家長カナをバトルヒロインにしたい   作:SAMUSAMU

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やはりというか、一度躓くと中々更新が出来ないでいる。
けど少しずつ書いてはいますので、今後とも本小説をよろしくお願いします。

『ぬらりひょんの孫〜陰〜』第三回の感想。
まさかこの令和の時代に……新しい鬼纏が見られるとは。連載当時でも未登場だった、首無との鬼纏『黄菊 蜘蛛之網』。この設定、出来ることならこちらの小説でも活かしてみたいですね。
次回でぬら孫の短期集中連載も終わり。第四回は誰の話なのか。ぬら孫という作品自体に……何か新たな展開があるのか。
アニメ化発表とか来たら嬉しいですけど、果たして……。


第百九幕  忍び寄る魔の手

AM 1:40

 

 

 

 山ン本の腕・鏡斎が自滅して四十分ほどの時間が経過していたが——渋谷の『地獄絵図』は未だその存在を保っていた。

 

『ぐるるる……』

『ぐるるぅうう……』

 

 犬のような唸り声を上げながら、恐竜のような化け物が街を徘徊している。鼻をスンスンと鳴らしながら、生き残った人間たちを探し回り、その歯牙に掛けようと追い詰める。

 

「ひぃっ……!」

「きゃあああああ!?」

 

 そうして、怪物に発見された人間たちの表情が絶望に染まっていく。

 たとえどんなところに隠れようと無駄だ。彼らは既に亡き鏡斎の命令通り、人間を殺すためだけに存在する『モノ』に過ぎない。

 

『——グワアアアアアアア!!』

 

 逃走も命乞いも意味はなく。ただただ人間と見れば殺戮するだけの装置と成り果てていた。

 

 

「——待ちやがれ!!」

 

 

 だからこそ、そんなただの殺人装置に彼らは——奴良組は一切容赦などしない。

 

 

「おらぁああ!!」

「ふっ!!」

 

 奴良組・特攻隊長の青田坊が拳を振りかぶり、鎌鼬のイタクが鎌を振り下ろす。今まさに人間へ襲い掛かろうとした敵妖怪へと、二人の攻撃が同時に叩き込まれる。

 

『ゲフォッ!?』

「今回は俺がやったぜ……」

 

 敵の断末魔を聞き届けながら、手応えを感じたイタクが勝ち誇ったように呟く。こんなときでも負けん気が先に立ってしまうのは、遠野妖怪としてのプライドだろう。

 

「いや、あめぇな……」

「ちっ……」

 

 しかし、負けず嫌いは青田坊も同じ。彼は敵から抉り取った小さな心臓部をイタクに見せつける。

 絵から生まれた心なき怪物といえども、急所の部分は並の生物と変わらないようだ。その急所を抉り取った青田坊こそが、実質的にトドメを刺したと言ってもいいだろう。

 その事実を認めたからこそ、イタクも少し悔しそうに舌打ちしている。

 

 

「——おるぁあああああ!! 青田坊、この地で千四百匹目ぇえええ!! 人間たちよ!! 俺たちゃ奴良組だ!! 決してテメェらを殺したりしねぇ、覚えとけ!!」

 

 

 すると青田坊は拳を突き上げながら、妖怪を討ち取った事実を大声で宣言する。

 周辺に隠れている人間たちにもう危険はないと、自分たち奴良組が彼らの敵ではない——つまりは、奴良リクオが人々の敵ではないことを、彼なりに伝えようとしてのことだろう。

 

「ヒィッ!?」

「…………」

「…………」

 

 もっとも彼のような大男が叫べば、人間たちが怯えるのが道理というもの。リクオの身の潔白を証明するどころか、かえって妖怪の恐ろしさを喧伝しているような気がする。

 

「だから名乗んなって……逆効果だろ。ほら、出てこい……もう大丈夫だからよ」

 

 そんな青田坊の本末転倒な行動にフォローを入れる形で、イタクは隠れていた人間たちへぶっきらぼうながらも声を掛けていく。

 

「ヒッ……」

「あ、ありがとう……」

 

 イタク相手にも人間は怯えた表情を浮かべてはいたが、青田坊よりは幾分マシだと思ったのだろう。素直にお礼を口にしながら、外へと出てくる人間たち。

 

「はいはーい!! こっちの道は安全ですよ!!」

 

 そうして生き残った人々に、今度はつららが声を掛けていく。

 

「すぐ渋谷から出られますよ! 助かりたい人は、このつららロードを通ってね!!」

 

 雪女である彼女が作り出す、氷のトンネル——『つららロード』。

 既に敵を排除したところを通路にしているため、そこからなら力のない人間たちでも無事に渋谷から脱出できる筈だ。

 

「わっ……」

「滑る……」

 

 ただ足元もカチコチに凍っているため、気を抜けばツルッと転んで怪我をしかねない。

 

「贅沢言わない! 帰っていい子にしてるのよ!!」

 

