「……予想外のお客ね。来るなら巫女か賢者だとばかり思ってたけど。まさかこんな素敵なゲストが来てくれるなんて思わなかったわ」
「そうだな。俺は今期最高のイレギュラーだろうよ。レミリアお嬢さん」
俺はあの戦闘の後、早速レミリア・スカーレットの居場所へと向かった。
降参させたメイドに案内させたらすぐに到着したので、さっきまでの探索時間は何とも無駄な苦労をしたものだとへこんだ。
余談だが蜘蛛は振動で周囲を把握することができる。家で蜘蛛を見たら近くを叩いてみると逃げる。でも強い衝撃だと落っこちてくるから気を付けよう。
そんなわけで俺もかつての習性からその方法でサーチをしていたが彼女は全く引っかからなかった。答えはこの蝙蝠幼女、空を飛んでいたからだ。
全くわからない訳である。背中の羽根はハロウィンの仮装とは違うようだ。
「ふぅん。咲夜を倒したのね。咲夜、酷いことされなかった? むしろ酷いことしなかった?」
「俺は何もできなかったよ。勝手に糸に絡まって自縛したからな。お前の部下は。むしろ助けてやった」
「……申し訳ありませんお嬢様」
咲夜は恥ずかしそうに顔を赤らめる。勝手にやる気出して捕まって負けたのだから本人的にはなんとも情けないと感じていることだろう。
「……!?」
こちらをいぶかしげに睨みつけていたかと思ったら、レミリアは急に顔色を変えて一人でうろたえだした。
「貴方一体何者なの!?」
レミリアはそう叫んだ。主の急な変貌。これには部下の咲夜も驚いている。俺もよくわからない。
「お嬢様? どうなされたのですか!?」
「何と言われても……いや、まさかお前、俺の運命を見たのか?」
レミリア・スカーレット。吸血鬼。紅魔館の主。永遠に紅い幼い月。その能力は運命を操る程度の能力を持つ。
何かを操るということは操る物に対しての一定の理解が基本的に必要である。おそらく彼女は運命を把握するということが可能だろうという推測は十分通るだろう。
「どこまで見えた? 俺の運命は?」
俺の隠し事がばれているなら、ある意味話は早い。
実のところ、まともに話しても荒唐無稽と思われるだけであると思っているから話していないのであるし。面倒だと言うのもあるが。なによりそんなこと知っても結果は変わらない。俺への勝利と言う条件は譲らない。決めたことだ。
もしちゃんとした説得力を以って公表するならば人里だと豊聡耳神子の復活を待たねばなるまい。妖怪相手なら地底にいるという悟り妖怪で十分だろう。
まあどちらにしてもしばらく掛かる。
「貴方が違う幻想郷の未来から来たことよ。それと……何なのあの世界は、それにあんなモノが存在するなんて……」
「俺としてはそっちが普通でこっちが変なんだけどなあ~」
「お嬢様……? 答えなさい! お嬢様は一体貴方の何を見たの」
狼狽した主が心配なのか咲夜はこちらに食って掛かってきたので答えてやる。
「俺が前に居た世界だろうよ。そこはここと同じ幻想郷だが、ここよりも何年か未来だった。当然、そっちでは今回の騒動も巫女と魔法使いによって解決済みだ。お前たちの負けは残念だが確定している」
「お嬢様はご自身の敗北の未来を知ったから困惑していると? 違うはずです。お嬢様がご自身の敗北だけでこうなるとは思えません!」
「なかなか信頼しているな。おそらくその通りだろう。大方彼女が信じられないのはあの世界の在り方……と言ったところか?」
阿求と小鈴もあくまで伝聞とはいえ同じ事実を知った。それでもこうはならなかった。百聞は一見に如かずと言うがまさにこの事か。いや、五百年信じた常識が覆ったのだから十年とそこらしか生きてない彼女たちとは衝撃も違うのかもしれない。それにあの二人はフィクションも読んでそうだし。
「俺の口から言ってもいいが多分信じてくれないだろうから、そちらのお嬢さんの復活を待つか」
糸を固めて椅子にでもして座っておこうとしたら止められた。
「いいえ……それは不要よ。今から私が話してあげるわ。咲夜、お茶とお菓子を用意して」
「かしこまりました。すぐにお持ちします」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
本当にすぐにティーセットが運ばれてきた。俺たちはテーブルに腰掛けた。
「さて。まずは……そうね、貴方の名前を聞こうかしら? 私が見た限りだと貴方の名前はわからなかったわ蜘蛛さん」
「俺には特に固有名はない。名付けどころか言葉なんて概念の前に生まれたし……原始は言葉も無かった。人間界に居た頃は一応書類に必要だから偽名を持っていたが基本役職で呼ばせていたからな。あとでちゃんと偽名も考えるから今は好きに呼べ」
社長とかプレジデントとか店長とかマスターとかな。名前よりもその人が何かわかれば良いというのは便利だったものだ。
「そう……あなたが望むならスカーレットと名乗ることを許すよ?」
「それは遠まわしなプロポーズか? そういうのは俺に勝ってからすると良い。勝負は絶賛受付中だ」
「お嬢様。彼は黒髪なので漢字の十六夜姓の方が似合うと思いますのでご遠慮くださいませ」
「貴方こっぴどく負けたのによく言えるわね。それに彼は私と同じ赤目よ。もうこれは完全にスカーレットでは?」
ん?
