やはり岸波白野の青春ラブコメは王道か?   作:魔物Z

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前回の続きプログラムの説明の回です。今回は誰一人俺ガイルの世界のキャラは出てきません






俺の願いは……。

 

 

 

 

 

『『召喚プログラム・聖杯くん』でーす』

 

す、すごそうだな、変な名前だけど……。

 

『このプログラムは名前の通り英雄さんたちを召喚することができるんですよー』

 

それはすごいな。でもこっちの世界で召喚しても何をするんだ?

 

『やることはセンパイが決めればいいじゃないですか。それにまだ話は終わってませんよ』

 

他に何かあるの?

 

『まずこの『聖杯くん』には条件がありまして、

1、召喚できる英雄はセンパイが真名と姿を知っている者のみ。

2、このプログラムで英雄を召喚できるのは八体までで、二回に分割ができる。

3、召喚された英雄は召喚してから十二時間しかその世界に存在することができない。

4、召喚する英雄に必要な分の魔力を溜めないといけない。

だいたいはこの四つですね』

 

なるほど、なんとなくわかった。でも確認のために1から確かめるよ

 

『はい、わかりました。なんでも聞いてください。スリーサイズは言いませんよ』

 

大丈夫、知ってるから。上からB85/W56/H87で、身長156cm、体重46kgだよね

 

『な、なんで知ってるんですか!?スリーサイズどころか身長と体重まで!?』

 

ほら、SG集めていると他にもいろんな情報も付いてくるから

 

俺は電子手帳を取り出してBBのSGが書かれている画面を見せる。

 

『まさかここまで情報が出るなんて……、五停心観、恐るべきですねぇ。まぁセンパイにならここに乗ってる情報ならいくらでも教えますが』

 

さっきと言っていることが違うんだけど……。

 

話を元に戻そう。じゃあ『1、召喚できる英雄はセンパイが真名と姿を知っている者のみ』

ってのは、俺が夜に会っているサーヴァントたちってことだよね

 

『そうですね。ですがセンパイが真名と姿を知っている英雄さんなら誰でも連れて来ることができますよ。例えばガウェインさんが仕えていたアーサー王の姿をセンパイが知っているならセンパイがいる世界に召喚することができます』

 

でも俺はアーサー王の姿を知らないから

 

もし姿がわかっていても仲良くはなっていないから呼んでも互いに困るだろう、だから俺が夜に会っているサーヴァントたちを呼ぶだろう。間違いないな。

 

次にいこう。『2、このプログラムで英雄を召喚できるのは八体までで、二回に分割ができる』ってのはどうして?それと他にも召喚することができるプログラムがあるの?

 

『どうしてと言われると困りますが『3、召喚された英雄は召喚してから十二時間しかその世界に存在することができない』も同じ理由になりますが、英雄そのものが大きな魔力の塊。そのようなモノを何度もホイホイと出してしまうと、世界にどのような影響が出るかがわからないからです。それとセンパイの命令を聞かずに自分勝手に行動する英雄が出てくるかもしれないという理由からですかね。そのため時間制限などを付けているんです』

 

わからなくもないな。勝手な行動に出そうな英雄がいないわけではないな。心当たりがあるとしたらな。セイバー、アリス、アストルフォとかやんちゃな方々や、ギル、串刺し公みたいな暴走しそうな方々とか。

 

『そして二回に分割ができるの部分ですが、これは言葉の通り八人を4:4や3:5など分けることができます』

 

なるほど。でも分割する意味はあるの?

 

『そこはセンパイが『俺はこのサーヴァントと二人っきりで行動したい』みたいなことを考えるかもしれないじゃないですか』

 

俺のモノマネをしたつもりなのかもしれないけど、俺はそんなことはしないよ。行くとしたらみんなで行くよ

 

『そうですか。ではもう一つの質問の他にも召喚をするプログラムがあるかと言われれば、まだありませんが作ろうと思えば作れます。ですが先ほど言った世界に及ぼす影響などを考えてしまうと作らないほうがいいと思います』

 

それって俺が作る前提で話を進めてない?