 しかしそれくらいは我慢しろと、つららはさっさと氷のトンネルを潜っていくように人間たちを急かしていく。

 多少の怪我に目を瞑ってでも、今は一刻も早くこの地より脱出することが先刻なのだ。

 

 

 

「何……!? あの人たち……私らを助けるために来たの?」

「レスキュー隊……?」

 

 そうして、無事につららロードを通って渋谷から脱出した人々が次々と疑問を口にしていく。

 訳も分からぬまま、妖怪なるものに襲われたと思えば——今度はその妖怪に命を助けられた。一体何が起きているのか。夢中で逃げ惑っていた彼らには、何が何やらさっぱりだろう。

 

「いや……妖怪と妖怪が戦ってんだって……さっきネットの掲示板で……」

 

 すると、渋谷を脱出したことで心身共に余裕が生まれた人間たちが、ここでネットの情報を検索する。

 SNSなどは、相も変わらず『リクオを殺せ』やら『リクオが死ねば俺たちは救われる』など。悪意のある書き込みで溢れていた。

 

 だがそんな中でも、悪意とは別に確かな情報を事実として淡々と書き込んでいる人間が一定数は存在していた。

 

 曰く——妖怪同士が戦っていると。

 曰く——人間を殺そうとする妖怪と、人間を助けようとしている妖怪に分かれていると。

 曰く——この騒ぎの元凶と思われていた妖怪の主・奴良リクオが人々を守ろうとしていると。

 

 奴良リクオが敵ではない。

 彼が善意を持って、人々を救っていると主張するものが——彼の活躍を動画付きで公開していたのだ。

 

 

 

「——島くん! ちゃんと僕の上げた動画を見てるかい!?」

 

 そう、この男——清十字清継がアップした動画である。

 青田坊に渋谷まで連れてきてもらっていた彼が、今こそ闇の主の——奴良リクオの真の姿を人々に伝えようと奮闘した結果。

 

 彼の活躍する動画を編集——いや、ありのままの映像をそのまま世に晒したのである。

 

『なんですか……? あの腐ってる人は?』

 

 しかし、その動画を拡散するように指示を受けた清継の腰巾着こと、サッカー遠征で東京を離れている島二郎はその動画内容に困惑していた。

 それは一見すると誰だか分からない。全身が腐りかけている『何者』かが、魑魅魍魎の群れを相手に必死に刀を振り回している光景にしか見えなかっただろう。

 

「バカッ!! あれが『彼』なんだよ!! まあ、僕も最初は分からなかったな……けど感じたんだ!」

 

 だが清継には確信があった。理屈ではない、それを『見る』ことで分かる筈だと。

『彼』が人間の敵ではない。自分たちを救うために命懸けで戦ってくれていると。その奮闘ぶりにきっと皆も目を覚ます筈だと。

 

「見れば分かる筈なんだ……! 島くん、もっとみんなにこの動画を拡散してくれ!!」

 

 そう信じているからこそ、下手に動画を弄ることなくそのままの映像を世に出した。

 そんな清継の期待に応えるかのよう——。

 

 

 

「——鏡斎。死んでもなお、しつこい奴だぜ……」

 

 奴良リクオは、今この瞬間も全力で目の前の敵と相対する。

 

『グルルル……グルアアアアアアア!!』

 

 リクオの真正面には、鏡斎の残した置き土産——『地獄絵図』の一部として、人々を苦しめていた妖怪たちが立ちはだかっている。

 リクオも『九相図』で受けたダメージを引きずっているだろう。かなり満身創痍な状態だ。

 

「けど……これでお前の地獄はお終いだ!!」

 

 しかし、それもこれで最後だと。リクオの握る両手の刀にも力が入る。

 

 既に渋谷を埋め尽くしていた妖怪の群れは、つららやイタク。駆け付けてくれた青田坊の活躍によってそのほとんどが排除されていた。

 鏡斎の歪んだ欲望によって、人間から妖怪にされていた若い娘たちも、畏だけを断つリクオやイタク、青田坊の力加減によって一人残らず救出されている。

 

 あとは最後の数匹。リクオの眼前に群れている連中を叩き潰せば、それで終わりだと。

 

 

「——はぁああああ!!」

 

 

 気合一閃、目にも止まらぬ速度にて振り下ろされる——リクオの斬撃。

 

 

『——ぐぎゃあああああああああ!!?』

 

 

 最後の最後まで人間たちを殺さんと蠢いた怪物どもが、その一閃にて全て薙ぎ払われる

 

 

「——渋谷……脱出だ!!」

 

 

 戦いそのものが終わったわけではないが、苦しそうなリクオの顔にも自然と笑みが浮かぶ。

 これで今度こそ、渋谷の敵は全ていなくなった。

 

 

 鏡斎の残した『地獄絵図』から——真の意味で脱出できた瞬間であった。

 

 

 

AM 1:50

 

 

 

「や……やりましたね、リクオ様!」

「おう……ちょっと時間くっちまったけどな……」

 

