家長カナをバトルヒロインにしたい   作:SAMUSAMU

89 / 124
さて、今回の話ですが。
サブタイトルから分かる通り、原作説明回になっており、基本は原作基準で進みます。

ただ、いくつか原作の流れと細かい差異がありますのでそういった部分を後書きの方で少し説明させてもらいたいと思います。





千年魔京編完結まで……現在の見積もりで言えば、あと四話です。



第八十七幕 暗黒の宴

 奴良リクオの手によって羽衣狐が刺し貫かれる、その数分前。

 家長カナが羽衣狐に対し『宿命』を行使しようとしていた、その直前のことである。

 

「…………」

 

 京妖怪・土蜘蛛。

 彼は宣言通り、不完全な状態の鵺の面倒を見るべく、その傍らに座り込んで静かに煙管を吹かしていた。

 眼前で戦う奴良リクオと羽衣狐。どちらも興味を注がれる相手ではあったものの、鵺に比べればまだまだ足りない。

 土蜘蛛は千年前の戦い。鵺——安倍晴明との潰し合いを今一度体験するため、彼の完全復活を心待ちにその時を静かに待ち望んでいた。

 

 だが、そこへ思わぬ邪魔者が姿を現す。

 

「——フェフェフェ、土蜘蛛よ。そこを……どいてもらえんか…………?」

 

 鏖地蔵が怪しい笑みと共に土蜘蛛の背後に立ち、彼にそこを退くように要求する。

 京妖怪の中でも重鎮、羽衣狐の側近という立場を——催眠術によって獲得した老人。普通の京妖怪であれば、その命令に素直に応じていたかもしれない。

 

「お前、誰だよ……?」

 

 しかし、そこは土蜘蛛。元より仲間意識が薄く、さらに彼は鏖地蔵の催眠術にすらかかっていない。

 知らない相手が、さも当然のように羽衣狐や鬼童丸の側にいることに彼自身ずっと違和感を抱いていたため、その存在に眉を潜める。

 そこから一切立ち退くつもりはなく、相手の要求も突っぱねた。

 

「フェフェ…………この子は、ワシらのもんじゃぞ?」

 

 すると、土蜘蛛の反抗的な態度に鏖地蔵が刀を抜いた。

 それは過去・数多の妖怪を葬ってきた刃——山ン本の心臓・魔王の小槌である。妖怪を斬れば斬った分だけその力を高める妖刀。

 四国の隠神刑部狸へと間借りされ、さらに魑魅魍魎の主であったあの奴良鯉伴さえも餌食にした刀だ。今や並の妖怪では太刀打ちできないほどの力をその刀身に蓄えている。 

 

 もっとも、使い手が鏖地蔵では流石に土蜘蛛を相手にするには分が悪すぎる。

 

「俺に得物向けたってことは…………やりてぇってことだよな?」

 

 その証拠に強大な力が秘められた妖刀を前にしても土蜘蛛は全く動じない。彼は敵対行動に出た鏖地蔵に対し、容赦なく手に持っていた巨大な煙管を叩きつける。

 凄まじい轟音を立て、鏖地蔵が立っていた場所が激しく倒壊する。

 しかし、無造作に繰り出された土蜘蛛の一撃が命中することはなく、彼は敵を打ち損じてしまう。

 

「ん……なんだぁ? なにしやがった……なにも見えねぇぞ?」

 

 原因は視界の不備だ。唐突に土蜘蛛の目の前が真っ暗になったことで、狙いが逸れてしまったのだ。

 

「フェフェッ! よくやったぞ、夜雀!」

「…………」

 

 そう、敵の視界を暗闇にする畏——夜雀の『幻夜行』だ。

 鏖地蔵の協力者。彼女が土蜘蛛の不意を突き、その瞳に術を掛けることに成功した。

 

 

 これにより土蜘蛛の動きが鈍り、彼の動きを——封じられるわけがない。

 

 

「チッ、面倒なことしやがるぜぇっ!」

 

 視界を封じた程度であの土蜘蛛が怯むわけないのだ。

 彼は側にいる不完全な鵺を傷付けぬように注意しながらも、鏖地蔵たちがいる場所に当たりをつけて適当に拳をぶん回す。

 

「こ、こやつ!?」

「…………!!」

 

 予想外の反撃に狼狽する鏖地蔵と夜雀。彼らとしては、一時的にでも土蜘蛛を無力化できればよかったのだが。

 どうやら、これだけでは土蜘蛛の足止めとしては不十分だったらしい。ならば——

 

「——なら……これならどうだい?」

 

 土蜘蛛に向かって、どこからか現れた山ン本の耳・吉三郎が手を翳す。

 鏖地蔵と同じ山ン本として、仕方なく助勢に入り土蜘蛛に自身の能力である『阿鼻叫喚地獄』を発動した。

 これにより、土蜘蛛の頭の中には亡者の嘆き声が響き渡る。常人であれ、妖怪であれ、その絶叫を聴き続ければ発狂し、正気を保っていられなくなる——筈なのだが。

 

