遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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お待たせしました。
今回は遊花VSレイナのデュエル回前編です。
ちょっと長くなったので前後編に分かれてしまいました。
遊花視点と第3者視点でお送りします。
それでは本編へGO‼︎




第91話 無垢なる邪心

 

 

「………」

 

『この破壊、衝動に………塗り潰され、たりなんか、しない‼︎私、が………私が、みんなを………守る‼︎運命を、超えるんだぁぁぁ‼︎』

 

永遠( とわ)に続く闇の中でも、希望は輝き運命( さだめ)を変える‼︎見参、インフィニティダークホープ‼︎』

 

「っ‼︎あああああ‼︎」

 

薄暗い部屋の中、抑えきれない怨嗟の声を漏らし、幻騎は苛立ち気に机を叩く。

 

「おー元気そうだねー幻騎だけにー」

 

そんな幻騎の前にいつの間にか1人の少女が現れ、透明な笑みを浮かべて笑っていた。

 

正体不明の抹消者( アンノウンイレイザー)………よくここに来れたものだな」

 

「何の話?私、別に悪いことしてないよー」

 

「栗原 遊花に廃棄予定の闇のカードを渡しただろう⁉︎」

 

「誰にも使用することはできないから君の好きにしたまえって言って渡したのは幻騎だよ?だから、私は好きにしてお姉さんに渡しただけー」

 

悪びれも無く笑うレイナに、幻騎は怒りの眼でレイナを睨みながら歯を食いしばる。

 

そんな幻騎に、レイナは透明な声色で諭すように口を開く。

 

「大体、元はといえば、私の遊び相手になれそうなお兄さんに手を出した幻騎が悪いんでしょ?」

 

「っ、それが今回私を邪魔した理由か?」

 

「だから邪魔はしてないってーアレは 偶々( ・・)新しい闇のカードが生まれただけ。本当なら死ぬハズの運命をあのお姉さんが乗り越えた。その結果だよー」

 

「死を乗り越えた結果………か」

 

「うんうん、結果だけ言えばそれだけ、だよ」

 

淡々と言うレイナに苦虫を噛み潰したような表情で幻騎は顔を逸らす。

 

「まあ、今はゆっくり休みなってーお姉さんとのデュエルで受けたダメージもまだ抜けきってないんでしょ?その間、ちゃんと私がテストプレイのデータは取ってあげるよ」

 

そういうとレイナは部屋の中に置いてあった十数枚の白紙でカードを手に取る。

 

「さあて、楽しいゲームになるといいねー」

 

そんな言葉と共に、レイナの姿は闇の中に消えていった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「バトル‼︎ ファイアフェニックス@イグニスターでアルティメットインセクトLV7に攻撃‼︎ファイアフェニックス@イグニスターの効果発動‼︎メビウスフレア‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが攻撃するダメージ計算時、このカードの攻撃力分のダメージを相手に与え、その戦闘で発生する相手への戦闘ダメージは0になる‼︎」

 

「何⁉︎」

 

「焼き払って‼︎ファイアフェニックス@イグニスター‼︎フェニックスブレイヴ‼︎」

 

「うわぁぁぁ‼︎」

 

 

男子生徒 LP1500→0

 

 

立体映像が消え、項垂れている男子生徒に遊花は満面の笑みを浮かべて手を差し出す。

 

「ありがとうございました‼︎いいデュエルでした‼︎」

 

「っ、ありがとうございました。またデュエルしましょう‼︎」

 

「はい‼︎こちらこそ、またよろしくお願いします‼︎」

 

「っ〜〜〜‼︎」

 

デュエルをしていた男子生徒は遊花の手を取って立ち上がると、目に手を当てて天を仰ぎながら去っていく。

 

「?それでは、次の方どうぞ‼︎」

 

妙な反応をして立ち去っていく男子生徒を首を傾げながら見送ると、遊花は再びデッキをデュエルディスクにセットし近くにいた生徒達に向き合った。

 

すぐに次のデュエルを始めた遊花を見て、すぐ近くで遊花のデュエルを見守っていた大地と霊華は苦笑いを浮かべた。

 

「何というか、少し休んでる間にまた強くなってないか?遊花のやつ?」

 

「確かに。また面白い波動を感じるカードが増えてるし、デュエルも心も、より強くなったように感じる。相変わらず面白い」

 

「面白いってのは遊花も霊華に言われたくないんじゃないか?」

 

「失礼な。私は普通」

 

「それはない」

 

不服そうな表情を浮かべる霊華に大地は肩をすくめる。

 

「とはいえ、そろそろ止めた方がいいよな?今何戦目だっけ?」

 

15戦目( ・・・)。さらに言えば 全戦ノーダメージ( ・・・・・・・・)。昼休みになって休みもせずによくやる」

 

「普段は桜が止めてたもんな。途中で止めるかと思って黙って見てたけど………」

 

「止まる気配なし。止めないと昼休みが終わるまで続きそう。そろそろ強制終了が必要ね」

 

「だな。桜の代わりにストッパーをやってやるか」

 

「バトル‼︎ウォーターリヴァイアサン@イグニスターで超化合獣メタンハイドを攻撃‼︎背徳のピュアストリーム‼︎」

 

「きゃぁぁぁ‼︎」

 

 

女子生徒 LP2100→0

 

 

「ありがとうございました‼︎いいデュエルでした‼︎」

 

「くっ………いいデュエルだったわ。リベンジは必ず‼︎」

 

「はい‼︎またデュエルしましょうね‼︎それじゃあ次の方ーーー」

 

「はーい、ストップストップ‼︎」

 

「遊花、そこまで」

 

「大地君?霊華さん?」

 

遊花のデュエルが一区切りついたところで、大地と霊華は遊花を止めに入ると、遊花は不思議そうに首を傾げる。

 

そんな遊花に2人は呆れた表情で頭を押さえた。

 

「流石に連戦し過ぎだ。昼飯だってまだだろ?」

 

「えっ?でも、私はまだーーー」

 

「武士も食わねど高楊枝、とは言うけど、今は必要ないわ。それに、いざ アレ( ・・)を持つ決闘者が現れた時に、お腹が減って満足に戦えなかったでは、笑い話にもならない」

 

「うっ………はい、分かりました。少し休憩します」

 

大地と霊華の指摘に、遊花は思うところがあったのかしょんぼりとしながら俯いて両手の人差し指をつんつんと合わせる。

 

そんな遊花に苦笑を浮かべながらも、大地と霊華は遊花を囲んで機会を伺っていた生徒達全員に聞こえるように声を上げた。

 

「うん、それでよし」

 

「というわけで、しばらくの間遊花は休憩だ‼︎悪いが挑戦は後にしてくれ‼︎」

 

「どうしても今やりたいというなら、私達が先に相手になる。私達に勝てば、遊花とデュエルしていい」

 

そう言いながら2人がデュエルディスクを起動すると、周りにいた生徒達は仕方なさそうに退散していった。

 

「よし、いなくなったな。飯にしようぜ‼︎俺、腹減っちまってそろそろお腹と背中がくっついちまうよ」

 

「うん、私も流石にお腹が空いた」

 

「えっ⁉︎2人共まだ食べてなかったの⁉︎」

 

大地と霊華の言葉に遊花が目を見開いて驚く。

 

そんな遊花に、2人は当然だとでも言うように笑みを浮かべた。

 

友達( ダチ)が全力でデュエルしてんのに、自分だけ呑気に飯なんて食べれるわけないだろ?一緒に食べようぜ‼︎」

 

「ご飯は誰かと一緒に食べた方が美味しいわ。遊花達となら、特にね」

 

「大地君………霊華さん………はい‼︎一緒に食べましょう‼︎」

 

2人の言葉に遊花は満面の笑みを浮かべる。

 

穏やかな日常が、そこにはあった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「それにしても、本当に強くなったよな、遊花は」

 

「同意。流石にこんなに強くなるとは思わなかった」

 

「ほぇ?」

 

私を待っていてくれた大地君と霊華さんと一緒にお昼ご飯を食べていると、2人が不意にそんなことを言い出した。

 

「そんなことないと思いますけど………私なんてまだまだで………」

 

「まだまだの奴が15戦も連続ノーダメージでデュエルできるかよ‼︎相変わらず自己評価が低いよな、遊花は」

 

「周りにいる人達が人達だから仕方ないけど、遊花はちょっと基準が壊れてるわ。一般常識を学んでおいた方がいい」

 

