第四天の逝く型月散歩(旧題:型月散歩)   作:しましまパンダ

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 三人称的な奴の練習。
 駄文ですがよろしくお願いします。


Prologue──

「ハハハッ!!」

 

 気持ちいい、男の脳内はそれにのみに支配されていた。それもそのはずだろう、生前、人であった頃は虐められ、罵られ碌でもない扱いを受けてきたのに、自らをかつて虐げていた存在以上の人間を蹂躙しているのだから。

 

「ヒヒヒッ」

 

 辺りには家として最早成り立っていない建物が所狭しと並んでいることからも、男が襲う以前はそれなりに発展していたはず。その街をつい数時間前に襲い始め、蹂躙していない場所など男の襲い始めた場所とは逆の街の端くらいのものだ。

 その場所も順当に行けばこの男が破壊しつくすだろう。

 

「ったくよォ」

 

 悪態をつきながら蹴り飛ばしたのは人の頭部であった。蹴り飛ばされた頭部は瞬間に首から千切れ、蹴られた瞬間弾け飛び、辺りには血の海ができていた。

 

「あそこかァ?」

 

 残った家屋を見つけるや、羽虫を弄ぶ餓鬼と同じような圧倒的強者のみがするであろう笑みを浮かべた。

 近づく男に襲い掛かるは泥で出来た守護者──ゴレームと呼ばれる存在。数体のゴーレムは男を一回りも二回りも上回る巨体から右腕を振り下ろした。

 

「塵が──邪魔すんじゃねえよ」

 

 そう言って振った腕、脚による攻撃で守護者として何も為せないまま砕けた。乾いた音を立てながら崩れていくゴーレムを男は興味無さげに一瞥し、目的であった家へ向かった。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 そのあともゴーレムから何度か襲われつつも容易く砕いていき、目的であった家についた。

 壁を拳で破り、辺りを見渡すが人気が無く、期待外れか……と半ば思ったその時。

 

 「───」

 

 この状態になったことで強化されてい聴覚が人の声らしきものを捉えた。聞こえた瞬間方向を瞬時に察知し緩慢だった先ほどまでとは一転して男の足の踏み込みによって地がめくれる程力を入れ移動した。

 

 

 男の不運は此処だろう。この声に気付きさえしなければ■■■■■■■のに。

 

 

 声の主のいるであろう場所はこれまでとは一転、西洋の神殿を簡易的にしたような作りだった。

 とはいえ、強者の愉悦に浸る男は気付いていなかったが……。

 

 

 ──瞬間、男から酔いがさめる。いや、強制的にそうさせられた、というべきだろう。

  

 男の脳に在りし日に毎日浮かべていた感情が浮かぶ。それは、恐怖というこの姿になってからは浮かべた事が一度もなかった感情である。心では自分は強者と思っているはずなのに、何故か震える身体。

 震える体を律し本来自らが弄ぶはずだった存在を見てみると、

 

 『こ■に■■子 ■現せ■ 』

 

 部分的にしか聞き取れなかった幻聴のようなものが聞こえた。視線の先は先ほどまでは苦し紛れの手段によって生まれた土煙だと思っていたが、今はどうしようもなく晴れてほしくない。あり得ない感情が男を占めていた。

 

 

 

 ヒュー、ヒューと死にかけの人と同じような息が漏れ、いよいよ晴れてしまった。

 

 そこに居たのは……黄金と……

 

 ──と視た瞬間、視界が失われた。数瞬後、自らに何があったのか察する。目が砕けていたのだ。何が実際にあったのか男は理解できていなかったが、マズイと本能で感じとり近くにいたグールから血を吸い目を再生させた。

 ホッとしていた男に超重の圧がかかった。

 

 辺りにいたグールは皆例外なく平伏し、その圧に耐え切れず破裂する者までいた。男は辛うじて立つことが出来ているが、それもいつまでもつか……。

 男の脳内は恐怖で占められ、動き出したくても圧によって動けず、それによって恐怖が、といった具合の無限ループに陥っていた。

 気力を振り絞り首と眼球だけその圧の主の方を向くと、

 

 宙がいた。

 

 世界すらもちっぽけに見え、宇宙と比較しても決して見劣りしない所が、勝ってすらいるように感じる存在がいた。

 獅子の鬣のような髪の毛を持つ男──それが圧の主だった。

 眼球が砕けることなかったため、先ほどよりもより鮮明に見ていると自らの存在が軋み始めている事を感じた。

 超重量の存在が傍にいることで個として存在するための殻、いわゆる身体ではなく、その中。魂と呼ぶべきものが潰れかけていた。

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」

 

 もはや声を出せず呼吸しかできない男を黄金の瞳が捉えた。辛うじて立っていたはずの体はグールと同じく崩れ落ち、膝で立つ事すらもかなわなくなってしまった。

 そんな男の耳に先ほどの幻聴と違い、確実に聞こえたのが

 

 

 『Yetzirah(形成)―─Vere filius Dei erat iste(ここに神の子 顕現せり)  Longinuslanze Testament(聖約・運命の神槍)

 

 それは詠唱なのか、呪文なのか果たして何なのかと動けぬ状態ながらも考えてる男を他所に顕現という通り、ナニカが顕現した。。

 顕現したそれは黄金の男に相応しい極大の存在感を放つ槍、この世においてそれ以上の格が無いのではと感じるほどの──直視した男はその槍の放つ真の聖性の光に呑まれ、己が消えるのを確かに感じた。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇ 

 

 

 

 

 

 ──某所にて、ある街を死徒が襲ったという報告があり、依頼を受け街へ向かった魔術師達の見た光景は天すら容易く覆い隠すカドゥケウスと黄金の城であったそうな……




どーしても、下手でも何でも書きあかったのでかき上げた感じです。
ありがとうございました。
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