家長カナをバトルヒロインにしたい   作:SAMUSAMU

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fate stay night『HF』最終章……映画館で見てきました!!

もう、本当に最高だった!!
普段は映画館なんてわざわざ足を運びに行かない自分ですが、ホントにHFは映画館に行く価値のある作品です!!

色々と感想を語ると長くなりそうですし、ネタバレになっちゃうのですが、あえて一つだけ語らせてくれ。

『ついてこれるか』のシーン、bgmが流れた瞬間、マジで震えが止まらなかった。

4Dの上映も決まったみたいだし、もう一回……見に行こうかな。

ほんとに、こういった素晴らしい作品を見ると創作意欲も湧いてくるというもんですよ!!





第八十三幕 羽衣狐・山吹乙女

 家長カナが奴良リクオの下へと駆けつける、その数分前。

 

「おっ! もう始まってやがる!」

「さて、どこから手をつけたものか……」

 

 人間の女性たちの救助を終えた救出班。カナと天狗たちの集団が上空より弐条城の戦況を見つめる。

 三羽鴉のトサカ丸、ささ美はその混沌とした戦場の最中、どこの援護に入るかと迷っていた。彼らが人々を避難させていた間にも、弐条城の戦いはさらに勢いを増し、既に城は半壊状態。城の内側でも外側でも激しい乱戦が繰り広げられているのが見て取れる。

 

「っ……すごい熱気!」 

 

 カナはその戦いの苛烈さに気圧されながらも、何とか戦況を把握しようと少し離れたところから様子を窺っている。これ以上近づけば京妖怪たちに捕捉され、否が応でも戦いの渦に呑み込まれるだろう。

 戦いそのものを避けるつもりはないが、せめてどこでどのように戦うかはしっかりと把握しておきたい。カナは慎重に、自らが槍を振るう場所を見定めていく。

 

「ん? あれは……親父たちか!?」

 

 そんな中、トサカ丸が城の川堀。その近くに集まっていた自分たちの父親・鴉天狗の存在に気がついた。

 

「総大将もおられるぞ!」

 

 しかも、そこには鴉天狗のみならず、奴良組の総大将・ぬらりひょんを始めとする幹部たちも集まっている。

 そのことに気付いたささ美。彼女はこれまでの経緯などを彼らに報告するため、一旦カナたちから離れていく。

 

「家長殿。済まないが……」

「ええ、分かりました。気を付けて!」

 

 カナに断りを入れてその場を立ち去っていく、ささ美とトサカ丸。二人を見送りながら、カナもぬらりひょんたちがいるという場所に目を向けた。

 

「あれ……? おじいちゃんもいる!!」

 

 そこでよくよく目を凝らす。

 すると、その幹部の中にちゃっかりと富士山太郎坊。カナにとっても、もはや祖父とも、師匠とも呼べる妖怪が混ざっていることに気が付いた。

 

「あの二人って……喧嘩別れしてたんじゃなかったけ? 何でこんなところにいるんだろう?」

 

 太郎坊とぬらりひょんが過去に喧嘩別れをしている事実はカナだって聞いていた。

 いったい、どうしてその二人が一緒にいるのか。仲直りでもしたのだろうか。

 

「太郎坊様!? 家長殿、我々もあの方に報告を……」

 

 富士天狗組の天狗たちも、自分たちの頭がその場に来ていることに気付く。彼らも鴉天狗たちのように、自分たちも一度報告に向かおうと、カナを急かす。

 

「……そうですね、確かに一度合流して——」

 

 カナもその提案に乗り、一度地上へと降りようとした。

  

 だが、そのときだ。

 畏が膨れ上がる気配。巨大な妖気のぶつかり合いを感じとり、カナの目線が弐条城の方へと向けられる。

 

「! あ、あれは、リクオくん!?」

 

 その視線の先、城の頂上にてカナは奴良リクオの姿を見つける。

 彼は例の鬼纏というやつだろうか。土蜘蛛相手に全力で畏を開放したときのように、何者かに向かって自身と下僕の畏を全力で解き放っていた。

 リクオが鬼纏を使わなければならない敵。それほどの相手ともなればある程度限られてくる。

 

 ——相手は……京妖怪の幹部? いや、それとも……羽衣狐!?