「い、一般常識って………これでも常識的なつもりなんですが………」

 

「「それはない(な)」」

 

「ハモって否定される程ですか⁉︎」

 

呆れたように肩を竦める2人を見て私はちょっとショックを受ける。

 

いや、まぁ確かに、最近立て続けに妙なことが起こっているせいで、自分の常識がちょっとだけ………ほーんのちょっとだけ違うのかなーなんて思うことがないわけではないけど。

 

それでも、まだ私は常識的なハズだよ、うん。

 

………考えて我ながらちょっとだけ怪しく感じてしまう自分が悲しい。

 

「まぁ、そういうところも遊花らしくていいとは思うけどな」

 

「デュエルは強く、いつも笑顔で気立もよく、素直で一生懸命な頑張り屋さん。ちょっと天然なところも愛らしいと評判。ファンクラブもできるわけね」

 

「そんなことは………って、ファンクラブ⁉︎わ、わわ、私なんかにファンクラブなんてあるんですか⁉︎」

 

「知らなかったの?」

 

「知りませんよ⁉︎」

 

「あ、その話俺も聞いたことあるぜ。大抵の奴なら知ってるんじゃないか?」

 

「周知の事実⁉︎」

 

突然霊華さんと大地君の口から出てきた予想外の言葉に私は思わず目を見開いて驚く。

 

えっ⁉︎ファンクラブなんてものいつできたんですか⁉︎

 

というか、私みたいなただの学生にファンの人がいらっしゃるんですか⁉︎

 

「確か真紅とデュエルした頃にはそんな話が出てたよな」

 

「そうね。元々は期末試験での遊花のデュエルを見てファンになった人達が、闇さんに認められ、色んな人と楽しそうにデュエルをする遊花に心を打たれたのがファンクラブ結成のはじまりとかなんとか」

 

「そんな前から⁉︎」

 

「こうして休み時間にデュエルを挑んでくる人だって、闇さんとのデュエル狙いじゃなくて遊花とデュエルしたいからって人もいるらしいぜ」

 

「主に関わりが少ない他学年の子とかね。実質ファンサービス」

 

「そんなつもりはありませんよ⁉︎あ、うぅ〜‼︎」

 

2人の言葉に私は顔が赤くなっていくのを感じて、両手で頬を押さえる。

 

そ、そういえばデュエルしてると時折変わった反応をしてる人達がいたけど、もしかしてその人達がファンクラブの人達だったのかな?

 

うぅ〜恥ずかしいよ〜

 

「はは‼︎まぁ、それだけ遊花を応援してくれてる奴がいるってことさ」

 

「うん。遊花はこれからも変わらず、いつも通りにやればいいわ」

 

「大地君………霊華さん………はい、そうですね」

 

2人の言葉に私はしっかりと頷く。

 

ちょっと驚いたし恥ずかしいけど、こんな私を応援してくれている人がいる。

 

それは、とっても嬉しいこと。

 

私を応援してくれる人。

 

私に期待してくれる人。

 

私を支えてくれる人。

 

そして………私を待ってくれている人。

 

そんな人達のためにも、私はもっとその人達の想いに応えれるような人になりたい。

 

そんなことを、改めて私は思った。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「クックック、我に恐れを成したか、"闇に魅入られ者( ダークネスプリズナー)"よ。まあ、仕方なきことよ。所詮は闇の囚人。深淵より出でし、全てを喰らう真紅の悪竜たる我を恐れるのは当然のことだ」

 

「えっと………ごめんね、真紅ちゃん。言ってること、全然分かりません」

 

放課後。

 

風紀委員会の教室で、臨時風紀委員として見回りを頼まれた私は真紅ちゃんと2人でデュエルアカデミア内の見回りを行っていた。

 

先日少しの虚実を混ぜて話した今回の失踪事件に関する今後の風紀委員会の対応に関してはまだ協議中らしい。

 

内容が内容であるため仕方がないとは思うけど、それもふまえて風紀委員会ではちょっと人手が足りていないみたいだ。

 

なので正規の風紀委員の人達が会議をしている間に臨時風紀委員である私が校内の見回りを引き受けたんだけど………

 

「クックック、やはり汝は光、我は影。我らが相入れることはない。我が言霊は光の存在である"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"には通じぬか」

 

「できれば通じる努力はしてほしいんだけどなぁ………」

 

相変わらずよく分からない言葉を使う真紅ちゃんに思わず苦笑してしまう。

 

今日は刀花ちゃんはまだ講義があるらしく、風紀委員会に1人で顔を出していた真紅ちゃんと2人で見回りをすることになった。

 

霊華さんと大地君もいたんだけど、2人は別の場所を見回ってくれている。

 

流石に4人が纏まって見回りをするのは効率が悪いしね。

 

「やはり我が言を読み解けるのは"深淵の話し手( アビストーカー)"のみか。流石は我が同胞よ」

 

「"深淵の話し手( アビストーカー)"………確か、刀花ちゃんのことだよね?本当に2人は仲が良いね」

 

「当然よ。"深淵の話し手( アビストーカー)"は我の唯一無二の盟友だからな」

 

そういって羽織っていたマントを翻しながら真紅ちゃんが自慢気に笑う。

 

言ってることはよく分からないけど、刀花ちゃんのことを大切そうに語る真紅ちゃんを微笑ましく思い私は思わず笑顔を浮かべる。

 

しかし突然、何かに気づいた真紅ちゃんは真剣な表情を浮かべると私の方を向いて口を開いた。

 

「………妙だな」

 

「えっ?何が?」

 

「気付かぬか?先程から我らは誰ともすれ違っておらぬ。いくら講義を受けている者がいるとはいえ、すでに放課後だぞ?」

 

「えっ?そういえば………」

 

真紅ちゃんの言葉に私は思わず当たりを見渡す。

 

確かに講義をしている教室があるとはいえ、先程から妙に辺りが静かだ。

 

人の姿は見えず、話し声どころか物音すら聞こえず、不気味な静寂が辺りを支配している。

 

「気付かぬ内に伏魔殿に呑み込まれたか?」

 

「伏魔殿?えっと、デーモンのフィールド魔法だっけ?」

 

「たわけ‼︎ 伏魔殿( デーモンパレス)-悪魔の迷宮-のことではない‼︎悪魔が潜んでいる場所のことだ‼︎」

 

「悪魔が潜んでる場所?うぅ〜よく分からない」

 

「あーもう‼︎ようは敵がいるかも知れない場所ってことです‼︎遊花先輩はもっと語彙力を鍛えてください‼︎小説とか漫画とか辞書とか読んだら大体難しい言葉とか書いてますから‼︎今度私が貸してあげます‼︎」

 

「ご、ごめんなさい」

 

急に素に戻った真紅ちゃんに怒られて私は縮こまる。

 

なんだろう、凄く理不尽な怒られ方してる気がするよ………

 

「あははは‼︎相変わらず、お姉さんは面白いねぇー」

 

『っ⁉︎』

 

真紅ちゃんに怒られていると、そんな私の背後から突然無邪気ながらもどこか感情がこもっていない透き通った少女の声が聞こえてきた。

 

私達が思わず振り返ると、そこにいたのは綺麗な銀髪をツインテールにし、大きくて袖から手が出ていないデュエルアカデミアの制服に身を包んだ初等部の中学年ぐらいの少女。

 

「っ、レイナちゃん………」

 

「っ⁉︎へぇ………お姉さん、私のこと覚えてるんだ。そっかそっか、へぇーやっぱりお姉さんは面白いや」

 

私が名前を呼ぶと、レイナちゃんは驚いた表情を浮かべると興味深そうに私を見た。

 

「"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"。この幼女を知っているのか?」

 

「この子はレイナちゃん………天神先生の協力者でこの街に闇のカードをばら撒いている子」

 

「何⁉︎この幼女がか⁉︎」

 

私の言葉に真紅ちゃんは目を見開いてレイナちゃんを見る。

 

警戒する私達を見て、レイナちゃんは楽しそうに笑う。

 

「あははは‼︎警戒されてるねーまあ当然だろうけどさー」

 

「………何をしにきたの?」

 

「遊びに来たんだよ、お姉さんとね」

 

そういってレイナちゃんはデュエルディスクを起動し、操作すると急に辺りの風景が変化する。

 

静まりかえった校舎は消え、辺りは色とりどりの花々が咲き誇り、その花々の中央に巨大な大樹がそびえ立つ花園に変わっていた。

 

「えっ⁉︎」

 