 ようやく、渋谷から百物語組の妖怪たちを一掃出来たことで、一息つくリクオたち。つららも主人へと駆け寄り、その苦労を労っていく。

 

「しばらくお休みになった方が……その体では……」

 

 つららはリクオのダメージ、腐りかけていた肉体のことも考えて彼に休むように進言する。

 これはつららが過保護だからというわけではない。今のリクオの状態を見れば、それが誰であれその身を心配し、少しでも休むことを勧めただろう。

 

「いや、そうも言ってらんねぇよ……」

 

 だが、そんなつららの言葉をリクオはやんわりと拒否した。自分でもそれなりに酷い怪我だと思ったが、ここで立ち止まっている暇はない。

 渋谷という最大の山場こそ乗り越えたかもしれないが、ここ以外の場所でも百物語は刺客を送り込み、人間たちを襲っている。

 

 リクオの仲間たちも、彼の命令を受けて戦いを続けているだろう。

 自分一人だけが、こんなところで足を止めているわけにはいかないのだと。

 

 

 

「…………」

 

 だが、その戦っている筈の仲間たち。その内の一人が物陰からリクオを見ていた。

 

「……ん?」

「毛倡妓……!?」

 

 そこにいたのが何者なのか、イタクや青田坊もすぐに気付く。

 彼女はリクオの百鬼夜行の一人——毛倡妓であった。他の仲間たち同様に他所で戦っている筈の彼女が、どうしてこんなところにいるのだろう。

 青田坊のようにリクオの加勢に来たのか。それにしては少々様子がおかしい。

 

 

「た、助けて下さい……総大将様!!」

 

 

 すると、彼女は顔面蒼白でリクオに助けを求めた。縋るように彼の元へと駆けつけてくる。

 

「ど……どうした、毛倡妓!?」

 

 そのらしくない姿に困惑しながらも、切羽詰まった彼女の表情にリクオも何事かと質問せざるを得なかった。

 気丈な女である毛倡妓を、いったい何がここまで追い詰めているのだろう。

 

「あたしの追っていた幹部が向こうの街でも……人間を襲って……手がつけられなくって……!!」

 

 毛倡妓は自身の追っていた敵——幹部とやらが、人間を襲っているという事実をリクオに明かした。

 自分一人ではどうにも出来ないと、今すぐにでもリクオに来て欲しいということだ。

 

「何……本当か!? すぐに行かねぇと……」

 

 百物語組の、それも幹部が人間を襲っているという話にすぐさまリクオが反応する。

 彼は毛倡妓にそれがどこなのか。すぐにでもその場所の詳細を聞き出そうと、駆け寄ってくる彼女を迎え入れる。

 

「…………」

 

 だが、毛倡妓がリクオの問い掛けに答えることはなく。彼女は——懐に短刀を忍ばせていた。

 そのまま、誰にも勘付かれることなく。リクオの懐まで近づいていき、そして——。

 

 

「——アグァ……? ギャアアアアアアア!!」

「——!!?」 

 

 

 刹那、その毛倡妓に『何か』が襲い掛かる。

 それは、『黒い水』で形成された——巨大な狼。猛毒の水が瞬く間に毛倡妓の身を蝕み、彼女を苦しみ悶えさせていく。

 

「け、毛倡妓ぉおお!!」

「何すんのよ、いきなり!?」

「あいつは……」

 

 仲間である毛倡妓の朽ちていく姿に、青田坊などが彼女の名を必死に叫ぶ。

 一方で、それが何者の仕業なのかを理解し、つららやイタクがその人物への警戒心や怒りを露わにしていく。

 

 

「——何って……陰陽師は基本、妖怪退治だろうが……」

 

 

 その黒い水——式神・狂言を操っていたのは陰陽師・花開院竜ニであった。

 いつ京都から東京に来ていたのか。彼は全く悪びれた様子もなく、さも当然のように毛倡妓を滅した。

 

 現在、奴良組と花開院家は『打倒晴明』のため、共闘関係を築いていた筈だ。

 竜二が個人的には妖怪を『黒』と断じ、敵視していることは奴良組の面々も知ってはいるが、だからといって、こうもあからさまに奴良組の仲間に危害を加えるなど。

 これは明確な敵対行為だ。事と次第によっては、花開院家との共闘を破棄しなければならない事態だっただろう。

 

 

「て、テメェ……!!」

「け、けじょ……!?」

 

 青田坊が即座に戦闘体制へと身構えていく。つららも慌てて毛倡妓の容体を診ようと、彼女へと駆け寄っていく。

 

「な、なによ……コイツ……に、偽物!?」

 

 ところが、倒れた毛倡妓をよくよく見れば——彼女は『毛倡妓』ではなかった。

 そこにいたのは『毛倡妓の皮を被った何者』か。奴良組では見たこともない、おそらくは百物語組の妖怪だろう。

 

 きっと毛倡妓のふりをして、奴良リクオに近づこうとしたのだろう。

 あのまま何もしなければ、リクオの身が危険に晒されていたかもしれない。

 

