『八幡』と『結衣』と『雪乃』のオムニバスストーリー 作:こもれび
(1)やはり俺がドラクエⅢの世界にいるのはまちがっている。
「では、勇者よ! そなたに魔王バラモスの討伐を命ずる!」
え? え? なんだこれ?
目の前に赤い絨毯があり、俺はその上に跪いている?……立膝で……? で、何だか、正面の上の方から何やら偉そうな声が響いていた。
え、今なんて言った?勇者?魔王? んん……?『バラモス』って、どっかで聞いたような……?
俺はなんとなくその言葉が気になり、顔を上げようとしたが、周囲からの強烈な視線を感じ、恐る恐る目だけを横に向ける。そこには、何やらギラリと鈍い光を放つ銀の甲冑に身を包んだ、映画なんかで見たことがある様な『騎士』が立っていた。そして俺の事を鋭い目つきで睨みつけてる。
は?なんだこれ?
俺はその騎士の視線が怖くなって、今度は反対側に視線を向けると、こっちはこっちで同じような甲冑を身に纏った髭面の親父が、さっきの奴より恐ろしい形相で俺を睨んでいる。
なんでにらんでんの、この人達……? っていうか、誰?ここはどこなんだ……? 映画の撮影か?俺いつの間にそんなことになったんだ?
「勇者オルテガの息子よ……そなたに支度金を与える。そなたの一日も早い魔王討伐と帰還を待っておるぞ」
再び頭上から降り注いだその言葉に、少し顔を上げると、そこには白いひげを蓄えて、頭に金の冠を頂いて真っ赤なローブを羽織った偉そうなカーネルサンダースが!?
あ……これ、あれだ……『王様』ってやつだ……っていうか、『バラモス?』『オルテガ?』って……
まんまドラクエⅢじゃねえか!?
と、と、と、とりあえず落ち着け……。俺……。どうやら俺は夢を見ているようだ。でもいつ眠った……? い、いや、待て……そんな事よりもまずは、この衆人環視の羞恥プレイから一刻も早く脱出しなくては……俺のまわりには王様と、騎士? それに確か、大臣とか、おつきの人とか色々いる筈だ。これがドラクエ3の世界なら、多分ここはアリアハン城の2階……の謁見の間? だろうし…確か、真後ろに歩いていけば、階段があって、階下に逃げられるはずだ。
そんな事を考えていたら、王様の斜め横から、青色ローブを纏った口髭をぴんととがらせた禿げ頭のおっさんが俺に近づいてきた。
「そなたに、支度金として金50ゴールドと、たびびとの服、こん棒、ひのきの棒を与える」
は?
そのおっさんの言葉に一瞬固まった。50ゴールドとアイテム……
いや、確かに、ゲームのドラクエ3の最初は確かにそんなのを貰った記憶がある。で、ルイーダの酒場で仲間を集めるんだったかな……でも、そんなのはどうでもいい。
どうやら、俺はドラクエ3の勇者になっているようだ。オルテガの息子って言ってるし……と言うことは、国を挙げて俺を魔王討伐に行かせようとしている訳だよな。
でも、ちょっと待て……前から疑問だったが、国を挙げて送り出そうとしてるのに、なんで、そんなちゃっちい武器と、50ゴールドぽっちしかくれないんだ? 確か、50ゴールドなんて、薬草数個買ったら無くなる金額。銅の剣だって買えやしない。おまけに、後半にアレフガルドのリムルダールとか行けば、宿屋に4人で泊まるのに、確か200ゴールドくらいかかったはずだ。という事は、一人分の宿代にしかならない。別に、ヒルトンホテルとか、帝国ホテルって程の宿屋でもない筈なのに、あんなに取られるのもどうかと思うが……いや、実際に泊まると、超豪華で、ボーイにチップ位渡さなくちゃならないのかもしれないが……まあ、今はそんなことはどうでも良い!
