遊戯王Trumpfkarte   作:ブレイドJ

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大変長らくお待たせしました。
今回は遊花VSレイナのデュエル回後編です。
遊花視点と第3者視点でお送りします。
それでは本編へGO‼︎


第92話 兆し

 

 

遊花 LP7700 手札2

 

ー▲ー▲ー ー

ーー☆■ー

ー ー

ーー○○ー

ー▲▲ーー ▽

 

レイナ LP1600 手札0

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

私のフィールドには1ターンに1度、表側表示モンスターに攻撃宣言した時、ターン終了時まで、攻撃力をその相手モンスターの攻撃力の半分アップし、そのモンスターの攻撃力は半分にするヴァレルソードが残っている。

 

ヴァレルソードなら邪神だって斬り伏せられる‼︎

 

「バトル‼︎」

 

「ふふふ、ヴァレルソードドラゴンで邪神を斬り捨てるつもりかー安直だね………バトルフェイズ開始時、CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティの効果発動、ウンエントリヒフェアボート‼︎1ターンに1度、カオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して、選択したモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、そのモンスターをゲームから除外する‼︎」

 

「っ⁉︎CNo.の効果⁉︎」

 

「この効果は相手ターンでも発動できるよー対象は勿論、ヴァレルソードドラゴン‼︎ヴァレルソードドラゴンの現在の攻撃力は1500。元々の攻撃力が3000だから1500ポイントのダメージを受けて貰うよー‼︎」

 

ラグナインフィニティがヴァレルソードに向けて手をかざすと吹雪が吹き荒れ、ヴァレルソードの身体が凍りついていく。

 

ヴァレルソードの身体が完全に凍りつくと、ラグナインフィニティは鎌を振るって斬撃を放ち、ヴァレルソードごと私の身体を切り裂こうとする。

 

「っ‼︎ チェーンして手札からハネワタを捨てて効果発動‼︎このターン、自分が受ける効果ダメージは0になる‼︎この効果は相手ターンでも発動できるよ‼︎」

 

「へぇーバーンから身を守るカードをドローしてたんだ」

 

私の前に天使の羽根を持つ触角の生えた毛玉のモンスターが現れ、粒子に変わって私の身体を包みこみ、ラグナインフィニティが放った斬撃を弾き返す。

 

あまりにも禍々しい気配を放つドレッドルートに意識を向いて焦りすぎた。

 

ヴァレルソードでドレッドルートを倒せると、ラグナインフィニティを警戒するのを忘れていた。

 

ハネワタのおかげでダメージを受けることはなかったけど………このミスはかなり痛い。

 

このターンはドレッドルートを倒すことはできない。

 

なら、全力で防御を固める‼︎

 

「っ、メインフェイズ2‼︎セットモンスターをリリースしてクリバビロンをアドバンス召喚‼︎」

 

 

〈クリバビロン〉☆5 悪魔族 闇属性

ATK1500→4800→2400

DEF1000→4300→2150

 

 

「リリースされたサクリボーの効果発動‼︎このカードがリリースされた場合に自分はデッキから1枚ドローする‼︎」

 

「成る程ねーだけど、邪神ドレッドルートが支配するブラックガーデンではどんなモンスターだって無力だよ‼︎チェーンしてフィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、クリバビロンの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

闇を纏った黒い茨に締め上げられたクリバビロンが苦悶の声を上げると、再びレイナちゃんのフィールドに黒い薔薇が咲いた。

 

 

クリバビロン

ATK2400→1200

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「っ、出しただけで2回も攻撃力が半分に………」

 

「ふふふ、本当に2回かな?その子をよく見てみなよ」

 

「………えっ?」

 

レイナちゃんの言葉に首を傾げながらもクリバビロンを見る。

 

すると、そこにいたのはーーー

 

 

クリバビロン

ATK1200→600

 

 

ーーードレッドルートの闇に蝕まれ、さらに存在を希薄にされたクリバビロンの姿がそこにあった。

 

「っ⁉︎なんでまたクリバビロンの攻撃力が下がって⁉︎」

 

「ふふふ、これが邪神ドレッドルートが支配するブラックガーデンの力だよ」

 

「邪神ドレッドルートが支配する………ブラックガーデンの?」

 

「そう‼︎ややこしいからお姉さんにもちゃんと説明してあげるよ。邪神ドレッドルートの永続効果、フィアーダークマターはあらゆる攻守変動の効果を行った最後に適用されるんだーまずは邪神ドレッドルート以外の変動を計算し、その後に邪神ドレッドルートの効果によりその数値を半分にすることができる」

 

ドレッドルート以外を蝕む究極の闇の力。

 

まさに邪神という名前に相応しい凶悪な効果に私は苦い表情を浮かべる。

 

「そして邪神の効果を更に凶悪にするのが私のゲームエリア、ブラックガーデンなんだ。まずは邪神ドレッドルートの永続効果により、召喚されたモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。次に召喚・特殊召喚にチェーンしてブラックガーデンの効果が発動し、さらにそのモンスターの攻撃力を半分にする。そして攻守変動が行われたことで再び邪神ドレッドルートの永続効果が相手の攻撃力を奪うんだ‼︎」

 

「っ⁉︎ということは………⁉︎」

 

「邪神ドレッドルートが降臨しているブラックガーデンがある限り、お姉さんの召喚・特殊召喚するモンスターの攻撃力は全部8分の1にまで下げられちゃうんだー‼︎」

 

レイナちゃんの言葉に、私は血の気が引いていく。

 

ドレッドルートの攻撃力は4000。

 

つまり、ドレッドルートが支配するブラックガーデンの中でドレッドルートに攻撃力で勝とうとするのであれば、その8倍ーーー32000の攻撃力が必要になり、それでもようやく相打ちに持ち込めるというだけだ。

 

そもそもこちらがモンスターを出すことで生まれるローズトークンの攻撃力ですら、並大抵のモンスターでは勝てなくなる。

 

攻撃力による正面からの突破は不可能。

 

なら、やっぱり今は防御を固めるしかない。

 

「私はクリバビロンの効果発動‼︎コンバインリリース‼︎墓地から再び出ておいで、クリボー5兄弟‼︎」

 

 

〈クリバー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300→150 DEF200→100

 

 

〈クリビー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300→150 DEF200→100

 

 

〈クリブー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300→150 DEF200→100

 

 

〈クリベー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300→150 DEF200→100

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

ATK300→150 DEF200→100

 

 

クリバビロンの身体が光り輝くと、その光が5つに分かれ、再び5体の色とりどりな毛玉の悪魔に変わる。

 

「でも、その子達もブラックガーデンに侵され、ローズトークンを生み出す‼︎フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、クリボー5兄弟の攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

 

クリバー

ATK150→75→38

 

 

クリビー

ATK150→75→38

 

 

クリブー

ATK150→75→38

 

 

クリベー

ATK150→75→38

 

 

クリボー

ATK150→75→38

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「攻撃力38のモンスターを5体も並べるぐらいなら、フィールドを空にしといた方がマシだったんじゃないかな?」

 

「ううん、この子達が来てくれたおかげで、私を守ってくれる優しい絶望( きぼう)を呼べる‼︎私はフィールドに存在するクリバー、クリビー、クリブー、クリベー、4体のレベル1モンスターを墓地に送ることで墓地からモンスターを特殊召喚する‼︎」

 

「っ‼︎へぇーその召喚条件は………」

 

私のモンスター達が粒子に変わる。

 

そしてその粒子は重なり合い、大きな闇の巨人が、私を守るように現れた。

 

「おいで‼︎絶望を統べる優しき神‼︎絶望神アンチホープ‼︎」

 

 

〈絶望神アンチホープ〉☆12 悪魔族 闇属性

DEF5000→2500 ATK5000→2500

 

 

「絶望神アンチホープ………お姉さんが手にした世界を滅ぼせる力の1枚かー」

 

「っ、絶望神アンチホープは私を守ってくれる優しい神様‼︎この子は絶対に世界を滅ぼしたりなんかしない‼︎」

 

「ふふふ、どうだろうね?だけど、例え世界を滅ぼせる神様だって、ドレッドルートが支配するブラックガーデンは攻略できない‼︎ フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、絶望神アンチホープの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

 

絶望神アンチホープ

ATK2500→1250→625

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

闇を纏った黒い茨にアンチホープが力を奪われていく。

 

しかし、アンチホープはそんな茨を気にした様子もなく、私を守るように盾を構えた。

 

「………成る程ー考えたね。確かに守備表示の絶望神アンチホープを倒すのはちょっと苦労しそうだなー」

 

私を守るように立つアンチホープを見て、レイナちゃんは笑う。

 

ブラックガーデンが下げるのはあくまでも攻撃力。

 

あの黒い茨に守備力を奪う力はない。

 

そしてアンチホープには戦闘を行うバトルステップ中に1度、自分の墓地のレベル1モンスター1体を除外してそのダメージステップ終了時まで、他のカードの効果を受けず、戦闘では破壊されなくなるインヴィンシブルディスペアがある。

 