 

 そう、敵の大将・羽衣狐。

 カナはまだその敵将の姿を見たことはなかったが、恐らくは間違い無いだろうと。

 

 彼女はリクオの敵。彼が鬼纏を放った向かい側に立つ敵大将の姿を確認し————

 

 

「……………………………………えっ?」

 

 

 カナの口から惚けた声が漏れ、その思考が完全に停止する。

 まるで時間が止まったかのような錯覚に陥り、周囲の喧騒もどこか遠くに聞こえる。

 

「? 家長殿……どうかされましたか?」

  

 数人の天狗が彼女の異変を感じ取りその名を呼び止めるが、そんな気遣いの言葉さえ今のカナの耳には届かない。

 

 

 彼女は、かつてないほどに動揺していた。

 その動揺はもしかしたら、奴良リクオに正体を知られたとき以上のものだったかもしれない。

 

 

 何故なら——

 

 

「なんで…………だって……そんなこと…………」

 

 遠目から見えた羽衣狐の顔。それが、在りし日の『あの人』のものと瓜二つだったからだ。

 カナ自身はあったこともない。けれども、彼女の前世が『その人』のことを知っていた。

 

 

 

「……乙女……先生?」

 

 

 

 それはカナが神通力の修行をした際、その試練の果で垣間見た前世の記憶。

 その前世で、お花という少女だったカナが先生と呼んでいた人物。

 

 そう、寺子屋の先生。『山吹乙女』その人だ。

 その山吹乙女がリクオの眼前に羽衣狐——九つの尾を持った妖狐として立ち塞がっていたのだ。

 

「えっ……でも、だって……あれ?」

 

 軽い混乱状態に陥ったため、カナは一旦思考を整理する。

 

 

 山吹乙女に関して、彼女が知る情報はそれほど多くはない。

 三百年ほど前、カナはお花という少女で寺子屋に通っていた。その寺子屋の先生をやっていたのが、山吹乙女。彼女はいつだって優しく、お花たちのために丁寧に勉学を教えてくれた。

 当時のお花であったカナにとって、山吹乙女は『優しくて綺麗な先生』だったが、その前世を宿命によって俯瞰して知ったカナにはもう一つ、彼女について知るべき情報がある。

 

 それは三百年前の彼女が——リクオの父である奴良鯉伴の妻だったということだ。

 

 しかし、乙女がリクオの母親という訳ではない。リクオの母親は奴良若菜であり、乙女は所謂『前妻』という奴なのだろう。

 だがカナが知る限りで、三百年経った現代の奴良組に乙女らしき人物はおらず、それどころではなかったということもあり、カナも彼女の話題を振ろうとは思わなかった。

 

 

「…………どうして、なんで……貴方が……?」

 

 そんな彼女が、何故羽衣狐としてリクオと敵対しているのか。

 乙女の素性に関する情報を持っているカナにもさっぱり分からず、ただただ唖然となる。

 

 ——た、他人のそら似? けど……!!

 

 この世の中には自分とそっくりな人間が三人はいるというが、それにしては似すぎている。

 

 何よりも、カナの中に眠る魂が。

 お花という前世の記憶が、あの羽衣狐が山吹乙女であると本能の部分で訴えているような気がした。

 

「……!? いけない!!」

 

 と、カナが思考を巡らし、乙女について考えている間にも状況は動いていた。

  

 リクオが放った鬼纏の一撃。

 重なり合った仲間の能力なのか、数多の武器を流星のように降らせて羽衣狐に放たれていく。

 

「——!?」

「——!!」

 

 だがその攻撃は全て捌かれ、虎の子の祢々切丸の一撃も防がれてしまっている。

 リクオは手痛い反撃を喰らい、その体に傷を負ってしまっている。

 

「——リクオくん!!」

 

 幸い、致命傷は辛うじて避けたようだが、肝心の鬼纏が解けてしまっている。

 離れていても感じられる、リクオの畏が弱まっていることが。

 

「…………行かないと!!」

 

 その光景を前に、カナは手にしていた槍をギュッと力強く握りしめた。

 自分が戦うべき場所を見定め、迷うことなく弐条城の頂上を目指して全速力で突っ込んでいく。

 

「い、家長殿!? ど、どちらへ!?」

「ええい! 仕方ない……援護するぞ!!」

 

 突然敵陣に向かって突っ込んでいくカナに、慌てた様子で富士天狗組の天狗たちがついていく。

 彼らの援護もあり、カナは城の空を守護していた京妖怪の反撃を必要最低限の動きで回避することができた。

 

 

 彼女は最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に——奴良リクオと羽衣狐の元へと辿り着く。

 

 

「——なんじゃあ、小娘。ジロジロと……不愉快じゃぞ」

「…………」

 

 そうして、家長カナは奴良リクオの危機に駆けつけることができ、羽衣狐の眼前に立つことができた。

 彼女は助けたリクオのことを気遣う余裕もなく、まじかに見える羽衣狐の顔に見入っている。

 

 ——……雰囲気は全然違う。冷たい……別人?

 

 遠くからでは分からなかったが、山吹乙女の顔をした羽衣狐の纏う空気はとても冷酷で冷たい。乙女に備わっていた優しさや儚さのようなものは感じられず、とても同一人物とも思えない。

 

 ——けど……!!

 

 けれども、間違いない。彼女は——山吹乙女だ。

 すぐ側まで接近し、その息遣いや佇まいを確認することで、理屈抜きでもそのように感じる。

 

 だからこそ、カナの困惑は深まるばかり。

 

 何故、彼女が山吹乙女で羽衣狐なのか?

