『八幡』と『結衣』と『雪乃』のオムニバスストーリー   作:こもれび

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ウェブページの小説を読んでもらえるアプリがありますよ!
ちなみにこもれびは車の運転中や、事務作業中に読み上げてもらって、無職○生や転生した○スライムだった件などの小説を短時間で読了(?) しましたよ!
自分の書いた小説を読んで貰うのも一興です!

ちなみにこの話は八結です!


ヤ○ーブラウザで読み上げてもらおう!

「ねえ、ヒッキー、や〇ーぶらうざって、使ってる?」

 

「ん? なんのことだ?」

 

 部室でいつも通りラノベを読んでた俺に、突然隣の由比ヶ浜がそう声を掛けてきた。

 またなにか思いつきやがったのかって、ちょっと顔を上げてみると、すぐ目の前に、由比ヶ浜の顔のドアップが!!

 

「って、近い、近すぎだっつーの」

 

「ふふーん」

 

 由比ヶ浜の奴は俺の目の前で首をかしげて見せたり、横を向いてみせたり……ええい、鬱陶しい。

 

「だ、だから、なんなんだよ」

 

「えー? わかんないの? もう、これだけ見せてるのに」

 

「は?」

 

「ワイヤレスイヤホンのことを言っているのかしら?」

 

「あー、ゆきのん、言っちゃダメだってば」

 

 長机の反対側から、長い黒髪を指でかき上げたゆきのんこと、雪ノ下がそう答える。

 って、ワイヤレス?

 言われて、ぷりぷり頬を赤く膨らませている由比ヶ浜の右耳には、白い小さなイヤホンが。

 

「あ? お前なに、イヤホンで音楽でも聞いてるのか?」

 

「あ、ちがくて……音楽も聞くんだけど、これマイクもついてるやつなんだよ。ほら、これでスマホを持たなくても通話できるし。ふふん、なんか仕事できる女って感じするでしょー」

 

「いや、どう見ても、新しいものに飛びついたはいいけど、いまいち使い方わかってないおばちゃんて感じだな」

 

「ふぁっ!! ちょ、ひ、ヒッキー、ひどっ……キモイから、その言い方!! マジでキモい!」

 

「キモイ言うな」

 

 まったくこいつは年中感情的になりやがって。

 そんな俺達のやり取りをみながら、我らが部長さんははあ、と深くため息を吐いていた。

 

「いつもながら賑やかね。落ちついて本もよめないじゃない。それで、由比ヶ浜さん、そのワイヤレスイヤホンと、さっきのヤ〇ーブラウザがどう繋がるのかしら?」

 

「あ、そうだったそうだった。えとね、ヒッキーとゆきのんって、二人ともウェブ小説とか読んだりする? pi○ivとか小説家○なろうとか」

 

「私は小説〇になろうなら何作品か読んでいるものはあるけれど……」

 

「俺もそうだな、pi○ivはあまり読んでねえけど、な〇うとかカ〇ヨムとかは結構見てるな。で、それがどうしたんだよ?」

 

 俺の言葉に、由比ヶ浜が自信ありげにその胸を張る。

 って、目の前で胸を反らすんじゃねえよ、どこに視線向けていいかわかんなくなるだろ。

 

「あたしもさ、最近WEB小説良く見るんだけどね、読んでると眠くなるじゃん?」

「ならねえよ」

「ならないわね」

 

「へ? いや、あの、なるの! っていうか、ずっと読んでればなっちゃうの! もう……えと、まあいいや、それでね、」

 

 いいのかよ……

 心でつっこみつつ、その後の分かりにくい由比ヶ浜の説明を俺達は辛抱強く聞いた。

 で、要約するとこうだ。

 

 スマホの検索アプリで有名な、『ヤ〇ーブラウザ』っていうのがあるわけだが、このアプリのサービスの中に『音声アシ〇ト』ってアプリが付随しているらしい。(ここまでの説明で5分かかった)

 このアプリは音声で質問すると答えを返してくれるのが通常の使い方らしいが、ヤ〇ーブラウザで開いたページの文章を読み上げる、テキストリーダーの役割も果たせるらしい。

 ということで、由比ヶ浜が何を言いたかったかというと。

 

『音声アシ〇トに、ウェブ小説を読んでもらえるよ』だそうだ。ちなみにここまでで15分かかった、はあ。

 

「ね、ね、どう? すごい発見でしょ?」

 

「と、言われてもなあ……」

 

 鼻息を荒くして、キラキラした目で俺達を見る由比ヶ浜だが、まだ体感したことのない俺と雪ノ下にはいまいち凄さが伝わってこない。

 そんな俺達を交互に見ながら、由比ヶ浜がさらに熱くなって補足を入れてきた。

 

「読んでもらえるから、歩きながらでも小説楽しめるんだよ。最大で2万文字くらいだから、多少長い小説も大丈夫だし。あ、でも、pi○ivの小説はページごとには読んでくれないからね、1ページ目だけだよ。な〇うとか、カ〇ヨムとかハ〇メルンは、ちゃんと読んでくれたかな」

 

 いきなりそうまくし立ててきて俺達はたじたじになるが……

 そんな由比ヶ浜を見て、雪ノ下がふうと、また大きく息を吐いた。

 

「そんなに言うなら、私が試してみるわ。由比ヶ浜さん、あなたのスマホとイヤホンを貸していただけないかしら?」

 

「うん! どうぞどうぞ。はい」

 

 言って、手渡されたスマホとイヤホンを雪ノ下は早速使い始めた。

 耳にイヤホンを嵌め、そして、由比ヶ浜と二言三言話してから、画面に表示されている文章を読ませて、それを聞いている様子。しばらくすると、雪ノ下さん、びっくりした顔で目を見開いた。

 

「こ、これは……」

 

「ね、すごいでしょ! こんなにはっきり綺麗に話してくれるんだよ」

 

「い、いえ、そうではなくて……」

 

「あ、そうだ、ね! ヒッキーも聞いてみてよ、はい」

 

 言いながら、慌てた様子の雪ノ下からイヤホンを取ると、そのまま俺にそれを渡してきた。

 はいと言われても……

 女子の使ったイヤホンを耳につけるとか、なんかね、それ……

 

「ね、ヒッキー、聞いてみてよ、ね! ね!」

 

「お、おう」

 

 言われるままに、俺は耳にイヤホンを嵌めた。すると……聞こえてきた音声ア〇ストの声は、朗々と文章を読み上げていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………好きです。ヒッキーが大好きです。この気持ちをいつかうまく伝えられるようになりたいなあ。明日も頑張ろう!2016/11/15/20:06……』

 

「ね? すごいでしょ? ちゃんと小説読んでくれてたでしょ?」

 

「そ、そうだな……」

 

 満面の笑顔でそう教えてくれる由比ヶ浜さんに、俺は……

 

 そっとやつのブログを閉じてから、スマホとイヤホンを返してあげました。

 ま、このあと俺と雪ノ下さんは猛烈にここにいるのが気まずくなったことは言うまでもない。

 

 尻がムズムズしていた俺に笑顔の由比ヶ浜が一言。

 

「これからもいっぱい読んでね、ヒッキー!」

 

 

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