やはり岸波白野の青春ラブコメは王道か?   作:魔物Z

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今回はチェーンメールの依頼です

原作よりも早い段階で依頼が解決します



思ったより早く葉山隼人の依頼が終わった。

 

 

 

 

 

「やぁ岸波くん、久しぶり。最後の会ったときはテニスのときだから久しぶりじゃないか」

 

いやぁ、爽やかな笑顔ですねぇ。俺の周りではガウェインぐらいか?

 

「久しぶりでいいんじゃないかな?それで依頼かな?」

 

確か葉山くんって比企谷や由比ヶ浜さんと同じクラスだよな。

 

なら依頼としたらあのことだろう。

 

「ああ、こんな時間に悪い。ちょっとお願いがあってさ。奉仕部ってここでいいんだよね?平塚先生に、悩み相談するならここだって言われてきたんだけど…、遅い時間に悪い。結衣もみんなもこのあと予定とかあったらまた改めるけど」

 

「や、やー。そんな全然気を遣わなくても。隼人君、サッカー部の次の部長だもんね。遅くなってもしょうがないよー」

 

と由比ヶ浜さんはたまに見せる薄っぺらい笑顔で笑う。他の二人、雪ノ下さんは少しピリピリしてるし、比企谷は今の周りの状況を見ながら考えているみたいな感じか。

 

なら俺が話を進めるか。

 

「別に時間については気にしなくてもいいよ。依頼内容のなんとなくわかってるし、行動に出るのは明日でもいいならこっちは構わないよ」

 

「「「え?」」」

 

雪ノ下さん以外の三人は不思議そうな反応をした。

 

「別におかしなことは言ってないと思うけど。それともみんな明日用事とかあるの?」

 

それなら考え直さないとな。

 

「岸波くん、そういうことではないと思うわよ」

 

ということは俺が依頼内容をわかっていることのほうか。

 

「まだ葉山は何も言ってないだろ。なんで依頼内容がわかってんだよ」

 

「まだ予想だけどね」

 

「なら言ってみてくれるかしら」

 

「予想でだけど、葉山くんの依頼はクラス内で回ってるメール、チェーンメールのことで、それをどうにかしてもらいたいってことでしょ」

 

葉山くんは驚いているようだ。ってことは当たりでいいのかな。

 

「岸波くん。それがどうしてわかったんだ?」

 

「由比ヶ浜さんから聞いたんだよ」

 

そう言うとみんなが由比ヶ浜さんのほうを向く。

 

「な、何言ってるのキッシー!あたしそんなのと言ってないよ」

 

「言ってたよ。『変なメールが来たから、うわって思った』『比企谷は犯人じゃないと思うよ』『内容がうちのクラスのことだから』ってしっかりと昨日言ってたよ」

 

「俺のところいらなくね…」

 

比企谷のことはまぁいい。

 

「それに葉山くんが依頼で来たってことは自分のことではなく、周り人たちのことだろうと思ったからね」

 

葉山くんは周りの人間関係を大事にする人だからな。

 

「そうなると由比ヶ浜さんが言っていた変なメール、クラスのことを書いたメール、クラスメイトの悪口が書いてあろうメールのことを解決したいんじゃないかなって自分なりに考えてみただけだよ。君はそういうのを見て見ぬふりをするのは嫌いだろ?」

 

「…そんな感じだよ」

 

「そうか。よかったよ。外していたらかなり恥ずかしいからなこういうの」

 

「岸波って本当に何者だよ」

 

「魔術師だからな」

 

「生まれ変わりはどこへいった」

 

「付けるの面倒くさくなった」

 

「何だよそれ…」

 

まぁそんなことはどうでもいい。

 

「で、葉山くんどんな感じのメールの内容なの?」

 

俺がを尋ねると、葉山くんは携帯を取り出して、カチカチとボタン操作をしてそのメールを俺に見せる。他の三人もそれを覗き込む。

 

なになに。

 

『戸部は稲毛のカラーギャングの仲間でゲーセンで西高狩りをしていた』

 

『大和は三股かけている最低の屑野郎』

 

『大岡は練習試合で相手校のエースを潰すためにラフプレーをした』

 

などこの三人のことが書いてあるな。

 

「典型的なチェーンメールだね」

 

葉山くんがこのメールを改めて見ながら、微苦笑を浮かべた。

 

「これが出回ってから、なんかクラスの雰囲気が悪くてさ。それに友達のこと悪く書かれてれば腹も立つし」

 

この三人は葉山くんの友達か。そうなるとテニスのとき葉山くんと一緒に来ていた三人かな?