 

『作らないんですか?』

 

うーん……どうだろうなぁ……。そう言われると作りそうでもあるけど、まぁ今のところはないかな。それと八体までってことはそれ以下でもいいってことだよね

 

『はい。そうですけど、出せるなら出せるだけ出したほうがいいんじゃないんですか?』

 

まぁ俺なら限界値まで出すね。でも『4、召喚する英雄に必要な分の魔力を溜めないといけない』の必要な分の魔力の量も少なくなるんでしょう

 

『そういうことです。なんかセンパイ、昔みたいな右も左もわからない感じのほうが可愛げがあったんですけど、こう鋭いとイジメがいがありません』

 

イジメ格好悪い……。

 

『ですがセンパイ。この必要な分の魔力も英雄によって変わってくるんですよ。センパイの知っている人たちでは、一番少ないのがアンデルセンさん。一番多いのがギルガメッシュさんですね』

 

それは何となくわかってたけど、どれぐらいの差があるのかな?気にはなるけど気にしたらダメだろうな。

 

それでどうやって必要な分の魔力を溜めるの?

 

『これを使います』

 

そういってBBはBBにそっくりな30cmぐらいのぬいぐるみを取り出した。

 

『これを毎晩ギューと抱きしめて寝てくだされば必要な分の魔力が自然に溜り、その溜まった魔力を使って英雄さんたちをセンパイがいる世界に連れてくることができます。なので大事にしてくださいね♡』

 

……………………無理だろ。べ、別にいやではないよ。本当だよ。俺ほど桜タイプのことが好きなやつはどの世界を探しても三人ぐらいしかいないんじゃないか?誰にも見られたいないなら構わないけど、もし見られたら本当に辛いぞ。BBにそっくりってことはこっちの妹の桜にもそっくりってことだからな。そうなると妹そっくりなぬいぐるみを自作して、それを毎晩欠かさず抱き続けるってことだ。知り合いに見られたら自殺ものだ。

 

あ、あのー、他にはないんでしょうか?

 

『えー。センパイ、文句を言わないでくださいよー』

 

いや、それもしっかり貰うから。大事に金庫にしまっておくから。他のにしてくれない?お願い

 

『金庫にしまったら意味がない気がしますが、仕方がありませんねぇ。ではこれでどうですか』

 

BBが今度取り出したのはブレスレットだった。

 

銀色のキューブ状のモノを数珠のように繋げてあり、八つだけ青色の玉になっている。

 

ビーズのブレスレットって感じだな。あれなら身に着けていてもおかしくないかな。

 

『このブレスレットは連れ出す英雄一人分の魔力が溜まったら、青色の玉に令呪のマークが浮き出るようになっていまして、全てに令呪のマークが出たら八体分の魔力が溜まったことになります』

 

なるほど画期的だな。なぜ最初からそれを出さなかったのか不思議なくらいだよ

 

『それで連れ出す英霊が決まってから連れ出す日の一日前までを勝手に計算して、その間の期間中にセンパイから平均的に魔力を吸い上げていきます。なので今までよりも魔力の量、MPが減るということですので、気を付けてくださいね』

 

魔力の量が減っても今までと変わらず生活はできるだろうけど。BBの気を付けてくださいがどうにも引っかかるな。今後何事もなく生活できればいいけど。まぁそんなことを今考えても仕方がないな。話を戻すか。

 

ということはそのブレスレットと魔力のパスが繋がっているって感じ?

 

『はい、その通りです。そして英雄さんを呼び出すときは『岸波白野が令呪をもって命ずる』とか何とか恥かしく言っちゃってください』

 

急に大雑把になったな

 

『それで、分割についてはこのブレスレットが決めた期間中にしかできません。期間中に令呪のマークが浮き出た分の英雄さんを召喚できます』

 

ということは期間以降での召喚ができないのか。

 

『では、今からこれをそちらに送りますね。それー』

 

BBが教鞭をクルクル回すとポンという効果音と共に、BBのぬいぐるみとブレスレットが来た。

 

やっぱりぬいぐるみは送ってくるんだな……。ん?今年中になんかこんなことなかったか?まぁ思い出せないから、どうでもいいことか、怖すぎたことのどちらかだろう。

 

『それでは次のプログラムついていきましょうか。名前は』

 

あ、ちょっと待って!

