遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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お待たせ致しました。
今回は遊花VS幻騎です。
遊花視点と第3者視点でお送りします。
遊花の新しい力が解き放たれる?
それでは本編へGO‼︎


第78話 未知数の希望

 

 

 

 

遊花 LP8000

 

幻騎 LP8000

 

 

「先攻は私だ。私は星因士( サテラナイト)ベガを召喚‼︎」

 

 

〈星因士ベガ〉☆4 戦士族 光属性

ATK1200

 

 

天神先生のフィールドに現れたのは琴のような形をした星の戦士。

 

「星因士ベガの効果発動‼︎このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、手札から星因士ベガ以外のテラナイトモンスター1体を特殊召喚する。手札から星因士( サテラナイト)ウヌクを特殊召喚‼︎」

 

 

〈星因士ウヌク〉☆4 戦士族 光属性

ATK1800

 

 

ベガの身体が輝くと、その輝きに導かれてさらに蛇使いのような星の戦士が姿を現わす。

 

「テラナイト………そんなモンスター、この前にデュエルをした時には使ってませんでしたよね?」

 

「私が本気で君の相手をしていたとでも思っていたのか?あんなもの、私の正体を隠すためのダミーデッキに過ぎない」

 

「………それならそのデッキが天神先生の本来のデッキというわけですか」

 

「そうだとも、君の師匠を屠る程の力を秘めたね‼︎星因士ウヌクの効果発動‼︎このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから星因士ウヌク以外のテラナイトカード1枚を墓地へ送る。私はデッキから星因士( サテラナイト)デネブを墓地に送る」

 

そして天神先生は正面に手をかざす。

 

「私の本気を見せてあげよう‼︎閉鎖せよ‼︎運命に従うサーキット‼︎」

 

「リンク召喚ですか」

 

天神の正面に巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は戦士族モンスター2体‼︎私は星因士ベガと星因士ウヌクの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎過去に囚われし王女‼︎リンク2‼︎聖騎士の追想 イゾルデ‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

 

〈聖騎士の追想 イゾルデ〉LINK 2 戦士族 光属性

ATK1600 ↙︎ ↘︎

 

 

ベガとウヌクがサーキットの中に消え、天神の前に現れたのは師匠がいつも使用している金髪と白髪の2人の女性。

 

「聖騎士の追想 イゾルデの効果発動‼︎リンクセレクト‼︎リンク召喚に成功した時、デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える‼︎ただし、このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。私はデッキから幻影騎士団( ファントムナイツ)フラジャイルアーマーを手札に加える‼︎聖騎士の追想 イゾルデの更なる効果発動‼︎ロストメモリア‼︎デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送り、墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する‼︎私はデッキから妖刀竹光、一惜二跳、ストイックチャレンジ、リビングフォッシルを墓地に送り、星因士( サテラナイト)アルタイルを特殊召喚‼︎」

 

「っ、この動きは………」

 

 

〈星因士アルタイル〉☆4 戦士族 光属性

ATK1700

 

 

イゾルデに導かれ、フィールドに現れたのはわし座の名を持つ翼を持つ星の戦士。

 

だけど、それよりも気になるのは………

 

「この動き、師匠と同じ………」

 

「ククッ、流石は弟子と言ったところか。そう、これは結束 遊騎の動きを模しているのだよ。これでも、私は結束 遊騎のファンだからね」

 

「………っ、師匠を傷付けた天神先生が、師匠のファン?」

 

「どう受け取るかは君次第だがね」

 

私が思わず天神先生睨みつけると天神先生は愉快そうな笑みを浮かべる。

 

天神先生の言葉が真実であれ挑発であれ、どちらにせよ師匠の動きを意識してるのは間違いない。

 

それならば、まだまだこの程度じゃ展開は止まらないハズだ。

 

「星因士アルタイルの効果、それにチェーンして墓地に送られた妖刀竹光の効果発動‼︎デッキから妖刀竹光以外の竹光カードを手札に加える‼︎私はデッキから黄金色の竹光を手札に加える‼︎そして、星因士アルタイルの効果発動‼︎このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、星因士 アルタイル以外の自分の墓地のテラナイトモンスター1体を守備表示で特殊召喚する‼︎ただし、この効果の発動後、ターン終了時までテラナイトモンスター以外の自分フィールドのモンスターは攻撃できない。最も、先攻である今は関係ないがね。舞い戻れ、星因士デネブ‼︎」

 

 

〈星因士デネブ〉☆4 戦士族 光属性

DEF1000

 

 

アルタイルが地面に剣を突き刺すと、地面から光の粒子が漏れ、その粒子は白鳥のような優雅な星の戦士に姿を変えた。

 

「星因士デネブの効果発動‼︎このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから星因士デネブ以外のテラナイトモンスター1体を手札に加える‼︎私はデッキから星因士( サテラナイト)シャムを手札に加える‼︎さらに、速攻魔法、手札断殺‼︎お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送り、その後、それぞれデッキから2枚ドローする‼︎」

 

「手札交換ですか………ですが、墓地に送られた絶対王バックジャックの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、自分のデッキの上からカードを3枚確認し、好きな順番でデッキの上に戻します‼︎」

 

「フン、デッキ操作ぐらいは許してやる。カードを1枚伏せ、リバースカードオープン‼︎罠発動、幻影騎士団( ファントムナイツ)シェードブリガンダイン‼︎」

 

「1ターン目から発動できる罠カード⁉︎」

 

「同名カードは1ターンに1枚しか発動できず、自分の墓地に罠カードが存在しない場合、このカードはセットしたターンでも発動できる‼︎このカードは発動後、戦士族・闇属性・レベル4・攻撃力0、守備力300の通常モンスターとなり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する‼︎現れろ、幻影騎士団シェードブリガンダイン‼︎」

 

 

〈幻影騎士団シェードブリガンダイン〉☆4 戦士族 闇属性

DEF300

 

 

フィールドに現れたのは青い炎のを纏った鎧のモンスター。

 

そして幻騎はモンスター達に手をかざす。

 

「私はレベル4テラナイトモンスター、星因士アルタイル、星因士デネブでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

アルタイル、デネブが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると、空から舞い降りたのは漆黒の鎧を見に纏ったケンタウロス。

 

「全てを闇に染め上げる悪星‼︎煉獄の騎士(テラナイト )ヴァトライムス‼︎」

 

 

〈煉獄の騎士ヴァトライムス〉★4 戦士族 闇属性

ATK2600

 

 

「テラナイトのエクシーズモンスター………」

 

「煉獄の騎士ヴァトライムスの永続効果、フォーリングダークサイド‼︎このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの全ての表側表示モンスターは闇属性になる‼︎」

 

「っ、属性を変化させるエクシーズモンスター⁉︎」

 

 

聖騎士の追想 イゾルデ

光属性→闇属性

 

 

ヴァトライムスの身体から闇が溢れ出すと、イゾルデの身体を呑み込み、イゾルデが漆黒のオーラを纏う。

 

「そして、このカードの力を応用すればこんなこともできる。閉鎖せよ‼︎運命に従うサーキット‼︎」

 

天神先生が手をかざすと、正面に再び巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は闇属性モンスター2体以上‼︎私は幻影騎士団シェードブリガンダインと闇属性となった聖騎士の追想 イゾルデを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

シェードブリガンダインとイゾルデが2体に分身してサーキットに吸い込まれる。

 

そしてサーキットが輝くと、現れたのは巨大な戦斧を構えた漆黒の騎士。

 

「リンク召喚‼︎終わりを告げる戦斧の騎士‼︎リンク3‼︎幻影騎士団( ファントムナイツ)ラスティバルディッシュ‼︎」

 

 

〈幻影騎士団ラスティバルディッシュ〉LINK 3 戦士族 闇属性

ATK2100 ↙︎ ↘︎→

 

 

「幻影騎士団ラスティバルディッシュの効果発動‼︎ラストファントム‼︎同名カードは1ターンに1度、自分メインフェイズにデッキから幻影騎士団モンスター1体を墓地へ送り、その後、デッキからファントム魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする‼︎私はデッキから幻影騎士団( ファントムナイツ)ダスティローブを墓地に送り、永続罠、幻影霧剣( ファントムフォッグブレード)をセットする‼︎さらに墓地に存在する幻影騎士団ダスティローブの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、墓地のこのカードを除外し、デッキから同名カード以外の幻影騎士団カード1枚を手札に加える‼︎私はデッキから幻影騎士団( ファントムナイツ)ウロングマグネリングを手札に加える‼︎」

 

「っ、見えている罠でも、これだけあると掻い潜るのが大変ですね」

 

「まだ終わってはいない‼︎私は煉獄の騎士ヴァトライムスに装備魔法、折れ竹光を装備‼︎さらに魔法カード黄金色の竹光を発動‼︎自分フィールドに竹光と名のついた装備魔法が存在する場合に発動でき、デッキからカードを2枚ドローする‼︎私はカードを3枚伏せてターンエンドだ」

 

「ならエンドフェイズ、墓地の絶対王バックジャックを除外して効果発動‼︎相手ターンに墓地のこのカードを除外して自分のデッキの一番上のカードをめくり、そのカードが通常罠カードだった場合、自分フィールドにセットし、違った場合、そのカードを墓地へ送ります。そして、この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できます‼︎めくられたのは通常罠、裁きの天秤‼︎通常罠カードなのでセットされます‼」

 

