今回は会話回です。
遊花視点、リーネ視点でお送りします。
デュエルもありますよ、しかも、2回。
フハハハハ、そのおかげで到達したぞ、1話4万字に‼︎
………違うんです、違うんです。
話の内容的に2回デュエルを書くのが確定してておまけに分割しようがなかったんです。
何で会話回のハズなのに普通のデュエル回より長いの?
ワカラナイ。
それでは本編へGOGO、なのです‼︎
★
深い闇の中、様々な声が響いていく。
『■■■■。カードの真を知り、魂の自由を知る者よ。だが、たとえ我を倒そうと、我は真実の闇なり。いずれ再び、この世界に蘇る』
『本当は、私も、君達が変える未来を見届けたかった………』
『我が名は■■■。お前たちの希望の光を消し去る絶望の神………‼︎』
これはきっと、もう終わってしまった物語。
物語の最後に必ず現れてしまう"モノ"の………嘆きの声。
だとすれば、何故その声は私に語りかけてくるのだろう?
私はーーー
ーーーーーーー
「………ん、ここ、は………?」
深い微睡みの中から、意識が浮上した私は柔らかい何かに顔を埋めていることに気付き、身体を起こす。
何か、妙な夢を見ていた気がする。
もう見ていた夢の内容は全然思い出せないけど、とても妙で………大切な何かを見ていたような………
「ん、やっと目が覚めたか」
「………え?」
寝ぼけていた意識が一気に覚醒し、声が聞こえた方向に目を向ける。
そこにいたのは、私が今1番声が聞きたかった人。
その人は苦笑を浮かべながら、私の頭を撫でてくれる。
「幻騎とデュエルしたんだってな。怪我するかも知れないってのに、無茶しやがって………なんて、死にかけた俺が言えたことじゃないな」
「う、あ………」
「いっぱい心配かけたし、いっぱい傷つけちまったな。自分の気持ちばっかりで、遊花がどう考えてたかなんて、全然考えてなかった。本当に、情けねぇ」
「あ、ぁぁぁ………」
「俺はさ、こうして死にそうになった今でも、自分の命が価値のあるものだと思えない。だけどさ、そんな価値がない俺の命でも、失うことで遊花達が穏やかな日常を送れなくなるなら、蔑ろにはしちゃいけないんだよな」
私の瞳から涙が溢れ落ちる。
その涙をその人は優しく拭ってくれてーーー
「俺もさ、もう少し色々と頑張って見るよ。忌まわしい過去に、遊花が描こうと思う未来が負けちゃダメだもんな。だから、頑張るとしか言えないけど………諦めずに頑張ってみるよ。だってーーー」
ーーーそして、照れくさそうな、優しい笑みを浮かべて、笑った。
「ーーー俺は、遊花の師匠だもんな」
「っ‼︎師匠〜〜〜‼︎」
私はその言葉に耐えきれなくなり、師匠に勢いよく抱き着いて、その胸に顔を埋めた。
「師匠………生きてる………生きててくれてる………師匠………師匠………うわぁぁぁ‼︎」
「本当に、ごめんな、遊花」
「いいんです………師匠が、師匠が生きてて、くれるなら、それで………私は………私は………うわぁぁぁん‼︎」
顔を埋めて泣き続ける私の頭を、師匠が優しく撫で続けてくれる。
師匠がいてくれる。
師匠の温もりが、私の手の中にある。
それだけで、私は十分に幸せだった。
ーーーーーーー
「それじゃあ遊花ちゃんも落ち着いたようですし、これからのお話をしていくのですよ」
「その栗原は宝月の背中に隠れているわけだが………」
「炎、触れないであげて。恥ずかしがってるから」
「もう、本当に仕方がない子ね、この子は」
しばらくして、師匠に抱き着いて泣いているのを微笑ましいものを見る目で見ている桜ちゃん達がいることに気付いた私は羞恥のあまり桜ちゃんの背中に抱き着いて顔を埋めながら、桜ちゃんに頭を撫でられていた。
考えてみれば師匠に取り憑いた呪いをどうにかするために助っ人を呼ぶと闇先パイは言っていたし、その師匠が意識を取り戻したのであれば師匠の呪いをどうにか出来たというわけで、意識を失っていた私以外の人がいるのは当たり前なのだが、師匠が意識を取り戻したということに安心しきっていた私はそんなことにも気づかなかった。
「完全に2人の世界だったですからね。遊花ちゃんの目には遊騎君しか映ってなかったですし」
「っ‼︎〜〜〜〜〜‼︎」
「リーネ、遊花が大変なことになってるから。俺も恥ずかしいから止めてくれ………」
「おおっと、これはごめんなさいなのです‼︎遊花ちゃんが可愛くてつい………」
う〜〜〜何も聞こえない‼︎
聞こえてないもん‼︎
だから恥ずかしくないもん‼︎
そうやって自己暗示をかけながらいやいやと桜ちゃんの背中に顔を押し付ける。
そんな私を桜ちゃんは苦笑を浮かべながら頭を撫でてくれる。
「社長、話が進まないから早く本題に入って。このまま長引くなら………私は今日の試合をサボらないといけなくなる」
「おおっと。試合をサボってでもこっちの話を聞く気満々なのです‼︎それはリーネとしても困るのでちゃんと本題に入るのですよ」
闇先パイのそんな声が聞こえてきたかと思うと、リーネさんはコホンと咳払いをして改めて話しはじめた。
「とりあえず、闇のカードをこの街にばら撒き、デュエルアカデミア生を操っていたのが『Schopfer』の現社長でありデュエルアカデミアの特別講師、天神 幻騎君だということが分かったのですが、闇ちゃん、デュエルアカデミアの方はどうだったのです?」
「校長に聞いたけど、昨日から行方不明。会社にもいないみたい。完全に行方を眩ました」
「まあ、遊花ちゃん達に正体がバレた今、分かりやすい場所にいるわけがないですよね」
今回の闇のカードに関する事件。
私達は闇のカードを生み出しているのが天神先生だということを知ってしまった。
もしデュエルアカデミアにいるままなら闇先パイと一緒に乗り込むぐらいはしていただろうし、そんな場所に長居はしないだろう。
「とすると湾岸エリアにあった隠れ家みたいな場所に潜んでるってわけだな。また探すのも大変そうだ」
「遊騎君はまず身体を治すところからスタートするのですよ?呪いが大元だったとはいえ怪我もあるのです。お医者さんの話だと最低でも2週間は入院なのです」
「またベッドの上で一日中過ごす生活が続くのか………」
師匠の憂鬱そうな声が耳に届く。
師匠がいない生活………桜ちゃんや闇先パイはいてくれるけど、やっぱり寂しいという思いが強い。
「アンタが自分の身体を蔑ろにし過ぎなのが悪いのよ。これからはちゃんと気を付けなさいよね」
「返す言葉もないな。だけど、そうなると………リーネ」
「?何ですか?」
「遊花と桜、お前のとこで預かってくれないか?」
「はあっ⁉︎アンタ、何言ってるのよ⁉︎」
「師匠⁉︎」
師匠の突然の提案に私達は思わず声を上げる。
そんな私達に師匠は真剣な表情で言葉を続ける。
「遊花と桜は幻騎の正体を知っちまった。となると、遊花達が直接狙われる可能性が高い。闇だってプロリーグがあって遅くまで帰ってこないことがあるし、俺はこのざまだ。そんな状況で遊花達が襲われたら、俺は自分が赦せない」
「師匠………」
師匠の言葉に、私は思わず拳を握り締める。
確かに私達は天神先生の正体を知ってしまった。
そのうえ、私は自分でも未だによく分かっていない力でダークホープを生み出し、天神先生に勝った。
ダークホープを見た天神先生は怒り狂っていたし、私は間違いなく恨まれているだろう。
1度勝利したとはいえギリギリの状況だった。
次に襲われた時に勝てるかどうかなんて分からない。
「うーん、遊騎君の意見は最もですけど、それはあんまりオススメできないのです」
「は?何でだよ?」
しかし、師匠の言葉にリーネさんは否定の意を示す。
そしてリーネさんは柔らかい笑顔を浮かべた。
「だって、それは遊花ちゃん達の日常を崩すことなのです。遊騎君が守ろうとしたものを、遊騎君が崩してちゃ本末転倒なのですよ。こんな馬鹿馬鹿しい事件のせいで遊花ちゃん達の日常を崩すなんて絶対に反対なのです‼︎お姉さん赦さないのですよ」
「っ、いや、だけどな………」
リーネさんの言葉に、師匠が困ったような表情を浮かべる。
そんな師匠にリーネさんは更に言葉を続ける。
「それに、また遊騎君の悪い癖が出てるのです。遊花ちゃんを闇のカードから遠ざけようとしてるですけど、遊花ちゃんの気持ち、まだ聞いてないのですよ?」
「あ………」
リーネさんの言葉に、師匠は目を見開いて私の方を見て、自分の頭を強く小突いた。
「………そうだな、悪い」
「い、いえ‼︎そんな、謝らないで下さい‼︎師匠が私達のことを考えてくれてるのは分かってます‼︎」
悔やむような表情を浮かべる師匠に私は慌てて首を振る。
師匠は私達の安全を守るために一生懸命考えてくれてる。
それは私にとって、とても嬉しいこと。
だけど、ここでただ師匠の言葉を受け入れるだけなら、今までと変わらない。
「それでも………それでも、私が望んでもいいのなら。私は………お父さん達が残してくれた、師匠達との思い出ができた、あの家で過ごしたいです」
「遊花………」
「正直、またあんなデュエルをすることになるかもって考えると、怖いです。だけど、師匠が、桜ちゃんが、闇先パイが、みんなが帰って来てくれる場所にいれないことの方が、何も知らないままでいることの方が、もっと怖いです」
この胸の思いを言葉にして、真っ直ぐに、伝える。
「危険だってことも分かってます。それでも、私は師匠のお手伝いがしたい。師匠がいてくれる場所を守りたい‼︎それが私の我儘です‼︎」
「………」
「師匠が怪我をしないか心配なんです、だから、お願いします‼︎私に師匠のお手伝いさせてください‼︎」
そういって師匠に頭を下げる。
師匠がどんな言葉を返してくれるのかが怖い。
だけど、この胸の思いを伝えられないことの方がずっと怖いってことを知ったから………
「怪我しないように………なんて、俺が言えた試しじゃねぇしな」
「現在進行形で入院中の遊騎君ですからね」
「茶化すなっての………遊花、とりあえず顔を上げてくれ」
師匠の言葉に私は顔を上げる。
私の目に映る師匠の顔は困ったような表情で笑った。
「正直、遊花に危険な目にあって欲しくないって気持ちは変わらない。だけど、それは遊花が俺に対して抱いてる気持ちだってことも分かってる。だから、まあ………うん、頼んだ」
「………えっ?」
今、なんて………
「俺の手伝い………まあ、俺が退院したらだが、頼む。もう、1人で抱えないように頑張って見るからさ」
「っ‼︎………はい‼︎」
師匠の言葉に私は満面の笑みを浮かべて応える。
そんな私を見て、師匠は諦めたような苦笑を浮かべながら、リーネさんはニコニコと笑った。
「よかったですね、遊騎君」
「うるせぇ、それに肝心の遊花達が狙われるって問題は解決してないだろうが」
「ああ、それは心配しなくても大丈夫なのですよ」
「はあ?それってどういう………」
リーネさんの言葉に師匠が首を傾げる。
そんな師匠に、リーネさんはドヤ顔で応えた。
「遊騎君がいない間、遊花ちゃんの家にリーネと炎君がお世話になるですからね」
『………はい⁉︎』
リーネさん以外の全員の声が被る。
とりあえずリーネさん………私も、後、不知火さんも聞いてなかったみたいなのですが?
