やはり岸波白野の青春ラブコメは王道か?   作:魔物Z

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さて、今回はどうなるのか?さほど驚くような展開はありませんが楽しんで読んでもらえたらうれしいです




岸波白野の過去への秘密。

 

 

 

「簡単だ。わからないなら聞けばいいんだよ」

 

「誰から」

 

「岸波本人からだよ」

 

そう、あいつが正真正銘のシスコンであるのなら簡単だ。

 

「でもヒッキー?どうやってキッシーから聞き出すの?」

 

由比ヶ浜が疑問に思ったようなので俺が言おうとしたその時言峰が立ち上がり

 

「簡単ですよ由比ヶ浜さん。少々耳を貸してください」

 

言峰は由比ヶ浜に近づいて

 

「比企谷さんは白野先輩の妹に………」

 

そして由比ヶ浜の耳元で小声で何かを話している。そして由比ヶ浜の顔はみるみる赤くなって

 

「ヒッキー、サイテー!!桜ちゃんに何させようとしてんの!」

 

「はぁ!何のことだよ!ってか俺は何も言ってねぇんだから言峰の言葉を信じるなよ!それにお前は由比ヶ浜に何を吹き込んだんだよ」

 

「比企谷さんは女性の口から聞いていいことと悪いことがあるって知ってますか?もしかして比企谷さんも白野先輩同様の鬼畜外道という事でしょうか」

 

言峰はそのあと「フフフ」と怪しい笑みを浮かべて笑っている。

 

こいつ、俺が今まで見てきた女の中にいなかったタイプだ。そしてこいつは黒い。雪ノ下陽乃と似ているが全く違うタイプの黒。

 

「茶番はこれまでにして、早く話を進めましょう。それで比企谷くん、岸波くんのシスコンをどう使って解決しようとしてるのかしら?」

 

「簡単だ。ある言葉一つであいつは話すはずだ」

 

 

 

 

 

「なぁ岸波お前の過去教えてくんね?」

 

急展開だな。

 

それに比企谷も俺の過去を知りたいのか?思ってもいなかったな。

 

「まさか比企谷からそれを聞くとは思わなかったよ」

 

「いや、俺はお前の過去とかそういったことには興味はねぇよ。今回の依頼だからな」

 

依頼。この単語でだいたいは把握した。

 

「桜から?」

 

「ああ、そうだ。お前の妹からの依頼だ。それでもう一度聞くがお前の過去を聞かせてくんね?」

 

「そうだなぁ……もう少し待ってほしいかな。誰か一人でも俺の過去に辿り着いたらみんなに話すつもりだから」

 

俺がそう答えると、比企谷が桜のほうを向いて「だそうだが、どうする」と聞く。

 

それを桜は「嫌です」とキッパリ一言、俺の返答を跳ね返す。

 

そして決め手に

 

「兄さんは『私と兄さんの過去どっちが大切なんですか?』」

 

「………い、今なんと?」

 

「兄さんは『私と兄さんの過去どっちが大切なんですか?』」

 

や、やられた……。こう言われたら『桜』としか言えない。

 

でも桜がこんな悪女みたいなことを言うとは……。

 

これは桜は言わないというより思いつかないはずだ。そうなると。

 

「ひ、比企谷。もしかしてお前が、桜に……」

 

「ああ、こうすればお前は絶対に話さなければならない。じゃなきゃお前はシスコンじゃねぇ」

 

ひどい。桜を悪女にして。まさか小町ちゃんとかに言われてたのか。小町ちゃん恐ろしい子!

 

それにたぶんだが、俺は雪ノ下さんでもカレンでも、たぶん陽乃さんでも、いやこの場にいる人にこれを使われたら答えなければならなくなる。

 

俺にとって大切と思える人にこれを言われたら、俺は自分の過去よりも大切な人を選ぶ。そして選んだ場合は過去を話さなければならない。

 

話さなかったら、それは過去のほうが大切ってことになる。

 

「はぁ……わかった。言うよ。ただこの林間学校の間は待ってくれ。心の準備の時間が欲しい。それに今日は疲れたからお風呂に入って眠りたいし」

 

平塚先生の勘は当たったってことか?誰かが過去を見つけてくるんじゃなくて、俺自身から話さないといけない状況にするとは。完全に裏を掛かれた気分。

 

というよりズルくない?クライムバレエ並にズルいよ。

 

俺がその場を離れようとしたら

 