「チッ、またそのカードか………だが、まだデュエルは始まったばかりで君の手札も多い。大して気にする必要はあるまい」

 

 

遊花 LP8000 手札5

 

ーー▲ーー ー

ーーーーー

☆ ー

ーーーー○

▲▲▲△▲ ー

 

幻騎 LP8000 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎今の言葉、早速後悔して貰いますよ‼︎私は手札を5枚捨てて、永続魔法、守護神の宝札を発動‼︎」

 

「何⁉︎そのカードは………‼︎」

 

「自分はデッキから2枚ドローし、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分ドローフェイズの通常のドローは2枚になります‼︎さらにその発動にチェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎裁きの天秤‼︎相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計数より多い場合に発動でき、自分はその差の数だけデッキからドローします‼︎天神先生のフィールドのカードは7枚、私は裁きの天秤と守護神の宝札の2枚。その差分の5枚のカードをドローします‼︎さらにチェーン処理により守護神の宝札の効果でカードを2枚ドローします‼︎」

 

「馬鹿な⁉︎守護神の宝札のデメリットを利用して7枚のカードをドローしただと⁉︎」

 

「これで思う存分動けます‼︎私はクリボルトを召喚‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性→闇属性

ATK300

 

 

出て来たのは電気を出している黒い球体のモンスター。

 

「クリボルトの効果発動‼︎自分のメインフェイズ時にオーバーレイユニットを持っているエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターのオーバーレイユニットを1つ取り除き、自分のデッキからクリボルト1体を特殊召喚します‼︎対象は煉獄の騎士ヴァトライムス‼︎」

 

「チッ、面倒なモンスターを………チェーンしてリバースカードオープン‼︎永続罠、幻影霧剣‼︎クリボルトを対象としてその効果を無効にする‼︎」

 

クリボルトの身体を闇の霧を纏った剣が貫き、その身体を霧に変える。

 

だけど、そんなことは分かりきっている。

 

「1度攻略した戦術じゃ、私は止められません‼︎私は、スケール8の捕食植物(プレデタープランツ)スパイダーオーキッドでペンデュラムスケールをセッティング‼︎」

 

私の右隣に光の柱が立ち上り、その光の中に蜘蛛のように見える植物が浮かびあがり、下に8の数字が現れる。

 

「捕食植物スパイダーオーキッドのペンデュラム効果発動‼︎このカードを発動したターンの自分メインフェイズに、このカード以外の魔法&罠ゾーンの表側表示のカード1枚を対象としてそのカードを破壊する‼︎私が破壊するのは幻影霧剣‼︎」

 

「っ、またそれか………」

 

光の柱からスパイダーオーキッドが蔦を伸ばし、幻影霧剣を破壊すると霧に変わっていたクリボルトの姿が元に戻る。

 

「これで再び効果が使えます‼︎クリボルトの効果発動‼︎煉獄の騎士ヴァトライムスのオーバーレイユニットを1つ取り除き、自分のデッキからクリボルト1体を特殊召喚します‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性→闇属性

DEF200

 

 

ヴァトライムスのオーバーレイユニットが私のフィールドに飛んでくると、その光がクリボルトに変わる。

 

「もう1度、クリボルトの効果発動‼︎煉獄の騎士ヴァトライムスのオーバーレイユニットを1つ取り除き、自分のデッキからクリボルト1体を特殊召喚します‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性→闇属性

DEF200

 

 

私のフィールドに3体目のクリボルトが現れる。

 

ヴァトライムスのオーバーレイユニットを無くしながら一気にクリボルトを展開することができた。

 

ここからリンク召喚に繋げて一気に攻めて………

 

そう考えを巡らせる私を見て、天神先生はニヤリと笑った。

 

「クックック、まさかこうも簡単にことが進むとはな。言葉を返すようだが、1度攻略された戦術をそのまま使用するわけないだろう?」

 

「えっ⁉︎」

 

「私を見くびったことを後悔するがいい‼︎私は手札を1枚捨てて速攻魔法、超融合を発動‼︎」

 

「っ、超融合⁉︎」

 

「このカードは手札を1枚捨てて発動でき、自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない‼︎私はフィールドの闇属性モンスター、闇属性となっている君の3体のクリボルトを融合‼︎」

 

「私のクリボルト達を使って融合召喚を⁉︎」

 

「闇に呑まれし雷の精霊よ‼︎今交わりて、全てを呑み込む闇となれ‼︎」

 

フィールドに稲妻を纏った渦が現れ、その中に3体のクリボルトが吸い込まれていく。

 

そして渦が弾けると、現れるのは全てを溶かし尽くす捕食者。

 

「融合召喚‼︎世界を閉ざす毒蛇‼︎捕食植物(プレデタープランツ)トリフィオヴェルトゥム‼︎」

 

「捕食植物ですか⁉︎」

 

 

〈捕食植物トリフィオヴェルトゥム〉☆9 植物族 闇属性

ATK3000

 

 

「捕食植物の融合モンスター………このために煉獄の騎士ヴァトライムスを………」

 

「私がエクシーズモンスターを出せば君はクリボルトを使ってくるだろうと思っていた。幻影霧剣を使えばそれを突破するための手も使ってな。だからこそ、そんな浅はかな考えを利用させて貰ったというわけさ」

 

「うっ………」

 

召喚権も使っているし、クリボルトを一気に除去されたことはかなり痛い。

 

これは師匠を倒した天神先生を甘く見た私のミスだ。

 

「それなら、少しでも防御を固めにいかないと………このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できます‼︎おいで、ジェスターコンフィ‼︎」

 

 

〈ジェスターコンフィ〉☆1 魔法使い族 闇属性

ATK0

 

 

現れたのは球に乗った道化師のモンスター。

 

「導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「リンク召喚か………」

 

私が正面に手をかざすと、目の前に巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体。私はジェスターコンフィをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚‼︎希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

ジェスターコンフィがサーキットに吸い込まれると、代わりに青い球体のモンスターが私の前に元気一杯に飛び出してくる。

 

しかし、現れたリンクリボーを見てトリフィオヴェルトゥムは舌舐めずりをして荒々しく咆哮を上げた。

 

「本当に御し易いよ、君は‼︎捕食植物トリフィオヴェルトゥムの効果発動‼︎ディープリィデザイア‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

「同名カードは1ターンに1度、このカードが融合召喚されている場合、相手がEXデッキからモンスターを特殊召喚する際にその特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する‼︎」

 

「EXデッキからの特殊召喚無効効果⁉︎」

 

「リンクリボーを喰らい尽くせ、捕食植物トリフィオヴェルトゥム‼︎」

 

トリフィオヴェルトゥムが三つ首から毒のブレスを放ち、リンクリボーを呑み込んで一瞬で消滅させる。

 

「っ、リンクリボー………ゴメンね」

 

「そいつの防御性能は厄介だからな。特殊召喚を無効化してしまえば蘇ることもない」

 

「………私はカードを2枚伏せてターンエンドです」

 

 

遊花 LP8000 手札2

 

ー▲▲△△ ー

ーーーーー

☆ ー

○ーーー○

▲ーー△▲ ー

 

幻騎 LP8000 手札1

 

 

「私のターン、ドロー‼︎クックック、今日の私は運がいいようだ。私が引いたのはRUM( ランクアップマジック)七皇の剣( ザ・セブンス・ワン)‼︎」

 

「RUM………七皇の剣?」

 

「っ‼︎遊花、気をつけて………そのカードは直接No.を呼び出してランクアップさせる‼︎」

 

「えっ⁉︎」

 

「クックック、正体を知ったところで君に止められるかな?このカード名の効果はデュエル中に1度しか適用できず、自分のドローフェイズに通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1の開始時に発動できる‼︎私はRUMー七皇の剣を発動‼︎CNo.以外のNo.101〜No.107のいずれかをカード名に含むモンスター1体を、自分のEXデッキ・墓地から選んで特殊召喚し、そのモンスターと同じNo.の数字を持つCNo.モンスター1体を、そのモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎RUMー七皇の剣の効果でEXデッキより現れろ、No.104‼︎偽善の仮面を被り、弱者に救いの光を与えよ‼︎不吉なる仮面舞踏会の支配人、仮面魔踏士(マスカレードマジシャン)シャイニング‼︎』

 

 

〈No.104仮面魔踏士シャイニング〉★4 魔法使い族 光属性

ATK2700

 

 

現れたのは清廉そうな仮面をつけ、白いスーツに身を包んだ青いつばさを持つ魔術師。

 

「そしてNo.104仮面魔踏士シャイニング1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオスエクシーズチェンジ‼︎」

 

シャイニングが空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると空から舞い降りたのは清廉な仮面が黒く禍々しいものに代わり、全身が血で染まったかのような真紅のスーツを身に付けた邪悪なる魔術師。

 

「現れろ、CNo.104‼︎偽善の仮面を外し、愚者を冥府の仮面舞踏会に導け‼︎絶望を告げる恐怖の死神、仮面魔踏士(マスカレードマジシャン)アンブラル‼︎」

 

 

〈CNo.104仮面魔踏士アンブラル〉★5 魔法使い族 闇属性

ATK3000

 

 

「仮面魔踏士アンブラル………うっ‼︎」

 

天神先生が特殊召喚したアンブラルを見た瞬間、突然視界がノイズに包まれ、頭の中に見たことのないイメージが流れ込んでくる。

 