 奴良鯉伴と縁深い筈の彼女がどうして、その息子であるリクオと敵対する運命を背負わされてしまったのか?

 

 分からないという、その矛盾が。

 家長カナの口から自然と疑問を呟かせていた。

 

「——どう、して……山吹、乙女先生?」

 

 

 

×

 

 

 

「山吹……乙女?」

 

 救援に訪れた幼馴染・家長カナの口から呟かれた言葉に奴良リクオが眉を顰める。

 

 リクオは父の死の真相、八年前のあの日に何があったのかを知りたくて羽衣狐に問い続けていた。羽衣狐に、そして彼女の依代となっている人間の女性に。

 だが、リクオの問い掛けに羽衣狐は苦しそうな表情を見せるも、何一つ答えることなく。寧ろ逆上し、リクオを殺そうと苛烈に反撃してきた。

 

 そしてリクオにトドメを刺そうとしたその瞬間。家長カナ——彼女が割り込んでリクオの窮地を救った。

 

「カナちゃん……あいつのこと、何か知ってんのか?」

 

 リクオは羽衣狐が相手ということもあり、一旦はカナを下がらせようとした。

 しかし、カナが羽衣狐の依代——山吹乙女という人物に何かしらの心当たりがあることに驚愕する。

 

「…………リクオくんは、乙女さんのこと知らないんだよね……」

「あ、ああ……」

 

 カナはリクオに確認するかのように聞いてくるが、勿論彼にはそのような人物の記憶はない。山吹乙女が奴良鯉伴の妻だったのは、リクオが生まれる前の話。彼が知るわけもないのだ。

 あるいは、三百年前に奴良組にいた面子なら何か答えることもできただろうが、生憎と彼らも彼らで手一杯。

 

「う、うう……」

 

 近くにいる中で唯一、それを知ってそうな黒田坊も鬼纏の影響で意識が朦朧としており、しばらくはこちらの会話に入って来れそうにない。

 

「家長さん? 何を言うて……?」

「…………」

 

 カナと同じよう、リクオの下へ駆けつけてきた陰陽師のゆらは勿論のこと、十三代目秀元もイマイチ状況を把握しきれていない様子。当然、二人も山吹乙女のことなど知らないのだから。

 誰もカナの発言の意味を理解することはできない。ただ一人——当の本人である羽衣狐を除いて。

 

「小娘、貴様……何を言っ……ぐっ!?」

 

 羽衣狐も、最初はカナの言葉を理解できずに訝しんでいた。しかしカナの問い掛けを聞いたその直後、彼女は頭を押さえて、その顔を苦痛に歪める。

 同じだ。リクオに『人間の……アンタに質問してんだぜ』と、八年前の出来事を問い掛けられたときと同じ。

 

 

 ある種の記憶や情報。その部分に触れたとき、謎の頭痛が羽衣狐を襲うようだ。

 

 

「おのれ……貴様ら! さっきから訳のわからん戯言で妾を謀りおって!!」

 

 その頭痛にイライラが最高潮に達した羽衣狐。彼女は戯言で自分を惑わすリクオとカナへの殺意を滾らせる。

 その殺意を昇華すべく彼女は巨大な『大鎌』を取り出し、それを振りかぶろうとした。

 

「六尾の大鎌……これでその首、まとめて刈り取ってくれようぞ!!」

「!? ヤバイ、カナちゃん!!」

「……くっ!」

 

 羽衣狐の九つの武器の一つ。その巨大で禍々しい大鎌を前にリクオはカナの体を抱き寄せ、間合いから離れようとする。

 だが羽衣狐の動きが予想以上に早く、また大鎌のリーチも想像以上に広い。

 

 ギリギリで——大鎌の間合いの外まで離れることができない。

 

 ——ちっ! 鏡花水月でっ……!

 

 リクオは寸前で『鏡花水月』を発動し、自分とカナの存在の認識をズラしてその大鎌から逃れようと試みる。

 間に合うかどうかは、正直五分五分のタイミング。下手をすれば、二人の首がその大鎌によって跳ね飛ばされていたかもしれない。

 

 

 しかし、リクオが実際に鏡花水月を発動させるよりも先に——巨大な『木の根』が出現。羽衣狐が振るう大鎌の刃先をその分厚い木々が喰い止める

 

 

「ちっ……次から次へと、何者じゃ!?」

 

 またも自身の行動を阻害され、苛立ちの叫びを乱入者たちにぶつける羽衣狐。

 彼女の憤怒の叫びに——気怠げな少年の声音が呆れ気味に響いてくる。

 

「何やってんだ、お前は……」

「土御門っ!? アンタ、どこほっつき歩いて……!!」

 

 木の陰陽術といえば彼・土御門春明だ。

 どこからともなく現れた春明を前に、同じ陰陽師としてゆらが目を見開く。彼はよっぽど隠形術——気配を断つ術が上手いのか。ゆらからすれば毎度毎度唐突に現れたように感じ、いつも驚かされる。