レイナちゃんがアンチホープを攻撃すればインヴィンシブルディスペアが発動し、アンチホープはそのバトルステップの間だけドレッドルートの効果を打ち消す力を得る。

 

そうなればアンチホープの守備力はドレッドルートの呪縛を逃れて5000に戻り、逆にレイナちゃんが反射ダメージを受けることになる。

 

レイナちゃんは迂闊にアンチホープを攻撃することはできなくないのだ。

 

フィールドに残ったクリボーも墓地にいるリンクリボーにいつでも変わることができるし、ヴァレルソードを除外したラグナインフィニティのカオスオーバーレイユニットはもうない。

 

まだデュエルはどうなるかわからない。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド‼︎」

 

「ならエンドフェイズ、リバースカードオープン。罠発動、ハイレートドロー‼︎自分フィールドのモンスターを2体以上任意の数だけ選んで破壊し、破壊したモンスター2体につき1枚、自分はデッキからドローするよー私はCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティとローズトークン3体を破壊して2枚ドローするよー‼︎」

 

「っ、ここでCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティを破壊してまでドローを………」

 

 

遊花 LP7700 手札1

 

ー▲▲▲ー ー

ーー□ー○

ー ー

ーー○ーー

ーー▲ーー ▽

 

レイナ LP1600 手札4

 

 

「私のターン、ドロー‼︎あは、いいの引いちゃった。魔法カード、貪欲な壺‼︎墓地に存在するNo.103神葬零嬢ラグナゼロ、CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティをEXデッキに、イービルソーン3枚をデッキに戻してシャッフルし、カードを2枚ドロー‼︎」

 

「っ‼︎No.がEXデッキに戻って………」

 

「墓地に存在するにん人の効果発動‼︎ 私は手札からコピープラントを墓地に送り、にん人を特殊召喚‼︎」

 

 

〈にん人〉☆4 植物族 闇属性

ATK1900→950

 

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、にん人の攻撃力を半分にしてお姉さんのフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

にん人

ATK950→475→238

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

黒い茨がにん人に向かって伸び、その身体を締め上げて私のフィールドにローズトークンを生む。

 

アンチホープは私を守ってくれるけれど、このブラックガーデンはレイナちゃんが支配するゲームエリア。

 

レイナちゃんが支配するこの世界全てが、私に向かって牙を剥く。

 

「さらにチューナーモンスター、エンジェルトランペッターを召喚‼︎」

 

 

〈エンジェルトランペッター〉☆4 植物族 地属性

ATK1900→950 DEF1600→800

 

 

にん人の横に闇の霧を放つアサガオのモンスター現れる。

 

「再びフィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、エンジェルトランペッターの攻撃力を半分にしてお姉さんのフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

エンジェルトランペッター

ATK950→475→238

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「チューナーモンスター………ううん、レベル4モンスターが2体………‼︎」

 

「私はレベル4のにん人とエンジェルトランペッターでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

にん人とエンジェルトランペッターが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると再び現れたのは氷の剣を持った氷の翼で空を舞う天使。

 

「再び現れろ、No.103‼︎無より生まれし氷の令嬢、神葬零嬢ラグナゼロ‼︎」

 

 

〈No.103神葬零嬢ラグナゼロ〉★4 天使族 水属性

DEF1200→600 ATK2400→1200

 

 

「今度は普通にNo.103神葬零嬢ラグナゼロを………」

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、No.103神葬零嬢ラグナゼロの攻撃力を半分にしてお姉さんのフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

No.103神葬零嬢ラグナゼロ

ATK1200→600→300

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

ラグナゼロにも黒い茨が伸び、その身体を締め上げて私のフィールドをローズトークンで埋め尽くす。

 

「そして、私はRUM( ランクアップマジック)ーバリアンズフォースを発動‼︎」

 

「RUM ーバリアンズフォース⁉︎それは師匠の持ってた………⁉︎」

 

「あははは‼︎当然だよ。だって、RUM ーバリアンズフォースをお兄さんにあげたのは私だもん‼︎自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高いCNo.またはCXと名のついたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ね、エクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する‼︎私はNo.103神葬零嬢ラグナゼロ 1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオスエクシーズチェンジ‼︎」

 

ラグナゼロが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

それと同時にレイナちゃんのEXデッキから大量の闇が溢れ出す。

 

混沌の渦が弾けると、空から舞い降りたのは再臨する透き通った氷の翼が黒く染まり、巨大な鎌を手にした死の天使。

 

「再び現れろ、CNo.103‼︎罪ある者へ永遠の休息を与える氷の令嬢、神葬零嬢ラグナインフィニティ‼︎」

 

 

〈CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ〉★5 天使族 水属性

DEF2400→1200 ATK2800→1400

 

 

「っ、またCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティが………しかも、今回はカオスオーバーレイユニットが3つも………」

 

「さて、お姉さんはどこまで耐えられるかな?まずはフィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティの攻撃力を半分にするよー‼︎」

 

 

CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ

ATK1400→700→350

 

 

「カオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、 CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティの効果発動、ウンエントリヒフェアボート‼︎対象は勿論、絶望神アンチホープ‼︎ 絶望神アンチホープの現在の攻撃力は625。元々の攻撃力が5000だから4375ポイントのダメージを受けて貰うよー‼︎」

 

ラグナインフィニティがアンチホープに向けて手をかざすと吹雪が吹き荒れる。

 

「絶望神アンチホープはやらせません‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎スキルプリズナー‼︎ 自分フィールド上のカード1枚を選択してこのターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする‼︎対象は絶望神アンチホープ‼︎」

 

しかし、アンチホープの正面に見えない障壁が現れ、吹雪を全て受け止めた。

 

「あは、これも耐えるんだーいいねーいいねー‼︎じゃあ、こっちはどうかな?バトル‼︎ 邪神ドレッドルートでクリボーを攻撃‼︎」

 

ドレッドルートの両腕に禍々しい闇が集まっていく。

 

思い返すのは先程みた破滅の一撃。

 

あんな攻撃、させるわけにはいかない‼︎

 

「こうするよ‼︎リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎ハイレートドロー‼︎」

 

「‼︎へぇーお姉さんもそのカードを伏せてたんだー」

 

「私はクリボーとローズトークン3体を破壊して2枚ドロー‼︎」

 

クリボーとローズトークンが粒子に変わり、私はデッキから2枚のカードをドローする。

 

クリボー5兄弟やクリボーンから蘇生したクリボー達の力を借りてドローするために入れてたけど、まさかローズトークンを退けるために役に立つとは思わなかった。

 

「これで私のフィールドのモンスターは絶望神アンチホープだけだよ。攻撃を続ける?」

 

「あは、冗談。攻撃したらダメージ受けちゃうの私だもん。攻撃は中止するよー」

 

レイナちゃんの言葉を受け、ドレッドルートの両腕に集まっていた禍々しい闇が霧散していく。

 

このターンは何とか防いだけど、ドレッドルートがいる限りあの攻撃は付き纏う。

 

どうにかして早くドレッドルートを倒さないと………

 

「メインフェイズ2ーカードを2枚伏せてターンエンドだよー」

 

 

遊花 LP7700 手札3

 

ー▲ーーー ー

ーー□ーー

ー ー

ーー○ー□

ー▲▲▲ー ▽

 

レイナ LP1600 手札1

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

状況はどんどん悪い方向に向かっている。

 

私のフィールドに出るモンスターは全てドレッドルートとブラックガーデンの力により弱体化させられてしまい、場合によってはラグナインフィニティにより除外され、ダメージへと変換させられてしまう。

 

ラグナインフィニティのカオスオーバーレイユニットは2つ。

 

墓地にあるスキルプリズナーで後1度は防げるが、2度目はない。

 

アンチホープを除外されたら、それだけで私はラインポイントだけではなく、ドレッドルートの攻撃を耐える手段を失うことになり大きなダメージを負うだろう。

 

なら、このターンでせめてラグナインフィニティの動きだけでも封じる‼︎

 

「私はクリボルトを召喚‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性

ATK300→150 DEF200→100

 

 

出て来たのは電気を出している黒い球体のモンスター。

 

「っ‼︎そのモンスターは………フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、クリボルトの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

 

クリボルト

ATK150→75→38

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

 

「クリボルトの効果発動‼︎自分のメインフェイズ時にオーバーレイユニットを持っているエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターのオーバーレイユニットを1つ取り除き、自分のデッキからクリボルト1体を特殊召喚するよ‼︎対象はCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティ‼︎」

 

「仕方ないかーチェーンしてカオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、 CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティの効果発動、ウンエントリヒフェアボート‼︎対象は絶望神アンチホープ‼︎」

 

「チェーンして墓地からスキルプリズナーを除外して効果発動‼︎ 墓地のこのカードをゲームから除外し、自分フィールド上のカード1枚を選択してこのターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする‼︎対象は絶望神アンチホープ‼︎」

 

ラグナインフィニティが再びアンチホープに向けて手をかざし、吹雪を生み出すがアンチホープを守るように現れる見えない障壁が吹雪を全て受け止める。

 

「クリボルトの効果‼︎CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティのカオスオーバーレイユニットを1つ取り除き、自分のデッキからクリボルト1体を特殊召喚‼︎」

