遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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大変長らくお待たせしました。
持病の悪化、職場の異動、その他諸々相まって大変遅くなってしまいました。
本当に申し訳ありません。
今回は夜と大和のデュエル回です。
第3者視点でお送りします。
それでは本編へGO‼︎





第88話 不揃いな決闘者

 

 

「ふむふむ、貴重な情報ありがとうございました‼︎」

 

「いえいえ‼︎あ、あの‼︎よかったら、サインを貰えませんか‼︎」

 

「フッフッフ、勿論いいですよ。色々お話を聞かせて貰ったですから。でも、そんなメモ帳じゃ寂しいですよね?」

 

狼狽し若干怪しい挙動をしながらメモ帳を取り出した女性に、サインを強請られた少女ーーー雨夜 美傘は持っていたメモ帳をしまうとカバンからミニ色紙を取り出して、さらさらとサインを書き手渡した。

 

「っ‼︎ありがとうございます‼︎」

 

「えへへ。このことは内緒ですよ?それじゃあ、ありがとうございました‼︎」

 

満面の笑みを浮かべる女性に、美傘は変装用のサングラスをずらして笑顔で口元に人差し指を当て、ウインクを決めながらその場を後にする。

 

少し離れた場所にあるベンチに腰をかけた美傘に、隣のベンチに座っていたパーカーを被った中性的な人物が声をかける。

 

「お疲れ様。相変わらず、美傘は人の話を聞くのとファンサービスが得意だよね」

 

「それを言うなら、夜ちゃんだって相変わらず、不思議なくらい周りに人が寄ってこないですよね」

 

そんな美傘の言葉に、声をかけた人物ーーー眼竜 夜は苦笑いを浮かべながらひらひらと手を振った。

 

「ちょっとした変装技術と視線誘導さえできればこのくらいはね」

 

「そういうのはあんまりだなぁ、私」

 

「まぁ、美傘は目立ちがり屋だからね」

 

「うっ、ソ、ソンナコトナイデスヨ………」

 

夜の言葉に美傘は思わず視線を逸らしながら消え入りそうな声で答える。

 

美傘も夜もプロ決闘者として活動しているため、ケルンではかなりの有名人だ。

 

容姿も可愛らしいため、変装しないで街中を歩けばすぐに目を付けら、街中を歩けばファンに囲まれる………とまでは行かなくとも、行動に難儀するくらいには人を引き寄せてしまうのだ。

 

しかし、そこは流石と言うべきか、夜は非常に変装が上手い。

 

それは付き合いの長い美傘でもパッと見ではわからないほどだ。

 

今だって、周りに沢山の人がいるのにまるで夜に目をやることさえない。

 

何なら、周囲の人が無関心すぎて美傘は逆に怖いくらいだ。

 

視線誘導ーーーミスディレクションという手品などで種を仕込む時に行う技術を夜は普段から使いこなしていた。

 

「それで、何かわかったかい?天神 幻騎や行方不明になってるプロ決闘者やデュエルアカデミア生について?」

 

「めぼしい情報はまだないかなぁ。一応、似たような人を見かけたとか言う情報はあったけど、又聞きの話が多いから分からないんだよね。 どこまでが本物でどこまでが意図的な物か(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

そう言って美傘はカバンからメモ帳を取り出すと、そこに記してある自分が集めた情報を整理しながら真剣な表情を浮かべる。

 

「まず天神 幻騎の目撃情報は完全にデマだと思うから気にしない。今までのことからして天神 幻騎ってかなり計画的に動いてるし、正体不明の抹消者( アンノウンイレイザー)とか言う情報を消せるような人間がいるんだもん。そんな迂闊な方法は取らないよ」

 

「………それなら調べる意味がなくないかい?」

 

「意味ならあるよ。偽の情報で居場所を絞らせるってことはそこに 罠かそれに類するものがある(・・・・・・・・・・・・・)ってことだと思うし。案外そういうところに正体不明の抹消者( アンノウンイレイザー)や行方不明のプロ決闘者がいるんじゃないかな」

 

「………自分を探ってる人間を消すためにってことかい?」

 

「推測に過ぎないけどね。遊騎さんが自由に動けない現状で突くのはちょっと危ないかなって感じだよね」

 

冷静にそう言う美傘を見て、夜は何とも言えない表情で口を開く。

 

「なんだろう………美傘が真面目な表情で考察してるのって、すごく違和感あるね」

 

「なんでです⁉︎美傘はいつも真面目ですよ⁉︎」

 

「ごめんごめん。真面目にふざけてるんだよね」

 

「ふざけてないですよ⁉︎みんなに笑顔になってもらうために一生懸命なだけですよ⁉︎」

 

衝撃を受けたように騒ぎ出す美傘に夜は苦笑いを浮かべる。

 

その一生懸命さが空回りしてふざけてるように見えるというのを夜は言わないでおいた。

 

そんなことを諭しても誰も幸せになれないからである。

 

「それで、他の情報は?」

 

「な、なんだかとても大事なことを簡単に流された気が………」

 

「今は緊急事態だからね」

 

「な、なんか納得がいかないけど………まぁいいですよ。デュエルアカデミア生の目撃情報ついての情報はある程度信用できると思う。言い方は悪いけど闇のカードに操られてるだけの捨て駒だろうから」

 

「それは同意だね。デュエルセキュリティには暴れてもその子にしか目がいかないだろうし。操られてるなんてオカルト的な領分は考慮もしないでしょ」

 

「こういう事件を調べる程にデュエルセキュリティの役立たずさがよく理解できるんだよね。闇さんが嫌悪するハズだよ」

 

美傘と夜は同時にため息を吐く。

 

遊騎のプロリーグ追放の件でデュエルセキュリティの信用がただでさえ下がっているというのに、さらに下がるのかと美傘は頭を抱えたくなる。

 

しかし、普通は捜査をする上でオカルトを前提にする方がおかしいということに、闇のカードというオカルトに足を踏み入れはじめた美傘は気づいていない。

 

「とりあえずこれ以上は聞き込みでは難しそうかな。さっき聞いた情報の中にこの近くで行方不明になったデュエルアカデミア生を見たって場所があったからちょっと調べてみよう‼︎」

 

「大丈夫なのかい?必要以上に前のめりになると、足元掬われるよ?」

 

「そのために夜ちゃんがついててくれるんでしょ?」

 

「………まぁね。仕方ない、共犯者クンのためにも一肌脱ぐか」

 

楽しそうに笑う美傘に夜は肩をすくめながら苦笑する。

 

真実を追跡する者達はどこまでもマイペースだった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「一応目撃情報からするとこの辺のハズなんだけど………」

 

集めた情報をまとめたメモ帳を覗き込みながら美傘達がやってきたのはケルンの港湾エリアにある裏通りだった。

 

遊騎が遭遇した天神 幻騎との繋がりが疑われる人物、水喰 鱗之助が潜伏していると思われ、天神 幻騎の隠しアジトがあったエリア。

 

更には未だに闇のカードによって操られているデュエルアカデミア生の目撃情報の多数が湾岸エリアにあるため、美傘達が調査を行うのは当然だった。

 

「夜ちゃん、何か怪しげな雰囲気を感じたりとかする?」

 

