やはり岸波白野の青春ラブコメは王道か?   作:魔物Z

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ザビ男頑張ります

楽しんで読んで貰えたら嬉しいです


プログラムと秘策。

 

 

気になってたことも解消したことだし、行こうか。

 

電子手帳を取り出して、BBから送られてきたプログラムを起動させる。

 

そしたら頭の中に『き、起動するまで、さ、三分待ってください……ごめんなさい……』とリップの声が流れた。

 

これはさっきのアーチャーやBBとは違う感じだな。録音のような設定された感じ。

 

何?これも待つの?まぁ分かれば対策もできる。

 

「move-speed()」強化スパイクで移動速度を上げる。

 

今回は避けに徹すればいいので戦わなくてもいい。だから筋力や耐久の強化はしなくてもいいよね。

 

いや、もしものことを考えるとやっておいた方がいいか。

 

「gain-con(16)、gain-str(16)」

 

守りの護符で身体の耐久力を上げ、錆び付いた古刀で筋力を上げる。

 

「準備完了」

 

じゃあ、エネミーに近づこう。

 

俺は歩いてエネミーに近づいていく。そしてエネミーとの距離が10Mぐらいになったとき、エネミーがこちらに向かって走ってきた。

 

思っていたよりも速い。

 

エネミーは右腕を振り上げ、俺に向けて振り下ろす。俺は後ろに跳ね相手の一撃を避ける。

 

ドン!

 

地面が凹んだ。

 

マジか!ここまで筋力あるの!?

 

エネミーの攻撃の衝撃で石の礫が飛んでくる。

 

俺は反射的に腕で前で組み、石の礫をガードをする。

 

動きは昨日の相手のほうが速いから完璧に避けれるけど、一撃が重すぎる。

 

攻撃の威力を考えると、昨日は重傷、今回は死だな。

 

俺は着地と同時に方向転換。そのまま

 

「逃げる」

 

逃げると言ってもこの場を離れるんじゃなくて、相手と距離を取るって意味ですよ。ここ重要。

 

まずは距離を取って相手の観察をする。

 

エネミーは走らず、歩いて俺を追う。俺との距離が10Mぐらいになったら走るって感じだろう。

 

というわけで、試そう。

 

俺は逃げるのを止める。そしてエネミーとの距離が10Mぐらいになったときエネミーは俺に向かって走ってきた。

 

予想通りだな。

 

エネミーはまた右腕を振り上げ、振り下ろす。

 

俺は今回、相手の振り上げた腕の逆、俺から見ての右側に跳ねる。

 

ドン!

 

また地面が凹み、石の礫が飛ぶ。

 

飛んでくる礫を左腕でガードする。

 

そして着地し、相手の懐に向かって踏み込む。

 

逃げてるだけじゃダメだな。俺も攻撃する。

 

まずは足。

 

エネミーの左脛を思いっきり踏む抜く感じで右足で蹴る。

 

『斧刃脚』ついでに「shock(128)」破邪刀のコードキャストを撃つ。

 

更に、体勢を低くし、前後に両手を開くように相手の腹に掌底を打ち込む。

 

『打開』同じくついでに「shock(128)」破邪刀のコードキャストを撃つ。

 

もう一撃。『打開』と同じように低い体勢をし、今度を肘打ち。

 

『裡門頂肘』また同じくついでに「shock(128)」破邪刀のコードキャストを撃つ。

 

俺の攻撃を受けてエネミーはよろめく。

 

あれでよろめく程度ってどんだけタフなんですかね。

 

なので、もう一撃。

 

俺は左手を地面について、ほぼ真上、エネミーの胸辺りを右足で蹴り上げる。

 

『穿弓腿』これもついでに「shock(128)」破邪刀のコードキャストを撃つ。

 

普通ならこれで相手を浮かせて次の技を掛けるんだけど、エネミーは重いから俺ではエネミーを浮かせることができない。

 

だが、エネミーを仰向けに倒すことはできた。

 

俺はエネミーの横に着地。ここまで来たらもう一撃。

 

エネミーの腹を思いっきり踏み抜く。

 

『震脚』やっぱりついでに「shock(128)」破邪刀のコードキャストを撃つ。

 

『震脚』は普通、地面にやり、その衝撃波みたいなもので相手をよろめかすための技なので、お腹にやったらいけないよ。

 

そしてここまで出した技は全て、店長から習った八極拳である。

 

さて、やるだけやったので逃げに徹しよう。

 

俺は倒れているエネミーから距離を取る。

 

今更だが、昨日の奴ならこれで倒せていたような気がする……。

 

いや、今回の相手は動きが昨日の奴よりも遅いからできただけで、普通はここまでうまくはいかない。

 

それ以前に何で、こいつはこんなに攻撃を受けても平気なんだよ。

 

俺は立ち上げるエネミーを見ながらそんなことを考えていた。

 

そして俺はふと思ったことを口にする。

 

「今、何分経ったのかな?」

 

 

 

 

 

岸波くんと別れて二分。この扉の向こう側からは何も聞こえてこないけれど、大丈夫かしら?