『現れろ、CNo.104‼︎混沌より生まれしバリアンの力が光を覆うとき、大いなる闇が舞い踊る‼︎仮面魔踏士アンブラル‼︎』

 

「っ………何、今の………?」

 

私が頭に流れ込んできたイメージに戸惑っていると、天神先生は狂気的な笑みを浮かべた。

 

「さあ、私が生み出したCNo.の力、存分に味わいたまえ‼︎CNo.104仮面魔踏士アンブラルの効果発動‼︎ダンスマカブル‼︎このカードが特殊召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する‼︎対象は捕食植物スパイダーオーキッドだ‼︎」

 

「っ………魔法・罠破壊………」

 

「さらにそれにチェーンして幻影騎士団ラスティバルディッシュの効果発動‼︎アパリシャンモーン‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、このカードのリンク先に闇属性エクシーズモンスターが特殊召喚された場合、フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを破壊する‼︎対象は守護神の宝札だ‼︎」

 

ラスティバルディッシュが守護神の宝札に手をかざすと、守護神の宝札を覆うように闇が立ち込め、その闇の中から数えきれない程の亡霊が現れる。

 

「それを通すわけにはいきません‼︎それにチェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動、スキルプリズナー‼︎自分フィールド上のカード1枚を選択して、このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にします‼︎対象にするのは守護神の宝札です‼︎」

 

「チッ、破壊対策のカードもドローしていたか。だが、守護神の宝札は破壊できなかったが、捕食植物スパイダーオーキッドは破壊させて貰うぞ‼︎」

 

守護神の宝札の周りに目に見えない障壁があらわれ、亡霊達の侵入を拒む。

 

しかし、アンブラルが放つ魔術の暴風により光の柱にいるスパイダーオーキッドを吹き飛ばされ、消滅してしまった。

 

「ゴメンね、スパイダーオーキッド………破壊された捕食植物スパイダーオーキッドはEXデッキに送られます」

 

「幻影騎士団ラスティバルディッシュの効果発動‼︎ラストファントム‼︎私はデッキから幻影騎士団( ファントムナイツ)サイレントブーツを墓地に送り、2枚目の幻影霧剣をセットする‼︎さらに私は墓地に存在する幻影騎士団サイレントブーツの効果発動‼︎このカードを除外し、デッキからファントム魔法・罠を手札に加える‼︎私は永続罠カード、幻影剣( ファントムソード)を手札に加える‼︎」

 

「っ、潜っても潜っても罠が減らない………」

 

「さあ、どこまで耐えられるかな?バトル‼︎幻影騎士団ラスティバルディッシュでダイレクトアタック‼︎ファントムスマッシャー‼︎」

 

「通しません‼︎相手モンスターの直接攻撃宣言時、手札のゴーストリックランタンの効果発動‼︎その攻撃を無効にし、このカードを手札から裏側守備表示で特殊召喚します‼︎」

 

ラスティバルディッシュが戦斧を掲げると戦斧に闇が集め、空高く跳び上がって私に戦斧を振り下ろそうとする。

 

しかし、ラスティバルディッシュが戦斧を振り下ろそうとした瞬間、ラスティバルディッシュの前に一瞬だけジャックオーランタンのような幽霊が現れ、驚いたラスティバルディッシュの戦斧は空を斬った。

 

「防いだか。ならば、煉獄の騎士ヴァトライムスでセットモンスターを攻撃‼︎パーガトリートランプル‼︎」

 

「セットモンスターはゴーストリックランタンです‼︎」

 

 

〈ゴーストリックランタン〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF0

 

 

ランタンが笑いながらヴァトライムスの燃え盛る蹄に踏みつけられ、消滅する。

 

「捕食植物トリフィオヴェルトゥムでダイレクトアタック‼︎トリニティピルムプラント‼︎」

 

「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎パワーウォール‼︎相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0になるように500ダメージにつき1枚、自分のデッキの上からカードを墓地へ送ります‼︎」

 

「ほぅ、これも防ぐか」

 

「捕食植物トリフィオヴェルトゥムの攻撃で発生する戦闘ダメージは3000‼︎デッキの上から6枚のカードを墓地に送ってダメージを0にします‼︎」

 

私がデッキの上から6枚のカードを墓地に送ると、私の前に粒子で出来た盾が生まれ、トリフィオヴェルトゥムが槍の形をした種子の弾丸を防ぎきる。

 

「だが、これでセットカードも消え失せた。CNo.104仮面魔踏士アンブラルでダイレクトアタック‼︎」

 

「まだです‼︎相手モンスターの攻撃宣言時、墓地に存在するクリボーンの効果発動‼︎墓地のこのカードを除外し、自分の墓地のクリボーモンスターを任意の数だけ対象として、そのモンスターを特殊召喚します‼︎来て、サクリボー‼︎クリアクリボー‼︎虹クリボー‼︎ジャンクリボー‼︎アンクリボー‼︎」

 

 

〈サクリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

〈クリアクリボー〉☆1 天使族 光属性→闇属性

DEF200

 

 

〈虹クリボー〉☆1 悪魔族 光属性→闇属性

DEF100

 

 

〈ジャンクリボー〉☆1 機械族 地属性→闇属性

DEF200

 

 

〈アンクリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

私のフィールド現れる5体のクリボー達。

 

現れたクリボー達に、天神先生は苛立つように手を振るう。

 

「目障りな雑魚共が‼︎モンスターが増えたことにより、攻撃対象を変更し、CNo.104仮面魔踏士アンブラルでジャンクリボーを攻撃‼︎ブラッディマスカレード‼︎」

 

「ありがとう、ジャンクリボー」

 

私の感謝の言葉に、ジャンクリボーは嬉しそうに身体を振るが、アンブラルが振り下ろした杖に叩き潰され、消滅した。

 

あなたの仇………必ずとるからね。

 

「相変わらず自分を守ることだけは上手い奴だ。だが、所詮君のデッキはレベル1モンスターを軸にしたローレベルデッキ。捕食植物トリフィオヴェルトゥムでEXデッキからの特殊召喚を封じられた今、私のモンスター達を突破する手はあるまい。メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

遊花 LP8000 手札1

 

ーーー△ー ー

ー□□□□

☆ ー

○ー○ー○

▲▲▲△▲ ー

 

幻騎 LP8000 手札1

 

 

「私のターン、守護神の宝札の効果でカードを2枚ドロー‼︎」

 

守護神の宝札でドローした瞬間、私の墓地が鈍い闇色に光る。

 

………そうだよね、私にはあなた達がついているんだよね。

 

確かにトリフィオヴェルトゥムの効果は強力だ。

 

だけど、私だってEXデッキにいる仲間達だけで戦っているわけじゃない。

 

例え、あなた達が本当に世界を滅ぼす程の力を秘めているのだとしても………

 

「私は………あなた達を信じる‼︎私はフィールドに存在するサクリボー、クリアクリボー、虹クリボー、アンクリボー、4体のレベル1モンスターを墓地に送ることで墓地からモンスターを特殊召喚します‼︎」

 

「何⁉︎何だ、その召喚条件は⁉︎」

 

私のモンスター達が粒子に変わる。

 

そしてその粒子は重なり合い、大きな闇の巨人が、私を守るように現れた。

 

「おいで‼︎絶望を統べる優しき神‼︎絶望神アンチホープ‼︎」

 

 

〈絶望神アンチホープ〉☆12 悪魔族 闇属性

ATK5000

 

 

「絶望神アンチホープ⁉︎希望に歯向かう絶望の神だと⁉︎だが、いくら攻撃力が5000のモンスターであろうと、幻影霧剣がある限り私のモンスター達には触れることすら叶わない‼︎」

 

「そうとも限りません‼︎私はバトルフェイズに入り、バトルフェイズ開始時、速攻魔法、封魔の矢‼︎」

 

「っ‼︎そのカードは………」

 

「このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できず、自分または相手のバトルフェイズ開始時に発動できます‼︎このカードの発動後、ターン終了時までお互いに魔法・罠カードの効果を発動できません‼︎」

 

「チッ、バトルフェイズ前に破壊される可能性を考えて使わなかったが、召喚時に使っておけばよかったか」

 

空から大量の弓矢が降り注ぎ、天神先生のセットカードを撃ち抜いて地面に縫い付ける。

 

これでこのターン、沢山ある罠を警戒する必要はない‼︎

 

「バトル‼︎絶望神アンチホープで捕食植物トリフィオヴェルトゥムに攻撃‼︎ホープブレイクパニッシャー‼︎」

 

「くっ、迎え撃て‼︎捕食植物トリフィオヴェルトゥム‼︎トリニティピルムプラント‼︎」

 

トリフィオヴェルトゥムが槍の形をした種子の弾丸をアンチホープに放つが、アンチホープは種子の弾丸を全て弾き飛ばし、その大剣でトリフィオヴェルトゥムの三つ首を斬り落とした。

 

「ちいっ‼︎」

 

 

幻騎 LP8000→6000

 

 

「これでEXデッキからの特殊召喚を無効化される心配もなくなりました‼︎メインフェイズ2、墓地に存在するジェットシンクロンの効果発動‼︎手札を1枚墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚します‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外されます‼︎」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性→闇属性

DEF0

 

 

現れたのは小さなジェット機のような機械のモンスター。

 

現れたジェットシンクロンは嬉しそうに私の周りを飛び回る。

 

