蒼の彼方のストラトス 作:インフィニット・フォーリズム
それから数日、四島を満喫した後、俺は地元に帰った。
もっと居たかったが、夏休みの宿題もあるし、何より高校受験を控える受験生なのだ。
本来なら旅行など行っている場合ではなかったのだが、欲望には逆らえなかった…。
「こっからは勉強漬けかぁ、気が滅入るな…」
だがやらないわけにはいかない。
将来四島に移住してFC関係の仕事をする、という夢のために、今の目標は勉強して高校に合格することだ。
「真白も勉強してるかな。同じ中三だし」
ちなみに真白は成績がイマイチらしい。
真白曰く『器用なのはゲームに関してだけ』とのこと。
「今できることを精一杯するだけだな。よし! やるぞ!」
時間は流れ、受験当日。
夏頃から気合いを入れて勉強したおかげで、最後の模試で志望校の藍越学園はA判定だった。
進路指導の先生からも太鼓判を押された。
今日まで最後の詰めの勉強をしつつ、体調管理も徹底した。
「これなら大丈夫。あとは油断しないだけだ」
俺は家を出て、受験会場へと向かった。
受験会場は普通受ける高校になるのだが、昨年そのシステムを利用したカンニング事件が発生したため、今年から受験会場を変更して場所も直前まで開示しないようになったのだ。
俺の受験する藍越学園の会場は、近くの市民ホールだった。
万全を期すため開始時間の一時間前に到着するように出発し、予定通りの時間に着いた。
「えーと、藍越学園の部屋は………あっちか」
この市民ホールはかなり広くできており、今日はいくつかの高校が受験会場として借りている。
俺は『藍越学園はこちら』という看板を頼りに廊下を歩いているのだが…
「うーん、ここさっきも通ったような」
同じような所をグルグル回っている気がしてならない。
初めて来た場所だからというのもあるが、そもそもこの市民ホールの構造がややこしい作りになっているようだ。
「とりあえず間違っててもいいから、どこかの部屋に入って人に聞こう」
適当な扉を開けて中に入る。
「あ、受験生は着替えて奥の方に行ってねー!」
その部屋に入ると、何やら作業をしていてこちらを見ていない女性に指示をされた。
『受験生』というワードで、ここで間違ってなかったのかも、と思った俺は、着替えもカンニング対策かと首を傾げながらもとりあえず奥へと進む。
仕切りを隔てた向こう側には、鎧武者が鎮座していた。
「これは、『
ゲーム『IS・ExVS』でも登場し実在する日本産の第二世代のISだ。
なんでこんなものがここに、と思いつつも、やはり興味がある。
起動しないと分かっているが、つい手を触れてしまった。
キィン、という甲高い音が響くと、俺の頭に大量の情報が凄まじいスピードで流れ込んできた。
ISの状態、シールドエネルギー残量、武装一覧、etc…。
そして俺は、ISを纏っていた。