「あん? ぎゃあぎゃあとうるせぇな……なんだこれ?」

 

 やはり土蜘蛛には大して効果がない。亡者たちの絶望の嘆きなど、彼にとってはただうるさいだけの雑音でしかないようだ。

 彼は耳障りな騒音を振り払おうとより一層、激しく拳を繰り出してくる。

 

「うへぇ~……これだから、暴れるだけの筋肉馬鹿って苦手だよ……」

 

 自身の得意技をあっさりと受け流され、吉三郎は若干プライドが傷ついた様子でへこたれている。

 他人を欺き、搦手で足元を掬い、その精神を言葉によって挑発する吉三郎のような妖怪にとって、土蜘蛛のようなタイプは一番苦手とするタイプだ。

 特に何も考えない、純粋な力で敵を蹂躙して駆逐する。ある意味で土蜘蛛という存在は誰よりも妖怪らしい妖怪なのかもしれない。

  

「お前みたいな奴の相手をしても全然楽しくないんだよ、ボクは……」

 

 そんな土蜘蛛から距離を取りながら、吉三郎はうんざりした様子で吐き捨てる。

 別に戦闘狂でもなく、戦うという行為そのものに意味を見出していない吉三郎にとって、これ以上、土蜘蛛の相手をして得るものなど何一つない。だから——

 

「——だからさ……とっとと退場しといてくんない?」

 

 故に、吉三郎は土蜘蛛という存在を眼前から排除したく——指をパッチンと鳴らす。

 次の瞬間、土蜘蛛の足元が不自然に崩れ、彼はガクンと膝からバランスを崩した。

 

「おっ? おおお!?」

 

 視界を奪われた土蜘蛛は気付かなかっただろうが、そこにはある筈の足場が存在していなかった。

 

 忘れてはならないことだが、土蜘蛛たちが立っている場所は崩れかけた城の屋上だということ。ただでさえ馬鹿でかい土蜘蛛の図体、ふとした拍子にいつ足場が崩れてもおかしくはない状況だった。

 そこで吉三郎はその足場を意図的に細工し、いつでも崩れやすい状態に仕込んでおいたのだ。

 

 全てこの一瞬、土蜘蛛を——城の屋上から突き落とすために。

 

「うぬわああああっ!?」

 

 足場がなくなったことでそのまま倒れていく土蜘蛛。彼はとっさの判断で腕を伸ばし、何かに掴まろうとした。

 だが、夜雀の幻夜行で『視界』を封じられ、おまけに吉三郎の阿鼻叫喚地獄で『聴力』封じられている。

 奴良リクオとの戦いで腕も三本になってしまった。そのため、土蜘蛛は己の巨体を支える何かを掴めることができず。

 そのまま真っ逆さまへ、地面に向かって落ちていく。

 

 

 

 

「……まっ、これで多少の時間稼ぎはできるっしょ」

 

 墜落していく土蜘蛛を見下ろしながら、吉三郎が呟く。

 いくつかの小細工を弄して何とか土蜘蛛を退場させられたが、こんな物は所詮ただの時間稼ぎに過ぎない。この高さから落ちたところで彼が死ぬことはないだろうし、数分と経たないうちにすぐにでも戻ってくる。

 

「やれやれ……やっぱりあの手のタイプは苦手だよ」

 

 疲れたようにため息を吐きながら、吉三郎は鏖地蔵と夜雀の方に目を向けた。

 

「さて、山ン本さんへの義理立ては済んだし……今度こそボクは帰らせてもらうよ……」

「なんじゃ、最後まで見ていかんのか?」

 

 吉三郎がそろそろお暇すると聞き、鏖地蔵が不思議そうに首を傾げる。

 彼からすれば、ここから——晴明が復活するここから先こそが最大の見せ場であり、それを見逃して帰るなどあり得ないと興奮気味に声を上げる。

 

「ほれ! あれを見よ!!」

 

 鏖地蔵が例の黒い巨大な赤子・鵺を指し示す。

 すると、その黒い赤子の体がひび割れ——中から『何か』が生まれ落ちようとしていた。

 

「間もなくじゃ、間もなく晴明様が復活なされる。あのお方さえおれば、我ら百物語組に敵などおらぬ!! 人も妖も、全てワシらの下僕にできるのじゃぞ!? ヒャッヒャッ!!」

 

 どうやら鏖地蔵——この山ン本の左目は晴明の復活が嬉しくて嬉しくてしょうがないらしい。無理もない。鏖地蔵は今日という日のため、地獄にいる山ン本の代わりに晴明のために手となり、足となり暗躍してきた。

 きっと晴明が復活した暁には、彼からのご褒美が貰えると浮かれきっているのだろう。

 

「下僕ねぇ……悪いけど、ボク支配には興味ないんだよね……」

 

 その一方で、吉三郎の態度はとことんまで冷ややかだった。彼はテンションMAXに浮かれきった同胞である鏖地蔵を冷めた目で見つめ、やれやれと首を振る。

 

