結局長くなった。この前ほどではないけど。
二年生がスタート。ここからは原作展開とオリジナル展開を出していこうと思います。
今頑張って、原作ラノベを読みながら書いています。
張り切っていきましょう。
「高校生活を振り返ってか…」
国語教師の平塚先生が授業で出したレポートの課題なのだが、どうもいい内容が思いつかない。
平塚先生とは、本名平塚静、俺が所属している奉仕部の顧問をしている先生。
美人でスタイルもいい優しい先生なのだが、どうも男性との縁が悪いせいか結婚が出来ない事が悩みらしい。
アニメやマンガが好きで、問題のあるできの悪い生徒には『肉体言語』なる手段で会話するらしい。
「振り返ってといわれても、まだ一年しか経ってないしな…」
高校に入って一年、二年生になった俺岸波白野は、この一年間を振り返る。
意外と充実してたな。
まずは、雪ノ下さんとの奉仕部での奉仕活動。
行き付けの中華料理屋の店長、言峰綺礼さんに頼まれバイトを始めた。まさか名前も同じとは…。
ついでに娘さんのカレンに『総武高に入るから家庭教師をして欲しい』と言われ、勉強を教えた。
カレンの名前を聞いたとき、月の桜に聞いた話を思い出した。
桜に問題があったときの代わりに健康管理をするAIの名前がカレンだったはずだが、確か彼女が保健委員の活動をしたら、マスターの生存率が著しく低下するんだったけ…。
まあ、大丈夫だろ。結構優しい子だし、よく俺に激辛麻婆豆腐を作ってくれるからな。
今は入学して俺の後輩だ。学校で会ったら話したりする。
十六歳になった日の夜、ギルがバイクの乗り方を教えてやると言ってきた。
『雑種。この王自ら貴様にバイクの乗り方と、そのテクニックを叩きこんでやろう。ありがたく思えよ』
ナニイッテンノ、コノAUOハ…。
『いいよそんなの。バイクとか危なそうだし』
『それではついて来い』
『ねぇ聞こえてないの!?ってわかった!わかったから天の鎖で俺を拘束して引っ張らないで!』
ギルの後をついて行くと、
『ねぇギル…』
『なんだ』
『あの建物の外は霊子の海、霊子虚構世界、特に何もなかったよね』
『そうだが』
『なんで、こんな車やバイクの教習所みたいな場所ができてるだ?昨日はなかったよね』
『この英雄王ギルガメッシュに掛かれば、このようなことは容易い』
そうなのか?AUOなんらムーンセルに教習所ができるのか?
『まずは、我が手本の見せてやろ』
ギルの背後の空間に波紋が生じ、そこからバイクが…、
『ってなんでバイク!』
『なに、昔レースに乱入してな、そのとき使ったモノだ』
『いつだよ。確かギルって俺に会うまで、月の裏で寝てたんだよね!?それに乱入って』
『森羅万象何事も、我が一番でなければ駄目なのだ!』
『なんだよその意味のわからないルールは…』
『フハハハハ!我がルールだ!』
もう、疲れた。
『それじゃギル、見本見せてくれよ』
ギルがバイクに乗りいろいろと見せてくれた。
確かにすごいな。あれ?ギルって騎乗スキルあったけ?
見た感じ騎乗Bくらいはあるかな。
ギルが俺の前に帰って来た。
『どうだ雑種。我のライディングテクニックは!』
『凄かったよ』
『よいぞ!賛美せよ。賛美せよ!』
『でもギル。騎乗スキルも無くここまで出きるって、今まで何をやってたの?』
『色々だ!』
色々ってなんだよ。
『面白そうなことしているではないか。余もやりたいぞ!』
セイバーが満面の笑みで近づいて来る。
『貴様。今この雑種は、この英雄王直々にバイクの乗り方を教えているところだ。邪魔するでない』
『よいではないか。余もこのバイクとやらに乗ってみたいぞ!』
二人とも引き下がりそうにないな。
『ギル、少しだけセイバーにも乗らせてあげない?』
『おお!奏者は話がわかるではないか!余は乗り物が得意でな、チャリオットの大会でも何度も優勝したぐらいだ!』
『へぇ、そうなんだ』
『うむ!』
セイバーが嬉しそうに話している。
『ギルどうかな。少しだけならいいだろ』
『仕方がない。貴様が言うのであれば今日だけは貸してやろう。王は寛大でなければならんからな』
『ありがとう』
まあ、寛大かどうかはしらないが。
『セイバーいいって』
『ホントか!話がわかるではないか金ピカ。奏者よ、余の美しい姿を目に焼き付けるといい』
セイバーがバイクに乗り始めた。
ギル程ではないが、上手いな。これが皇帝特権か。
そんなこんなで、ギルとセイバー、途中からドレイク姐さんと新入りライダーこと『アストルフォ』のダブルライダーにも教わった。
ある程度乗れるようになった次の日の朝、俺宛てにバイクが届いた。どうしてだ?