「俺の目は茶色と黒のどっちつかずな色のはずだが?」
「赤いわよ」「赤いですね。鏡をどうぞ」
手渡された鏡を見ると確かに赤い目になっていた。何時の間にだろうか。こちらに来てからは鏡を初めて見たし、向こうでもそんなに頻繁には見なかった。少なくとも向こうの幻想郷にいた時には目が赤いなんて言われてないのでやはりこちらに来てからだろう。
幸い視覚面での不調は無い。今は気にしなくて良いだろう。
「まあ貴方がそれでいいなら置いておくとしましょう。それにしても本当に戦うために来たのね……よくわからない神経だけど私たちとしては都合が良い方なのかしら?」
「そうですね。ところでお嬢様。私には運命は見えないので何故先程のような事になったのか理解が追い付いていないのですが」
「そうね。咲夜。先にこちらから質問するわ。彼に対してどんな印象を持っているか包み隠さず言ってみなさい」
「はあ……」
こちらをチラチラ見ながら考えている。こっちは暇そうなのでお茶をいただく。コーヒーを始めカフェインの多い飲み物は体質に合わないのでお茶菓子を多めに摘まむ。お茶は飲むふりだ。
そう言えばこちらに来てから団子くらいしか食っていない。ここが一段落したらどこかで肉を食っておくか。
「そうですね……まず強いですね。少なくとも我々だとお嬢様たちくらいしか勝負にならないかと思います。そしてそれ以外は一貫してとても変わったお方かと。男性であるのに戦いを好んでいたり、やたら露出が多かったり、ましてや自分に勝てば誰だろうと結婚なんて……やはりこちらに都合が良すぎますね。詐欺師か何かなのでは?」
「これで露出が多いのか? ここの女連中のがよほどきわどい恰好してないか? それにこの服は由緒正しい戦闘服だぞ。ドラゴ○ボールの道着風味の和服だぞ? もしかして無いのか○ラゴンボール!?」
俺も戦いたいなーサ○ヤ人。男の子だからね。
ちなみに色は濃い紫。魔族カラー。オレンジはちょっと目立ちすぎる。
「あはははははは!! だってよアナタ! それはそうよね! 私ですら見ておいて何だけど正直ちょっと信じられないもの。あとそれは知らないわ。美鈴が好きそうなマンガだからあの子が持ってないならないんじゃない? ああ、でもね咲夜、彼の言い分はちょっと考えを変えれば十分理解できるのよ」
咲夜はいかにも頭に?を浮かべたような表情で主の言葉を待っている。
「そう……例えば美鈴は格闘技が好きよね? それであの子良くお風呂上り下着だけでいるでしょう? もし自分より強い……まあ強くなくても男が言い寄って来れば二つ返事しそうだからそこは置いといて……まあ趣味の合う人みたいな物かしら……そんな人で見た目が良いのがいたら美鈴じゃなくても結婚しても良いかなって思うじゃない? それってそこまでおかしいことではないでしょう? つまり戦いが好きで露出して結婚しようって女はいるのよ」
「まあ、それは女からしたらそうですけど……男性にはあてはまらないのでは? それに私たちは容姿だってあまり……」
「そうね。こっちの常識だと大正解。でももし彼の世界ではそうじゃないとしたら? この世界の女性と男性の立場が逆だとしたら? ついでに容姿の基準だって違うとしたら?」
ばれたので彼女に任せていたが、このままで冗長に過ぎる。俺も口を出すか。
「答えを出そう。俺のいた世界では男女比はここと違いほぼイーブンの1:1。容姿もここでは好まれていない君たちのような顔やスタイルが男に好まれる。男の妖怪も普通にいる。少なくともよほど容姿が悪くなければ努力次第で異性と付き合えないということはそう無い世界だ。あと戦うのは男だから俺は変じゃない。それだけは言いたかった」
「まさかそんな世界が…………」
咲夜はごくりとこちらに聞こえるくらいの音で生唾を飲み込んだらしい。
これはそんなに驚くことなのか。そう思っているとレミリアが答えた。