「一応、闇のカードっぽい気配はするんだけど、それっぽい人も見つからないな」

 

美傘の言葉に夜は肩をすくめる。

 

とはいえ、当てが外れたからといって美傘達は特に気にしているわけではなかった。

 

今まで遊騎や闇が調べ、夜も独自に調べてきたのにほとんど情報を得られていない今回の事件。

 

街で聞き込みをしてすぐに結果が出る訳ではないことを2人はよく分かっていた。

 

「湾岸エリアも広いからね。今度は闇さん達も一緒にーーー」

 

そういって美傘が今日の調査を打ち切ろうとした時だった。

 

「んぎゃあああああああああ‼︎⁉︎」

 

「っ⁉︎夜ちゃん‼︎」

 

「ああ‼︎」

 

突如裏路地に響き渡った叫び声に美傘達は叫び声が聞こえた方向に駆け出す。

 

美傘達が入り組んだ路地裏を奥へと進んでいくて、そこにはーーー

 

「新手か………ん?チッ、テメェらは………‼︎」

 

「っ‼︎ 射手園 大和………‼︎」

 

ーーー路地裏の壁にめり込んでいる男を冷たい目で見下ろす大和がいた。

 

「『真祖』………と『 奇行(・・)の魔術師』か………」

 

「今絶対違う字で言ったですよね⁉︎『気虹の魔術師』ですからね⁉︎」

 

夜を睨みながら呟く大和に美傘が吠える。

 

『気虹の魔術師』は天気とオッドアイズによる立体映像を活かしな観客を魅力するデュエルを魅せる雨夜 美傘の持つ二つ名だ。

 

会場を様々な天気に染め上げ、様々な人を驚かしている美傘らしい二つ名であり、本人も気に入っていた。

 

………なお、偶に突拍子もない行動をするためにその二つ名に擬え『奇行の魔術師』と苦笑と共に呼ばれることもあるが。

 

「それはそれとして、あなたは射手園 大和さんですよね?夜ちゃんと同じプロチーム『Unterwelt(ウンターヴェルト )』の」

 

「………昔の話だ」

 

美傘の質問に大和は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

 

「そんなあなたがどうしてこんなところにいるんですか?」

 

「答える義理はねぇな」

 

「そういうわけにも行きません。この状況を見る限りの加害者はあなたです。ちゃんと話してくれないと、あなたが悪者になってしまうです‼︎」

 

「チッ、甘ちゃんが………」

 

美傘が大和に質問している間にも夜は壁にめり込んでいる男性に近づく。

 

男性は外傷はあるものの命に関わる怪我ということはなく、ただ気絶しているだけのようだった。

 

夜はホッと一息つくと、大和を睨みつけた。

 

「この人をやったのはキミかい?」

 

「だとしたら、なんだよ」

 

「………一応確認しておく。 闇のカードに操られていた(・・・・・・・・・・・・)この人を倒し、闇のカードを回収したのはキミだね?」

 

「ああ」

 

大和の言葉に美傘が驚いたように目を見開く。

 

闇のカードを感じることができない美傘にとっては大和が闇のカードに操られ、男を傷つけたように見えるからだ。

 

大和の言葉を聞いた夜は睨みつけていたその目を更に鋭くして、口を開いた。

 

「ならーーーキミが持っている闇のカード、全部ボクに渡せ」

 

「………ほぉ」

 

「ちょっ、ちょっと、夜ちゃん⁉︎」

 

夜の強気な言葉に美傘は目を丸くして驚き、大和は口元を綻ばせ笑っていない目で夜を見つめる。

 

「嫌だと言ったら?」

 

「そんなもの、決まってるだろう?」

 

そういうと夜はデュエルディスクを起動して、大和にむけて構えた。

 

それを見た大和は鼻で笑うと同じようにデュエルディスクを起動して夜に構えた。

 

「ハッ、面白え。いいだろう、お互いの闇のカードを賭けて、やろうぜ?『真祖』。いい加減、テメェともやり合わないといけないと思ってたんだ。テメェを倒すために、俺は地獄から這い上がってきたんだからな‼︎」

 

「キミに闇のカードを使わせるわけにはいかない。キミの闇のカードはボクが回収する‼︎いくよーーー」

 

『決闘‼︎』

 

 

夜 LP8000

 

大和 LP8000

 

 

ーーーーーーー

 

 

「先攻は俺だ‼︎テメェに勝つために手に入れた俺の力を見せてやる‼︎中央に魔弾の射手カスパールを召喚‼︎」

 

 

〈魔弾の射手カスパール〉☆3 悪魔族 光属性

ATK1200

 

 

大和のフィールドに現れたのはマントを羽織った悪魔の羽根を持ち、異形の手をした銃士。

 

「魔弾、だって?」

 

「さらにライフを2000払って、中央で魔法カード、同胞の絆を発動‼︎」

 

 

大和 LP8000→6000

 

 

「このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えなくなる代わりに、自分フィールドのレベル4以下のモンスター1体を対象として、そのモンスターと同じ種族・属性・レベルでカード名が異なるモンスター2体をデッキから特殊召喚する‼︎ただし、このカードの発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。魔弾の射手カスパールを対象に、来やがれ、魔弾の射手ドクトル、魔弾の射手ザキッド‼︎それぞれ魔弾の射手カスパールの左右に特殊召喚だ‼︎」

 

 

〈魔弾の射手ドクトル〉☆3 悪魔族 光属性

ATK1400

 

 

〈魔弾の射手ザキッド〉☆3 悪魔族 光属性

ATK1600

 

 

さらにカスパールに並び立つように同じように悪魔の羽根と異形の手を持つ医師とガンマンのモンスターが現れる。

 

「ここで魔弾の射手カスパールの効果発動だ。同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、発動したカードとカード名が異なる魔弾カード1枚をデッキから手札に加える。俺はデッキから速攻魔法、魔弾-クロスドミネーターを手札に加える‼︎さらに魔弾の射手ザキッドと同じ縦列で魔法カード、精神統一を発動‼︎同名カードは1ターンに1度、デッキから同名カード1枚を手札に加える。そして魔弾の射手ザキッドの効果を発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、手札から魔弾カード1枚を捨てて自分はデッキから2枚ドローする。俺は手札の魔弾-クロスドミネーターを捨てて2枚ドローする‼︎まだだ‼︎魔弾の射手ドクトルと同じ縦列で魔法カード、一時休戦。お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローし、次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になる。そして魔弾の射手ドクトルの効果発動。同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、その発動したカードとカード名が異なる魔弾カード1枚を自分の墓地から選んで手札に加える。俺は墓地に存在する魔弾-クロスドミネーターを手札に戻す‼︎」

 

「っ、1ターン目から好き勝手してくれるね」

 

「はっ、なんとでもいいやがれ。俺は左端にカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 

夜 LP8000 手札6

 

ーーーーー ー

ーーーーー

ー ー

ー○○○ー

▲ーーーー ー

 

大和 LP6000 手札5

 

 

「キミがどんな力を手に入れていたって、負けられないのはボクも同じだ‼︎ボクのターン、ドロー‼︎手札から馬頭鬼を捨てて右端から魔法カード、ワンフォーワンを発動‼︎デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する‼︎ おいで、ヴァンパイアの使い魔‼︎」