 

 

〈クリボルト〉☆1 雷族 光属性→闇属性

DEF200→100 ATK300→150

 

 

吹雪が止んだ瞬間ラグナインフィニティのカオスオーバーレイユニットが私のフィールドに飛んでくると、その光がクリボルトに変わった。

 

「本当に厄介な効果だなーフィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、クリボルトの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

 

クリボルト

ATK150→75→38

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

これでラグナインフィニティのカオスオーバーレイユニットは無くなった。

 

本当は攻撃表示のまま残っているクリボルトでホープルーツをエクシーズ召喚しておきたいけど、ホープルーツを出してもレイナちゃんのフィールドに溢れかえるローズトークンにやられてしまう未来しかない。

 

それならむしろこのまま………

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド‼︎」

 

「おっと、ならメインフェイズ終了時に墓地に存在するハイレートドローの効果発動。このカードが墓地に存在する場合、相手メインフェイズに、自分フィールドのモンスター1体を破壊し、このカードを自分フィールドにセットするよーただし、この効果でセットしたこのカードはフィールドから離れた場合に除外されるけどねー私はローズトークンを1体破壊してハイレートドローをセットするよー」

 

「っ、ターンエンドだよ」

 

 

遊花 LP7700 手札2

 

ー▲▲ーー ー

ー○□□ー

ー ー

○○○ー□

▲▲▲▲ー ▽

 

レイナ LP1600 手札1

 

 

「私のターン、ドロー‼︎なかなか粘るねーでも、一体いつまで持つかなー?咲き誇れ、生命を飲み込むサーキット」

 

「っ、リンク召喚………」

 

レイナちゃんが正面に手をかざすと巨大なサーキットが現れる。

 

「召喚条件は植物モンスター2体。私はローズトークン2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。リンク2、アロマセラフィージャスミン」

 

 

〈アロマセラフィージャスミン〉LINK 2 植物族 光属性

ATK1800→900 ↙︎↘︎

 

 

ローズトークンがサーキットに吸い込まれ、葉っぱの羽根を持つ妖精のモンスターが現れる。

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、アロマセラフィージャスミンの攻撃力を半分にしてお姉さんのフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

アロマセラフィージャスミン

ATK900→450→225

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

黒い茨がセラフィージャスミンに向かって伸び、その身体を締め上げて私のフィールドにローズトークンを生む。

 

「まだまだ行くよ‼︎アロマセラフィージャスミンの効果発動。1ターンに1度、このカードのリンク先の自分のモンスター1体をリリースしてデッキから植物族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。私はCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティをリリースしてデッキから紅姫チルビメを特殊召喚するよ‼︎」

 

「っ‼︎そのモンスターは………」

 

 

〈紅姫チルビメ〉☆8 植物族 地属性

DEF2800→1400 ATK1800→900

 

 

ラグナインフィニティの姿が消え、紅葉の身体を持つアルラウネのモンスターが現れる。

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、紅姫チルビメの攻撃力を半分にしてお姉さんのフィールドにさらにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

紅姫チルビメ

ATK900→450→225

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「お姉さんは知ってるみたいだね、紅姫チルビメの効果を」

 

「………紅姫チルビメは永続効果によりフィールド上に表側表示で存在する限り、相手は他の植物族モンスターを攻撃対象に選択できない………だよね?」

 

「そう‼︎これでお姉さんは私のアロマセラフィージャスミンとローズトークンは攻撃できない‼︎攻撃力を8分の1にまで下げられるこのゲームエリアで正攻法で守備表示の紅姫チルビメを倒してローズトークン達を狙うのは不可能って訳‼︎」

 

「っ………」

 

どんどん悪化していく状況に私は思わず苦い表情を浮かべる。

 

これでドレッドルート以外を倒してレイナちゃんのライフを削り切ることも難しくなった。

 

やっぱり、なんとかしてドレッドルートとブラックガーデンを攻略しない限り、私に勝ち目はない。

 

「さあ、いつまでお姉さんは耐えられるかな?バトル‼︎」

 

「ならメインフェイズ終了時、私は墓地に存在するハイレートドローの効果発動‼︎ローズトークンを1体破壊してハイレートドローをセットするよ‼︎」

 

「いいよー」

 

「さらにバトルフェイズ開始時、墓地に存在するリンクリボーの効果発動‼︎スケープリンク‼︎私は攻撃表示のクリボルトをリリース‼︎戻っておいで、リンクリボー‼︎」

 

 

〈リンクリボー〉LINK1 サイバース族 闇属性

ATK300→150 ↓

 

 

クリボルトの姿が粒子に変わり、代わりに墓地からリンクリボーがフィールドに現れる。

 

「あはは‼︎無駄無駄‼︎フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動‼リンクリボーの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚ー‼︎」

 

 

リンクリボー

ATK150→75→38

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「まずはその厄介なリンクリボーに退いて貰おうかな?アロマセラフィージャスミンでリンクリボーに攻撃‼︎ソーラーセラピー‼︎」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、リンクリボーの効果発動‼︎ゼロリンク‼︎このカードをリリースし、その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる‼︎」

 

 

アロマセラフィージャスミン

ATK225→0

 

 

リンクリボーの身体が粒子に変わり、アロマセラフィージャスミンの身体に纏わりついて動きを止める。

 

「これで邪魔する子はいなくなったよ?邪神ドレッドルートでローズトークンを攻撃‼︎」

 

「通さない‼︎手札からクリボールの効果発動‼︎スピンショット‼︎相手モンスターの攻撃宣言時、そのモンスターを守備表示にするよ‼︎」

 

両腕に禍々しい闇が集めるドレッドルートの右目にクリボールが回転しながら突撃し、ドレッドルートを怯ませる。

 

 

邪神ドレッドルート

ATK4000→DEF4000

 

 

「まだ防御手段があったかーローズトークンでクリボルトを攻撃‼︎マリシャスウィップ‼︎」

 

「っ、ゴメンね、クリボルト………」

 

闇を纏ったローズトークンの茨に貫かれ、クリボルトが消滅する。

 

「あははは‼︎流石だねー私はこれでターンエンドだよーさあ、もっと私を楽しませてね?」

 

 

遊花 LP7700 手札1

 

ー▲▲▲ー ー

ー○□ーー

ー ☆

ー○□□ー

▲▲▲▲ー ▽

 

レイナ LP1600 手札1

 

 

「私のターン、ドロー‼︎………っ」

 

私はドローしたカードと今まで見えた自分のカードを思い返し、勝利への可能性を手繰る。

 

………ダメだ、今見えているカードだけじゃどうやってもドレッドルートを攻略することができない。

 

かといって、このままだと次のドレッドルートの攻撃は絶対に防ぎきれない。

 

………なら、手繰り寄せるしかない。

 

生き残るための術を。

 

勝利への可能性を。

 

激しい攻防で、早くも残り僅か10枚になってしまったこのデッキの中から。

 

幸いなことに、勝利への可能性はまだ消えていない。

 

ドレッドルートを攻略できる(・・・・・・・・・・・・・) 可能性を秘めた力は確かにある(・・・・・・・・・・・・・・)

 

だけど、そのためには………

 

私が私を守るように立つアンチホープに視線を向けると、アンチホープはこちらを見て力強く頷く。

 

………気にするなと言っているのだろうか?

 

声が聞こえるわけではない。

 

それでも、確かに感じるこの繋がりはーーー

 

「………ありがとう」

 

ーーーいつだって、私の背中を押してくれる‼︎

 

「リバースカードオープン‼︎罠発動‼︎ハイレートドロー‼︎私は絶望神アンチホープとローズトークンを破壊して1枚ドロー‼︎」

 

「っ‼︎へぇー絶望神アンチホープを破壊しちゃうんだ。せっかく邪神ドレッドルートと渡り合えるカードなのに」

 

粒子に変わっていくアンチホープを見て、レイナちゃんは嘲るように笑う。

 

だけど、そんな言葉じゃ私は揺るがない。

 

「絶望神アンチホープはただ破壊されるんじゃない‼︎いつだってこの子は、私のために優しい絶望( きぼう)を導いてくれるんだ‼︎手札のクリバビロンの効果発動‼︎同名カードは1ターンに1度、自分の墓地のモンスターの数が相手の墓地のモンスターより多い場合にこのカードを手札から特殊召喚できる‼︎ただし、この効果を使用した場合、クリボー5兄弟へ分離する効果は使えなくなる‼︎おいで、クリバビロン‼︎」

 

 

〈クリバビロン〉☆5 悪魔族 闇属性

ATK1500→4800→2400

DEF1000→4300→2150

 

 

「分離ができないのにクリバビロン?フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、クリバビロンの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

 

クリバビロン

ATK2400→1200→600

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「クリバビロンをリリースして魔法カード、ティンクルファイブスター‼︎同名カードは1ターンに1枚しか発動できず、自分フィールドのモンスターがレベル5モンスター1体のみの場合、そのモンスターをリリースして発動できる。自分の手札・デッキ・墓地からクリバー、クリビー、クリブー、クリベー、クリボーを1体ずつ選んで特殊召喚する‼︎ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはアドバンス召喚のためにはリリースできない‼︎」