 だが今回、彼は別の援軍も連れていた。

 

「申し訳ありません、若!! 瓦礫から這い出るのに……少々手間取っていました」

「黒羽丸!? お前……どうしてこんなところに?」

 

 リクオに畏った礼をしながら出てきたのは、三羽鴉の長男・黒羽丸だ。彼はどういうわけか、土御門春明と一緒にこの戦場へと馳せ参じていた。

 

 

 彼らが二人でいた理由。

 それはカナたちが一般人たちとこの城を脱出する際、春明が追手の京妖怪を片付けるために城に残り、彼と合流するために同じように黒羽丸も城に残っていたため。

 そして、二人は城の中で合流してすぐ、鵺復活の際の弍条城一部崩落の瓦礫に呑み込まれており、今の今までその瓦礫の中から這い出るのに四苦八苦していたのだ。

 それでようやく瓦礫の山から顔を出したその直後、二人はまさに目の前でリクオとカナの二人が危機一髪な状況に陥っている現場に出くわしていた。

 

 

「ちっ……!」

「若っ!!」

 

 咄嗟に春明が陰陽師・木霊『防樹壁』を発動して羽衣狐の攻撃を止め、黒羽丸が素早くリクオの元へと駆け寄り、負傷した彼の警護に入る。

 

「羽衣狐っ、これでも食らい! ゆらMAX!!」

「妖怪は黒……滅!!」

 

 さらにすかさず、ゆらと魔魅流が援護へと入り、羽衣狐へ立て続けに猛攻を仕掛ける。

 

「ふん……小賢しいぞ、有象無象共めが!!」

 

 だが、それらのどの攻撃も羽衣狐相手に決定打には至らない。

 彼女は接近戦を仕掛けてくる魔魅流をその尻尾で払い除け、ゆらの放つ式神・廉貞による高出力の水鉄砲を六尾の大鎌で切り払う。

 さらに彼女は新たな武器——『火縄銃』を取り出し、遠距離からチマチマと攻撃を仕掛けてくるゆらへ照準を定めていく。

 

「消し飛ぶがいい……破軍使い!!」

「なっ!? 鉄砲やて!?」

 

 これに一番驚いたのが意外にも十三代目秀元である。

 彼は、まさか羽衣狐がそんな近代的な火器(秀元の時代的価値観)を用いてくるとは思ってもおらず、驚愕に目を見開く。

 

 これぞ羽衣狐、七尾の鉄砲『国友』である。

 彼女がこの現代に蘇ってから、部下の京妖怪たちに酔狂で作らせたもの。一応はただの火縄銃だが、羽衣狐が畏を込めて引き金を引けば、当たりどころによっては妖怪ですら一撃で仕留める兵器へと様変わりする。

 

 その必殺の一撃が轟音と共に放たれ、その弾丸が——まさにゆらの脳天へと吸い寄せられるように飛んでいく。

 

「くそっ! 言言!!」

 

 そうはさせまいと、後方に待機していた竜二が慌てて妹のフォローに入る。水の式神である『言言』をゆらの前方に展開し、弾丸を水の壁で押し留めようと試みる。

 ところが羽衣狐の畏の込められた弾丸はその程度では止まらず、水の壁を易々と貫通していく。なんとか軌道の方はズレ、直撃は免れることになった。

 弾丸はゆらの顔——そのすぐ横を通り過ぎていく。

 

「あ、ありがと……竜二兄ちゃん……」

 

 弾丸があと少しのところを掠めていく体験にヒヤリと冷や汗を流しながら、ゆらは兄のフォローに礼を言いかける。

 

「ボサッとすんな、ボケ!!」

 

 しかし、窮地はまだ終わっていないと春明が叫ぶ。

 そう、羽衣狐の反撃が止まらないのだ。

 

「ふん……所詮、銃などこんなものじゃろう!」

 

 彼女は一発こっきりの火縄銃をあっさりと捨て、すぐさま装備を変更。三尾の太刀を構え直し、それを振り下ろす。

 羽衣狐は剣の達人ではない。その刀の太刀筋はまさに素人のそれ、無造作に振り下ろしているに過ぎない。しかし、羽衣狐が振るうというだけで剣筋、剣圧は並の人間・妖怪のそれを遥かに凌駕する。

 

「ぐ、ぐぐぐぐ……がぁ!?」

 

 太刀を押し留めようと黒羽丸が錫杖で拮抗しようとするも、長くは保たずに押し退けられる。

 単純な『畏』による力負けだ。やはり、並の妖怪では羽衣狐を相手に一分と持たない。

 

「ゆら! 魔魅流! ついでに……土御門! 合わせろ!!」

 

 陰陽師もだ。一対一では当然ながら時間稼ぎも出来ない。それを熟知しているからか、竜二の号令の下でその場に結集した陰陽師たちが一点集中で力を合わせる。

 

「黄泉送葬水鉄砲・ゆらMAX!!」

「滅」

「餓狼 喰らえ!」

「仕方ねぇ……針樹!!」

 