ーーーーーーー
「いらっしゃい………おや、珍しい組み合わせだね?」
「こんにちはーなのです‼︎」
「こんにちは」
お店に入るといつものようにレジのところでコーヒーを飲んでいた島さんが私とリーネさんを見て不思議そうな表情を浮かべた。
結局あの後、師匠達が話し合った末、師匠の入院中の間、リーネさんが私の家に泊まることになった。
不知火さんは男性ということで外聞を考慮して辞退。
その代わりにリーネさんや闇先パイが帰ってくるまでは私の家に護衛として来てくれるらしい。
桜ちゃんは修行をする時間が増えるって喜んでたなー
そうして話し合いが終わった後、闇先パイはプロリーグの試合があるので会場に。
そして私とリーネさんはもう1つの大きな問題を解決するため、桜ちゃんと不知火さんに師匠の護衛を任せてこうして島さんのいる『Natural』に訪れた。
その大きな問題とはーーー
「島さん、デュエルディスクって置いてないですか?」
「デュエルディスク?見た限り遊花君もリーネ君もデュエルディスクはちゃんと持っているようだが………」
「ああ、必要なのはリーネ達の分じゃなくて、遊騎君の分なのです」
「遊騎君の?」
「はい。実はーーー」
私は島さんに師匠に起こったことを話す。
師匠が呪いを植え付けられたこと。
リーネさんがその呪いを師匠から斬り離したこと。
その際に自我を持った呪いに師匠のデッキとデュエルディスクを奪われてしまったこと。
私が知らない部分はリーネさんが補足してくれながら私はことの全容を話しきる。
一通り話し終えると、島さんは困ったような安心したような苦笑を浮かべた。
「全く、遊騎君はまた無茶をして………まあ、生きててくれただけありがたいと思うべきか。ありがとうね、遊花君、リーネ君」
「いえ、私なんて全然役に立てませんでしたから………」
「そんなことないのですよ‼︎遊花ちゃんも遊騎君のために一生懸命頑張ったのです‼︎いい子いい子、なのですよー」
そういってリーネさんが私の頭を優しく撫でてくれる。
そんな私達を見て、島さんは柔らかく笑うと店の裏に視線をやった。
「とりあえずデュエルディスクを持ってくるよ。店の裏に置いてあるから店番を頼めるかい?あまり人はこないけどね」
「わ、分かりました」
「大船に乗ったつもりで、どーんとこいです‼︎」
「頼んだよ。それじゃあちょっと行ってくるね」
そういって島さんが店の奥に入っていく。
島さんの姿が見えなくなった後、リーネさんは私に振り向くと、ショーケースに入っているカードを指差した。
「それでは遊花ちゃん。店番をしながら、リーネ達はリーネ達のミッションをやり遂げるのです‼︎」
「は、はい‼︎頑張ります‼︎」
リーネさんに手を引かれ、私はショーケースの中にあるカードを見ていく。
リーネさんが言うミッションとは、『Natural』にくる際にデュエルディスクを手に入れること以外で師匠に頼まれたことだ。
それはーーー
ーーーーーーー
「それじゃあリーネが遊花ちゃんのところでお世話になるのは決定として、もう1つの問題に取り掛かるのです」
「もう1つの問題、ですか?」
「そう、マリシャスシードに奪われた遊騎君のデッキとデュエルディスクをどうするのかって話なのです」
「えっ⁉︎」
リーネさんの言葉に私は目を見開いて師匠を見る。
そんな私の様子を見て、師匠は苦い笑みを浮かべた。
「そういえば栗原には話してなかったな。結束から呪いを分離させた際に呪いが意思を持って結束のデッキとデュエルディスクを奪っていったんだ」
「幸い、呪いに抵抗した絵札の三銃士やDーHERO BlooーDみたいな一部のカードは無事だったですけど、ヒロイックを含むデッキのほとんどは持っていかれちゃったのですよね」
「そんな………」
不知火さんとリーネさんの説明に、デュエルディスクごとデッキを奪われた師匠の気持ちを考えると、私は再び涙が出そうになる。
そんな私の頭を師匠は優しく撫でて笑みを浮かべた。
「ありがとな、俺のために悲しんでくれて。だけど、心配するな」
「でも………」
「アイツらを奪われちまったのは俺の所詮だ。だからこそ、アイツらは必ずこの手で奪い返す」
「師匠………」
「とはいえ、奪いかえすためには新しいデッキとデュエルディスクがいるんだがな。デュエルディスクは島さんのところに貰いにいくとして、デッキをどうするべきか………」
「遊花の家にアンタのデッキの予備のカードは置いてないの?」
「無いわけじゃ無いんだが、少し思うところがあってな」
「思うところ?」
桜ちゃんの言葉に、師匠は苦々しい表情を浮かべる。
「幻騎とデュエルをした時だ。アイツは俺のプレイングをほとんどコピーしていた。俺のファンだとか言ってな」
「あ、そういえば、私とデュエルをした時もそんなことを………」
「遊花の家に置いてあるカードは使えなくなったカードも含め、ほとんど俺がプロ時代に使ってたカード達だ。どちらにせよ、奪われなかった絵札の三銃士達は使うつもりなんだが、考えたくも無い話ではあるけど、あの言葉が真実だった場合、使っても手の内が読まれるんじゃないかと思ってな」
師匠が顎に手を当てながら考え込む。
確かに、天神先生は師匠の動きを自分なりにアレンジしながらも完全にコピーしていた。
となれば、同じようなデッキを組んでも、その手の内を天神先生には読まれてしまう可能性があるということ?
でも、それじゃあ一体どうすれば………
「成る程成る程、それを悩んでいたのですね。それなら、リーネにいい考えがあるのです‼︎」
「………凄く嫌な予感がする前振りなんだが」
「天羽のいい考えはかなり突飛だからな………」
「もう‼︎話を聞く前から決めつけるなんて、遊騎君も炎君も酷いのです‼︎」
そういって怒ってみせるリーネさんに師匠達が苦笑を浮かべる。
「それで、リーネさん。いい考えってなんなの?」
「桜ちゃん、いいことを聞いてくれたのです‼︎それはですね………」
そういってリーネさんが勿体振りながらも私の背後に移動して私の両肩を掴む。
「遊花ちゃんに遊騎君のデッキを作って貰えばいいのですよ」
「………ふぇ?ふぇぇぇ⁉︎」
リーネさんの言葉に私は思わず目を丸くして大声を上げてしまう。
そんな私の反応を見て、師匠は呆れたような目でリーネさんを見る。
「お前なぁ、無茶振りが過ぎるだろ。というか、どうしてそうなる?」
「遊花ちゃんは遊騎君の弟子で遊騎君のデュエルをよく見ているのです‼︎だからこそ、遊騎君に合ったデッキをきっと作れると思うのです‼︎多分‼︎」
「確証がねぇじゃねぇか………」
「それに、遊騎君のデュエルの弱点を補うには遊花ちゃんの力があった方がいいのです」
「俺の弱点?」
「自分の身が犠牲になることも厭わない肉を切らせて骨を断つその防御の薄さなのです」
「………あー」
リーネさんの指摘に思い当たるところがあるのか、師匠が罰が悪そうに視線を逸らす。
確かに、師匠のデッキには防御用のカードはかなり少ない。
装備魔法や奇襲用のカードが殆どで、防御用のカードなんてそれこそ数えるほどだ。
「それに引き換え、弟子である遊花ちゃんは防御特化と言える程の防御の達人なのです‼︎」
「あの‼︎防御の達人と言える程ではないと思うんですが⁉︎」
「遊騎君のデュエルを知り、防御においては抜きんでた才能を持っている遊花ちゃんの力が加われば、遊騎君の戦い方を阻害せずに防御も取り入れることもできると思うのですよ。特に、闇のカードが関わる今回の事件は少しのミスで大怪我に繋がるのです。それを踏まえても、遊騎君の身を捨てた攻撃方法は危険だと思うのです」
私の言葉を無視してリーネさんがそういって師匠を見る。
師匠は少し逡巡すると、躊躇いがちに口を開いた。
「………遊花はどうだ?」
「えっ?」
「どちらにせよ、カードを手に入れるのは遊花に頼むことになる。それにリーネの指摘した点は自覚してるが、治せるかと言われれば多分無理だ。俺の身体に染み付いちまってる戦術だからな」
そういって、師匠は苦笑を浮かべながらもはっきりとその言葉を口にする。
「俺だけだと、多分俺はまた俺を傷つける。だから、もし、遊花に頼めるなら………俺は遊花に頼んでみたい。遊花が考えた、俺が自分を守りながら戦える、俺らしい戦い方を」
「あ………」
師匠の言葉に、私の胸がぽかぽかとし始める。
踏み出してくれた。
師匠が、私のために、師匠自身を守ることを。
それの、お手伝いができるというのならーーー
「師匠がそういってくれるなら、私は頑張りたいです。師匠のために、師匠を守れるように」
「………そっか。じゃあ、頼んだ」
「っ‼︎はい‼︎」
ーーーーーーー
「絵札の三銃士は決まってますし、アルカナエクストラジョーカーのことも考えるとやっぱり戦士族が主体ですよね。セイクリッドプレアデスを使うことも考えると光属性………通常モンスターのサポートも使える。後は装備魔法もよく使ってたから………それに合いそうなカードは………」
「ふふっ」
「?リーネさん?どうかしたんですか?」
師匠のデッキに入れれそうなカードを探していると、同じようにカードを探していたリーネさんの微笑む声が聞こえてきて、私は首を傾げて尋ねる。
そんな私に、リーネさんはニコニコと嬉しそうに笑う。
「遊騎君もいい弟子を持ったなって思っただけなのですよ。こんなに甲斐甲斐しくお手伝いをして師匠を愛してくれるお弟子さんなんて、そうはいないのですよ」
「あ、あああ、愛⁉︎」
リーネさんの言葉に私は動揺してしまう。
そんな私を見て、リーネさんは不思議そうに首を傾げる。
「違うのです?」
「ええっと‼︎それは、その、私なんかじゃ、恐れ多いことと言いますか‼︎愛だなんて、そんな………私は、師匠のお側に入れれば、それで………」
私は頰が赤くなるのを感じながら、思わずその場にしゃがみこんでしまう。
そんな私を微笑ましいものを見る目でリーネさんが見る。
「ふふっ、遊花ちゃん可愛いのです。こんな可愛いお弟子さんがいるなんて遊騎君は幸せものなのです」
「………そう………でしょうか?」
「自信がないのです?」
「………師匠には返しきれない程の恩がありますから。師匠は赤の他人だったデュエルのできない私のために、大切な自分のデッキを賭けてデュエルをしてくれました。その後も私がもう1度デュエルができるように、色んなことを教えてくれました。私の側に、いてくれました。だから、いつも思うんです。そんな私は、師匠に何が返せているんだろうって。私ばかり、師匠から貰っているんじゃないかって」
そういって、私は思わず拳を握り締める。
そんな私の拳をリーネさんは自分の手の平で優しく包み込む。
「きっと、大丈夫なのです。遊花ちゃんが遊騎君が側にいてくれることを嬉しく思っているように、遊騎君だって、遊花ちゃんが側にいることで、救われているのです。間違いないのです」
「そう、でしょうか?」
「絶対に、絶対なのです‼︎」
そういって柔らかく笑うリーネさんを見ると、何だか心が落ち着いてくる。
きっとこんなリーネさんに師匠も救われてきたんだろう。
「おやおや、何やら盛り上がっているようだね。店の奥まで声が聞こえてきたよ」
「あ、おかえりなさい、なのです‼︎だいぶ時間がかかっていたですね?」
「ああ、デュエルディスク自体は直ぐに見つかったんだけど、この子達がどうしても連れて行けと言って聞かなくてね」
「この子達?」
デュエルディスクを持って店の奥から戻ってきた島さんの手には中から闇が溢れ出している小さなデッキケースが握られていた。
私の質問に島さんは困ったように笑うと、そのデッキケースを私に向かって差し出した。
「遊花君、この子達を使ってあげてくれないか?」
「ほぇ?私、ですか?」
「ああ。ここで封じていた闇のカードの一種なんだが、君に使って貰いたいらしい」
「闇のカード⁉︎」
「………またとんでもないモノが出てきたのです」
島さんの言葉に私とリーネさんは目を見開く。
そんな私達に苦笑を浮かべながらも、島さんはデッキケースからそのカード達を出してテーブルの上に並べた。
そのカード達を見た瞬間ーーー
『■■■■………■■■………■■………■■■■■』
「っ⁉︎今のは………」
私の頭の中に、見たことがないビジョンが広がった。
今のはホープ達の時にもあった………それじゃあ今のはこの子達の記憶?