乗らないともったいないので、長期休みの間にバイクの免許を取ることにした。
今でもよく、遠い場所へ買い物などに行くときに使っている。
そしてこの一年、俺にとって一番大きかった出来事は、よくわからないプログラムを作っていることだ。
ある日、ムーンセルの俺の部屋に怪しい手紙と怪しい小包があった。
内容は、『憐れで可愛そうな先輩へ(ハート)
現実世界で馴染めずにいる先輩が余りにも惨めなので、
この超絶可愛い悪魔系後輩美少女からプレゼントです!
頑張って作ってくださいね。
おバカな先輩には結構難しいですよ。
まあ、私なら三分で出来ますけどね。
あなたの可愛い後輩より(ハート)』
内容からして、BBなのだが開かずの間にむかってもどこも開いていなかった。
小包には何も入っていなったが、朝起きたら自分の枕元に大量の説明書と、プログラミング、ハッキング専用の小型のノートパソコンが置いてあった。
そして、俺は今でもこのプログラムを作っている。
何が出きるのだろ。
振り返ってみても充実はしてたなこの一年間は。
まあ、まだ友達はできないが…。
仕方がないから、なんとなく浮かんだことでも書いておくか。
書き終わったレポートを提出した。
そして今俺はなぜか平塚先生の前にいる。
「岸波。なぜ呼ばれたのかわるか?」
「いや、俺にはわからないのですが」
「君はよくできた生徒だよ。授業もしっかり受け、テストの点数も雪ノ下にも負けないぐらいだ」
まあ、それなりの努力をしてるからな。
「それに、先生方にも人気だ。頼んだ仕事を文句を言わずにそつなくこなすし、部活動でも頑張っている。なのになんだこれは」
平塚先生は一枚の紙を渡してきた。
「これって、この前のレポートですよね?」
「そうだ」
「内容でなにか悪い点でもありましたか?」
「いや。内容は悪くないよ。むしろごく普通の内容だ」
ん?なぜ呼ばれたんだ。
「だがなこれはいかんだろ」
平塚先生が俺のレポートの氏名欄を指差す。
「君の名前はいつから、偉人の名前に改名したんだ」
「フランシスコ・ザビ…。あ!ホントだ!」
「この反応は、本気で間違えたのか?君はこの偉人の生まれ変わりなのか?」
「い、いや~。ち、違いますよ」
「どうして、挙動不審になる。まあいい、今回は大目に見よう」
「あ、ありがとうございます」
「だが、今度同じ事をしたら…」
「同じ事をしたら?」
「私の拳が真っ赤に燃えて、君を倒せと轟き叫ぶ!」
「ゴッド・〇ィンガーは止めてください」
俺は本気で頭を下げた。
平塚先生の拳は的確に芯を突いてくるため、魔術を使わないでかわすのは難しい。
やられた事はないが、やられている生徒を見たことはある。
「ほぉ、君はGガン〇ムを知っているのか。意外だな」
「いや、知っているというよりは、平塚先生の言った言葉はそこそこ有名なので…」
「そうか、少し残念だ。だがいい作品だから今度見てみるといい」
「はい。考えておきます」
ムーンセルは、記録の宝庫。アニメの記録もあるだろうから、今度サーヴァントの誰かを誘って一緒に見るか。
「今度からは気を付けたまえ」
「はい。迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした」
「なに大したことではないさ、問題はこの次の生徒だ」
「この次?」
「ああ、君はもう部活にむかってくれ。それとだな…」
「それと何でしょう?」
「雪ノ下に新しい依頼を連れて行くと言っておいてくれ」
「わかりました。依頼人ではなく、依頼を連れてくるでいいんですね」
平塚先生は笑みを浮かべた。
「君はものわかりがよくて助かるよ」
「そうですか。それでは失礼します」
そう言って、俺は職員室を出て行った。
もしかしたら先生が言ってた問題児が入部でもさせるのかな。これが男子なら友達を作るチャンスだ。
俺は少し浮足立った気分で、部室にむかい、部室の戸をノックする。
コンコン。
「どうぞ」
聞きなれた綺麗な声が入室を許可する。
戸を開くといつもの場所で本を読む雪ノ下さんが目に入る。
「今日は遅かったわね」と雪ノ下さんが俺の方を見る。
「平塚先生に呼び出されてね」
「そう」
雪ノ下さんは再び本に目を落とす。
