ぐらんぶるに彼女持ちのリア充をぶち込んだら、どうなるか考えてみた 作:はないちもんめ
雲一つない快晴。
ここまで良い天気なのは、それほどない。
まさに、絶好の運動日和だ。
普段、そこまで運動しない人たちも今日ばかりは外に飛び出すだろう。
大学生の運動サークルなら、尚更だ。
(一応)ダイビングサークルである、孝二達のサークルも例に漏れず外に飛び出した。
そう、こんな良い天気の日には
「こんな良い天気に恵まれたことに…カンパーイ!!」
「孝二がボロボロだが、生きてたことに…
カンパーイ!!」
「何でも良いからカンパーイ!」
「いや、あんたたち呑みたいだけだろ」
酒盛りである。いや、ダイビングしろよ。
孝二は相変わらずの先輩達と伊織と耕平にため息をはく。
ねぇ、もうちょっと構っても良いんじゃない?
おかしいよね?何でこんなにボロボロだと思う?もうちょっと仲間に関心を持っても良いんじゃない?
まあ、関心持たれても、この場じゃ一人を除いて怪我の理由なんて話せないから良いんだけども!
それはそれとして…
「ぶわーっはっはっはーー!!!」
「いや、あんたは笑い過ぎです梓さん」
孝二は青筋を浮かべながら自分を見て爆笑している梓さんに答える。
この先輩、最初は孝二の怪我を心配していたのだが、理由を知ると机を叩いて爆笑している。
許せないと思った。
「いやあ、ごめん、ごめん」
笑いすぎて出た涙を拭き取りながら、梓は続ける。
「合コン行くって言ってたけど、まさか、そんなことになるとはねぇ。私もその場にいたかったわ」
「絶対に余計なことしか言わないんで止めてください」
あんなカオスの場にこの人がいたら、より地獄を見る羽目になる気しかしない。
その言葉で梓は笑顔になる。
「言わないよ。可愛い後輩のためだもの。精々、胸掴まれた話をするくらいかな」
「いや、本当あの時はすいませんでした!マジで死んじゃうんでこれ以上は勘弁してください!」
孝二は全力の土下座をした。最近、土下座をしてばかりのような気もするが気にしてはいけない。
それを見て、梓はカラカラと笑いながら言う。
「大丈夫、大丈夫。冗談よ、冗談。可愛い後輩をそんなに簡単に売らないわよ」
「…「そんなに簡単に」の所に悪意を感じるのですが、気のせいですかねぇ」
「孝二。私は女の子の味方なのよ」
やだ、この先輩格好良い!俺が、女だったら迷わず惚れてしまうのは不可避である。
しかも加えて、この先輩とんでもなく美人で色気もたっぷりあるので、男だって迷わず惚れてしまうのは不可避である。
何だ、この先輩無敵じゃないか。
漫画の主人公なら男も女も夢中にさせる最強のハーレムを作り上げるだろう。俺だって、かなが居なかったら危うく惚れる所だった。あ、嘘、冗談だよ、かな!だから、無言でトンカチを振り上げるのは止めて!
ちなみに今更だが、梓さんは、サークル内で孝二が彼女持ちであることを知っている唯一の存在である。
何で知ってるのかと言えば、本人曰く「女の匂いがした」らしい。この先輩、何処まで凄いんだろうか。
なお、孝二が、それを聞いて青くなった後、全力の土下座で梓さんに、この事は黙ってくれるように頼んだのは言うまでもない。
「あら、孝二君、こんにちはっ…て、その怪我大丈夫?」
「大丈夫じゃないんです。でも今なら、奈々華さんが膝枕でもしてくれたら大丈夫になる気がします」
「孝二。あの子の電話番号って何番だっけ?」
「大丈夫ですよ、奈々華さん。俺だって男ですから。これぐらいの怪我ならへっちゃらですよ!」
そう良かったと言って、ホッと笑ってくれるのはサークルOGであり、このサークルの良心である奈々華さんである。
一応救急箱を持ってくるわねと言って、奥の方へと戻る。良い人や…何て良い人なんや!本当にアレさえなければ、完璧な美人なのに、どうしてアアなんだろう。
孝二はこの世の理不尽に思わず遠くを見てしまう。
「奈々華は相変わらず優しいねぇ」
「そうですねぇ」
「思わず惚れちゃいそうじゃない?」
「俺は報われない恋はしないんです」
どんなにあの人を好きになっても、絶対にあの人の中では二番目にしかならないのだ。
「相手がいる奴はドライだねぇ。奪い取らないの?」
「勝ち目があるとでも?」
「負け戦にこそ、美学があるんだよ」
「絶対振られるんですね。分かりました」
梓さんとの不毛のやり取りに、ため息が零れる。世の男も可哀想に…
「ところで、ちーちゃん遅くない?」
「さっき会った時、少し遅れるって言ってましたよ」
瞬間孝二は殺気を感じた。本能が全力で危険を訴える。
訳も分からず本能のままに、孝二は頭上に手を構える。そこに狙っていたかのように救急箱が降り下ろされる。
後少しでも、防御が遅ければ頭に救急箱が直撃していた事実に孝二は冷や汗をかく。
「ねぇ…何で千紗ちゃんが私じゃなくて、孝二君に遅れるって連絡したのかな?かな?」
「落ち着きましょう奈々華さん!偶然です!偶然、帰り際に会ったから古手川も言っただけです!」
奈々華さんの最大の欠点であるシスコンが発動した。本当にこれさえ無ければ完璧な美人なのに…!!
「奈々華は妹想いだねぇ」
「変な感動してないで、このシスコン止めてください梓さん!俺、怪我人なんですよ!?見てください、血が!血がまた滲んできてますよ!」
「誰がシスコンなの?え?そんな人いる?」
「自覚してないよ、この人!末期のシスコンなのに、自分でその事実を認めようとしてないよ、この人!」
「私はシスコン何かじゃないよ。ただ…私から千紗ちゃんを奪う人を悪・即・斬するだけだよ?」
「だけだよ?じゃないでしょうが!まずは、自分の考えが異常なことに気付け、このシスコンがあ!!」
そんな二人の様子を側で見ていた梓さんは、酒を飲みながら笑顔になる。
「平和だねぇ」
「どこがですか!?」
とりあえずはここまでです!
続きは書くかもですが…例によって、期待しないでください笑