 

 

「竜ニ……」

 

 思わぬ形で助けられたことに、リクオは竜二に声を掛ける。

 咄嗟のことで礼の言葉が出てこないが、竜二の方もきっとリクオからの感謝など求めてはいない。

 

「ここに来る道すがら……何人かの毛倡妓を滅したよ……」

「なに……?」

 

 案の定、竜ニは礼など不要と言わんばかりに、これまでの道中のことを淡々と語っていく。

 

「こいつの能力なんだろう。俺たちを撒いて……なんとかお前に近づこうとしたようだ」

 

 

 竜二はこの妖怪——正確には、こいつに『面の皮』を被せた妖怪を追っていたという。

 おそらくは敵幹部の一人だろう。偶々人気のない公園で倒れていた本物の毛倡妓を見つけたところから、その存在を追うことにしたという。

 ちなみに、その際に毛倡妓に応急処置を施したのは竜二だ。同盟相手の顔見知りだったため、一応は手当をしておいた。

 

 しかし、竜二が何度も何度も敵に追いついたところで、相手はその進路上に偽物の毛倡妓を配置して彼を撹乱した。

 ようやく追いついたと思ったら、いつの間にか奴良リクオの目の前まで来ていたということだ。

 

 

「すまねぇな……」

 

 意外なことに、竜二はリクオへの謝罪を口にしていた。偽物といえども、毛倡妓の姿をしたものを目の前で葬ったのだ。あまり気分のいいものじゃないだろう。

 竜二なりに、正体を暴露された今のリクオの心情などを考慮し、気を遣っているのかもしれない。

 

「別に……」

 

 だが、リクオは気にするなと言わんばかりに——。

 

 

「——任された敵が人間襲ってんのを放って逃げてくるような奴なら、どの道俺が滅してるさ」

 

 

 もしも、今のが本物の毛倡妓だったとしても——場合によっては容赦なく叩っ斬っていたかもしれないようなことを口にする。

 それは先ほどの彼女の行動が、リクオが三代目を襲名する際に宣言した——『仁義』に反する行為だったからだ。

 

 どんなときでも、妖怪としての『畏』を失わない。そういう妖怪であれという、リクオの仁義。

 その仁義に反するような情けない真似をするのであれば、たとえ側近であろうと本当に容赦はしなかっただろう。

 

「————————」

 

 リクオのその台詞には、流石の竜二も思わず言葉を失う。

 彼が灰色の存在——半妖であることも、人間に対してどこか甘いことも知ってはいたが、まさかそこまでの覚悟を胸に秘めていたとは。

 

 少しだけ、竜二の中で奴良リクオという『人物』の見方が変わったかもしれない。

 

「何しに来た……」

 

 しかし、竜二の内心の変化などに気付いた様子はなく、リクオは単刀直入に彼が東京にいる理由を尋ねる。

 この騒ぎを聞きつけて助けに来た。そう考えるにしては、流石に駆け付けてくるのが早すぎる。

 察するに別件でわざわざ東京まで来たところ、タイミング悪くこの騒動に巻き込まれてしまったといったところだろう。

 

「お前に、ちょっと伝えないといけないことがあってな……」

「!!」

 

 事実、竜二はリクオに『伝えなければならないこと』があると要件を口にしかける。

 しかし今は状況が状況だ。少なくともこの騒動が解決しない限り、竜二がその件についてリクオに話すことはなかっただろう。

 

 ところが——。

 

「それから……あの娘、名前を何といったか? 神通力を使うあの女……」

「!? カナ……あいつに、いったい何の用だ!?」

 

 竜二はリクオだけではなく、彼の幼馴染である家長カナにも用事があるというのだ。その発言にリクオも黙っているわけにはいかず、それがどのような要件か詳しく尋ねていた。

 

「ああ……ゆらに頼まれてな。様子を見るように言われてたんだが……」

 

 どうやら竜二がというより、彼の妹である花開院ゆらがカナのことを気にかけているらしい。

 リクオに会いに行くついでに、カナの様子を見て来てほしいという。それだけ聞くなら何てこともない要件だ。

 

「だが……」

「……?」

 

 そこで竜二は言葉を濁す。

 彼にしては珍しくどこか気まずげに、視線をあらぬ方向へと逸らしている。

 

 そんな竜二の視線に釣られる形で、リクオもそちらの方へと目を向けた。

 

 

 

「おおーい!! そいつか!! 毛倡妓の皮を被ってやがったのは!?」

「納豆小僧!?」

 

 そのとき、リクオたちの元に納豆小僧を始めとした小妖怪が駆けつけてきた。小鬼や豆腐小僧たちを含めた賑やかな面子が、リクオの危機に我も我もと加勢しに来てくれたのだろう。

 

「リクオ大将!! こいつぁー、逃走中の大悪党でさぁ!!」

「中華街の彭侯も、変装妖怪に殺されたんだ!!」

 