「遊花ちゃん?」
「………」
私を見て心配そうな表情を浮かべるリーネさんと複雑な表情を浮かべる島さんの姿が目に入る。
私はテーブルの上に置かれたカードの内、1枚のカードを手に取る。
………感じる。
相棒やアンチホープ達と同じ、確かな繋がり。
私は、この子達と
相変わらず、この繋がりが何なのかは分からないけど………
「………分かりました。この子達と一緒に、私も戦ってみたいです」
「遊花ちゃん⁉︎」
「遊花君ならそう言うと思っていたよ」
私の言葉にリーネさんは驚き、島さんは苦笑を浮かべる。
「大丈夫なのです⁉︎操られたりしてないのです⁉︎」
「大丈夫です、リーネさん。この子達、優しい子ですから」
「言ってること、全然分からないですよ⁉︎」
慌てるリーネさんを横目に私はそのカード達を手に取って抱き締める。
………このカード達と一緒に戦えば、少しは分かるようになるのだろうか?
この力の意味も………その思いも………
ーーーーーーー
「もう‼︎よく分からないけど分かったのです‼︎とにかく、そのカード達を使うのなら、遊花ちゃんのデッキも調整しないといけないのです」
「そうですね、今のままでデッキに組み込んでもこの子達の力を活かせそうにないですし」
「もうこうなったら何でもどんとこいなのです‼︎お姉さんも出来る限り協力してあげるのです‼︎」
何とかリーネさんに納得してもらい、師匠のデッキを作る傍ら、私のデッキの調整もはじめる。
同時進行でデッキを調整していく私を見て、リーネさんは深いため息を吐いた。
「本当に、遊花ちゃんは遊騎君の弟子なのです。こういう無茶をするところとか、遊騎君そっくりでほっておけないのです」
「そ、そうでしょうか?」
「リーネが出会って少し経った頃の遊騎君が、そうやって闇ちゃんのデッキを組みながら自分のデッキも組んでたですよ。リーネもよく手伝ったものなのです」
そういって、リーネさんは困ったような、それでいてどこか嬉しそうな表情を浮かべて笑う。
そんなリーネさんを見て、私は前々からずっと気になっていたことを尋ねる。
「そういえば、リーネさんはどうやって師匠と出会ったんですか?」
「およ?聞いたことないのです?」
「その、何だか聞きづらくて………弟子として、知っておいた方がいいということは分かってるんですけど………」
躊躇いがちな私を見て、リーネさんは微笑ましいものを見るような笑みを浮かべて口を開いた。
「ふふっ、本当に、遊花ちゃんは遊騎君のことが大切なのですね。ならば、教えてしんぜよう、なのです‼︎リーネと遊騎君の出会いのお話を‼︎」
ーーーーーーー
●
「
ケルンにある空港エリア。
飛行機から降り、空港から外に出たリーネはグイッと伸びをしながら辺りを見渡す。
『次のニュースです。昨夜行われたプロチーム『
「昨日のプロリーグの試合見た?」
「見た見た、凄かったよね。『Donner』の雲母選手‼︎」
「ええー私は『Fels』の天地選手の方が凄かったと思うけど?」
空港にあるモニターから流れているプロチームの試合に、その試合を見て楽しむ人々。
リーネはその光景を見て、帰ってきたということを実感しながら満面の笑みを浮かべた。
「
「ふふっ、リーちゃんは相変わらず元気ね」
久しぶりの日本にはしゃぐリーネの背後からそんな声が聞こえてくる。
リーネが振り返ると、そこでは金髪のロングヘアーでリーネと同じ青目の女性がリーネを見て嬉しそうに笑っていた。
「だけど、折角パパのいる日本に戻ってきたのに、まだドイツ語が抜け切ってないわよ?」
「うっ………少し出ちゃっただけなのです‼︎もう、ママは意地悪なのです‼︎」
「ふふっ、ごめんなさい。リーちゃんがあまりにも可愛いから、ついからかっちゃったわ。それじゃあ車も来ているようだし、パパのいる我が家に戻りましょうか」
「はーい、なのです‼︎」
そういって、嬉しそうに笑うママの後ろをついて行く。
少し歩くと、全長が7、8メートルはある真っ黒のリムジンが見え、その前に立っていたスーツ姿の男性がリーネ達を見て頭を下げた。
「お待ちしておりました、リーゼロッテ様。リーネお嬢様」
「ご苦労様、鞍馬(くらま)。有実は?」
「社長はご多忙につき会社でお仕事の最中でございます」
「もう、あの人は………折角の妻と娘の帰国だと言うのに………」
「いえ、リーゼロッテ様とリーネお嬢様が帰国するとのことで、他社との会議を重役に押し付けてすっぽかそうとしていらしたので、重役に引き渡して参りました」
「もう、あの人は………困った人ね。だから代わりに秘書である貴方が来ているのね」
「折角の家族の再開を邪魔立てしてしまい、申し訳ございません」
「構わないわ。それなら早く会いに行ってあげないとね」
「かしこまりました。どうぞ、お乗りください」
そういってどこか嬉しそうに笑うママに続き、鞍馬さんが開けてくれたドアを潜ってリムジンに乗り込むと、リムジンが勢いよく走り出した。
リーネはドイツ人のママーーーリーゼロッテ ヴォルフと、日本人のパパーーー天羽 有実(あまは ありざね)から生まれたハーフなのです。
小学生の頃まではパパのいる日本で暮らしていたのですが、ママの実家の都合でしばらくママはドイツにある実家のお手伝いをするために帰国しなければならなくなり、仕事で忙しかったパパを日本に残して、リーネはママに連れられて今日までドイツで暮らしていたのです。
ドイツでの日々も勿論楽しかったですし、パパも3か月に1回はドイツまで会いに来てくれたので寂しくはなかったのですが、日本での生活を懐かしく思っていたのも事実。
そしてようやくママの実家の都合も片付き、こうして日本に戻ってくることになったのです。
リムジンに乗ること数十分。
辿り着いたのはかなり広い敷地を持つ1つの高層ビル。
『Segen』。
ドイツ語で祝福や幸福、幸運などの意味を持つ名前が付けられたその会社はケルンで売られている食品や医療品の6割を一手に担っている大手メーカー。
そしてリーネのパパが社長を務めている会社でもあるのです。
リーネ達がリムジンから降りると、高層ビルの方から走ってくる人影が見えた。
その人物は黒髪をベリーショートにし、無精髭を生やした長身の男性。
その人物はリーネ達の姿を見ると笑顔を浮かべると、走ってくる勢いのままリーネ達を抱きしめた。
「リーゼロッテ‼︎リーネ‼︎良かった、無事に帰ってこられたんだね‼︎」
「わぁ‼︎もう、パパ、苦しいのですよ………」
「もう、有実ったら………会議の方はどうしたの?」
「君達が帰ってきたんだ、すぐに終わらせたさ‼︎勿論、いい方向に話を進めてね‼︎」
そういって、パパが自信満々の笑みを浮かべる。
パパが笑顔でそういうのなら、きっと間違いないのです。
「社長、そろそろ」
「むっ、もう次の会議の時間なのか。他の役員だけでーーー」
「もう、パパ。お仕事をサボっちゃメッ、なのです‼︎」
「リーネ………しかしだな、折角の家族の再開を………」
「リーネ達はこうしてパパのいる場所に戻ってきたのです‼︎お話ならこれからだってたくさんできるのです‼︎だから、パパには今パパにしかできない仕事を頑張って、カッコいいところを見せて欲しいのです‼︎」
「リーネ………」
リーネの言葉にパパは目を見開いて驚く。
そんなリーネとパパを見て、ママは楽しそうに笑った。
「ふふっ、流石は私達のリーちゃんね。ほら、有実。私達の娘がこう言ってくれてるのよ?父親としてカッコいいところを見せないと」
「………そうだね。可愛い娘と妻がそういってくれるんだ。父親として頑張らないといけないか」
「はいなのです‼︎いっぱいいっぱい頑張って、色んな話を聞かせて欲しいのです‼︎」
リーネが笑顔でそういうとパパは真剣な表情で鞍馬さんに話しかける。
「よし、頑張るか‼︎鞍馬、行くぞ‼︎」
「かしこまりました。リーゼロッテ様、リーネ様。お二人のお荷物は既にお部屋に運ばせて貰いました」
「ふふっ、ありがとう鞍馬」
「ありがとうなのです、鞍馬さん‼︎」
「恐縮です。それでは、私めはこれで。失礼します」
「リーゼロッテ、リーネ、行ってくる」
「ええ、いってらっしゃい、有実」
そういうと、ママがパパにキスをする。
パパはママを1度強く抱きしめるとそのまま笑顔で会社の中に戻っていった。
「さて、パパも仕事に行ったし、私は疲れたからこのまま我が家に戻るけど、リーちゃんはどうする?」
「あ、それなら、リーネは1度家に戻ったら久しぶりのケルンを見て回りたいのです‼︎」
「リーちゃんならそういうと思ったわ。あまりはしゃぎ過ぎて迷子にならないようにね」
「もう、ママは心配性なのです。リーネだってもう一人前のレディなのですよ?そんなヘマはしないのです‼︎」
「ふふっ、そうね。気をつけて行ってくるのよ?」
「はい、なのです‼︎」
自信満々に胸を張るリーネを見て、ママは可笑しそうに笑うのだった。
ーーーーーーー
1度自分の部屋に戻ったリーネは身支度を整えると久しぶりのケルンを探検しに行った。
久しぶりのケルン。
懐かしい部分も変わっている部分もたくさんあって、つい色々と見回っていたリーネはーーー
「………………迷ったのです」
道に迷って公園のベンチに座って途方に暮れていた。
そんなリーネの耳に呆れたような女性の声が聞こえてくる。
『リーちゃん、後先考えないで動くから』
「だって、懐かしくて色々と見て回りたくて………」
『リーちゃんが住んでた頃から10年は経ってるんだよ?街だって様変わりするよ』
「うぅ〜エアトスの正論が耳に痛いのです………」
デッキの中にいるエアトスの声にリーネは肩を落とす。
エアトスはリーネのデッキに宿るカードの精霊さんなのです。
初めてその声を聞いたのはリーネが3歳の頃。
パパに誕生日プレゼントとして初めてデッキを渡された時だったのです。
あの頃は幽霊かと思って怖くて泣いてしまっていたのですが、リーネがデュエルをする時、いつも助けてくれたエアトスは、血の繋がりは無くとも、家族以上の家族で、最高の相棒なのです。
………時折、正論が耳に痛いですけどね。
『どうする?電話してマムを呼ぶ?』
「でもでも、あれだけ大見得切ってママに電話をするのは恥ずかしいのですよ」
『だけど、このままじゃ帰れないよ?』
「うぐっ、それは………」
「人のデッキを奪っておいてふざけたことを‼︎」
「ん?何なのです?」
そう思い悩むリーネの耳に怒った男の人の声が聞こえてくる。
リーネがそちらに目を向けると1人の青年君が明らかに不良っぽい格好をした男の子達に怒りの形相を浮かべていた。
そんな青年君を嘲笑うように、不良君達は笑みを浮かべる。
「あれあれーデッキがねぇの?じゃあ俺の不戦勝だな‼景品として︎このデッキは頂いてくぜ‼︎」
「っ‼︎テメェ‼︎」
青年君が1人の不良君に掴み掛かろとするが、もう1人の不良君に蹴りを入れられ、青年君の身体が地面を転がる。
「ぐっ………」
「暴力はいけないな〜悔しかったら誰かお友達でも連れてきて代わりにデュエルをしてもらえよ‼︎お前にそんな友達なんているわけねぇけどな‼︎ぎゃはははは‼︎」
そういって不良君達が嘲笑いながら青年君の身体を蹴り飛ばす。
むむっ、何だかよく分からないですが、見ていてとっても不愉快なのです。
『リーちゃん、あの子、助けるの?』
「やらいでかなのです‼︎」
『ん、それでこそリーちゃん。だけど、怪我しないようには気をつけて』
「勿論なのですよ‼︎そこの子達、何をやってるですか‼︎」
リーネは大声で注意をしながら、青年君に近づいてその身体を起こして声をかける。
「何があったのです⁉︎あなた達この子に何をしたですか⁉︎」
「アンタは………?」
青年君を庇うように不良君達を睨みつけると、不良君達は一瞬きょとんとした表情を浮かべたが、その表情はすぐに下卑た笑みに変わる。
「そいつとこのデッキを賭けてデュエルすることになったんだが、そいつがデッキを持って無くてな。力強くで奪おうとしてきやがったから突き飛ばしただけだよ」
そういって不良君が手に持ったデッキをひらひらと振ってみせる。
だけど、青年君の行動と不良君達の態度を見れば、そのデッキが青年君のものだということは一目瞭然なのです‼︎
「下手な誤魔化しはいらないのです。それはこの子のデッキですよね?この子に返すのです‼︎」
「うるせぇ‼︎人殺しからデッキを奪って何が悪いんだよ‼︎それとも、そいつの代わりにアンタがデュエルすんのか?その場合、アンタのデッキも賭けて貰うがな‼︎」
「何ですと⁉︎」
「元々テメェは部外者なんだ‼︎覚悟もねぇ奴は引っ込んでろ‼︎」
「そうだ‼︎部外者は引っ込んでろ‼︎」
不良君達の言葉にリーネは顔を顰める。
人殺しというのが事実かどうかなんてリーネには分からないのです。
ですが、それはこの青年君のデッキを奪うことは何の関係もない。
そのうえ、リーネのデッキまで差し出せというのです?