「何⁉︎貴様、何をした⁉︎」

 

「ようこそ、私の閉幕世界( クローズワールド)世界樹の花園(ユグドラシル )へ」

 

世界樹の花園(ユグドラシル )?」

 

世界樹の花園(ユグドラシル )だと⁉︎九つの世界を内包する世界樹だと言うのか⁉︎」

 

「えっ⁉︎ 世界樹の花園(ユグドラシル )って知ってるの?真紅ちゃん?」

 

「北欧神話は大好物っ、じゃなかった。クックック、深淵より出でし、全てを喰らう真紅の悪竜たる我に知らぬ理などないわ‼︎」

 

何故か妙にテンションが上がっている真紅ちゃんと突然変な空間に連れてこられたことに戸惑っていると、レイナちゃんは楽しそうに笑う。

 

「あははは‼︎綺麗な場所でしょ?それに便利なんだよ、ここならデュエルが終わるまで誰も出れないし入れないから、誰の邪魔も入らないもん」

 

「っ‼︎」

 

レイナちゃんの言葉に私は頬を引き攣らせる。

 

外部と干渉できない閉鎖空間に閉じ込められ、相手は天神先生の協力者のレイナちゃん。

 

そして、私だけならともかく、今この場所には真紅ちゃんも一緒にいる。

 

この状況は、とても危険だ。

 

「そう怖い顔しないでよ。私はただお姉さんと遊びにきただけだってー」

 

「………私と?」

 

「そうだよ。こないだの幻騎とのデュエル、凄かったよ。お姉さんが言った通り、あの呪われたカードで運命を超えてみせた。だから、ちょっと遊んでみたくなっちゃったんだよね」

 

そういうとレイナちゃんはデュエルディスクを起動して私に向ける。

 

「というわけで、デュエルしよ?お姉さん。お姉さんのデュエル、私にいっぱい見せて欲しいな」

 

「………分かった。相手になるよ」

 

「"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"⁉︎」

 

「ふふ、そうこなくっちゃ」

 

デュエルディスクを起動して構える私を見て、真紅ちゃんが目を見開く。

 

だけど、レイナちゃんの言葉が正しければどの道ここから出るにはレイナちゃんとデュエルするしかないのだ。

 

なら、真紅ちゃんがするよりも私がデュエルした方がいい。

 

レイナちゃんは師匠が負けた程の決闘者。

 

多少の痛みと危険は覚悟して、全力で挑む‼︎

 

「さあ、楽しいゲームをはじめよう」

 

「負けないよ‼︎」

 

『決闘‼︎』

 

 

遊花 LP8000

 

レイナ LP8000

 

 

ーーーーーーー

 

 

「先攻は貰うよ‼︎魔法カード、隣の芝刈り‼︎このカードは自分のデッキの枚数が相手よりも多い場合に発動でき、デッキの枚数が相手と同じになるように、自分のデッキの上からカードを墓地へ送るよ‼︎」

 

「へぇー大量の墓地肥やしカード。いきなり派手だねぇー私のデッキ枚数は35枚だよー」

 

「私は55枚なので、その差分の20枚のカードを墓地に送らせて貰うよ‼︎」

 

私のデッキから一気にカードが墓地に送られていく。

 

落ちたカードは………よし、これなら‼︎

 

「墓地に送られたイーバの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分のフィールド・墓地の天使族・光属性モンスターを2体まで除外し、除外した数だけ、デッキからイーバ以外のレベル2以下の天使族・光属性モンスターを同名カードは1枚まで手札に加えるよ‼︎私は墓地からハネワタとハイキューピットを除外して、デッキから天輪の葬送士とワタポンを手札に加えるよ‼︎そして手札に加わったワタポンの効果発動‼︎このカードがカードの効果によって自分のデッキから手札に加わった場合、このカードを手札から特殊召喚できる‼︎おいで、ワタポン‼︎」

 

 

〈ワタポン〉☆1 天使族 光属性

DEF300

 

 

イーバの効果で手札に加わったカードから触覚を持つ白い毛玉のようなモンスターが飛び出し、私の肩の上に乗る。

 

「私は天輪の葬送士を召喚‼︎」

 

 

〈天輪の葬送士〉☆1 天使族 光属性

ATK0

 

 

フィールドに現れたのは銀色の棺の身体を持つモンスター。

 

「天輪の葬送士の効果発動‼︎このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の光属性・レベル1モンスター1体を対象としてその光属性モンスターを特殊召喚するよ‼︎おいで、ミスティックパイパー‼︎」

 

 

〈ミスティックパイパー〉☆1 魔法使い族 光属性

DEF0

 

 

葬送士が自分の腕で身体になっている棺を開けると、棺の中からフルートのようなものを弾いている男の人が姿を現わす。

 

「ミスティックパイパーの効果発動‼︎このカードをリリースして自分のデッキからカードを1枚ドローし、この効果でドローしたカードをお互いに確認し、レベル1モンスターだった場合、自分はカードをもう1枚ドローするよ‼︎」

 

ミスティックパイパーは任せろというようにサムズアップをし、姿を消すのと同時に私はカードをドローする。

 

「私が引いたのはクリアクリボー‼︎レベル1モンスターなのでもう1枚ドローするよ‼︎」

 

「手札が減らないねーなかなかやるなぁ」

 

「行くよ‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私が正面に手をかざすと、私の前に巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はレベル1モンスター1体。私は天輪の葬送士をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎希望の守り手‼︎リンク1‼︎リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300 ↓

 

 

葬送士がサーキットに吸い込まれると、代わりに青い球体のモンスターが現れる。

 

現れたリンクリボーはいつもと違い警戒した様子でレイナちゃんを見つめている。

 

リンクリボーのこの反応………やっぱり、レイナちゃんは………

 

「私はカードを2枚伏せてターンエンド‼︎」

 

 

遊花 LP8000 手札4

 

ーー▲▲ー ー

ーー□ーー

ー ☆

ーーーーー

ーーーーー ー

 

レイナ LP8000 手札5

 

 

「さあ、楽しいゲームのはじまりだよ。私のターン、ドロー。まずはまずは魔法カード、手札抹殺。お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローするよ。私は5枚、お姉さんは4枚捨ててドロー」

 

「いきなり大量の手札交換………」

 

「そして墓地に送られたステイセイラロマリンの効果発動。同名カードは1ターンに1度、このカードが効果で墓地へ送られた場合にデッキ・エクストラデッキからレベル5以下の植物族モンスター1体を墓地へ送る。私はデッキから薔薇恋人( バララヴァー)を墓地に送るよー」

 

「薔薇恋人………そのカードは………」

 

「さらに手札からスポーアを捨てて魔法カード、ワンフォーワンを発動。デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚するよ。おいで、イービルソーン」

 

 

〈イービルソーン〉☆1 植物族 闇属性

DEF300

 

 

 

フィールドに現れたのは手榴弾の形をした棘の生えた実をつけている花のモンスター。

 

「イービルソーンの効果発動。このカードをリリースして相手ライフに300ポイントのダメージを与え、自分のデッキから同名カードを2体まで表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。ただし、この効果で特殊召喚した同名カードは効果を発動する事ができないけどね。まずは300ポイントのダメージ、受けて貰うよ」

 

「っ、バーン効果‼︎」

 

 

遊花 LP8000→7700

 

 

イービルソーンがつけていた手榴弾の形をした棘の生えた実が弾け、弾け飛んだ棘が私の身体を貫く。

 

そして私の身体に当たらなかった棘が落ちた場所から2体のイービルソーンが生えてきた。

 

 

〈イービルソーン〉☆1 植物族 闇属性

DEF300

 

 

「さあ、どんどんフィールドに彩りを添えてくよー1体のイービルソーンをリリースして、永続魔法、超栄養太陽。自分フィールド上のレベル2以下の植物族モンスター1体をリリースしてリリースしたモンスターのレベル+3以下のレベルを持つ植物族モンスター1体を、手札・デッキから特殊召喚する。ただし、このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊し、そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。イービルソーンのレベルは1。私はデッキからローンファイアブロッサムを特殊召喚するよ」

 

「っ‼︎ローンファイアブロッサム⁉︎」

 

 

〈ローンファイアブロッサム〉☆3 植物族 炎属性

DEF1400

 

 

超栄養太陽によりイービルソーンが変異し、フィールドに現れたのは黄色い爆弾のような実をつけた植物。

 