 吉三郎という妖怪は『支配』という行為には何の意味を見出していない。

 安倍晴明とやらが掲げる『秩序ある世界』とやらにも何ら関心を抱いていない。

 

 彼は人間の悲鳴や苦しみを聞きたい『だけ』の男であり、全ての行動がその一点に帰結する。

 それ以外の何にも、彼は『価値』を求めていないのだ。

 

「夜雀、君もそろそろ退散しときなよ……あの人たちへの報告もよろしく」

「…………」

 

 一応、申し訳程度に夜雀へと忠告を入れ、吉三郎もその場から退散していく。

 その間際、彼はチラリとリクオと羽衣狐、そして——家長カナの方へと目を向ける。

 

「…………チッ、あの女、余計な横槍を入れやがって……」

 

 家長カナ——彼女はリクオと羽衣狐の間に割って入り、その争いを一時的にだが中断させてしまった。今も何かを仕掛けようと、羽衣狐相手に無謀な特攻を試みているようだ。

 

「……何で山吹乙女のこと知ってるかは知らないけど……ホント、空気読めない女だよ」

 

 吉三郎はその聴力で遠く離れた場所からでもカナの発言、リクオとの会話の内容が聞こえていた。

 家長カナの口から、何故か山吹乙女の名前が出たときには驚いたが、そんなことがどうでもよくなるほどに——今の吉三郎はかなり機嫌が悪かった。

 

「……せっかく、せっかくいい感じに殺し合ってたのに、それを邪魔するなんて……」

 

 吉三郎としては、奴良リクオと羽衣狐——の依代である山吹乙女の肉体。二人が殺し合っている光景をもっと拝んでおきたかった。

 自らの記憶のジレンマに苦しみながらも仲間のためだの、義務感だの、宿願などのため。本来であれば、そうあってはいけない両者が無残に殺し合う光景を。

 

 奴良鯉伴という男との繋がりをもっと二人が、何も知らずに殺し合う滑稽な姿を観察しておきたかった。

 

 だが、家長カナの介入のせいで、そんな戦況に変化が訪れる。

 好みの問題なのか、その微妙な変化にそれ以上観察していても面白いものは見れそうにないと、吉三郎は冷めた気持ちでリクオたちの戦いから興味を失っていく。

 

「まったく、この不快な気分……どうしてくれようか?」

 

 こんな気持ちはいつ以来だろうと自問しながら、去り際に吉三郎は彼女に——家長カナに対して呟く。

 その目に彼女に対する明確な『敵意』を宿しながら——。

 

 

 

「——いい加減、次の機会にでも始末しておくか……目障りになってきたし」

 

 

 

×

 

 

 

「……鯉伴さま…………愛しい時間だった……」

 

 カナの宿命によって、羽衣狐——いや、山吹乙女は全てを思い出した。

 

 自分が、人間の器を持って現世に復活したこと。

 その器で、鯉伴やリクオと楽しく遊んだ思い出を。

 

 そして——自分が奴良鯉伴を刺殺してしまったことを。

 

 悔やんでも悔やみきれない記憶。その絶望から、彼女は今の今まで自らの意思を羽衣狐に明け渡していた。

 だが、カナが宿命によって思い出させてくれたことをきっかけに、彼女は再び自分というものを取り戻すことができたのだ。

 

 けれど、一歩遅かった。

 完全に己を取り戻すのとタッチの差で、彼女はリクオの手で——袮々切丸で刺し貫かれてしまった。

 

「ど……えっ……?」

 

 乙女の呟きが聞こえていたのか、リクオが戸惑いの表情を見せてくる。

 しかし、今の乙女には自分の身に起きた境遇を一から十まで説明する力など残されていない。

 

 せめて、あの人の——愛しい人の息子であるリクオに少しでも長く触れたくて、乙女は最後の力を振り絞って彼の頬を撫でる。

 

「リクオは……成長したね……」

 

 今はそれが限界だった。

 優しくそれだけを言い残し——山吹乙女はガックリとその場にて崩れ落ちる。

 

 

 

 

「お、おい!! ど……どういうことだよ!! 羽衣狐!!」

 

 状況をサッパリ飲み込めないリクオ。彼は倒れ込む乙女の体を抱き抱え、必死の形相で彼女に呼びかける。

 だがリクオの呼びかけに応えることなど出来ず、彼女はそのまま、死んだようにリクオの胸の中で気を失い——

 

 

 次の瞬間——彼女の内側からそれは飛び出してきた。

 

 

『——ぐっ……ああああああああ!!』

「……ッ!?」

 

 まるで魂が抜け落ちるかのように体から飛び出してきたもの。その正体は妖怪としての羽衣狐・転生体の本体である。

 

 千年前、人間たちの手によって打ち取られた時と同じ妖狐姿。

 彼女こそ、この千年間。数多くの女性たちの肉体を依代とし、鵺誕生の宿願のために数多の歴史の裏で暗躍してきた羽衣狐その人だ。

 