 

「へぇー魔法カードで分離する方法があったのか」

 

「さらにそれにチェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動、裁きの天秤‼︎」

 

「っ‼︎あは、この状況でドローカード‼︎」

 

「レイナちゃんのフィールドには4枚の伏せカードと、ブラックガーデン、ローズトークン2体、アロマセラフィージャスミン、紅姫チルビメ、邪神ドレッドルートの10枚‼︎私は手札1枚に伏せカード、発動中の裁きの天秤とティンクルファイブスターの4枚‼︎その差分、6枚のカードをドローするよ‼︎」

 

「流石にそんなにドローはさせられないねーさらにチェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動、ハイレートドロー‼︎私はアロマセラフィージャスミンと2体のローズトークンを破壊して1枚ドローするよー‼︎」

 

「っ、チェーン処理で裁きの天秤の効果、レイナちゃんのカードが3枚減ったから3枚のカードをドロー‼︎そして、ティンクルファイブスターの効果‼︎墓地から戻っておいで、クリボー5兄弟‼︎」

 

 

〈クリバー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200→100 ATK300→150

 

 

 

〈クリビー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200→100 ATK300→150

 

 

 

〈クリブー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200→100 ATK300→150

 

 

 

〈クリベー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200→100 ATK300→150

 

 

 

〈クリボー〉☆1 悪魔族 闇属性

DEF200→100 ATK300→150

 

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、クリボー5兄弟の攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー」

 

 

クリバー

ATK150→75→38

 

 

クリビー

ATK150→75→38

 

 

クリブー

ATK150→75→38

 

 

クリベー

ATK150→75→38

 

 

クリボー

ATK150→75→38

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

私は新しくドローした手札を見て少し考えると、1つ深呼吸をして正面に手をかざす。

 

「すー………はー………行くよ‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

私の目の前に新しいサーキットが現れる。

 

「召喚条件はカード名が異なるモンスター3体‼︎私はクリバー、クリビー、クリベーをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

クリバー、クリビー、クリベーがサーキットに吸い込まれていく。

 

サーキットが光り輝くと、現れたのは悪魔の翼を持つ黒騎士。

 

「リンク召喚‼︎親愛なる相棒と出会い、哀を知り、愛に生きた、深愛の黒騎士‼︎リンク3‼︎ダークナイト@イグニスター‼︎」

 

私の呼び声に応えるように、黒騎士は剣を振り抜いた。

 

 

〈ダークナイト@イグニスター〉LINK3 サイバース族 闇属性

ATK2300→1150 ↙︎↓↘︎

 

 

「あは‼︎すごいすごい‼︎また見たことのないモンスターだ‼︎だけど、どんなモンスターが出てこようと、ブラックガーデンの呪いは受けて貰うよ‼︎フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、ダークナイト@イグニスターの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

ダークナイト@イグニスター

ATK1150→575→288

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「次はこうだよ‼︎私はレベル1のクリブーとクリボーでオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚‼︎」

 

「っ‼︎次はランク1のエクシーズ召喚‼︎」

 

クリブーとクリボーが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして、渦が弾けると、舞い降りたのは金色の翼を持つ小さな戦士。

 

私が呼ぶ小さき希望。

 

「おいで、No.39‼︎小さき希望は、逆境の中で進化を遂げる‼︎希望皇ホープルーツ‼︎」

 

 

〈No.39 希望皇ホープルーツ〉★1 戦士族 光属性

DEF100→50 ATK500→250

 

 

「あは‼︎お姉さんの希望( ホープ)か‼︎本当に、小さい希望だねぇー」

 

「例え小さくとも、この子が私の希望を繋いでくれる‼︎この瞬間、ダークナイト@イグニスターの効果発動‼︎プロミスドリバイブ‼︎このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合、自分の墓地からレベル4以下の@イグニスターモンスターを可能な限りこのカードのリンク先となる自分フィールドに効果を無効にして特殊召喚する‼︎」

 

「へぇー小型の@イグニスターもいるんだ?チェーンしてフィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動‼ No.39 希望皇ホープルーツの攻撃力を半分にして私のフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

No.39 希望皇ホープルーツ

ATK250→125→63

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800→400 DEF800→400

 

 

「ゴメンね、No.39 希望皇ホープルーツ………ダークナイト@イグニスターの効果‼︎おいで、ヒヤリ@イグニスター、ドシン@イグニスター‼︎」

 

 

〈ヒヤリ@イグニスター〉☆1 サイバース族 水属性

DEF400→200 ATK300→150→75→38

 

 

〈ドシン@イグニスター〉☆1 サイバース族 地属性

DEF800→400 ATK100→50→25→13

 

 

ダークナイトが剣を振るうと、空間が割れ、空間の裂け目から小さな水球のようなモンスターと土で出来たブロックの身体を持つモンスターが姿を現わす。

 

「魔法カード、手札抹殺‼︎私は 3枚、レイナちゃんは2枚捨ててドローだよ‼︎」

 

「っ⁉︎あは、肝が座ってるね。お姉さんのデッキは残り僅かなのにさー」

 

レイナちゃんは勢いよくデッキからカードをドローした私を見て楽しそうに笑う。

 

私のデッキは残り3枚。

 

もう残された時間は僅か。

 

だからこそ‼︎

 

「残り僅かだからこそ、私の望みは繋がるんだ‼︎墓地に送られた絶対王バックジャックの効果発動‼︎このカードが墓地へ送られた場合、自分のデッキの上からカードを3枚確認し、好きな順番でデッキの上に戻すよ‼︎」

 

「っ‼︎その枚数でのデッキ操作………」

 

「フィールドに同じレベルのモンスターが2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる‼︎おいで、スロワースワロー‼︎」

 

 

〈スロワースワロー〉☆1 鳥獣族 風属性

DEF100→50 ATK100→50

 

 

私の手札から飛び出してきたのは小さな翠燕。

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動‼ローズトークンは出ないけど、スロワースワローの攻撃力を半分にするよー」

 

 

スロワースワロー

ATK50→25→13

 

 

「そしてこれが最後のピース‼︎墓地に存在するジェットシンクロンの効果発動‼︎手札を1枚墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚します‼︎ただし、この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外される‼︎」

 

 

〈ジェットシンクロン〉☆1 機械族 炎属性

DEF0 ATK500→250→125→63

 

 

そしてスロワーに寄り添うように小さなジェット機のような機械のモンスターが現れる。

 

「ジェットシンクロンが最後のピース?ジェットシンクロンはチューナーモンスターだよね?今度はシンクロ召喚かな?」

 

レイナちゃんが楽しそうに笑いながら首を傾げる。

 

そんなレイナちゃんに首を振り、フィールドに揃った6体のモンスターを見て、私は目を閉じて1つ深呼吸をすると、胸に手を当ててその言霊を口にする。

 

「すー………はー………行くよ‼︎私の全力、見せてあげる‼︎導いて‼︎希望に繋がるサーキット‼︎」

 

「ここでまたリンク召喚?」

 

私の目の前に巨大なサーキットが展開される。

 

「召喚条件は属性が異なるモンスター3体以上‼︎私は闇属性、ダークナイト@イグニスター‼︎光属性、No.39 希望皇ホープルーツ‼︎水属性、ヒヤリ@イグニスター‼︎地属性、ドシン@イグニスター‼︎風属性、スロワースワロー‼︎そして炎属性、ジェットシンクロン‼︎属性の異なる6体のモンスターをリンクマーカーにセット‼︎サーキットコンバイン‼︎」

 

「っ⁉︎6体のモンスターでリンク召喚⁉︎」

 

私のフィールドにいたモンスター達が次々とサーキットの中に飛び込んでいくと、サーキットから今まで見たことが無い程の光が溢れ出す。

 

私の身体がその光に包まれると、視界にノイズが走り、再び頭の中に見たことのないイメージが流れ込んでくる。

 

『これは俺の夢のフィールドだ………俺達は今度こそ本当に一つになるんだ………』

 

私の頭の中に流れ込んできたのはダークナイトを呼び出した時にも見えた悲しそうな表情を浮かべる1人の男性。

 

それはきっとどこかの物語に存在したこの男の人の記憶の欠片。

 

悲しみの記憶。

 

なんでそんな記憶が私に見えるのかは、今の私にはわからない。

 

だけど、あなたの気持ちは絶対に無駄にはしないから‼︎

 

だから、今は私に力を貸してください‼︎

 

「世界を作りし六大元素‼︎その力、今再び1つに束、混沌の世界に愛を示せ‼︎」

 

サーキットが砕け散り、サーキットの中に溜まっていた光が世界を照らすと、その輝きの中から現れたのは巨大な鎌を手にした生まれたての超越神。

 

アンチホープ達と同じ確かな繋がりを感じる、私の新しい切り札。

 

「おいで、善悪を超越し、永愛を誓う現人神‼︎リンク6‼︎ジアライバルサイバース@イグニスター‼︎」

 

 

〈ジアライバルサイバース@イグニスター〉LINK 6 サイバース族 闇属性

ATK0 ↙︎←↑↓→↘︎

 