 彼らは毛倡妓に変装した妖怪が、自分たち奴良組に及ぼした被害についてお怒りであった。どうやら多くの妖怪たちが変装した偽物の闇討ち、暗殺によって殺されてしまったらしい。

 奴良組系列の幹部・彭侯(ほうこう)もその内の一人だ。奴良組三代目にリクオが襲名した際、引退して隠居した身だが、それでも彼が奴良組の重鎮であった事実は変わらない。

 

「こんの!! 結局はリクオ様を狙ってたのかよ!!」

「こいつめ!! こいつめ!!」

 

 さらにリクオまで狙われたとあっては、この不埒者を許すわけにはいかない。これがケジメだと言わんばかりに、既に倒されている毛倡妓の偽物を、容赦なく足蹴にしていく。

 

「待て。こいつは雑魚だな……幹部じゃねぇ」

 

 だが、そこでイタクが口を挟む。

 手練の妖怪忍者である彼の目から見ても、毛倡妓の皮を被った偽物は明らかに格下。幹部でないことが確かだった。

 

「ほっといて——」

 

 所詮は有象無象の雑魚に過ぎない。わざわざトドメを刺すまでもなく自然消滅するだろう。

 故に、そのまま放置しておくよう口を開きかけ——。

 

 

 刹那——。

 

 

「——ぐぎゃああああああああああああ!!」

「——!?」

 

 

 既に瀕死状態だった毛倡妓の偽物から絶叫が叫ばれる。その肉体が、地中から突然隆起した『何か』に刺し貫かれたのだ。

 

「——な、なんだあああああ!?」

「——こ、こいつぁあ!?」

 

 自分たちの目の前で起きた突然の出来事に、小妖怪たちが腰を抜かす。

 それは地中より這い出てきた『木の根』である。明確な意思を持ちながら急成長する樹木が、偽物の全身を串刺にしてしまったのだ。

 

「あれは……あいつの!!」

 

 見覚えのある光景に青田坊が身構える。

 その『陰陽術』に彼も脇腹を貫かれたことがあったからか、自然と警戒心が滲み出てしまう。

 

 

「——ああ……なんだ、テメェら……こんなところで油売ってやがったのか?」

 

 

 だが当の本人、その陰陽術を行使した少年は素知らぬ顔でリクオたちの前に姿を現す。

 平坦な声、一見すると何でもないように装っているが、明らかにその言葉には敵意——もっと言えば、殺意がこもっていたかもしれない。

 

 一応、今は味方である筈のその少年を目の前に、リクオですら思わず刀を握る手に力が入ってしまう。

 何が起こるか、何をしでかすか分からない相手を前に、油断なく身構えながらリクオが彼の名を呟く。

 

 

「土御門……」

 

 

 陰陽師・土御門春明。

 幼馴染である家長カナの兄貴分が、ここに来てリクオたちと合流を果たす。

 

 

 それは——吉兆か。

 それとも——凶兆か。

 

 

 

AM 2:00

 

 

 

「……あぐ……ぐが、ががが……」

「こ、こいつ……まだ生きてやがる!?」

 

 その場に姿を現すと同時に、土御門春明は瀕死の毛倡妓の偽物に木霊・針樹で追い打ちをかけた。だが全身を刺し貫かれながらも、その妖怪はまだ生存することが出来ている。

 それは、特別生命力が高かったからではない。あえて主要な内蔵器官などを避けて串刺しにされていたから生き延びた、生かされてしまっていたのだ。

 

「…………」

「ぎぃっ! ああああ、あああああああああ!?」

 

 さらに、そこから突き刺さった樹々が妖怪の体内を掻き回す。まるで拷問のようなことを、春明は平然とした顔で実行に移している。

 

「ちょっ……ちょっと! アンタ……いったい何やってんのよ!?」

 

 そんな春明の行動に対し、つららが思わず苦言を呈する。

 彼女の視点から見ても、そのようなことをする意味が全く感じられない。何かを聞き出すでもなく瀕死な相手をただ痛めつけるなど人道にも、奴良組の仁義にも反する行いだった。

 

「何って……ただの八つ当たりだけど?」

「はぁっ!?」

 

 だが、つららの叫びに春明は何でもないことのように淡々と言い返す。

 その言葉には、ほとんど感情というものが感じられない。一見すると怒りすら抱いておらず、その口元には笑みすら浮かべられていた。

 

「別にお前らには関係ねぇだろ? なんだよ……テメェがこいつの代わりに殺られたいのかよ?」

「——!!」

 

 だが——目の奥は全く笑っていない。

 冗談で済まされないようなことを平然と口にし、つららも思わず後退ってしまう。

 

 彼がこういう喧嘩腰の態度を取ってくるのはある意味で普段通りだが、いつもとは明らかに何かが違う。

 下手なことを口にすれば、それだけで何かの引き金を引きかねない状態だった。

 

 

 

 

「その辺にしとけ、土御門……」

 