とにかく、世界を救うために行くっていうのに、いくらなんでも、それっぽっちの金しか出さないってのは国としてどうなんだ?そんなにこの国貧乏なのか?
いや、違うな……そう……違う。俺はドラクエⅢはさんざんやった。つまりこの国にはあれがあるはず……
そうだ。これは夢だ。どうせ夢なら、いずれ醒めるし、ゲーム中じゃ選択肢もないしな……
「いかがした? 勇者はちまんよ」
その王様の言葉に、俺ははっとなって顔を上げた。そして相手を見る。そこには好好爺然としたカーネルサンダース。俺は座ったまま、呟いた。
「バスタードソード……」
その瞬間、にこやかな表情の王様がピクリと震えた。そして、なにか周りを気にするようにきょろきょろと顔を動かす。そして、暫くして微笑みながら、俺に声を掛けてきた。
「ほっほっほっ……勇者はちまんよ……ちこう寄れ」
その言葉に、一瞬両脇の騎士と、大臣が慌てた表情で王様を見る。
俺は何のことか分からないままに、手招きする王様に急ぎ足で近づく。すると、王様は俺にポショポショと耳打ちしてきた。
「そのことを誰に聞いたのじゃ?」
「え? いや~別に、誰からってわけでも……いや、はい聞きました。商人の人に……」
にやっと笑いながら言った俺の言葉に、王様はニコニコしたまま真っ青になる。どうやら俺の適当に放った言葉は会心の一撃だった模様。俺の言葉に王様は表情を曇らせながら……
「勇者よ……我が国は、魔王軍との度重なる戦で疲弊しておる。財政はひっ迫しておるのじゃ……今はこれがせいいっぱいなのじゃ……」
「でも、バスタードソードって確か30000ゴールド位したような」
わわわわっ……と王様は、慌てて俺の口を塞いできた。それを隣にいる大臣も訝し気な表情で見ている。
このオッサン……なるほど、バスタードソードを趣味で買っちゃったのか……で、多分この感じだと、国の金使ってるな……まったく何やってんだ、王様の奴。
30000ゴールドって言ったら本気で大金だ。スライムだけで稼ごうと思ったら15000匹分だ。そんなに狩ったら、アリアハンのスライム絶滅しちゃうだろう。
慌てふためく王様を見ながら、俺は掌を上に向けて、王様に突き出した。するとそれを見た王様が、ぴくっと肩を震わせて俺と大臣を交互にみている。こりゃもうひと押しだな……
「あー……大臣さん? 「大臣近う寄れ!!」」
俺の言葉に、王様が言葉を重ねてくる。そして近づいた大臣に何か耳打ちした後、再度俺に顔を近づけて、
「ちゃんと返してね。ね? ね?」
泣きそうになりながら、俺にそう言った王様に、俺はこっそりサムズアップで返した。
そして、暫くまた跪いて待っていると、大臣が再び奥から戻ってきた。そしてその手には、金の刺繍の入った鞘に収まった、一見して凄そうな剣が……
「勇者はちまんよ……そなたには特別にこの王家に代々伝わる由緒正しき聖剣を遣わそう。心して受け取るがよい」
いや……先祖代々って……
そんな俺の視線に対し、王様が何やら必死にウインクしてくる。はいはい、わかりましたよ。
俺は王様に近づいて、その剣を受け取ろうとしたが、何だか、王様がなかなか放してくれない。なに?そんなに剣が好きなの?この人は……俺はそんな王様に、小声で話しかけた。
「王様……珍しい剣が手に入ったら、ちゃんと献上しますから、それ貸してくださいな」
その俺の言葉に王様は……ついにその手を放した。
そして俺は『バスタードソード』を手に入れた。
◇
「いやあ、レベル1でバスタードソードか……夢ってマジでなんでもありだな」
謁見の間から出た俺は、真っすぐに街に向かって歩く。そして、王城と街を隔てる堀の上の橋に差し掛かったとき、さっき貰った剣を、その紫のサヤから抜き放った。
その鋭く尖った両刃の剣ははっきり言って禍々しい。試しに、木の欄干に軽く刃を押し当てて見たら、羊羹を切るようにスパリと切断してしまった。
俺は、慌てて剣をサヤにしまって、怒られる前に、その場から離れた。こりゃまちがって手で触れないように気を付けねば。
まあ、でも、いくら夢だって言っても、この現実感はなんなんだ。俺の目の前には、赤い屋根の洋風建築の建物がいくつも並んでいる。確かにドラクエ3の世界は間違いないんだろうが、あのゲームは斜め上から見下ろした奴で、こんな屋根だって取っ払われていて店の中も城の中も丸見えだったはずだ。当然、今目にしているような景色をゲーム中で見ることなんかできるわけないし、でも、まあ、確かに家の配置はドラクエのアリアハンっぽい。えーと、城を出て右手だから、あの建物は道具屋かな?