「そして、墓地に送られたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが墓地に送られた場合に特殊召喚‼︎」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性→闇属性

DEF2100

 

 

さらにジェットシンクロンに寄り添うようにドットの身体を持つモンスターが現れる。

 

そして私は2体のモンスターに手をかざす。

 

「私はレベル1、ジェットシンクロンとドットスケーパーでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

ジェットシンクロンとドットスケーパーが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこには白い馬に乗る小さな首無しの騎士がいた。

 

「闇夜に紛れし哀しき妖精‼︎その刃で疑惑を切り裂け‼︎ランク1‼︎ゴーストリックデュラハン‼︎」

 

 

〈ゴーストリックデュラハン〉★1 悪魔族 闇属性

DEF0

 

 

「さらに私はゴーストリックデュラハン1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクアップエクシーズチェンジ‼︎」

 

デュラハンが再び空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると空から舞い降りたのは黒いドレスを身に纏い、白い羽根にところどころ漆黒の羽根が混ざる女の子のモンスター。

 

「闇夜を彷徨う自由な天使‼︎その気ままさで憂鬱を払え‼︎ランク4‼︎ゴーストリックの駄天使‼︎」

 

 

〈ゴーストリックの駄天使〉★4 天使族 闇属性

DEF2500

 

 

駄天使が私の周りをひらひらと飛びながらいつものようにドヤ顔で空を指差して決めポーズをとる。

 

そして私がそのまま駄天使の効果を発動しようとした瞬間、アンブラルの姿が目に入る。

 

………何だか、このまま効果を発動したらいけない気がする。

 

「………私はカードを1枚伏せ、ゴーストリックの駄天使の効果発動‼︎チャームコール‼︎オーバーレイユニットを1つ取り除くことでデッキからゴーストリック魔法・罠を手札に加えます‼︎」

 

「直感的にアンブラルの力を感じ取ったか………チェーンしてCNo.104仮面魔踏士アンブラルの効果発動‼︎カースドリーパー‼︎このカードがNo.104仮面魔踏士シャイニングをカオスオーバーレイユニットとしている場合、以下の効果を得る。1ターンに1度、相手フィールド上で効果モンスターの効果が発動した時、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、その発動を無効にする‼︎」

 

「っ、無効効果………」

 

「さらにその後、相手の手札をランダムに1枚墓地へ送り、相手ライフを半分にすることができるが、手札を墓地へ送らなければライフは半分にできない。だが、今の君の手札は0。どうやらライフを削り取ることはできないようだ」

 

アンブラルが杖を振るうと、堕天使が私に向けて飛ばそうとした小さなハートが消し去られ、駄天使がショックを受けたように肩を落とす。

 

大丈夫だよ、あなたはよくやってくれたから、心配しないで。

 

「私はこのままターンエンドです‼︎」

 

 

遊花 LP8000 手札0

 

ーー▲△ー ー

ーー○ーー

☆ □

ーー○ー○

▲▲▲△▲ ー

 

幻騎 LP6000 手札1

 

 

「まさか、ただの小娘風情が神をも従え私に歯向かってくるとはね。賞賛してあげよう」

 

そういって、天神先生が目を閉じ、私に空虚な拍手を送る。

 

しかし、すぐに拍手を止め目を開けると、怒りに満ちた表情を浮かべ、血走った眼で私を睨みつけた。

 

「………だが、茶番は終わりだ。貴様のような小娘に、これ以上無駄な時間をかけるつもりはない。速やかに死ね」

 

「っ………」

 

剥き出しの殺意に、私は思わず身体を強張らせる。

 

そんな天神先生の殺意を遮るように、私の前に立つ影があった。

 

「絶望神アンチホープ………」

 

私に背を向け、天神先生を睨みつけるアンチホープに私は思わず笑みを浮かべた。

 

レイナちゃんが言っていた世界を滅ぼせる力を持つ闇のカード。

 

だけど、こうして私を守ってくれている優しい姿には、やっぱり私に世界を滅ぼす素質があるからなんて理由は微塵も感じられない。

 

「ありがとう………でも、大丈夫。平気、へっちゃらだよ」

 

そういって私が笑いかけると、アンチホープは微かに笑った気がした。

 

「さあ、この茶番をすぐに終わらせてあげよう‼︎私のターン、ドロー‼︎私は墓地に存在するシャッフルリボーンの効果発動‼︎自分フィールドのカード1枚を対象としそのカードを持ち主のデッキに戻してシャッフルし、その後自分はデッキから1枚ドローする。ただしこのターンのエンドフェイズに、自分の手札を1枚除外される‼︎私はフィールドの折れ竹光をデッキに戻し、カードを1枚ドローする‼︎そして魔法カード、手札抹殺‼︎お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローする‼︎貴様の手札はない。よって私のみ2枚捨ててドローする‼︎さらに私は星因士( サテラナイト)シリウスを召喚‼︎」

 

 

〈星因士シリウス〉☆4 戦士族 光属性

ATK1600

 

 

天神先生のフィールドに現れたのはおおいぬ座の星の戦士。

 

「星因士シリウスの効果発動‼︎このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のテラナイトモンスター5体をデッキに戻してシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎私は墓地に存在する星因士ベガ、星因士ウヌク、星因士アルタイル、星因士デネブ、星因士シャムをデッキに戻し、カードを1枚ドローする‼︎さらに墓地に存在する幻影霧剣の効果発動‼︎墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の幻影騎士団モンスター1体を対象として特殊召喚する‼︎ただしこの効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。現れろ、幻影騎士団フラジャイルアーマー‼︎」

 

 

〈幻影騎士団フラジャイルアーマー〉☆4 戦士族 闇属性

DEF2000

 

 

さらにシリウスの側に青白い炎の身体を持った騎士が現れる。

 

これで天神先生のフィールドにはレベル4モンスターが2体。

 

「冥土の土産に見せてあげよう、私のエースモンスターを‼︎私はレベル4の星因士シリウスと幻影騎士団フラジャイルアーマーでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

シリウスとフラジャイルアーマーが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると現れたのは見覚えがある金色の翼を持つ戦士。

 

「現れろ、No.39‼︎夢幻なる希望の戦士‼︎希望皇ホープ‼︎」

 

 

〈No.39 希望皇ホープ〉★4 戦士族 光属性→闇属性

ATK2500

 

 

「希望皇ホープ………っ、また‼︎」

 

天神先生が特殊召喚したホープを見た瞬間、再び視界がノイズに包まれ、頭の中にアンブラルの時よりも強烈なイメージが複数流れ込んできた。

 

『現れよ、No.39‼︎我が戦いはここより始まる。白き翼に望みを託せ‼︎光の使者、希望皇ホープ‼︎』

 

『オレの戦いはここから始まる‼︎白き翼に望みを託せ‼︎現れろNo.39‼︎光の使者、希望皇ホープ‼︎』

 

『我が名は■■■。お前たちの希望の光を消し去る絶望の神………‼︎』

 

「っ………はぁ………はぁ………今のは………」

 

頭に流れ込んでくる大量のイメージに、私は思わず頭を押さえる。

 

今、頭に流れ込んだイメージ………最初の2つは希望皇ホープのものだと思う。

 

見たことがない幽霊みたいな人と少年が希望皇ホープをエクシーズ召喚する姿。

 

だけど、最後のイメージだけは、ノイズ混じりではっきりとしたものは見えなかった。

 

だけど、あの言葉………

 

『お前たちの希望の光を消し去る絶望の神………‼︎』

 

「あなたの記憶なの………絶望神アンチホープ?」

 

私の言葉に、絶望の神であるアンチホープは厳しい表情でホープを睨みつけて答えない。

 

私は更に言葉をかけようとするが、それを遮るかのように天神先生の言葉が私をデュエルに引き戻す。

 

「この状況で考え事とは余裕だな‼︎幻影騎士団ラスティバルディッシュの効果発動‼︎アパリシャンモーン‼︎対象は貴様のセットカードだ‼︎」

 

「っ‼︎チェーンして墓地のスキルプリズナーを除外して効果発動‼︎‼︎墓地のこのカードをゲームから除外し、自分フィールド上のカード1枚を選択してこのターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする‼︎対象にするのは現在選択されているセットカードです‼︎」

 

ラスティバルディッシュが手をかざし再び闇の中から亡霊が現れるが、障壁に守られたセットカードには触れられず消滅する。

 

しかし、それを見て天神先生は愉快そうに高笑いをした。

 

「クックックッ、ハーハッハッハ‼︎」

 

「っ、何がおかしいんですか?」

 

「いやいや感心しているだけだよ。貴様の無垢さにね。本当に………御し易くてたまらない‼︎」

 

そういうと、天神先生は狂気の笑みを浮かべながら1枚のカードを掲げた。

 

「見せてやろう、貴様の師匠を屠った希望皇ホープの真の姿を‼︎私はRUM( ランクアップマジック)ーヌメロンフォース‼︎」

 

「RUM………ヌメロンフォース⁉︎」

 

「自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高いCNo.と名のついたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ね、エクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎私はNo.39 希望皇ホープ1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオスエクシーズチェンジ‼︎」

 

ホープが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこから現れるのは進化を遂げた希望の戦士。

 

あの雨の中、師匠に剣を振り下ろそうとした血のような真紅の装甲と漆黒の鎧を見に纏った希望の英雄。

 