俺は、いつもの席に座り、ノートパソコンを取り出して、プログラミングを始める。
BBからのプレゼント?が来た日以降、俺は奉仕部の依頼のない時間はいつもこの作業をしている。
「そういえば雪ノ下さん」
「なにかしら?」
「平塚先生が後で依頼を連れて来るそうだよ」
「わかったわ」
「友達ができるといいな…」
「何のことかしら?」
雪ノ下さんは俺の言葉に疑問を持ったのか本から目を離し俺に顔を向ける。
「えーっと、平塚先生が依頼者を連れて行るじゃなくて、依頼を連れて来るって言たんだよ」
「それで?」
「依頼を連れて来るってことは。生徒じゃなく、平塚先生からの依頼になるわけだ。それに俺が先生に呼び出せれたときに、厄介に生徒がいるみたいな事を言ってたんだよ。」
「なるほどね。それで私たちにその生徒を任せるために、その生徒をこの部活に入部させて、その生徒を更生させるみたいな依頼だと推測したわけ。その生徒が男子生徒なら友達になれるかなと、あなたは考えたのね」
「さすがだね。そこまでわかるんだ」
「私もあなたと結構長い付き合いだから、あなたと同じで大体はわかるわよ」
流石は我がライバル、相手の考えを読むとはなかなか…。
「でも岸波くん。あなたの考えが当たっているかはわからないわよ」
「そこは、僅かな希望みたいな感じだよ」
そんな事を話していると、ガラリ部室の戸が開く。
「平塚先生。入るときにはノックを、とお願いしたはずですが」
いつものやり取りが始まる。
「それで、そのぬぼーっとした人は?」
「彼は比企谷。入部希望者だ」
お、ビンゴ!しかも男子これは友達ゲットのチャンス。
「二年F組の比企谷八幡です。えーっと、おい、入部ってなんだよ」
比企谷八幡と言う生徒を見たとき、入学式の朝の事を思い出す。
サブレという犬を助けた少年だ。よかった。一応元気のようだな。まあ、平塚先生が連れて来たってことは、なにかしらの問題がある生徒のようだ。
そんなんこと一人で考えているうちに、比企谷は平塚先生に言いくるめられ、雪ノ下さんに罵倒されている。
「そう言えば、お前は…」
比企谷が雪ノ下さんの罵倒から逃げるため俺に話を振ってきた。
「そうだな。雪ノ下さんは有名だから自己紹介はいらないだろうから、俺は…」
やっぱり、ボケとおくか。これは俺の性だ。
「フランシスコ・ザビ…」
やばい、平塚先生がシャドー・ボクシングを始め。雪ノ下さんが呆れている。
「彼は、岸波白野くん。この部活の副部長よ。岸波君。あなたは努力はしても成長はしないのかしら。同じ過ちを繰り返すなんて、愚かだと思わないの?」
違うんだ。あれは過ちではない。俺、岸波白野の性だ。
「…岸波白野です。これからよろしくな、比企谷」
「あ、ああよろしく、岸波。ん?岸波ってどっかで聞いたな。まぁ、どうでもいいか」
「ちょっと、ひどくないかそれ!!」
「俺は人の名前を、覚えるのが苦手なんだ」
「いや、ウソだ!」
「ウソじゃねえよ。ホントだ」
「わかった。信じるよ」
「へ?マジで」
「マジも何も、お前自身が言っているんだ。疑う必要がないだろ」
まあ、間違いなくウソだろうけど、こんな事はどうでもいい。
「比企谷。まずは席に着いたらどうだ。」
比企谷のために椅子を用意しようとしたら
「ダメよ岸波くん」
「え?なんで」
「そこの男の下心に満ちた下卑た目を見ていると身の危険感じるわ」
「いや、確かに目はアレだけど、別に危ない奴とは思わないけど?」
「そうだぞ雪ノ下。その男は目と根性が腐っているだけあってリスクリターンの計算と自己保身に関してはなかなかのものだ。彼の小悪党ぶりは信用してくれていい」
「なに一つ褒めてね…」
「…小悪党…なるほど…」
「なぜか凄くわかりやすく、的確に的を射てる感じの説明だな。平塚先生はやっぱりしっかり生徒を見てますね」
「なに、岸波これくらいは教師として当たり前だ」
「俺なしでここまで話が進んで二人共納得しちゃったよ…。俺は貶されてるだけだし」
そんなこんなで比企谷の入部が決まった。
「ようこそ、奉仕部へ。歓迎するわ」
平塚先生が出て行った後、部活当てクイズなるモノやり、比企谷は答えに辿り着けずに終わった。
「平塚先生曰く、優れた人間は憐れな者に救う義務がある、のだそうよ。頼まれた以上、責任は果たすわ。あなたの問題を矯正してあげる。感謝なさい」
