ぐらんぶるに彼女持ちのリア充をぶち込んだら、どうなるか考えてみた   作:はないちもんめ

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こんな駄文に感想があったから続きを書きました。
続いたことに作者がビックリです。


2 彼女がいるのに合コンに行くなんておかしいだろ!

響孝二は後悔していた。

 

何故ここにいることになったのか、心底分からなかった。

 

抵抗はした。抗った。だが全ては無駄だった。

 

こうなったら結果は変わらない。だとしたら、嘆いていても意味がない。

 

だとしたら、最善を目指すべきだ。より良い未来を選ぶべきなのだ。誰も幸せになれない結末を避けるために。

 

「おい、響。合コンなのに、何て格好してんだよ」

 

「全くだぜ。このままじゃ、俺たちもダサイ奴等に見えちまうだろうが」

 

そう。彼女がいるのに合コンなどに来てしまった男として、この合コンをハッピーエンドにするために。

 

~回想開始~

「おい、埋める場所は見つかったか?」

 

「問題ない。校舎裏のあの場所なら誰も来ない。犬に掘り起こされないか心配だが…こんなゴミどもを食べる生物などいないだろ」

 

「流石だぜ、響!」

 

「ああ!流石は北原を殺し隊のリーダーだ!」

 

「ふっ。そんなに誉めてくれるな」

 

「孝二キサマァ!!!」

 

「響!俺たちを裏切ったか!!」

 

「お前らに来世というチャンスを与えてやるんだ。感謝しろ」

 

「余計なお世話だ、馬鹿野郎!」

 

ふはははは。まさか、こんなに早く目障りなクズを殺せる日が来ようとは。

 

話は学園祭にまで遡る。学園祭での古手川の発言がきっかけで、古手川の彼氏認定された伊織は嫉妬に狂った童貞軍団に殺意を向けられる対象になった。

 

しかし、そこはドクズの伊織。何の関係もないはずの耕平を梓さんの彼氏呼ばわりし、被害者同盟を作り上げた。

 

もしかしたら、殺される対象を増やすことで自分が助かる道を広げたのかもしれないが甘い。考えが浅はか過ぎる。

 

対象が広がったのなら二人とも殺せば良いだけのこと。

 

学園祭という学生の貴重な思い出に、かなと二人で遊ぶどころか、汚い一物をぶら下げた露出狂共と酒を飲んでいた記憶だけを植え付けた伊織は極刑に値する。

 

別に伊織が酒を呑ませた訳ではないが、そんなものは関係ない。奴だけは許すことができない。

 

俺はスッと手を挙げる準備をする。飢えた野犬(クラスメイト)に餌(伊織と耕平)を食べる(殺す)合図をするためだ。

 

「さてと…準備はできてるか、お前ら」

 

「おうよ」

 

「決まってるじゃねぇか」

 

ニタァと笑いながら金属バットやスコップを力強く握り、準備万端であることをアピールする殺人集団。

 

頼もしい限りだ。これが自分に向けられたら怖いじゃすまないだろうが、他人に向けられるなら、これほど心強いものはない。

 

「愚問だったな。よし、今から」

 

「待て待て待て!落ち着け、響!早まるな!」

 

「安心しろ、耕平。話ならお前らが埋められた後、たっぷり聞いてやる」

 

「誰から話を聞くつもりだ!?皆、孝二に騙されるな!実は、こいつにも彼女がいるんだぞ!」

 

「「ナニィ!?」」

 

伊織の言葉に、二人に向けられていた殺気が俺のところに集まる。

 

とてつもない威圧感だが、対策を考えてある俺にとっては怖くも何ともない。

 

考えが足りないんだよ、伊織。一度、耕平に使った手が再び俺に通じるとでも思ったか。

 

「ほう、それは一体誰なんだ?」

 

「そ、それはだな…」

 

「言えないんだな。まあ、当然だ。俺には彼女など居ないのだからな」

 

クックック。伊織に女の知り合いなどほとんどいないのは把握済みよ。

 

伊織の女の知り合いは三人だけ。梓さんは耕平の彼女扱いにしてしまったし、古手川は伊織と付き合ってることになっている。残るは奈々華さんだが、もし奈々華さんと俺が付き合っていることにした場合、反撃として俺から伊織が奈々華さんと一緒に暮らしていることがブーメランとして飛んでくる。

 

そうなれば伊織は余計に悲惨な死に方をすることになる。だからこそ、伊織は具体的な女の名前を出すことができない。

 

「何だ嘘かよ」

 

「まあ、俺には分かっていたがな」

 

「そもそも、こんなクズに彼女がいるわけないだろ」

 

「ああ。北原に匹敵するクズっぷりだぞ、こいつは」

 