「岸波くん。大浴場は女子が使うから、男子は管理人棟にある内風呂だそうよ」

 

「あ、うん。教えてくれたありがとう。まぁ最初から内風呂で済ませるつもりだったから」

 

「そ、ならいいわ。でどうして最初から内風呂を使うつもりだったのかしら?何か隠してるの?」

 

「………」

 

墓穴を掘ったかな?いや、どうせ話すことだからいいけど……。

 

「えーっと、桜。留美ちゃんの目を両手で隠してくれ」

 

「は、はい」

 

桜が留美ちゃんの目を隠す。

 

「白野。白野も私を仲間外れにするの?」

 

「いや、違うよ。今回のことは少々、留美ちゃんのような小学生には厳しいかと」

 

「?」

 

俺は周りを見渡し。覚悟を決めて今着ている服の裾を胸部の下あたりまでたくし上げる。

 

そしてこの場の空気が一気に冷める。

 

そう、俺の身体はボロボロなのだ。

 

火傷、切り傷、刺し傷、継ぎ接ぎのような縫った痕。人に見せられるようなものではない。

 

そして俺は服の裾を戻す。

 

「これが俺が隠してきたもの。そして今度俺が君たちに話すことは俺がどうしてこうなったかってこと。これで雪ノ下さんと桜が疑問に思っていたことが一つわかったんじゃないかな?」

 

俺が桜とお風呂に入ったことがないのも、小学生のころから水泳の授業が休みだったのも、それに桜がいたってのもそうだが、俺が学校行事の修学旅行などに行かなかった理由の一つだ。

 

 

 

 

 

岸波白野は知らない。自分が身体を見たあとに『かっこいい』とか『鍛えてるなぁ』とか『少し色っぽく感じる』とか『艶めかしい』とか『エロい』などとみんなが考えていることを。

 

 

 

 

 

はぁ……困った。

 

俺、岸波白野はシャワーを浴びながら考えていた。

 

まぁ陽乃さんが答えに辿り着いてから、いや、文化祭までには言うつもりだったから少し言うのが早かっただけで別に後悔は……あるな。

 

実際こんな身体を見せられたら今までの関係も壊れて、みんなの俺に対する接し方も変わりそうだよな。

 

それだけは嫌なんだよな。

 

これを見られたくなかったからある意味距離を置いてたんだし。それにこれを見せてしまった以上、俺の過去を話さないといけないんだよな。

 

一人は嫌だ。だけど近すぎるのも怖い。ムーンセルの英雄たちは傷ついている者のほうが多いし、この程度の傷ではなんとも思わないだろう。だけどこの世界では俺は異常だ。それを受けてもらえるだろうか?

 

その苦悩があったから、嫌われないようにそして好きにならないように自分の知らないうちにそういった感情をしまい込んだ。

 

そしてそれがあのとき(子猫が殺されたとき)に壊れた。

 

『あの不良たちは嫌いだ。俺の大切なものを壊そうとする』みたいな子供のような感情が俺の今までを壊した。

 

まぁあれがなかったら今でも俺は人に対しては戦おうとは思わなかっただろう。だから人を助けたりもしなかっただろう。

 

善悪を決めずに、ただそれを傍観してるだけだっただろう。

 

そう、だから壊れてよかったのだ。それ故に今は大切なものを守ろうとも思える。

 

ただ、そこで疑問に思えるのは、どうして俺は俺が作った心の壁が存在したときに、『桜は俺が守る』とか『雪ノ下さんに友達になって欲しい』とか思ったのだろう?

 

桜は前世の記憶があったからって考えたもいいし、俺の人生で初めての妹のわけだしな。でも雪ノ下さんはどうしてだ?俺に近いモノを感じたからだろうか?

 

たぶんそうだ。それにこの世界で初めて出会った同年代の多才の持ち主。ムーンセルのマスターのような人物だったからだろう。

 

だから俺は彼女に初めての友人になってもらいたかったんだ。

 

もし俺が自分の過去をみんなに話して受け入れてもらえたら、みんなに友達になってもらおう。もう俺が距離を置く理由はなくなるのだから。

 

 

 

 

 

俺が風呂に入ったのは一番最後だったので、男子のみんなは布団を敷いて寝る準備をしていた。

 

「岸波くん、風呂出たんだね。ごめんな一番最後で」

 

と葉山くんが気を遣ってくれた感じの台詞を言ってくる。いい人ですね。

 

「別にいいよ、一番最後でも。俺がみんなと話し合いをしている間にどっかに行ってたんだし」

 

俺は葉山くんと話をしている間に周りを観察。

 

やはり俺が身体を見せた二人、比企谷と戸塚くんは少し俺を警戒というか、気遣ったような感じかな?