 ゆらも、魔魅流も、竜二も。そして土御門春明でさえも。そのときばかりは素直に力を合わせ、羽衣狐に対して一斉に己が得意とする陰陽術を解き放つ。

 

「ちっ、鬱陶しい小蝿どもじゃ!!」

 

 四人がかりだ。四人がかりの集中攻撃。それでようやく羽衣狐の足を止めることができた。

 だが——やはりそれも長くは持たないだろう。

 

 

 羽衣狐を倒すにはやはり、『祢々切丸』『式神・破軍』の力がどうしても必要になってくる。

 

 

 

×

 

 

 

「……羽衣狐の奴。ボクが知っとるときよりも戦い方が増えて強くなっとる。もう……倒せない妖になっとるかもしれん」

 

 現在の戦況を離れたところから観戦しつつ、十三代目秀元は冷静な観点から羽衣狐の戦力を分析する。

 

 羽衣狐は転生すればするほど強くなる転生妖怪。四百年前に秀元が相対したときよりも戦い方も多才となり、その身に蓄えられた妖力の方も強大に膨れ上がっている。

 おそらく、まともな方法で彼女を退治することはもはや不可能だろう。

 

 ——それにしても……アイツ、あんな力押しで戦うような奴やったか? 随分と……余裕がなさそうやな……。

 

 そんな中、秀元は羽衣狐の精神的な変化。その焦燥ぶりに目を向ける。

 

 秀元の知る羽衣狐という妖怪は、余裕というものを常に持ち合わせていた。

 たとえ敵前であろうとも優雅に立ち振る舞い、常に他人を見下すような言動が目立ち、その慢心が故に四百年前の戦いでもぬらりひょんに足元をすくわれる結果となり、致命傷を負うことになった。

 しかし、そういった余裕や慢心が——今の羽衣狐からは全く感じられない。

 

「このっ……五尾の薙刀!!」

 

 先ほどから、次から次へと新たな武器を出し惜しむ素振りもなく、それを見境なく振り回す彼女の戦い方。

 どことなく単調とも思える、まるで羽衣狐らしくない戦法。

 

 ——相当苛立っとるみたいやな……その原因、多分この子たちや……。

 

 秀元はチラリと後ろを振り返りながら考え込む。

 

「リクオくん!? 大丈夫……?」

「あ、ああ……心配ないよ、カナちゃん」

 

 そこには羽衣狐から受けた傷により蹲るリクオ。それを必死に手当てするカナの姿があった。

 彼らは一度戦線から離脱し、傷の応急処置を施しながら体力の回復を図っている。

 

 ——この子たちの指摘で……なんやアイツ、相当余裕がなくなったみたいや……いったい、なにが?

 

 秀元が思うに、この二人が羽衣狐に向かって問い掛けることで彼女から余裕がなくなってきているように思えた。

 

 リクオが話をしたいと八年前の記憶を刺激し——。

 カナが『山吹乙女』と秀元も知らないような女性の名前を出したことにより、さらに一層、羽衣狐は荒ぶるようになった——。

 

 ——ほんまに興味深いで! ぬらちゃんの孫とその周囲は…………けど。

 

 秀元はそんな彼らの何が羽衣狐の心を揺さぶったのか。抱えている事情に若干の興味を持ち、口元に笑みを浮かべる。

 だが、正直それどころではないということを思い出し、そっとリクオへと近づき、彼に戦う意思を問う。

 

「リクオくん……まだいけるか?」

「……ああ」

 

 秀元の呼び掛けに、傷の痛みに耐えながらもリクオは立ち上がり、手に持った刀を握り直す。

 

 その刀の銘は祢々切丸。

 そう、この刀でなければ羽衣狐を倒すことはできない。

 

 リクオは今度こそ羽衣狐に袮々切丸の刃を届かせようと、再度戦いの場へと踏み込もうする。

 

「——ま、待って!!」

 

 するとその歩みを、家長カナが懇願するように止めていた。

 

「あの人が……羽衣狐なんだよね? けど、あの人は山吹乙女さんで……そ、それを斬るなんてことっ!!」

 

 まただ。また山吹乙女という名前を持ち出し、カナは羽衣狐を倒すことに抵抗感を示す。

 彼女のその必死な形相に、さすがにリクオの中にも迷いのような感情が生じ始める。 

 

「山吹……乙女……それが、あの依代の名前……? カナちゃん、君は……いったい何を知ってるんだい?」

 

 リクオはその人物のことを知らないのだから、その質問は当然のものだっただろう。

 

「そ……それは……」

 

 だが、リクオの問い掛けにカナは言い淀む。

 秘密にしたいというより、どのように説明していいか迷っているといった感じだ。

 

 しかし、そのように彼女が迷っている間にも、戦況は刻一刻と変化を進める。

 勿論、悪い方向へと——。

 