「希望の戦士よ‼︎混沌の力を受け入れ、殺戮の果てに儚き希望を見出せ‼︎現れろ‼︎CNo.39 希望皇ホープレイV‼︎」

 

 

〈CNo.39 希望皇ホープレイV〉★5 戦士族 光属性

ATK2600

 

 

「このモンスターは………あの時の‼︎」

 

「RUMーヌメロンフォースの更なる効果‼︎CNo.と名のついたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ね、エクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚した後、この効果で特殊召喚したモンスター以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの効果を全て無効にする‼︎」

 

「全てのカード効果を無効⁉︎」

 

「私の才能の前には全てが無価値だ。消え失せろ、カオスデリート‼︎」

 

ホープレイVの身体が光り輝くと、私のフィールドにあった全てのカードが色を失っていき、力を奪われた駄天使が顔から地面に落下し、アンチホープが膝をつく。

 

「さあ、君の終焉を迎える時だ‼︎CNo.39 希望皇ホープレイVの効果発動‼︎このカードが希望皇ホープと名のついたモンスターをカオスオーバーレイユニットとしている場合、1ターンに1度、このカードのカオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える‼︎」

 

「攻撃力分のバーン効果⁉︎っ、ということは………‼︎」

 

「私が破壊するのは絶望神アンチホープだ‼︎その攻撃力分………5000のダメージを受けて師匠の後を追うがいい‼︎砕け散れ、Vブレードシュート‼︎」

 

ホープレイVの手元に赤黒い剣が現れ、赤黒い剣に闇の瘴気が集まっていき、怪しく輝き始め、赤黒い剣をアンチホープに向けて投擲する。

 

アンチホープは大剣を使い、投擲された剣を弾き返そうとするが、力を奪われた状態では弾き返すことができず、その身体を貫かれ、アンチホープを貫いた剣が私の身体を吹き飛ばした。

 

「きゃあああああ‼︎」

 

 

遊花 LP8000→3000

 

 

赤黒い剣に吹き飛ばされ、私の身体が勢いよく地面を転がり、身体中に擦り傷ができ、関節は軋んで悲鳴をあげる。

 

痛い………こんな痛みを、いつも師匠は………

 

「遊花⁉︎」

 

「っ………アイツ………」

 

「っ………大丈、夫………平気………へっちゃら………です」

 

慌てて駆け寄ってこようとする桜ちゃん達を手で制し、軋む身体に耐えて立ち上がる。

 

そんな私を見て、天神先生が嘲笑うかのように鼻を鳴らす。

 

「フン、その身体でまだ立ち上がるか。そのまま大人しく眠っていれば、これ以上痛みに耐える必要も無く永遠に眠ることができたものを………」

 

「勝手に………私が、負けるなんて………決めつけないで、ください‼︎前にも、言ったハズです………私は………諦めることだけは、絶対にしない‼︎そして………運命を斬り開いて、師匠との未来を掴むんです‼︎」

 

「っ………気に入らない………心底気に入らない‼︎諦めなければ道を開けると信じるその目が‼︎希望なんてものに縋る貴様らの目が、心底気に入らない‼︎」

 

私の言葉に、天神先生の表情が歪み、私への………私と師匠への憎悪を剥き出しにする。

 

「そこまでいうのなら教えてあげよう、貴様に未来など無いということを‼︎バトル‼︎煉獄の騎士ヴァトライムスでゴーストリックの駄天使を攻撃‼︎パーガトリートランプル‼︎」

 

「やらせません‼︎墓地に存在するサクリボーの効果発動‼︎自分のモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外します‼︎」

 

ヴァトライムスの燃え盛る蹄に駄天使が踏みつけられそうになるのを、サクリボーが庇い消滅する。

 

「それがどうした‼︎CNo.104仮面魔踏士アンブラルでゴーストリックの駄天使を攻撃‼︎ブラッディマスカレード‼︎」

 

「ゴメンね、ゴーストリックの駄天使………」

 

アンブラルは踊るようなステップで駄天使の背後に回り込むと頭部を杖で執拗に殴りつけ、撲殺した。

 

「オーバーレイユニットとして墓地に送られたゴーストリックデュラハンの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分の墓地のゴーストリックカード1枚を対象としてそのカードを手札に加えます‼︎私は墓地にあるゴーストリックランタンを手札に加えます‼︎」

 

「そうはさせない‼︎速攻魔法、墓穴の指名者‼︎相手の墓地のモンスター1体を対象として、そのモンスターを除外し、次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される‼︎私が除外するのはゴーストリックランタンだ‼︎」

 

「っ⁉︎ここで………」

 

天神先生の背後から青い腕が伸びてきて墓地にあったランタンを除外する。

 

まずい、このままじゃ防御が………

 

「幻影騎士団ラスティバルディッシュでダイレクトアタック‼︎ダメージステップ、リバースカードオープン‼永続︎罠、幻影剣‼︎フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動し、対象のモンスターの攻撃力は800ポイントアップし、戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊できる。そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。対象は幻影騎士団ラスティバルディッシュだ‼︎」

 

 

幻影騎士団ラスティバルディッシュ

ATK2100→2900

 

 

ラスティバルディッシュの手元に霧を纏った剣が現れ、ラスティバルディッシュが戦斧と共に空に掲げると戦斧と幻影剣に闇が集まる。

 

「斬り裂け、ファントムスライサー‼︎」

 

闇を集めたラスティバルディッシュは戦斧と幻影剣を交互に振るい、私に闇の斬撃を放った。

 

「っ、あああああーーーッ‼︎」

 

 

遊花 LP3000→100

 

 

闇の斬撃を受け、私は再び地面に倒れ込む。

 

「遊花‼︎闇、このデュエルを止めれないの⁉︎」

 

「私だって止めたい………でも、闇のカードを使ったデュエルを途中で中断すればどんなことが起こるか分からない………」

 

「だけど、このままじゃ遊花が………‼︎」

 

「それに………遊花はまだ諦めてない………」

 

「えっ………?」

 

心配そうな桜ちゃん達の声を受けながら、私は地面に手をついて何とか身体を起こす。

 

「馬鹿な………ただの小娘が、これだけの闇のカードの攻撃を受けてまだ立ち上がるというのか⁉︎」

 

「当たり前、です‼︎まだ………まだ、私のライフは、残ってる‼︎まだ、デュエルは………終わってない‼︎デュエルが、終わっていないなら………私はまだ………戦える‼︎」

 

「っ、ならばすぐにその僅かなライフを消しとばし永遠の闇に葬ってやる‼︎墓地に存在する幻影翼( ファントムウィング)の効果発動‼︎墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の幻影騎士団モンスター1体を対象として特殊召喚する‼︎ただしこの効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。現れろ、幻影騎士団フラジャイルアーマー‼︎」

 

 

〈幻影騎士団フラジャイルアーマー〉☆4 戦士族 闇属性

ATK1000

 

 

「っ、さっきの手札抹殺で………」

 

「幻影騎士団フラジャイルアーマーでダイレクトアタック‼︎」

 

「まだです‼︎墓地に存在する虹クリボーの効果‼︎レインボーシールド‼︎このカードが墓地に存在する場合、相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを墓地から特殊召喚します‼︎お願い、虹クリボー‼︎」

 

 

〈虹クリボー〉☆1 悪魔族 光属性

DEF100

 

 

「なら、そのまま攻撃を続行して幻影騎士団フラジャイルアーマーで虹クリボーを攻撃‼︎アーマーパージ‼︎」

 

私を守るように現れた虹クリボーにフラジャイルアーマーの鎧が放たれ、虹クリボーが消滅する。

 

「これで貴様を守るモンスターはいなくなった。終わりだ‼︎CNo.39 希望皇ホープレイVでダイレクトアタック‼︎ホープ剣Vの字斬り‼︎」

 

天神先生の言葉にホープレイVが私の前に立ち、あの雨の中で行おうとしたように手に持った剣を振り下ろそうとする。

 

「まだ………まだです‼︎相手モンスターの攻撃宣言時、墓地からクリアクリボーの効果発動‼︎相手モンスターの直接攻撃宣言時、墓地のこのカードを除外し、自分はデッキから1枚ドローし、そのドローしたカードがモンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚してその後、攻撃対象をそのモンスターに移し替えます‼︎」

 

「そんな運任せの効果で、この状況を耐え切れるものか‼︎」

 

「そんなこと、あなたが決めることじゃない‼︎私の運命は………私が決める‼︎」

 

私が勢いよくドローするのと同時にホープレイVが私に向かって剣を振り下ろす。

 

剣が私を斬り裂こうとした瞬間、私の目の前にピンク色のスライムのようなモンスターが現れ、私の代わりにホープレイVの剣を受けた。

 

「なん………だと⁉︎」

 

「ありがとう、私の新しいお友達………私がドローしたのはマシュマカロン‼︎モンスターなので特殊召喚し、攻撃対象を移し替えます‼︎」

 

 

〈マシュマカロン〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

ホープレイVに斬り裂かれ、マシュマカロンの身体が真っ二つに切断される。

 

しかし、斬り裂かれたマシュマカロンの身体は再び集まると2体のマシュマカロンに変化した。

 

「マシュマカロンの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる‼︎自分の手札・デッキ・墓地からこのカード以外の同名カードを2体まで選んで特殊召喚します‼︎」

 

「分裂効果だと⁉︎」

 

「おいで、マシュマカロン達‼︎」

 

 