 

 

〈ヴァンパイアの使い魔〉☆1 アンデット族 闇属性

DEF0

 

 

現れたのは小さな蝙蝠のモンスター。

 

ヴァンパイアの使い魔は夜の肩に止まり、その首に牙を立てる。

 

「ヴァンパイアの使い魔の効果発動‼︎このカードが特殊召喚に成功した場合、同名カードは1ターンに1度、500ライフポイントを払って発動できる。デッキからヴァンパイアの使い魔以外のヴァンパイアモンスター1体を手札に加える。ボクは500ライフポイントを支払いデッキからシャドウヴァンパイアを手札に加えるよ」

 

 

夜 LP8000→7500

 

 

「チッ、魔弾モンスターがいる場所を避けてきたか」

 

「魔弾モンスターの効果が発動するのは同じ縦列で魔法・罠カードが発動した時だって言ってただろ?自分のとは言わなかったところで読めてたよ。ヴァンパイアの使い魔をリリースしてシャドウヴァンパイアをアドバンス召喚‼︎」

 

 

〈シャドウヴァンパイア〉☆5 アンデット族 闇属性

ATK2000

 

 

フィールドに現れたのは影のように薄く、黒く染まった巨大な吸血鬼。

 

現れたシャドウヴァンパイアは咆哮をあげる。

 

「シャドウヴァンパイアの効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、手札・デッキからシャドウヴァンパイア以外の闇属性のヴァンパイアモンスター1体を特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚に成功したターン、そのモンスター以外の自分のモンスターは攻撃できない。ボクはデッキからヴァンパイアロードを特殊召喚する‼︎」

 

 

〈ヴァンパイアロード〉☆5 アンデット族 闇属性

ATK2000

 

 

フィールドに現れたのは夜空のようなマントを羽織った吸血鬼。

 

「そして、このカードは通常召喚できず、自分フィールド上に存在するヴァンパイアロード1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる‼︎ボクはフィールドのヴァンパイアロードを除外する‼︎」

 

ヴァンパイアロードがマントを翻すと、マントで隠れたヴァンパイアロードの身体が膨れ上がっていき、紫色の身体に爪のような物が背中から飛び出した始まりの吸血鬼が姿を現わす。

 

「現れろ。全ての吸血鬼を統べる真祖‼︎ヴァンパイアジェネシス‼︎」

 

 

〈ヴァンパイアジェネシス〉☆8 アンデット族 闇属性

ATK3000

 

 

「ヴァンパイアジェネシス………夜の切り札か。だが、テメェにそいつは使わせねぇ‼︎手札から中央で罠発動‼︎魔弾-デスペラード‼︎」

 

「っ、手札から罠だって⁉︎」

 

「悪いな。魔弾モンスターには永続効果としてモンスターゾーンに存在する限り、自分・相手ターンに自分は魔弾魔法・罠カードを手札から発動できんだよ‼︎魔弾-デスペラードの効果、同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドに魔弾モンスターが存在する場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象としてそのカードを破壊する‼︎俺が破壊するのはヴァンパイアジェネシスだ‼︎」

 

カスパールが放った弾丸をジェネシスは避けるが、魔弾は円を描くように曲がり、背後からジェネシスの身体を貫いて爆散させる。

 

「っ‼︎ヴァンパイアジェネシス‼︎」

 

「魔弾の射手カスパールの効果発動‼︎俺はデッキから罠カード、魔弾-ダンシングニードルを手札に加える‼︎」

 

「っ、まだまだ‼︎手札からヴァンパイアの眷属を墓地に送ってヴァンパイアの使い魔の効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地に存在する場合、手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、ヴァンパイアカード1枚を墓地へ送ってこのカードを特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される‼︎」

 

「無駄だ‼︎手札から中央右で罠発動‼︎魔弾-ダンシングニードル‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドに魔弾モンスターが存在する場合、お互いの墓地のカードを合計3枚まで対象としてそのカードを除外する‼︎」

 

「この状況で墓地除外だって⁉︎」

 

「俺が除外するのはお前の墓地に存在するヴァンパイアの眷属、ヴァンパイアの使い魔、馬頭鬼だ‼︎」

 

ドクトルが放った魔弾が墓地にいた夜のヴァンパイア達を撃ち抜き、消滅させていく。

 

消えていくヴァンパイア達を見て、大和は不敵な笑みを浮かべる。

 

「吸血鬼の弱点は銀の弾丸(シルバーバレット)だろ?コイツらの魔弾はよく効くハズだ。言ったはずだぜ、『真祖』。俺はテメェを倒すためにこの力を手に入れたってな‼︎魔弾の射手ドクトルの効果発動‼︎俺は墓地に存在する魔弾-デスペラードを手札に戻す‼︎」

 

「っ、本当に性格が悪いやつだな、キミは‼︎」

 

「はっ‼︎何とでも言えばいい。結局のところ、負けるやつが何を言っても言い訳にしかならないんだよ‼︎」

 

「っ、言いたい放題言って‼︎ボクは君なんかに負けない‼︎シャドウヴァンパイアをリリースして魔法カード、モンスターゲート‼︎自分フィールドのモンスター1体をリリースして通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターを特殊召喚し、残りのめくったカードは全て墓地へ送る‼︎1枚目、魔法カード、黒き覚醒のエルドリクシル、2枚目、魔法カード、シャッフルリボーン、3枚目、モンスターカード、精気を吸う骨の塔‼︎モンスターカードだから特殊召喚だ‼︎」

 

 

〈精気を吸う骨の塔〉☆3 アンデット族 闇属性

DEF1500

 

 

夜のフィールドに骨が組み合わさった不気味な塔が建築される。

 

建築された骨の塔を見て、大和は舌打ちをした。

 

「チッ、面倒なやつを………」

 

「さあ、今度はこちらから反撃させてもらうよ‼︎まずは墓地に送られた黒き覚醒のエルドリクシルを除外して効果発動‼︎このカードは2つの効果を持ち、同名カードその効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。墓地のこのカードを除外してデッキから黄金郷魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする‼︎ボクはデッキから永続罠、黄金郷のコンキスタドールをセット‼︎そして魔法カード、強制転移‼︎お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、そのモンスターのコントロールを入れ替える‼︎ただし、そのモンスターはこのターン表示形式を変更できない‼︎ボクは君に精気を吸う骨の塔をあげるよ」

 

「チッ、面倒なものを押しつけやがって、俺は魔弾の射手ザキッドのコントロールをテメェに移す‼︎」

 

骨の塔とザキッドの周囲の空間が歪み、お互いの場所が入れ替わる。

 

「これで準備完了だ‼︎魔法カード、ヴァンパイアデザイア‼︎同名カードは1ターンに1枚しか発動できず、2つの効果から1つを選択して発動できる‼︎1つ目は自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてそのモンスターのレベルと異なるレベルを持つヴァンパイアモンスター1体をデッキから墓地へ送り、対象のモンスターのレベルは、ターン終了時まで墓地へ送ったモンスターと同じレベルにする効果、もう1つは自分の墓地のヴァンパイアモンスター1体を対象として自分フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送り、対象のモンスターを特殊召喚する効果だ‼︎ボクは2つ目の効果を使い、魔弾の射手ザキッドを墓地に送り、墓地より蘇れ、シャドウヴァンパイア‼︎」

