やはり岸波白野の青春ラブコメは王道か?   作:魔物Z

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最近はヒッキー目線が増えてきましたね。今後はザビ男とヒッキーの目線で書いていこうと思います。たぶん。他のキャラは今考え中です

今回はカレー作りの回。そして今回は少しFate寄りかな?


悪夢再来。

 

 

 

 

 

カレー作りが始まりましたー!やったね!

 

一人、心の中でテンションを上げてみました。

 

カレーと言えばユリウス作、ハーウェイ・カレー。一度でいいから食べてみたかったな……。

 

まぁそれは置いておくとして、小学生の中に留美ちゃんがいたんだけど。

 

林間学校ボランティアは留美ちゃんが通っている小学校だったんだな。

 

留美ちゃんはまだ俺には気付いてないみたいだな。

 

今は平塚先生が小学生たちに炭に火をつける手本を見せているところだ。

 

まずは桜を探そう。

 

桜を探そうと振り向くと

 

「兄さん?どうかしましたか?」

 

桜は俺の真後ろにいた。

 

き、気付かなかった……。というより気配を感じなかった。まさかの気配遮断?

 

「いや、えーっとさ、留美ちゃんいるの知ってた?」

 

俺は小声で桜に尋ねる。

 

「留美ちゃんですか?」

 

桜は少し顔を動かして留美ちゃんを探し始めた。

 

この反応は知らなかったんだな。

 

「あ、いました。話しかけたほうがいいですかね」

 

「うーん……もう少し待ってみようか。留美ちゃんの現状も気になるし」

 

「そうですか……。わかりました。私も少し待ってみます」

 

「うん。ありがとう」

 

その後、平塚先生の説明が終わり男女別々で行動に出た。

 

男子が火の準備、女子が食料を取りに行った。

 

で、残ったのは俺、比企谷、戸塚くん、葉山くん、戸部くん。

 

「じゃ、準備するか」

 

葉山くんが声を出した。

 

葉山くんと戸部くんが軍手をはめて炭を積み、戸塚くんは着火剤と新聞紙を用意、俺と比企谷が余る。

 

「残りは団扇で煽ぐ作業なんだけど、一人できなくなるな」

 

「なら俺はいいから、お前やれよ」

 

「え、いいの?」

 

「ああ、別に構わねぇよ」

 

おお、比企谷いいやつだな。

 

「じゃあ、言葉に甘えてやらせてもらうよ」

 

俺は、パタパタと炭を煽ぎ始めた。

 

………?さっきの会話少しおかしいような……まぁいいか。

 

そして時間が流れ、俺は今、小学生たちに囲まれている。

 

少し前に、カレーの準備がある程度終わったとき、平塚先生が「暇なら見回って手伝いでもするかね?」と言ったので近くの小学生グループのお手伝いをしに行ったら、人気者になった。

 

俺は結構子供に好かれる。あと、大人にも好かれる。

 

別の言い方をすれば、同年代からはあまりいい風には思われない。

 

 

 

 

 

「岸波ってほんとよくわかんねぇな」

 

今回の依頼のために少し離れた場所から岸波は観察する。

 

岸波は葉山同様に子供の中心にいる。

 

俺から見てこの場においては岸波は葉山よりも上だ。

 

その理由は、あの一人でいる少女への気遣い。

 

岸波はあの弾かれている少女はしっかりと見て、現状を理解している。そして時を待っている感じだが、葉山はその少女、留美に話しかけた。

 

留美のことはまたあとでいろいろありそうだが、今は岸波だな。

 

何故、葉山より上のやつが俺や雪ノ下と同様のぼっちなのか。

 

いや、ぼっちではないか。実際にあいつの周りには友人はいないが、あいつを慕う人間がいる。

 

人を引き付けるカリスマ性みたいなものがあるってことだ。ならどうしてあいつは孤独ではなく、孤高でもない。

 

あいつは孤高(偽)ってことのなる。自分でそれを作り出している。

 

雪ノ下陽乃と似てはいるが、全くの別物。完成度は岸波のほうが上だ。

 

対人関係のために作られた『偽物の笑顔の仮面』と自分を周りから遠ざけようと作った『偽物の自分』ってところか。

 

でも何かが違う。孤高(偽)はいい線だが、あいつは偽物ではなく間違いなく本物だ。

 

岸波は素で、本心でいる。

 

そうなると最後に浮かび上がる答えは

 

