第四天の逝く型月散歩(旧題:型月散歩)   作:しましまパンダ

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とりあえず、前章から間に何かやろうと思ったんですけど、思いつかなかったので当初の予定通りいきます!

 時系列的には前章から結構進みます、よって章の位置づけが■っていう事です。

ついに、型月原作キャラ登場ッ!


第■章 石英の渓谷と至高天
VS■■■ その1 至高天・黄金冠す第五宇宙


 

 端的に言えば彼らは暴れ過ぎたのだ。数多ある亜種聖杯戦争を幾度となく制し、嘗ての自分たちに近づけようとしすぎた。

 星は決める。消さねばならない。あの者達は一歩間違えば破壊しつくしてしまうかもしれない。故に──

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 天から飛来するは本来眠っているはずの怪物、星の最強種であった。その事実を黄金も、水銀も知らないが。

 突如現れた怪物が起こし始めた事象に取り乱すこともなく……

 

 

「これは空間かな、カール」

 

「おそらく、自己の世界を展開していると思われる。簡単に言えば侵食している辺りベイの創造に近い。」

 

「中尉のか、限定的に異界を創る辺りそうかもしれん。……カール、ここは」

 

「言われずとも獣殿、ここは任せる。大方全力を出してもこれまでの敵と違い打倒が容易ではないと踏んでいるのでしょう。」

 

「──私の考えなどお見通しか。まあ、そういうことだ。ここは譲れ。」

 

「全盛の貴方ならまだしも、決してアレを甘く見られるな。アレは本来現状のこの星の生物では打倒不可能だ。」

 

「望むところだ。これまでは意志は持つが力の無いもの。中途半端な力に溺れる人ならざるもの、それでは私の飢えを満たすことはできん。」

 

 

 ある日から自由にできるようになった己の影である水銀との会話の最中も蜘蛛の世界が塗りつぶす。それは徐々に広がっているにもかかわらず、黄金は何もしない。ただ、見ているだけなのだ。

 その姿勢は余裕からか、それとも……

 

「ようやく展開が終わったかね? ああ、卿には言葉は通じんか。」

 

 体が徐々に蜘蛛の異界の法則にとらわれ始めていることを感じがらも常の状態を保つ黄金の獣。彼からすれば異界を展開する相手はなにも珍しい事ではない……珍しくないということは、黄金も持つということだ。

 

 

「卿の世界は見せてもらった。では私のも見てもらおうか。」

 

 

Dieser Mann wohnte(その男は墓に住み) in den Gruften, und niemand(あらゆる者も) konnte ihm keine mehr,(あらゆる鎖も)

nicht sogar mit einer(あらゆる総てをもってしても) Kette, binden.(繋ぎ止めることが出来ない)

Er ris die Ketten(彼は縛鎖を千切り) auseinander und brach(枷を壊し)die Eisen auf seinen Fusen.(狂い泣き叫ぶ墓の主)

Niemand war stark genug,(この世のありとあらゆるモノ総て)um ihn zu unterwerfen.(彼を抑える力を持たない )

Dann(ゆえ)fragte ihn Jesus.(神は問われた) Was ist Ihr Name?(貴様は何者か)

Es ist eine(愚問なり) dumme Frage.(無知蒙昧)Ich antworte.(知らぬならば答えよう)Mein Name ist Legion―(我が名はレギオン)

Briah―( 創造 )

Gladsheimr―Gullinkambi fünfte Weltall(至高天・黄金冠す第五宇宙)

 

 黄金の獣、ラインハルト・ハイドリヒを頂点とする異界であり、かつて全力を出せずにいた獣が唯一全力を出せる場所であった城が蜘蛛の異界に亀裂を走らせた。

 

「礼を言うぞカール。足りぬ魔力を聖杯で満たし、創造すらも好きに使える様にしてくれた。負けぬさ、さあ……始めようか」

 

 異界同士が己の法則で飲み込むために鬩ぎあう。その光景はいつかの日に起こした怒りの日に規模は違えど相似しているようで、黄金は嗤う。自らの創造と互角の異界を広げる未知の怪物に感謝を。

 感謝の念を持ちつつも滾る戦意を槍の穂先に載せ、黄金の破壊光を蜘蛛へ向けて放った。

 これまで相手取ってきた存在の数々は一部を除きこの一撃を持って消滅していたが──

 

「ほぉ……!」

 

 街の一つを容易く半壊させる一撃手加減の無い一撃を容易く防がれたにもかかわらずその敵を前に顔には喜悦が浮かべている黄金の獣。

 