 

「リンク6のモンスター⁉︎しかも………っ、あは、あははははははは‼︎本当に、最っ高だね‼︎お姉さんは‼︎あははははは‼︎」

 

私が呼び出したジアライバルを見たレイナちゃんは心底楽しそうな笑い声をあげる。

 

「私が知らない内にまた1枚世界を滅ぼせる力を手に入れたんだ‼︎流石は世界を滅ぼせる素質を、世界を滅ぼす運命を持つお姉さんだ‼︎あははは‼︎」

 

「っ………」

 

レイナちゃんの言葉が私の胸を刺す。

 

………何となく感じてはいた。

 

アンチホープ達と同じ繋がりを感じるジアライバルには、きっとアンチホープ達と同じ力があると。

 

きっと先程見たイメージも、その確かな繋がりが私に見せた物で………

 

だけど………だとしても‼︎

 

「それでも、私達は世界を滅ぼしたりなんかしない‼︎運命にも、邪神にだって勝ってみせる‼︎ジアライバルサイバース@イグニスターの永続効果、オールラブブレイジング‼︎このカードの元々の攻撃力は、このカードのリンク素材としたモンスターの数×1000ポイントの数値になる‼︎」

 

「っ‼︎へぇー」

 

「ジアライバルサイバース@イグニスターのリンク素材となったモンスターは6体‼︎よってその攻撃力は………‼︎」

 

 

ジアライバルサイバース@イグニスター

ATK0→6000

 

 

「っ、攻撃力6000かーだけど、どんな攻撃力を持っていようがドレッドルートが支配するブラックガーデンの前では無力‼︎ フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動‼」

 

闇を纏った茨が、ドレッドルートの瘴気がジアライバルを呑み込んでいく。

 

しかし、次の瞬間、闇を纏った茨は全て断ち切られ、無傷のジアライバルが姿を現した。

 

「無力なのはそっちだよ‼例え邪神だろうと、︎ジアライバルサイバース@イグニスターを止めることなんてできない‼︎ジアライバルサイバース@イグニスターのもう1つの永続効果、アルティメットリジェクション‼︎このカードは他のカードの効果を一切受けない‼︎」

 

「なっ⁉︎効果に対する完全耐性⁉︎」

 

邪神が完全に支配したフィールドすらも跳ね除けるジアライバルの力に、レイナちゃんの瞳に初めて動揺の色がうつる。

 

畳みかけるなら、今しかない‼︎

 

「紅姫チルビメを対象にジアライバルサイバース@イグニスターの効果発動‼︎ジャッジメントエクスキューショナー‼︎1ターンに1度、このカード以外のフィールドのモンスター 1体を対象としてそのモンスターを破壊し、このカードのリンク先となる自分フィールドにサイバース族・闇属性・レベル1・攻守0の@イグニスタートークン1体を特殊召喚する‼︎」

 

「っ、効果破壊まで………リバースカードオープン‼︎罠発動、スキルプリズナー‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

「効果の説明はいらないよね?対象は紅姫チルビメ‼︎」

 

チルビメの正面に見えない障壁が現れ、ジアライバルが放った破滅の極光を受け止める。

 

防がれた⁉︎

 

だけど、まだ終わりじゃない‼︎

 

「バトル‼︎ジアライバルサイバース@イグニスターで邪神ドレッドルートを攻撃‼︎」

 

「っ、迎え撃って‼︎邪神ドレッドルート‼︎パーフェクトテラーノックアウト‼︎」

 

ドレッドルートの両腕に禍々しい闇が集まり、球体に変わる。

 

ドレッドルートは両腕に生まれた闇の球体を合わせ、生み出された闇の球体を力一杯殴りつけると、殴りつけられ闇の球体から、集束された闇の波動が放たれる。

 

放たれた闇の波動をジアライバルは鎌で受け止め、力を込めると鎌が眩い光に包まれていく。

 

「お願い、ジアライバルサイバース@イグニスター‼︎邪悪なる神を断ち切って‼︎暁光のフォーザフューチャー‼︎」

 

鎌を光が完全に包み込み、ジアライバルが鎌を振り抜くと、闇の波動を断ち斬る光の奔流が放たれ、ドレッドルートを呑み込み、跡形も無く消滅させた。

 

「っ………まさか、邪神ドレッドルートを正面から倒すなんてね………邪神ドレッドルートが破壊されたことで能力が下がっていたモンスターは全て元に戻る」

 

 

紅姫チルビメ

DEF1400→2800 ATK225→900

 

 

ローズトークン

ATK400→800 DEF400→800

 

 

ドレッドルートが倒されたことで世界を覆っていた呪われた闇が晴れていく。

 

まだブラックガーデンは健在だけど、これで私のモンスターの攻撃力が大きく下げられることはない。

 

残りのデッキ枚数は3枚。

 

だけど、なんとかする方法もある。

 

勝負はまだ分からない‼︎

 

「私はこのままターンエンド‼︎」

 

 

遊花 LP7700 手札2

 

ー▲ーーー ー

ーーーーー

☆ ー

○○ー□○

ー▲ー▲ー ▽

 

レイナ LP1600 手札2

 

 

「あは、あはははは‼︎本当にすごいね‼︎お姉さんは‼︎まさか邪神ドレッドルートまで倒されるなんて思わなかった‼︎本当に、お姉さんはいつも私の想像の斜め上を行ってくれる‼︎あはははは‼︎」

 

「っ‼︎」

 

ドレッドルートを倒され、俯いていたレイナちゃんは急に顔を上げると歓喜の笑い声をあげる。

 

その声色に、ドレッドルートを倒された怒りや嘆きは無く、どこまでも狂気的な喜びが満ちている。

 

「邪神に対しても決して引かず、僅かなデッキから諦めずに勝利への道を手繰ってくる‼︎認めるよ、お姉さん‼︎お姉さんはお姉さんの師匠であるお兄さんよりももっと上の、私と 対等( ・・)に遊べるプレイヤーだ‼︎だからーーー」

 

そこまでいうと、レイナちゃんは本当に楽しそうにーーー

 

「ーーー私の本気を受けても、簡単には壊れないでね?」

 

「っ‼︎」

 

ーーー全てを萎縮させるような残酷な声色で笑った。

 

「私のターン、ドロー‼︎あは、あはははは‼︎」

 

「っ⁉︎えっ⁉︎この感覚って………⁉︎」

 

ドローしたカードを見てレイナちゃんが狂気の笑い声を上げると、カードから大量の闇が噴き出し、私の身体に悪寒が走る。

 

その悪寒は先程ドレッドルートから感じたものと同じもの。

 

そしてその悪寒の中から僅かに感じたのはーーーアンチホープ達と同じ確かな 繋がり( ・・・)

 

「あはははは‼︎今日は大盤振る舞い‼︎お姉さんに見せてあげるよ‼︎世界を惑わせ、狂気を齎す‼︎圧倒的な神の力‼︎ 2体目( ・・・)の邪神を‼︎私は、3体のローズトークンをリリースし、神の生贄に捧げる‼︎」

 

「2体目の、邪神⁉︎」

 

ローズトークンが掲げたカードから放たれる闇に呑まれて溶けていく。

 

ローズトークンを溶かした闇は収縮し、レイナちゃんの頭上に集まっていく。

 

「狂気の根源たる大いなる闇‼︎世界を惑わせ歪ませる狂気の化身‼︎今、狂気を齎す銷魂の力で、全ての希望を狂わせろ‼︎」

 

そして闇が1箇所に集まると、そこに現れたのは極限にまで圧縮された呪いの根源。

 

「降臨せよ‼︎ 邪神アバター‼︎」

 

全ての者を狂わせる2体目の邪神が、ここに降臨した。

 

 

〈邪神アバター〉☆10 悪魔族 闇属性

ATK?