「あいつは本心で自分を周りから遠ざけているのか?」

 

そしてその理由は周りに心配を掛けないよう、自分の周りの人間関係を壊さないようにするため。

 

いや、これも違う。理由はこれで合ってる。岸波の性格上これは絶対条件みたいなもんだ。

 

じゃあ、この理由を基に考えるか。………。クソ、わかんねぇ。今回はこれでやめだ。

 

人間観察は得意だがここまで面倒くせぇやつ今までいなかったから正直手詰まりだ。

 

その後、俺は鶴見留美ことルミルミと話をした。

 

 

 

 

 

またあの悪夢が再来するとは……。

 

俺は先ほど口にしたカレーをもう一度、口に運ぶ。

 

!!………抑えた。前みたいに口からロケット噴射して、後方に三回転とかしないから。

 

にしてもなんだこの味……テロいぞ。このカレーテロい。

 

みんなは普通に会話をして楽しそうに食べている。ということは俺だけか。

 

いや、カレーを最後に盛ったのは俺だったよな。そうなると残りのカレーは全てこれ?

 

エリザベートの召喚はもうできるけど、召喚はしてないし。

 

ん?ムーンセルからメールが。ああ、嫌な予感。

 

送り主はエリザベート……。

 

『子ブタ、今日、セイバーと一緒にカレーを作ったわ。イヤだったけど、ゴージャスに頼んでそっちに送ったから、あとで感想を聞かせてもらうわよ。だからしっかり味わってちょうだい。別にあなたのために作ったんじゃないんだから!それじゃあ夜に会いましょう。ダーリン』

 

…………。ヤバいな。ヤバいぞ。俺が食べているのはエリザベート、セイバー作のカレーってことだよな。

 

鍋の残りは間違いなく、このアイドルカレー。俺以外にこれを食べれる人間はいるのか?

 

「あら、白野先輩顔色が悪いですけど、どうかしましたか?」

 

珍しくカレンが俺の心配を……。

 

「い、いや、な、なんでもない、よ」

 

心配されないように、アイドルカレーを口に運ぶ。

 

うっぷ……。

 

俺は黙々とカレーを口に運び続ける。

 

「に、兄さん!?どうしたんですか!?すごい汗ですよ!」

 

桜の叫びに他の全員が俺のほうを向く。

 

「き、気のせい、だ、よ。アハ、アハハハ、ハァ……」

 

「気のせいと言うけど、顔はかなり辛そうに見えるわよ」

 

「ほんと、本当になんでもないから、気にしないでよ。ってあれ?戸部くんは?」

 

俺がアイドルカレーを頑張って食べている間に、戸部くんがいなくなっていた。

 

「ああ、戸部はカレーのおかわりに」

 

「ガハッ!!」

 

葉山くんが戸部くんの行方を話しているうちに、戸部くんの短い叫び声が聞こえた。

 

一人目の被害者が出てしまったようだ。

 

みんなで、叫び声のほう、というよりすぐそばだからわかるけど、倒れている戸部くんに近づく。

 

「おい戸部!大丈夫か!」

 

誰よりも早く葉山くんが戸部くんに近づき、安否を確認する。

 

完全に気絶してるな。

 

「事件ね。凶器は何かしら?」

 

「あのー、雪ノ下さん。推理はいらないよ。もう凶器?はわかってるから。それに事件では無くこれは事故だし」

 

「?なにその凶器とは」

 

「カレー」

 

俺はカレーが入っている鍋を指さす。

 

「それで事件ではなく事故とは」

 

「誰も悪気はなく、ただあってはならない出来事があっただけだよ」

 

「よくわからないわね。でも凶器がカレーというのは一理あるわ。毒殺ってことね」

 

「死んでないから。気絶してるだけだから。いや、気絶する時点でおかしいけど」

 

「こうなると証拠が必要になるわね。比企谷くん、あのカレーを毒見してくれないかしら」

 

と雪ノ下さんは比企谷にカレーを食べるように進める。

 

「は、なんで俺が」

 

「いいから」

 

「いや、だから」

 

「早く」

 

「はぁ……わかったよ」

 

比企谷がしかたなく受け入れ、そして皿にカレーのルーを少し盛り、そして一口。そして撃沈。

 

比企谷は静かに倒れた。

 

「お、お兄ちゃん!」「ヒッキー!」「八幡!」

 