と、思ったらまさに道具屋。店の表に、翅の絵が描かれている。うーん、多分『キメラの翼』なんだろうな、あの絵。という事は、あの町はずれに見える家は、主人公の家か……えーと、確か、母親と祖父さんがいるんだったな。
でも待てよ。今俺が勇者なんだよな?という事はなに?あそこに行ったら、『おかえりなさいはちまん。つかれたでしょう』とか言われちゃうのか……知らない人に……
いや、むりむりむり……そんなの相槌どころか、スマイル一つ返す自信ないし…
じゃあ、何か?その向かいが確か『ルイーダの酒場』で、そこで仲間を見つけるとかだったっけ……でも、それだと、なんだ?俺がその戦士だとか、僧侶だとかを面接しなくちゃいけないわけか……
いや、無理だろう……
ただでなくても人と話すの苦手なのに、なんでそんなんでMP消費しなくちゃいけないんだよ。会話するだけでMP切れ起こすまであるな……
っていうか、もういいんじゃないか?夢の中だってのは理解したから、これ以上苦行する必要はないだろう。とりあえずもう起きよう。王様にバスタードソード貰いました。はい終わり。でいいんじゃないか。別に魔王とかクリアーとかもうゲームしたからおなかいっぱいだし。
そう思った俺は、城の掘りの脇に寝そべった。温かな陽の光が少しまぶしいが、まあ温かくて心地いい。多分このままここで眠れば、戻れるんじゃねえかな……その布団の中とかに……そんなことを考えながら、ふと後ろの掘りを見やると、そこにはいつもの俺の顔が映っていた。
ははは……勇者の格好に俺の頭が生えてる。はあ、まあ、意外と楽しめた。こんな夢なら、また見て見たいな。今度はfateとかいいな。アーチャーはやだな。めんどくさそう。そうだな一番安全そうな弓道部の友人Aみたいなのがいいなあ。ふぁああああ……
◇
俺はいつの間にか眠っていた。ふと、俺の伸ばしていた右手に重さを感じてそっちに目を向ける。すると、そこには……
「あ、やっと起きた。ヒッキーやっはろー。もう不用心だよ。こんなところで寝てたら、お金とか盗られちゃうよ」
「は? え? 由比ヶ浜? お前なんで俺の部屋で俺の隣に寝てるんだ?」
目の前には僧侶服を纏った茶髪お団子ヘアーの由比ヶ浜が、俺の右腕を枕にして俺を見つめていた。僧侶? なんでコイツコスプレしてんだ? ……ああ、もうちくしょー、意味わかんねえ…それよか、なんで、コイツ俺に添い寝してんだ?そんな事を考えると、頭がますます痛くなってくる。そんな俺を見ながら、由比ヶ浜が話しかけてくる。
「部屋? 何寝ぼけてんの? ここ外だよ。それに忘れちゃったの? あたし達、事故に遭って死んじゃったんだよ」
「事故? あ……?」
俺はその由比ヶ浜の一言で、一気に覚醒した。目の前にはさっきまでのアリアハンの街並みがそのままにあった。それはそれがさっきまでの続きであることを意味しつつ、更にこれが夢ではないことを物語っていた。そう、由比ヶ浜の言葉に俺は思い至った。
「俺達はあの時死んだのか」
隣で、由比ヶ浜も悲しそうな顔をして座っている。そしてコクリと頷いた。
「やっと起きたようね」
声のする方を見上げると、そこにはお盆の様な物に果物やパンをのせた、黒いローブ姿の雪ノ下が立っていた。まるで、魔法使い……というより、多分魔法使いなんだろうな……
雪ノ下は、俺と由比ヶ浜の正面の芝の上に腰を下ろすと、手に持っていたお盆を俺達に差し出した。