「ぐっ……」

「魔魅流くん!? このっ……!!」

「ゆら! 前に出すぎだぞ、下がれ!」

 

 花開院家の陰陽師である、ゆらたちの焦燥が聞こえてくる。

 彼らだけでは羽衣狐相手に持ち堪えられず、戦線が今にも崩れ落ちようとしている。

 

「ゆら! 待ってろ、今行く! ……済まないカナちゃん、事情は後で必ず聞く!!」

 

 リクオは彼らの援護に入るべく、すかさず駆け出していた。

 カナに何かしらの事情があると分かっていながらも、ゆらたちを見捨てることはできないと、羽衣狐に挑んでいく。

 

 

 羽衣狐と——山吹乙女と同じ顔をした彼女相手に、刃を交えるために。

 

 

 

 

 

 

 

「わたし……どうすれば…………」

 

 リクオに山吹乙女のことを伝えることもできないまま、カナはその場に膝を突くしかなかった。

 

 何故リクオに山吹乙女のことについて問われたとき、カナは言い淀んでしまったのか?

 それはカナ自身も、現状を全く理解し切れていなかったからだ。

 おまけに、彼女が知る情報は前世の記憶。それをこの修羅場でどうやって伝えようというのか?

 結局何も伝えられないまま、リクオと羽衣狐が今も目の前で戦っている。

 

「駄目、止めないと! ……けど、どうやって……?」

 

 カナは山吹乙女の顔をした彼女がリクオと戦っている光景に我慢が出来ず、それを止めたいと願った。

 けれども、自分にはその力がない。

 

 自分ではどうやっても、彼らの戦いを止めることができない。自分一人では——

 

「——手伝ってやろうか?」

「えっ……!?」

 

 そんなときだ。蹲るカナに彼が——春明が声を掛けていた。

 

「えっ……兄さん? あれ、さっきまで……あっちで戦ってなかった?」

 

 春明は先ほどまで花開院家と一緒に戦っていた筈だ。いつの間にこちらへと戻ってきたのか。

 

「ああ……けどよ、よくよく考えたら……アイツらのために命懸けで戦う義理もないんだよな」

「えっ……?」

「だから……まあ、隙を見て抜け出してきたわ……ぶっちゃけ、めんどくさいし……」

「え、ええ!?」

 

 この土壇場でのまさかの戦闘拒否。しかも面倒だという極めて個人的な理由から勝手に戦線を離脱する身勝手さ。

 春明のあまりの行動に思わず呆気に取られるカナ。どこまでこの兄貴分は自由なんだと、突っ込まずにはいられない。

 

 

 けれども——

 

 

「で……お前はどうしたいんだ?」

「え……?」

 

 そんな身勝手な彼が、何もできないと落ち込むカナの心情を見透かすように呼び掛ける。

 

「あの女、羽衣狐……山吹乙女とやらをお前はどうしたいんだ? 俺に出来ることなら……手伝ってやらんでもない」 

「——!!」

 

 カナは驚いて顔を上げる。

 

「…………」

 

 春明は口調こそ気怠げだが、その顔は真剣そのもの。

 

 彼自身、山吹乙女などという人物に心当たりなどないだろうに。カナの抱えている事情などサッパリ理解していないだろうに。

 それでも彼は、いつだってカナには力を貸してくれる。

 面倒なことを避けるといったばかりでありながらも、彼女のためなら力を尽くそうとしてくれる。

 

 それが——土御門春明という少年だった。

 

「……ありがとう、けど……」

 

 春明のその気遣いをカナは純粋に嬉しく思う。だが、いったいどうすればいいというのか。

 そもそも、カナにはあの羽衣狐、あるいは山吹乙女かもしれない彼女の身に何が起きたかも分かっていないのだ。

 

 それを知りもしない今の状態では、何も出来ることなど——

 

「…………いや、待って……」

 

 しかし、そこまで思考したところでカナの脳裏にふと、とある考えが浮かぶ。

  

 何も知らない。ならば——知ればいいのだ。

 羽衣狐の身に、山吹乙女の過去に何があったのかを。

 

 少なくとも、カナにはそれを知るべき手段が。そのための『力』があることを思い出す。

 

「兄さん……手伝って!!」

「了解……」

 

 カナは崩れ落ちそうになる体を起こし、前を見据える。

 自身がやるべきこと、したいことを見定めたことで不思議と体の奥から力が湧いてきた。 

 

 彼女真っ直ぐ、眼前の現実へと目を向けていく。

 

 

 そして——

 

 

 

×

 

 

 

「どうした? 目に見えて力を失っているぞ」

「はぁはぁ……」

 

 奴良リクオと羽衣狐は再び対峙し合っている。

 リクオの動きは明らかに鈍っており、それに対して羽衣狐は未だ健在。あれだけ花開院家と戦った後だというのに、ほとんど疲労もダメージもない。

 戦況は、明らかに——奴良リクオに不利であった。

 

「奴良くん……くっ!」

 

 その状況の中、ゆらは迂闊な加勢を出せずに手をこまねいている。

 彼女自身もかなり疲弊しており、これ以上無理に戦うのは式神・破軍の発動に支障を及ぼしかねないと、竜二に止められたからだ。

 ゆらは、リクオがなんとか隙を作ってくれるそのタイミングを見計らうしかなかった。

 

 だが実際のところ、リクオはそれどころではない状態だ。

 

 ——山吹……乙女……誰だ。お前は……いったい、誰なんだ?

