはデュエルディスクにあるデッキ部分にラドリーのカードをおき、試すような目でこちらを見る。

 

「これで私は次のターンを向かえることができます。そしてこの意味、栗原様なら理解できると思います」

 

「墓地にいったドラゴンメイドフルスはレベル2のドラゴンメイドがいる限りバトルフェイズを介して手札に戻る。ドラゴンメイドフルスをどうにかしない限り、珊瑚さんのデッキが切れることはない、ということですね」

 

「左様でございます。さらに私のフィールドの防御は完成しております。そう易々と突破できるとは思わないことです」

 

珊瑚さんの言葉に、私は苦い表情を浮かべる。

 

そもそも私のデッキはローレベルデッキだから純粋な攻撃力は低く、高攻撃力のモンスターが多く、蘇生手段も豊富なドラゴンデッキは特に苦手としている。

 

そのうえ今回は魔法・罠の耐性があり、白夜龍により攻撃すら誘導される。

 

おまけにデッキ切れも狙えないとなると、かなり勝ち目は薄い。

 

だけど………それはあくまでも薄いだけだ。

 

勝てないわけじゃない。

 

「ふふっ、どうやら闘志は尽きていないようですね」

 

「勿論です‼︎確かに厳しい状況です………だけど、諦めることだけは絶対にしないって、私は決めてますから‼︎」

 

「それでこそ、持て成しがいがあるというものです。墓地に存在するドラゴンメイドのお召し替えの効果発動‼︎私はドラゴンメイドナサリーを手札に戻し、ドラゴンメイドのお召し替えを手札に加えます。さらに墓地に存在する墓地のアクションマジック-ダブルバンキングの効果発動‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分メインフェイズに手札から魔法カード1枚を捨ててこのカードを自分の魔法&罠ゾーンにセットします。私は先程手札に加えたドラゴンメイドのお召し替えを墓地に送り、アクションマジック-ダブルバンキングをセットします」

 

「ドラゴンメイドのお召し替えはドラゴンメイドを手札に戻せば何度でも回収できる………つまり、何度でもアクションマジックのコストにできるというわけですね」

 

「理解が早くて助かります。私は再びドラゴンメイドナサリーを召喚します‼︎」

 

 

〈ドラゴンメイドナサリー〉☆2 ドラゴン族 地属性

ATK500

 

 

「さらに私はカードを3枚伏せてターンエンド。栗原様の力、存分に見せていただきます」

 

そういって珊瑚さんがターンの終わりを宣言する。

 

珊瑚さんのフィールドにいるのは強固な6体のドラゴン。

 

セットカードも潤沢で手札だって多い。

 

それに比べて私にあるのはたった4枚の手札のみ。

 

圧倒的な逆境。

 

だとしても、紅葉さんを探すため、この逆境を乗り越えて絶対に珊瑚さんに勝ってみせる‼︎

 

 

遊花 LP8000 手札4

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ☆

○○☆○○

▲▲△▲▲ ー

 

珊瑚 LP6500 手札4

 

 




次回予告

風紀委員会に実力を示すための珊瑚とのデュエルは続く。
攻めに転じる遊花だが、その攻撃はことごとくいなされていく。
激しいデュエルが紡ぐ結末は?
そしてデュエルの後、意外な展開が遊花達を待ち受ける。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『ぶつかり合う魂』


次回は遊花のデュエル回後編と他1名のデュエル回です。
遊花視点と第三者視点でお送りする予定です。
他1名が誰かはヒミツです。
遊花と珊瑚のデュエルはどうなるのか?
次回をお楽しみに。


そして今回は遊花のデュエル回でした。
相手は幕間で桜とデュエルした千晶のメイド、珊瑚のドラゴンメイド守護竜です。
まさか幕間に出てきたちょいキャラがデュエルするとは誰も思うまい。
元々デュエルさせる予定はあったのですが、つい最近ドラゴンメイドが出たので、どうせならと彼女に使わせる予定だった守護竜に混ぜて出してみました。
とりあえず書いた感想としては………ドラゴンメイドの動き面倒‼︎
これにつきます………というかドラゴンメイドのせいで前後編に分かれました、勢いでやるものじゃないなぁ………

それじゃあ今回はここまで。
皆さん、夏を満喫してますか?
私は前も話した通りお盆も仕事一辺倒です。
おまけに暑さのせいか車のエアコンがお盆前に壊れ、部品取り寄せと車屋がお盆休みに入ったせいでお盆明けまで車が直せず通勤が一種の地獄になってます。
暑い‼︎でも負けない‼︎私の心だって、熱く燃えてるんだから‼︎
と、一種の自棄状態です。
おかげで体力が尽きかけてるのに執筆が進みましたけどね‼︎
現実逃避ってすごい。
皆さまは暑さにやられてしまわないようにお気をつけください。
といったところで今回はここでお開き。
ではでは〜

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