 そんな炸裂弾のように危険な今の春明に、驚いたことに竜二が声を掛けた。

 

「ここで無駄な時間を食ってる暇がないのは、お前だって分かってんだろ?」

「…………」

 

 竜二の呼び掛けに何も答えない春明ではあったが、一応は相手の言い分に納得を示したのか。偽者の毛倡妓への拷問を止め——きっちりトドメだけは刺していく。

 

「ぎゃっ——」

 

 その最後は、貫かれた樹々に体の内側からバラバラにされるという残酷極まりないものであったが、それ以上苦しまなくて済むのはある意味救いか。

 飛び散った肉片の一部が春明の肩になど掛かったが、それをゴミでも払うように無表情な顔で拭っていく。

 

「竜二……お前、土御門と一緒に動いてたのか?」

 

 陰陽師二人の短いやり取りに、リクオは竜二と春明が共に行動していたことを察する。

 京都での彼らのやり取りを見る限りでは、同じ陰陽師といえどもそこまで友好的な関係ではなかった筈だが。

 いったい、いつの間に共闘するほどの信頼関係を築いていたのだろうか。

 

「一応な……と言っても、合流したのはついさっきだよ」

 

 もっとも、リクオが思っているような間柄ではない。

 竜二としても決して春明に心を許しているわけではないことが、その表情から窺い知れるだろう。

 

 

 というのも、竜二と春明が合流したのはつい先ほどのことだ。

 偽者の毛倡妓を追っている最中、道中で竜二は——『百物語の妖怪が殺戮されている現場』に出会したという。

 

 既に一般人が逃げ出していたその現場では、土御門春明という陰陽師が一切の躊躇なく、妖怪たちを惨殺していたのだ。

 勿論、その全てが百物語組の繰り出した怪異ども。彼らも人間を殺し暴れ回っていたのだから、陰陽師に滅せられるのは因果応報の末路だろう。

 

 だがそれにしても、『あんまりなその光景』を前に、竜二すら呆気に取られたという。

 彼の眼前に広がっていたのは——『妖怪たちの屍の上に一人で立つ春明の姿』。その周囲には全身を串刺しにされた妖怪どもが、生きながらに放置されていたという。

 春明に言わせれば、それら全てが——『八つ当たり』からの行動だというのだ。

 

 

「放っておくと何をしでかすか分からなくてな……一応、目の届く範囲に置いておきたかったんだよ」

 

 その光景を前に、このまま春明を一人で放置するのを『危険』と竜二は判断した。それは春明の安全というより、その凶行を見張るという意味の方が大きかった。

 

 意外にも、春明は竜二の共闘の要請に素直に頷いた。

 それは竜二が少なからずも、百物語組の情報を握っていたからだろう。そして、陰陽師二人の方がより効率よく敵を殺し回れると感じたのか。

 

 その後も、道中に立ち塞がる魑魅魍魎の群れのほとんどを、春明一人が駆逐しながらここまで歩を進めて来たとのことだ。

 

 

 

「…………」

 

 竜二の説明にリクオは春明が何に苛立っているのか、その心情をある程度理解する。それはリクオも常に心に留めていたことであり、彼自身も知らなければならないことだった。

 今の春明にそのことを聞くのは少々危ういかもと思いつつ、リクオはその口から『彼女』の名前を出していた。

 

「——土御門……カナの容体は?」

 

 そう、先の戦いで負傷し、今も浮世絵中学の保健室で安静にしているという、家長カナの具合だ。

 既にリクオも医療班の鴆を派遣したりなどの対応をしたが、彼女の容体に関してまだ続報を受けてはいない。

 

 だからこそ、カナと一緒にいたであろう春明に彼女のことを尋ねるのは自然な流れであった。

 

 

「——あん?」

 

 

 だがしかし。

 リクオの問い掛けに、春明は殺気を持って答える。まるで余計な口を開くなと言わんばかりに、リクオを射殺さんと鋭い眼光で睨め付けてくる。

 

「っ……!!」

「若っ……お下がりください!!」

 

 これにイタクなどが畏を滾らせながら鎌を握り締め、つららがリクオを庇うよう正面へと躍り出た。

 一触即発。次に発せられる言葉次第では即座に戦闘に突入しかねない、そんな剣呑な空気である。

 

「…………」

「…………」

「ゴクリ……」

 

 リクオと春明が牽制し合うように睨み合う中、納豆小僧が緊張感のあまり唾を飲み込む。

 

 

「——伝令!! リクオ様!!」

 

 

 だがそのとき、空より三羽鴉の一人——トサカ丸がその場に降り立つ。

 

 彼は数時間前にも、リクオの元に浮世絵中学が百物語組の強襲を受けたことや、カナが負傷して倒れたことを知らせに飛んできた。

 その際は多少言いずらそうに言葉を詰まらせていたが、今回は特に躊躇うことなくその報告を堂々と口にしていく。

 

 