 

「そいえばさぁ、隼人くんはき、きしなみくん?だったけ?知り合い?」と戸部くんが葉山くんに質問をする。

 

「あぁ、岸波くんとは知り合いかな?俺の憧れでもあるよ」

 

「「「は?」」」「へ?」

 

戸部くんどころか、比企谷、戸塚くん、そして俺本人が驚いた。

 

本当に驚いた。俺は憧れになるような人物ではないし、それに葉山くんのほうが俺よりも上の部分も山のようにあるはずだ。

 

「いやいや、岸波くんにはわりぃけど、隼人くんのほうが上っしょ」

 

「戸部くん、別に悪くはないよ。俺もそう思うから」

 

たぶん俺が葉山くんに勝ってるのは、勉強と運動の二つ。それに国語に限っては確か葉山くんのほうが上になるはずだし(期末試験では国語は三位になった。たぶん比企谷の上か同点か)、サッカーも絶対に勝てない。周りの人間関係も葉山くんのほうがいいし。それに顔がいい。マジでイケメンですよ。それに葉山くんもたいていのことはそつなくこなすタイプ。俺みたいなうっかりミスはしないタイプのはずだ。

 

そんな葉山くんがどうして俺を憧れるのだろう?

 

「君は俺にできないことができるからだよ」

 

なるほど、猫と話したり、動物を寄せ付けたり、魔術を使えるもんな。あれ?葉山くん全部知らないよな。

 

そんな話をしたあと、電気を消して眠ることにした。

 

まぁ眠れないんだが。

 

なんだろう緊張してるせいか眠れない。

 

それにみんなもまだ眠らないようで、戸部くんが「好きな人の話しようぜ」みたいな修学旅行のようなことを言っている。まぁ行ったことはないんだけど。それにこういう会話をした覚えがありませんが。いや、あるな。

 

戸部くんは海老名さん。戸塚くんはいない。比企谷は飛ばされて、葉山くんがイニシャルがYだそうだ。

 

葉山くんの周りでYって、三浦さん、由比ヶ浜さん、雪ノ下さん、陽乃さんってところだよな。

 

陽乃さんは姉って感じだと思うし、由比ヶ浜さんは比企谷のことが好きって知ってそうだよな。

 

そうなると三浦さんか雪ノ下さんのどっちかだったりして、これ以上深入りするのは葉山くんに迷惑だろうからやめておこう。

 

「岸波くんは好きな人いるん?」

 

矛先が俺に変わった。

 

「またどうして俺にそんなことを聞くの?」

 

「いやぁ、だって岸波くんの周りって美形多いっしょ?」

 

「確かに多い」

 

「ってことはさ、気になる子ぐらいいたっておかしくないっしょ」

 

おかしいでしょう。でもまぁ答えるとしたら

 

「今は好きな人はいないかな」

 

「なんだ、今はって昔はいたのか?」

 

比企谷が話に混ざってきた。

 

「いた。結構俺って恋多き男でな。好きな人は何人もいたよ」

 

「へぇ、意外だな。俺はお前はそういうのないと思ってたわ。なんだフラれたことあんのかよ」

 

これって『うん』って言わないといけないやつだ。だってこの世界での話じゃないし。

 

「………う、うん」

 

それにどちらかでいうと相手からアタックされてそのままって感じだよな今まで。

 

セイバーやキャスターがそうだし、桜もなんだかんだでそれに近いし。

 

あれ?俺から告ったことって……あるな。全部、告ってる。そしてうまくいって、何故かここにいるんだよな。

 

ちょっと理不尽じゃないか?まぁ俺がここにいるのを望んでいるんだし、理不尽ではないか。

 

「そんじゃあ、どんな子がタイプなんだい?」

 

まさかの葉山くんも聞いてきた。

 

「隼人くん寝るんじゃねぇの?」

 

「岸波くんの好きなタイプが気になったんだよ」

 

タイプねぇ……。

 

「可愛い子なら誰でも好きだよ、俺は」

 

どうよ。アーチャーの言葉。

 

「「「「……」」」」

 

「あれ?みんな?どうしたの?今のはウソだよ」

 

「岸波、それを女子の前では言わないほうがいいぞ」

 

「わかってるよ。だから男子だけのときに冗談で言ったんだよ」

 

「その冗談は通じないと思うから気を付けたほうがいいよ」

 

葉山くんが言うんだから間違いないな。

 

それからどれぐらい経ったか、葉山くん、戸部くん、戸塚くんは寝息を立てている。

 

比企谷は「こりゃ、寝れる気がしねぇな……」と言って外へ出ていった。

 

どういうことだ?