頭にくるのです‼︎
堪忍袋の緒が切れたのです‼︎
「上等なのです‼︎勝てたらデッキでも何でも持ってくといいのです‼︎その代わり、こちらが勝ったらこの子のデッキは返して貰うのです‼︎」
「………はっ?」
リーネの切った啖呵に、青年君が間の抜けた声を出す。
「アンタ、なんで………」
困惑する青年君の目を真っ直ぐに見つめ返しリーネは言葉を紡ぐ。
「デッキは決闘者の魂です。その魂を奪われたあなたを、お姉さんはほっておくことはできないのです」
「いや、そもそも俺とアンタは他人で‼︎アンタのデッキまで賭ける必要なんて………‼︎」
「あなたの魂を賭けて貰うのです。それぐらいの代償を払わないと、お姉さんも立つ瀬がないのです‼︎それに、あなたは今戦えないんですよね?」
リーネの言葉に、青年君は思わずと言った風に目を逸らす。
そんな青年君に、リーネは安心させるように優しい笑顔を浮かべる。
「なら、戦えないあなたの代わりに、お姉さんが戦ってあげるのです‼︎こう見えて、お姉さんは凄く強いですから、心配なんていらないのですよ‼︎」
「いや、だけど………‼︎」
それでも何とかリーネを巻き込むまいとする青年君の頭を、リーネは優しく撫で、満面の笑みを浮かべた。
「大丈夫なのです‼︎お姉さんにドドーンとお任せなのです‼︎」
「えっ………や………」
リーネの言葉に、青年君が言葉を詰まらせる。
大丈夫なのです。
あなたのデッキはちゃんとリーネが取り戻してあげるのですよ‼︎
リーネはデュエルディスクを起動して、デッキを奪った不良君に向けて構える。
「さあて、それじゃあやるとするのです‼︎」
「………テメェ、正気か?」
その条件を呑んでくるとは思わなかったのだろう。
不良君が理解出来ないものを見るような目でリーネを見る。
それに対してリーネは不敵に笑って見せた。
「ふふん、勿論正気なのです‼︎さぁ、人の魂がこもったデッキを奪う悪い子さんにはお姉さんがお仕置きしちゃうのです‼︎」
「っ………舐めやがって、できるものならやって見やがれ‼︎」
『決闘‼︎』
リーネ LP8000
不良君 LP8000
ーーーーーーー
「先攻は俺だ‼︎魔界発現世行きデスガイドを召喚‼︎」
〈魔界発現世行きデスガイド〉☆3 悪魔族 闇属性
ATK1000
フィールドに現れたのはバスガイドのような格好をした悪魔の女の子のモンスター。
「魔界発現世行きデスガイドの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時に手札・デッキから悪魔族・レベル3モンスター1体を特殊召喚する‼︎この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され、シンクロ素材にできない。俺はデッキからクリッターを特殊召喚‼︎」
〈クリッター〉☆3 悪魔族 闇属性
ATK1000
さらにデスガイドの隣に三つ目の毛玉のような悪魔が現れる。
「俺に逆らったことを後悔させてやるぜ‼︎招来せよ‼︎悪魔を生み出すサーキット‼︎」
「早速リンク召喚をしてくるですか」
不良君が手をかざすと、正面に大きなサーキットが現れる。
「召喚条件はレベル3モンスター2体‼︎俺は魔界発現世行きデスガイドとクリッターをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎パーペチュアルキングデーモン‼︎」
〈パーペチュアルキングデーモン〉LINK 2 悪魔族 闇属性
ATK2000 ↙︎ ↘︎
デスガイドとクリッターがサーキットに吸い込まれると、骨の身体を持つ悪魔のモンスターが現れた。
「墓地に送られたクリッターの効果発動‼︎のカードがフィールドから墓地へ送られた場合、デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える‼︎ただし、このターン、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの発動ができない。俺はデッキからサイバーデーモンを手札に加えるぜ‼︎まだまだ行くぞ、魔法カード、闇の誘惑‼︎デッキから2枚ドローして、その後手札にある闇属性モンスター1体を除外する‼︎俺は2枚ドローし、サイバーデーモンを除外する。そしてフィールド魔法、チキンレースを発動‼︎」
不良君がフィールド魔法を発動すると、公園の景色が崖の上に変化する。
「このカードがフィールドゾーンに存在する限り、相手よりライフポイントが少ないプレイヤーが受ける全てのダメージは0になる‼︎さらにライフポイントを1000払ってチキンレースの効果発動‼︎」
不良君 LP8000→7000
「お互いのプレイヤーは1ターンに1度、自分メインフェイズに1000ライフポイントを払って3つの効果から1つを選択して発動できる‼︎この効果の発動に対して、お互いは魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。デッキから1枚ドロー、このカードの破壊、相手のライフポイントを1000回復する効果だ。俺は1つ目の効果を使いカードを1枚ドローする‼︎そしてこの瞬間、パーペチュアルキングデーモンの効果発動‼︎ブラッドコントラクト‼︎」
「さっき出したリンクモンスターの効果ですか」
「自分がライフポイントを払った場合に発動できる。その数値と同じ攻撃力か守備力の悪魔族モンスター1体をデッキから墓地へ送る‼︎俺はデッキから払ったライフポイントと同じ、攻撃力1000のトリックデーモンを墓地に送る‼︎さらに墓地に送られたトリックデーモンの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、効果で墓地へ送られた場合、または戦闘で破壊され墓地へ送られた場合、デッキから同名カード以外のデーモンカード1枚を手札に加える‼︎俺はデッキからデーモンの降臨を手札に加える‼︎」
「手札が最初より増えてるですね………思ってたより繊細なプレイングなのです」
「ハッ‼︎余裕ぶるのも今の内だ‼︎今日の俺はすこぶる調子がいいんだからよぉ‼︎儀式魔法、高等儀式術を発動‼︎」
「儀式魔法………」
「レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、デッキから通常モンスターを墓地へ送り、手札から儀式モンスター1体を儀式召喚する‼︎俺はデッキからレベル6の通常モンスター、デーモンの召喚を墓地に送り儀式召喚を行う‼︎」
崖の上に遺跡が現れ、そこに白い身体の悪魔が入っていく。
遺跡が光り輝くと、中から現れたのは青い雷を纏った悪魔。
「儀式召喚‼︎青き稲妻に導かれて降臨せよ‼︎デーモンの降臨‼︎」
〈デーモンの降臨〉☆6 悪魔族 闇属性
ATK2500
「デーモンの降臨を降臨させたですか………」
「テメェ‼︎馬鹿にしてやがるだろ⁉︎」
「えっ?何がなのです?」
リーネが首を傾げると、不良君は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「チッ、天然かこの女………デーモンの降臨はモンスターゾーンに存在する限り、カード名をデーモンの召喚として扱う‼︎そしてデーモンの降臨の永続効果、リチュアルライトニング‼︎フィールドのこのカードは、儀式モンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されず、儀式モンスター以外のモンスターの効果では破壊されない‼︎」
「儀式モンスター以外のモンスター耐性………中々厄介な耐性です」
「そしてコイツの耐性を利用すればこんなことも出来んだぜ‼︎自分フィールドにデーモンカードが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる‼︎来やがれ、デーモンの将星‼︎」
〈デーモンの将星〉☆6 悪魔族 闇属性
ATK2500
刺々しい身体を持つ悪魔がフィールドに現れる。
「ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはこのターン攻撃できず、特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのデーモンカード1枚を破壊しなければならない」
「………成る程です。デーモンの降臨でその効果をやり過ごすつもりですか」
「ぎゃはははは‼︎その通りだよ‼︎俺はデーモンの将星の効果でデーモンの降臨を破壊する‼︎だが、デーモンの降臨は破壊されない‼︎」
将星が降臨に雷を落とすが、落とされた雷の中で降臨は平然としていた。
「まだまだショーは終わらないぜ?魔法カード、思い出のブランコ‼︎自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。 蘇れ、デーモンの召喚‼︎」
〈デーモンの召喚〉☆6 悪魔族 闇属性
ATK2500
崖の上にあった木にいつのまにかブランコが現れ、ブランコを漕いでいた召喚がブランコから飛び降りるとフィールドに着地する。
「そしてライフポイントを2000払って魔法カード、超越融合‼︎」
「今度は融合魔法なのですね」
不良君 LP7000→5000
「融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスター2体を自分フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎このカードの発動に対してカードの効果は発動できない‼︎俺はデーモンの召喚と闇属性のデーモンの将星を超越融合‼︎」
フィールドに稲妻が迸り、巨大な渦が現れる。
その巨大な渦に召喚と将星が吸い込まれていく。
そして渦の中から巨大な雷がフィールドに落ち、光が収まると、そこにいたのは紫電を纏った悪魔。
「原初の悪魔よ、将たる悪魔よ‼︎今交わりて、ここに顕現せよ‼︎融合召喚‼︎デーモンの顕現‼︎」
〈デーモンの顕現〉☆6 悪魔族 闇属性
ATK2500
「次はデーモンの顕現を顕現させたですか」
「やっぱりテメェ馬鹿にしてやがるだろ⁉︎」
「だから何がなのです?」
リーネが首を傾げると、不良君は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「チッ、ウザってぇ‼︎デーモンの顕現はモンスターゾーンに存在する限り、カード名をデーモンの召喚として扱う‼︎そしてデーモンの顕現の永続効果、フュージョンライトニング‼︎このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのデーモンの召喚の攻撃力は500ポイントアップする‼︎デーモンの顕現もデーモンの降臨もモンスターゾーンではデーモンの召喚だ‼︎攻撃力は500ポイントアップするぜ‼︎」
デーモンの顕現
ATK2500→3000
デーモンの降臨
ATK2500→3000
「さらに再びパーペチュアルキングデーモンの効果発動‼︎ブラッドコントラクト‼︎」
「っ、1ターンで何回も使える系統の効果でしたか」
「俺はデッキから払ったライフポイントと同じ、守備力2000の彼岸の悪鬼 スカラマリオンを墓地に送る‼︎」
意外と色々やってくるですね………もう少し大雑把なデュエルをしてくると思ってたですが、人は見かけによらないのです。
「まだ終わりじゃねぇぞ‼︎墓地の超越融合の効果発動‼︎このカードを除外し、このカードの効果で融合召喚したモンスター1体を対象としてそのモンスターの融合召喚に使用した融合素材モンスター一組を自分の墓地から特殊召喚する‼︎ただしこの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効化される。デーモンの顕現を対象に蘇れ、デーモンの召喚‼︎デーモンの将星‼︎」
〈デーモンの召喚〉☆6 悪魔族 闇属性
DEF1200→0
〈デーモンの将星〉☆6 悪魔族 闇属性
DEF1200→0
再びフィールドに現れる召喚と将星。
守備力は0になってるですけど、2体のレベルは共に6。
これは………来るですね。
「俺はレベル6、デーモンの召喚とデーモンの将星でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」
「やっぱりエクシーズ召喚ですか」
召喚と将星が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。
そして渦が爆けるとそこに現れたのは禍々しい角を持つ紫電を纏った悪魔。
「原初より世界に存在する悪魔よ‼︎今こそ全てを超越せよ‼︎ランク6‼︎デーモンの超越‼︎」
〈デーモンの超越〉★6 悪魔族 闇属性
ATK2500
「デーモンの超越もモンスターゾーンに存在する限り、カード名をデーモンの召喚として扱う‼︎つまり、デーモンの顕現の効果で500ポイント攻撃力がアップする‼︎」
デーモンの超越
ATK2500→3000