ローンファイアはデッキから好きな植物族を特殊召喚できるカード………間違いない、レイナちゃんのデッキは植物族デッキ‼︎

 

「ローンファイアブロッサムの効果発動。1ターンに1度、自分フィールドの表側表示の植物族モンスター1体をリリースしてデッキから植物族モンスター1体を特殊召喚するよ。私はローンファイアブロッサムをリリースしてデッキからギガプラントを特殊召喚するよ」

 

 

〈ギガプラント〉☆6 植物族 地属性

ATK2400

 

 

ローンファイアブロッサムの実が弾け、辺りを爆煙が包む。

 

そして爆煙が晴れると、そこには巨大な食虫植物のモンスターが現れた。

 

「ギガプラント………確かデュアルモンスターの………」

 

「おーお姉さん、この子のこと知ってるんだねぇ」

 

「………植物族デッキを使う人が身近にいたから、ね」

 

「へぇーなら、このカードの怖さも知ってるよね?ギガプラントを再度召喚‼︎」

 

レイナちゃんがギガプラントを再度召喚すると、ギガプラントの身体が成長し、更に巨大になる。

 

「ギガプラントの効果発動。1ターンに1度、自分メインフェイズに自分の手札・墓地から昆虫族または植物族のモンスター1体を選んで特殊召喚する。墓地より咲き誇れ、椿姫ティタニアル」

 

 

〈椿姫ティタニアル〉☆8 植物族 風属性

ATK2800

 

 

ギガプラントが咆哮を上げながら地面を叩くと地面から現れたのは椿の身体を持つアルラウネのモンスター。

 

 

「まだまだ行くよー私は墓地に存在する薔薇恋人の効果発動。墓地のこのカードを除外して、手札から植物族モンスター1体を特殊召喚する。そしてこの効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、相手の罠カードの効果を受けない。出ておいで、姫葵マリーナ」

 

 

〈姫葵マリーナ〉☆8 植物族 炎属性

ATK2800

 

 

ティタニアルに寄り添うように向日葵の身体を持つアルラウネのモンスターが現れる。

 

 

「墓地のバラガールを除外してスポーアの効果発動。同名カードはデュエル中に1度、このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地からこのカード以外の植物族モンスター1体を除外してこのカードを特殊召喚し、この効果で特殊召喚したこのカードのレベルは除外したモンスターのレベル分だけ上がる。おいで、チューナーモンスター、スポーア」

 

 

〈スポーア〉☆1→4 植物族 風属性

DEF800

 

 

フィールドに現れたのは毛玉のような胞子のモンスター。

 

スポーアはチューナーモンスター………ということは、レイナちゃんの狙いは‼︎

 

「私はレベル1、イービルソーンに、レベル4となったチューナーモンスター、スポーアをチューニング」

 

「やっぱり、シンクロ召喚………‼︎」

 

スポーアが光の輪になり、イービルソーンが小さな星に変わり、光の道になる。

 

光の道が輝くと、その中から現れるのは白い薔薇のドレスを纏った少女。

 

「黒薔薇の庭に咲く純潔なる少女よ、聖域を侵す者に白き茨の呪いを与えよ。シンクロ召喚、白き薔薇乙女、ガーデンローズメイデン」

 

 

〈ガーデンローズメイデン〉☆5 植物族 闇属性

ATK1600

 

 

「ガーデンローズメイデンの効果発動、ローゼンアルタール。このカードが特殊召喚に成功した場合、自分のデッキ・墓地からブラックガーデン1枚を選んで手札に加える。私はデッキからブラックガーデンを手札に加えて、そのままフィールド魔法、ブラックガーデンを発動ー‼︎」

 

レイナちゃんがそういってブラックガーデンを発動すると、世界樹の花園に変化が訪れる。

 

色とりどりの花が綺麗に咲き誇っていた花園を茨が侵食していき、色とりどりの花が枯れていく代わりに辺り一面に黒い薔薇が咲き誇った。

 

「ようこそ私のゲームエリアへ。ここはブラックガーデン………世界樹の花園に寄生し、全ての生命を養分として花を咲かせる異界の花園」

 

「ブラックガーデン………これがレイナちゃんのゲームエリア」

 

黒い薔薇で埋め尽くされてしまった花園を見て、私は悲しくなってしまう。

 

せっかく綺麗な場所だったのに、全てが黒に染め上げられてしまう。

 

それはまるで闇のカードに宿る呪いのようでーーー

 

「さあ、存分に戦おうか。バトル。ガーデンローズメイデンでリンクリボーを攻撃。シュラーフローゼン」

 

ローズメイデンが手を伸ばすとリンクリボーに向かって白い茨が襲いかかる。

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、リンクリボーの効果発動‼︎ゼロリンク‼︎このカードをリリースし、その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる‼︎」

 

ローズメイデンの身体と茨にリンクリボーの身体が粒子に変わって纏わりつき、その動きを止める。

 

 

ガーデンローズメイデン

ATK1600→0

 

 

「うまくかわしたねー攻撃対象がいなくなったことでガーデンローズメイデンの攻撃は中止するよ。次、ギガプラントでワタポンに攻撃‼︎ヴォレイシャスウィーク」

 

ギガプラントが地面から蔦を伸ばし、ワタポンを捕らえるとそのままワタポンを口に運び喰らい尽くす。

 

「っ、ごめんね、ワタポン」

 

「モンスターに謝ってる場合かな?椿姫ティタニアルでダイレクトアタック。カメーリエドルン」

 

ティタニアルが茨を操り、私に大量の茨が迫ってくる。

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、手札からクリブーを捨てて効果発動‼︎」

 

「クリブー?クリボーじゃなくて?」

 

「デッキから同名カード以外のクリボーモンスター1体を手札に加える‼︎私はデッキからクリボーを手札に加えるよ‼︎そして手札から、クリボーの効果発動‼︎ダークエンヴェロップ‼︎相手モンスターが攻撃した場合、そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨て、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる‼︎」

 

茨から庇うようにクリボーが現れ、私を守って消滅する。

 

ありがとう、クリボー。

 

「まだ終わりじゃないよ。姫葵マリーナでダイレクトアタック。サマーサンシャイン」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、墓地からクリアクリボーの効果発動‼︎相手モンスターの直接攻撃宣言時、墓地のこのカードを除外し、自分はデッキから1枚ドローし、そのドローしたカードがモンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚してその後、攻撃対象をそのモンスターに移し替える‼︎」

 

私が勢いよくドローするのと同時に姫葵マリーナの目の前に巨大な向日葵が現れ、向日葵から光の弾丸が放たれる。

 

しかし、放たれた弾丸は私の前に現れた一角を持つ深緑の毛玉に阻まれた。

 

 

〈クリバビロン〉☆5 悪魔族 闇属性

DEF1000

 

 

「私がドローしたのはクリバビロン‼︎モンスターだから特殊召喚し、このカードに攻撃対象を移し替える‼︎そして、クリバビロンは永続効果、ブラザーバンドにより攻撃力・守備力は、自分のフィールド・墓地のクリボーモンスターの数×300ポイントアップする‼︎私の墓地には、アンクリボー、クリボーン、クリボー、ハネクリボーLV9、ジャンクリボー、リンクリボー、そしてルール上クリボーカードとして扱うクリバー、クリビー、クリブー、クリベーの10体のクリボーモンスターがいます‼︎よって、クリバビロンの攻撃力・守備力は3000ポイントアップします‼︎」

 

 

クリバビロン

ATK1500→4500 DEF1000→4000

 

 

「‼︎レベル5で攻撃力4500に守備力4000のモンスター‼︎凄いねーだけど、私のゲームフィールドでは攻撃力は意味ないんだよね」

 

「えっ?」

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、ブラック・ガーデンの効果以外でモンスターが表側表示で召喚・特殊召喚される度に、そのモンスターの攻撃力を半分にし、その後、そのコントローラーは、相手のフィールドに植物族・闇属性・レベル2・攻撃力守備力800のローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

「っ‼︎弱体化とトークンを生成する効果を持つフィールド魔法⁉︎」

 

レイナちゃんの言葉に反応するように花園に蔓延っていた茨がくりばびあに向かって伸び、その角を締め上げる。

 

締め上げられたクリバビロンが苦悶の声を上げると、レイナちゃんのフィールドに黒い薔薇が咲いた。

 

 

クリバビロン

ATK4500→2250

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

「っ、だけど、クリバビロンは守備表示‼︎攻撃力が下がろうと関係ないよ‼︎弾き返して、クリバビロン‼︎アサルトホーン‼︎」

 

