ポケモンガチャはじめました   作:バウ

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ポケモン試験

 はぁ~、私ムサシ。

 普通に過ごしていると男が鬱陶しくて、チャリンコ暴走族に所属していた。話が飛んでいる様に思うだろうけど、その実繋がっている。奇抜な髪形をすれば、言い寄られたり襲われることは無い。チャリンコ暴走族に入っていれば、何かあっても仲間が助けてくれる。

 状況が変わったのは『補助輪のコジロウ』が、無謀にも飛び込みバイトを探して補助輪自転車で駆け回り始めた事だった。

 コジロウは暴走族に似つかわしく無い優しい性格だ。チャリンコ暴走族の資金が底を着くのを知り、少しでも資金を得ようと行動を起こしたのだろう。なんがかんだ有って、チャリンコ暴走族全員が雇われることになって、私も一緒に付いてきた。

 オーナーは、名前を名乗らない。だから私たちは、オーナーや店長と呼ぶ。

 オーナーは私に髪を下ろす様に言った。私は事情を話したが、客商売で威圧してどうすると正論を言われてしまった。

 

「そんなに嫌か?」

「その…怖いんですよ。いつも運よく助けられますけど、次に襲われたら…って」

「うーん」

「私、ポケモンも持ってないですし…スクールも受験失敗で」

 

 ポケモンを持てるのはトレーナーだけ。ブリーダーやジムリーダーは、その延長線だ。トレーナーズスクールは、トレーナー資格を得る一般的な施設だ。一部のエリートトレーナーは、ジムリーダーはから特別に許可を受けている。その他、研究所に認められた研究者直属のトレーナーは、ポケモン図鑑を資格として与えられる。

 トレーナー資格がなくてもポケモンをゲットする事は出来る。その代わりポケモンセンターやジムを利用する事が出来ず、もしポケモンを力づくで奪い取られたとしても警察は動いてくれない。自分のポケモンだと証明できないからだ。

 

「スクールがどうかしたのか?」

「トレーナー、資格が…その無くて」

「ああ、トレーナーカードが無いのか…身分証がないと困るよなぁ」

「あの…」

「まぁ、ウチで発行するか…」

「発行できるんですか!?」

「この島は、周辺の海域を含めて俺の持ち物だからな。小さいけど一個の国みたいなもんだ」

 

 オーナーはポケモンを持っていない私に、都市伝説で有名なポケモンのタマゴを手渡して試験をすると言う。

 産まれたばかりの子供でも当然の様に合格すると言われて安堵したけど、試験に落ちたら島を追放されるらしい。もちろん、トレーナーカードも貰えない。トレーナーズスクールの受験で落ちた事を思い出して、気持ちが落ち込む。

 

「ビー!」

 

 私のタマゴから生まれたのは、ビートル。頭に毒針を持つむしタイプのポケモンで、カントーに多く生息している。

 タマゴを預かった私たちは、ボールを与えられていない。オーナーは育てろと言ったが、プレゼントするとは言っていなかった。

 

「ビ?」

「ほら、ポケマメよ」

「ビ~、ビッ!」

「食べないわね…」

 

 産まれたばかりのビートルは、ポケマメを警戒してなかなか食べようとしない。

 

「ビィ~」

「ビートル~ご飯なのよ?」

「ビッ!?」

 

 警戒を解くどころか、怖がらせてしまった。

 怖がらせた?

 

「…そっか、私と同じなのね」

「ビ?」

「私も怖い事が一杯あるもの。生まれたばかりで、外に出たことも無いんだ…怖がって当然だ」

「トル…」

「外…出よっか?」

「ビー?」

 

 それからビートルを連れて、外に出た。ビートルにとって初めて見る世界は、どう映っているのだろか。

 

 

「これから、試験を開始します。番号順に入室してください」

「よし、決めるぜバルキー!」

「バッバ!」

「俺の育成は完璧だ。見ろオレのゴローン」

 

 他の試験を受ける人たちは、思い思いの方法でポケモンを育てた様だ。私のビートルは無心になって葉っぱを食べ続け、コクーンに進化していた。流石はむしポケモンだ。

 

「コ」

「うん、頑張ろうね」

「次、13番」

「はい」

 

 いよいよ私たちの番だ。

 

!?

 

「俺はサカキ…これでもカントーでジムリーダーをしている」

「ムサシです。よろしくお願いします」

「コ…」

 

 ジムリーダーのサカキと言えば、カントー最強のポケモントレーナーの名前だ。ポケモンリーグで優勝を果たし、チャンピオンになろうかと言う処で辞退。その後、暫らく行方不明になっていたが帰還後、あっさりとジムリーダーに収まった。

 彼がジムリーダーになってから、誰も彼のジムバッチを手に入れた者はおらず。ポケモンリーグからの要請で、世界初のサブリーダーをジムに導入させた。

 

「試験内容は、当然ポケモンバトル。但し勝敗は、試験の結果に関与しない…ま、勝てるもんなら勝ってみることだ」

 

 無理です!?

 

「そっちはコクーンか、それなら」

「ゴオォド!!」

「なっ!?」

「初めて見るか?こいつはボスゴドラ…気性が荒い厄介な奴だ」

 

 白く力強いボスゴドラは、何処かオーラが出ている様にすら見える。

 

「コー」

「先手はそっちだ」

「クッ!?」

 

 勝てるわけがない。鈍足どころか不動のコクーンで、しかも攻撃した所でダメージを与えられない。

 

「コ!」

「コクーン…っどくばり!」

「コー!」

 

 ポケモンの技は発想と練習によって、応用が利く。技の力を一点に貯めて威力を上げたり、技を組み合わせて新たな技を生み出したりと様々だ。

 

「!まもる」

「ゴ!」

「外した…」

「コー…」

「まさか、どくばりを飛ばしてくるとは…良い技だ」

「ビートルの時から足は遅かったですから…離れても戦える術が必要だったんです」

「次は私の番だな。ボスゴドラ、じしん!」

「ゴォラ!」

 

 威嚇するチンビラの様な声を吐き出しながら、ボスゴドラは持ち上げた片足を地面に叩きつける。

 

「きゃ!」

「コ!」

 

 地面が大きく揺れ、体が前方へと傾く。このまま倒れたら、ボスゴドラのじしんのダメージ範囲に入ってしまう。

 

「コー!…スッピ!」

「あ…」

 

 私の体を受け止めたのはスピアー、それはコクーンの進化した姿。

 

「そっか…進化したのね」

「スピ!」

 

 スピアーはどこか誇らしげで、誇らしい。

 

「飛行が可能なスピアには、じしんは通用しない…」

「スピアー!槍に毒を纏わせて、どくやり!」

「ピアァぁァ!?」

 

!?!

 

「あーあー、負けちゃった」

「スピ」

「頑張ったのにね」

「スピ」

「…ありがとね」

「スピ?」

「私のポケモンでもないのに一緒に戦ってくれたでしょ?」

「スッピー」

 

 スピアーは当然だと槍を空に掲げる。

 願わくば、この意地っ張りな主の為に槍を振るう騎士でありたい。




わーい、コラボしたいって連絡が来た!
もし実現したら、何処かに書きますね!
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