「さらにデーモンの超越の効果、オーバーソウルライトニングにより自分フィールドのデーモンの召喚が戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードのオーバーレイユニットを1つ取り除く事ができる‼︎」
「戦闘・効果耐性を付与するデーモン………いきなり儀式、融合、エクシーズ召喚をしてくるとは………敵もさるもの引っ掻くものです」
「カードを1枚伏せて、エンドフェイズに墓地に送られた彼岸の悪鬼 スカラマリオンの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズ、デッキから同名カード以外の悪魔族・闇属性・レベル3モンスター1体を手札に加える‼︎俺はデッキからガーベージオーガを手札に加え、ターンエンドだ‼︎」
リーネ LP8000 手札5
ーーーーー ー
ーーーーー
☆ ー
○○○ーー
ーー▲ーー ▽
不良君 LP5000 手札1
「リーネのターン、ドローなのです‼︎」
「さあ、俺のデーモン軍団を突破できるものならしてみやがれ‼︎」
そういって不良君が自信満々に高笑いをする。
確かに厄介な布陣ではあるですけど………
「別に馬鹿正直にあなたのデーモン軍団を突破する必要はないのですよ。単純に、あなたを倒せればいいのです」
「………は?」
不良君が意味が分からないとでも言うように首を傾げる。
分からないなら分からないでもいいのです。
ただ、デュエルが終わるだけなのです。
『リーちゃん、行こう』
「さあて、いっちょやらかすですよ‼︎自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できるのです‼︎」
リーネがカードをデュエルディスクにセットすると、天空より白い羽根が降り注ぐ。
そして天空より鳥をモチーフとした帽子を被った天使がフィールドに舞い降りた。
「光と闇を番う天翔ける守護者の牙‼︎ガーディアンエアトスなのです‼︎」
〈ガーディアンエアトス〉☆8 天使族 風属性
ATK2500
『私の出番。それじゃあ、始めよう』
「ガーディアンエアトス⁉︎そいつがテメェの切り札か‼︎」
「まずは下準備なのです‼︎デッキの一番上のカードを墓地へ送って、魔法カード、アームズホールを発動なのです‼︎自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を選んで手札に加えるのです‼︎ただし、このカードを発動するターン、自分は通常召喚できないのです。リーネはデッキから装備魔法、妖刀竹光を手札に加えるのです‼︎さらにライフポイントを1000払ってリーネもチキンレースの効果を発動なのです‼︎1つ目の効果を使いカードを1枚ドローするのです‼︎」
リーネ LP8000→7000
「それじゃあ行くですよ‼︎装備魔法、妖刀竹光をガーディアンエアトスに装備するのです‼︎」
エアトスの手元に禍々しい竹刀が現れる。
「そしてガーディアンエアトスの効果発動なのです‼︎ハイリヒグランツ‼︎このカードに装備された自分フィールドの装備魔法カード1枚を墓地へ送り、相手の墓地のモンスターを3体まで対象としてそのモンスターを除外し、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で除外したモンスターの数×500ポイントアップするのです‼︎」
「何だと⁉︎」
「装備されていた妖刀竹光を墓地に送りリーネが対象にするのはあなたの墓地に眠る、魔界発現世行きデスガイド、クリッター、彼岸の悪鬼 スカラマリオン‼︎」
リーネがそういうのと同時に、エアトスが手にしていた竹刀が不良君の墓地にいたモンスター達の魂を吸収し、砕け散る。
しかし、吸収され浄化された魂がエアトスに吸い込まれ、力を与える。
ガーディアンエアトス
ATK2500→4000
「攻撃力4000⁉︎」
「まだ終わりじゃないのですよ?墓地に送られた妖刀竹光の効果発動なのです‼︎デッキから妖刀竹光以外の竹光カードを手札に加えるのです。リーネはデッキから装備魔法、折れ竹光を手札に加えるのです‼︎さらに速攻魔法、異次元からの埋葬を発動なのです‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体まで対象としてそのモンスターを墓地に戻すのです‼︎リーネはさっき除外した魔界発現世行きデスガイド、クリッター、彼岸の悪鬼 スカラマリオンを墓地に戻すのです‼︎」
「っ⁉︎ってことは………‼︎」
「それじゃあ行くですよ‼︎装備魔法、折れ竹光をガーディアンエアトスに装備するのです‼︎そして再びガーディアンエアトスの効果発動なのです‼︎ハイリヒグランツ‼︎装備されていた折れ竹光を墓地に送り、リーネが対象にするのはあなたの墓地に眠る、魔界発現世行きデスガイド、クリッター、彼岸の悪鬼 スカラマリオンなのです‼︎」
エアトスが手にした折れた竹刀に不良君の墓地に戻ったモンスター達の魂が集まり砕け散る。
そして再び吸収され浄化された魂がエアトスに吸い込まれ、力を与える。
ガーディアンエアトス
ATK4000→5500
「クッ、俺の墓地のモンスターが全て吸収されて………」
「まだまだ終わりじゃないのです‼︎装備魔法、︎女神の聖剣-エアトスをガーディアンエアトスに装備するのです‼︎装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップするのです‼︎」
ガーディアンエアトス
ATK5500→6000
天空から聖剣が舞い降りて、エアトスの手元に収まる。
「攻撃力6000⁉︎だ、だが、チキンレースがある限りどんなに攻撃力を上げようとも………‼︎」
「ならチキンレースを破壊してしまえばいいだけなのです。速攻魔法、ダブルサイクロンを発動なのです‼︎自分フィールドの魔法・罠カード1枚と、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象としてそのカードを破壊するのです‼︎リーネは女神の聖剣-エアトスとチキンレースを破壊するのです‼︎」
エアトスが聖剣を崖に投げつけると、崖に突き刺さった聖剣から竜巻が発生し、フィールドとして展開されていたチキンレースを吹き飛ばした。
ガーディアンエアトス
ATK6000→5500
「チ、チキンレースが破壊されて………」
「それだけじゃないのです‼︎墓地に送られた女神の聖剣-エアトスの効果発動なのです‼︎このカードがフィールドから墓地へ送られた時、自分フィールドのガーディアンエアトス1体を対象としてそのモンスターの攻撃力は除外されているモンスターの数×500ポイントアップするのです‼︎」
「なっ⁉︎それじゃあ⁉︎」
「除外にはガーディアンエアトスの効果で除外した3体と闇の誘惑で除外されているサイバーデーモンの合計4体のモンスターがいるのです‼︎よって、ガーディアンエアトスの攻撃力は………」
ガーディアンエアトス
ATK5500→7500
「攻撃力………7500だとっ⁉︎」
「バトルフェイズなのです‼︎ガーディアンエアトスでパーペチュアルキングデーモンを攻撃‼︎ダメ押しなのです‼︎速攻魔法、アクションマジック-フルターンなのです‼︎このターン、モンスター同士の戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは倍になるのです‼︎」
「っ、そんな攻撃通せるか‼︎チェーンしてリバースカードオープン‼︎1000ライフポイントを払い、永続罠、光の護封霊剣を発動‼︎」
不良君 LP5000→4000
「相手モンスターの攻撃宣言時に1度、1000ライフポイントを払ってその攻撃を無効にする‼︎これでーーー」
「残念ながらそれじゃあリーネの攻撃は防げないのです。さらにチェーンして速攻魔法、禁じられた聖槍を発動なのです‼︎フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が800ポイントダウンし、このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けなくなるのです‼︎対象はガーディアンエアトスなのです‼︎」
「なっ⁉︎それじゃあ………」
「チェーン処理に移るですよ。ガーディアンエアトスは禁じられた聖槍の効果を受け、攻撃力が800ポイントダウンして、このカード以外の魔法・罠の効果を受けなくなるのです‼︎」
ガーディアンエアトス
ATK7500→6700
エアトスの手元に聖槍が現れ、エアトスの身体を聖なるオーラが包み込む。
「次に光の護封霊剣の効果が発動しますが、ガーディアンエアトスは禁じられた聖槍の効果を受け、禁じられた聖槍以外の魔法・罠の効果を受けないため、意味を無さないのです」
空から不良君を守るように何本もの光の剣が落ちてくるが、エアトスが光の剣に向けて聖槍を投げると1本の光の剣が粒子に変わり、防壁に穴が空く。
「最後にアクションマジック-フルターンの効果でこのターン、モンスター同士の戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは倍になるのです‼︎」
「っ、お、俺はパーペチュアルキングデーモンの効果発動‼︎ブラッドコントラクト‼︎俺はデッキから払ったライフポイントと同じ、攻撃力1000の2枚目のトリックデーモンを墓地に送る‼︎さらに墓地に送られたトリックデーモンの効果発動‼︎俺はデッキからエキセントリックデーモンを手札に加える‼︎」
「そんなのもう関係ないのです‼︎
『私の絶唱、受けてみて‼︎』
エアトスが綺麗な声色で祈りの歌を絶唱し、その音色は風の刃に変わり、パーペチュアルごと不良君を斬り刻んだ。
「ぎゃあああ‼︎」
不良君 LP4000→0
ーーーーーーー
「ば………馬鹿な………ワンターンキル、だと?」
「リーネの勝ちなのです‼︎約束通り、その子のデッキは返して貰うのですよ‼︎」
「っ………ふざけんな‼︎誰が返すかよ‼︎」
「っ、危ねぇ‼︎」
リーネに負け、逆上した不良君は拳を握りしめ、リーネに向かって振り抜く。
「おっと、おいたがすぎるのです、よ‼︎」
「がっ‼︎イダダダダ‼︎」
しかし、あまりにも隙が多過ぎるパンチを、リーネはさらりと躱してその拳を捻りあげ、不良君が持っていた青年君のデッキを奪い返すとその足を払いながら突き飛ばして地面に転がした。
これでもリーネは社長令嬢なのです。
護身術の類いは幼い頃から習っているのでそこらの不良君の拳なんて怖くとも何ともないのです。
リーネは取り返したデッキを持って青年君に近づき、そのデッキを差し出した。
「どうぞなのです‼︎あなたのデッキなのですよ」
「あ、ああ………ありがとう」
青年君が困惑しながらもリーネからデッキを受け取る。
すると、リーネとデュエルをしなかったもう1人の不良君が怒声を上げた。
「このアマ‼︎よくもやってくれやがったな‼︎」
「あなた達が悪いことをするから天罰が下っただけなのです。リーネに怒るのは筋違いなのですよ」
「っ、テメェ、ふざけんな‼︎今度は俺とデュエルしやがれ‼︎俺がテメェをぶっ壊してやる‼︎」
「物騒な子なのです。まあ、デュエルと言うのであればリーネだって受けて………」
そういってリーネが再びデュエルディスクを構えようとすると、そんなリーネを制するように青年君が手を出してデュエルディスクを起動した。
「これ以上、アンタに迷惑なんてかけれねぇよ。デッキが返ってきた以上、これは俺の喧嘩だ」
「とはいえ、不良君はリーネにデュエルを申し込んできてるですよ?」
「こんなの相手にアンタの時間を無駄にする必要なんてねぇよ。俺で十分だ」
そういって、青年君がリーネの前に出る。
そんな青年君を見て、不良君は怒りの形相で怒鳴る。
「っ、人殺し風情が吠えやがって‼︎」
「その人殺し風情にデッキを奪うって手段が無ければ戦えない小者風情が何言ってんだ。そういうのは俺に勝ってから言うんだな」
「っ、ぶっ殺す‼︎」
「できねぇよ、お前には。そんな言葉を出してる時点でな」
『決闘‼︎』
青年君 LP8000
不良君 LP8000
ーーーーーーー
「先攻は俺か、悪くない手札だ。手札から
「チッ、いきなり面倒なカードを………」
「さらに魔法カード、予想GUYを発動‼︎自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードは発動できる。デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚する‼︎来い、クィーンズナイト‼︎」
〈クィーンズナイト〉☆4 戦士族 光属性
DEF1600
青年君の前に現れたのは赤い鎧を身に纏った女性の騎士。
「俺はキングスナイトを召喚‼︎」
〈キングスナイト〉☆4 戦士族 光属性
ATK1600
さらにクィーンズナイトの横に並び立ったのは黄金の鎧を身に纏った騎士が現れる。
あのカードは確か絵札の三銃士と呼ばれていたカードだったハズなのです。
そして絵札の三銃士はクィーンとキングが揃った時、新たな騎士を招集する。