 

 羽衣狐と戦いながらも、彼はずっとカナの言っていた山吹乙女という人の名が気になっていた。

 いったい、彼女がなんなのか。カナにとってどういう人物なのか。

 

 何も分からない状態のまま、闇雲に刀を振るっている。迷いが彼の刀を鈍らせている。

 それでは、敵うものも敵わない。今のリクオに——羽衣狐を斬ることなどできる筈もない。

 

「隙だらけじゃ、小僧」

 

 その心の動揺、致命的な隙を見逃す羽衣狐では当然ない。

 羽衣狐はさらに新たな武器・四尾の槍『虎退治』を取り出し、それでリクオの脇腹を突き刺す。

 

「ぐっ……」

「鼠が……これで大人しくしておれ」

 

 その虎退治で地面へと繋ぎ止められ、ついには身動きが取れなくなるリクオ。

 これでは鏡花水月を発動して逃げることもできない。

 

「リクオ様!!」

「リクオっ!! 何やられてんだよ!?」

「ちっ!?」

 

 リクオが成す術もなくやられそうになるその光景に黒羽丸。

 数多の敵を退けて城の頂上に辿り着いてきた淡島やイタクが駆け寄ろうとするも——間に合いそうにない。

 

「動けぬか? 動けぬのなら……これで終いじゃ」 

 

 ついにはリクオにトドメを刺そうと、羽衣狐の凶刃が彼の身に迫る。

 

 

「——まあ待て、そう決着を急ぐなや……羽衣狐!!」

 

 

 ところがここに来て、羽衣狐に最後の抵抗を示す者たちが行動を起こす。

 

「面霊気……絞りだせ、全開でいくぞ」

『ちっ、どうなっても知らねぇぞ……春明!!』

 

 まずは土御門春明と狐面の面霊気・コンの二人組が羽衣狐の動きを止めるべく仕掛ける。春明が面霊気を被り、その力で自身の妖怪の血を極限まで引き出す。

 

 サトリを無残に殺したときと同じ、春明が行使する最強の陰陽術。それを放つ予備動作の条件をそれで整った。

 そう、春明は面霊気の機能でほんの僅かな一時、この僅かな時間のみ『妖怪化』するのだ。

 

「——!? この妖気……まさか、貴様!?」

 

 妖怪化した春明の放つ妖気に、何かを感じ取った羽衣狐が動揺を露わにしている。

 それは妖気のデカさにではなく、妖気の質そのものに対しての反応だったのだが、彼女に考える時間など与えずに、春明は一気に攻勢に打って出る。

 

「木霊・樹海」

 

 彼が得意とする木の陰陽術の中でも最高位の威力を誇る『樹海』。木々がまるで本物の森のように襲い掛かることからその名が付けられた術だが、本日二度目の発動ということもあり、その規模は一度目よりも小さい。

 春明自身がかなり消耗していることもあり、その力はあくまで羽衣狐一人に限定されて展開される。

 

「ちぃ! この数は!?」

 

 勿論、その程度では羽衣狐を仕留めることはできない。たとえ万全の状態で放っても無理だっただろう。だが樹海を防ぐために、羽衣狐は防御に専念しなければならなかった。

 リクオの動きを封じる四尾の槍から手を離さないようにしながらも、もう片方の手に握った三尾の太刀、全ての尻尾を総動員して春明の攻撃に対して守勢に回る。

 

 それにより、羽衣狐の動きが止まる。

 それこそ、春明の狙いだ。

 

「……行ってこい」

 

 お面を被ったまま、春明はボソリと呟く。

 それにより、機会を伺っていたもう一人が動き出す。

 

「カナちゃん!?」

 

 その動き出した人物を前に、動けない状態のリクオが目を見開く。

 春明がわざわざ自身の負担になる筈の妖怪化まで使い、羽衣狐の動きを封じたというのに——真っ直ぐ突っ込んでくるのは家長カナだった。

 しかも、彼女の手には『武器』らしきものすら握られていない。

 正真正銘、カナは無防備。戦うような術も持たずに羽衣狐の下まで飛びつこうとしている。

 

「む、無茶だ……カナちゃん!!」

 

 リクオから悲壮な悲鳴が上がるのも当然。そんな状態で羽衣狐に組みついたところで、いったい何ができる。自殺行為に等しいというもの。

  

「————!!」

 

 だがカナの目に一切の揺らぎはない。

 彼女は確固たる意志で羽衣狐に迫り、その距離を徐々に徐々に狭めていく。

 