「鴆様から伝令です!! 家長殿の体調が安定したと……もう心配はないとのことです!!」

「——!!」

 

 

 それは、今この瞬間にリクオが一番求めていた報告だったかもしれない。それが何よりの吉報であったことで、その場の重苦しい空気が一瞬にして解き放たれる。

 

「カナが!? あの子が無事に……良かった! 良かったですね、リクオ様!!」

「おいおい、雪女! お前泣いてんのかよ、はっはっは!!」

 

 つららもカナが無事であったことを、自分のことのように喜び、目に歓喜の涙すら浮かべていた。

 青田坊も、リクオやつららほどではないが、カナとはそれなりに接点がある身だ。目に涙を浮かべるつららに揶揄い交じりに声を掛けつつ、自身も嬉しそうに快活な笑い声を上げる。

 

「ああ、ああ!! そうだな……」

「…………」

 

 リクオも当然、カナの無事には喜んでいた。だがその一方で、その報告を一緒に聞いていた春明の表情に、ほとんど変化らしいものが見られなかったことを訝しがる。

 カナの容体が安定したという報告は、彼にとっても喜ばしいことの筈だ。それなのに何が不満なのか、仏頂面のまま誰とも視線を合わせまいとそっぽを向いている。

 

「……よし、もう少しだ! お前ら……気を引き締めていくぞ!!」

 

 だがいずれにせよ、カナの無事はリクオの心理的な負担をかなり軽くしてくれた。

 あとは一刻も早くこの戦いを終わらせることに注力し、それから彼女の見舞いに行けばいいと。だいぶ気分も楽になってきた。

 

「は、はい!! リクオ様!!」

「任せてください!! この青田坊が、残る百物語組の連中を全員ぶちのめしてやりますよ!!」

 

 リクオの気持ちが前向きになったことを、つららや青田坊といった側近たちも感じ取ったのだろう。

 

 

 あと少しだ。あと少しでこの戦いも終わる。そうすれば、リクオもカナと会える。

 半妖ということを世間に晒されてしまったので、リクオが人間の社会に戻れるかどうかはまだ不透明だが。

 少なくとも、大切な幼馴染と過ごす日々が戻ってくるのは確かだろうと、皆がやる気を漲らせていく。

 

 

 

 

 

 だが、喜んでばかりもいられない。

 次なる危機、百物語の新たな魔の手は——すぐさまそこまで忍び寄っているのだから。

 

 

 

AM 2:10

 

 

 

「ああ、気持ち良かった~……ありがとうね、お供してくれて」

「いーえ、いつでもお流ししますよ、ふふふ……」

 

 奴良組本家にて。風呂上がりのご婦人が二人、渡り廊下を歩きながらキャッキャッと会話に華を咲かせていた。

 

 一人は奴良組に嫁いだ唯一の人間、今は亡き奴良鯉伴の妻——奴良若菜。

 そしてもう一人は——毛倡妓。本家で家事手伝いをすることの多い彼女がここにいたとしても、誰も疑問は感じないだろう。

 

「みんな今日はピリピリしちゃって……お風呂にも入っていいのかどうか……にしても、毛倡妓ちゃん、お肌ピチピチよね!」

「えっ! そ、そうですか~? まあ……仕方ありませんよ。三代目を筆頭に、みんな出入りに行ってますから……」

 

 二人は他愛のない話をしつつも、今日の奴良組のピリついた空気について話題を広げていく。

 

 奴良組が出入り、しかも相当厄介な敵と戦っているという事実は若菜の耳にも届いていた。しかしただの人間でしかない彼女に、戦場に出るなんてことは当然出来ない。

 せめて少しでも皆の力になれるよう、ご飯を用意したり、掃除をしたりと。そういった家事をいつも通りにこなすしかなかった。

 

「そうねぇ……リクオったら、いつの間にかヤンチャになって……」

 

 しかし、若菜自身に皆の力になれずに焦っているといった感じの危機意識はない。

 リクオの生死を賭けた出入りを『ヤンチャ』の一言で済ませる辺り、彼女の肝っ玉の太さが窺い知れるというもの。

 

「し、心配ですよね……リクオ様……」

 

 そんな若菜の言動などを、毛倡妓は無理して強がっていると判断。

 きっと内心では息子のことが心配で、平静を装うのに必死になっているだろうと——『皮の下でほくそ笑む』。

 

「ううん! あっ!? 梅の花がもう咲いてる!! まだ春じゃないのに!!」

「わ、若菜様!?」

 

 ところが毛倡妓の『期待』とは裏腹に、若菜は本当に普段通りだ。

 庭に花を咲かせていた梅など見つけては、子供のようにはしゃいでその木へと駆け寄っていく。

 

「あらあら……知らない間に、育ってゆくのねぇ……」

 

 その梅の木と息子の成長していく様を重ねながら、彼女は穏やかな笑みで毛倡妓に語っていた。

 

「あの子のことは……そんなに心配してないのよ。あの人に似てきたってことだから……ね!」

 