小町ちゃん、由比ヶ浜さん、戸塚くんが驚きながら比企谷に近づいていった。

 

「凶器は間違いなくカレーのようね。でもここまで即効性の高い毒ってなにのかしら?しかも殺さずに」

 

雪ノ下さんは完全に探偵モード入ったようだ。

 

雪ノ下さん、これは毒じゃなくて純粋に不味いだけなんだ。

 

さて、俺がすべきことはこれ以上被害が出ないようにあれを処理することだ。

 

俺は残りのカレーを食べ始めた。

 

それから食べ終わるまでの記憶は定かではない。

 

ただ久しぶりに月の裏で一緒に戦ってきたマスターたちと話していたような気がする。

 

 

 

 

 

比企谷と戸部くんも目を覚まして、みんなで一服している。

 

いやー、平和ですねぇ。

 

と思っていた二十分ぐらい前の俺、人生そんなに甘くないよ。そんな平和も一本の電話で壊されるんだから。

 

えーっと次はこの辺かな。

 

俺は遠見の水晶玉のコードキャストを使い、電子手帳を片手に赤色の印の場所へむかう。

 

あ、いた。俺が発見したものはこの世界ではまず存在しないであろうモノ。ムーンセルのアリーナやサクラ迷宮にいたアレ、エネミーである。

 

あちらも俺に気付いたようで、赤く変色して近づいてきた。

 

俺はすぐに武器系の礼装、『破邪刀』と具現化し、刀を振り「rel-mgi(a)」空気撃ち/三の太刀を使用。

 

空気撃ちはエネミーに当たり、エネミーは蒸発するように消えた。

 

「これで十体目。はぁなんで俺だけバトル展開に入っているんだ」

 

俺は破邪刀を量子化し、電子手帳で次のエネミーの場所へ移動する。

 

空気撃ちはムーンセルではサーヴァントが撃っていたのだが、こちらでは俺が撃てるみたいで、一の太刀から三の太刀まで全部使える。なので一番燃費のいい三の太刀を使っている。

 

それに一応、俺はマスターレベルは99だからたいていのエネミーならこれだけで倒せる。

 

で、俺がエネミー退治をしているの理由はさっき言った一本の電話の会話でのこと。

 

相手はあのAUOです。

 

では少し時間を遡ること約二十分。

 

 

 

 

 

みんなが留美ちゃんのことを話してる最中でのこと。

 

俺の頭の中に電子音が流れた。これは英雄の皆さんから電話がきた場合流れる。

 

先ほどエリザベートからメールがきたけど、メールと電話では違いがある。

 

電話の場合は聖杯戦争のとき何度も聞いたあの電子音。メールの場合は電子音などは流れないが、『メールがきた』みたいな直感に近いモノを感じるようになっている。まぁガン〇ムのニュー〇イプみたいな感じかな?

 

俺はポケットに手を入れ電子手帳を作り出し取り出す。

 

ギルからだ。ムーンセルから俺に電話がくることが珍しいのにさらにギルからっていうのが不吉だな。なんかありそうだな……。もしかしてあのアイドルカレーの感想を聞くのか?

 

まぁまずは電話に出るか。

 

「ごめん。電話が来たみたいだから俺、少し席を外すよ。話は進めておいてよ」

 

「ええ、わかったわ」

 

雪ノ下さんが俺の言葉に返答した。

 

ということで、俺は森の中まで移動してから電話に出る。

 

『おい雑種。我を待たせるとはいい度胸だな。我は気が短い、電話はワンコール以内で出ろ』

 

無理は言わないで欲しい。俺にだって生活があるんだからせめてスリーコールぐらいお願いしたい。

 

「今回は許して下さいAUO。それでどういったご用件で?もしかしてカレーのこと?あれは前と変わらず凄まじかったよ」

 

『貴様の食べっぷりはいい暇潰しにはなったが、あの駄竜と雑種のカレーのことはどうでもいい』

 

なんだよ、いい暇潰しってこっちはあのカレーで二人も気を失ったっていうのに。

 

「じゃあ、どうしたの?」

 

『少々厄介なことになってな。今、貴様のいるその山中に山のようにエネミーどもが現れた』

 

「……」

 

『ほれ、AUOジョークだ笑え』

 

いや、笑えないから。

 

「え、なんでエネミーがいるの?」

 