 

 

「これが、2体目の邪神………攻撃力が決まってない?」

 

私はドレッドルートより禍々しい気配を感じさせるアバターを見て、震えそうになる身体を押さえながら疑問を浮かべる。

 

そんな私を見て、レイナちゃんは嬉しそうに口を開く。

 

「ふふふ、邪神アバターは邪神の中でも最高位に位置する邪神‼︎最強の闇の力、存分に堪能してね‼︎まずは邪神アバターの永続効果‼︎ダークソウルトランセンデンス‼︎このカードの攻撃力・守備力は、邪神アバター以外のフィールドの攻撃力が一番高いモンスターの攻撃力+100の数値になる‼︎」

 

「っ⁉︎フィールドにいるモンスターの中で必ず1番強くなるの⁉︎っ‼︎ということは………⁉︎」

 

「現在、フィールドで最も攻撃力が高いモンスターはお姉さんのジアライバルサイバース@イグニスター‼︎その強大な力を写し取り、超越しろ‼︎邪神アバター‼︎」

 

レイナちゃんが叫ぶと、闇の球体だったアバターの身体が変化していく。

 

変化が止まり、現れたのは闇でできた巨大な鎌を手にした生まれたての闇の超越神。

 

闇に塗りつぶされたジアライバルの姿を持つ、アバターがそこに存在した。

 

 

邪神アバター

ATK?→6100 DEF?→6100

 

 

「攻守6100………⁉︎」

 

「驚くのはまだ早いよ?最高位に位置する邪神が齎す狂気の時間はここからだ‼︎邪神アバターの効果、それにチェーンしてフィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動‼邪神アバターの攻撃力を半分にしてお姉さんのフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

邪神アバター

ATK6100→3050→6100

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

アバターに黒い茨が巻き付き、私のフィールドにローズトークンが生まれるが、アバターに巻き付いていた黒い茨は一瞬でアバターの身体に呑み込まれ、消滅する。

 

「邪神アバターの攻撃力変動は永続効果………ブラックガーデンは効かないってわけだね」

 

「言ったでしょ?ブラックガーデンは邪神のためのゲームエリア‼︎その力で邪神が不利になることはないんだよ‼︎そして、お待ちかね。邪神アバターの効果発動‼︎ルナティックタイム‼︎このカードが召喚に成功した場合、相手ターンで数えて2ターンの間、相手は魔法・罠カードを発動できない‼︎」

 

「っ⁉︎魔法・罠封じ⁉︎」

 

アバターの身体から闇の波動が放たれ、私のカード達を蝕んでいく。

 

マズい………私の残りデッキは残り3枚。

 

そしてバックジャックで操作した上2枚は魔法・罠カードだ。

 

おまけにアバターは必ずフィールドのモンスターの中で最強の力を手に入れてしまう。

 

早く決着をつけないといけないのに、よりによってこちらの行動を封じ、上回ってくる力を持つ邪神なんて………

 

「さあ、お姉さんは耐えられるかな?バトル‼︎邪神アバターでジアライバルサイバース@イグニスターを攻撃‼︎」

 

「っ、迎え撃って‼︎ジアライバルサイバース@イグニスター‼︎暁光のフォーザフューチャー‼︎」

 

ジアライバルが光り輝く鎌を振り抜くと、ドレッドルートを断ち斬った光の奔流が放たれる。

 

放たれた光の奔流に対し、ジアライバルの姿を持つアバターが力を込めると闇でできた鎌が深淵の如きドス黒い闇に包まれていく。

 

「深淵に呑み込め‼︎ダークマターマイアズマ‼︎」

 

鎌を闇が完全に包み込み、アバターが鎌を振り抜くと、光を喰らう闇の奔流が放たれた。

 

光と闇の本流が激突し、暫くは拮抗していたが、徐々に闇の本流は勢いを増し、光の本流を完全に断ち斬り、ジアライバルに向かっていく。

 

「っ‼︎墓地に存在するサクリボーの効果発動‼︎自分のモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外します‼︎」

 

「そういえば墓地にいたねーでも、ダメージは受けて貰うよ‼︎」

 

闇の本流がジアライバルを断ち斬ろうとした瞬間、サクリボーが姿を現し代わりに闇の本流を受けて消滅する。

 

弱まった闇の本流をジアライバルは弾き返したが、その余波は私と真紅ちゃんの身体を襲い、私達の身体は容易く宙に吹き飛ばされた。

 

「っ………くぅ、ぁぁぁ‼︎」

 

 

遊花 LP7700→7600

 

 

私の身体が勢いよく地面を転がり、身体中に擦り傷ができ、関節は軋んで悲鳴をあげる。

 

たった100ポイントのダメージでこれ程の破壊力があるなんて………やっぱりこの攻撃をまともに受けるわけにはいかない。

 

「ふふふ、よく耐えれたねーさあ、終わりの時は近い。最後までゲームを楽しもう?私はこれでターンエンドー‼︎」

 

 

遊花 LP7600 手札2

 

ー▲ーーー ー

ーー○ーー

☆ ー

ーー○□ー

ー▲ー▲ー ▽

 

レイナ LP1600 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎」

 

痛む身体を堪えて立ち上がり、デッキからドローしたのは貪欲な瓶。

 

本当はバックジャックの効果でセットして残り少ないデッキを回復させる予定だったけど、アバターの力で魔法・罠を封じられてしまったため、完全に予定が狂ってしまった。

 

だけど、アバターの効果は2ターン後には切れる。

 

デッキ切れまでには、ギリギリ間に合うハズだ。

 

ならば、今私が出来ることを全力でやるしかない。

 

「邪神アバターを対象にジアライバルサイバース@イグニスターの効果発動‼︎ジャッジメントエクスキューショナー‼︎」

 

「あははは‼︎無駄無駄‼︎チェーンして墓地からスキルプリズナーを除外して効果発動‼︎ 墓地のこのカードをゲームから除外し、対象は邪神アバター‼︎その効果は無効だよー‼︎」

 

アバターの正面に見えない障壁が現れ、ジアライバルが放つ破滅の極光を受け止める。

 

でも、これでもうスキルプリズナーは無くなった。

 

次のターンにはアバターを破壊できる。

 

なら、ここは………

 

「私はローズトークンを守備表示に変更‼︎」

 

 

ローズトークン

ATK800→DEF800

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド‼︎」

 

「無闇に紅姫チルビメを攻撃してこなかったかー懸命だねー邪神アバターの効果が1つ目の時を刻むよー」

 

 

遊花 LP7600 手札2

 

ー▲▲ーー ー

ーー□ーー

☆ ー

ーー○□ー

ー▲ー▲ー ▽

 

レイナ LP1600 手札2

 

 

「私のターン、ドロー‼︎さて、と」

 

ドローしたカードに視線も向けずにレイナちゃんは私に笑いかける。

 

「久しぶりに楽しいデュエルだったよ、お姉さん」

 

「っ、まだデュエルは終わってないーーー」

 

「ううん、終わりだよ。邪神アバターの召喚を許した時点でお姉さんの敗北は決定してるんだ」

 

「っ‼︎」

 

確かな確信を持って告げられるレイナちゃんの言葉に私は息を呑む。

 

そんな私にレイナちゃんは少し不満気な表情を浮かべた。

 

「本当はこういう勝ち方はしたくないんだけどねー私は 陽竜果( ソルドラポム)フォンリーを召喚ー」

 

 

〈陽竜果フォンリー〉☆1 植物族 炎属性

ATK800

 

 

フィールドに現れたのは竜の姿をしたパイナップルのモンスター。

 

「フィールド魔法、ブラックガーデンの効果発動、陽竜果フォンリーの攻撃力を半分にしてお姉さんのフィールドにローズトークン1体を攻撃表示で特殊召喚するよー‼︎」

 

 

陽竜果フォンリー

ATK800→400

 

 

〈ローズトークン〉☆2 植物族 闇属性

ATK800

 

 

「そしてフィールド魔法、ブラックガーデンのもう1つの効果を発動‼︎フィールドには攻撃力900の紅姫チルビメ、攻撃力400の陽竜果フォンリー、そして私とお姉さんのフィールドに攻撃力800のローズトークンが1体ずつがいる‼︎攻撃力の合計は2900だ‼︎私はブラックガーデンとフィールドの植物族モンスターを全て破壊して、再び現れろ大凛魔天使ローザリアン‼︎」

 

辺り一面に咲き誇っていた黒い薔薇が朽ち果てていく。

 

そして全ての黒い薔薇が朽ち果てると、その残骸からローザリアンが姿を現した。

 

 

〈大凛魔天使ローザリアン〉☆8 植物族 地属性

ATK2900

 

 

「大凛魔天使ローザリアン………」

 

「警戒してるところ悪いけど、これでもう終わりなんだー」

 

「………えっ?」

 

「これでゲームエンドだよー紅姫チルビメが破壊されたことで返り咲く薔薇の大輪の効果、それにチェーンしてリバースカードオープン‼︎罠発動‼︎ 泥仕合( ドローゲーム)‼︎」

 

「泥………仕合?」

 

「同名カードは1ターンに1度しか発動できず、自分及び相手フィールドのカードが同時に、戦闘・効果で破壊された場合、お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから2枚ドローする‼︎」

 

「っ⁉︎お互いに2枚ドロー罠カード⁉︎」

 

「私はデッキから2枚ドロー‼︎さあ、お姉さんもドローしてね?その 2枚しかないデッキから( ・・・・・・・・・・・)

 

「っ………」

 

私がデッキから2枚のカードをドローすると、デュエルディスクにカードが存在しなくなる。

 

………これで私のデッキはもうない。

 

次の私のターンで、私のデッキ切れで敗北だ。

 

「これで私の勝ちは確定ーだけど、これだけじゃ不完全燃焼になっちゃうからーーー最後まで楽しませてね?」

 

「っ‼︎」

 

そういってレイナちゃんが不気味に笑う。

 

私の敗北は決まっている。

 

だけど………ただ敗北するだけということはなさそうだ。

 

「さてさて、まずはチェーン処理で返り咲く薔薇の大輪の効果発動ー‼︎ 自分フィールド上に存在するレベル5以上の植物族モンスターが破壊された場合、墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる‼︎咲き誇れ、返り咲く薔薇の大輪‼︎」

 

 

〈返り咲く薔薇の大輪〉☆4 植物族 闇属性

DEF1300

 

 