 

 

〈シャドウヴァンパイア〉☆5 アンデット族 闇属性

ATK2000

 

 

大量の蝙蝠が現れ、ザキッドの身体を喰らったかと思うと、フィールドにシャドウヴァンパイアが再誕する。

 

そしてシャドウヴァンパイアが現れると骨の塔から青い人魂が溢れ出す。

 

「ここで君のフィールドにいる精気を吸う骨の塔の効果が発動する。アンデット族モンスターが特殊召喚に成功する度に、相手のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る」

 

骨の塔から溢れ出した青い人魂が夜のデッキへと向かって放たれ、夜のデッキが削られる。

 

すると、削られたハズのデッキから真紅の悪魔が現れる。

 

「精気を吸う骨の塔の効果で墓地に送られた闇より出でし絶望の効果発動‼︎このカードが相手の効果で手札・デッキから墓地へ送られた時、このカードをフィールドに特殊召喚する‼︎」

 

 

〈闇より出でし絶望〉☆8 アンデット族 闇属性

ATK2800

 

 

「チッ、悪運の強い奴め‼︎」

 

「闇より出でし絶望もアンデット。特殊召喚したことで精気を吸う骨の塔の効果が発動し、ボクのデッキを削る‼︎そして、魅力せよ‼︎月夜に輝くサーキット‼︎」

 

「リンク召喚か………」

 

少年が正面に手をかざし、巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はアンデットモンスター2体‼︎ボクはシャドウヴァンパイアと闇より出でし絶望の2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎月下で戯れる吸血鬼‼︎リンク2‼︎ヴァンパイアサッカー‼︎」

 

 

〈ヴァンパイアサッカー〉LINK 2 アンデット族 闇属性

ATK1600 ↙︎ ↘︎

 

 

ヴァンパイアロードと闇より出でし絶望がサーキットの中に消え、代わりに現れたのはピンクの帽子を被った吸血鬼。

 

「ヴァンパイアサッカーを特殊召喚したことで骨の塔の効果が発動し、ボクのデッキを削るよ‼︎さらにヴァンパイアサッカーの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、相手の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを相手フィールドに守備表示で特殊召喚し、特殊召喚したそのモンスターはアンデット族になる。ボクは君のフィールドに君の墓地から魔弾の射手ザキッドを特殊召喚するよ‼︎」

 

 

〈魔弾の射手ザキッド〉☆3 悪魔族→アンデット 光属性

DEF200

 

 

ヴァンパイアサッカーが墓地にいたザキッドに噛みつき、吸血鬼として大和のフィールドに蘇生させる。

 

「ヴァンパイアサッカーに蘇生された魔弾の射手ザキッドもアンデット‼︎特殊召喚したことで精気を吸う骨の塔の効果が発動し、ボクのデッキを削る。それにチェーンしてヴァンパイアサッカーの効果発動‼︎1ターンに1度自分・相手の墓地からアンデット族モンスターが特殊召喚された場合に自分はデッキから1枚ドローする‼︎」

 

「チッ、ウザってぇ‼︎」

 

「さらに精気を吸う骨の塔の効果で墓地に送られた闇より出でし絶望の効果発動‼︎フィールドに特殊召喚‼︎」

 

 

〈闇より出でし絶望〉☆8 アンデット族 闇属性

DEF3000

 

 

「闇より出でし絶望を特殊召喚したことで精気を吸う骨の塔の効果が発動し、ボクのデッキを削る‼︎さらに、フィールドにセットした黄金郷のコンキスタドールを墓地へ送り、墓地の黄金卿エルドリッチの効果発動‼︎このカードも2つの効果を持ち、同名カードその効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送ってこのカードを手札に加え、その後、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる‼︎この効果で特殊召喚したモンスターは相手ターン終了時まで、攻撃力・守備力が1000ポイントアップし、効果では破壊されない‼︎さあ、おいで死霊王 ドーハスーラを特殊召喚‼︎」

 

 

〈死霊王 ドーハスーラ〉☆8 アンデット族 闇属性

DEF2000→3000 ATK2800→3800

 

 

黄金の光に導かれて現れたのは髑髏の身体を持つ魔術師のような蛇。

 

「っ、そいつは‼︎」

 

「精気を吸う骨の塔の効果、それにチェーンして死霊王ドーハスーラの効果発動‼︎ゴーストグラジュエイト‼︎死霊王 ドーハスーラ以外のアンデット族モンスターの効果が発動した時に2つある効果から1つを選んで適用する。ただし、このターン、自分の死霊王 ドーハスーラの効果で同じ効果を適用できない。その効果を無効にするか、自分または相手の、フィールド・墓地のモンスター1体を選んで除外する‼︎ボクは2つ目の効果を適用して魔弾の射手カスパールを除外する‼︎」

 

ドーハスーラの魔術でカスパールが闇に呑まれて霊魂に変わり、消滅する。

 

「エンドフェイズ、墓地の黄金郷のコンキスタドールを除外して効果発動‼︎このカードも2つの効果を持ち、同名カードの効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。自分・相手のエンドフェイズに墓地のこのカードを除外してデッキからエルドリクシル魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする‼︎ボクはデッキから罠カード、紅き血染めのエルドリクシルをセットしてターンエンドだ」

 

 

夜 LP7500 手札1

 

ーー▲ーー ー

ーー□ー□

ー ☆

□□ー○ー

▲ーーーー ー

 

大和 LP6000 手札5

 

 

「チッ、厄介な奴を出しやがって、だがその程度で俺を止められると思うなよ‼︎俺のターン、ドロー‼︎撃ち砕け‼︎風穴開けるサーキット‼︎」

 

「っ、リンク召喚か‼︎」

 

大和が正面に手をかざすと大和の前に大きなサーキットが現れる。

 

「召喚条件はレベル8以下の魔弾モンスター1体‼︎俺は魔弾の射手ザキッドをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎魔弾の射手マックス‼︎」

 

 

〈魔弾の射手マックス〉LINK1 悪魔族 光属性

ATK1000 ↓

 

 

ザキッドがサーキットに入り、代わりに出てきたのは灰色に肌と鋭い牙を持つ異形の射手。

 

「魔弾のリンクモンスター………」

 

「魔弾の射手マックスの効果発動‼︎オールリローデッド‼︎同名カードの効果は1ターンに1度しか発動できず、このカードがリンク召喚に成功した場合、2つの効果から1つを選択して発動できる‼︎1つは相手フィールドのモンスターの数までデッキから魔弾魔法・罠カードを同名カードは1枚までとして手札に加える効果‼︎そしてもう1つは相手フィールドの魔法・罠カードの数までデッキから魔弾モンスターを同名カードは1枚までとして特殊召喚する効果だ‼︎」

 

「っ⁉︎大量展開か大量サーチができるモンスター⁉︎インチキ効果も大概にしなよ⁉︎」

 

「知ったことか‼︎嫌なら自分が展開するのを止めるんだな‼︎俺は1つ目の効果を選択する。テメェのフィールドにいるモンスターは3体‼︎俺はデッキから速攻魔法、魔弾-ネバーエンドルフィン、永続罠、魔弾-デビルズディール、カウンター罠、魔弾-デッドマンズバーストを手札に加える‼︎俺は中央に魔弾の射手 スターを召喚‼︎」