『雑種。貴様は今、貴様がいる世界に残ると決意したが、あれがムーンセルの意思に背いたことになったのだろう。貴様も知ってはいるともうが、ムーンセル内のサーヴァント、AI、NPCはムーンセルを第一に考えなければならぬ。それに背いた場合は』

 

「排除するわけだね」

 

聖杯戦争での記憶で、俺のサーヴァントたちがムーンセルより俺を第一にしたとき、ムーンセルから使いとしてきた上位エネミーがいたな。あれと同じだろう。

 

「でも、どうして今まで来なかったんだ?」

 

それが疑問である。俺がこの世界に残りたいと決めたのはもう二カ月以上前のことだ。

 

『貴様が住んでいる場所はそこそこ都会であろう』

 

「まぁ一応」

 

『その分人目にも付きやすい。そうなるムーンセルも後処理が面倒くさいのだろう』

 

そんな理由……。まぁありがたいといえばありがたいけど。

 

「じゃあ、俺が他の人と一緒にいれば襲われないんじゃ」

 

『ああ、襲われないだろう。だがエネミーは単純でな、そばにいた者は迷わず襲うだろうよ』

 

「なるほど、じゃあ倒すよ」

 

即決。俺のせいで怪我人、結果によっては死人を出すわけにはいかない。

 

『ふっ、では我は貴様の戦いを見させてもらおう。頑張れよ白野』

 

「ちょっと待って」

 

『どうした』

 

「エネミーはどれぐらいいるのかな?」

 

これは結構大事だぞ。山中に山のようにいるらしいからな。

 

『数は三十以上。ほとんどは雑魚だが、一体だけ格が違う』

 

「格が違うってどれぐらい?」

 

『我にすれば全て雑魚だが、雑種のレベルを考えれば貴様と同等かそれ以上と言ったところだろう』

 

ということは店長よりは弱いわけだ。

 

「わかった。頑張ってくるよ」

 

そして俺は電話を切り、「view-map()」と遠見の水晶玉を使いエネミー退治を始めた。

 

 

 

 

 

「rel-mgi(a)」

 

と、俺はそんなことを振り返りながら二十体目のエネミーを倒す。

 

予想BBが聖杯くんを分割できるようにしたのはこのためだったのだろう。

 

「エネミーの数も半分を切ったし、少し休憩するか」

 

にしても、ギルも変わったな。前だったらこんな電話もしてこないだろうし。

 

そういえば俺が電話に出るって森に入ってすでに四十分が過ぎる。誰かに連絡を取っておくか。

 

ここは部長の雪ノ下さんかな。奉仕部としてここに来てるわけだし

 

俺は携帯を取り出す。

 

すごいメールの量がきている。怖い怖い。

 

まぁ四十分もいなかったら心配するか。

 

でも、エネミーを退治してるなんてメールおかしいよな。なんて説明しよう。

 

うーん……。

 

『森のクマさん(名前は金時の予定)に遭遇。仲良くなったから遅くなるね』

 

なんか俺ならありえそうだけど、ダメだな。林間学校どころじゃなくなるな。

 

『人間関係に疲れたので森の中で癒されてから帰ります』

 

鬱患者みたいだな。やめよう。

 

『美人な女性を見つけたので仲良くなってから帰ります』

 

………。寒気を感じた。やめよう。

 

『いつも通り厄介ごとに巻き込まれたので帰りは遅くなります。心配しないでください』

 

まぁこれが一番だな。ウソじゃないし。じゃあ送信。

 

「よい、次行くか。view-map()」

 

また俺は移動を始めた。

 

 

 

 

 

「『いつも通り厄介ごとに巻き込まれたので帰りは遅くなります。心配しないでください』だそうよ」

 

雪ノ下に岸波からメールがきたようで、その内容をこの場に残っている俺らに知らせる。

 

この場に残っているのは、平塚先生と葉山グループの四人以外の全員。葉山は岸波を待とうと言っていたが三浦と戸部がそろそろ戻りたいと言ったからそれに一緒に戻った。

 

いつも通りってなんだよ。それでなんで全員納得してんの?どんだけあいつ不幸なんだよ。『幻〇殺し』付いてんの?あ、声似てるぞ。

 

「それではちょうど岸波くんもいないことだし、桜さんの依頼の話をしましょう。何か今までの彼の行動や言動からわかったことや推測できることがあったら言ってくれないかしら?」

 