「そんなに驚くことよ。私も驚いたもの。できればそちらに行きたいものだけど既に私たちがそちらにいるみたいだし無理そうね。もっとも貴方のような方法じゃ無理そうだけど」
「そうか? 人間には無理だが吸血鬼ならあるいはと思わなくはないが……当然やれと言っているわけではないぞ?」
「わかってるわよ。貴方が使ったのはどれも本当に伝説級の代物よ。長いこと持っていただけで使う機会がなかったから感覚がマヒしているんじゃなくて? しかも少しランクが落ちるだけでまだ似たようなものまで持っているのでしょう? 一体向こうの私は外で何をやっていたのかしらね」
レミリアは物憂げにそう吐き捨てる。
そういえば吸血鬼に向こうで絡まれたことはなかった。弱点をこじらせてとうの昔に滅んでいたと思っていたが幻想郷では吸血鬼異変なんてものも起きていたらしいし、やはり勘が鈍ったやもしれん。損をした。その時俺がどちらかに付いていればさぞ楽しめただろうに。
「さて、話もだいたい済んだしやりましょうか?」
「それはお嬢様のお体にはまだ早いですよ。ここは私が」
「シモの意味じゃないよ!? 咲夜にはちょっと貴方の事情を話すにはいきなり過ぎたわね……異世界なんてものまで出てきたことだし。まあここも外の人間たちからしたら異世界よね」
「それは同感だ。俺も向こうじゃ幻想郷のことを長い間知らなかったから未だに異世界感が抜けない」
俺とレミリアは椅子からやおら立ち上がり、お互いある程度離れたところに向かい合って立つ。
「じゃあやるか。大体のことは把握してるんだろう?」
「ええ、私が勝ったら貴方は私のモノよ。私に傅き、尽くし、永遠の愛を誓いなさい」
「言うじゃないか。勝負方法は? そろそろ弾幕戦も経験したいところなんだが」
「ご期待に答えてあげたいとこだけど……やっぱり私もこっちの方が自信あるの」
レミリアはそう言って槍を出す。紅い館の主にふさわしい紅い槍。彼女の体格には長すぎる槍。
「確かグングニルだったか。また殴り合いか……と言いたいが戦えるだけでやはり嬉しいものだ……!!」
両手を合わせ、パキリと小気味よく指を鳴らす。
「そうでなくっちゃね。今の貴方はその辺にいる奴に手当たり次第に勝負を挑みそうだから早く手綱を握ってあげないと! 咲夜! 離れてなさい! 壁から貴方の主が増えるのを見ていると良いわ!」
咲夜がその言に従い即座に退避する。
「ほう。よっぽど自信があるみたいだが、そこまで言って負けた時にはお前のカリスマは消し飛ぶぞ?」
「それは貴方自身の目で確かめてもらいましょうか。なぁにちゃんと先手は譲ってあげるわ。メンズファーストってね。淑女でしょ?」
「「勝負!!!」」
戦いの火蓋は斬って落とされた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はい俺の勝ち」
「おかしいでしょうこれは!!」
レミリアは糸でぐるぐる巻きにして床に転がっていた。白いドアノブカバーみたいな帽子も近くに寂しく落ちているし、グングニルに至っては半ばから折れて切っ先は壁に刺さっていた。エネルギー状なのに。あっ消滅した。
「なんで美鈴と咲夜にあった戦闘描写が私に無いのよ!! 確実に激闘が始まる所でしょう!!」
「戦闘描写って言ったって開幕槍を折られて、顔殴ったら頭がパーンってはじけ飛んでその後はもうボディをボコボコだっただろ? 俺無傷なんだけど」
「お嬢様……私が言うのもなんですけど流石にこれはちょっと……」
「咲夜ーーー!?」
糸を巻きすぎて雪だるまみたいになっているレミリアを起こす。
真夏のレミだるま~紅い霧を添えて~のできあがり。
「懸念はしてたけどお前たちやっぱり手加減してるよな? 良いんだぞ男だからって先手譲ったり手傷を負わせずに勝とうとしなくて。それができなそうだからってこともあって弾幕ごっこ提案してるのに誰も聞いちゃくれないし」