「よし、てめえら全員表出ろ」

 

冤罪も良いところだった。こんなに優しい俺を伊織と同等のクズ呼ばわりするとは。

 

やはり、DTを長くやっていると目が悪くなるのだろう。これは矯正してやらねばなるまい。

 

だが、俺たちがそんな話をしていると山本が入り込んできた。

 

「おいおい、お前ら目的を忘れるな」

 

呆れたように言う山本に対して当然のように俺たちは返事をする。忘れるわけがない。この学校に入学して以来の俺の悲願を。

 

「何言ってんだ、忘れるわけねーだろ」

 

「ああ、もちろんだ。今の話は全て」

 

「「「こいつら(伊織と耕平)を埋めてからの話だ」」」

 

「「ちょ、ちょっと待て!」」

 

話が自分達に戻ってきて、本格的に命を危険を悟った伊織と耕平は焦ったように声をあげる。

 

もう遅いんだよ。手遅れだ。

 

「分かった、分かった」

 

「話なら後で聞いてやるから」

 

「とりあえず、校舎裏で話をしようぜ」

 

「絶対に話をする気がないだろ!」

 

「ていうか、北原はともかく俺は誤解だ!響!お前なら知ってるだろ!」

 

「分かってる、分かってる。お前が梓さんと一緒の部屋で寝たことは黙っててやるよ」

 

「よーし、纏めて埋めるぞー」

 

「この腐れ外道がぁ!!!」

 

くくく。疑わしきは罰せよ。悪いなぁ、耕平。俺の幸福の犠牲となってくれ。

 

だが伊織はこの状況でも諦めていないのか、最後の抵抗と言わんばかりに声を発する。

 

「お、俺たちを殺すと後悔するぞ」

 

「そ、その通りだ」

 

「ほほーう?」

 

「命乞いか?」

 

直感的に嫌な予感がした。不味い。こいつらに、これ以上喋らせてはならない。

 

「「ご」」

 

「おい、こいつらに喋らせるな!今すぐ轡をして」

 

「「合コン組んでやるよ!!」」

 

「「「「今日から俺たち親友だ!」」」」

 

ちい!こんな手段で死から逃れるとは!

 

俺は思わず舌打ちをする。

 

こうなっては俺が殺そうと言った所でこのDT軍団は動かない。

 

伊織と耕平に合コンを開く手段があるかは知らんが、合コンという果実しか見えなくなったこいつらにそんなことは考えられないだろうし。

 

俺はため息を吐きながら、その場を去ろうとする。仕方ない。また、機会はあるだろう。

 

「そんじゃ、誰が行くか」

 

「まあ、響は確定にしてやらねぇとな」

 

「そうだな」

 

「エ?」

 

思わず足が止まる。不吉な単語を聞いた気がした。

 

そんな俺の心情に気づくはずもなく、近くにいた山本は俺の肩に手を回す。

 

「なーに、気にすんな!当然だろ?」

 

これまた近くにいた御手洗も逆方向方向から手を回す。

 

「だな!お前が一番あいつらを殺すことに貢献したんだ。それぐらいはしてやらねぇとな」

 

何なのこいつら。普段は糞なのに、何でこのことに限って紳士的なの?

 

行けるわけねぇだろ、バカが!んなことしたら、かなに殺されるだろうが!

 

「い、いやあ、俺はちょっと」

 

「何だよ、遠慮すんなよ」

 

「だな!」

 

誰も遠慮なんかしてねーよ。本心だよ。

 

「行きたいのに無理すんなよ!行きたくない理由でもあんのか?」

 

「まさか、響くん」

 

両肩に置かれた手の握力が尋常ではなく強くなる。周囲の俺に対する感謝の気持ちが殺気へと変わっていく。

 

「「「彼女がいるから、行けないとかじゃないよねぇ!?」」」

 

「ハッハー!ソンナワケナイジャナイカ!さあ、行くぞ野郎共!いざ、行かん決戦の地へ!今こそ、男を見せる時だ!」

 

「「「おおー!」」」

 

 

~回想終了~

 

はい!無理!あんなの行く以外の選択肢があるわけねぇだろ!

 

内心でため息を吐きながらテンションが上がりまくっている童貞と何か緊張している童貞を見つめる。あれ?違いが分からない?

 

「よし、行くぞ!戦いの舞台へ」

 

俺が考えに耽っていると他のやつらは行く準備を整えていた。

 

こうなっては仕方ない。別に浮気をするわけじゃないし、かなにバレるわけもないだろ。

 

俺は嫌な予感を拭い切れずに皆の後に着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…飯田かな子です」

 

「…響孝二です」

 

………

 

 

 

 

何でお前(かな)がいるんだよーーーーーー!!

 




続くかは未定です。いや本当に!

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