「りんごやオレンジがあったわ。多分食べられると思うのだけど……」
リンゴを一つ受け取ると、俺は齧りついた。まあ、味はりんごそのものだ。そんなに甘くなくて、美味いと言えるほどではないが、食べられなくもない。3人で頬張りつつ、お互い顔を見合わせる。由比ヶ浜は少し照れたように、雪ノ下はため息を吐いて俺に返した。
「あー……やっと、思い出したんだが、やっぱりあの時俺達は事故に遭ったんだな……」
「そうね……さっき由比ヶ浜さんとも話したのだけれど、あの事故までのお互いの記憶がほとんど一緒だったっし、あなたも思いだしたようだから、多分間違いなく3人は事故に巻き込まれて……ここに来てしまった……ということのようね」
「はあ……」
雪ノ下のその言葉に大きくため息をついて、俺は記憶を辿るように目を瞑り、思い出して行った。
◇
3人で水族園に出かけた俺達は、その帰り道、並んで駅へ向かっていた。その道すがら、誰一人言葉はなく、時折、お互いを覗き見るように、顔を動かす。そう、気まずかったのだ。
ようやく向き合えた3人の気持ち。俺達は、全員が今の思いを相手に伝えた。悩みや苦しみも吐き出した。そして、なんとか3人で3人を支えあえる関係を模索しようと考えた。当然すぐに答えを出せない。でも、少しだけ俺達は近づけた。それがなにより嬉しかったんだ。
だから……俺は、二人を心から守ろうと思った……
そう……命に代えても……
突然、それは起こった。俺達が歩く遊歩道に、大きなトラックが柵を破壊しながら飛び込んできた。その時、俺達は言葉も無く目の前に飛び込んでくる、大質量物をただただ見上げることしか出来ないでいた。
やめろ、やめてくれ!
こころの中でそう叫んだ俺は、全身に動けと命令を出した。かちこちに固まった俺の両手両足は、まるでスローモーションのようにゆっくり動き始める。そして、全く動けないでいる二人に向かってその両手を広く開いて、飛び込んだ。そして、その腰に飛びついて押し飛ばしたその瞬間……辺りは、真っ暗な闇に包まれた。
多分死んだのだ。そのとき俺は……
でも……
今目の前には、雪ノ下と由比ヶ浜の二人がいる。という事は、同じ運命を辿ってしまった……俺はこの二人を守れなかったということだ。
「はあ……」
俺はもう一度大きくため息をついて、二人に視線を送った。
「なあに? ヒッキー?」
「大方、今更になって、私達を守れなったことを悔やんででもいるんでしょうね……後悔ヶ谷君」
「うう……すまん」
「え? え? ひ、ヒッキー……もうやめようよそんなの……あたし達死んじゃったかもしれないけど、今また3人でいるんだしさ……前向きに行こうよ! 前向きに!」
「そうね……ここが死後の世界だとしても、こうやって話も出来て、食事も出来る。だったら、ここで出来ることを考えた方がよほど建設的だわ」
「由比ヶ浜、雪ノ下……お前ら随分と元気なんだな」
「あら、当たり前のことを話したつもりなのだけれど……後悔していても始まらないわ。まずはここの世界でどうやって生きて行くかを考えて行くべきではないかしら……それにはそうね……まずはここがどこかを知る必要があるわね。日本語は通じるようだけれど」
「うん……そうだね……でも、ここって、日本じゃないよね。みんな外国の人みたいな顔してるし……」
「オランダ? いえ、地中海沿岸の都市かしら……随分クラシックな建物が多いようだけれど」
ん? こいつら何の話をしてるんだ?