「あれは……羽衣狐の本体か!?」

 

 花開院の十三代目秀元が目を見開く。

 あの本体こそ、花開院家が今までずっと捜し続けていた元凶。今、この場であの本体さえ倒してしまえば羽衣狐は二度と転生できなくなり、花開院家の羽衣狐打倒という念願も叶えることができる。

 

 もっとも、陰陽師たちが手を下すまでもなく、羽衣狐は一人苦しんでいた。

 

「ううううう、い、痛い……!! 依代から離れた筈なのに!! 何故、何故まだ苦しいのじゃ!! 何故、頭が割れるように痛いのじゃ!!」

 

 彼女を苦しめているのは——依代として同化していた山吹乙女の記憶だ。

 宿命によって垣間見た己自身の記憶、山吹乙女の記憶。

 

 そして——全ての黒幕であった晴明の暗躍の記憶が彼女を苦しめている。

 

 その苦しみから逃れたくて、彼女は乙女の肉体から離脱した。だが、たとえ体から離れてもその影響が続いているのか。羽衣狐は悶え苦しみながら、責めるような視線をすぐ側にいた鏖地蔵へと向ける。

 

「み、鏖地蔵…!! 貴様……!!」

「おや~? どうかされましたか? 羽衣狐様……フェッフェッ!」

 

 しかし、鏖地蔵は羽衣狐の怒号を涼しい表情で受け流す。

 宿命の記憶はあくまでカナと羽衣狐との間にだけ見せられた記憶であり、彼は羽衣狐が何に対して憤慨しているのかすら分かっていないのだ。

 

 もっとも、羽衣狐と同じ記憶を見たとしても、鏖地蔵には死んでも分かりはしないだろう。

 愛しい人を殺すため、策略の道具とされた山吹乙女の気持ちなど。

 

「くっ……せ、晴明……お前はっ!!」

 

 羽衣狐は非難の矛先を実の息子である晴明へと向ける。

 

 

 そうだ。今まさにあの黒い赤子の外側が鏡のようにひび割れ——その内側から『彼』が蘇ろうとしていた。

 

 

「おっ……おおお!! 割れたぞ!?」

「晴明様……!!」

 

 その光景に京妖怪たちが歓喜の雄叫びを上げ。

 

「そ、そんな……鵺が……」

「と、届かなかった?」

 

 奴良組、花開院家の面々が絶望的な表情を浮かべる。

 

「せいめいぃぃぃ!! 答えよ! 晴明!!」

 

 しかし、そのどちらのリアクションも羽衣狐の目には映らない。

 彼女はただ一人。愛すべき息子である筈の彼に、今回の暗躍の真意を問いただそうと絶叫していた。

 

 

「お前が後ろで……糸を引いていたのかああああああああああ!?」

 

 

 それに対し、黒い赤子の殻を打ち破って現れた男が答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまぬ、母上」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「——あ……ああ……」

 

 ドキッと、羽衣狐の心音が高鳴る。

 眼前の息子の——あまりにも凛とした姿を前に彼女は見惚れていた。

 

 千年ぶりに再開した実の息子・安倍晴明。

 その凛々しい姿は羽衣狐が抱いていたイメージ以上に男前で、美しく、それでいて堂々たるものだった。

 

 完全なる反魂の術。羽衣狐の出産を経てこの世に再誕した、一糸纏わぬ彼の姿は千年前よりも若々しい、力強さに溢れる佇まい。

 神々しく、禍々しい。そんな息子の晴れ姿に——羽衣狐は問いただしたいことも忘れ、ただただ見惚れていた。

 

「すまない」

 

 何も言えないでいる母親に、晴明は息子として謝罪する。

 

「あの女児を母上にと、地獄からあてがったのは私です。こうなるとは思ってもいなかった」

 

 山吹乙女の肉体、その器を母親の依代にしたことがどうやら予想外に羽衣狐を苦しめてしまった謝る。

 それはあくまで母への謝罪であり、山吹乙女を利用したことに関しては全く後ろめたさを持ってはいないことがよく分かる言葉である。

 

「……おお……おお……いや、もういい……もういいのじゃ!!」

 

 羽衣狐は、そんな息子へ何かを口にしようとしたが——途中でそれを飲み込んだ。

 

 山吹乙女を、一人の女性の愛を利用した此度の策略。母として、一人の女として許し難い部分も勿論あった。

 だが千年の宿願——『息子にもう一度会いたい』という望みと比べれば、全ては些事である。

 

 そうだ。自分はこの瞬間、この一瞬のために全てを捧げてきたのだから。

 

「…………」

 

 しかし、やはり女性としての情を完全には捨てきれていないのか。

 羽衣狐は数秒、自分の依代だった山吹乙女。そして、宿命での記憶の旅路を共にした家長カナの方をチラリと一瞥する。

 

「っ……」

「家長さん!! しっかりしいや!?」

 

 視線の先でカナは頭から血を流していた。それを介抱しようと花開院ゆらが駆け寄っている。

 カナと羽衣狐、一瞬だが視線が交差する。だがそれだけだ。

 