 

『何ですか?まだ何かあるんですか?』

 

そのさ『2、このプログラムで英雄を召喚できるのは八体までで、二回に分割ができる』の部分なんだけど

 

『はい』

 

少しBBが笑顔になった気がする。

 

英雄には制限があるけど、他のAIとかなら何度でも呼べるってことだよね

 

『ピンポーン!!ダイセーカーイ。なんと『聖杯くん』はAIもセンパイの世界に呼ぶことができるんでーす。回数は三回。ですからいつでも私とそちらで三回までならデートをすることができますよー』

 

そうなると今のメルトやリップ、桜や藤村先生、呼びたくはないけど言峰神父も呼べるの?

 

『センパイ、私の扱いひどくないですかー。BBちゃんショックです』

 

なんか陽乃さんとかぶったな。

 

『説明が悪かったですね。この『聖杯くん』で呼べるのは私とリップとメルトの三人になります』

 

どうして?君たち三人だけなの?その場合は桜でもいい気がするけど

 

『今回の場合はそちらの世界でセンパイが会っているAIだけなんです。それに私たちは昔の権限を無くされた人も同然なのであまり魔力を消費しませんし、センパイと魔力のパスが繋ぐことができれば永遠にそちらの世界にいることができます』

 

ああ、だからリップとメルトにウソを吐いてたのか

 

それなら納得。しかし魔力のパスを繋ぐ方法ってどうするんだ?聖杯戦争のときは凛かラニが俺に代わってセイバーやアーチャー、キャスターの魔力のパスを繋いでくれたけど。でももしパスが繋がればこの家が桜ハーレムになるな。なんか後々ひどいことになりそうだからやめておこう。死にたくないし。

 

『その通りです……。ですがこの『聖杯くん』で私たちを召喚するには英雄を呼んだあとにしかできないんですよねぇ。ですので最終的にバレていたと思います。ですがまだこのプログラムについては言っていないので大丈夫です』

 

こういうのって知らないうちにバレてるもんだよ

 

まぁ俺が今度二人に話すけど。

 

でもBBたちの召喚は難しいかもね

 

『どうしてですか?』

 

BBは首を傾げる。

 

俺がみんなを召喚する場合、俺の高校の文化祭の二日目にしようかと思ってるんだよ

 

『それで何がダメなんですか?』

 

その日があの日だからだよ

 

『………そういうことですか』

 

BBが悲しそうな顔をした。俺も辛いけど仕方がない。打開策が見つからないし、英雄のみんなも納得はしてはいないけど、受け入れてはくれているみたいだし。

 

『……ふ、……ふふふ』

 

ん?どうしたの?

 

急にBBが笑い出したぞ。

 

『センパイ、その打開策が二つ目のプログラムなんですよ』

 

え?ホント?マジで?俺が珍しく諦めていたことなのにどうにかなるの?

 

『名前は『お願いプログラム・叶えて聖杯くん』でーす』

 

……………BB、聖杯くん好きなの?

 

 

 

 

 

BBから『叶えて聖杯くん』の機能を聞いたあと俺は眠りについた。

 

サーヴァント、全員集合!のち、『召喚プログラム・聖杯くん』ことを全員に話した。そして俺の世界に連れていくサーヴァントは、セイバー、アーチャー、キャスター、ギルガメッシュ、エリザベート、ジャンヌ、アストルフォ、アタランテの八人になった。

 

というより人気殺到することなくすぐに決まった。皆さん、俺のいる世界に興味などないとか面倒くさいとかいろいろと言っていた。まぁあの人たちらしいけど。

 

そして現在、俺はムーンセルの俺の部屋に、俺のサーヴァントだった四人に来てもらいあの話を持ちかけた。

 

「前に話した俺のタイムリミットの話なんだけど」

 

俺のタイムリミット。それは俺が17歳になる日、俺の誕生日に月が出たとき俺があの世界から消えるというもの。

 