レイナちゃんの墓地から巨大な赤い薔薇が咲き誇る。

 

「大凛魔天使ローザリアンをリリースし、魔法カード、アドバンスドロー‼︎ 自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8以上のモンスター1体をリリースしてデッキからカードを2枚ドローする‼︎さらに墓地に存在するにん人の効果発動‼︎私は手札から死の花-ネクロフルールを墓地に送り、にん人を特殊召喚‼︎」

 

 

〈にん人〉☆4 植物族 闇属性

ATK1900

 

 

「レベル4モンスターが2体………‼︎」

 

「残念、レベル4じゃないよー手札の妖精弓士イングナルを捨てて、魔法カード、レベルマイスター‼︎手札のモンスター1体を墓地へ送り、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを2体まで選択して選択したモンスターのレベルはエンドフェイズ時まで、このカードを発動するために墓地へ送ったモンスターの元々のレベルと同じになるよー私は返り咲く薔薇の大輪とにん人のレベルを6に変更ー‼︎」

 

 

返り咲く薔薇の大輪

☆4→6

 

 

にん人

☆4→6

 

 

「っ、レベル6モンスターが2体………」

 

「私はレベル6となったにん人と返り咲く薔薇の大輪でオーバーレイ‼︎2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築‼︎エクシーズ召喚‼︎」

 

にん人と薔薇の大輪が光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

そして渦が爆けると現れたのは山のように巨大な巨人。

 

「現れろ、No.6‼︎古に伝わりし世界を焼き尽くした人智を超えし巨人‼︎ 先史遺産( オーパーツ)アトランタル‼︎」

 

 

〈No.6 先史遺産アトランタル〉★6 機械族 光属性

ATK2600

 

 

「2体目のNo.⁉︎」

 

「No.6 先史遺産アトランタルの効果発動‼︎アームドナンバーズ‼︎このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分の墓地のNo.モンスター1体を対象としてそのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備し、このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力の半分アップする‼︎私は墓地のCNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティを装備ー‼︎ CNo.103神葬零嬢ラグナインフィニティの攻撃力は2800‼︎よってその半分の1400ポイント、No.6 先史遺産アトランタルの攻撃力をアップさせるよー‼︎」

 

 

ラグナインフィニティの魂がアトランタルに吸収されていき、完全に取り込まれるとアトランタルの手元に巨大な氷の鎌が現れた。

 

 

No.6 先史遺産アトランタル

ATK2600→4000

 

 

「攻撃力4000………⁉︎だけど、その攻撃力じゃジアライバルサイバース@イグニスターには届かない‼︎」

 

「何もNo.6 先史遺産アトランタルでジアライバルサイバース@イグニスターを越えようなんて思っていないよ。この子の力はこの先にあるからねーリバースカードオープン‼︎罠発動、ミスリバイブ‼︎」

 

「ミス………リバイブ?」

 

「相手の墓地のモンスター1体を選択して選択したモンスターを相手フィールド上に表側守備表示で特殊召喚するよー‼︎私はお姉さんの墓地からNo.39 希望皇ホープルーツをお姉さんのフィールドに特殊召喚ー‼︎」

 

「希望皇ホープルーツを⁉︎」

 

 

〈No.39 希望皇ホープルーツ〉★1 戦士族 光属性

DEF100

 

 

ミスリバイブの力で私のフィールドに再びホープルーツが姿を現す。

 

レイナちゃんの意図が読めず困惑する私に、レイナちゃんは楽しそうに笑いながら1枚のカードを掲げた。

 

「さあ、ショータイムと行こうかー‼︎私はRUMーバリアンズフォースを発動‼︎」

 

「2枚目のRUM ーバリアンズフォース⁉︎」

 

「私はNo.6 先史遺産アトランタル1体でオーバーレイ‼︎1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築‼︎カオスエクシーズチェンジ‼︎」

 

アトランタルが光となり、空に浮かんだ混沌の渦に吸い込まれる。

 

それと同時にレイナちゃんのEXデッキから大量の闇が溢れ出す。

 

混沌の渦が弾けると、空から降り立つのは禍々しく光り輝く炎を纏った山のように巨大な巨神兵。

 

「現れろ、CNo.6‼︎愚かなる人類を焼き尽くす裁定の巨神兵、先史遺産カオスアトランタル‼︎」

 

 

〈CNo.6 先史遺産カオスアトランタル〉★7 機械族 光属性

ATK3300

 

 

「CNo.6 先史遺産カオスアトランタル………2体目のCNo.⁉︎」

 

「さあ、見せてあげるよ。CNo.6 先史遺産カオスアトランタルの圧倒的な裁きの力を‼︎ CNo.6 先史遺産カオスアトランタルの効果発動‼︎ジャッジメントアームド‼︎1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象としてその相手モンスターを攻撃力1000ポイントアップの装備カード扱いとしてこのカードに装備する‼︎私が装備させるのはNo.39 希望皇ホープルーツー‼︎」

 

「っ⁉︎ホープルーツ‼︎」

 

カオスアトランタルが炎を纏った腕を振るい、ホープルーツの身体を掴むと、ホープルーツの身体が石化していき、カオスアトランタルに吸収された。

 

 

CNo.6 先史遺産カオスアトランタル

ATK3300→4300

 

 

「そしてCNo.6 先史遺産カオスアトランタルの更なる効果発動‼︎このカードがNo.6 先史遺産アトランタルをカオスオーバーレイユニットとしている場合、このカードのカオスオーバーレイユニットを3つ取り除き、このカードの効果で装備しているNo.モンスターカードを全て墓地へ送ることで相手のライフポイントを100にする‼︎」

 

「っ⁉︎効果ダメージじゃなくて、強制的にライフポイントを100にする効果⁉︎そのためにホープルーツを………‼︎」

 

「まぁ、安心してよーCNo.6 先史遺産カオスアトランタルが自身の効果を発動したターン、相手が受ける全てのダメージは0になるからーまぁ、デッキ切れのお姉さんには関係ないけどねーさあ、巨神の裁きを受けよ‼︎ムスペルジャッジメント‼︎」

 

カオスアトランタルが石化したホープルーツを握り潰すと、カオスアトランタルの手元に太陽のように巨大な炎の球体が生まれる。

 

カオスアトランタルが腕を振るうと炎の球体は勢いよく私に向かって飛来し、私の身体を焼き尽くした。

 

「っ‼︎きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 

遊花 LP7600→100

 

 

「ぁぁ………」

 

身を焦がす程の炎による激痛で私は地面に崩れ落ちる。

 

視界は明滅し、意識が闇の中に落ちていく感覚をどこか他人事のように感じる。

 

「あははは‼︎やりすぎちゃったかなぁ?まだ本番じゃないのにー」

 

狂気を含んだレイナちゃんの笑い声が闇の中にこだまする。

 

ダメ、もう、意識が………

 

「まぁ、これぐらいならお姉さんは死なないでしょ。一緒にいたお姉さんは知らないけど」

 

「っ………‼︎」

 

レイナちゃんの言葉に、私は消えそうな意識を必死に繋ぎ止めて地面に倒れたまま顔を動かして真紅ちゃんの姿を探す。

 

「っ………ぁ」

 

私の視界に入ってきたのは、私から少し離れた場所、ジアライバルの真後ろで意識を失っている真紅ちゃんの姿だった。

 

「さてと、このまま終わってもいいんだけど………邪神ドレッドルートを破壊したお礼参りはしとかないとね‼︎バトル‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

響くレイナちゃんの声に私は心臓を掴まれたかのような感覚が襲う。

 

何故なら、邪神ドレッドルートへのお礼参りとして狙われるのはーーー

 

「邪神アバターでジアライバルサイバース@イグニスターを攻撃‼︎ダークマターマイアズマ‼︎」

 

ーーー気絶した真紅ちゃんの正面にいるジアライバルなのだから。

 

「っ………ダ………メ‼︎」

 

私は混濁する意識と激痛が走る身体に鞭を打ち、真紅ちゃんの元に向かって駆け出し、ジアライバルの姿をしたアバターが鎌を振り抜き、放たれた闇の奔流から真紅ちゃんを守るように前に出る。

 

「守ら………なきゃ………」

 

ーーーどうやって?

 

「守ら、なきゃ………」

 

ーーー超常の力を持つ邪神の呪いから、どうやって?