クリバビロンが暴れ、茨の戒めを解くと、巨大な向日葵に体当たりをして向日葵ごとマリーナを弾き飛ばした。

 

 

レイナ LP8000→6800

 

 

「ふふふ、弾き返されちゃった。おまけにあれだけ攻撃したのに全て躱されちゃった。流石だね、お姉さん。まさに鉄壁の防御。伊達に"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"なんて呼ばれてるわけじゃないかー」

 

「っ⁉︎けほっ、けほっ‼︎そ、その名前は関係ないよ‼︎というか、なんでレイナちゃんまでその名前を知ってるの⁉︎」

 

「んー?おかしなこと言うねーデュエルアカデミアでお姉さんの名前を聞いたらまず一緒に"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"って単語が出てるよ?」

 

「そんなレベルで認知されてるの⁉︎」

 

「クックック、流石は我が好敵手‼︎それでこそ、我が超える価値がある‼︎」

 

「真紅ちゃんも変に話を膨らまさない‼︎というか、この名前が広がってるの絶対に真紅ちゃんのせいだからね⁉︎」

 

レイナちゃんから告げられた言葉に思わず頬が赤くなる。

 

まさかそんなにあの名前が広がってるなんて………

 

う〜恥ずかしいよ〜

 

「さてと、お話しはこの辺りにして、メインフェイズ2。カードを1枚伏せてターンエンドだよ。エンドフェイズ、リンクリボーの効果で下がっていたガーデンローズメイデンの攻撃力は元に戻るよー」

 

 

ガーデンローズメイデン

ATK0→1600

 

 

遊花 LP7700 手札3

 

ーー▲▲ー ー

ーー□ーー

ー ー

○○○○○

ーー▲ーー ▽

 

レイナ LP6800 手札0

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

レイナちゃんのフィールドはもう埋まっていてこれ以上ローズトークンが出ることはない。

 

セットカードが1枚あるけど、ここは果敢に攻めていく‼︎

 

「私はクリバビロンの効果発動‼︎コンバインリリース‼︎同名カードは1ターンに1度、自分のメインフェイズ及びバトルフェイズにこのカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からクリバー、クリビー、クリブー、クリベー、クリボーを1体ずつ選んで攻撃表示で特殊召喚する‼︎墓地から出ておいで、クリボー5兄弟‼︎」

 

 

〈クリバー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300

 

 

〈クリビー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300

 

 

〈クリブー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300

 

 

〈クリベー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300

 

 

クリバビロンの身体が光り輝くと、その光が5つに分かれ、5体の色とりどりな毛玉の悪魔に変わる。

 

「へぇー分離もできるんだ。だけど、フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、クリボー5兄弟の攻撃力を半分にするよーとはいえ、私のフィールドは埋まってるし、この場合出てきても1体しかローズトークンは出せないんだけど」

 

「っ、トークンが出なくても弱体化はさせられるんだね………」

 

 

クリバー

ATK300→150

 

 

クリビー

ATK300→150

 

 

クリブー

ATK300→150

 

 

クリベー

ATK300→150

 

 

クリボー

ATK300→150

 

 

攻撃力を下げられるブラックガーデンはかなり厄介だけど、今はあのカードを対処する方法がない。

 

なら、今は私のできる全力でぶつかる‼︎

 

「導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私の正面に再び巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件はトークン以外のレベル1モンスター1体‼︎私はクリバーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎相手を捕える深淵の邪眼‼︎リンク1‼︎サクリファイスアニマ‼︎」

 

 

〈サクリファイスアニマ〉LINK1 魔法使い族 闇属性

ATK0 ↑

 

 

「そのモンスターは確か………ブラックガーデンは発動するけど、トークンもでないし攻撃力も下がらないから意味ないかー」

 

「サクリファイスアニマの効果発動‼︎コネクトアブソープション‼︎1ターンに1度このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象にその表側表示モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力分アップするよ‼︎対象はギガプラント‼︎吸い込んじゃって、サクリファイスアニマ‼︎」

 

アニマの目の上にある空間からギガプラントを吸い込むように風が生み出され、ギガプラントの身体を飲み込むとアニマの羽根に植物の蔦が現れる。

 

 

サクリファイスアニマ

ATK0→2400

 

 

「まだまだ行くよ‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「連続リンク召喚かー次はどんなモンスターが出てくるかな?」

 

さあ、久しぶりに行くよ‼︎

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はサクリファイスアニマ、クリビー、クリブー、クリベーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

アニマ達がサーキットの中に吸い込まれていくと、サーキットが光り輝く。

 

あなたの力を、私に貸して‼︎

 

「閉ざされた運命を撃ち抜く信念の弾丸‼︎リンク4‼︎ヴァレルロードドラゴン‼︎」

 

私の呼び声に応えるように龍の咆哮が轟いた。

 

 

〈ヴァレルロードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性

ATK3000 ↙︎←→↘︎

 

 

「リンク4のモンスターかーでも、そのモンスターもブラックガーデンに縛られて、私のフィールドにはローズトークンが生まれるよ」

 

 

ヴァレルロードドラゴン

ATK3000→1500

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

「まだ終わりません‼︎ 速攻魔法‼︎増殖‼︎自分フィールド上に表側表示で存在するクリボー1体をリリースして自分フィールド上にクリボートークンを可能な限り守備表示で特殊召喚します‼︎」

 

 

〈クリボートークン〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200 ATK300→150

 

 

茨に縛られながらも、私のフィールドにいたクリボーが5体に増える。

 

「導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「流れるような連続リンク召喚。流石だねー」

 

さぁ、いくよ、皆‼︎

 

「召喚条件は通常モンスター1体‼︎私はクリボートークンをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク1‼︎リンクスパイダー‼︎」

 

 

〈リンクスパイダー〉LINK1 サイバース族 地属性

ATK1000→500 ↓

 

 

私の前に機械の蜘蛛が現れる。

 

それを確認しながら私は再びサーキットを開く。

 

「まだ行くよ‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎召喚条件はモンスター2体‼︎私はクリボートークン2体をリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎リンク召喚‼︎リンク2‼︎プロキシードラゴン‼︎」

 

 

〈プロキシードラゴン〉LINK 2 サイバース族 光属性

ATK1400→700 ←→

 

 

次に現れたのは白い身体をした機械の竜。

 

そして私はあの子を呼ぶ。

 

「墓地に存在するリンクリボーの効果発動‼︎スケープリンク‼︎このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースしてこのカードを墓地から特殊召喚する‼︎私はクリボートークンをリリース‼︎戻っておいで、リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300→150 ↓

 

 

「そして、導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私は1度目を閉じて、深呼吸をしてからそのモンスターを呼ぶ。

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上‼︎私はリンクスパイダー、リンクリボー、プロキシードラゴンを2体分として扱ってリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

リンクスパイダー、リンクリボー、プロキシードラゴンが2体に分身してサーキットに吸い込まれていく。

 

「お願い、私に行く道を阻む茨を断ち斬る力を貸して‼︎リンク召喚‼︎閉ざされた運命を斬り開く魂の(つるぎ)リンク4‼︎ヴァレルソードドラゴン‼︎」

 

自身を縛りつける茨に苦しみながらも、その茨を断ち斬り、龍の咆哮が世界に響いた。

 

 

〈ヴァレルソードドラゴン〉LINK4 ドラゴン族 闇属性

ATK3000→1500 ↙︎←↓↑

 

 

「へぇー2体目のリンク4モンスターかー」

 

「行くよ‼︎バトル‼︎ ヴァレルロードドラゴンで姫葵マリーナを攻撃‼︎銃声のイジェクトフレア‼︎」

 

ヴァレルロードの口から砲台が現れ、マリーナに向けて粒子砲を放つ。

 

「この瞬間、ヴァレルロードドラゴンの効果発動‼︎エロージョンエイミング‼︎このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に、その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得る‼︎ そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られるよ」

 

「成る程ーコントロール奪取か」

 

ヴァレルロードの粒子砲を受けたマリーナは消滅し、こちらのバトルゾーンに移動する。

 

「まだ、行くよ‼︎ヴァレルソードドラゴンで椿姫ティタニアルを攻撃‼︎」

 

「迎え撃ってね、椿姫ティタニアル。カメーリエドルン」

 

ティタニアルが大量の茨を生み出し、ヴァレルソードを呑み込んでいく。

 