「キングスナイトの効果発動‼︎自分フィールドにクィーンズナイトが存在し、このカードを召喚に成功した時、デッキからジャックスナイト1体を特殊召喚する‼︎集え、絵札の三銃士‼︎来い、ジャックスナイト‼︎」
〈ジャックスナイト〉☆5 戦士族 光属性
ATK1900
クィーンズナイトとキングスナイトが剣を掲げ、その剣に合わせるように剣を掲げる青い鎧の騎士が現れる。
「クッ、絵札の三銃士を揃えたか‼︎」
そして青年君は正面に手をかざす。
「そして、斬り開け‼︎運命に抗うサーキット‼︎」
青年君がそういって手を前に突き出すと、青年君の目の前に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は戦士族モンスター2体‼︎俺はジャックスナイトとキングスナイトの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎追想に生きる王女‼︎リンク2‼︎聖騎士の追想 イゾルデ‼︎」
〈聖騎士の追想 イゾルデ〉LINK 2 戦士族 光属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
ジャックスナイトとキングスナイトの2体がサーキットの中に消えると代わりに現れたのは金髪と白髪の2人の女性。
「聖騎士の追想 イゾルデの効果発動‼︎リンクレカレクション‼︎リンク召喚に成功した時、デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。ただし、このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。俺はデッキから
〈DーHEROドリルガイ〉☆4 戦士族 闇属性
DEF1200
イゾルデに導かれてフィールドに現れたのは運命を司るドリルを武器とする英雄。
あれはDーHEROシリーズですか。
数あるHEROシリーズの中で運命の名を持つ英雄。
他のHEROシリーズと合わせているのは見たことあるですけど、絵札の三銃士と合わせるなんて珍しい組み合わせのデッキを使っているのですね。
「DーHEROドリルガイの効果、それにチェーンして墓地に送られた妖刀竹光の効果発動‼︎デッキから妖刀竹光以外の竹光カードを手札に加える。俺はデッキから黄金色の竹光を手札に加える‼︎そしてDーHEROドリルガイの効果発動‼︎このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つDーHERモンスター1体を手札から特殊召喚する‼︎来い、
〈DーHEROダイヤモンドガイ〉☆4 戦士族 闇属性
DEF1600
ドリルガイがドリルを使って地面に風穴を開けると、地面から運命を司るダイヤモンドの身体を持つ英雄が現れた。
「これだけじゃ終わらないぜ‼︎魔法カード、フュージョンデステニー‼︎」
「っ、そのカードは………」
「このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できないが、自分の手札・デッキから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、DーHEROモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊され、このカードの発動後、ターン終了時まで自分は闇属性のHEROモンスターしか特殊召喚できない‼︎俺はデッキから
「DーHEROの3体融合だと⁉︎」
フィールドに現れた渦にデッキから3体の運命を司る英雄が飛び込んでいく。
そして渦が爆けると、現れたのは漆黒のマントを羽織った鋼鉄の英雄。
「融合召喚‼︎哀しき運命を覆す戦士‼︎
〈DーHEROドミネイトガイ〉☆10 戦士族 闇属性
ATK2900
「DーHEROドミネイトガイの効果発動‼︎フェイトプレセデンス‼︎自分メインフェイズ、自分または相手のデッキの上からカードを5枚確認し、好きな順番でデッキの上に戻す‼︎俺は自分のデッキの上から5枚を確認し、好きな順番でデッキの上に戻す‼︎」
「っ、自分の運命を書き換えたか………」
「これで俺の運命は決まった‼︎DーHEROダイヤモンドガイの効果発動‼︎プロミスドフェイト‼︎1ターンに1度、自分メインフェイズに自分のデッキの一番上のカードをめくり、それが通常魔法カードだった場合、そのカードを墓地へ送り、違った場合、そのカードをデッキの一番下に戻す。この効果で通常魔法カードを墓地へ送った場合、次の自分ターンのメインフェイズに墓地のその通常魔法カードの発動時の効果を発動できる‼︎その際にコスト、発動条件、誓約効果は無視される‼︎」
「何だと⁉︎お前のデッキの上は………‼︎」
「そう、DーHEROドミネイトガイにより操作されている。めくられたカードは通常魔法、運命のドロー‼︎墓地に送られ、次の発動が確定する‼︎」
青年君のデッキの上から運命のドローが墓地に送られる。
確かあのカードは結構厳しい発動条件と誓約効果があったハズですが、それを戦術で踏み倒すとはなかなかやるですね、あの子。
「俺はDーHEROダイヤモンドガイに装備魔法、折れ竹光を装備する。これ自体には何も効果はないが、さらに魔法カード黄金色の竹光を発動‼︎自分フィールドに竹光と名のついた装備魔法が存在する場合に発動でき、デッキからカードを2枚ドローする‼︎まだだ‼︎墓地に存在するDーHEROディアボリックガイの効果発動‼︎墓地のこのカードを除外してデッキから同名モンスター1体を特殊召喚する‼︎来てくれ、DーHEROディアボリックガイ‼︎」
〈DーHEROディアボリックガイ〉☆6 戦士族 闇属性
DEF800
フィールドに現れたのは運命を司る悪魔の姿をした英雄。
そして青年君は不敵な笑みを浮かべると1枚のカードを掲げた。
「そして、自分フィールドのDーHEROを含む3体のモンスター、DーHEROディアボリックガイ、DーHEROドリルガイ、クィーンズナイトをリリースし、手札からこのモンスターを特殊召喚する‼︎」
運命の英雄達とクィーンズナイトが粒子に変わり、空に集まっていく。
集まった粒子が弾けると、空から舞い降りたのは漆黒の翼を持つ漆黒の戦士。
その戦士はフィールドに降り立つと、力強い咆哮を上げた。
「忌まわしき運命を滅する気高き戦士‼︎
〈DーHEROドグマガイ〉☆8 戦士族 闇属性
ATK3400
「1ターン目から攻撃力3400のモンスターを呼び出しただと⁉︎」
「おーお見事なのです」
青年君のプレイングに思わず声を漏らしてしまう。
次のターンの布石を整えながら1ターン目からあれだけ強力なDーHEROを呼び出すとは、なかなか出来るものじゃないのですよ。
「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
青年君 LP8000 手札1
ーー▲ーー ー
○□ー○ー
☆ ー
ーーーーー
ーーーーー ー
不良君 LP8000 手札5
「俺のターン、ドロー‼︎」
「スタンバイフェイズ、墓地にいるDーHEROドローガイの効果、それにチェーンしてDーHEROドグマガイの効果発動‼︎デスティニーパニッシュ‼︎このカードを自身の効果で特殊召喚に成功した場合、次の相手のスタンバイフェイズに相手のライフポイントを半分にする‼︎」
「何だと⁉︎」
ドグマガイが不良君に手をかざすと不良君の足元と頭上に闇の結界が現れる。
ドグマガイが手を握ると、頭上の結界が勢いよく下降し、不良君を押し潰した。
不良君 LP8000→4000
「ぐっ………やってくれる‼︎」
「さらに墓地にいるDーHEROドローガイの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動できる‼︎このカードを墓地から特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。甦れ、DーHEROドローガイ‼︎」
〈DーHEROドローガイ〉☆4 戦士族 闇属性
DEF800
フィールドに現れたのは闇に染まった白い帽子を被り、マフラーをたなびかせる英雄。
「DーHEROドローガイの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードがHEROモンスターの効果で特殊召喚した場合、お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローする‼︎」
「手札補充か………だが、手札が増えたのはこちらも同じだ‼︎魔界発現世行きデスガイドを召喚‼︎」
〈魔界発現世行きデスガイド〉☆3 悪魔族 闇属性
ATK1000
さっきの不良君と同じようにデスガイドが姿を現わす。
この子も悪魔族デッキなのですね。
「魔界発現世行きデスガイドの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時に手札・デッキから悪魔族・レベル3モンスター1体を特殊召喚する‼︎この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され、シンクロ素材にできない。俺はデッキから魔犬オクトロスを特殊召喚‼︎」
〈魔犬オクトロス〉☆3 悪魔族 闇属性
DEF800
さらにデスガイドの隣に小さな魔犬が現れる。
「俺はカードを1枚セットし、手札の破械童子アルハの効果発動‼︎自分フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを破壊し、このカードを手札から特殊召喚する‼︎ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。俺はセットカードを破壊し、来やがれ、破械童子アルハ‼︎」
〈破械童子アルハ〉☆3 悪魔族 炎属性
DEF1500
セットカードを破壊して引き千切られた鎖を身につけた悪魔が現れる。
これで不良君のフィールドにはモンスターが3体。
だけど、それだけで終わりそうな感じでは無いのですよ。
「破壊された罠カード、破械雙極の効果発動‼︎セットされたこのカードが効果で破壊された場合、デッキから破械モンスター1体を特殊召喚する‼︎来やがれ、破械神の禍霊‼︎」
〈破械神の禍霊〉☆8 悪魔族 闇属性
DEF3000
現れたのは鎖に繋がれた獣の霊魂。
そして不良君は現れた禍霊を見て下卑た笑みを浮かべた。
「さあ、全部消しとばしてやるよ‼︎テメェのモンスターを‼︎テメェの聖騎士の追想 イゾルデを対象に破械神の禍霊の効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として、その相手モンスターと自分フィールドのこのカードのみを素材として闇属性リンクモンスター1体をリンク召喚する‼︎」
「っ、俺のモンスターを使ってリンク召喚⁉︎」
「俺に逆らったことを後悔させてやるぜ‼︎破戒せよ‼︎悪霊渦巻くサーキット‼︎」
不良君が手をかざすと、正面に大きなサーキットが現れる。
「召喚条件は破戒神モンスターを含むモンスター2体以上‼︎俺は破械神の禍霊とテメェの聖騎士の追想 イゾルデを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
禍霊がイゾルデに取り憑き、サーキットの中へ引き摺り込む。
そしてサーキットが輝くと現れたのは赤き獣の姿をした禍霊。
「リンク召喚‼︎リンク3‼︎破械神アルバ‼︎」
〈破械神アルバ〉LINK3 悪魔族 闇属性
ATK2400 ↙︎ ↑↘︎
「さあ、まだまだ行くぞ‼︎テメェのDーHERO ドグマガイを対象に破械神アルバの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてその相手モンスターと自分フィールドのこのカードのみを素材として同名カード以外の闇属性リンクモンスター1体をリンク召喚する‼︎」
「DーHERO ドグマガイも呑み込むつもりか………だが、チェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎D-フュージョン‼︎自分フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、戦闘・効果では破壊されない‼︎ただし、このカードの効果で融合召喚する場合、DーHEROモンスターしか融合素材にできない。俺はDーHERO融合モンスター、DーHEROドミネイトガイとDーHEROモンスター、DーHEROドグマガイを融合‼︎」
「っ、融合させることで対象から逃れたか‼︎」
取り憑こうとしたアルバを躱し、青年君のドグマガイとドミネイトガイが、フィールドに現れた渦に飛び込んでいく。
「哀しき運命を覆す戦士よ‼︎忌まわしき運命を滅する気高き戦士よ‼︎今交わりて、理想の未来を摑み取れ‼︎」
そして渦が爆けると、現れたのは黄金の鎧を身に纏った鋼鉄の英雄。
「融合召喚‼︎輝く運命を掴み取る戦士‼︎
〈DーHEROダスクユートピアガイ〉☆10 戦士族 闇属性
DEF3000
「チッ、対象がいなくなったことで破械神アルバの効果は不発する」