 

誰が誰だかはわからないけど。

 

「止めたいんだよね。こういうのってやっぱりあんまり気持ちがいいもんじゃないからさ。あ、でも犯人捜しがしたいんじゃないんだ。丸く収める方法を知りたい。頼めるかな」

 

丸く収めるのか…。少し難しいな。

 

「つまり、事態の収拾を図ればいいのね?」

 

「うん、まぁそういうことだね」

 

「では、犯人を捜すしかないわね」

 

えっ?どうしてそうなった!?

 

「うん、よろし、え!?あれ、なんでそうなるの?」

 

葉山くんも俺と同じで雪ノ下さんの言葉に驚いたが、すぐに微笑み、穏やかに雪ノ下さんの意図を問う。

 

俺はあそこまで早く切り替えられないだろうな。さすが葉山くん。

 

すると、雪ノ下さんは

 

「チェーンメール…。あれは人の尊厳を踏みにじる最低の行為よ。自分の名前も顔も出さず、ただ傷つけるためだけに誹謗中傷の限りを尽くす。悪意を拡散させるのが悪意とは限らないのがまた性質が悪いのよ。好奇心や時には善意で、悪意を周囲に拡大し続ける…。止めるならその大本を根絶やしにしないと効果がないわ。ソースは私」

 

「そういうこと。雪ノ下さんの実体験ですか…」

 

俺はそういうの無かったな。知ってるメールアドレスの量が今より少なかったから…。

 

 

 

 

 

話は進んでいき、雪ノ下さんが犯人を捜すことにしたらしく葉山くんは「…ああ、それでいいよ」と観念したように言った。

 

そうして犯人の目星を付けるために雪ノ下さんが、葉山くんと由比ヶ浜さんと比企谷に何があったなどを聞いた結果。

 

「そうすると、職場見学のグループ決めが切っ掛けで、犯人はチェーンメールの対象になっている三人のうちの誰かということ。葉山くんのグループが四人、職場見学のグループが三人、結果一人がハブられてしまう。だからハブられたくない犯人は、他の人を蹴落とす手段としてチェーンメールを使ったと」

 

「そういういことになるわね。なら次はその三人のことを教えてもらえるかしら」

 

「いや、その必要はないよ。解決法を二つ見つけたから」

 

「犯人捜しの?」

 

「いや、犯人を捜さずに現状況をあやふやにする方法と、同じく犯人を捜さずに現状況を少しだけ改善する方法かな」

 

今回は全員が驚いているようだな。なんかごめんね。

 

「それって本当かい?」

 

「さすがにこんなところでウソは言わないけど」

 

「ならその解決方法を言ってくれないか」

 

そうなると葉山くんに現状を知ってもらわないとな。

 

「まず今回の話でわかったことは、犯人はグループの人を蹴落としてでも葉山くんと一緒に職場見学に行きたかった。ということはその犯人、またはその葉山くんの友達たちも他の二人を葉山くんの友達としか思っていないってことになるんだよ」

 

「なるほどな、そう言うことか」

 

さすが比企谷、理解が早い。

 

他の三人はピンと来ないようで、由比ヶ浜さんが比企谷に「どういうこと?」と尋ねている。

 

「簡単に言うとだ。葉山の周りの奴らは葉山は『友達』で、他の奴らは『友達の友達』ってことだ。俺は葉山のところをしっかりと見ていないからわからないが、葉山のグループは葉山がいないときは楽しそうに話していないと思うぞ。携帯をいじったりしてな」

 

「あ、ああ~、それすごくわかる…。会話回している中心の人がいなくなると気まずいよね。何話していいかわからなくて携帯いじったりしちゃうんだよ…」

 

由比ヶ浜さんは思い当たることがあるようだ。

 

その由比ヶ浜さんの袖をちょいちょいと引きながら小声で「……そ、そういうものなの?」と尋ねる。

 

由比ヶ浜さんは腕を組んでうんうんと頷く。

 

葉山くんはまだそれを受け入れられないような顔をしている。

 

「葉山くん、気を悪くしたら謝るよ。ごめんね。まぁこれは俺の推測でしかないから気にしないでね。それで解決法は今のところ二つあるけど両方とも聞く?」

 

「ああ、頼むよ」

 

「まずは一つ目、これは四人で行く方法だ」

 

全員が「は?」みたいな顔をしているぞ。

 

「岸波くん、あなたは話を聞いていたのかしら?グループのメンバーが三人までだからこういうことになったのでしょ」

 