「……っ、晴明……近う、近うよれ!!」

 

 あくまで安倍晴明との再会を優先する羽衣狐。彼女は急いで彼を、最愛の息子を自らの元へと抱き寄せた。

 

「おおお……晴明……………やっと、この手に……」

 

 

 今ここに——羽衣狐、千年越しの願いが叶った瞬間である。

 

 

 

 

 

 

 

「——っ!?」

 

 だが再会の喜びに浸る間もなく——『それ』はこの世に顕現する。

 

「な、何だありゃ!?」

「よ、溶岩!? いや……あれは!?」

 

 晴明と羽衣狐が感動の再会を果たしている、その真下。火口の入り口が突然蓋を開けたかのように、空中にその穴は出現した。

 グツグツと、まるで地獄の窯のように煮えたぎる、マグマのように真っ赤な業火。

 

「——あれが地獄です。私が千年間いた。妖も人も還る場所です」

 

 それは——安倍晴明がこの世に呼び出した『地獄』への入り口だった。

 彼は自分を抱きしめる母親を——何と、その地獄の穴へとそっと突き飛ばしていた。

 

「せっ……せいめい!?」

 

 息子の行為に唖然となる羽衣狐だが、晴明は全く動じることなく平然としていた。

 

「千年間ありがとう……偉大なる母よ。貴方のおかげで再び道を歩める……」

 

 平坦な口調のまま彼は母への礼を述べる。その顔には微塵の迷いもなく、彼は母が地獄へと突き落とされていく光景を黙って見下ろす。

 

「貴方は私の太陽だった……希望の光、温もり……」

 

 晴明は母を愛していないわけではない。実際、彼は母の死をきっかけにこの魔道を歩むようになったのだから。

 だがその魔道を歩むのに、母親への愛、情といった感情は邪魔であると。彼はそれらの感情を羽衣狐の存在ごと切り捨てていく。

 

「せ、せいめいッ、せェェめぇえええ、愛してる!! 愛じてるぅううううううう!!」

「…………」

 

 地獄へと突き落とされて尚、息子への愛を叫ぶ羽衣狐の声にも彼は心動かされず。

 ついには彼女へと背を向け、その最後を見届けようともしなかった。

 

「貴方に背を向けてこそ、この道を歩めるのです」

 

 もう彼にとって羽衣狐は過去の存在なのだ。

 

 彼女という存在を糧に、ひたすら前だけを進んでいく。

 

 影なる魔道——それは背に光があればこそ。

 その光から目を背けることで、自分は真の百鬼夜行の主となる。

 

 

 それが千年間。地獄で自問自答を続けてたどり着いた、安倍晴明という男の『結論』であった。 

 

 

「ゆくぞ妖ども。私についてこい……」

 

 

 そして、それが当然だとばかりに。

 彼はその場にいる全てのものに向かって傲慢に吐き捨ていた。

 

 

 

×

 

 

 

「ぬ、鵺が……晴明が……!!」

「じ、地獄から……!」

「かっ、還ってきた……」

 

 鵺の、安倍晴明の復活に歓喜すると同時に戸惑う京妖怪の面々。

 宿願が達成されたことは喜ばしいことだが、彼らは晴明が羽衣狐を地獄へと叩き落としたことに戸惑っていた。

 

「せ、せいめい様?」

「…………」

 

 千年前から晴明に仕えてきた鬼童丸や茨木童子ですら唖然としており。

 

「……お、お姉さまが……」

 

 羽衣狐を姉と慕っていた狂骨にいたっては、顔面蒼白に言葉を失っている。

 

 彼らは先ほどまで羽衣狐を主人として慕っていたのだ。たとえ安倍晴明に忠誠を誓っていようと、立ち直るにはもう少し時間が掛かることだろう。

 そんな中——

 

「——ヒッヒヒヒヒ!! ひぇっひぇっひぇっひゃっ!!」

 

 まったく動じることなく、安倍晴明復活に大喜びする老人・鏖地蔵が狂ったように笑い声を上げる。

 彼は最初から全てを裏から仕組んでおり、羽衣狐のことも内心『駒』としか認識していなかった。

 

 自分が取り入る相手・鵺が復活したことで、すぐにでも彼が真の主人だと鞍替えする。

 

「伝説の主の誕生じゃ~~、鵺様! 万歳!! 万歳!!」

 

 その場で万歳三唱、自分こそが安倍晴明の忠臣だとアピールするかのように声を張り上げる。

 

 だが、喜びの声を上げるのも束の間。

 

 ガラガラっと、瓦礫の山を押し除けるように巨大な影が駆け上がり、安倍晴明へと迫る。

 それが何者なのか、見るまでもなく分かり鏖地蔵は背筋をヒヤリとさせる。

 

「うっ、つ、土蜘蛛!!」

 

 そう、つい先ほど突き落とされた筈の彼がもう戻ってきたのだ。

 土蜘蛛は晴明が羽衣狐に行った蛮行を一切気にすることなく、雄叫びを上げながら突っ込んでいく。

 