 

 

〈魔弾の射手スター〉☆4 悪魔族 光属性

ATK1300

 

 

現れたのは悪魔の羽根と異形の手を持つ踊り子のような姿のモンスター。

 

「魔弾の射手スターと同じ縦列で魔法カード、精神統一を発動‼︎デッキから同名カード1枚を手札に加える‼︎そして魔弾の射手スターの効果を発動‼同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、デッキから同名カード以外のレベル4以下の魔弾モンスター1体を守備表示で特殊召喚する‼︎来い、魔弾の射手カラミティ‼︎」

 

 

〈魔弾の射手カラミティ〉☆4 悪魔族 光属性

DEF1300

 

 

スターに呼び出されたのは悪魔の羽根と異形の手を持つロケットランチャーを持った女性型のモンスター。

 

「手札の魔弾の悪魔ザミエルを捨て、︎ 魔弾の射手カラミティと同じ縦列で魔弾の射手カラミティと魔弾の射手スターを対象に、魔法カード、レベルマイスター‼︎ 手札のモンスター1体を墓地へ送り、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを2体まで選択し、選択したモンスターのレベルはエンドフェイズ時まで、このカードを発動するために墓地へ送ったモンスターの元々のレベルと同じになる‼︎魔弾の悪魔 ザミエルのレベルは8‼︎よって、魔弾の射手カラミティと魔弾の射手スターのレベルは8になる‼︎」

 

 

魔弾の射手カラミティ

☆4→8

 

 

魔弾の射手スター

☆4→8

 

 

「っ、レベル8モンスターが2体………」

 

「まだだ‼︎魔弾の射手カラミティの効果を発動‼同名カードは1ターンに1度、このカードと同じ縦列で魔法・罠カードが発動した場合、自分の墓地の魔弾モンスター1体を守備表示で特殊召喚する‼︎ さあ早速出番だぜ‼︎甦れ、魔弾を生み出しし堕天した天使達の長‼︎魔弾の悪魔 ザミエル‼︎」

 

 

〈魔弾の悪魔 ザミエル〉☆8 悪魔族 光属性

DEF2500

 

 

カラミティが地面に向かって弾丸を放つと、地面に魔法陣が展開され、魔法陣から銃士達と同じ悪魔の羽根を持ち、両手に銃を手にした双銃の悪魔が現れた。

 

「魔弾の悪魔 ザミエル………それがキミの今の切り札なのかい?」

 

「ああ、そしてこれがテメェを絶望に突き落とす力だ」

 

そういうと大和は不敵に笑い、正面に手をかざした。

 

「俺はレベル8となった魔弾の射手カラミティと魔弾の射手スターでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

カラミティとスターが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると、そこに現れたのは空に浮かんだ巨大な牢獄。

 

「罪人を幽閉する摩天楼よ‼︎全ての亡者を縛り付けろ‼︎現れろ‼︎No.68魔天牢サンダルフォン‼︎」

 

 

〈No.68魔天牢サンダルフォン〉★8 岩石族 闇属性

ATK2100

 

 

「ランク8のNo.………⁉︎………また懲りずに闇のカードを‼︎キミにそれが使いこなせるのか‼︎ あの時(・・・)、闇に呑まれたキミが‼︎」

 

大和が呼び出したNo.を見て、夜は怒りの形相を浮かべて吠える。

 

そんな夜を見て、大和は同じように怒りの形相を浮かべて夜を睨みつけた。

 

「………あの時、俺は闇のカードによる煮湯を味わった。しかし、だからこそ今の俺がある‼︎闇のカードを残さず根絶するためなら、闇のカードだろうと利用してやる‼︎扱える‼︎今の俺ならな‼︎テメェを倒すために‼︎ No.68魔天牢サンダルフォンの効果発動‼︎ヘブンズゲート‼︎1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手ターン終了時まで、このカードは効果では破壊されず、お互いに墓地のモンスターを特殊召喚できない‼︎」

 

「なっ⁉︎墓地封じ⁉︎」

 

サンダルフォンがオーバーレイユニットを吸収すると、紫色に発光し身体からいくつもの鎖が放たれ、墓地に存在するモンスターを縛りつけると、自分の身体の中に収容する。

 

「テメェのデッキは墓地を利用することに長けている。コイツの効果は効くはずだぜ?」

 

「っ、本当に嫌な奴だなキミは‼︎」

 

「はっ、なんとでもいいやがれ‼︎ 手札から中央で罠発動‼︎魔弾-デスペラード‼︎俺が破壊するのは闇より出でし絶望だ‼︎」

 

闇より出でし絶望がザミエルから放たれた魔弾に貫かれ、爆散する。

 

「バトルだ‼︎魔弾の射手マックスで死霊王ドーハスーラを攻撃‼︎ダメージステップ、魔弾の射手ドクトルと同じ縦列で速攻魔法、魔弾-クロスドミネーター‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドに魔弾モンスターが存在する場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効化される‼︎対象は死霊王ドーハスーラだ‼︎」

 

「っ‼︎」

 

 

死霊王ドーハスーラ

DEF3000→0

 

 

ザミエルが魔弾でドーハスーラ弾き、のドーハスーラの体勢を崩させる。

 

「魔弾の射手ドクトルの効果発動‼︎俺は墓地に存在する魔弾-ダンシングニードルを手札に戻す。そして、ぶち抜け、魔弾の射手マックス‼︎ブラッディパトローネ‼︎」

 

体勢が崩れたドーハスーラの頭をマックスが魔弾で貫き、爆散させた。

 

「くっ、ドーハスーラ‼︎」

 

「次だ‼︎魔弾の射手ドクトルでヴァンパイアサッカーを攻撃‼︎ダメージステップ、中央で速攻魔法、魔弾-ネバーエンドルフィン‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドの魔弾モンスター1体を対象としてそのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで元々の数値の倍になる‼︎ただし、このカードを発動するターン、対象のモンスターは直接攻撃できないがな。対象にするのは魔弾の射手ドクトルだ‼︎」

 

ドクトルの銃に弾丸が装填され、銃から闇が溢れ出す。

 

 

魔弾の射手ドクトル

ATK1400→2800

 

 

「貫け、魔弾の射手ドクトル‼︎ギフトパトローネ‼︎」

 

「ぐっ‼︎」

 

 

夜 LP7500→6300

 

 

「これでテメェを守る肉壁はなくなった‼︎No.68魔天牢サンダルフォンの永続効果、バインドスピリット‼︎ このカードの攻撃力・守備力は、お互いの墓地のモンスターの数×100ポイントアップする‼︎俺の墓地には魔弾の射手ザキッド、魔弾の射手スターの2体がいる‼︎」

 

「っ、ボクの墓地にはモンスターは8体………」

 

「合計10体、No.68魔天牢サンダルフォンの 能力が1000ポイントアップする‼︎」

 

 

No.68魔天牢サンダルフォン

ATK2100→3100 DEF2700→3700

 

 

「攻撃力、3100‼︎」

 