だけど、それぐらいじゃ私の剣は止められない‼︎

 

「攻撃宣言時、ヴァレルソードドラゴンの効果発動‼︎アブソーブブースト‼︎1ターンに1度、このカードが表側表示モンスターに攻撃宣言した時、ターン終了時まで、このカードの攻撃力はそのモンスターの攻撃力の半分アップし、そのモンスターの攻撃力は半分になる‼︎」

 

「今度は攻撃力吸収効果かー」

 

 

 

椿姫ティタニアル

ATK2800→1400

 

 

ヴァレルソードドラゴン

ATK1500→2900

 

 

ヴァレルソードが斬りかかり、自身を捉えようとする茨を全て斬り裂き、剣から漏れる赤い光が茨を通じてティタニアルの力を奪っていく。

 

「斬り開いて、ヴァレルソードドラゴン‼︎剣光のベイオネットブレイク‼︎」

 

私の言葉にヴァレルソードは応えるように咆哮を上げると、一瞬でティタニアルの正面に移動し、その身体を斬り裂いた。

 

 

レイナ LP6800→5400

 

 

「っーやるねー」

 

「まだだよ‼︎ヴァレルソードドラゴンの効果発動‼︎アサシネイトショット‼︎1ターンに1度、攻撃表示モンスター1体を対象として発動‼︎そのモンスターを守備表示にし、このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる‼︎そしてこの効果の発動に対して相手は効果を発動できない‼︎この効果は相手ターンにでも使用することが出来ます‼︎対象にするのは、ローズトークン‼︎」

 

ヴァレルソードの腕から突然散弾がローズトークンに向かって撃ち出され、その衝撃でローズトークンが地面に落ちる。

 

 

ローズトークン

ATK800→DEF800

 

 

「これでヴァレルソードドラゴンは2回目の攻撃が可能‼︎ヴァレルソードドラゴンでガーデンローズメイデンを攻撃‼︎剣光のベイオネットブレイク‼︎」

 

ヴァレルソードは一瞬でローズメイデンの懐に踏み込むと、一刀の元に斬り伏せた。

 

 

レイナ LP5400→4100

 

 

「あいたたた」

 

「まだ私の攻撃は終わってないよ‼︎ 姫葵マリーナで攻撃表示のローズトークンを攻撃‼︎サマーサンシャイン‼︎この瞬間、ヴァレルロードドラゴンの効果発動‼︎ジャムバレット‼︎ローズトークンを対象にして攻撃力・守備力を500ポイントダウンさせるよ‼︎この効果は相手ターンにも発動することができ、この効果に対して相手は効果を発動することが出来ない‼︎」

 

 

ローズトークン

ATK800→300

 

 

ヴァレルロードが手についているリボルバーから弾丸を撃ち出し、ローズトークンを撃ち抜く。

 

撃ち抜かれたローズトークンをマリーナが放った光の光弾が焼き尽くし、消滅させた。

 

 

レイナ LP4100→1600

 

 

「っ………」

 

「流石は"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"だな。黒幕だと聞いて警戒していたが、大したことないではないか」

 

一気にライフポイントを失ったレイナちゃんを見て、真紅ちゃんがそんなことを言う。

 

だけど、私は冷や汗をかきながらそんな真紅ちゃんに首を振る。

 

「………ううん、違うよ、真紅ちゃん」

 

「?"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"?」

 

確かに、私の攻撃は上手く行っている………いや、上手く 行きすぎている(・・・・・・・)

 

師匠を倒したレイナちゃんが、そんなに簡単に倒せるわけがない。

 

そんな私の予感を肯定するように、レイナちゃんは楽しそうに笑いはじめた。

 

「あはは‼︎お姉さん、すっごく強いねーうんうん、これでこそ戦う価値がある」

 

「っ‼︎」

 

「な、なんだ此奴?急に笑い出したぞ?」

 

レイナちゃんの笑顔を見て、真紅ちゃんは気味が悪そうにし、私は引き攣りそうになる顔を堪える。

 

やっぱり、遊ばれている。

 

できれば、遊ばれている間に勝てればよかったんだけど………どうやら、そう簡単にはいかないみたいだね。

 

「メインフェイズ2、モンスターをセット‼︎カードを1枚伏せてターンエンド‼︎」

 

「ならエンドフェイズにリバースカードオープン。罠発動、裁きの天秤」

 

「っ⁉︎そのカードは‼︎」

 

「相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計数より多い場合に発動でき、自分はその差の数だけデッキからドローするよーお姉さんのフィールドのカードは8枚、私は裁きの天秤とローズトークン、ブラックガーデンの3枚。その差分の5枚のカードをドローするよー‼︎………あは‼︎」

 

ドローしたカードを見て、レイナちゃんは今までで1番楽しそうな笑みを浮かべる。

 

一体何を引いて………

 

私は警戒しながらレイナちゃんがドローしたカードに視線を向ける。

 

その瞬間ーーー

 

ゾクッ‼︎

 

「っ⁉︎何、今の感覚?」

 

そのカードから大量の闇が噴き出し、一瞬だけ悪寒が走る。

 

闇が噴き出してるということは間違いなく闇のカードだと思うけど、こんなにゾクリとした感覚を受けるカードは初めてだった。

 

そして、異変はそれだけには止まらなかった。

 

「っ‼︎えっ⁉︎真紅ちゃん⁉︎」

 

私の背後から、何かが倒れる音がしたかと思い振り返ると、真紅ちゃんが突然気を失って倒れてしまった。

 

私が慌てて真紅ちゃんに駆け寄るが、顔色は悪い。

 

「一体何が………」

 

「あは、あはははは‼︎うん、いいね‼︎最高だよ、お姉さん‼︎流石は世界を滅ぼす資質があるお姉さんだ‼︎ あはははは‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

今までで1番嬉しそうな笑みを浮かべ、まさに有頂天とでも言うよりに狂ったように笑うレイナちゃん。

 

「真紅ちゃんに、何をしたの⁉︎」

 

「私は何もしてないよ。その子が私がドローしたカードを見ちゃっただけー」

 

「ドローしたカードを?」

 

「そう、お姉さんも見てるでしょ、このカード」

 

そういって、レイナちゃんがぷらぷらと振りながら掲げるのは先程悪寒がした闇が噴き出してるカード。

 

「このカードはねーすっごく強力な呪われたカードなんだよ‼︎見ただけで相手を恐怖させ、精神を狂わせる程でねーその子の意識はこのカードの恐怖に耐えられずに強制的にシャットアウトしちゃったって訳‼︎生命としての生存本能って凄いよね‼︎あははははは‼︎」

 

そういって狂ったように笑うレイナちゃんに、私は初めて恐怖を覚える。

 

この子は、危険だ。

 

それも色んな意味で。

 

闇のカードをばら撒いていることも、平気で人を傷つけられることも。

 

そして、真紅ちゃんが気絶しちゃう程の強力な呪いを秘めたカードを手にしても、この子は心の底から 自然体で笑っているのだ(・・・・・・・・・・・)

 

「だけど、何より凄いのはお姉さんだよ‼︎」

 

「………私?」

 

「だって、その子が気絶するような呪われたカードを見ても、お姉さんは平然としているでしょ?」

 

「っ‼︎」

 

レイナちゃんの言葉に、私はハッとして自分の身体を見る。

 

確かに、真紅ちゃんの意識を刈り取るような呪われたカードを見ても、私が感じたのは少しの悪寒だけだった。

 

前にダークホープを創造した時に出会った、私の中にいる闇の何か。

 

そして私自身の特異な体質。

 

どれが原因なのかは今は分からない。

 

だけどーーー

 

「流石は世界を滅ぼせる闇のカードに選ばれたお姉さんだ‼︎お姉さんなら、私が本気を出してもきっと 壊れないでいてくれる(・・・・・・・・・・)‼︎あはははは‼︎」

 

「っ‼︎」

 

ーーーたった1つ分かることは、このデュエルは私の想像を遥かに超えて危険なデュエルだってことだ。

 

 

ヴァレルソードドラゴン

ATK2900→1500

 

 

遊花 LP7700 手札2

 

ー▲▲▲ー ー

○ー☆■□

☆ ー

ーーーー□

ーーーーー ▽

 

レイナ LP1600 手札5

 

 

「私のターン、ドロー‼︎あは、ちょうどいいもの引いちゃった‼︎私が引いたのはRUM( ランクアップマジック)七皇の剣( ザ・セブンス・ワン)‼︎」

 