〈マシュマカロン〉☆1 天使族 光属性

DEF200

 

 

「貴様………死に損ないがどこまでも‼︎っ、いいだろう………メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンドしてやる。どの道次の私のターンにはCNo.39 希望皇ホープレイVの効果で貴様の負けは決定する‼︎精々醜く足掻いてみるがいい‼︎」

 

 

遊花 LP100 手札0

 

ーー▲△ー ー

ー□□ーー

☆ ー

○○○ー○

△▲▲▲▲ ー

 

幻騎 LP6000 手札0

 

 

何とか耐えることができたけど、天神先生のフィールドには強力なモンスターが4体に5枚のセットカードがあり、ライフポイントもまだ6000も残っている。

 

それに対して私の手札は0、ライフポイントもたったの100。

 

フィールドにいるのも2体のマシュマカロンに効果が無効になった守護神の宝札にセットカードが1枚。

 

それに、このセットカードはもう………

 

完全なる逆境。

 

だけど、だとしても………諦める理由なんて、どこにもない‼︎

 

 

「すー………はー………私のターン‼︎」

 

私は深く深呼吸をして、握るカードに力を込める。

 

次のターンになればホープレイVの効果で私の残り僅かなライフポイントは確実に尽きる。

 

だからこそ、このターンが最後のチャンス。

 

頭に浮かぶのは、今も病室で苦しみ、意識を失っている師匠の姿。

 

お願い、私のデッキ………私は、師匠を守りたい………師匠の側に、師匠とずっと一緒にいたい。

 

だから、お願い………私に、運命を乗り越える力を貸して‼︎

 

「ドロー‼︎」

 

勢いよくカードを引き抜き、ゆっくりとそのカードを自分の目の前に持ってくる。

 

………まだ、望みは尽きてない。

 

「魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在するリンクリボー、ゴーストリックデュラハン、ゴーストリックの駄天使をEXデッキに、クリボルト2体をデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローします‼︎」

 

「っ、この状況でドローカードを引いてくるだと⁉︎」

 

「まだです‼︎私も墓地に存在するシャッフルリボーンの効果発動‼︎フィールドの守護神の宝札をデッキに戻し、カードを1枚ドローします‼︎よし‼︎私は、今ドローした占い魔女 ヒカリちゃんの効果発動‼︎このカードをドローした時、このカードを相手に見せることで手札から特殊召喚します‼︎」

 

「何⁉︎」

 

 

〈占い魔女 ヒカリちゃん〉☆1 魔法使い族 光属性

DEF0

 

 

フィールドに現れたのは太陽の形をしたステッキを持った黄色い髪の女の子。

 

現れたヒカリちゃんは嬉しそうにニコニコと笑うと、手にしたステッキをブンブンと振いながらもう片方の手で私に向かってピースサインをする。

 

うん、あなたの力、貸して貰うね?

 

「占い魔女 ヒカリちゃんの効果発動‼︎このカードが手札からの特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのモンスター1体を対象として、そのモンスターを墓地へ送り、デッキから魔法使い族・レベル1モンスター1体を特殊召喚します‼︎私は占い魔女 ヒカリちゃんを墓地へ送り、デッキからミスティックパイパーを特殊召喚‼︎」

 

 

〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性

DEF0

 

 

ヒカリちゃんが一礼をしてからステッキを振るうと、ヒカリちゃんの身体が光に包まれて霧散する。

 

そして霧散した光が再び集まると、そこにフルートのようなものを弾いている男の人が現れた。

 

「ミスティックパイパーの効果発動‼︎このカードをリリースして自分のデッキからカードを1枚ドローし、この効果でドローしたカードをお互いに確認し、レベル1モンスターだった場合、自分はカードをもう1枚ドローします‼︎」

 

いつものようにミスティックパイパーがサムズアップをするのを見て、私もサムズアップを返すと、ミスティックパイパーは満足そうに笑って姿を消す。

 

あなたの力、無駄にはしないよ‼︎

 

「私がドローしたのは金華猫‼︎レベル1モンスターなのでもう1枚ドローします‼︎さらに速攻魔法、大欲な壺‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を対象にそのモンスター3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローします‼︎私は除外されているクリボーン、クリアクリボー、サクリボーをデッキに戻して1枚ドローします‼︎………っ、このカード………」

 

私はドローしたカードを見て目を見開く。

 

すると、私のEXデッキから鼓動のようなものが伝わってきた。

 

………使えって、言ってるんだね。

 

うん、信じるよ………あなたの力を。

 

あなたの力を最大限に発揮できるフィールドを、今から整えてみせる。

 

だから………

 

「私に運命を超える力を貸して‼︎このモンスターは自分の墓地にモンスターが10体以上存在する場合のみ特殊召喚する事ができる‼︎」

 

「っ⁉︎また聞いたことがない特殊召喚条件だと⁉︎」

 

私の呼び声に呼応するかのように、私の背後に巨大な大樹が現れる。

 

そして大樹から10の光が溢れ、光の線で結ばれていくと、大樹の中から現れたのは機械の身体を持つ巨大な天使にして、時を司り、世界を救おうとした究極の神。

 

「おいで‼︎時空を超え、希望を導く叡智の神‼︎究極時械神セフィロン‼︎」

 

 

〈究極時械神セフィロン〉☆10 天使族 光属性

ATK4000

 

 

「2体目の神の名を持つモンスターだと⁉︎」

 

「究極時械神セフィロンの効果発動‼︎リザレクションウィッシュ‼︎1ターンに1度、レベル8以上の天使族モンスター1体を自分の手札・墓地から特殊召喚する事ができる‼︎この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、攻撃力は4000になる‼︎私が対象にするのは、ハネクリボーLV9‼︎」

 

「何だと⁉︎っ、そんな効果を通すとでも思っているのか⁉︎チェーンしてリバースカードオープン‼︎永続罠、幻影霧剣‼︎対象は究極時械神セフィロンだ‼︎」

 

セフィロンが幻影霧剣に貫かれ、その身体を霧に変える。

 

ごめんなさい………だけど、あなたの思いを無駄にはしない‼︎

 

「魔法カード、モンスタースロット‼︎自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、選択したモンスターと同じレベルの自分の墓地に存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。その後、自分のデッキからカードを1枚ドローし、この効果でドローしたカードをお互いに確認して選択したモンスターと同じレベルのモンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚します‼︎私はマシュマカロンを対象に墓地のドットスケーパーを除外し、カードを1枚ドロー‼︎私がドローしたのはサクリボー‼︎レベル1モンスターだから特殊召喚します‼︎」

 

 

〈サクリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

フィールドに現れたのは1度デッキに戻ったサクリボー。

 

「そして、除外されたドットスケーパーの効果発動‼︎デュエル中に1度、このカードが除外された場合に特殊召喚します‼︎」

 

 

〈ドットスケーパー〉☆1 サイバース族 地属性

DEF2100

 

 

「あの状況からモンスターを並べてきたか………ということは………」

 

「導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「やはり、リンク召喚か‼︎」

 

私が正面に手をかざすと、目の前に巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体。私はマシュマカロンをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚‼︎希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

再びフィールドに現れたリンクリボーは嬉しそうに私に擦り寄ってくる。

 

うん、君の力、私に貸して‼︎

 

「そして、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私は1つ深呼吸をして、そのモンスターを呼ぶ。

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はドットスケーパー、サクリボー、マシュマカロン、リンクリボーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

ドットスケーパー、サクリボー、マシュマカロン、リンクリボーがサーキットに吸い込まれていく。

 

そしてサーキットが光り輝くとそこから現れるのは剣の如き龍。

 

「お願い、私に運命を超える力を貸して‼︎リンク召喚‼︎閉ざされた運命を斬り開く魂の( つるぎ)‼︎リンク4‼︎ヴァレルソードドラゴン‼︎」

 

待ち望んでいたというように、剣の如き龍はその咆哮を世界に轟かせた。

 

 

〈ヴァレルソードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性

ATK3000 ↙︎←↓↑

 

 

「ヴァレルソードドラゴン………あの状況から君のエースモンスターに繋げるとは見事だよ。だが、その剣に運命を超える力などない。リバースカードオープン‼︎永続罠、幻影霧剣‼︎」

 

「っ、まだ幻影霧剣が………」

 

「対象はヴァレルソードドラゴンだ‼︎消え失せろ、剣の龍よ‼︎」

 

セフィロンに続き、ヴァレルソードまでもが幻影霧剣に貫かれ、その身体を霧に変える。

 

「ここまでやるとは思わなかったよ。だが、これでーーー」

 

「………届いた」

 

「ーーー何?」

 

「ようやく届きました。3枚の幻影霧剣を使わせた………もう、私の効果を止めるカードは、あなたにはない‼︎私は金華猫を召喚‼︎」

 

 

〈金華猫〉☆1 獣族 闇属性

ATK400

 

 

現れたのは霊体になっている猫のようなモンスター。

 

「金華猫の効果発動‼︎召喚した時、墓地に存在するレベル1モンスターを特殊召喚します‼︎おいで、サクリボー‼︎」

 

 

〈サクリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200

 

 

金華猫がサクリボーを呼び戻す。

 

「墓地に存在するリンクリボーの効果発動‼︎スケープリンク‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースしてこのカードを墓地から特殊召喚します‼︎私はサクリボーをリリース‼︎戻っておいで、リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

サクリボーの姿が消え、代わりにリンクリボーが跳ねるように私の前に現れる。

 