その俺が消える日が今年は文化祭の二日目になるということ。

 

仮説でいえば、俺にはムーンセルでの記憶がある。だけど記憶にあるのはムーンセルの中枢で俺の願いを書き込んだあとまで。そこから先の記憶がない。

 

俺は分解をされたのだろうとも考えられたのだが、俺がこの世界で記憶をもって生きているのだからそれは違うのだろうと考えた。

 

そして桜とのことだ。俺がみんなと一緒に殺生院キアラを倒した後、サーヴァントと別れて桜と会ったことまでは覚えていた。だけどその後、俺が桜と一緒にあの扉を潜ったあとの記憶がないのだ。

 

俺は自分のサーヴァントたちにどこまでの記憶があるか聞いたことがある。

 

それでみんな『俺がムーンセルの中枢に入った後』と『俺と別れた後』の二つを答え、前者でみんなに何かしようとしていたかと尋ねたら、みんなそれぞれ何かしらの行動に出ようとしていたらしい。

 

ということは俺はあの後に来るはずであろう出来事、あの世界でのエンディングをむかえていないということ。岸波白野はまだ中枢、または扉の出たところで時間が止まっている。俺が今生きているこの時間は一瞬で見ている長い夢なのだ。

 

俺は複数の岸波白野という人物の集合体のようなもの、そして彼らは16歳だったということ、そして俺が17歳を迎えれば、その止まっていた時間が流れるのではないか俺は考えたんだ。

 

もしそれが本当なら、俺という人間を形成している岸波白野たちが消えるなら、この世界の俺も消えることになるのだろう。

 

今までは仮説だったのだが、BBから俺の仮説は本当だと聞いた。

 

覚悟はできていたからあまりショックは大きくなかった。

 

「で、そのタイムリミットを打開する手段ができたんだけど。君たちはどうしたい?」

 

「奏者。どうしたいとはどういう意味だ」

 

「セイバーさん、ご主人様が言いたいことがわからないんですか?だから脳筋やらとバカにされるんですよ」

 

「な、何を言うのだ!な、ならキャス孤ならわかるとでも言うのか!?」

 

「当たり前です。アーチャーさんや英雄王さんですらわかってますよ」

 

セイバーがアーチャーとギルのほうを向くと、アーチャーは呆れ顔、ギルは笑みを浮かべ見下している。

 

「よ、余だってわかっているぞ!ホントだぞ!」

 

「セイバー、もうバレるウソを言わなくてもいいよ。俺の口から言うから」

 

軽く深呼吸をしてから

 

「『君たちが一緒に戦っていた岸波白野とのエンディングをむかえられなくなるかもしれないけどいいかな』ってことだよ」

 

「マスター、まず君が言っていた打開策を我々に教えてもらえないか」

 

「さっき話したBBに作らされたプログラムの一つあるでしょ」

 

「あの『聖杯くん』とか言う残念な名前のプログラムのことですよね」

 

「そうそう。それともう一つ『叶えて聖杯くん』ってのがあるんだけど、これが願望を叶える機能があるんだよ。発動条件が『聖杯くん』を使ってみんなを俺の世界に連れ出して、みんながムーンセルに帰ったあと、俺の持っている魔力の九割を消費してムーンセルに俺の願いを書き込むことができるんだって」

 

「では雑種、貴様は何を願う」

 

ギルってこういう欲望みたいなこと好きだな。

 

俺の願いは……

 

「俺の願いはこの世界で最後まで生きることだ。俺は生きたい。死ぬとわかっている運命から抗いたい。今も昔もこれが俺の願いだ」

 

 

 

 

 




今回は白野くんのタイムリミットについて書きました。納得いかないかもしれませんね。ごめんなさん。だってこの場合『転生』じゃないですもんね。まぁ『転生』って書いてあるってことはどうにかなるってことですね。これが主人公補正

『聖杯くん』のAIを呼ぶ機能は使わないかもですね。さらに修羅場になりそうだし、桜とBBで面倒くさそうですし、ゆきのんとメルトで面倒くさそうになりそうですもんね

それではまた次回!!

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