具体的には年齢ですね
今回は伏線を少し回収します
ジムリーダーサカキ。世界最強のジムリーダーとして語られる伝説の男は、今苦境に立たされていた。
「あなた…」
「シルバー…っ」
息子であるシルバー三歳が行方不明になったのだ。
「シルバーにはフカマルが付いているハズだ…生きてはいると思うが」
シルバー少年が行方不明になったのは、家の近くにある公園での事だった。まだ生まれて間もないフカマルをシルバーの最初のポケモンとして託したのだ。
このフカマルは結婚祝いに店長から受け取ったフカマルが成長、進化したガブリアスの子供である。
「寧ろフカマルの方が心配ね…りゅうせいぐん」
「あ、ああ。まだコントロールできていない」
りゅうせいぐん。特別な技で最高レベルに懐いていなければ習得できない教え技である。果たして誰が教えるのか、決まっている使えるポケモンが教えるのだ。フカマルの親であるガブリアスは、修行の末身に付けた技を惜しげも無く伝授した。それはもう、いつかこれを超える技を身に付けろと言わんばかりに。
「そのあたり一帯が潰滅しなければいいけど…」
しかして技の習得は成った。
だがフカマルもトレーナーであるシルバーも子供なのである。これは子供に残弾無限のロケットランチャーを持たせるようなものであり、癇癪を起したフカマルは、簡単に街一つ位破壊して見せるだろう。
「探さねば…」
「人手…いるわね」
こうして行方不明の息子シルバーを捜索するべくロケット団が結成されたのである。
なおロケット団のネーミングは子供受けを狙ったものであり、少しでも子供の気を引くために付けられた。ポケパークの人気シリーズが影響したのは間違い様がない。
「店長に協力を仰ぐか…」
――――――――――――――
「息子が行方不明?」
唐突に何を言い出すのかこのサカキ様は。
「手を貸してもらいたい…」
「いや、こっちも新人の手配とか忙しい…」
「手がかりはある」
「おーい」
手がかりって言われても、島から出る気は無いんだが。
「どうも巨大な鳥ポケモンに攫われたようだ」
「ん?」
鳥…ブルー?
「現場には珍しい『にじいろのはね』が見つかった事から、ホウオウの可能性が高い」
「ホウ…オウ?」
何年か前にホウオウが欲しいと連絡が来た事があった様な。
「うむ、ホウオウと言えばジョウトだが、問題のホウオウが野生のポケモンとは考えずらい」
「子供には甘いからなぁ、ポケモンは」
そうなると息子捜索は手近なカントーから虱潰しに探す…あ、ロケット団だこれ。
「それで捜索隊を編成したい。力を貸してくれ」
「お、おう。わかった」
サカキ様が頭を下げていらっしゃる。もし攫ったホウオウが、俺の売り払った中古のホウオウだったらどうしよう。
「それならムサシ、コジロウ、ニャースを連れていけ」
もうこうなったら、面白そうな所に突き進むしかない。
アニポケメンバーは押し込んでおこう。
「良いのか?あの二人はお前の右腕だろう?」
ムサシ、コジロウはアニポケ開始当初ロケット団のエリートだっただけあって、並のジムリーダーより強い。アニメでやられやくとして定着したのが間違いな程の腕前なのだ。恐らく資金不足からロクに食事も出来ず、体力や思考力が低下した結果だろう。
「痛いちゃ痛いが、二人がいなくても運営は出来る。テレビ局員もラジオも人手は足りている。まぁ、ロケット団シリーズはそろそろネタ切れだしな」
「ロケット団、ロケット団か」
しかし、時間が経つのは早いものだ。ついこの間ビクトリーショップを開店させたと思っていたら、あれから二年と少し。
サカキの息子、シルバー。ポケスペのゴールドのライバルで、転生特典であるあのゴールドさんが、背中を追いかけたコソ泥である。しかし、人探しでロケット団を立ち上げたとして、何故ミュウツーの開発などと言う話になったのかは謎だ。
「ふむ、ロケット団ならシルバーもテレビで見ていたな。……良し、シルバー捜索隊は『ロケット団』と名乗る事にしよう」
「まぁ、好きにしてくれ」
「ジムは暫らくサブリーダーに任せればよかろう」
「強すぎるのも問題だな。ポケモンリーグには連絡しておけよ」
「ああ」
目的が完全にクリーンな組織だが、初代悪の組織ロケット団が誕生した。
「俺の息子だ。直ぐにくたばる事は無いだろうが…」
「心配事か?」
「ホウオウという伝説が相手だからな。最低でも伝説を倒せる戦力が必要だ」
「メガシンカでは足りないか?」
「分からん。だが余力を持って当たりたい事件だ」
子供の命がかかっている訳だし、失敗できないと慎重になるのは仕方ないか。
「ところで新人の手配と言っていたが、そっちも何かあったのか?」
「ああ、カジノ運営に必要な人員だ。全部がスロットなら店番だけでもいいんだけどな」
折角のカジノなのだから、ゲームの数が少ないのは寂しい。スロット、ポーカー、ルーレットは定番としても、ポケモンコロシアムで勝敗を対象に賭博する案や、完成した釣り橋を利用した釣り大会を対象に釣果を当てさせたりするイベント形式も考えている。
「スロットか…」
「あれは運営が必ず得をするようになってるから、暇潰しにやるもんだぞ」
「ああ、そうだな」
サカキはロケット団の結成から、手持ちのポケモンをガラリと変えた。と言ってもひこうタイプに有利なゴローニャは続投であったが。