「No.68魔天牢サンダルフォンでダイレクトアタック‼︎ジャッジメントチェーン‼︎」

 

サンダルフォンからいくつもの鎖が放たれ、夜の身体を縛り上げる。

 

そしてサンダルフォンの身体が発光したかと思うと、鎖を伝って夜に雷が放たれた。

 

「うわぁぁぁ‼︎」

 

 

夜 LP6300→3200

 

 

「はっ、いい気味だな。俺はこれでターンエンドだ」

 

 

夜 LP3200 手札1

 

ーー▲ーー ー

ーーーーー

☆ ー

□○○ー□

▲ーーーー ー

 

大和 LP6000 手札4

 

 

「夜ちゃん‼︎」

 

「っ、大丈夫だよ」

 

鎖から解放され、その場に崩れ落ちる夜に美傘は慌てて駆け寄ろうとするが、そんな美傘を夜は手で静止、ゆっくりと立ち上がる。

 

そんな夜を見て、大和は心底不快そうに顔を顰める。

 

「はっ、テメェも変わらねぇじゃねぇか。嘘つきが」

 

「………」

 

「まあいい。テメェはここで潰す。そうじゃないと、俺はアイツ( ・・・)に顔向けできねぇ」

 

「顔向けできないのは………」

 

「あ?」

 

「夜、ちゃん?」

 

大和の吐き捨てるような言葉に夜は俯き、拳を握りしめる。

 

そして次の瞬間、夜は暗い声でその思いの丈をのせ咆哮する。

 

「顔向けできないのはボクも同じなんだよ‼︎キミに闇のカードを使わせたら、あの子( ・・・)になんて謝ればいいのさ‼︎」

 

「っ‼︎」

 

「ボクのターン、ドロー‼︎ボクは堕ち武者( デスサムライ)を召喚‼︎」

 

 

〈堕ち武者〉☆4 アンデット族 闇属性

ATK1700

 

 

フィールドに現れたのは顔だけになった侍の亡霊。

 

「堕ち武者の効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る‼︎ボクはデッキからグローアップブルームを墓地に送る‼︎そして墓地に落ちたグローアップブルームを除外して効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、墓地のこのカードを除外してデッキからレベル5以上のアンデット族モンスター1体を手札に加え、フィールドゾーンにアンデットワールドが存在する場合、手札に加えず特殊召喚する事もできる。ただし、この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない‼︎ボクがこの効果で手札に加えるのは………ヴァンパイアフロイライン‼︎」

 

「っ⁉︎『真祖』‼︎テメェ‼︎」

 

夜が手札に加えたフロイラインを見て、大和は怒りの形相で夜を睨みつける。

 

そんな大和を、同じように夜が怒りに染まった眼で睨みつける。

 

「うるさい‼︎キミにボクを非難する権利なんかあるものか‼︎バトル‼︎堕ち武者で魔弾の射手ドクトルを攻撃‼︎そして、攻撃宣言時‼︎ヴァンパイアフロイラインの効果発動‼︎モンスターの攻撃宣言時このカードを手札から守備表示で特殊召喚する‼︎」

 

 

〈ヴァンパイアフロイライン〉☆5 アンデット族 闇属性

DEF2000

 

 

夜が叩きつけるようにフロイラインのカードをデュエルディスクにセットする。

 

しかし、確かに存在するはずのフロイラインはいつまでたってもフィールドに姿を現さない。

 

フィールドに姿を現さないフロイラインに美傘は首を傾げるが、大和は苦々しい表情で夜を見る。

 

「………テメェ、これはどういうことだ?」

 

「見ての通りだよ。それ以上の答えは必要ない‼︎アンデット族であるヴァンパイアフロイラインを特殊召喚したことで精気を吸う骨の塔の効果発動‼︎ボクのデッキを削りとる‼︎」

 

再び骨の塔から溢れ出した青い人魂が夜のデッキへと向かって放たれ、夜のデッキが削られる。

 

「さらに墓地の闇より出でし絶望を除外し、墓地に送られた牛頭鬼の効果、それにチェーンして墓地に送られたヴァンパイアソーサラーの効果発動‼︎このカードが相手によって墓地へ送られた場合にデッキから闇属性のヴァンパイアモンスター1体またはヴァンパイア魔法・罠カード1枚を手札に加える‼︎ボクはデッキから永続魔法、ヴァンパイアの領域を手札に加える‼︎そして牛頭鬼の効果発動‼︎ このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地から同名カード以外のアンデット族モンスター1体を除外して手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する‼︎現れろ、黄金卿エルドリッチ‼︎」

 

墓地より現れた牛鬼が雄叫びを上げると、夜の手札より黄金の鎧を纏った亡者が姿を現す。

 

 

〈黄金卿エルドリッチ〉☆10 アンデット族 光属性

ATK2500

 

 

「チッ‼︎また、わらわらと‼︎」

 

「アンデット族である黄金卿エルドリッチを特殊召喚したことで精気を吸う骨の塔の効果発動‼︎ボクのデッキを削りとる‼︎さらに今墓地に送られた2枚目のヴァンパイアソーサラーの効果発動‼︎ボクはデッキからヴァンパイアレッドバロンを手札に加える‼︎さあ、まだボクの攻撃は続いているよ、堕ち武者で魔弾の射手ドクトルを攻撃‼︎」

 

「チッ、魔弾の射手ドクトルと同じ縦列で永続罠、魔弾-デビルズディール‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの魔弾モンスターは効果では破壊されない‼︎そして魔弾の射手ドクトルの効果発動‼︎俺は墓地に存在する魔弾-クロスドミネーターを手札に戻す‼︎」

 

「それがどうした‼︎喰らえ、堕ち武者‼︎デスバイト‼︎」

 

堕ち武者が一瞬でドクトルの頭上に移動すると、頭からドクトルを喰い殺した。

 

 

大和 LP6000→5700

 

 

「くっ‼︎ウザってぇ‼︎」

 

「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎紅き血染めのエルドリクシル‼︎このカードも2つの効果を持ち、同名カードの効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。自分のデッキ・墓地からアンデット族モンスター1体を選んで特殊召喚する‼︎ただし、自分フィールドにエルドリッチモンスターが存在しない場合には、この効果でエルドリッチモンスターしか特殊召喚できず、このカードの発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない‼︎」

 

「っ、これ以上好き勝手させると思うな‼︎手札からカウンター罠、魔弾-デッドマンズバースト‼︎同名カードは1ターンに1度しか発動できないが、自分フィールドに魔弾モンスターが存在する場合、相手が魔法・罠カードを発動した時、その発動を無効にし破壊する‼︎」

 

ザミエルが銃弾を放ち、紅き血染めのエルドリクシルを破壊する。

 

「それがどうした‼︎メインフェイズ2、永続魔法、ヴァンパイアの領域を発動‼︎1ターンに1度、500ライフポイントを払ってこのターン自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにヴァンパイアモンスター1体を召喚できる‼︎」

 

 

夜 LP3200→2700

 

 

「クソが‼︎チェーンして手札から罠発動‼︎魔弾-ダンシングニードル‼︎俺が除外するのはお前の墓地に存在する2体のヴァンパイアソーサラーと死霊王ドーハスーラだ‼︎タダで、ヴァンパイアレッドバロンは出させねぇ‼︎」