 

「晴明、千年ぶりだぁああああああああああああ!!」

 

 

 復活したばかりの晴明へ、何の躊躇なく殴りかかる。

 彼との闘争を望む土蜘蛛にとって、それこそが正しい在り方だ。晴明が何を思って羽衣狐を地獄へ突き落としたとか、鏖地蔵が何者だったかなど。

 その他一切が割とどうでもよく、千年ぶりの宿敵との闘争に身を委ねる大妖怪。

 

 だが——

 

「ふっ、懐かしい顔だな……」

 

 土蜘蛛の奇襲に微動だにせず応じる晴明。

 彼は七芒星の結界を張り、土蜘蛛の拳を真正面から受け止めてしまった。

 

「何……」

 

 これには土蜘蛛も驚いた。

 いかに安倍晴明とはいえ、自分の拳をこれほど容易く防ぐことはできなかった筈。少なくとも千年前はそうだった。

 これはリクオとの戦いで土蜘蛛自身が疲弊しているということもあるが、単純に安倍晴明の力が千年前より高まっていることが要因である。

 新しい姿で生まれ変わった彼は、千年前よりも確実に強くなっていた。

 その強くなった力で、彼は土蜘蛛を滅する言葉を唱える。

 

 

「滅」

 

 

「!!!!!!!!」

 

 刹那、土蜘蛛の体が——あの巨体が地に伏せる。

 リクオたちをあれほど苦しめ、どんな攻撃を喰らっても決して屈しなかった彼が——安倍晴明のたった一言によって沈んだのだ。

 

「せ、せいめいぃぃ! 待てや、コラァああああ!!」

 

 戻ってきて早々に、再び落下していく土蜘蛛。だが今度彼が落ちていく場所は地獄だった。

 羽衣狐を呑み込んだ、あの業火の入り口がまだ開いており、そこへ突き落とされた土蜘蛛もその中へと放り込まれてしまう。

 

「!?」

「ウソッ!?」

「そんな土蜘蛛が……」

「滅っ……」

 

 これには奴良組、京妖怪。両軍共に驚愕する。土蜘蛛を、あの大妖怪をあっさりと退ける安倍晴明の実力に、もはや言葉もない。

 とんでもない男が戻ってきたと、誰もが絶句する。

 

「はぁはぁ、ハハハ……! 流石でございます、晴明様!!」

 

 そんな中においても、やはり一足先に鏖地蔵が我に返り、安倍晴明にすり寄っていく。

 彼は前々からの約束通り、多くの妖の血肉を吸って力を溜め込んできた魔王の小槌を恭しく晴明へと献上する。

 

「どうぞ、こちら我らの心臓……魔王の小槌で御座います」

「うむ……」

 

 晴明はその刀を鏖地蔵から受け取ると、それを試し振りしようと——その視線を城の頂上から見える京都の街並みへと向ける。

 

「……随分、汚い街になってしまったな」

 

 その景色は晴明が支配していた千年前とはまるで違う。

 いかに京の都が歴史情緒溢れる街並みといえども、やはり近代的な建物が目立つ光景だ。

 

 彼はそれがお気に召さなかったのか。

 

「我々の棲むべきところには……ふさわしくない」

 

 そう呟きながら、晴明は眼下に広がる街々に向かって刀を無造作に振るった。

 

「——?」

 

 当初、誰もがその行動の意味を図りかねていただろう。

 傍から見れば、それは本当に何もない空中に向かい、ただ刀を振り回しただけなのだから。

 

 

 

 だが、次の瞬間。

 凄まじい爆音、轟音と共に——京都が文字通り『炎上』した。

 

 

 

 晴明のいる場所から数キロメートル先。人々が生き、生活している京都が、あの綺麗だった街並みが——。

 まるで空爆を受けたかのように燃え盛っている。

 

「なっ!? きょ、京都が……!!」

 

 その惨状に竜二が言葉を失う。

 必死に守ってきた京都が、花開院家が数百年と守り通してきた京都の街や人々が。

 

 たった一瞬で、脆くも崩れ去っているのだ。

 

 

 

 

 そして、その崩れていく建物の中に——

 

 

 

 

「……あ、あの方角には……警察署が…………!」

 

 先ほど囚われていた人々を避難させた京都府警察署があることに、家長カナの表情が絶望に染まる。

 

 

 

×

 

 

 

「うん……いい刀だ」

 

 街を破壊するという試し斬りを終え、安倍晴明は満足そうに魔王の小槌の刀身を撫でる。刀の使い心地は彼のお眼鏡に叶ったようだ。満足のいく仕事をこなした、鏖地蔵の労をねぎらう言葉を放つ。

 

 

「ご苦労だった。山ン本五郎左衛門」

 

 

「————?」

「————え?」

 

 

 周囲のものたちが押し黙る。

 京妖怪たちは聞き慣れぬ名前に首を傾げる一方で、奴良組はその人物の忌まわしい名に衝撃で息を呑む。

 