容赦なくぶん殴ってほしい。俺は虫としては柔かったので弱点を埋めるために修行して逆に硬くなったタイプだから。甲虫羨ましい。
「ほら……そこは圧倒的な力で屈服しつつもまだ全力じゃないみたいな勝ちの方が好感度上がりそうだし。ねえ咲夜?」
「はい。私も後ろに立って『そこまでです』みたいな勝ち方した方が株が上がるかと思って……」
「やっぱりこんなとこに住んでるやつは頭の造りが違うな……」
「「えへへ」」
「褒めてないぞ。ディスってるぞ」
はぁ。今まで手加減する側だったがまさか自分よりも格下に手加減されるとは。これでは本当に思う存分楽しめない。戦い方を弾幕に制限するか?しかしそれでも手加減されるともうどうしようもないし。
というか弾幕だと俺が勝てるかわからんし、もしもクソ雑魚だったらどうしよう。
「ふふふ。私は負けたけどまだこの館にはとっておきがいるわ!」
「お嬢様……!? まさか……!?」
「ええ。そのまさかよ! 地下に行くわよ! 付いてきなさい!」
「糸だるまが何を言う。今ほどくから待ってろ」
蜘蛛糸解き中…………
「はい。終わり。しかし地下って言っても今更魔法使いや使い魔程度には負けんぞ。こちとら無駄に生きてる以上本職でこそ無いが魔法の知識も相応だ。引きこもりなど実戦経験と身体能力の差で即巻物にして図書館の蔵書の仲間入りだぞ?」
「ああ。パチェのことね。いいわよ元から図書館の備品みたいなものだし。でも残念だけどパチェには期待してないわ。そもそも貴方を見ただけでむせて使い物にならなそうだし。貴方の最後の相手は私の妹フランよ」
フランドール・スカーレット。吸血鬼。悪魔の妹。ありとあらゆるものを破壊する程度の能力を持つ。
単純な破壊力、殲滅力ではこの幻想郷においても特筆するものがあるだろう。弾幕ごっこ以外の方法で俺を倒せる可能性が非常に高い有力候補だ。
この時間軸だと地下にはまだ彼女が閉じ込められていることは知っているが、姉妹である彼女らにそこまでの個体差があるとは思えない。
「そもそもの問題として攻撃に手心を加えられるのが問題なんだからどんだけ火力があっても意味ないだろうに」
当たらなければどうということはない。
「手心? 聞いた咲夜? 貴女フランが人に手心を加えると思うかしら?」
「いいえ。妹様は誰に対しても手を抜くことはなさらないでしょう。貴方も妹様の力を知っているのなら戦いは控えてください。私はまだ未亡人にはなりたくありません」
「咲夜……あんたちょくちょく正妻面するのやめなさい。そういうのは勝ってからするかせめて私を通してからにするのね」
「お前もだぞ。それで何故フランドールは躊躇しないんだ? そこまで言うのは理由があってのことなんだろう?」
「それは失礼。理由は簡単よ。一つはあの子の狂気。あの子は生来精神が不安定でね。地下に閉じ込めている理由がそれ。そしてもう一つ……今回に関してはこちらの方が大きいわね」
いかにももったいぶってこちらを焦らせる。先程ボコボコにされた意趣返しか。
もうめんどくさいので咲夜に聞くかと声を掛けようとしたすると。逆に彼女もレミリアに問いかけた。
「妹様の狂気が理由じゃないのですか?」
「なに? お前も知らないのか?」
あてが外れた。このドヤ顔コウモリに聞かなきゃならないのか。いやだなぁー。
「はい。てっきりそれかと」
「うふふふふ。そうでしょうね。これはきっとパチェも美鈴も知らない。私だけが知っていることよ」
「いいからもったいぶらずにさっさと言え。今度は簀巻きにしてご自由にお使いくださいの看板とセットで外に放置するぞ」
「やめて。まったくせっかちな男ね。慌てる男は貰いが少ないわよ? いいわ。教えてあげる、それはね……」
「「それは?」」
「あの子に常識とか何も教えてないからよ! まったくね!」
今何て言ったコイツ?