「DーHEROダスクユートピアガイの効果発動‼︎チェンジザフェイト‼︎このカードが融合召喚に成功した場合、自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎」
「何⁉︎更なる融合召喚だと⁉︎」
「俺が墓地に送り融合するのはフィールドのDーHEROダイヤモンドガイと手札のDーHEROドリームガイ‼︎」
ダスクユートピアガイが生み出した渦に、ダイヤモンドガイと道化師のような英雄が渦に飛び込んでいく。
「不屈なる運命の戦士よ‼︎夢を守護する運命の戦士よ‼︎今交わりて、暗黒に包まれし運命に抗え‼︎」
そして渦が爆けると、現れたのは漆黒の闇を纏いし暗黒の英雄。
「融合召喚‼︎終末の運命へと至りし戦士‼︎
〈DーHEROディストピアガイ〉☆8 戦士族 闇属性
DEF2400
「チッ、次から次へと‼︎」
「DーHEROディストピアガイの効果発動‼︎ダークネスフェイト‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のレベル4以下のDーHEROモンスター1体を対象としてそのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える‼︎」
「何だと⁉︎」
「俺が選ぶのはDーHEROドリルガイ‼︎DーHEROドリルガイの攻撃力、1600分のダメージを受けて貰うぜ‼︎」
ディストピアガイの手の平に暗黒の球体が現れ、そこにドリルガイの魂が吸収すれていく。
ディストピアガイが暗黒の球体を不良君に向けると、暗黒の球体から闇で出来たドリルが現れ、不良君の身体を貫いた。
不良君 LP4000→2400
「クッ、ウザってえ‼︎ちまちまちまちまライフを削りやがって‼︎それが英雄の名を持つ連中がすることかよ⁉︎」
「うるせぇな。喧嘩を売ってきたうえに人のデッキを奪ってくるような奴に優しい英雄である必要がどこにある?大体、こちとらダークヒーロー系なんだよ。ただのヒーローと一緒にすんな」
そういって青年君はどこか冷めた表情を浮かべる。
言ってることはちょっとアレなのですが、青年君のプレイングはかなり理にかなってるのです。
ドグマガイで相手のライフを削り取り、相手の追撃を融合して躱しながら更なる追撃を与える。
これじゃあどちらのターンなのか分かったものじゃないのです。
だけど、不良君の表情を見る限り、ここで終わるということも無さそうなのです。
「っ、イラッとくるぜ‼︎そんなに言うんならその英雄共を全部破壊しつくしてやる‼︎破戒せよ‼︎悪霊渦巻くサーキット‼︎」
不良君が手をかざすと、再び正面に大きなサーキットが現れる。
「召喚条件はリンクモンスターを含むモンスター2体以上‼︎俺は魔犬オクトロスと破械神アルバを3体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
「リンク4のモンスターか」
アルバとオクトロスがサーキットの中に吸い込まれていく。
そしてサーキットが輝くと現れたのは漆黒の獣の姿をした禍霊。
「リンク召喚‼︎全てを破戒し尽くす禍津神‼︎リンク4‼︎破械雙王神ライゴウ‼︎」
〈破械雙王神ライゴウ〉LINK4 悪魔族 闇属性
ATK3000 ↙︎ ↑↓↘︎
「リンク素材として墓地に送られた魔犬オクトロスの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードがフィールドから墓地へ送られた場合にデッキから悪魔族・レベル8モンスター1体を手札に加える‼︎俺はデッキから雙極の破械神を手札に加える‼︎そしてこれで俺の墓地の闇属性モンスターは3枚‼︎自分の墓地の闇属性モンスターが3体のみの場合、ダークアームドドラゴンを特殊召喚だ‼︎」
〈ダークアームドドラゴン〉星7 ドラゴン族 闇属性
ATK2800
現れるのは漆黒の鎧で武装された黒龍。
「ダークアームドドラゴンの効果発動‼︎自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外し、フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを破壊する‼俺は墓地の魔犬オクトロスを除外してDーHEROディストピアガイを破壊だ‼︎」
「チェーンしてDーHEROダスクユートピアガイの効果発動‼︎グローリアスフェイト‼︎1ターンに1度、フィールドのモンスター1体を対象としてこのターン、そのモンスターは戦闘・効果では破壊されず、そのモンスターの戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは0になる‼︎この効果は相手ターンでも発動できる‼︎」
「何だと⁉︎」
「対象は勿論、DーHEROディストピアガイだ‼︎」
「テメェ、どこまでもコケにしやがって‼︎なら、それにチェーンして相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、手札から怨念の
〈破械神の禍霊〉☆8 悪魔族 闇属性
DEF3000
怨念の邪悪霊に導かれ、再び禍霊が姿を現わす。
「蘇ってきたか。DーHEROダスクユートピアガイの効果で、DーHEROディストピアガイはこのターン、そのモンスターは戦闘・効果では破壊されず、そのモンスターの戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは0になる‼︎」
ダスクユートピアガイから黄金のオーラが放たれ、ディストピアガイの身体を包み込む。
ダークアームドの闇の刃がディストピアガイに放たれるが、その闇の刃は黄金のオーラに弾かれ、ディストピアガイに届くことはなかった。
「構うもんか‼︎それならテメェのターンでそいつを潰す方法を用意するだけだ‼︎破戒せよ‼︎悪霊渦巻くサーキット‼︎」
「またリンク召喚か」
「召喚条件は破戒神モンスターを含むモンスター2体‼︎俺は破械神の禍霊と魔界発現世行きデスガイドをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」
禍霊とデスガイドがサーキットの中へ吸い込まれていく。
そしてサーキットが輝くと現れたのは青き獣の姿をした禍霊。
「リンク召喚‼︎リンク2‼︎破械神ラギア‼︎」
〈破械神ラギア〉LINK 2 悪魔族 闇属性
ATK1800 ↑↓
「墓地に存在する怨念の邪悪霊の効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地に存在し、悪魔族・レベル8モンスターが自分の墓地へ送られた場合、このカードを手札に加える‼︎」
「手札に戻ったか」
「余裕ぶれるのも今の内だぜ‼︎破械神ラギアも破械神アルバと似たような効果を持っている‼︎同名カードは1ターンに1度、相手メインフェイズに、相手フィールドの特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象としてその相手モンスターと自分フィールドのこのカードのみを素材として同名カード以外の闇属性リンクモンスター1体をリンク召喚できる‼︎」
「っ、ということは俺のターンになれば俺のDーHEROを素材に新たな破械神アルバを出せるってわけか」
「俺はカードを1枚セットし、エンドフェイズに破械雙王神ライゴウの効果発動‼︎破戒爆雷‼︎自分・相手のエンドフェイズにフィールドのカード1枚を対象としてそのカードを破壊する‼︎破壊するのはテメェのDーHEROドローガイだ‼︎」
ライゴウが咆哮を上げるとライゴウの身体から雷が放たれ、ドローガイが消滅する。
「っ、毎ターンの破壊効果か………自身の効果で蘇生したDーHEROドローガイは除外される」
「ハッ、破械雙王神ライゴウの効果はこれだけじゃねぇ‼︎破械雙王神ライゴウには、破械雙王神ライゴウ以外のカードの効果でフィールドのカードが破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを破壊する効果とこのカード以外のモンスターが戦闘で破壊された時、フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを破壊する効果がある‼︎」
「どこまでも俺のカードを破壊し尽くすつもりか」
「次のテメェのターンにテメェのカードを破壊し尽くし、俺のターンでトドメを刺してやる‼︎精々最後のターンを楽しむんだな‼︎」
青年君 LP8000 手札1
ーーーーー ー
ーーー□ー
□ ☆
○□☆ーー
ーー▲ーー ー
不良君 LP2400 手札3
「俺のターン………」
さて、青年君の手札はドローも含めて2枚………いや、運命のドローを入れれば3枚。
フィールドにはダスクユートピアガイとディストピアガイがいるですが、ラギアとライゴウの効果を考えると防御としては不十分という感じなのです。
ライフポイントでは有利ですけど、状況的には青年君の方が不利。
この状況で、青年君は一体どんな手を打つのです?
そんなことを考えて何の気なしに青年君を見たリーネはその光景に思わず目を見開いた。
「状況的には俺が不利………か。面白くなってきたな」
「あ………」
そこにあったのはずっと冷めた表情を浮かべていた青年君の、心底楽しそうな、子供っぽい笑顔。
その表情を見て、不良君は不愉快そうに表情を歪める。
「気味がわりぃ。自分が負けるかも知れねぇ状況で何を笑っていやがる?」
「ハッ、お前こそ何言ってるんだよ?負けるかも知れない?そんなもの関係ねぇよ」
そういうと青年君は不敵に笑いながら勢いよくカードをドローした。
「デュエルって言うのは、どんな状況でも楽しむものなんだよ。ドロー‼︎墓地に存在するDーHEROディアボリックガイの効果を発動‼︎墓地のこのカードを除外して、来てくれ、DーHEROディアボリックガイ‼︎」
〈DーHEROディアボリックガイ〉☆6 戦士族 闇属性
DEF800
フィールドに現れたのは3体目のディアボリックガイ。
「ハッ、そんな雑魚が1体増えたところで何が変わるってんだ‼︎そいつからどんなモンスターを呼び出そうと、俺の破械雙王神ライゴウと破械神ラギアがテメェのモンスターをーーー」
「好きに言ってろ。お前に選べる運命はもうない………お前はもう詰んでるよ。自分フィールドのモンスター3体、DーHEROダスクユートピアガイ、DーHEROディストピアガイ、DーHEROディアボリックガイをリリースし、手札からこのモンスターを特殊召喚する‼︎」
「何っ⁉︎」
3体の運命の英雄が粒子に変わり、空に集まっていく。
集まった粒子が弾けると、空から舞い降りたのは龍の鎧を見に纏った漆黒の戦士。
その戦士はフィールドに降り立つと、力強い咆哮を上げた。
「呪われた運命に抗う孤独の戦士‼︎
〈DーHERO BlooーD〉☆8 戦士族 闇属性
ATK1900
「なっ⁉︎そいつは………‼︎」
「DーHERO BlooーDの永続効果、シールデステニー‼︎このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される‼︎」
BlooーDの鎧から闇が吹き出し、辺りの風景が夜に変わる。
そのBlooーDから吹き出した闇により、不良君のモンスターは力を失っていた。
「クッ、俺のモンスター達が………だが、結局はそいつを潰しちまえば関係ねぇ‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動、破械唱導‼︎自分フィールドの破械モンスター1体とフィールドのカード1枚を対象としてそのカード2枚を破壊する‼︎俺が対象にするのは破械童子アルハとテメェのDーHERO BlooーD‼︎これでーーー」
「残念だが、そうはいかないぜ?ライフポイントを半分払い、手札からカウンター罠発動‼︎レッドリブート‼︎」
遊騎 LP8000→4000
「相手が罠カードを発動した時に発動できる‼︎その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする‼︎その後相手はデッキから罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。ただしこのカード発動後、ターン終了時まで罠カードは発動できないがな」
「何だと⁉︎………クッ、俺はデッキから破械雙極をセットする‼︎だ、だが、DーHERO BlooーDの攻撃力は1900‼︎次のターンでーーー」
「言っただろ、お前はもう詰んでるってな。DーHEROダイヤモンドガイで墓地においた運命のドローの発動時の効果を発動する‼︎デッキからカード名が異なるカード3枚を選んで相手に見せ、その3枚をシャッフルしてデッキの上に戻す。その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎本来このカードを発動するためには自分のライフポイントが相手より少なく、フィールドの攻撃力が一番高いモンスターが相手フィールドに存在する場合でなければならず、このカードの発動後、ターン終了時まで自分は魔法・罠カードをセットできず、魔法・罠・モンスターの効果を1度しか発動できなくなるが、DーHEROダイヤモンドガイで発動しているため、この誓約は適応されない」