「サクリボーの効果発動‼︎このカードがリリースされた場合に自分はデッキから1枚ドローします‼︎」

 

これで全ての準備は整った。

 

そして私は………1枚の手札を天神先生に見えるように掲げ、発動する。

 

「魔法カード、発動‼︎ギャラクシークィーンズライト‼︎」

 

「何………⁉︎」

 

天神先生の目が驚愕に見開かれる。

 

それに構わず、私は笑顔でその効果を告げる。

 

「自分フィールドのレベル7以上のモンスター 1体を対象として自分フィールドの全てのモンスターのレベルはターン終了時まで対象のモンスターと同じレベルになります‼︎私はレベル10の究極時械神セフィロンを対象に、私のフィールドのモンスター全てをレベル10にします‼︎」

 

 

金華猫

☆1→10

 

 

霧に変わったセフィロンが光り輝き、金華猫に力を与える。

 

それを見て、天神先生は愉快そうに笑った。

 

「クックックッ、ハーハッハッハ‼︎遂に気が狂ったか?私が実験として渡した君の役に立たないカードを投入し、こんな状況で使ってくるとはな‼︎私への当てつけのつもりかい?ハーハッハッハ‼︎」

 

そういって、天神先生が心底愉快そうに笑う。

 

そんな天神先生に私は不敵な笑みで応える。

 

「そうですね。確かに、私には使えないカードでしたよ………さっきまでは( ・・・・・・)

 

「………何だと?」

 

天神先生の表情が変わる。

 

そんな天神先生に、私は正面に手をかざし、その言霊を告げることで応えた。

 

「私はレベル10、究極時械神セフィロンとレベル10となった金華猫でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

「馬鹿な⁉︎ランク10のエクシーズ召喚だと⁉︎」

 

セフィロンと金華猫が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

それを確認し、私はEXデッキで脈動する新しいお友達の名前を呼ぶ。

 

「おいで、No.………XX( ダブルエックス)‼︎」

 

「No.XX( ダブルエックス)だと⁉︎」

 

天神先生が驚愕を露わにするのと同時に、空に浮かんだ混沌の渦が弾ける。

 

その瞬間、私の頭の中にイメージが流れ込んでくる。

 

『私もまた愛で動いている‼︎』

 

きっと、私の頭の中に流れ込んでくるこのイメージは、どこかの物語の、誰かの記憶の欠片。

 

私の胸の思いは………きっと、愛なんて言える程のものじゃない。

 

だけど、みんなが大好きだって気持ちだけは、その感情にも負けないハズだから………

 

だから、私の思いを、あなたに託すよ‼︎

 

そんな私の思いに応えるように混沌の渦から舞い降りたのは紅いマフラーをたなびかせ、巨大な盾と二振りの大剣を身に付けた漆黒の戦士。

 

永遠( とわ)に続く闇の中でも、希望は輝き運命( さだめ)を変える‼︎見参、インフィニティダークホープ‼︎」

 

 

〈No.XX インフィニティダークホープ〉★10 戦士族 闇属性

ATK4000

 

 

「インフィニティダークホープ、だと⁉︎創造主の私の許可なく新しいNo.を、ホープを生み出したというのか⁉栗原 遊花ぁぁぁ‼︎貴様ぁぁぁ‼︎」

 

私のフィールドに現れたダークホープを見て、天神先生は憤慨する。

 

「貴様だけは、貴様だけは絶対に許さん‼︎八つ裂きにして、貴様が生み出したその不正なカードごとこの世から消滅させてやる‼︎」

 

「できるものならやってみてください‼︎あなたじゃ、私の希望を消すことはできません‼︎No.XX インフィニティダークホープの効果発動‼︎このカード以外の自分フィールドの特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターの元々の攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復します‼︎」

 

「っ⁉︎回復効果を持つNo.だと⁉︎」

 

「私が対象にするのはヴァレルソードドラゴン‼︎癒しの力をここに‼︎ブラッドムーンバリア‼︎」

 

ダークホープが闇の防壁で私と霧に変えられたヴァレルソードを包み込むと、ヴァレルソードの身体から溢れだした力が闇に変換されて私に流れ込み、私の身体を包んでいく。

 

闇が晴れると、私の傷が癒えていき、軋んでいたハズの身体の痛みが完全に無くなった。

 

 

遊花 LP100→3100

 

 

「遊花の傷が………治った?」

 

「これが遊花の生み出したNo.の力………でも、あれって………」

 

私の身体の傷が治るのを見て、桜ちゃん達が驚きの声を上げる。

 

「ライフポイントを一気に回復したか………だが、それもCNo.39 希望皇ホープレイVの力を使えばーーー」

 

「いいえ、あなたに次のターンはありません‼︎このターンで私の勝ちです‼︎」

 

「っ⁉︎戯言を………」

 

「戯言なんかじゃありません‼︎これでようやくセットしていたカードが使えます‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動、墓荒らし‼︎」

 

「墓荒らし………だと?」

 

私が発動したカードを見て、天神先生が首を傾げる。

 

「罠カード墓荒らしは、相手の墓地にある魔法カード1枚を選択し、ターン終了時まで自分の手札として使用する事ができます。ただし、その魔法カードを使用した場合、自分は2000ポイントのダメージを受けてしまいます。さっきまでは、私のライフポイントが足りなくて使うことができませんでした。だけど、回復したライフポイントのおかげで、今は使うことができる‼︎私が選択するのは、天神先生の墓地にある装備魔法、ストイックチャレンジ‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

小さな盗掘者が天神先生の墓地からストイックチャレンジのカードを盗み出し、私の手札に加える。

 

「私は墓荒らしによるデメリット、2000ポイントのダメージを受け、装備魔法、ストイックチャレンジをNo.XX インフィニティダークホープに装備‼︎」

 

 

遊花 LP3100→1100

 

 

「ストイックチャレンジは自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できず、オーバーレイユニットを持っているエクシーズモンスターにのみ装備可能なカード。そして装備モンスターの攻撃力は自分フィールド上のオーバーレイユニットの数×600ポイントアップし、相手モンスターとの戦闘によって相手ライフに与える戦闘ダメージは倍になります‼︎ただし、装備モンスターは効果を発動できなくなり、このカードは相手のエンドフェイズ時に墓地へ送られ、このカードがフィールド上から離れた時に装備モンスターは破壊されてしまいます」

 

 

No.XX インフィニティダークホープ

ATK4000→5200

 

 

ダークホープの身体を金色のオーラが包み込んでいく。

 

「クッ、優等生である貴様が私の力を盗むとはな………」

 

「………私、みんなが思ってる程いい子じゃないです。我儘で、傲慢で、お父さん達を奪った、師匠を傷つけた理不尽なこの世界が大嫌いで………こんな世界、滅んでしまえばいいって、心の中では思ってます」

 

「………何?」

 

「遊花………?」

 

「………」

 

私の独白に、桜ちゃん達は勿論、天神先生まで驚いた表情を浮かべる。

 

そんな桜ちゃん達に、私は満面の笑みで応える。

 

「だけど、師匠や桜ちゃん、闇先パイ、デュエルアカデミアのみんなや、リーネさん達みたいなプロ決闘者の人達と………私の大切な人達との出会いをくれたのも、この世界なんです。この世界は………正直言って嫌いです。だけど、それでも私は、そんな世界がくれた大切な人達と繋がっていたい。優しい人達を守りたい。この理不尽だけど優しい世界で………一緒の道を歩いていきたい。だから、世界が私の大切な人達を傷付けるというのなら、大切な人達が傷つかないように、私がみんなを守ります‼︎だから今は………」

 

そこまで言うと私は1度目を閉じて、しっかりと天神先生を見据えて口を開く。

 

「天神先生………あなたを、攻略します‼︎」

 

「っ、減らず口を‼︎」

 

「バトル‼︎No.XX インフィニティダークホープで幻影騎士団フラジャイルアーマーを攻撃‼︎」

 

「無駄だ‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動、幻影騎士団ウロングマグネリング‼︎相手モンスターの攻撃宣言時にその攻撃を無効にし、その後、このカードはこのカード及び自分フィールドの表側表示の、幻影騎士団モンスター1体またはファントム永続魔法・永続罠カード1枚を墓地へ送って自分はデッキから2枚ドローし、この効果を相手ターンでも発動できる戦士族・闇属性・レベル2・攻撃力守備力0の効果モンスターとなり、モンスターゾーンに攻撃表示で特殊召喚される‼︎これで君のNo.の攻撃は届かず、無意味に自壊する‼︎」

 

「………いいえ、意味ならあります………届きます………届かせます‼︎ライフポイントを半分払い、手札からカウンター罠、レッドリブートを発動‼︎」

 

「何⁉︎このタイミングでだと⁉︎」

 

 

遊花 LP1100→550

 

 

「相手が罠カードを発動した時、その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする‼︎その後相手はデッキから罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットでき、このカード発動後、ターン終了時まで相手は罠カードは発動できません‼︎」

 

「クッ、馬鹿な‼︎私はデッキから幻影剣をセットする‼︎」

 

「これで攻撃は止まりません‼︎お願い、No.XX インフィニティダークホープ‼︎」

 

ダークホープが両手に一振りずつ大剣を持ち、フラジャイルアーマーに向かって跳び上がる。

 

「ホープ剣ダブルエックススラッシュ‼︎」

 