「そう、だから二つのグループで行けばいい。三人、三人、合計六人で同じ場所に行けばいいんだよ。葉山くんのグループとどこかの仲がいい二人組と組めばいい。行く場所は生徒が自由に決められる。なら行く場所が被ってもおかしくはないからね」

 

「なんだか裏を掻かれた感じだな」

 

「ただこの場合はチェーンメールは消えると思うけど、現状況をなあなあにしたようなもの、葉山くん達の関係も今までと変わらないんだよ。そうなるとまた同じことが起きると思う。だからこの方法はあまりお勧めはしない」

 

「…なるほど。それならもう一つはどうなんだい?」

 

「二つ目は葉山くんしだいだよ。比企谷辺りはなんとなくわかってると思うよ」

 

俺がそう言うと比企谷はニヤリッと笑みを浮かべる。

 

「ってことは岸波も結構悪い奴だな」

 

「……」

 

考え方がおかしいじゃないか比企谷…。さっきの笑みがさらに邪悪な笑みになってるし、由比ヶ浜さんが「う、うわぁ…」って引いてるけど。

 

「な、なら比企谷言ってみてくれ、俺の二つ目の考え。よ、予想では比企谷と同じだから」

 

「おお、任せておけ。葉山、犯人を捜す必要がなく、これ以上揉めることなく、…そして、あいつらが仲良くなれるかもしれない方法が…。知りたいか?」

 

まるで悪魔の問いかけだな。葉山くんはそれに頷いた。

 

葉山くんは比企谷から二つ目の解決方法を聞いて、それを実行することに決めたらしく、部室を出ていった。

 

「いや、今日中に解決できてよかったね。俺たちもそろそろ帰ろうか」

 

「ねぇキッシー?キッシーの二つ目の考えってヒッキーのと同じだったの?」

 

「ああ。同じだよ。二つ目は葉山くんが他の三人とは行かない方法」

 

そうすると三人が一緒に行動することにもなるから、いい方向にもむかうことができる。

 

比企谷の考えは葉山くんを『ボッチ』にする方法とか考えているんだろうな。

 

「でもよく二つも見つけたな」

 

「一つはうちのクラスでやってるからな」

 

「そういうことね」

 

雪ノ下さんはわかったようだ。

 

「どういうこと?」

 

「国際教養科ってほとんどが女生徒で、男子なんて俺を入れて五人しかいないんだよ。で俺以外の四人は仲が良くて、その四人と女性二人で同じところに行って四人と二人で行動をするらしいから、必然的に俺が一人になるんだよ」

 

「なんか俺のほうが恵まれているように思えてくるな。戸塚いるし」

 

羨ましい…。俺はクラスの男子と話した数なんか両手の指で数えきれるぞ。

 

「それでこういうことになると岸波くんは最終的に私のところに来るのよ」

 

「そうですね。いつも頼りにしています…」

 

いつも最終的に雪ノ下さんのところに辿り着くんだよなぁ。

 

迷惑に思っていなければいいんだけど…。

 

そうして今日の部活は終わった。

 

 

 

 

 

夜、寝る前にBBにプログラムについて聞いてみようかな。

 

俺はパソコンを開いて起動させてから…。

 

いつでも呼んでくださいって言ってたけど、どうやって呼ぶんだ?念話みたいにやるのかな?

 

BBいる?

 

………。

 

声に出せばいいかな?

 

「BBいる?」

 

………。

 

違うか。ん、右の端っこに桜の花マーク…。何呼びかけてんだろ…、ちょっと恥ずかしいんだけど。ま、まぁ誰も聞いてはいないからな大丈夫だろう。

 

イヤホンを付けてっと、音を出さなくてもできるって言ってたけど心配なんだよな…。

 

桜の花のマークをクリックすると、あのBBチャンネルの音楽が流れる。

 

どうせ『ビィビィーチャンネルーーー』とか言うんだろうな。

 

『センパイ呼びました?』

 

………。なんか裏切られた気分だ。

 

まぁいいや、プログラムとか色々と聞きたかったから呼んだんだけど、大丈夫?

 

『前みたいに忙しいと言えないのが残念です』

 

っていうことは大丈夫なんだね

 

『はい。それでどういったご用ですか?あ、わかりました。私を夜のオカズにするんですね。私が可愛いのがいけないんですけど、センパイも少しは自重してください』

 

……。話聞いてたよね?プログラムとかについて聞きたかったんだけど?