「——小娘っ!!」

 

 その視線に油断ならないものを感じた羽衣狐は、なんとかカナを退けさせようと試みる。

 

「させねぇって……」

 

 しかし、そうはさせまいと春明がさらに激しく樹海を展開。

 羽衣狐は暴れ狂う木々への対応にやはり余計な動きができず、カナの接近を許してしまう。

 

 カナの突貫に完全な無防備状態を晒す事となる。

 

「っ!!」

 

 そうして、ついに家長カナは羽衣狐の息遣いが届く範囲まで距離を縮める。

 そして、そのまま——彼女は羽衣狐の体に、抱きつくようにしがみ付く。

 

「なっ……なんの真似じゃ、小娘……?」

 

 もはや攻撃ですらない、カナの理解不能な行動に戸惑う羽衣狐。

 

 

 だが次の瞬間にも、彼女はその行動の意味を無理やりにでも理解することになるであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ——……届いた!! ここからだよ……山吹乙女先生!!

 

 羽衣狐にしがみついたまま、家長カナはそこから精神を集中させる。

 

 カナは武器も持たずに羽衣狐に向かっていったが、決して自殺行為などではない。

 これからカナがやろうとしていることは、はっきりいって博打。しかし、勝算のない博打ではない。今の家長カナの中にある『力』、それを行使するだけ。

 

 ただ、その力を意識して使うのは初めてというだけの話。

 

 ——思い出せ、あの時の感覚を!! 

 

 ようは他の神通力を使用するのと同じ感覚だ。偶発的とはいえ、一度はその力を使ったことがあるのだから。

 

「貴方の身に何があったのか……聞かせてもらいますよ、先生」

「な、なにを——」

 

 カナの呟きに、羽衣狐は慌てた様子で縋り付く彼女を引き剥がそうとする。

 

 だが、一歩遅い。

 羽衣狐がカナのことを突き放すよりも先に、彼女の神通力——六神通の一つが発動する方が早かった。

 

 

「貴方の前世に……この『宿命』で——」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宿命——六神通・第四の神通力である。

 

 その効果は自分、他者の過去。あるいは過去世を知ること。

 カナはこの力を修行中に暴発させてしまい、偶然にも自分の前世、山吹乙女との繋がりを知ってしまった。

 

 けれども、全ては必然だったのかもしれない。

 それを知ることで、今こうして彼女に——羽衣狐に対して宿命を使おうなどと、思うことができたのだから。

 

 もしも、知っていなければ、彼女をただの敵として排除していたかもしれない。

 何も知らないまま、リクオに彼女を殺させ、それで全て終わったと残酷なハッピーエンドに浸っていたかもしれない。

 

 その方が楽だったかもしれない。しかし——そうはさせたくないと、今こそカナはこの宿命に縋る。

 

 もし、本当に羽衣狐の中に山吹乙女がいるというのなら、この宿命で全て知ることが出来る筈だから。

 

 

 ——知りたい……知らなくちゃいけない!!

 

 ——そしてリクオくんに……皆に伝えるんだ!!

 

 

 このとき、カナの胸には希望が宿っていた。

 全ての真実を知ることで、それを伝えることができたのなら。もしかしたら戦うことなく、この争いを終わらせることができるのではと。

 

 羽衣狐の、山吹乙女の事情を知ることで、ひょっとしたら『和解』のきっかけなんてものが掴めるのではと。

 甘い幻想を抱くことができていた。

 

 ——深く……。

 

 ——もっと……深くまで!!

 

 

 そのために、カナはもっと深い部分まで潜る感覚に自ら入り込む。

 

 

 

 

 

 羽衣狐と山吹乙女の過去という海へ、その心と記憶の深淵まで————。

 

 

 

 

 




補足説明
 アイディアをくれた鉄龍王さんの許可を得たので改めて羽衣狐のオリ武器に関する説明。

 五尾の薙刀=FGOの巴御前のものがイメージとのこと。水着巴……欲しいですね。
 六尾の大鎌=仁王2の主人公? 仁王はやったことないからよくは知りません。
       自分としてはFGOの水着BBをイメージしてました。
 七尾の鉄砲『国友』=FGOのノッブのイメージとのこと。
       国友は元々、信長が鉄砲を作らせた鍛冶師一派の名前らしく。
       羽衣狐のかつての依代が淀殿(茶々)だっただけに、縁深い名前だということです。

 個人的に気に入ってるのが、六尾の大鎌と七尾の鉄砲です。
 特に羽衣狐に鉄砲を使わせようというアイディアが自分の中にはなかったので、面白いなと思ってノリノリで書いてました。

 残りの一尾と九尾に関しては、また別の機会に出したいと思ってます。
 鉄龍王さん、改めてありがとうございました。

 さて、ようやくこの形に持ってこれた。
 次回からは完全にカナが主人公。次話タイトルは『宿命—羽衣狐の記憶』です。

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