わかったことねぇ。正直言ってない。そして今まで行動、言動つってもそこまで記憶してねぇよ、完全記憶能力みたいなのない。それに俺は超高校級の探偵じゃねぇし、じっちゃんの名もかけてねぇ。限度がある。今の俺にはこれ以上は無理だ。

 

「ねぇ八幡」

 

戸塚が話しかけてきた。おいおい可愛いな。ちょっと緊張しちゃうだろ。

 

「どうした戸塚?」

 

「その、雪ノ下さんが言ってた桜ちゃんの依頼って何のことかなぁって」

 

「そういえば戸塚も聞いてなかったな。今日移動中に岸波の秘密について調べてくれみたいな依頼があったんだよ。それで今がその調査報告みたいなもんだよ」

 

「そうだったんだ。でもそうなると八幡たちは今回二つの依頼を同時にやるってことだよね」

 

そう。今回は奉仕部に入って初の二つの依頼を同時にやっている。

 

まず、岸波の過去。さらに鶴見留美の現状の解決。

 

ルミルミのほうは何とかできると思うが、岸波はほぼお手上げだ。

 

「だが、過去を暴くのは置いておいたほうがいいな」

 

「それはどういう意味かしら?」

 

「簡単だよ。過去を調べるって言っても俺たちはただの高校生と中学生でしかない。限界がある」

 

俺の言葉に岸波の妹は俯いてしまった。

 

「だから、他の場所から話したほうがいい。まずはあいつの人間性についてだ」

 

「キッシーの人間性?」

 

由比ヶ浜がそれに疑問を持ったようだ。

 

「ああ、だいたい人間っていうもんは子供の頃の環境で性格が決まってくるからな」

 

「そうね。あなたが今みたいになったのもそういうことだものね。ヒキ、ヒキガ、ヒキガエル君だったかしら?」

 

「おい、なんで俺の小四の頃のあだ名知ってんだよ。………。まぁいい。だから岸波の人間性を」

 

俺が話している途中ものすごく気になってしまったものがあった。

 

それは言峰の森のほうを見つめながら顔色を悪くしていることだ。

 

「おい、言峰。大丈夫か」

 

「……あ、はい、気にしないでください。(森から大きな魔力が二つ。片方は白野先輩。もう片方はよくわかりませんが私やお父様とは別の岸波先輩に似た魔力。厄介ごとってこのことですよね。白野先輩は大丈夫でしょうか……)」

 

「気にするなって言うならいいが、それで岸波の人間性について」

 

ドゴォッ!

 

「あん?」

 

森の奥のほうから爆発音のようなものが聞こえた。

 

外にいれば聞こえる程度のものだが、まず聞こえちゃおかしい音だ。

 

「ね、ねぇ今の音ってなに?森の奥のほうから聞こえたんだけど」

 

由比ヶ浜も気になったようだ。

 

ちょっと待てよ。森の奥のほう?

 

「おい、雪ノ下。岸波は何処にいるんだ?」

 

「わからないわ。厄介ごとの巻き込まれたとは書いてあったけれど、何処でとは書いてなかったもの」

 

「その厄介ごとが今森の奥のほうで起きてんじゃねぇのか?あのBB何とかで言ってた『夜の森には危険がいっぱい。奥に行けば行くほど危険も増し、命に関わるかも』ってこのことか?」

 

「確かにその可能性はあるけど。そうだとしたらなおさら森には入れないわよ。それにあれは私たちへの警告であって、岸波くんに対して言ったモノではないはずよ」

 

「お前は岸波が心配じゃねぇのか?」

 

「そんなわけないでしょう。でももし私たちが岸波くんのもとにむかったら、逆に彼を危険な目に合わせるだけよ」

 

雪ノ下の今の言葉は何故かとても強く感じた。こいつは昔、今と同じことがあったのだろう。だからこの言葉に俺は納得をしてしまった。

 

 

 

 

 




まさかのバトル展開。最初からこういう展開は作るつもりでした。『バトル展開はマジねぇわ』みたいな方はごめんなさい。まぁ予想してた方もいたかもしれませんが

次回はザビ男の戦いから書き始めようと思います。相手はレアエネミーの『NEPHILIM』です。『NEPHILIM』はあの片手が長い、一つ目、人型のエネミーです。あれ?あってたっけ?

そんなことよりエリザベートのカレーを食べた後に戦えるの?のような疑問は聞きません。

留美ちゃんの会話をまだ書いてない。次回は絶対に会話させます

それではまた次回!

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