 

「守らなきゃ………」

 

ーーー違う、どんなものが相手でも、関係ない。

 

「守らなきゃ」

 

ーーー例え、 全てを滅ぼしても( ・・・・・・・・)

 

そこまで考えたところで、ジアライバルが闇の奔流に呑み込まれ、私も闇の中に呑み込まれる。

 

闇に呑まれ、意識が途絶えるその最中。

 

私の身体にーーー 優しい闇が流れ込んでくる( ・・・・・・・・・・・・) 感覚がした( ・・・・・)

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「あらら、ちょっと予想外だったなー」

 

ジアライバルを消しとばしたアバターの闇の奔流によって生まれた砂煙の中、レイナはつまらなそうな声を出す。

 

「まさかお姉さんが邪神アバターの攻撃に飛び込んできちゃうなんてねーどうせ直撃したらもう1人のお姉さんは消し飛んじゃうんだから見捨てればよかったのにーこれだから偽善者って言うのは厄介だなー」

 

徐々に薄くなっていく砂煙を見据えながらレイナは深いため息を吐いて頭をかく。

 

「まぁ、仕方ないかー邪神を相手にしても遊べる貴重なプレイヤーだったけど、縁がなかったってことでーーーえ?」

 

そこまで言ったところで、砂煙が晴れ、物言わぬ死体となった少女達の姿を想像していたレイナは目を見開く。

 

「はは………あははは‼︎なに、それ?」

 

砂煙が晴れ、レイナの目に入ったのは巨大な黒い盾だった。

 

アバターの闇の奔流の中から現れたその盾は役割を終えたとでもいうように、消えていく。

 

黒い盾が消えた後、黒い盾の後ろから現れたのは 闇を鎧のように纏い( ・・・・・・・・・)虚ろな瞳を 紅く( ・・)輝かせた遊花の姿があった。

 

「お姉さんがやったの、それ?」

 

「………」

 

レイナの言葉に、遊花は応えようとせず、ただ虚ろな瞳でレイナを見据える。

 

「おーい、お姉さんー聞こえてるー?」

 

「………」

 

「意識がない………無意識で、かな?ふふふ、本当に面白いお姉さんだ‼︎それも世界を滅ぼせる素質なのかな?あははは‼︎私はこれでターンエンド。デュエルもお姉さんのデッキ切れでゲームエンドだ」

 

そういって笑うとレイナはデュエルディスクを停止させる。

 

立体映像が消えていき、アバターの姿が見えなくなると、遊花は糸が切れたかのように倒れ、纏っていた闇が濃くなり、遊花を完全に包み込む。

 

遊花を包み込んだ闇が弾けると、集まって1枚のカード( ・・・・・・)になり、遊花の手の中に収まった。

 

レイナは気絶した遊花に近づくと、楽しそうに笑った。

 

「へぇー本当にお姉さんは特別なのかな?傷ひとつないや( ・・・・・・・)

 

カオスアトランタルに身を焼かれ、ボロボロになっていたハズの遊花の外傷が一切なくなっていることに、レイナは興味深そうな声を出す。

 

そして遊花の身体から吐き出された闇を纏ったカードーーー絶望神アンチホープを見て、楽しそうに笑う。

 

「あの不思議な力が貴方達がお姉さんを選んだ理由なのかな?勝ったハズなのにお姉さんのNo.はこっちにこないし、ふふふ、本当に最高の逸材だ‼︎お姉さんなら、もしかしたらーーー」

 

そこまで言うと、レイナはポケットから十数枚の白紙のカードを取り出して気絶している遊花の手に握らした。

 

「もっと強くなってね、お姉さん。そして私ともっと楽しい命懸けの 決闘(デュエル )をしよう‼︎その 決闘(デュエル )で私が勝った時ーーーあは、あははは‼︎」

 

レイナが楽しそうな笑い声を上げながらデュエルディスクを操作すると、世界樹の花園(ユグドラシル )が消滅し、辺りの風景が先程までいた校舎に戻る。

 

そこにレイナ姿はなく、あるのは喧騒に包まれている廊下に倒れ伏せた遊花と真紅の姿だけだった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

深い闇の中、どこかで聞いたことがあるような声が響いてくる。

 

『『運命は………動き出してしまった………今はまだ、緩やかにしか進まない………だけど、いずれは到達する………全てが滅ぶ………運命の終焉へ』』

 

届く言葉は闇の中に溶けていき、私の中に消えていく。

 

『『滅びの運命は………誰にも止められない………"あなた()"にも………必ず』』

 

最後に聞こえたその声はーーーとても悲しそうに響いた。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「………ん、あ、れ………?」

 

深い闇の中から、意識が浮上した私は柔らかい何かに顔を埋めていることに気付き、身体を起こす。

 

「遊花⁉︎気づいたの⁉︎」

 

「大丈夫か⁉︎俺達が誰だか分かるか⁉︎」

 

「霊華さん………大地君?」

 

ぼーっとした私の視界にうつるのは心配そうな表情でベッドの上で身体を起こした私を覗き込む霊華さんと大地君だった。

 

「ここは………?」

 

「保健室。遊花と真紅が校舎の中で倒れてるのが発見されて連れてこられたの」

 

「一体何があったんだ?」

 

「倒れて………っ、そうだ‼︎私………真紅ちゃんは⁉︎」

 

ぼーっとしていた意識が一気に覚醒する。

 

そうだ、私、レイナちゃんとデュエルをして………

 

「真紅なら………」

 

「むっ、目覚めたか?"小さな聖域の守護女神( リトルサンクチュアリガーディアン)"」

 

「栗原先輩‼︎目が覚めたんですね‼︎よかった」

 

私の声が聞こえたのか、カーテンを開き、真紅ちゃんと刀花ちゃんが入ってくる。

 

「真紅ちゃん‼︎大丈夫⁉︎怪我とかない⁉︎」

 

「わっ⁉︎なんだいきなり⁉︎何故だかよく分からんが身体が少し痛むぐらいだ‼︎問題ないから抱きついてくるな‼︎」

 

詰め寄る私を見て、鬱陶しそうに真紅ちゃんが私の身体を押さえる。

 

よかった、特に大きな怪我とかはしてないみたい。

 

ホッと息を吐いた私に、霊華さん達は心配そうな表情を浮かべた。

 

「それで、何があったの?2人揃って倒れてたなんて、尋常じゃない。真紅は何も覚えてないみたいだし」

 

「え、えっと、どこから説明すればいいのか………」

 

心配そうにこちらを見る霊華さん達に私も困ってしまう。

 

レイナちゃんとデュエルをしたことは間違いない。

 

デュエルの内容はちゃんと覚えているから、デッキ切れになってしまった私が逆転したという可能性はありえない。

 

多分、私はあのまま負けたんだと思う。

 

だけど、カオスアトランタルの効果を受けた後からの記憶は虚ろで、定かではない。

 

でも、そうなるとレイナちゃんが私を見逃した理由がよく分からないんだけど………

 

困惑する私は、大地君の次の言葉で更に戸惑うことになる。

 

「そういえば、遊花。これ、気を失ってた遊花が握ってたんだけど、何か関係あるのか?」

 

「えっ?………えっ⁉︎なんで⁉︎」

 

大地君に見せられたのは、見覚えのある、身に覚えのない十数枚の白紙のカード。

 

持っているハズがないそのカード達に、私は思考を放棄するのだった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

「ふふふ、今日は楽しかったなーやっぱりゲームはこうじゃなくっちゃねー」

 

高層ビルの上から夜のケルンの街並みを見下ろしながらレイナは1人楽しそうに笑い声をあげる。

 

「お姉さんが 完成(・・ )してくれたら、きっと これ(・・ )だっていらなくなるんだけどなーあー待ち遠しい」

 

そういうと、レイナは残念そうに自分の頬を軽く引っ張る。

 

しかし、すぐに笑顔を浮かべると自分のポケットから1枚の白紙のカードを取り出した。

 

「ま、いっか。時間はいくらでもあるしねー精々今は楽しく遊ばせて貰おっとー私達以外にゲームをはじめた人がいるみたいだし、ちょっと混ぜてもらおうかなー」

 

そういってレイナが笑うと、レイナの身体から闇が溢れ出し白紙のカードを塗りつぶし、姿を変えていく。

 

闇が収まり、イラストが浮かび上がったカードーーーRUM ーバリアンズフォースーーーを手の平の上でくるくると回転させながら、レイナは無邪気な笑みを浮かべた。

 

「さあ、第2ステージの始まりだ‼︎ゲームスタートだよ………ふふふ、あははは‼︎」

 

無邪気な笑い声は夜の街の中に消えていくのだった。

 





次回予告

大和に敗北し、気を失っていた夜は美傘のアパートで目を覚ます。
大和とのデュエルでの敗北、そして自身の秘密が美傘にバレたという事実が夜を苦しめる。
傷付く夜の心を救うため、美傘は夜にデュエルを挑む。

次回 遊戯王Trumpfkarte
『夜に架かる虹』


次回は美傘VS夜です。
美傘、そして夜視点でお送りする予定です。
美傘は傷付く夜の心を救うことができるのか?
次回をお楽しみに。


それじゃあ今回はここまで。
今回は遊花とレイナのデュエル後編回でした。
現れたレイナの更なる切り札は邪神アバターとカオスアトランタル。
邪神アバターは魔法・罠を封じ、カオスアトランタルは遊花の防御を無視してライフポイントを削れるのである意味遊花の天敵ともいえるカード達です。
カオスアトランタルは条件厳しいですけどね。
そして、遊花に発現する謎の力。
またしばらくは登場する機会は無さそうです。
この作品は異能バトルものではないからね………多分。
それではそんなところで今回はここでお開き。
海外フラゲで絵札の三銃士の新規が出てモチベーションはグッと上がっていますが、仕事が忙しくなる夏休みが迫ってきてしまったので更新ペースはまた落ちそうです。
なるべく早くお話を進めれるように頑張りたいです。
ではでは〜
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