周りをきょろきょろ見ながら、二人が会話する。ただ、どうもその内容が俺の考えとはずれてる。
こいつらひょっとして、知らないのか?
俺は二人の肩をポンと叩くと、二人に向かって問いかけた。
「お前ら……ドラクエって知ってるか?」
◇
「ええー! 魔王討伐!?」
そう叫んだ由比ヶ浜に、俺はコクリと頷いて見せた。二人にこの世界のこと、特に、勇者としてやらなくてはならないことを口にした俺の言葉に、二人は絶句していた。
まあ、普通の反応だろうな。知らないんだから。
「まあ、魔王を討伐するのは勇者の仕事だから、とりあえず俺は行かなきゃまずそうだな」
行かないじゃ行かないで、全世界指名手配されそうな予感まである。まあ、元からボッチの俺が、わざわざ世界平和の為に戦うのなんてまず無理な話だが、せっかくこの世界にいるのに、勇者の仕事やらなかったら、もう外出も無理か……ってか、多分、あの王様の隣にいた超怖い騎士にころされるまである。うん、アイツらが魔王に立ち向かった方がよっぽどいいような気がしてきた。
「またまたー……ヒッキーてばー」
どうも全く信じてない由比ヶ浜が、俺に笑いながら声を掛ける。はあ、まあ、仕方ないとはいえ、いつまでもこんな事やってられないか。えーと、多分服装からして、由比ヶ浜が僧侶で、雪ノ下が魔法使いっぽいから……
「まあ、信じられないのは仕方ないが……えーとな、雪ノ下。おまえ、あっちの壁に向かって、手を突き出して『メラ』って言ってみろ」
「?何を言っているのか理解できないのだけれど……」
「いいからやってみろよ。俺も良く分かんねえけど、火の玉が出るようなイメージでさ……ほら」
訝しげな表情を浮かべた雪ノ下が、右手をゆっくり持ち上げ、呟いた」
「……………………メラ」
その瞬間、雪ノ下の突き出した右手の人差し指の先に、バスケットボール大の火の玉が突然現れ、そのまま壁に向かって飛んで行った。そして激しくはじける。
「うあっち!熱っ!」
その火の粉が少し俺にも降りかかった。ってか、凄い威力なんじゃないか?これで、ダメージ10~20かよ……
呆然と立ち尽くす雪ノ下。自分の人差し指を見て呆気に取られてる。
俺はとりあえずそれを無視して、やけどした腕を由比ヶ浜に差し出した……
「えーとな、由比ヶ浜、俺のこの傷に向かって、『ホイミ』って言ってみてくれ」
その言葉に口をあわあわさせた由比ヶ浜が、俺の真っ赤な火傷にむかって手をかざす。
「えーと……ほ、ホイミ…」
ぱあーっと辺りに青白い光が溢れる。暫くすると、俺の手の火傷が綺麗になくなった。
「わ、わわわ……どうなってんのこれ?」
俺は治った自分の手を擦りながら確信する。そして、それを二人に伝えた。
「あー……やっぱここ、ドラクエ3の世界だわ……って事は、俺、魔王倒さないといけない立場だわ……まあ、でも……」
呆然とする二人を見ながら、俺は言葉を続けた。
「とりあえず、明日からにするか……今日は宿屋に泊まっちまおう」
まだ頭にはてなマークを浮かべたままの二人の背中を押しつつ、俺は向かいの宿屋に向かった。