 

「ボクは堕ち武者をリリースし、ヴァンパイアレッドバロンをアドバンス召喚‼︎」

 

 

〈ヴァンパイアレッドバロン〉☆6 アンデット族 闇属性

ATK2400

 

 

堕ち武者の姿が闇に溶け、代わりに現れたのは赤毛の黒馬に乗る黒騎士。

 

「1000ライフポイントを払い、ヴァンパイアレッドバロンの効果発動‼︎」

 

 

夜 LP2700→1700

 

 

「1ターンに1度、1000ライフポイントを払い、相手フィールドのモンスター1体とこのカード以外の自分フィールドのヴァンパイアモンスター1体を対象としてそのモンスター2体のコントロールを入れ替える‼︎ボクが選ぶのは………ヴァンパイアフロイラインと魔弾の悪魔 ザミエル‼︎キミの切り札はいただくよ‼︎」

 

「なっ⁉︎させるか‼︎手札から速攻魔法、魔弾-クロスドミネーター‼︎対象はヴァンパイアレッドバロン‼︎ザミエルは渡さねぇ‼︎」

 

レッドバロンが槍を振るうと空間が裂け、ザミエルを吸い込もうとするがザミエルが放った魔弾が空間の裂け目に放たれると、空間の裂け目が霧散した。

 

 

ヴァンパイアレッドバロン

ATK2400→0

 

 

「油断も隙もねぇな。だが、もうテメェには手札がねぇ。流石に万策尽きたようだな。諦めてさっさと楽になりな」

 

大和は嘲笑うような笑みを浮かべて夜を睨む。

 

そんな大和に苦しげな表情を浮かべながらも、尽きぬ闘志を秘めた目で夜は笑う。

 

「はっ、諦める?キミらしい、つまらない冗談だ」

 

「何だと?」

 

「まだデュエルは終わってない‼︎例え万策尽きたとしても‼︎一万と一つ目の手立てはきっとあるんだ‼︎墓地に存在するシャッフルリボーンの効果発動‼︎自分フィールドのカード1枚を対象としそのカードを持ち主のデッキに戻してシャッフルし、その後自分はデッキから1枚ドローする‼︎」

 

「なっ⁉︎まだそんなカードを………‼︎」

 

「ただしこのターンのエンドフェイズに、自分の手札を1枚除外する‼︎ボクはフィールドのヴァンパイアの領域をデッキに戻し、カードを1枚ドローする‼︎………っ‼︎きた‼︎」

 

「⁉︎」

 

「ボクは魔法カード、アンデットネクロナイズを発動‼︎ フィールドにレベル5以上のアンデット族モンスターが存在する場合、相手フィールドのモンスター1体を対象としてそのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る‼︎ボクが選択するのは魔弾の悪魔 ザミエル‼︎今度こそキミの切り札はいただくよ‼︎」

 

「っ︎⁉︎ザミエル‼︎」

 

アンデットネクロナイズの力により、ザミエルは操られ夜のフィールドに移動する。

 

それを横目に夜は正面に手をかざした。

 

「行くよ‼︎ボクはレベル6、ヴァンパイアレッドバロンと、魔弾の悪魔 ザミエルをレベル6として扱いオーバーレイ‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

レッドバロンとザミエルが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると、現れたのは白い礼服を身に纏った高貴なる吸血鬼。

 

「現れろ‼︎高潔なる吸血鬼の支配者‼︎ランク6‼︎ 交血鬼(アルダンピール)-ヴァンパイアシェリダン」

 

 

〈交血鬼-ヴァンパイアシェリダン〉★6 アンデット族 闇属性

ATK2600

 

 

「俺のザミエルを使ってエクシーズ召喚とは、ふざけた真似を‼︎」

 

「生憎、こっちは大真面目だよ‼︎交血鬼-ヴァンパイアシェリダンら元々の持ち主が相手となるモンスターをエクシーズ召喚の素材とする場合、そのレベルを6として扱うことができるのさ。まずはアンデット族である交血鬼-ヴァンパイアシェリダンを特殊召喚したことで精気を吸う骨の塔の効果発動‼︎ボクのデッキを削りとる‼︎そして、交血鬼-ヴァンパイアシェリダンの効果発動‼︎ナイトメアバイト‼︎1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを墓地へ送る‼︎ボクが選ぶのはNo.68魔天牢サンダルフォン‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

「破壊耐性があるんだったかな?でも、残念。破壊じゃなくて墓地送りだよ‼︎」

 

シェリダンがマントを振るうとマントの中から辺りを埋め尽くす程のコウモリが現れサンダルフォンを呑み込んでいく。

 

コウモリが飛び去るとそこにはもう何も残っていなかった。

 

「ボクはこれでターンエンド‼︎ エンドフェイズ、墓地の黄金郷のガーディアンを除外して効果発動‼︎このカードも2つの効果を持ち、同名カードの効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。自分・相手のエンドフェイズに墓地のこのカードを除外してデッキからエルドリクシル魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする‼︎ボクはデッキから速攻魔法、白き宿命のエルドリクシルをセットしてターンエンドだ‼︎今度はキミが追い詰められる番だ‼︎」

 

 

夜 LP1700 手札0

 

ーー▲ーー ー

ー○○□ー

☆ ー

□ーーーー

▲ー△ーー ー

 

大和 LP5700 手札1

 

 

たった1ターンで完全に覆されたフィールドを見て、大和は思わず歯噛みをする。

 

自身の思いを込めた切り札を奪われ、確実に倒すために手にしたNo.すら跳ね除けられた。

 

覆されたフィールドを再びねじ伏せるための力は自分の手にはなく、何もしなければ待っているのは確実な敗北だ。

 

「ふざけるな………」

 

「………」

 

「ふざけるな‼︎俺が追い詰められる番だと?そんな番があるものか‼︎テメェだけは赦さねぇ‼︎テメェだけは確実にぶっ潰す‼︎そのために俺はあの日から生きてきたんだ‼︎」

 

「っ………‼︎」

 

大和から溢れ出すドス黒い執念に思わず夜は顔を顰める。

 

そんな夜を大和は血走った目で睨みつけながら獣のように咆哮した‼︎

 

「俺はテメェを許さねぇ‼︎ 『真祖』‼︎俺から()を奪ったテメェだけはぁぁぁ‼︎俺の………タァァァン‼︎ドロォォォォ‼永続罠、魔弾-デビルズディールを墓地に送り、魔法カード、︎マジックプランター‼︎自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚を墓地へ送って自分はデッキから2枚ドローする‼︎さらにリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎戦線復帰‼︎自分の墓地のモンスター1体を対象としてそのモンスターを守備表示で特殊召喚する‼︎俺は中央に魔弾の射手カラミティを特殊召喚する‼︎」

 

「っ、蘇生カードを残してたのか………」

 

 

〈魔弾の射手カラミティ〉☆4 悪魔族 光属性

DEF1300

 

 

「そして右端に魔弾の射手ワイルドを召喚‼︎」

 

 

〈魔弾の射手ワイルド〉☆4 悪魔族 光属性

ATK1700

 

 

現れたのは悪魔の羽根と異形の手を持つ近未来的な火器で武装したゲリラのようなモンスター。

 