 

いえ、彼なら大丈夫。彼は結構ウソは吐くけれど裏切ることはしないもの。

 

でもそうなると暇ね。

 

何か私にできること、するべきことって何かあったかしら?

 

私は自分のすべきことを考えてみて、一つだけやるべきことがあったわね。

 

「下着を着ないと………」

 

 

 

 

 

『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!』

 

逃げろ逃げろ逃げろ!

 

俺がやった八極拳の連続攻撃のせいでエネミーが怒ったのか、先までを歩いていた距離でさえ全力で走って追って来る。

 

木を薙ぎ倒し、地面を殴り、咆哮を上げる。まさに化け物。

 

本当どうしてこうなったんだよ。マジで怖い。

 

俺が移動速度を上げながら全力で逃げている途中、『三分経ったわ。プログラムを起動してあげるから泣いて喜びなさい』とメルトの声が頭の中を流れた。これも起動準備のときリップ同様、設定された感じのヤツだな。

 

「って、やっと三分!?十分ってどんだけ長いんだよ!」

 

俺はエネミーから逃げながらあることに気が付いた。

 

エネミーが破壊したところが直っている。

 

地面も木も数十秒で何もなかったかのように元通り。

 

そうなるとこの戦いで壊れたモノは元通りになるってことか?それともそれはエネミーだけ?

 

『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!』

 

そんなことを考えていたら、エネミーが結構近いところまで来てる。

 

まだ、攻撃が当たる距離ではないから大丈夫だ。

 

ちょっとプログラムの効力を試してみよう。

 

俺は走りながら右手でカソックの中にある黒鍵の柄を三つ、指の間に挟み取り出す。

 

言峰神父が使った黒鍵を想像し、作り出す。

 

「おお、本当に出来た。黒鍵の刀身が作れた」

 

エネミーから逃げながらだけど、こういうのができると感動するよね。

 

というわけで

 

「投げる!」

 

俺は少し身体をエネミーの方を向くように捻り、右手の指の間に挟んでいる黒鍵を三つとも投げた。

 

二つは腕で弾かれたが、一つだけ刺さった。初めてにしては上出来じゃないか?

 

ただ刺さったはいいけどあまりダメージがないみたい……。

 

いや、落ち込むことはない。まだ柄は九つあるし全部投げてやる。それに弾かれて落ちてるやつを再利用しよう。

 

それから逃げながら、隙などを見つけては黒鍵を投げ、弾かれたら逃げながら黒鍵を拾いまた投げるなんてことを続けてどうにか十二本全部刺したわけだが……。

 

『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!』

 

「全く効いてない」

 

むしろどんどん荒くなって手が付けられない感じ……。

 

刺さり方が悪いのかな?

 

それよりも俺が最初よりもリラックスした感じでいられることに驚きだよ。

 

これが人間離れってやつかな?

 

『マスター』

 

アーチャー、やっと十分経ったの?

 

『いや、あと一分だ。そして二十秒前になったら動かずにじっとしてもらいたいのだが大丈夫か?』

 

無理を言わないでください。この状況で動くのを止めたら、俺死んじゃうよ

 

『……そうだな。悪かった。では相手を二十秒足止めできる方法はないか?』

 

それ言ってること同じだから。でも、足止めする方法はある

 

『では、相手をどうにか二十秒足止めを頼む』

 

わかったよ

 

ただアレってどれだけ魔力を使うのかわからないんだよな。それにできるだけ相手と距離を取っておきたい。まぁ距離もどうにかできるか。

 

『十秒前……八……七……六』

 

ここで俺は振り返りエネミーの方を向く。そして今度は彼女の技を想像し、大声で

 

「女王ーービィーーム!!」

 

凛のコードキャスト『call-beam(256)』である。これがプログラムの力。俺が見てきたマスターの使ったコードキャストや技を使うことができる。(BBやメルト、あとキアラVer.神は無理)

 

だから、言峰神父の黒鍵も使えたってことだ。

 

プログラムの名前は『誰のでもコードキャスト』そのまんまだな。

 

