12/25 マグル界
今日はクリスマス。シノアだった時は、今日が誕生日だった。
そして、世界が破滅した日でもあった。
早朝、誰かが入ってきた気配で目が覚めた。
「⋯⋯⋯」
目はまだ瞑っておく。静かに私のベッドに近寄ってくる。
「⋯⋯ハッティー、起きてる?」
「⋯おはようございますダドリー。何時です?」
「4時半」
「早いですね」
「楽しみで目覚めちゃった。プレゼント開けよ」
「あはは」
ダドリーの部屋に私のプレゼントの包みを持って行って二人でプレゼントを開封していく。
私のプレゼントには、おじさんやおばさんのもの以外に魔法界から来たものもいくつかある。
ドラコ君からはかなり詳しめの薬草図鑑と魔法薬の本が送られてきた。持っていないものだったからかなり嬉しかった。私は筋トレグッズを送っておいた。
ハーマイオニーからはチーズ系の料理本と蛙チョコレートの箱だった。私は魔法で作ったヤグルマギクとブルースターを模した装飾を施した青いバレッタと、椿油を送った。
因みに魔法界のプレゼントは、深夜まで起きて梟を待って、包みを窓で受け取ってから寝た。
「なにそれ、蛙のチョコレート?」
「そうです。動きますよ」
「動く!?」
「食べます?」
「ありがと⋯⋯あ、ほんとに動いてる⋯⋯あ、逃げた!」
ダドリーがチョコと奮闘しているのを聞きながら、最後の小さな包みを開く。
中から、するりと銀色の美しい布が出てきた。
「⋯⋯⋯」
布を拾う。水を織物にしたような手触り⋯⋯透明マントだ。それも、かなり上等な。これがあればかなり有利になれる場面がたくさんあるだろう。こんなものを、いったい誰が。
カードが入っていた。それを、読む。
(⋯⋯あのジジイの字だな)
(⋯⋯ねえヴォル)
(なんだ)
(あなたが襲撃したときに、私の両親のどちらかはこれを使用してましたっけ?)
(⋯⋯いや)
(⋯⋯父さんは時間稼ぎのため⋯⋯というか無防備にあなたの前に飛び出していってもう引き返せなかったからまだいいとして、自宅に侵入した敵から逃れようとするときに、母さんがこれを使わないのっておかしくないですか。こんなものがあるなら普通使いますよね?)
(⋯⋯ハロウィンより前に、透明マントはダンブルドアの手に渡っていたと?)
(⋯⋯⋯ダンブルドア、ポッター家を守るつもり、あったんですかね?
まさか、あなたが襲撃して、私が生き残っているこの状況は――――)
「ハッティー?」
「⋯⋯え?」
「どうしたんだ?なんかピリッとしてたけど⋯⋯その布なに?」
「いえいえ、何でもないですよ。あ、これですか?これはですねえ、かくれんぼにおけるさいっこうのお友達です!ちょっと被りますか?」
「⋯⋯うわなにこれすっげえ!透明だ!」
おまけ
休暇中 魔法界のどこかで
「やあ、こんにちは」
―――――――――――――――。
「⋯⋯ねえ、気付いてる?」
⋯⋯⋯【 】
「私かい?私は四鎌童子だよ。⋯⋯そういうことじゃない?でも、これ以外に何を答えるの?⋯⋯少なくとも、君の言っている者ではないな」
【 】
「おおっと、君元気だね。でも何で襲って来るの?⋯⋯その資格も無いのにこの場所に入って自分を起こしたから?酷いなあ。こんな暗いところで引きこもり生活を続けている根暗ちゃんを外に連れ出してあげようとしてるだけなのに⋯⋯」
【 】
「ははは。不思議かい?私はずっと死ねないんだ。何をやっても死ねなくてさ。もし君が私を殺せるというなら、ぜひそうして欲しい。まあ君には無理だけど⋯⋯⋯」
【 】
「馬鹿にするな?してないよ。ただの事実だ。
――さて、そろそろおとなしくしてもらおうか⋯⋯⋯」