「っ⁉︎そのカードは‼︎」

 

「お姉さんは知ってるよね?このカード名の効果はデュエル中に1度しか適用できず、自分のドローフェイズに通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1の開始時に発動できる‼︎私はRUMー七皇の剣を発動‼︎CNo.以外のNo.101〜No.107のいずれかをカード名に含むモンスター1体を、自分のEXデッキ・墓地から選んで特殊召喚し、そのモンスターと同じNo.の数字を持つCNo.モンスター1体を、そのモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎見せてあげるね、私のNo. ‼︎RUMー七皇の剣の効果でEXデッキより現れろ、No.103‼︎無より生まれし氷の令嬢、神葬零嬢ラグナゼロ‼︎」

 

 

〈No.103神葬零嬢ラグナゼロ〉★4 天使族 水属性

ATK2400

 

 

現れたのは氷の剣を持った氷の翼で空を舞う天使。

 

だが、これで終わりじゃない。

 

「そしてNo.103神葬零嬢ラグナゼロ1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオスエクシーズチェンジ‼︎」

 

ラグナゼロが空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると空から舞い降りたのは透き通った氷の翼が黒く染まり、巨大な鎌を手にした死の天使。

 

「現れろ、CNo.103‼︎罪ある者へ永遠の休息を与える氷の令嬢、神葬零嬢ラグナインフィニティ‼︎」

 

 

〈CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ〉★5 天使族 水属性

ATK2800

 

 

「CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ………っ‼︎また………⁉︎」

 

レイナちゃんが特殊召喚したラグナインフィニティを見た瞬間、視界がノイズに包まれ、頭の中に見たことのないイメージが流れ込んでくる。

 

『現れなさい、CNo.103‼︎時をも凍らす無限の力が今、よみがえる‼︎神葬零嬢ラグナインフィニティ‼︎』

 

「っ………また、知らないイメージが………」

 

「特殊召喚したCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティもブラックガーデンの戒めを受ける。そうじゃないとフェアじゃないからねー」

 

 

CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ

ATK2800→1400

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

ラグナインフィニティが黒い茨に縛られ、私のフィールドに黒い薔薇が咲く。

 

「さて、まずは下準備だ‼︎魔法カード、フレグランスストーム‼︎フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体を破壊し、自分のデッキからカードを1枚ドローする‼︎さらに、この効果でドローしたカードが植物族モンスターだった場合、そのカードをお互いに確認し自分はカードをもう1枚ドローする事ができる‼︎私はお姉さんに盗られちゃった姫葵マリーナを破壊して1枚ドロー‼︎ドローしたのは大凛魔天使ローザリアン‼︎植物族だからもう1枚ドローだよ‼︎」

 

私のフィールドに移動していたマリーナが破壊され、レイナちゃんの手札が増える。

 

除去とドローを同時にこなされるなんて………

 

「さらに私はフィールド魔法、ブラックガーデンのもう1つの効果を発動‼︎」

 

「っ⁉︎まだ効果があったの⁉︎」

 

「フィールドの全ての植物族モンスターの攻撃力の合計と同じ攻撃力を持つ、自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカード及びフィールドの植物族モンスターを全て破壊して、全て破壊した場合、対象のモンスターを特殊召喚する‼︎私のフィールドとお姉さんのフィールドには攻撃力800のローズトークンが1体ずついる‼︎私はブラックガーデンとフィールドにの植物族モンスターを全て破壊して、再び咲き誇れ白き薔薇乙女、ガーデンローズメイデン‼︎」

 

辺り一面に咲き誇っていた黒い薔薇が朽ち果てていく。

 

そして全ての黒い薔薇が朽ち果てると、その残骸からローズメイデンが姿を現した。

 

 

〈ガーデンローズメイデン〉☆5 植物族 闇属性

ATK1600

 

 

「特殊召喚したガーデンローズメイデンの効果発動、ローゼンアルタール‼︎私は墓地から再びブラックガーデンを手札に加える‼︎」

 

「っ、ガーデンローズメイデンを蘇生してブラックガーデンを回収しつつ自分のモンスターの攻撃力が下がるのを解いた………‼︎」

 

「どんどん行くよー‼︎このカードは自分の手札と墓地からレベル7以上の植物族モンスターを1体ずつをゲームから除外した場合に特殊召喚できる‼︎私は手札の桜姫タレイアと墓地の椿姫ティタニアルを除外して大凛魔天使ローザリアンを特殊召喚‼︎」

 

 

〈大凛魔天使ローザリアン〉☆8 植物族 地属性

ATK2900

 

 

フィールドに現れたのは、左翼が赤い薔薇、右翼が黒い薔薇で出来ている巨大な天使のモンスター。

 

「大凛魔天使ローザリアンの効果発動‼︎フォールダウンローズ‼︎1ターンに1度、自分のメインフェイズ時、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの効果をエンドフェイズ時まで無効にする‼︎」

 

「全体効果無効⁉︎っ、チェーンしてヴァレルロードドラゴンの効果発動‼︎ジャムバレット‼︎ CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティを対象にして攻撃力・守備力を500ポイントダウンさせる‼︎さらにチェーンしてヴァレルソードドラゴンの効果発動‼︎アサシネイトショット‼︎大凛魔天使ローザリアンを守備表示に変更させるよ‼︎」

 

「あははは‼︎必死だねぇ‼︎」

 

 

大凛魔天使ローザリアン

ATK2900→DEF2400

 

 

CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ

ATK1400→900

 

 

ヴァレルソードの銃弾がローザリアンを怯ませ、ヴァレルロードの散弾がラグナインフィニティを怯ませる。

 

しかし、ローザリアンが生み出した黒と赤の茨に、私のヴァレルソード達は捕らわれ、身動きを封じられてしまった。

 

「さらに、墓地に存在するにん人の効果発動‼︎ 」

 

「っ⁉︎手札抹殺の時に墓地に送ったカード‼︎」

 

「同名カードは1ターンに1度、このカードが墓地に存在する場合、手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、同名モンスター以外の植物族モンスター1体を墓地へ送ってこのカードを墓地から特殊召喚する‼︎私は手札から 返り咲く薔薇の大輪( リバイバルローズ)を墓地に送り、にん人を特殊召喚‼︎」

 

 

〈にん人〉☆4 植物族 闇属性

ATK1900

 

 

フィールドに現れたのは人のような身体を持つ人参。

 

現れたにん人を見て、レイナちゃんは楽しそうに笑うと、真紅ちゃんを気絶させた大量の闇を放つカードを頭上に掲げた。

 

「あはははは‼︎さあ、これで神の生贄はフィールドに揃った‼︎お姉さんに見せてあげるよ‼︎世界をも歪め、恐怖を齎す‼︎圧倒的な神の力を‼︎ 私は、大凛魔天使ローザリアン、ガーデンローズメイデン、にん人をリリースし、神の生贄に捧げる‼︎」

 

「っ⁉︎神の、力………?それに、生贄って………⁉︎」

 

ローザリアン、ローズメイデン、にん人がレイナちゃんが掲げたカードから放たれる闇に呑まれ、悲鳴を上げながら溶けていく。

 

溶けていくモンスター達を眺めながら、レイナちゃんはどこか歪んだ笑みを浮かべる。

 

「お姉さんは人身御供という言葉は知ってる?人間にとって、最も重要と考えられる人身を供物として捧げるのは神に対する最大級の奉仕なんだよ。とはいえ、神だって不味い供物なんていらないんだ。神だって以外と健康主義なんだよ。健康的な食生活があってこそ、生物は全ての力を発揮できる。 大凛魔天使ローザリアン( 天使の生き血) ガーデンローズメイデン( 少女の肉) にん人( 呪われし野菜)なんて、私の神にはぴったりな供物なんだよ‼︎健康的な血と肉と野菜、健康的な食生活から健全なる邪神が生まれるんだ‼︎」

 

「健全な………邪神⁉︎」

 

レイナちゃんのモンスター達を溶かし尽くした闇は止まることなく、カードから溢れ出し、花園を、世界を、呪われた闇で満たしていく。

 

「恐怖の根源たる大いなる闇‼︎世界を暗黒に塗り潰す恐怖の化身‼︎今、終焉を齎す絶望の力で、全ての希望を闇に還せ‼︎」

 

そして闇が1箇所に集まると、そこに現れたのは骨の身体と翼を持つ禍々しい邪悪なる闇の化身。

 