女王ビームはエネミーに直撃。エネミーは後方に吹き飛ぶ。

 

流石は女王ビーム

 

『二』

 

二十秒間の足止めに使うのは

 

『一』

 

決着術式(ファイナリティ)

 

「聖剣集う絢爛の城(ソード・キャメロット)」

 

エネミーを囲むように炎の壁が出現。

 

レオがBBと戦うときの使った術式。圧倒的な魔力消費量と操作難易度からレオですら三分間しか展開できないが、破壊するには聖剣レベルの攻撃力を必要とし、尚且つ転移等のあらゆる魔術を遮断する高密度の炎の壁を作り出す事が出来る。

 

今の俺なら三分は無理でも、二十秒ぐらいならできるはずだ。

 

あの時はレオも炎の壁の中にいたが、俺は炎の壁の外にいる。

 

あとは二十秒動かずに待つだけだ。

 

秘策って何なんだろうな?

 

『それはだなマスター』

 

アーチャー説明してくれるんだ。それなら最初から言ってくれればいいのに……

 

『済まない。こちらにも準備が必要なんだよ。それにしても聖剣集う絢爛の城(ソード・キャメロット)とは驚いたよ』

 

まぁ俺自身の力ではないからね。俺は魔力消費とコードキャストをコントロールするだけで、必要な術式は全て別の場所で用意してくれるらしいから

 

『そのことはまた後で聞くことにしよう。もうじき時間だ。秘策については説明をしなくともすぐにわかるさ』

 

何でそんなに大雑把?

 

『それではランサー』

 

ランサーってクーの兄貴のことかな?

 

『ってランサーが死んだ!』

 

「この人でなし!って、えええぇぇぇぇ!?」

 

何で兄貴死んだの!?

 

あれ?アーチャー?アーチャー!?返事してよ!

 

ダメだ。アーチャーからの通信が切れたようだ。

 

そして、聖剣集う絢爛の城(ソード・キャメロット)も消えた。魔力はまだ残ってるけどコントロールが難しい。

 

炎の壁が消え、エネミーは俺に向かって走ってくる。

 

逃げたほうがいいよな。でも、動いちゃダメなんだろ。どうしよ。

 

いや、もう遅い。

 

エネミーは俺に向かって殴り掛かってきている。避けれない。

 

すでにエネミーの拳は俺の前まで来ている。

 

ああ、終わりか……。

 

 

 

 

 

キンッ

 

金属音にも似た音が響いた。

 

ただわかったことは俺が無事だという事。

 

何かがエネミーの攻撃を弾いたのか?

 

「ご主人様の良妻サーヴァント、キャスター!ここに罷りこしましたー」

 

ああ、この聞き覚えのある声。そうかこれが秘策か。

 

俺のサーヴァントの一人。キャスターが助けてくれたんだ。

 

「はい。どうですか?この新感覚。ついに私はご主人様と一心同体~。タマモ嬉しいです」

 

?どういう意味だろうか?確かに違和感がある。

 

キャスターの声は聞こえるが、キャスターの姿がない。それと俺の声が出ない。それとキャスターの武器の鏡が俺の周りを回っているような……

 

「それもそのはず、今ご主人様の身体は私が使っているんですよ♡」

 

はい?

 

「簡単に言いますと、秘策とはサーヴァントがご主人様の身体を使って代わりに戦うって感じのヤツなんです。しかもスキルも宝具も使用可能。まぁ魔力を消費するのはご主人様ですが」

 

なるほど、シャー〇ンキ〇グの憑依〇体か。

 

「あらがち間違いではありませんが違いますよ。っとそれより先にこれを片付けちゃいましょう。これはあまり長くはできないので」

 

そうなの?

 

「はい。なのでさっさと終わらせちゃって、イチャイチャお話でもいたしましょう」

 

実際傍から見たら変な奴だけどね。

 

「では皆々様?血も凍る、大宴会を開くとしましょう……。ご主人様、宝具開帳を」

 

あれ?発動条件は?

 

「愛の前ではそんなものどうでもいいんです」

 

そんなもんか?まぁいいか。キャスター頼む。

 

「はい、お任せ下さいまし。『ここは我が国、神の国。水は潤い、実り豊かな中津国。国が空に水注ぎ、高天巡り、黄泉巡り。巡り巡りて水天日光。我が照らす、豊葦原瑞穂の国。八尋の輪に輪を掛けて、これぞ九重天照。水天日光天照八野鎮石』」

 

その後、古びた神刀で筋力を大幅に強化し、『呪法・玉天崩』×5回でエネミーは蒸発した。

 

今の状況でわかったことは、俺の意思では身体が動かせない。ただコードキャストは使えた。

 

本当に不思議な気分だ。

 

「ご主人様~、終わりましたよ。残り時間まで一杯お話を致しましょうね♡」

 

残り時間って制限時間みたいのがあるの?