 

まぁ外にはもうエネミーはいないから大丈夫だろう。

 

そして俺も目を瞑り、寝ることにした。

 

 

 

 

 

朝、いつも通り五時に起きトレーニングをしたいところだけど、昨日の戦いでちょっと無理をしたから、散歩でもするか。

 

俺は外を歩きながら昨日の寝ている間にアーチャーに言われたことを考える。

 

『今後ムーンセルがどう動くかはわからない。ただ今回のようなことがまた起きるかもしれない。だから気を付けてくれ。こちらでも対策を考えておく』

 

でも今の俺にできることは、何かが起きるまで待つことだけなんだよな。

 

推測はできても何時、何処で起きるかがわからないんだから、どうすることもできない。

 

それから時間は流れ、みんなと一緒に朝食を食べて、平塚先生から今日することを聞いた。

 

で、今、キャンプファイヤーの準備を終え、自由時間になったのだが俺に自由はない。

 

「さぁ、脱ぐのです」

 

「嫌です。で、なんでカレンがその言葉知ってるの?それ俺のトラウマに近いんだけど」

 

今、俺はカレンの持っている赤い布?のようなものでグルグルに巻かれ、木にぶら下がっている状態。ミノムシ状態である。それにこの布絶対に魔術関係だろ。

 

そしてカレンは水着姿である。黒のビキニで腰に白のフリルが付いている。カレンは黒が似合うよね。

 

「白野先輩、今は自由時間で、皆さんが水着でキャキャムフフの状態になるのですよ。それなのにどうして白野先輩は服を脱がないのですか?」

 

「そんなの決まってるでしょ。昨日カレンも見たと思うけど」

 

「大丈夫です。白野先輩のいやらしいエロい身体は誰も引いたりはしません」

 

「今の言葉でさらに脱ぐ気がなくなったよ。なに?俺の身体ってみんなにエロいって思われたの?」

 

なんだか、すごい嫌だ。

 

「はい、鍛えられた肉体にアクセントを加えるような傷や火傷。興奮が止まりませんね。ハァハァ」

 

「もう、絶対に脱がない」

 

それにハァハァの部分が棒読みだったぞ。

 

「ですが白野先輩。合法的に女性の半裸を見ることができるのに、あなたは何の代価も払わずに見れると思っているんですか?」

 

「と言いますと」

 

「白野先輩は私の水着姿を見ている時点で、私にも白野先輩の水着姿を見る権利があるということです」

 

「意味が分からないから。まず俺、水着を持ってないし」

 

勝ったな。そう俺は水着を持ってきていないのだ。

 

「大丈夫ですよ兄さん。私が持ってきました」

 

あ、負けた。

 

「ってなんで?おかしいよ。生まれてこの方水着を買った記憶がないのにどうして桜が俺の水着を持ってるのさ」

 

桜の水着は、薄いピンクのビキニ。そしてやはり目に入るものといえば

 

桜、胸大きいね。本当に中学生?

 

「さぁ、兄さん。早く着替えて一緒に遊びましょう」

 

「ねぇ、桜はどうして俺に水着を着て欲しいの?」

 

「そ、それは兄さんとこういうので遊ぶのは初めてですし…昨日、初めて兄さんの身体を見て……」

 

そして桜は顔を赤くして俯いた。

 

反応は可愛いし、普段なら間違いなく即決なんだけど、どうしてだろう。カレンが言ったことを聞いた後だとダメだ。

 

「お前どうした?」

 

「おお、比企谷。今の俺状況は気にしなくていいけど、比企谷は水着持ってきてないのか?」

 

「気にするなってミノムシ状態のやつに言われてもな、気になって仕方がねぇよ。それで俺は水着を持ってきてないんだよ」

 

「そうか、なら比企谷もミノムシ状態になるか?」

 

「嫌だわ!どうして水着を持っていなかっただけで、お前みたいにならんといけねぇんだよ!」

 

比企谷がそういうと、カレンが比企谷の肩を叩いて

 