「降臨せよ‼︎ 邪神ドレッドルート‼︎」

 

全ての者を恐怖に呑み込む邪神が、ここに降臨した。

 

 

〈邪神ドレッドルート〉☆10 悪魔族 闇属性

ATK4000

 

 

「邪神………ドレッドルート⁉︎」

 

私はレイナちゃんが呼び出した禍々しい気配を感じさせるドレッドルートに無意識のうちに身体を後退らせるが、後退らせた私の脚が倒れている真紅ちゃんに当たる。

 

………ここで退いたら、真紅ちゃんがどうなるか分からない。

 

どの道、私達はレイナちゃんが生み出したこの閉幕世界( クローズワールド)………世界樹の花園(ユグドラシル )に閉じ込められている。

 

なら、例え邪神が相手だろうと迎え撃つしかない。

 

思わず苦い表情を浮かべる私を見ても、レイナちゃんは楽しそうな笑みを崩さない。

 

「邪神ドレッドルートは人の心に宿る恐怖の具現‼︎その闇を見たものは希望の灯を消され、闇に触れた者はその肉体を維持できなくなる‼︎封じられし邪神の力、たっぷりと楽しむといい‼︎邪神ドレッドルートの永続効果、フィアーダークマター‼︎このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる‼︎」

 

「全体弱体化効果⁉︎」

 

ドレッドルートが咆哮を上げると、周囲を覆っている闇が濃くなっていく。

 

その闇に触れたモンスター達は苦痛の声を上げると、闇に同化していくように、身体が透け、その存在が希薄になっていった。

 

 

ヴァレルソードドラゴン

ATK1500→750

 

 

ヴァレルロードドラゴン

ATK1500→750

 

 

クリボートークン

ATK300→150 DEF200→100

 

 

CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ

ATK900→450 DEF2400→1200

 

 

「っ⁉︎みんな⁉︎」

 

「さあ、お楽しみの時間だよ‼︎バトル‼︎」

 

「バトルフェイズ開始時、墓地に存在するリンクリボーの効果発動‼︎スケープリンク‼︎私はクリボートークンをリリース‼︎戻っておいで、リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300→150 ↓

 

 

「蘇ってきたかーなら、CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティでリンクリボーを攻撃‼︎ナッシングインフィニティ‼︎」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、リンクリボーの効果発動‼︎ゼロリンク‼︎このカードをリリースし、その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる‼︎」

 

ラグナインフィニティの身体にリンクリボーの身体が粒子に変わって纏わりつき、その動きを止める。

 

 

CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ

ATK450→0

 

 

「これで邪魔なのはいなくなったね。邪神ドレッドルートでヴァレルロードドラゴンを攻撃‼︎」

 

レイナちゃんの言葉を受けたドレッドルートの両腕に禍々しい闇が集まり、球体に変わる。

 

ドレッドルートは両腕に生まれた闇の球体を合わせ、自分の正面に浮かせると、ヴァレルロードとその背後にいる私に向けて闇の球体を力一杯殴りつける。

 

「消し飛んじゃえ‼︎パーフェクトテラーノックアウト‼︎」

 

殴りつけられ闇の球体から、集束された闇の波動が放たれヴァレルロードを呑み込み、一瞬で消滅させた。

 

「っ、リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎ パワーウォール‼︎ 相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0になるように500ダメージにつき1枚、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る‼︎ 邪神ドレッドルートの攻撃で発生する戦闘ダメージは3250だからデッキの上から7枚のカードを墓地に送ってダメージを0にする‼︎」

 

私がデッキの上から7枚のカードを墓地に送ると、私の前に粒子で出来た盾が生まれ、ドレッドルートが放った闇の波動を受け止める。

 

しかし、闇の波動はジリジリと粒子でできた盾を侵食していき、ガラスが割れるような嫌な音が聞こえてくる。

 

嫌な予感がした私は倒れていた真紅ちゃんの身体を抱えて慌てて横に転がると、粒子でできた盾は崩れ去り、私達が先程までいた場所を闇の波動が呑み込み、そこにあった全ての物を無に還した。

 

「っ………」

 

あまりの光景に、私は身震いをする。

 

もしも逃げるのが間に合わず、私達があの攻撃を受けていたら………

 

「あはははは‼︎凄い凄い‼︎よく生き残ったねぇーお姉さん‼︎」

 

「っ、レイナちゃん………」

 

「あれあれー?怖い顔してどうしたの?もっとデュエルを楽しもうよ‼︎生命を賭けた、本当の 決闘(デュエル )を‼︎」

 

「っ………」

 

心底楽しそうに笑うレイナちゃんの言葉に私は思わず握る拳に力が籠る。

 

本当は、声に出して言いたい。

 

こんなの、デュエルじゃないって。

 

デュエルは誰かの生命を対価に行うものじゃないくて、誰かに笑顔を、希望を与えてくれるものなんだって。

 

だけど、今の私がその言葉を口に出したとしても、その言葉はきっと、レイナちゃんには届かない。

 

レイナちゃんは、本気でこの生命が賭けた 決闘(デュエル )を楽しんでいる。

 

それが、あの笑顔から伝わってきてしまう。

 

だからこそ、私のこの胸の想いを伝えるためにはーーー

 

「………分かった、デュエルを続けよう、レイナちゃん」

 

「あはっ、そうこなくっちゃ‼︎」

 

ーーー続けるしかない、この生命を賭けた 決闘(デュエル )を。

 

私の言葉を聞いたレイナちゃんは満面の笑みを浮かべる。

 

だけど、私はそんなレイナちゃんに首を振る。

 

「だけどーーー私はレイナちゃんの生命なんて賭けて貰っても嬉しくない」

 

「んー?」

 

私の言葉に、レイナちゃんが不思議そうに首を傾げる。

 

「だからーーーもし、私がこのデュエルに勝ったら、もう2度と、誰かの生命を賭けた 決闘(デュエル )はしないって約束して」

 

「………えっ?」

 

「それが私が求めるレイナちゃんの生命の代わり。レイナちゃんが生命を賭けて楽しんでいる、生命を賭けた 決闘(デュエル )を、私が貰う‼︎」

 

「………あは、あははは‼︎あはははははは‼︎」

 

私の言葉にレイナちゃんは心の底から楽しそうな声を上げると、満面の笑みを浮かべながらも酷く冷たい声で口を開いた。

 

「本当に、甘い、甘い、お姉さん」

 

「っ………」

 

「だけど、いいよ、約束してあげる。もし、私に勝てたら、だけどね」

 

「………負ける気でデュエルしたことはないよ」

 

「ふーん、なら、精々私を楽しませてね?メインフェイズ2、私はフィールド魔法、ブラックガーデンを再び発動ー‼︎」

 

闇が漂う花園が、再び黒い薔薇に侵食されていく。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド。さあ、邪神ドレッドルートを相手に、お姉さんがどれだけ保つか、じっくりと見せてね」

 

 

CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ

ATK0→1400

 

 

状況は極めて危険。

 

だけど、いくら邪神と呼ばれ、それに類する力を持っていたとしても、ドレッドルートだってモンスター。

 

絶対に攻略方法はある。

 

だから、必ず攻略できる、してみせる‼︎

 

そして、この 決闘(デュエル )を終わらせるんだ‼︎

 

 

遊花 LP7700 手札2

 

ー▲ー▲ー ー

ーー☆■ー

ー ー

ーー○○ー

ー▲▲ーー ▽

 

レイナ LP1600 手札0




次回予告

レイナが呼び出した邪神ドレッドルートの圧倒的な闇の力に遊花は徐々に追い詰められていく。
邪神ドレッドルートを倒すため、遊花は新たな力に望みを託す。
激戦の先に訪れるものは………

次回 遊戯王Trumpfkarte
『兆し』

次回は遊花VSレイナ後編です。
遊花視点でお送りする予定です。
遊花は邪神ドレッドルートにどう立ち向かうのか?
次回をお楽しみに。


それじゃあ今回はここまで。
今回は遊花とレイナのデュエル回でした。
そしてとうとう姿を現した正体不明の抹消者( アンノウンイレイザー)ことレイナの切り札、邪神ドレッドルート。
レイナのデッキであるブラックガーデンと合わさるとめちゃくちゃ面倒くさい邪神様です。
因みに遊騎とのデュエルの際に使わなかったカードが邪神ドレッドルートだったりします。
それではそんなところで今回はここでお開き。
次回もなるべく早く更新できるように頑張ります。
ではでは〜
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