 やがてその戸惑いは、すぐにざわめきへと変わる。

 

「山ン本……!?」

「山ン本五郎左衛門だと!?」

 

 ざわざわと色めき立つ。その動揺は奴良組の古参のメンバーを中心に広がっていき、その名に聞き覚えのない若い組員にも戸惑いが伝わっていく。

 

「誰だ? 山ン本って!? のりか……?」

 

 遠野勢も当然その名前に聞き覚えがなく、彼らの疑問を代表するかのように淡島が若干的外れな質問をする。

 その問いに対し、山ン本と——そのものが率いた組織と過去に縁深い関係を持っていた黒田坊が苦々しい顔で答えていた。

 

「……江戸にいた人間……いや、最後は妖怪になっていたな。……かつて奴良組と争った男」

「!!」

「二代目によって滅亡した……『江戸百物語組』組長の名だ……」

 

 

 

 

 否!!

 彼は、彼らは滅亡などしていなかった。

 かの者はその体を百に分け、奴良組の知らないところでずっと暗躍を続けていた。

 

 山ン本の左目——鏖地蔵然り。

 山ン本の耳——吉三郎然り。

 

 誰にも悟られぬよう、ひっそりと地下に潜り、その力を蓄えてきたのだ。

 それは彼らにとって屈辱的な日々であったが——その日々が報われる時が、とうとうやってきた。

 

「晴明様、私は鏖地蔵と申します。どうぞ、今後ともよしなに……げひゃひゃひゃひゃ!!」

 

 鏖地蔵はあくまで個人として安倍晴明に取り入る。此度の働きは自分の功績だと言わんばかりに、何気に他の山ン本たちを出し抜き、手柄を独り占めにするつもりである。

 

 もっとも、それだけの働きはしてきただろう。

 なにせ、この鏖地蔵こそが山吹乙女を利用し、奴良鯉伴を謀殺した実行犯だ。

 それからも、催眠術を用いて京妖怪幹部の立場に潜り込み、鵺の復活にずっと協力し続けてきた。

 

 客観的に見ても、手柄に身合うだけの涙ぐましい努力はしてきた。

 

 

「まずはこの街を変える」

 

 

 しかし、晴明にとっては山ン本だろうと、鏖地蔵だろうと呼び名はどうでもいいのか。

 特にそれ以上、鏖地蔵の働きに言及する間もなく、彼は真っ先に京都の街——そこを造り替えていくことを宣言するのであった。

 

 

「その先に、私の望む世界がある」

 

 

 

 

 

「フェッフェッ~~、その理想世界の建設! この私めにもご協力させて下さい!!」

 

 安倍晴明の復活にすっかり有頂天な鏖地蔵。ちゃっかりと晴明の側近ポジションを陣取り、彼に追従して自身の権威を示す。

 その様相はさながら、虎の威を借る狐である。

 

「これでワシの大願がようやく叶ったわい! 妖も人もワシらの下僕じゃ~~」

 

 その言葉から理解できるように、鏖地蔵の願望は『支配』である。

 

 山ン本五郎左衛門の一部である彼らは、山ン本からあらゆる要素を色濃く受け継いでいるが、その要素は個体によって違いがある。鏖地蔵のように『支配欲』が強いものいれば、そんなものに微塵も興味がない吉三郎のようなものもいる。

 ただの『口』として怪談を語りたいだけのものいれば、怪談を産み出したいだけのもの、力で暴れたいだけのもの、役者として演じたいだけのものなど。

 それぞれが全く別の欲望で蠢く、それこそが『山ン本』である。

 

「燃えろ~~燃えろ~~、ヒャッヒャッ!」

 

 自らの欲望が叶ったことでか、鏖地蔵は京都の炎上する様に高笑いを上げる。その下衆な笑い声は多くのものの反感を買うことになるだろう。

 

「お、お前……!!」

「み、鏖地蔵ぅうう……!」

 

 ゆらが守るべき京都の炎上を煽れて激怒し、カナは彼の過去の行い——山吹乙女に行った外道なる行為を思い出して睨みつける。

 しかし、晴明という後ろ盾のある鏖地蔵は二人の少女の憤怒を涼しい顔で受け流す。

 

「お主らは負けたのじゃ~! 己の不甲斐なさを、そこで指でもくわえて見ているがいいわ! げひゃひゃひゃひゃ!」

 

 挑発的な言葉で少女たちを愚弄する。もはややりたい放題である。

 

 

 しかし、あまりにも浮かれ過ぎたせいか。

 彼は——普段ならやらない大ミスをかましてしまう。

 

 

「もえ、もえ…………へ?」

 

 不快な笑い声が途中で途絶える。

 腹部に走った痛みに、鏖地蔵がそちらに視線を向けると——

 

 刀が、自身の脇腹を背後から刺し貫いている光景を目の当たりにする。

 

「へっ? あれっ、あれっ、なに……な、な……んじゃこりゃああああああ!?」

 