そして大和は溢れ出す黒い衝動を叩きつけるように正面に手をかざし、その言霊を口にする。

 

「俺はレベル4の魔弾の射手カラミティと魔弾の射手ワイルドーでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

カラミティとワイルドが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると、そこに現れたのは白銀の装甲と無数の砲塔を持つ戦艦。

 

「恐れを知らぬ戦艦よ‼︎歯向かう敵を蹴散らし、その使命を果たせ‼︎現れろ‼︎No.27弩級戦艦-ドレッドノイド‼︎」

 

 

〈No.27弩級戦艦-ドレッドノイド〉★4 機械族 水属性

ATK2200

 

 

「No.27⁉︎2体目のNo.だって⁉︎」

 

「バトル‼︎ No.27弩級戦艦-ドレッドノイドでヴァンパイアフロイラインを攻撃‼︎ダメージステップ、速攻魔法、コンセントレイト‼︎ 自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象とし、そのモンスターの攻撃力はターン終了時までその守備力分アップする‼︎ただし、このカードを発動するターン、対象のモンスター以外の自分のモンスターは攻撃できない‼︎ No.27弩級戦艦-ドレッドノイドの守備力は1000‼︎よって攻撃力は1000ポイントアップする‼︎」

 

 

No.27弩級戦艦-ドレッドノイド

ATK2200→3200

 

 

「攻撃力、3200………‼︎」

 

「ぶち抜け‼︎ドレッドノートブラスター‼︎」

 

大和の叫ぶような宣言にドレッドノイドの砲塔が全て()に向き、一斉に砲撃が放たれた。

 

「っ‼︎」

 

「夜ちゃん⁉︎」

 

ドレッドノイドの放った砲弾が夜の周囲に着弾し、夜は爆煙に包まれる。

 

全てを吹き飛ばすような爆撃に美傘は夜の無残な姿を想像して青ざめ、その場に崩れ落ちる。

 

しかし、そんな美傘の想像とは裏腹に爆煙が晴れると爆風で深く被っていたフードが脱げた夜が厳しい表情を浮かべて立っていた。

 

「ヴァンパイアフロイラインの効果は使ってこなかったか」

 

「ボクのライフは残り少ない。白き宿命のエルドリクシルを使えば蘇生しようと思えばヴァンパイアフロイラインを蘇生できる。無理に身を削って僅かな反射ダメージを与える必要はないだろう?」

 

「はっ‼︎理知的なことだな。だが、その選択は間違いだ‼︎バトルフェイズ終了時、No.27弩級戦艦-ドレッドノイドの効果発動‼︎アサルトフォーメーション‼︎」

 

「っ⁉︎ここでNo.………‼︎」

 

「このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したバトルフェイズ終了時にランク10以上の機械族エクシーズモンスター1体を、自分フィールドのこのカードの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎」

 

「なっ⁉︎大型エクシーズにランクアップするNo.⁉︎」

 

「俺はNo.27弩級戦艦-ドレッドノイドでオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎ランクアップエクシーズチェンジ‼︎」

 

ドレッドノイドが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けるとそこから現れるのは巨大な砲塔を持つ列車。

 

「鉄路を駆ける鋼鉄の駿馬よ‼︎その弾丸に全てを込めよ‼︎現れろ、ランク10‼︎ 超弩級砲塔列車グスタフマックス‼︎」

 

 

〈超弩級砲塔列車グスタフマックス〉★10 機械族 地属性

DEF3000

 

 

「超弩級砲塔列車グスタフマックス………」

 

「これでジ・エンドだ。メインフェイズ2‼︎ 超弩級砲塔列車グスタフマックスの効果発動‼︎ 1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手に2000ポイントのダメージを与える‼︎」

 

「なっ⁉︎ボクのライフは1700………っ‼︎」

 

「引き金は2度引かねぇ。この一撃で終いだ‼︎砕け散れ‼︎ドレッドノートレールガン‼︎」

 

グスタフマックスの砲塔にエネルギーが充填され、巨大な光弾が放たれる。

 

避ける間もないまま、夜はその光弾に撃ち抜かれ、吹き飛ばされた。

 

 

夜 LP1700→0

 

 

ーーーーーーー

 

 

「っ‼︎夜ちゃん‼︎」

 

グスタフマックスの砲撃で吹き飛ばされ、ビルの壁に叩きつけられた夜に美傘は慌てて駆け寄っていく。

 

そんな美傘をつまらなそうに見て、大和は激情を抑えるように目を逸らし、夜がいる場所から飛んできた 2枚(・・)のカードを掴み取るとデュエルディスクをしまった。

 

「………これにてミッションコンプリートだ」

 

「っ、なんで‼︎」

 

きびしを返し、足早にその場を去ろうとする大和を、美傘は思わず呼び止める。

 

「なんでそこまで夜ちゃんに怒りをぶつけるの⁉︎夜ちゃんは、あなたのーーー‼︎」

 

「『気虹の魔術師』テメェは何も分かっちゃいない」

 

「えっ?」

 

憐れむような声色で悲しげに目を細めて自分を振り向いた大和に、思わず美傘は目を見開く。

 

そんな美傘を見て、大和は悲しげに笑うとその場を立ち去りながら口を開いた。

 

「『真祖』をよく見てみるといい。ソイツはーーー 眼竜 夜(・・ ・)じゃない」

 

「………えっ?」

 

大和の言葉に美傘は夜に目を向ける。

 

グスタフマックスの砲撃をその身に受けた夜は傷だらけの身体で壁に寄りかかって気を失っている。

 

普段は深く被っているパーカーも先程のドレッドノイドの攻撃で敗れ、普段は隠されている彼女の顔を太陽の光が照らしている。

 

息はあり、気を失っているだけの様子に美傘がホッとしたところでーーー美傘は それ(・・)に気が付いた。

 

「………えっ?………嘘⁉︎なんで⁉︎」

 

見開いた美傘の目に映るのは傷だらけの夜の姿。

 

そしてーーーいつもはパーカーで隠されている夜の背後。

 

太陽に照らされている夜の背後に本来であれば必ず存在していなければならないもの。

 

眼竜 夜の背後にはーーー 影が存在しなかった(・・・・・・・・・)

 

 




次回予告

入院生活を余儀無くされた遊騎と桜は少しでも早く戦線に復帰するためにリハビリに明け暮れていた。
そんな中、遊騎と桜のもとに刀花が尋ねてくる。
遊花達に迷惑をかけた贖罪のために力になりたいという刀花のために、遊騎は刀花とデュエルをする。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『贖罪の鍵』


次回は遊騎と刀花のデュエル回。
遊騎視点でお送りする予定です。
次回をお楽しみに。


それじゃあ今回はここまで。
前書きにも書きましたが、更新が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
1年経っても猛威を奮っている某ウィルスの関連で職場が忙しくなり、持病が悪化。
その上、急遽部署移動があり一日中動き回っては死んだように眠る日々を過ごしていました。
元々遅筆なのでかなり期間が空いての更新になってしまいました。
おまけに久しぶりなのでちょっと文章がぐだぐだになってる気が………次回はもう少しまともに早く更新できるように頑張りたいです。
それではそんなところで今回はここでお開き。
ではでは〜
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