慌てて逃げようとするフラジャイルアーマーをダークホープは両手の大剣をクロスするように振り下ろし、フラジャイルアーマーを爆散させ、爆風で天神先生を吹き飛ばした。

 

「ぐわあああああああ‼︎」

 

 

幻騎 LP6000→0

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「ふぅ………勝った………っ⁉︎ううっ、頭、が………‼︎」

 

「っ、遊花‼︎」

 

デュエルが終わった瞬間、遊花が頭を抑え、意識を失ってその場に倒れ込む。

 

そんな遊花を見て、桜と闇は慌てて遊花に近づく。

 

「遊花‼︎しっかりして‼︎遊花‼︎」

 

「桜、落ち着いて。息もしてるし、脈拍も正常。気絶してるだけ」

 

「そ、そうなの?良かった………」

 

闇の言葉に桜はホッと息を吐く。

 

そんな桜とは裏腹に、闇は注意深く遊花の身体を観察する。

 

「(さっきのデュエルで受けた傷………かなり深かったハズなのに1つも残っていない………いくら回復効果を持った闇のカードだからって、ここまで完全に治っているのは流石におかしい………実際、遊花の着ていた服の損傷は治っていない。それに………)」

 

闇は先程のデュエルでダークホープが遊花の傷を治した時のことを思い出す。

 

「(遊花の身体を闇が包んだ瞬間………一瞬遊花の姿がブレた………一瞬だったから、桜は気づかなかったみたいだけど………アレは、いつも私が傷を治しているのと同じ方法………)」

 

闇は以前、『Natural』での大会で終夜とのデュエルの際、彼の精霊による攻撃を受けて火傷を負った。

 

その際、ヴェルズウロボロスの力と自分の闇のカードとの適合割合の高さを活かして、闇で身体を包みこみ一度身体を分解し、再構築して火傷を治した。

 

これは適合割合が高く、闇のカードを使い続け、資質が闇そのものに近づいた闇だけの特権であり、常人なら耐えられず死に至るような方法だった。

 

だが、今のデュエルで行われた遊花の傷の回復はその時の闇の回復方法に似ていた。

 

即ち、分解からの再構築。

 

いくら気づいていなかろうが、そのようなものを人間が耐えられるわけがないのだ。

 

そして今はダークホープとなった闇のカードを使おうとして闇に呑まれた時の幻騎の言葉。

 

『あのカードはどれだけの呪いを闇のカードに詰め込めるか試したものだ。結果として、限界を超えた呪いが存在していたカードをも塗りつぶしてしまい、全てを闇が呑み込んでしまってね。結束 遊騎に与えた呪いよりも遥かに強力でとても人が耐えられるものでは無い。デュエルディスクにセットしようものなら凝縮された呪いが一気に解放され、それだけで死に至る代物さ‼︎』

 

死に至るハズの呪い。

 

だが、遊花はその呪いに耐え抜き、あまつさえその呪いを書き換えて新しいカードまで生み出した。

 

「(遊花………あなたは………)」

 

「クッ、やってくれるじゃあないか、小娘風情が‼︎」

 

「っ‼︎」

 

突如聞こえてきた地の底から響くような声に、闇は遊花達を庇うように振り返る。

 

そこにいたのは身体中に擦り傷を作りながらも、狂気的な憤怒の表情で遊花を睨みつける幻騎だった。

 

そこで闇は遊花が勝利したのにホープのカードが遊花に渡っていない事実に思い至る。

 

「デュエルは遊花が勝ったのに闇のカードの移動が行われない………またカードに細工してるの?」

 

「私の才能の賜物さ。オーバーハンドレッドナンバーズのようにRUMーヌメロンフォースを触媒として希望皇ホープの存在をリンクさせ、固定させることで他者に移動するという性質を克服させた‼︎私のエースが万が一にも他人に渡るなんてことは、あってはならないからね」

 

「そう………でも、それも無駄。この場であなたを消してしまえばそれでおしまい………ヴェルズウロボロス」

 

『ヨウオウヨジ ガラレワ ヨセカマ』

 

「はっ?闇………って、えっ?」

 

闇の言葉に桜が視線を向けると、桜の頭上に大きな影ができる。

 

桜が恐る恐る頭上を見ると、実体化したヴェルズウロボロスが幻騎に闇のブレスを放った。

 

そうして、闇のブレスが幻騎を呑み込もうとしたところでーーー

 

「はい、そこまでにしてねー」

 

そんな声が聞こえてきたかと思うと、いつの間にか幻騎の前に銀髪の少女が現れ、1回手を打ったかと思うとヴェルズウロボロスの放っていたブレスが消滅した。

 

「むっ?」

 

『⁉︎ハツイコ』

 

「ちょっ⁉︎今度は何なの⁉︎」

 

「やーはろはろーはじめましてー私はーーー」

 

「っ‼︎貴様、正体不明の抹消者( アンノウンイレイザー)‼︎貴様が余計なことをしたせいで‼︎」

 

「ええー協力者から怒られるのは納得いかないんだけどー良かれと思ってやったのにさー」

 

そういって感情のこもっていない透き通った声でレイナが脱力する。

 

それを見て、闇は再びヴェルズウロボロスにブレスを放たせるが、少女が再び手を打つとブレスは消滅した。

 

「むむっ、なかなか面倒」

 

「あはは、お姉さんぶっそーだねー。会話の最中なのにいきなり殺そうとしてくるなんてさーまあ、それぐらいじゃ死ねないんだけどさーこれはさっさと帰るのが得策かなー」

 

そういって、レイナがデュエルディスクを操作すると幻騎とレイナの身体が透けていく。

 

「っ、逃がさない‼︎」

 

「戦略的撤退だよーそれじゃあ、次に会った時は覚えてないかも知れないけど、待ったねー」

 

そういうと同時に幻騎達の姿が完全に消える。

 

闇は辺りを見回すと、ため息を吐いた。

 

「逃げられた」

 

「いやいやいや、逃げられたじゃないわよ⁉︎非常識には慣れてきたつもりだったけど、何いきなり人を殺そうとしてんのよ⁉︎」

 

思わずツッコむ桜に、闇は不思議そうに首を傾げる。

 

「だって、アレらが元凶。それなら、消したら全部解決」

 

「いや、全部解決じゃないわよ⁉︎」

 

「ん………確かに既にばら撒かれたカードはどうしようもない。盲点だった」

 

「いや、そういう意味でも………もういいわ。ツッコむだけ無駄ね」

 

そういって、桜が疲れたようにヘタリ込む。

 

「それにしても、さっきの女の子、幻騎の仲間だったみたいだったけど、一体何者ーーー」

 

「は?何言ってるの?」

 

考え込む闇に、桜はきょとんとした表情で首を傾げる。

 

そして困惑した表情でその言葉を口にした。

 

女の子って誰のこと( ・・・・・・・・・)?」

 

「………えっ?」

 

桜の言葉に、今度は闇が困惑する番だった。

 

しかし、冗談を言っているようにも見えない桜の様子からすぐにそれに思い至った。

 

「………成る程、道理で闇のカードをばら撒いている人間が特定できなかったハズ………あの女の子、他人の記憶に干渉してる………」

 

「闇?何を言って………」

 

「分からないなら分からないでいい。どうして私の記憶は残ってるのかは分からないけど、逃げられたなら優先順位は別。桜、遊花を背負える?」

 

「え?ええ、遊花は軽いから背負えはするけど………」

 

「なら、このまま遊騎の病室に急ぐ。助っ人ももう遊騎の病室にいると思うし」

 

「助っ人?それって………」

 

事態を呑み込めず、困惑する桜に闇は珍しく笑みを浮かべて応えた。

 

「この世界で、私が遊騎の次に信頼している人達だよ」




次回予告

意識のない遊騎は、闇の中で自身に取り憑いたマリシャスシードに悪夢を見せられ、衰弱していく。
そんな中、闇が呼び出した助っ人は遊騎の魂に取り憑いたマリシャスシードを取り除くために行動を開始する。
しかし、遊騎の魂を喰らうため、マリシャスシードは遊騎の身体を乗っ取り、闇の呼んだ助っ人に襲い掛かる。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『魂を刈り取る刃』


次回はデュエル回。
遊騎視点と誰かの視点でお送りする予定です。
意外な人のデュエル回になってます。
遊騎を救うために現れた助っ人とは?
次回をお楽しみに。


そして今回は遊花VS幻騎のデュエル回‼︎
前回に負けず劣らず色々な超展開盛り沢山のお話でした。
そして新しい遊花の切り札、No.XX インフィニティダークホープ。
回復に復活と現在の遊花が願った力を備えたカードです。
予測できていた人はいますかね?
正直普通のレベル1デッキならまず出てこないカードですが。
色々とおかしい遊花のデッキだからこそ出てくる荒技です。


それじゃあ今回はここまで。
熱くなったり寒くなったりと寒暖差が激しい今日この頃、皆さまはどうお過ごしでしょう?
病弱な私は若干風邪気味です。
まあ、風邪ぐらいならまだマシなのですが、色々と悪化して再入院にならないよう気をつけなければいけないところが面倒です。
それはそれとして、新弾も来週に迫る中、色々情報も出てきましたね。
メガリス、そして戦華。
どちらも使用したらどんな感じなのかが気になります。
イラスト的にはかなり好みなんですけどね。
といったところで今回はここでお開き。
ではでは〜
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