まったく、雪ノ下さんは変わらないな。俺ならまだしも、君の事を知らない人間は…、
「こんのアマ……」
やっぱり…。
比企谷は言ってやるみたいな感じで説明を始める。
「…俺はな、自分で言うのもなんだが、そこそこ優秀だぞ?実力テスト文系コース国語学年三位!顔だっていいほうだ!友達がいないことと彼女がいないことを除けば基本高スペックなんだ!」
確かに、比企谷は慎二のプライドをへし折って、目を腐らせた感じではある。
あんまりいいとこない気が…。でも慎二も根はいい奴だった。比企谷も自分の身を挺して犬を助けたんだ。優しい人間だろう。
「最後に致命的な欠陥が聞こえた気がしたのだけど…」
その後『よだかの星』の話がなぜか入り、比企谷をバカにしている雪ノ下さんが、
「ごめんなさい。言い過ぎたわ。普通未満がというのが正しいわね」
「学年三位って聞こえなかったのかよ…」
「三位風情でいい気になっている時点で程度が低いわね。だいたい一科目の試験の点数ごときで、頭脳の明晰さを立証させようとしている時点ですでに低能ね」
「はん!知らん。お前が頭がいい事は知っているが、岸波よりは良いって自身はある」
マジかぁ。俺ってあんまり頭のいいイメージが無いかー。
「あなた。それを本気で言っているのならさらに低能よ」
「は?当たり前だろ。お前みたいに実力テストや定期テストで常に学年一位に鎮座する成績優秀者と違って、こんな見た目は少しかっこいいが特に特徴も無い奴には負けているとは思ってない」
かっこいいってこの世界で言ってくれたの桜だけだったから少し嬉しいかも。
「岸波くん。なにニヤツいているの。気持ち悪いわよ。」
「いや、妹以外にかっこいいて言われたのが始めてだったから、少し嬉しくて…」
「ほら、こんな間抜けっぽい奴に負けるとかはないだろ。どうせクラスで二位とかだろ」
「あら、よくわかったわね。少しあなたを見くびっていたわ」
「?急にどうした。そんな驚くことはねえだろ。で、岸波はどこのクラスで二位なんだ?」
「彼岸波白野くんは、私と同じ国際教養科二年J組の成績二位。つまい私の次に頭がいい学年二位ね」
「……………は?」
「全教科の合計点も私との差は一ケタ以内。大抵の科目の点数は私と同点よ」
「………………」
比企谷はバカにしていた俺の点数を雪ノ下さんから聞いて呆然としている。
「き、岸波こいつの言っている事は本当か?」
「雪ノ下さんはウソをつくのが苦手だし、俺が学年二位って言うのも間違いではないな。前は雪ノ下さんと同じ一位の時もあったけど、高校に入ってからは負け始めてね。それでも頑張って今の状態をキープしているんだよ」
部屋の中がなんとも言えない空気になってしまった。
「え、えーと、話を戻そうかって何の話だっけ?」
「そうね。小悪党君が変なことを言ったせいで部屋の空気が悪くなったわ」
「それって俺のことか!?」
「他に誰がいるの?」
「ぐぅ。確かに岸波とは言えん。むしろこいつは正義の味方って感じがする」
「ええ、あなたとは意見が合うのは非常に不本意だけど私もそう思うわ」
「正義の味方って…」
アーチャーじゃないんだから。
「そういえば岸波」
「なんだ?」
「お前こいつ…、雪ノ下と高校よりも前にいたのか?」
「ああ、いたよ。雪ノ下さんとあったのは小学四年生のときクラス替えで初めて出会った」
「幼馴染って奴か。へっ!高校まで同じクラスで一緒ですってどんなラノベだよ。付き合ってんのかこのリア充どもが」
「比企谷君。あなたは私と岸波くんの関係を勘違いしているようね」
「は?勘違い?その赤らめた頬でなにを言ってんだよ」
「いや、間違ってないぞ比企谷。恋人とかそんな甘い関係ではない」
「それじゃお前らの関係ってなんだよ」
それは勿論。
「「ライバル」よ」
「ら、ライバル?」
「そうだ。ライバルになった日は小四のクラス替えの後の学力テスト。俺が雪ノ下さんと同じ満点を取ったことが切っ掛けだ。俺は気にしてなかったが雪ノ下さんが自分と同じまたは上にいる人間は気に食わないから勝負をするってことになって、今に至る。まだ勝負は続いていて今でも勝負をしている」
「それで今までの結果が84勝84敗51引き分けね」
