瓦解のテンシ、アクマの鮮血   作:福宮タツヒサ

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初っ端からグロ注意です。(無心で書いてる自分が恐ろしい…!)
食べながら読んでる人はお控えください。


第4話 中国からの来訪

IS学園から離れた——●△町。

ゴミ処理場、深夜0時過ぎ誰もいない時間帯で、二つの人影があった。

一人は、全身殴打された形跡がある顔の整った男。この血まみれ男の正体は、神の手違いにより死に、この世界に送られた転生者、その一人である。

男は良識派と自称する。ほとんどの転生者は自分の欲に任せて好き勝手するが、この男は、自分達は原作に関わるべきじゃないと主張している。

 

「君は一人で寂しかっただけなんだろう? でも大丈夫、俺がいる!」

 

そう言って男は、もう一方の人影に呼びかける。この人物も男と同じ転生者である。

 

「待つんだ! こんなことを繰り返してはいけない! こんなの、君のためにもならないんだろ!? 今からでも遅くない。まだ君はやり直せるんだ……だから!

ちょっと待て! 俺が死んだらこの世界はどうなると思う!? 崩壊するんだ! だから俺は生かすべきだ! 生かさなきゃならないんだ!!」

 

男の呼びかけに何の反応も示さない女は、男の体をある機械の中に押し込む。

何の機械か理解した男は慌てて口を開くが、虚しくも女は気にせず作業を進めて装着を作動させる。

いくつもの点滅が光り、大型機械が作動し始める。そのことに男は動揺を隠し切れず、終いには自分の使命など簡単に忘れて泣き叫ぶ。

それを見ていた女は「所詮こんなものか……」と落胆し、その場を去っていく。男を見捨てたまま。

 

「ま、待ってくれ! 冗談なんだろう!? 本気ではないんだろ!? ……わ、分かった!! もう君に、いや貴女様に関わりません!! だから、お、お願いします!! まだ死にたくない!! ヒィ!!? イヤだ! や、止めてくれぇっ!!! 痛いのは嫌だア"ァ"ァ"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」

 

 

 

ヴゥヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴブチブチブチブチチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——翌日のテレビ、

 

 

 

『ニュースです。本日午前七時、●△町のゴミ収集所で細かく刻まれた遺体が発見されました。

現場で押収された所持品を調査した結果、遺体の人物は前夜から行方不明とされた〇▲氏本人であることが判明されました。

警察の捜査によりますと、犯人は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とのことです。

極めて奇抜な犯罪に相当する犯行とされ、未だ犯人はまだ把握できていないとのこと。このことに地域住民も不安を隠せない様子で———』

 

 

 

 

〜〜◇〜〜

 

 

 

ディアナside

 

「ねぇねぇ! もう見た? 今日やってたニュース」

 

「あぁ〜! うん見たわ! ●△町で殺人事件があったんでしょ?」

 

「えぇ〜! ●△町って私の家のすぐ隣町じゃない。犯人はまだ見つかってないんでしょう?」

 

「シュレッターにかけたんですって。怖いわよねぇ〜」

 

女子がヒソヒソと噂話をしている。

ま、私の知ったことじゃないけどね。

そう言えば、そろそろ酢豚娘の登場かな?

この世界ではどんな女になっていることか……。

一夏の話じゃあ酢豚娘とはそこまで仲良くなかったとか。あの自称オリ主と勘違いしてイジメに加担していたとか。

聞いた瞬間、私は殺意を隠せなかったよ。あの能無しの屑と、世界の嗜好品である【天使】一夏と間違えたなんて、神への冒涜にもほどがあるんじゃないの? ただし神はあの無責任なクソ爺だが。

二次創作においての酢豚娘の性格はいくつも存在するけど、どんなクズに育ったのかしらねぇ。

 

「鈴……? お前、鈴か!?」

 

と、唐突に自称オリ主が馬鹿みたいな反応した。

声がした教室の入り口の方へ振り向くと、茶髪のツインテール娘が立っていた。

 

「えぇ、中国代表候補生、鳳鈴音(ファン・リンイン)よ」

 

ッ………。

少し、驚いたわね……奴は私と同じだ。

てっきり自称オリ主のために転校して来たのかと考えていたが、どうやら違う目的みたいね。それも目の前の男を陥れたい魂胆。

 

「久しぶりだなぁ、鈴!」

 

「えぇ。あんたも相変わらずね……」

 

冷めた視線を送っている。その瞳の奥には好意の欠片もなかった。

一方、自称オリ主くんは気づきもしていない。

ぷ、哀れだね。女を見る目がないにも程があるでしょ。

 

「また会いましょう………秋十」

 

そして奴は踵を返して、自分のクラスへ戻る。

あれがこの世界における鳳鈴音。

もう彼女は……自称オリ主(織斑秋十)に“好き”という感情を抱いていない。

だが……これは使えるかもしれない。

一夏に悟られないよう、私は心の中で微笑む。

 

 

 

〜◇〜

 

 

 

鈴side

 

放課後、私こと鳳鈴音は、ある女を呼び出す。

私が指定した場所、屋上に先に赴いてから数分後、階段をかける足音が聞こえた。

 

「あの〜、何か私に用でしょうか?」

 

呼び出した女——ディアナ・リェータスが到着した。

? ……何か雰囲気が違うような?