「■■■ ■■■ ■■■ 」

 

 鳴き声なのか何なのかわからないが、蜘蛛がソレを紡いだ時に襲い掛かるは水晶の流星群。その一撃一撃が少し前の獣であれば半死になるところだが、今ならば……

 

「オォォォッ!」

 

 流星の大半を打ち落とし、直撃した流星によって手傷こそ負ったものの特に戦闘に支障はなかった。加速する戦闘、いやこの規模はもはや戦闘でなく戦争だろう。小さいとはいえ個人レベルの世界と世界の戦いである。

 

「さぁ、これからが本番だ。」

 

 黄金の獣の声に反応してどこから伴く表れたのは彼を取り巻くような形でいる髑髏の軍団。その一つ一つは矮小なモノかもしれないが、確実に強者を狩れるだけの牙を持っているのだ。

 その状態で蜘蛛へ接近した黄金の獣。打ち合わせていたかのような絶妙なタイミングで髑髏の軍団から放たれたのはパンツァーファウスト、その数計測不能。当たらなかったところは無いのでないかというほどの数のファウストを受けたものの、蜘蛛は意に介していない。

 その後も、万を超える機銃、槍の一撃、パンツァーファウストと地雷の同時攻撃、万の髑髏によってできた手による物理攻撃。いずれもわずかに揺らぐことはあれども先ほどと変わらず無傷といっても過言ではない。

 これが、星の最強種。これが、この世界における現状最強の存在──この世界の人からORTと呼ばれる怪物の強さ。特に攻撃する意思はなくとも、堅牢な外皮がまず問題なのだ。

 

「これほどか……」

 

 出した攻撃の悉くが防がれているにも関わらず余裕の笑みは変わらない。とはいえ、この戦争の置いて異質なのはここまでお互い攻撃を直撃しあっているにもかかわらずほぼ戦闘継続の問題になる傷がついていないことだろう。

 

 現在の光景をこの世界の裏の住人が見れば驚愕と共に恐れを抱かれるだろう。様々な機関が接触を試み、特に何もしていないにもかかわらず大損害を与え続けている怪物相手なのだから。

 

「中尉──もはや卿の顔を見ることはないが、世界を跨ごうとも残滓として残るその忠誠……使わせてもらうぞ。」

 

 万物を愛していたころと比べ、黄金自体に様々なものが混ざっているせいなのか個人に対しても友愛を持つようになったゆえの言葉なのだろうか。

 それにより、残滓ではあるが──所持者にとっての至上の喜びを表すかの如く。

 

「ああ、日の光は要らぬ。ならば夜こそ我が世界。夜に無敵となる魔人になりたい。この畜生に染まる血を絞り出し、我を申請させる耽美と暴虐と殺戮の化身――闇の不死鳥

枯れ落ちろ恋人―― 」

 

 夜が満ち、所持者であった男の理想であった世界が今、世界が変わろうとも発生しようとし、

 

Der Rosenkavalier Schwarzwald(死森の薔薇騎士)」 

 

 

 本来の重量以上のモノが残滓にもかかわらず発生した。水晶、城、末に二つの世界が展開されている所へ夜が満ちた。発動者たる黄金へ蜘蛛の力を削ぎ送る。蜘蛛は自らの知らぬ法則にわずかではあるもののとらわれ、僅かではあるが極大の星の力を奪われた。

 気付いた蜘蛛はついに本気の反撃をする。誰も見たことのない蜘蛛の本当の攻撃が今始まろうとして──

 

「……遅い。接触を恐れる。接触を忌む。我が愛とは背後に広がる轢殺の轍

ただ忘れさせてほしいと切に願う。総てを置き去り、呪わしき記憶(ユメ)は狂乱の檻へ

我はただ最速の殺意でありたい――貪りし凶獣

皆、滅びるがいい―― 」

 

 それは最速の願い。最速の殺意、誰よりも抱きしめられたいゆえに、接触を拒んだ矛盾した凶獣の願い。

 

Niflheimr Fenriswol(死世界・凶獣変生)」 

 

 時間の取り合いすら上回る最速の法則……つまり、この世における概念でコレを上回るものは世界規模の速さをいじるくらいかもしれない。

 本来の所持者同士ではありえない白と白の願いの共演が為された。最速で駆ける者は黄金、その白光を伴った一撃は蜘蛛の現代において最強の鎧を僅かではあるが貫いた。

 

 

 




 勝手に設定変えてるところとか多いかもしれませんが、妄想した段階でこんな感じがいいなあっていうのがあったのでこうなりました。
 
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