 あの人——奴良鯉伴のことだろう。

 彼女は夫のことを思い返し、リクオが段々と彼に似てきていることに嬉しそうに頬を緩める。

 

 奴良鯉伴も、どちらかというと外の用事——出入りやら、他の組との会合やら。若菜の知らないところで組のために動くことが多かった。

 そういった活動に人間である若菜は関わることが出来なかったが、それでも自分が蔑ろにされているとも感じなかった。

 

 いつだって最後には、必ず自分のところに『ただいま』と帰って来てくれていたから。

 残念ながら、鯉伴は百物語組の卑劣な策略のせいで帰らぬ人となってしまったが、それでも若菜はリクオのことを信じていた。

 

 リクオなら大丈夫。

 自分と鯉伴の息子なのだから、きっと最後には笑顔で帰ってきてくれると強く確信していた。

 

 

 

 

 

「——きっとリクオ様も……若菜様のこと……大事にしてるんでしょうねぇ……」

 

 若菜の息子を信じる想いに毛倡妓は——やはり自分の考えは間違いでなかったと確信。

 気配を絶ち、若菜の前からその姿をくらました。

 

「あれ? 毛倡妓ちゃん? どこ行ったの?」

 

 いきなり姿が消えた毛倡妓に、若菜が少し困ったように周囲をキョロキョロと見渡す。だがただの人間である彼女では、完全に気配を絶った毛倡妓の姿を見つけるのは困難だろう。

 そうして、成す術もなく戸惑っている若菜のすぐ背後に立ち——毛倡妓は刃物を構える。

 

 ——奴良リクオの弱味……それは『人間』!!

 

 毛倡妓の『面の皮』を被った偽物は、奴良リクオの弱みをしっかりと把握していた。

 半妖である彼は、人間としての暮らしを大事にしている。だからこそ、彼の人としての居場所をぶち壊すことで、その精神力を削っていくのが上策だと。

 

 ——大事な物を何もかも失い、やつは今……地獄に落ちる!!

 

 実際、人間たちに敵視されたことで社会に居場所を失い、彼は徐々に追い詰められていた。

 ここでさらに大切な家族を、母親を失ったとあれば。リクオの心は奈落の底へと真っ逆さまに滑り落ちていくことだろう。

 

 その最後の一押しを自分の手で実行に移すのだと。

 毛倡妓の皮を被った偽物の凶刃が、今まさに奴良若菜の背中に突き立てられようとしていた。

 

 

 

「——若菜様!! 逃げて!!」

「——え? え?」

 

 だが、若菜に刀が振り下ろされるその直前。どこぞより飛んできた紐が毛倡妓の腕を縛り上げ、その凶行を阻止する。

 何が起きたか状況を把握できていない若菜であったが、聞き覚えのある叫び声に咄嗟にその場から倒れ込みながらも離れていく。

 

 

「——若菜様に触れんじゃねぇ!! テメェらの薄汚ねぇやり口はあらかた予想がついてんだよ!!」

 

 

 若菜を守ったのはリクオの側近の一人、首無であった。

 彼は百物語組のやり口や、毛倡妓に変装した妖怪がいるとの情報から、いずれはここ——本家に敵が潜り込んでくることを推理し、網を張っていたのだ。

 流石にピンポイントで若菜を狙ってくるとは少し予想外ではあったものの、何とか寸前のところで彼女を守ることが出来た。

 

 

「そのお方は……盃を交わしたお方の……奥方様だ」

 

 

 若菜はリクオの母親であり、そして鯉伴が愛した女性でもある。

 鯉伴と特に深く絆を結んでいた首無にとって、絶対に守り抜かなければならない大切な人。

 

 

「——死んでも……お守りする!!」

 

 

 そのために死力を尽くさんと、首無は偽物の毛倡妓へと鋭い眼光を飛ばしていく。

 

 

「——貴様は……」

 

 

 そんな首無に毛倡妓も、彼女の皮を被った——珠三郎も睨み返す。

 

 

 奴良組幹部——『常州の弦殺師』首無。

 百物語組幹部——『面の皮』珠三郎。

 

 

 両者の決して譲れない戦いが、今まさに始まろうとしていた。

 

 




今話からリクオに花開院竜二。そしてそこにオリキャラである春明が同行することになります。
最近、オリキャラである土御門春明というキャラクター性に対する、ちょっとした意見などが感想欄などから目に留まるようになりましたが、彼の人間性が深掘りされるのはもう少し先になるかと思います。

そのときに、土御門春明という少年にどのような印象を抱くか。読者様の印象が良い方向に転がることを期待したいです……うん!


補足説明

 彭侯
  名前初登場なのにうっかり説明することを忘れてしまった……。
  けどこいつ、ほとんど語ることがないんですよね。
  幹部ってことは……一応はぬらりひょんの百鬼夜行の一員だったのか?
  ゲゲゲの鬼太郎にも出てくる妖怪だけど、あっちとは似ても似つかない……ただの犬? 
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