直接会ったことないけど、何か含みのある笑顔というか、貼り付けた気味の悪い紛い物の顔というか。

しかし、ここで気にしても仕方ない。時間も惜しいから素早く用件を伝える。

 

「あんた、秋十の弟を狙ってるんでしょ? ……手伝っても良いわよ? 但し、私に協力してくれればだけど。どうかしら?」

 

「え? えと……どういうことでしょうか?」

 

「だ・か・ら〜、私に協力してくれれば、あんたの恋路に協力してやっても良いって言ってるのよ! 鈍臭い女ねぇ!」

 

態度や素ぶりを見ると不快感を刺激され、屋上の柵に拳をぶつけて怒鳴り散らす。

それに対して「ご、ごめんなさい……?」と天然の解答をした。

ったく、こんな女で大丈夫なのかしら?

でも、こんなイラつく女でも代表候補生、しかも他の女達から距離を置かれてるボッチよ。

私の計画に利用するには良い人材、他にいないわ!

我慢の辛抱よ、鳳鈴音……!

 

「その〜、鳳さんは何が望みなのかしら? あ、私の祖国のデータとか?」

 

「ああ、そんなものじゃないから安心してちょうだい。ただね……ある男を破滅させる手伝いをしてほしいのよ」

 

そう……私から初恋を奪い、心を弄んだあのクズの人生を滅茶苦茶にね!!

 

 

〜〜回想〜〜

 

数年前、私が日本の小学校に転向した時のこと。

私は中国人という理不尽な理由で迫害され続けた。そこへ手を差し伸べてくれたのが……秋十だった。

子供だった私は、その優しさに一目惚れしてしまう。

彼が貶したものは徹底的に貶した。だから当時、あいつが虐めていた実弟への虐めも加担しまくった。

そしてある日、私は彼を驚かせようと身を潜めて、彼の様子を伺った。

その時だ……。

 

『ははは、案外呆気なくいくもんだなぁ〜。一瞬で落ちるなんて、鈴の奴マジでチョロいじゃん』

 

……え?

時が停止したような錯覚になる。

きっと何かの聞き間違いだろう。再び秋十の言葉に耳を傾けるが……。

 

『ん〜、でもな〜。大きくなってもペッタンコなんだよな〜、あの貧乳娘。ま、いっか。俺は貧乳でもいけるタチだし、前菜くらいにはなるだろうからな』

 

……聞き間違いなんかじゃなかった。

記憶の中の秋十は、私のコンプレックスなんて気にしないと言ってくれる、まるで絵に描いた王子様だった。でも、今の秋十は生き生きとした表情で嘲笑っている。

前菜………? 私、が……?

そ、それじゃあ秋十は……最初から私のことを、そんな目で……?

私の気持ちを、弄んで……?

嘘でしょ………? そんな………。

段々と、ゴミ箱のようにグチャグチャだった私の感情は、ある一つの感情へ集約される。

それは……“殺意”。

秋十…秋十………織斑秋十ゥッ!!

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!

いつの日か絶対に……お前を地獄の底へ突き堕としてやる!!!!

 

〜〜〜〜

 

 

 

「……百年の恋も冷めるとはあのことよね。お陰で今は殺意しか抱いてないわ」

 

「ふ〜ん……それで、織斑くんを殺したいと?」

 

もう、ちゃんと人の話を聞いてなかったのかしら? この女。

代表候補生だから利用できると思ったのに、先が不安になってきたわ……。

でも良いわ。いざとなればこの女に罪を擦り付けて、私は知らぬ存ぜぬでいるだけだから。復讐遂行するためには多少の犠牲は付き物だもの。仕方ないもんね。

 

「それで、協力してくれるわよね?」

 

「う〜ん……要するに、織斑くんの地位を更に堕とすようなことをすれば良いんだね? でもそれなら、今話したことを学園中にバラせば良いんじゃないの?」

 

ふん、浅はかな思考なこと。

この女も、アイツ(織斑秋十)と同じね。

所詮この女も意中の男を自分のモノにしたいっていう欲に塗れている能無しってことね。

 

「まだ早いわ。アイツの背後には——【世界最強(織斑千冬)】がいるのよ? アイツの姉なんだから信用できないわ。私が訴えても、実の弟の社会的地位を守ろうと『変な言いがかりをつけるな』とか一蹴りして、うやむやにする違いない。

だから……あの女でも庇いきれない時が来るまで、チャンスを待つのよ」

 

そう……確実にアイツを殺すためにもね。

それまで精々、学園生活を楽しんでいきなさい、織斑秋十。どうせこれから……あんたは獄中で過ごすんだから。

 

「それじゃ、後日詳細を話すからちゃんと読むのよ? 勝手に抜け出そうとしたら……あんたの立場が危うくなるだけだから、逃げ出そうと思わないことね」

 

そう言って私は誰にも知られないように自室に戻る。

その場を去る直前、リェータスが声をかけて止めに入った。

 

「あ、それじゃあ私からも質問したいんだけど……一夏のことをどう思ってるのかしら?」

 

………はぁ?

何を言い出すのかと思えば、本当に何を尋ねてるのかしら?

そもそも誰だっけ?

一夏、一夏………あぁ、秋十の弟のことね。

 

「安心して、どうとでも思ってないわよ。それに……兄貴に隠れてビクビクしていた“腰抜け”のことなんて興味ないわよ」

 

「…………そう」

 

目の前の女はそれだけ呟き、何も聞き返さなかった。

この瞬間、あのチビを貶す発言を、この女の前で言ってしまったことを、私は後悔することになる。

彼女の瞳には明確な殺意が抱いていたのに、これからのことを考えていた私は全然気づかなかった。

この女が……本物の【悪魔】であることも、この時知るよしもなかった。




自分で書いててなんですけど、本当に自称オリ主(秋十)はアホなことしかしないですね。
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