博麗霊夢を逮捕してから、観客が増えたと話題のポケモンコロシアム。
カメラを持っていなかったのに逮捕されたのには、訳がある。それは彼女(?)の体を見て貰えれば察しが付くだろう。そう四角四角しているのである。
私は思った。あ、霊夢スキンだっと。
どうも調べてみると彼女は、マインクラフト新ポケモンMODの世界からやって来たマインクラフターである事が判明した。マイクラのMODの中には撮影カメラを設置する物もあるので、それを使って放送していたものと推測される。
「つまりゆっくり実況界からの使者か」
実況自体は生放送だとして、お茶の間に電波が届けられた理由は不明だ。実害もどころか利益を生み出したので、博麗霊夢は無罪放免となった。
その所為かは不明だが、ポケパークの住人に饅頭が増えたという。
!
「協力を依頼したい」
自分の目の前で頭を下げる赤髪の青年。
「協力…ですか」
「私のラボでは研究を続けていますが、何分古代文明の代物。破損している物も多く、解読はラボの専門ではありません」
皆さん大好きフラダリ所長である。
なんでもこのフラダリさんは、古代文明の碑石を発見。碑石に刻まれている古代語の解読を依頼しにやって来た。
「古代語ですか…」
「ええ」
古代語。ポケモンを隣人として、人々が生活していたとされる古代期に用いられた文字を指す。ポケモン史を紐解けば、信じられない様な事実が沢山出て来る。ディアルガやパルキアの世界創造新話から始まり、果てはウルトラホールからやって来た人類まで正気を疑うレベルだ。
フラダリさんが発見した古代の碑石は、約3000年前の代物である事から、カロス王の最終兵器に関する伝承か何かが刻まれているのだろう。
「どうして私に?」
「ポケパークには、優秀な科学者や研究者が入り浸っていると噂を聞きました。それに…」
「それに?」
「私と同じような活動をされている事も、数ある候補の中から選出した理由の一つです」
うちには研究所はないが、オーキドを始め研究者との橋渡しを頼むなら申し分ない。
同じような活動というのは、フラダリが行っている経済的貧困者への支援活動の事だろう。似たような活動と言うと、チャリンコ暴走族の雇用から始まる人材雇用が当て嵌まる。
いくら雇っても人手不足が解消されない当パーク。原因は次から次に新しい施設を建設させる自分にあるのだが、経済がポイントで回っているので損害は出ない。まぁ、俺が倒れたら全部崩壊するシステムなので、早く手を打たないとマズイ事になる。
「しかし、考古学の分野でしょう?」
「はい、ですが調べて見た限り考古学という分野が存在するものの。考古学者自体が驚くほど少ないのです」
これは俺も考えた事がある。
俺が覚えている限り、考古学者としてポケモンに登場しているのは二人だけ。アロエとシロナだけである。しかもシロナはまだ10代のロリッ子であるからして、現実的にはアロエ一択だ。
「確かに…私も心当たりがあります」
「まるで古代について調べる物を排除する者がいるのかと疑うほどです」
「ふむ…」
そう考えるとゲーチスってどうやって古代の伝承を調べたのだろう。
二人の英雄は語り継がれている物だから知っていてもおかしくは無いが、ポケモンが石になっているとか推測できる情報をどこから掴んだのだろう。仮に伝承で伝わっていたとしても、いい大人が信じるだけの説得力があっただろうか。
七賢者の誰かが考古学者だったとも考えられるが。
「それで研究協力の件ですが…」
「ポケパークは娯楽施設に過ぎません。研究をするのも客受けに関する物ぐらいです」
「しかし、貴方は古代語を読み解くことが出来る」
「っ!」
システムメニューからの購入枠に言語に関係するものが有った。
転生当初。ポケモンと言えばゲームだった俺は、海外版の英語表記読めたら良いなぁと深く考えず全言語を購入(習得)した。その中にあった言語の一つが、古代ポケモン語や超古代言語だ。
「…その反応、推測でしかありませんでしたが、どうやら正解の様だ」
「推測ですか…」
「古代史に於いて人とポケモンが隣人として暮らしていた頃、人以上の知性を持つポケモンも多くいたとする論文があります。そのポケモン達が人間に文字を与えたとの推察もありましたが、問題はそこではありません」
フラダリが一人で苦悩した本当の理由は、頭が良すぎて周りが付いてこられなかったからなのではと脳裏に過る。
「このポケパークで度々目撃される伝説のポケモン達。その中にはディアルガ、パルキアそしてギラティナの姿が確認されている。論文に書かれていた高い知性を持つポケモンの特徴と一致するポケモンが!」
「伝説のポケモンか…」
カマかけに引っ掛かったという訳か。
「化石ポケモン達の為に住居を提供しているのも関心の現れ」
勝手に住み着いただけなんだが。
「分かった。協力しよう」
「これが発見された碑石の写真だ」
「これは慰霊碑の様だな…あしきひ いのちを すいあげ しのはな ・い・る かみ・・ みだ・し あらたな ・・・せ かいを・ ・むよわ きこころ もつおう ふたつの ことは・ のこ・ たみへと いのりを」
何を表しているのか、気になるのは書かれている文字を意図的に削り取った様に見える。
「悪しき日、命を吸い上げる死の花…ふむ」
「これ以上のお手伝いは出来そうにありませんね」
「他にも古代文字が刻まれた遺物は残されていますが…」
フラダリが取り出した一枚の写真を受け取り、凝視する。
あ、最終兵器の設計図だ。
これは教えたら俺がバットエンドを迎える羽目になるぞ。主人公に潰されてしまう。
「うん?」
「どうされました?」
「良く分からない事が書いてある。三つの体に二つの心、終わりを告げる三体の使徒」
花の様な形の図形の上に書かれているこの文章。何だか違和感を感じる。
「これを」
「これは?」
「この石板の裏側です」
「先に出して欲しかった。…花は二つの顔を持つ。何なんだ…」
ゲームに語られない別のストーリーがあるのだろうか?
「………カロス王…」
「何か?」
「ああ、いえ。大変参考になりました。私はこれで失礼いたします」
「そう、ですか?」
「協力のお礼ですが後日、部下に運ばせて頂きます」
フラダリ。XYの悪の組織フレア団の首領であり、サカキに次いで二人目の健全な精神を持つ首領。まともな精神を持つからこそ凶行に走らずにはいられなかった哀れな男。
死なせるには惜しいな。
xyやってないから口調わかんねーべ
碑石の文字はオリジナルです。
ひらがなを入れると読めるようになるよ。気になる人は考えてみてね