 

『仕方がありません。少しだけですよ』

 

そう言いながら着用している黒い袖付きのマントを外してから、服のリボンを外そうと…。

 

って、なんで脱ぎ始めているの!?質問したいことがあるって言ったはずですけど?

 

『はぁ…。センパイ、冗談だってわからないんですか?』

 

もう冗談って感じじゃなかったけど…。それで質問なんだけどさ…、あの聞いていますか?

 

BBは俺の話を聞きながら?リボンを締め直し、マントを羽織る。

 

『はい。聞いていますよ。今夜のオカズのことですよね』

 

聞いてないじゃん。そろそろそのネタから離れようか

 

『わかりました。それではセンパイはいつも何をオカズにしているんですか?』

 

離れようよぉ…。なんで俺、BBとこんな男子高校生がしそうな話をしてるんだよ

 

『センパイこういった話をする男性のお友達がいないから私が聞いてあげてるんですよ』

 

どうでもいいよその気遣い。勝手に話を進めるよ。まず、BBって俺が寝ている間に行って場所にいるの?

 

『いいえ。残念なことにあそこにいられるのはセンパイとザーヴァントだけです』

 

やっと話が進んだ…。

 

じゃああの六つの開かずの間ってなに?

 

『アレはセンパイの思っている通り、私、リップとメルト、ガトーさんのバーサーカーさん、セイヴァーさん、センパイのバーサーカーさんのです』

 

後ろの三人はいいとした最初の三人、主にBBの分がある理由がわからないんだけど

 

リップとメルトはBBというAIから生まれたモノだけど、一応ハイサーヴァントとしても存在してもいるからな。

 

『あそこはセンパイが望んだからできた場所です。センパイが知らないうちに自分から願っていたため私たちの分まで用意をしたんですよ』

 

そういうことか…。なら納得がいくよ。じゃあ何でBBのところ以外は開かないの?

 

『まず、ガトーさんのバーサーカーさんですが、彼女は別の世界にいます。次にセイヴァーさんですが、彼は忙しいんですよ。神様なので』

 

ウソくさい…。別の世界って何処?俺が今いる世界ではないよね?そして忙しいからいないって…、単身赴任中のお父さんですか?

 

『それでセンパイのバーサーカーさんは、今のセンパイの記憶に存在しないためあそこにはいられないんです』

 

そうか…。少し悲しいな。俺と五回戦まで戦ってくれたサーヴァントだったのに、俺に記憶がないから一緒にいられないんだな…。

 

『最後にまとめて私たちのことですけど、私たちは月の裏側にいたころのようなスキルや権限をほとんどがなくなっているんですよ』

 

はい?

 

『ハイサーヴァントではなく、私の分身のAIのようなモノですね。簡単に言いますとセンパイのことが大好きな普通に近い女の子になったわけです。性格はあのままですけど』

 

性格があのままだと普通ではないと思うけど…。そうなるとBBたちは俺たちがいるところと別の場所にいるってこと?

 

『そういことでいいですよ』

 

ということはこのパソコンで話すこともできるんだよね?

 

『まぁできるんですが話したいですか?』

 

なんでそんなに嫌そうなの

 

『正直に言いますと、このセンパイとの会話はあの二人には内緒でやってるんですよ』

 

どうして?

 

『そ、それは…その、センパイとの会話を邪魔されたくないからです』

 

たまに見せるデレ。いいですね。はい、いいですとも。

 

でもよくバレずにできるな

 

『はい。それぐらいは簡単にで―――』

 

『BB、そこで何をしているの?』

 

おや、この雪ノ下さんに似た声はメルトだな。

 

『メ、メルト!わ、私は何もしていないわよ』

 

『そうかしら?私にはそこの画面のようなモノに向かって話しかけているように見えたわ』

 

『あ、あの…、お母様とメルトは何を話しているの?』

 

今度はリップの声だな。

 

『私が何をしようとあなたたちには関係がないことでしょ。いつもみたいに料理の練習をしたり、フィギュアやドールの収拾や観賞でもしてなさい』

 

なんか長くなりそうだから俺はもう寝るかな。

 

BB、俺はもう寝るからまた今度ね

 

『今の声はハクノの』『せ、先輩の声…』

 

『セ、センパイ!?何声を出して―――』パタンッ…。

 

パソコンを閉じる前になんか聞こえたけど、まぁいいか。

 

明日からあの時間は何をしようかな。

 

中間試験の勉強でいいか。

 

俺は布団の入って目を閉じた。

 

 

 

 

 




次回はサキサキこと川崎さんのことですかね

リップとメルトも軽く登場させてみました
それではまた次回!!
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