蒼の彼方のストラトス   作:インフィニット・フォーリズム

3 / 6


「うーん、満腹!」

 

「それは良かったです。あ、一夏くんはこのコントローラー使ってください」

 

 『ましろうどん』でたらふく食べて満足した後、真白に誘われて彼女の部屋にお邪魔していた。

 女の子の部屋らしくぬいぐるみ(邪神ちゃんというらしい)が置かれていたりもするが、この部屋の大半のスペースを占めているのは多種多様なゲーム機とそれらのソフトである。

 真白は生粋のゲーマーで、特に格ゲーでは全国ランキング上位の常連だ。

 

「何のゲームするんだ?」

 

「やっぱりエスバでしょう!」

 

 真白の言うエスバとは、『IS・ExVS(アイエス・エクストラバーサス)』というISをモチーフにした対戦格闘ゲームだ。

 ただのゲームと侮るなかれ。

 エスバはS◯NYと某N社で共同開発された『PSS(プレイ・ステイツ・スティック)』というゲーム機のソフトで、VRヘッドセットと連動コントローラーによってリアルに近い感覚でISバトルができる。

 

「私は『ラファール・リヴァイヴ』で行きます」

 

「俺はいつもの『暮桜(くれざくら)』だな」

 

「一夏くんはいつもお姉さんの機体ですねぇ」

 

 ニヤニヤしながら指摘してくる真白。

 

「お、俺はこれが一番使いやすいんだ!」

 

「はいはい、そういうことにしておきますね」

 

「うぐぐ…」

 

 機体選択が終わったので、次は武装選択だ。

 とは言ってもこの『暮桜』は近接ブレード『雪片(ゆきひら)』しか装備できない仕様になっている。

 対して真白が選んだ『ラファール・リヴァイヴ』は機体性能は『暮桜』に劣るものの、武器スロットの多さと装備可能な武器の多様性がウリである。

 いつも真白は俺が『暮桜』を選ぶと遠距離武器ばかりを選択してメタってくる。

 それでも勝率は五分五分。

 

「今日こそは勝ち越させてもらうぜ、真白」

 

「そう簡単に勝ちは譲らないのですよ、一夏くん」

 

「「決闘(デュエル)ッ‼︎」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃまたな、真白」

 

「はい、またのご来店をお待ちしています。なんてね」

 

 結局、真白との戦績は五分(イーブン)のままだった。

 悔しいと思う反面、真白と切磋琢磨しているようで燃えてくる。

 

「仇州に引っ越してくればいつでも真白とゲームできるんだよな。まあその為だけに移住を決める訳にはいかないけど…」

 

 千冬姉に肉体言語でOHANASHIされてしまう。

 『ましろうどん』からすぐの民宿に戻り、女将さんに挨拶をしてから泊まっている部屋へ行く。

 

「ふう。今日はFCの観戦で炎天下の中動いてたからか疲れたな」

 

 いつもより少し早いが寝ることに。

 

「おやすみ」

 

 誰かへとそう呟くと、俺の意識は沈んでいった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。