「ええ、水着を着ていない人はこうなる運命なんですよ。合法的に女性の半裸を拝めるなんてそれ相応の代価を払うべきではないでしょうか?」

 

「代価ってなんだよ」

 

「簡単ですよ。同じ状態になるか、見ないか、吊るされるか、死ぬかです」

 

「最後の二つおかしいだろ。死ぬってなんだよ」

 

「そして比企谷さんはすでに私やそこの妹の半裸を見たということ。もう、半裸になるか、死ぬかのどちらかですね」

 

「おい、吊るされるはどこにいった。それに俺水着持ってねぇから死ぬしか残ってねぇじゃねぇか」

 

「あら、本当ですね。では死にますか?」

 

「死なねぇよ。岸波、こいつおかしいだろ」

 

俺はカレンと比企谷のやり取りを見ていたのだが、比企谷が俺に話を振ってきた。

 

「まぁカレンはいつもこんな感じだから、むしろカレンがこうなるのって俺以外にいないと思ってたから、少し俺も驚いてるかな」

 

「たぶん、私が白野先輩よりも早く比企谷さんと出会っていたら、比企谷さんを玩具にしてました」

 

俺、カレンの玩具なんだ……。ペットよりもひどいな。

 

「なんで俺がお前の玩具になるんだよ」

 

「それは単純に私が愉しそうだと思うからですよ。フフフ」

 

ここで愉悦笑い。比企谷はカレンの笑みにゾクリと悪寒を感じたのか身体を震わせた。

 

その後他のみんなもここに来たようなので、俺はみんなの水着姿を見る。

 

雪ノ下さんの水着はパレオで隠しているのでどういう水着かはわからないが、雪ノ下さんの綺麗な身体のラインはわかる。

 

由比ヶ浜さんは青いビキニで下はスカートのようになっている。

 

小町ちゃんは薄い黄色のビキニでふちにフリルがあしらわれている。

 

平塚先生は白のビキニ、さすが大人の女性。完成しきった身体。なぜ結婚できないんだろうか?

 

「岸波くんはどうしてそのような格好なのかしら?」

 

「カレン曰く、合法的に女性の半裸を見るのだからそれ相応の代価を払う。で払える代価がないから吊るされているんだよ」

 

「代価ってなに?」

 

と由比ヶ浜さんが聞くのだが、どっちの意味だろ?代価っていう言葉の意味を尋ねているのか、何を代価にするのかと尋ねているのか。

 

「代価っていうのはな、ある事柄を成し遂げるために生じた犠牲や損害っていう意味だ。簡単に言うと買い物の時に払う金だな。欲しいものを得るんだから、それに必要な分の金を払うだろ」

 

と比企谷が懇切丁寧に前者のほうの説明をしてくれた。

 

「へぇそうな……って知ってるから!ヒッキーバカにしないでよ。そうじゃなくてそのお金のほう」

 

「代価は、同じように半裸になるか、見ないか、吊るされるか、死ぬかのどれかだったな」

 

「ものすごくバカバカしい代価ね」

 

呆れ声で雪ノ下さんが正論を言う。

 

「では皆さんはここのゴミ、ではなく、ここの残念なお二人の半裸は見たくないのですか?」

 

「「今、完全にゴミって言ってたよな」」

 

俺と比企谷が同時に同じことをツッコム。

 

「黙りなさい、この駄犬ども。去勢しますよ」

 

「「すみませんでした」」

 

怖いよ、カレン。

 

それより、みんな何故悩む?男の半裸の何がいいんだ!?

 

「ああ、そういえばこの手段がありましたね。白野先輩」

 

「な、なんでしょうか?」

 

い、いやな予感。

 

「白野先輩、この場にいる人たちと自分の身体どっちが大切なんですか?」

 

「ねぇその質問さ。もう答えわかってるでしょ。それに自分の身体って答えたらナルシストみたいじゃん」

 

こうして俺は水着を着ることを決意した。

 

何?このどうでもいい決意。

 

 

 

 

 




今回は水着回でした。と言っても次回もこの続きですが

そして白野くんの秘密を公開。過去も話すことになりました
最初は白野くんが着替えているところを誰かに見つかってみたいなことを考えておたんですけどねぇ
白野くんの過去は二、三話後になりそうですね。まずは留美ちゃんですね

書いてて思ったのですがカレンとヒッキーっていい感じな気がするんですよね

それではまた次回!

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