 

「サーヴァント次第ですかね?私の場合は三分です。残り一分ぐらいになっちゃいましたね」

 

そういうこと。キャスターで三分ってことは他の人はもう少し短くなるのかな?

 

「最初はですねぇ。凛さんのランサーさんが来るはずだったんですけど、不慮の事故で昇天してしまったので代わりにこのタマモが来たんですよ」

 

そうだったんだ。不慮の事故ってなに?

 

「そ、それは………」

 

顔を伏せた。俺の身体だからよくわかる。

 

こいつ!確信犯だ!

 

「バレてしまったら仕方がありません。そうです。ランサーさんを来れなくしたのは紛れもなくこの私。ラブリータマモちゃんです」

 

内容が全くラブリーではないけどね。

 

「考えてみてくださいご主人様。もし私では無かったら、ランサーさんがご主人様の身体の中に入ったという事を!」

 

別にいいよ。代わりに戦ってくれることには変わらないんだし。

 

「いいえ、ダメです。ご主人様の初めては私のモノです」

 

ねぇ?何の話?

 

「おや?そんなことを話していたらもう時間ですか」

 

え!?まだわからない事ばっかりなのに!?

 

「ああ、言いそびれていましたが。この秘策には副作用のようなものがありまして、まぁ身体に影響があるわけではありませんから気にしないでください」

 

それも初耳だよ……。

 

「それともう一つ」

 

何?

 

何故か空気が凍り付くぐらいの寒気を感じた。

 

「ご主人様が戦う前に女とイチャ付いているのは知っていますので、今夜詳しく………」

 

そうしてキャスターは俺の中から消えたようだ。本当に不思議な感覚だな。

 

俺は夜空を見上げて一言。

 

「今夜は寝たくないな」

 

 

 

 

 

俺は落ちている黒鍵の柄を全部拾う。

 

全部元通り。さっきまでここで戦っていたのがウソのようだ。

 

本当に今夜どうしようかな。本気で寝たくないんだけど……でも明日は帰るからバイクの運転もやらないといけないし、寝ないと支障が出るよな……。

 

それに秘策の副作用って何だろ?

 

「はぁ……」

 

俺はため息混じりに出口の全自動脱衣式オープンロック特許申請中の前まで移動する。

 

すると自然に扉が開いた。

 

一番に目に入ったのは雪ノ下さんだ。

 

雪ノ下さんは俺の顔を見るなり嬉しそうな顔をしたのだが、それは一瞬のこと。

 

今の雪ノ下さんは不思議そうに俺の顔をまじまじと見ている。

 

いや、頭か?

 

そして雪ノ下さんは俺に近づいてきて一言。

 

「別に嫌いではないのだけれど、どうして猫ではないの?」

 

「どういう意味!?」

 

「何?岸波くんは今自分の身に起きていることに気付いていないの?」

 

「俺の身体?」

 

「ええ、これの事よ」

 

雪ノ下さんはそう言いって俺の頭に両手を伸ばして、モフっと何かを握った。

 

「きゃ」

 

思わず女の子みたいな声を出してしまった。

 

「って、なんだこれ!!」

 

雪ノ下さんに握られて初めてわかった。俺の頭にキャスターと似た狐耳が生えている。

 

「あら、これって神経が通っているの?面白いわね」

 

「面白くないよ!ってもしかして……」

 

俺は恐る恐る背後をっというより、俺の腰辺りを見ると……。

 

「生えてる……」

 

尻尾もか……。これがキャスターが言っていた副作用か。

 

雪ノ下さんも俺に狐の尻尾が生えていることに気付いて、耳から手を離し、今度は尻尾に手を伸ばしモフる。

 

「ひゃっ」

 

また女の子みたいな声を出してしまった。

 

「この尻尾、温かくて、ふさふさしていて、肌触りも良くていいわね」

 

「良くないよ!男で獣耳と獣尻尾はないよ!」

 

「そこではないと思うわよ」

 

「特に俺が今カソック姿だから狐耳と狐尻尾は合わない」

 

「確かに場違い感はあるわね」

 

雪ノ下さんは尻尾をモフモフしながら返答する。

 

「そろそろやめてくれない?くすぐったいんだけど……」

 

「やっぱり神経が通っているのね。そうなると動かせるってことよね?」

 

「いや、だからそろそろ離そうか」

 

雪ノ下さんは渋々尻尾から手を離した。雪ノ下さんって猫好きじゃなかったけ?