「それはつまり殿方が少ないので大事にしようとか以前に、無暗やたらに人を殺しちゃダメという基本的な常識すら教えていないということですかお嬢様?」
「いぐざくとりー!」
ドヤァ……!といかにも言ってやったぜという風な顔をしているがそれは普通に育児放棄というものでは?
現代だとネグレクトは犯罪なのだが?
「おい咲夜。こいつはやっぱり簀巻きにするから手伝え」
「かしこまりましたご主人様」
「!? なんで!? あ、ちょっと咲夜やめなさい! ああもう! ダメージが抜けきってないから力が入らない!」
「うるさい! 抵抗するな! お前は反省だけしてろ!」
「そうです! 私も毎日妹様のお食事を運ぶときに危険な綱渡りをさせられていたとは思いませんでしたわ! ここは便乗させていただきます!」
咲夜もこっちの味方になった。
そしてレミリアの身体を羽交い締めで拘束……いや、まさぐっている。彼女はここでも主がなんだかんだ好きなようだ。その好きがどういう意味を孕むかは問わないでおく。
「流石に咲夜とかは食べちゃダメって教えたわよ! …………多分」
「あ! コイツ今多分とか言ったぞ! お前屋敷の管理を咲夜に丸投げしておいてそれでいいのか!」
「流石の私も頭に来ました。寿退職しますね。さようならお嬢様。そしてこれからよろしくお願いします私の旦那様」
「それは俺に勝ってからだ」
「くぅーん……」
この駄犬め。せめて手を噛むくらいの根性を見せてくれ。
そんなこんなで二人で協力してレミリアを縛り上げた。もし望むならこいつはフランドールにくれてやろう。サンドバッグにでもどうぞ。
「よし。じゃあ気を取り直して行くか。案内してくれ咲夜」
「かしこまりましたわ。しかし本当によろしいのですか旦那様。妹様は間違いなく本気で殺しに来るかと……」
「もう旦那様で固まったのか……まあそれはいい。そしてその質問は愚問だよ。俺はそちらが目当てでこっちの世界に来たんだぞ? むしろ誰しもそれくらいの気持ちで掛かってきてほしいものだがな」
「左様でございますか。それならばこの十六夜、ただご無事をお祈りしております」
「ああ。それでいい」
地下への長い階段を下って行く。途中ファンシーなかりすまサンドバッグが「ねえちょっと私の扱い雑じゃない!?」とか騒いでいたが誰も気にしなかった。
「こちらが妹様のお部屋になります。どうか御無事で」
俺たちは地下を長く降りた先に合った扉の前に着いた。
そこで咲夜とはお別れだ。不安そうな顔をしているが、なぁにすぐにまた会うだろう。
「無事じゃあちょっとつまらないから手傷くらいは負わせてほしいものだな。まあ救急箱でも用意して待ってるがいい。行くぞお土産」
「私お土産なの!? ああちょっと助けて咲夜! 咲夜ぁーーー!!!」
俺は手土産を担いでフランドールの部屋へと足を踏み入れた。
レミリアさんは見てはいけないモノを見たのでカリスマ値チェックどうぞ。
失敗ですね。レミリアさんは一時的なかりすまに陥ります。