 いっそ滑稽なまでに狼狽する鏖地蔵。

 もう少し用心していればそんな不意打ち、簡単に防げていたかもしれなかったのに。

 

 結局、彼は自らの浅はかさ、傲慢さからその身を破滅へと導いてしまう。

 

「わ、ワシの妖気が……妖気が消えてゆくぅぅうぅううううううう!? あばばばばばばばばばあ!?」

 

 そのまま、その刀の効力によって彼の妖力は消滅。

 鏖地蔵こと山ン本の左目。彼はあまりにもあっさりと消失し、地獄の山ン本の元へと還るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………これは…………」

 

 鏖地蔵の消滅に安倍晴明が僅かに驚きを見せる。

 別に、彼は鏖地蔵という妖怪の消滅を憂いているわけではない。あの程度の妖、いくら消えようと晴明にとっては大した痛手ではない。

 彼が驚いたのは——鏖地蔵が消滅したという事実そのものだ。

 

 鏖地蔵。あれはあれでかなりしぶとい、厄介な再生能力を持っていた。

 たとえバラバラにされようと、あれは肉片ひとつでも残っていれば元に戻ることができる性質を秘めていた。その再生力は、花開院ゆらの破軍によって強化された陰陽術の一撃ですら耐え忍び、元通りになったほど。

 そういう意味で、鏖地蔵を完全に倒すのは至難の技と言えただろう。

 

 そんな彼が——あまりにもあっさりと消滅した。

 

 それを成した力、妖怪を滅する刀——祢々切丸の力に安倍晴明は瞠目し。

 

「……なんだ、お前は…………?」

 

 それを扱う、使い手に対して目を向けた。

 

 

 

 

 

「はぁはぁ……テメェ、なにやってんだよ……」

 

 祢々切丸の持ち主——奴良リクオ。

 満身創痍の身でありながら、半死半生の山吹乙女の身を守るように抱え込む。晴明にとっては既に用済みの存在、先ほどまで殺し合っていた彼女を必死に守ろうとしている。

 

「母に手を掛け……俺たちをひっかきまわして………」

 

 リクオにとって、目の前の出来事は訳の分からぬことばかりだ。

 

 

 幼馴染のカナが羽衣狐の依代を山吹乙女と呼んだこと。

 

 山吹乙女が自分を慈しむように撫でてくれたこと。

 

 羽衣狐が実の息子に何故地獄へと叩き落とされなければならないのか。

 

 目まぐるしく変化する現状に、正直リクオは思考の方が未だに追い付いていなかった。

 

 

 だが、一つだけ分かっていることがある。

 

「千年前に死んだ奴が……この世で好き勝手やってんじゃねぇ」

 

 それはこの男を——安倍晴明を許せないということである。

 実の母を見捨て、京都を破壊した彼を、決して放ってはおけないということ。

 

「……り、リクオ…………」

 

 今も、うなされるように自分の名を呼ぶ山吹乙女を優しく横たわらせ、リクオは両手で祢々切丸を構える。

 

 無謀なのは百も承知。

 リクオの体力も万全ではないし、晴明の力量は未だに未知数な部分も多かった。

 

 けれど——リクオの目は、まだ力を失ってはいない。

 

 眼光を鋭く晴明を睨みつけ、勇猛果敢に彼は最強の敵・安倍晴明——鵺へと戦いを挑んでいった。

 

 

 

 

 

「——たたっ斬る!!」

 

 

 

 

 




補足説明
 
 安倍晴明
  復ッ活ッ!! 安倍晴明復活ッッ!! 
  安倍晴明復活ッッ!! 安倍晴明復活ッッ!!
  安倍晴明復活ッッ!! 安倍晴明復活ッッ!!
  
 晴明「してぇ……妖怪滅してぇ~~~~……」

  というわけで。ついに安倍晴明が復活。
  登場早々に全裸でハッスル。こいつを表現するのに『一糸纏わぬ姿』以外、どういう言葉を使えばいいんだ? 文章表現の扱いに困るわ!!


 原作との微妙な差異について
 ・土蜘蛛と鏖地蔵のやり取り
  普通にやったら勝敗が明らかな二人。どうやったら土蜘蛛を少しでも大人しくさせられるかと、考えた末こういう流れになりました。

 ・乙女のお父様発言。
  原作では「お父様」と発言して我々読者のミスリードを誘っていますが、今回はカナの宿命で記憶を取り戻した関係上、普通に「鯉伴様」と呟いています。

 ・鵺のカケラに羽衣狐の記憶が映り込む演出
  原作では『黒い赤子が割れ、そこに羽衣狐の記憶が映し出される』という演出がなされていましたが、カナの宿命を主軸に置く話の流れ上、その部分はカットいたしました。
 
 
 これで千年魔京編完結まで、あと三話。

 次回仮予告タイトルは『芽生え始めた感情』です。

 果たして今年中までに間に合うのか? 
 ノッブ埴輪を退治するかのようにギリギリになりそう……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。