「馬鹿な⁉︎ランダムとは言え、テメェの好きなカードが手札に加わるってのか⁉︎」
「俺はデッキから融合、闇の量産工場、貪欲な壺をシャッフルデッキの上におき、カードを1枚ドローする‼︎」
「馬鹿が‼︎血迷いやがったか⁉︎融合や闇の量産工場なんてもの今更ドローしてどうなるってんだ‼︎」
確かにこの状況でそんなカードをドローしてもどうしようも無さそうですけど、確かあの青年君の墓地には………
「それは全部ドローできない場合の話だろ?俺はカードを1枚伏せ、墓地に存在するDーHEROディバインガイの効果発動‼︎自分の手札が0枚の場合、自分の墓地からこのカードとDーHEROモンスター1枚を除外して自分はデッキから2枚ドローする‼︎ただし、この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できないがな」
「っ、ここで2枚ドローだと⁉︎ってことは………⁉︎」
「運命のドローで仕掛けたカードは全部加えれるってことだよ。俺は墓地に存在するDーHEROディバインガイとDーHEROドグマガイを除外して2枚ドローする‼︎魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在する聖騎士の追想 イゾルデ、DーHEROダスクユートピアガイをEXデッキに、DーHEROドリルガイ、DーHEROダイヤモンドガイ、キングスナイトをデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドローする‼︎まだ行けるみたいだな、魔法カード、HEROの遺産‼︎HEROモンスターを融合素材とする融合モンスター2体を自分の墓地からEXデッキに戻し、自分はデッキから3枚ドローする‼︎俺は墓地に存在するDーHEROディストピアガイ、DーHEROドミネイトガイをEXデッキに戻し、カードを3枚ドローする‼︎まだだ‼︎速攻魔法、大欲の壺‼︎除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルし、その後、自分はデッキから1枚ドローする‼︎俺は除外されているDーHEROドグマガイと2体のDーHEROディアボリックガイをデッキに戻してカードを1枚ドローする‼︎」
「何だと⁉︎」
「息もつかさぬ連続ドロー………凄いのです」
青年君の流れるようなドローに魅せられ、リーネは思わずそんな言葉を零してしまい、青年君のデュエルから目を離せなくなってしまう。
直感的に感じる。
きっとこの青年君はそれを持っている。
天性とも言えるドローの才能と、それに見合うデュエルを楽しむ心。
誰かにワクワクする気持ちを与える、決闘者としての才能が。
「墓地に存在するDーHEROディアボリックガイの効果を再び発動‼︎墓地のこのカードを除外して、来てくれ、DーHEROディアボリックガイ‼︎」
〈DーHEROディアボリックガイ〉☆6 戦士族 闇属性
DEF800
「さらにDーHEROディアボリックガイをリリースしてDーHEROダッシュガイをアドバンス召喚‼︎」
〈DーHEROダッシュガイ〉☆6 戦士族 闇属性
ATK2100
フィールドに現れたのはローラーでフィールドを走り抜ける運命の英雄。
「墓地に存在するDーHEROディアボリックガイの効果を再度発動‼︎墓地のこのカードを除外して、来てくれ、DーHEROディアボリックガイ‼︎」
〈DーHEROディアボリックガイ〉☆6 戦士族 闇属性
DEF800
「そして、斬り開け‼︎運命に抗うサーキット‼︎」
青年君がそういって手を前に突き出すと、再び青年君の目の前に巨大なサーキットが現れる。
「召喚条件は戦士族モンスター2体‼︎俺はDーHEROディアボリックガイとDーHEROダッシュガイの2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎追想に生きる王女‼︎リンク2‼︎聖騎士の追想 イゾルデ‼︎」
〈聖騎士の追想 イゾルデ〉LINK 2 戦士族 光属性
ATK1600 ↙︎ ↘︎
「聖騎士の追想 イゾルデの効果発動‼︎リンクレカレクション‼︎俺はデッキからキングスナイトを手札に加える‼︎これで準備は整った‼︎リバースカードオープン‼︎魔法カード、闇の量産工場‼︎自分の墓地の通常モンスター2体を対象としてそのモンスターを手札に加える‼︎俺は墓地からクィーンズナイトとジャックスナイトを手札に加える‼︎そして魔法カード、融合‼︎自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する‼︎」
「っ、ここで融合ということは‼︎」
「俺は手札の絵札の三銃士‼︎クィーンズナイト、キングスナイト、ジャックスナイトを融合‼︎」
フィールドに現れた渦に絵札の三銃士が飛び込んでいく。
そして渦が爆けるとその中から現れるのは黒い鎧を身に纏った漆黒の騎士。
「融合召喚‼︎運命に打ち勝つ勇敢なる騎士達の主‼︎アルカナナイトジョーカー‼︎」
〈アルカナナイトジョーカー〉☆9 戦士族 光属性
ATK3800
「アルカナナイトジョーカーまで呼び出しやがった………」
「さあ、終わりにしようぜ。DーHERO BlooーDの効果発動‼︎カースアブソーブ‼︎1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として、その相手モンスターを装備カード扱いとして1枚だけこのカードに装備し、このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の半分だけアップする‼︎対象は破械雙王神ライゴウ‼︎」
BlooーDがライゴウに手を伸ばすと、BlooーDの背中に付いている龍の爪がライゴウに放たれ、その爪に貫かれたライゴウはガラスのように砕け、粒子に変わるとBlooーDに吸い込まれていった。
DーHERO BlooーD
ATK1900→3400
「俺の破械雙王神ライゴウが‼︎」
「バトル‼︎アルカナナイトジョーカーで破械神ラギアを攻撃‼︎速攻魔法、アクションマジック-フルターン‼︎このターン、モンスター同士の戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは倍になる‼︎」
「何だと⁉︎っ、ダメージステップ開始時、手札から抹殺の
〈破械神の禍霊〉☆8 悪魔族 闇属性
DEF3000
ラギアを庇うように抹殺の邪悪霊に導かれ、再び禍霊が姿を現わす。
「関係ない‼︎行け、アルカナナイトジョーカー‼︎ロイヤルストレートフラッシュ‼︎」
アルカナナイトジョーカーが大剣を構えると、大剣に金色の光が集まっていく。
アルカナナイトジョーカーは勢いよくに禍霊突撃し、その大剣を振り下ろして禍霊を斬り伏せた。
「墓地に存在する抹殺の邪悪霊の効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地に存在し、悪魔族・レベル8モンスターが自分の墓地へ送られた場合、このカードを手札に加える‼︎」
「だが、効果が使えなければ意味はない‼︎これで終わりだ‼︎DーHERO BlooーDで破械神ラギアを攻撃‼︎」
BlooーDは足に闇を纏い、地面を強く蹴って跳び上がり、空中で一回転してラギアに向けて跳び蹴りの体勢に移る。
「貫け、デソレイションフィアー‼︎」
青年君の言葉にBlooーDが力を込めるとBlooーDが加速し、ラギアの身体ごと不良君を貫いた。
「んぎゃあああ‼︎」
不良君 LP2400→0
ーーーーーーー
「俺の勝ちだ。やっぱり、大したことなかったな」
「っ、クソっ、覚えてろよ‼︎」
そんな捨て台詞を残して不良君達が逃げていく。
まさかそんな昔の漫画みたいな捨て台詞を吐いて逃げる人がいるとは………ケルンは奥が深いのです。
逃げていった不良君達を見送った青年君はデュエルディスクを仕舞うとこちらに振り向いて頭を下げた。
「その、ありがとう、ございました。おかげで、助かりました」
「お礼なんていいのです。人として当然のことをしたまでですからね」
「………いい人だな、アンタ」
「っ………」
そういって、青年君が柔らかく笑う。
冷めた表情ばかり浮かべていた青年君のその笑顔に、不覚にもドキッとしてしまったのです。
「とにかく、助かった。この借りは絶対に返す。何か困ってることとか、俺にできることはないか?」
「困ってること………それじゃあ、お願いがあるのですが………」
「何だ?何でも言ってくれ」
「リーネにこの場所を教えて欲しいのですよ」
そういって、リーネはメモしてあったパパの会社の住所と会社の写真を青年君に手渡す。
青年君はメモと写真を見て不思議そうな表情を浮かべ、リーネの後ろを指差した。
「これって、あそこに見える建物じゃないか?」
「………えっ?」
リーネがぎこちなく振り向きながら青年君が指差した方を見ると、少し遠くにはあったのですが、確かにパパの会社が見えたのです。
ま、まさか、リーネは目視ができる場所で迷子になってたのです⁉︎
は、恥ずかしいのです‼︎
レディとして恥ずかし過ぎる失態なのです‼︎
「あ、ありがとう、なのです………」
「あ、ああ、役に立てたようなら良かった。とはいえ、これでお礼ってのもな………」
青年君が困ったように頰を掻く。
うぅ〜リーネのせいなのに、何だか申し訳ないのですよ。
他にリーネが青年君にしてほしいこと………してほしいこと………
「………あ」
考えを巡らせ視線を彷徨わせていたリーネの目に青年君がつけているデュエルディスクが入る。
さっき見た青年君のデュエル。
見ているだけでリーネをワクワクさせてくれたあのデュエル。
あのデュエルを、もっともっとたくさん見たい。
だからーーー
「じゃあ、もう1つ、お願いをいいですか?」
気付けば、リーネはそんな言葉を口にしていた。
そんなリーネに青年君は首を縦に降る。
「ああ、俺にできることなら」
「大丈夫なのです。むしろ、君にしかできないことなのですよ」
「俺にしかできないこと?」
リーネの言葉に、青年君は首を傾げる。
この言葉を口にするのは、少しドキドキするのです。
だけど、リーネはこの気持ちを誤魔化すことだけはできそうにないのです。
「君に………リーネの友達になって欲しいのです‼︎」
「………………は?」
それが、リーネと青年君ーーー遊騎君の始まりの物語だったのです。
ーーーーーーー
★
「ーーー思えば、出会ったあの時から、リーネは遊騎君のファンになっちゃったのですよ」
そういって、リーネさんは照れくさそうに笑う。
リーネさんの話を聞いて分かったことがある。
師匠がきっと赤の他人だった私を助けてくれたのは、このリーネさんとの出会いがあったからなのだ。
赤の他人だった師匠を助けたリーネさんの思いを嘘にしないために………同じ境遇だった私に、渡すためだったんだ。
「ああーリーネから話し始めたことですけど、ここでお話しはおしまいなのです。リーネも流石にちょっと恥ずかしいのですよ」
そういって、リーネさんは「さあて、何かいいカードはあるですかねー?おおっ‼︎これなんてどうなのです?きっと遊花ちゃんのデッキにはぴったりなのですよ‼︎」などと言ってわざとらしいリアクションを取りながら再びカードを探しはじめる。
リーネさんから師匠に渡された思い。
そして師匠から私に渡された思い。
この思いの名は、何なのだろう?
そんなことを、ふと思った。
次回予告
遊騎の護衛をするために病院に残った桜は闇のカードによるデュエルでは自分が役に立てないことに思い悩む。
そんな桜に、炎は闇のカードには関わらない方がいいと忠告をする。
反発する桜に、炎は自身の過去を語る。
それは、桜の手にした転生炎獣に纏わるものだった。
次回 遊戯王Trumpfkarte
『愛念の送り火』
次回も会話回。
遊花とリーネが『Natural』を訪れている間の桜と炎のお話です。
桜、そして炎視点の予定です。
デュエルもあるかもです。
次回をお楽しみに。
それじゃあ今回はここまで。
最近はレジェンドデュエリスト編だったりリンクヴレインズパックだったりシャドールだったり色々情報も出てきてますね。
レジェンドデュエリストではブラックマジシャンとレッドアイズが融合したり、ネオスワイズマンの強化が来たり、シューティングスターがTGと合体したり、ここにきてズババモンスターが増えたり、オッドアイズドラゴンに派生が増えたり、面白そうなカードがたくさんです。
ウィザードドラゴン………きっとパイロフェニックスさんを超栄養太陽の中に蹴り飛ばすんだろうな………お前にフィナーレはない。
リンクヴレインズはついに捕食植物にリンクが出ましたね。
また色々悪用されそう。
シャドールはリバースの強化。
エリアルさんいつ取り込まれたの?
またデッキ作りが楽しくなりそうです。
それでは今回はここでお開き。
ではでは〜