「どんだけやってんだよ!合計219回ってそしてうまいぐわいにいい勝負だな!そこまで来ると友情が目覚めそうだわ!」
「……うざ」
比企谷がなぜ熱くなったとき雪ノ下さんが「なんで生きてるの」という目をしている。
ガラッとドアが荒々しく開く音がした。
「雪ノ下と岸波。邪魔するぞ」と平塚先生が部屋に入ってきた。
「ノックを…」
「悪い悪い。気にせず続けてくれ。様子を見に寄っただけなのでな」
ウソだな。二人は気付いてたかはわからないが俺は廊下に平塚先生がずっといたことに気付いていた。
人特有の存在感という感じのモノだ。今さらだが俺はどこへむかっているんだろ。
「いたっ!いたたたたたっ!ギブッ!ギブギブッ!」
気が付くと比企谷が平塚先生に腕を捻られている。
あんたはゴルゴか!とか比企谷がツッコんでいるうちに話は進み。
「あなたのそれはただ逃げているだけ。変わらなければ前には進めないわ」
「逃げて何が悪い。変われ変われってアホの一つ覚えみたいに言いやがって。じゃあ、お前は、太陽にむかって『西日がきつくてみんな困っているから今日から東に沈みなさい』とか言うのか」
「詭弁だわ。論点をずらさないでちょうだい。太陽が動いているのではなく地球が動いているのよ。地動説も知らないの?」
「例えに決まってんだろ!詭弁っうーならお前のも詭弁だ。変わるってのは結局、現状から逃げてんだろうが。逃げてるのはどっちだよ。本当に逃げてないなら変わらないでそこで踏ん張んだよ。どうして今の自分や過去の自分を肯定してやれないんだよ」
「…それじゃあ悩みは解決しないし、誰も救われないじゃない」
凄いことになってんな。
「二人ともちょっといいかな?」
「「なに」」
「二人の話を聞いて俺からも意見だ。二人とも逃げが悪いみたいなことを言ってたな。比企谷は最初は逃げを肯定してたけど」
「そうだけど。それがどうした」
比企谷は俺に返答し、雪ノ下さんは黙っている。
「まずは、逃げは悪いことじゃない。むしろ大切なことだ」
「どうしてそう思うの?確か岸波君の座右の銘は『どんなときどんな状況でも諦めずに前に進む』よね。真逆じゃないかしらそれは」
「確かに俺の座右の銘は合っているが真逆ではないよ」
「「?」」
二人はわからないか。俺はムーンセルで何度も進むために逃げることをしたよくわかる。
「前に進むためには逃げることも大切なんだ。逃げなければ前に進めない状況もある。逃げていたから助かることもある。でも逃げたらその分を取り返さないといけないけどね」
「それと雪ノ下さん」
「なにかしら」
「人は変わらなくても前に進むことは出来る。俺がそうであるようにね」
「……」
「君ならわかってくれると思うけど、俺は君と出会ってからなに一つ変わらずに君に負けない様に努力をしてきた。今でも変わることなく君の上に行けるように頑張っている。才能の少ない俺が才能の塊である君に挑むために進んでいる」
「それと比企谷」
「…なんだ」
「人間は今の自分過去の自分を肯定しても変わっていくことはできると思う」
「……」
「確かに比企谷の言ったように変わることは自分への否定かもしれない。だけど肯定して変わることで前に進むことも出来ると思うんだ」
エリザベートがそうだったように、今までの多くの罪を知りそれを肯定して前に進んで行った。
まぁ今ではよく会っているけど。
「俺は君たちの考えは否定しなしバカにもしない、考えは人それぞれだ。だけど自分達の考えだけじゃなくて。他の考え方を探してみることもできると思うんだよ」
「これが俺の意見だ。どうかな?」
「「……」」
あれ?もしかしてやちゃった。地雷踏んじゃった。
俺は平塚先生の方をむくと平塚先生は微笑んでいる。
「やはり私の考えは間違ってなさそうだな」
「「「?」」」
「古来よりお互いの正義がぶつかったときは勝負で雌雄を決するのが少年マンガの習わしだ」
なにを言っているんだこの人は…。
ギルガメッシュってFate/シリーズでのキャラクターの変わり方が面白いですよね。
一番はCCCなのですが、カーニバル・ファンタズムのノリは結構好きです。
今さらですが、前書き後書きって何を書けばいいのでしょうか?
それではまた次回にお会いしましょう。