 

「でも驚いたわね。傷ついて帰ってくるかと思っていたのに、まさか尻尾と耳を生やして帰ってくるとは……。ある意味あなたは私を裏切ったわね」

 

「裏切ったつもりもないけどね。でも流石にこれは恥ずかしいな」

 

本当に誰得って感じだよ。……キャスターかな?

 

キャスターか……はぁ……眠りたくない……。

 

それから雪ノ下さんと一緒に帰るとキャンプファイヤーが終わった後だった。

 

狐耳と尻尾は取れたり消えたりすることなく健在だったため、みんなに見られて、バカにされたり、写メられたりと酷い目にあった。

 

俺はみんなに写メられながら比企谷に留美ちゃんたちがどんな結果に終わったかを確かめた。

 

しっかり留美ちゃんはみんなを助けることができたんだな。

 

そして俺は結局寝ることにした。

 

結果、俺はその夜ムーンセルで、聖杯戦争が優しく思えるぐらいの地獄を体験した。

 

俺の睡眠時間が六時間だったのだが、本当の六時間だったのか?実は一年経っているのではないのか思えないほど長かった。

 

どんなことが起きたかはまた今度。だって思い出したくない。だたあれを一言で表すなら、あれは

………世紀末?

 

 

 

 

 

林間学校の手伝いのボランティアもこれで終わりか。

 

一応、朝になったら狐耳と尻尾はなくなっていた。よかった。一生あのままだったら家から一歩も出れないな。

 

そういえば、俺って今日帰ったらみんな?に俺の過去を明かさないといけないんだよな。

 

まずは帰るわけだが、来るとき同様じゃんけんをしてもらった。

 

結果

 

「私ね」

 

雪ノ下さんになった。てっきり帰りも辞退すると思っていたのだが。

 

平塚先生が解散場所は学校だと言っていたので、学校を目指すわけだ。

 

雪ノ下さんと二人乗りして三十分ほど。みんなが乗っているワンボックスカーは既に高速道路を走っているだろう。

 

「ねぇ岸波くん」

 

雪ノ下さんが尋ねてきた。

 

「ん?何かな?」

 

「あなたの過去について教えてくれない?」

 

「帰ったらね。そういう約束だから」

 

「でも私は前『誰よりも早くあなたを理解する』と言ったはず。自分の力では無理だったけれど、あなたが話してくれると言うのなら話は別よ」

 

「それは傲慢じゃないかな?」

 

「ええ、それでも別に構わないわよ。それに今話さないというなら私のも考えがあるわ」

 

「考え?」

 

何だろ嫌な予感。ってかまたあれだろ。

 

と思っていたのだが、少し違った。

 

雪ノ下さんは珍しくしおらしい声で、俺を抱きしめている力を少しだけ強くして一言。

 

「あなたは私のことが嫌いなの?」

 

「………」

 

ギャップってやつだよね。そりゃあ可愛いですよ。

 

『可愛い子なら誰でも好きだよ、俺は』これ、あらがち間違ってないんじゃないかな?

 

俺もう喋っちゃうよ。女の子にこんな事言わせたらダメだと思うもん。

 

こんなバカバカしいのノリでいいのか?ダメだろう。

 

最終的にはみんなに話すわけだし、今ここで話しても変わらないか。

 

「まぁいいか。話すよ。帰り道もまだ長いんだし」

 

「そ、ありがとう」

 

「ただ、話し終わったと少々嫌な空気になると思うけど大丈夫?」

 

「それぐらいは覚悟してるわ」

 

「そうか、なら話すよ。俺の過去を」

 

 

 

 

 




次回はついにザビ男の過去が……

今回出た八極拳の技。『斧刃脚』『打開』『裡門頂肘』『穿弓腿』『震脚』はFateの格闘ゲーム、Fate/unlimited codes で言峰神父が使う技です
他にも『黒鍵』『女王ビーム』『聖剣集う絢爛の城』『水天日光天照八野鎮石』『呪法・玉天崩』等色々出させてもらいました

プログラムの『誰のでもコードキャスト』は簡単に説明すれば、アーチャーの投影のコードキャスト版って感じですかね?だから最初は名前を『イメージするのは常に最強の自分だ』にしようか悩みました

最初秘策は、魔法少女の『クラスチェンジ』とか、知ってる英雄の宝具をレンタルとか考えてたんですけど、何故かシャー〇ンキ〇グの憑〇合体擬きに……

それではまた次回!

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