『八幡』と『結衣』と『雪乃』のオムニバスストーリー   作:こもれび

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奉仕部が崩壊するアンチものはここからスタートするらしいですね。

そんなところから始まる、当然のような八結です。


竹林で抱きガハマさんと二人でいるだけの話

「人の気持ち……もっと考えてよ!」

 

 その両目に涙を湛ながら俺の前から足早に遠ざかる由比ヶ浜に、俺は声を掛けられないでいた。かける言葉を持っていない。俺は風に騒めく真っ黒な竹林の天井を見上げた。

 

 本当はこんな結果を望んでいたわけでは無い。俺だって何もせずにただ通りすぎるのを待つことを選びたかった。

 なら、なんでこんなことをしたのか……

 依頼だから?

 本当にそうか? そんなことを考えていたのか? 俺は、依頼だというなら、何もせずに戸部の告白を見守るだけで良かった。戸部は自分一人で告白する勇気が無かっただけで、べつに本気でその結果を俺達に求めてなんかいなかった。

 海老名のお願いの所為か?

 彼女が戸部の告白を防いで欲しいと考えていることは分かっていた。変わるのを嫌がった結果だろう。ただそれだけのことだ。だから頑張ったのか? 俺は?

 いや、これも違う。

 彼女は戸部を拒絶するつもりだった。もともと、その言葉も持っていた筈だ。拒絶したところで、戸部達との関係がそこまで崩れるとも思えないし、崩れたとしても、それを受け入れる用意も彼女はしていた筈で、そもそも俺が責任を持つことでもない。

 葉山もそうだ。アイツは何もしない。できはしない。ただ、自分の思いと違う展開を恐れていたというだけのことで、それを俺に吐露しただけだ。

 

 なら、なんだ? どうして俺はこんな意味のない嘘を吐いてまで自分を傷つけたんだ?

 自分の痛みは気にするつもりなんかない。でも、敢えて、自分を傷つけてまでこんな事をした理由……それは……

 

 俺は顔を前に向ける。まっすぐ続く竹林の回廊の遥か先に、項垂れたまま歩み去っていく由比ヶ浜の背中が見えた。

 

”まだ間に合うかもしれない”

 

 咄嗟に閃いたその思いに、俺の頭脳よりも先に口が、のどが、震えていた。

 

「ゆ、由比ヶ浜! 待ってくれ!」

 

 その小さな背中が立ち止る。そして、俺をゆっくり振り返った。

 お、俺は……何を……

 今は、頭が働いていない。それよりも、酷い焦りと不安に全身が支配されて、どうにも堪らなくなっていた。そして、自然と足が動いて、由比ヶ浜へ向けて走り出していた。

 

「ヒッキー?」

 

「はあ、はあ、はあ…」

 

 悲しそうな表情のままではあるが、そこにはいつもの由比ヶ浜の顔があった。

 

「話を……俺の話を聞いてくれないか?」

 

 今の俺の精いっぱいの思いで、そう声に出した。そんな俺を見て、彼女は……

 

「は、話してくれるんだ……うん、聞くよ。聞かせて、ヒッキー」

 

 涙で滲んだ瞳を優しいものに変えて、微笑みながら俺を見上げてきた。

 

 よし、話そう! 俺が欲しくなかったこの結果の理由を……漸く分かった俺の気持ちを……このままでいたくなんかない、本当の訳を……

 

 まだ、呼吸が整っていない俺の手を、由比ヶ浜が引いて、近くにあったベンチまで移動した。そこに二人で座って、由比ヶ浜へと俺は話を切り出した。

 

「海老名さんにな……依頼されたんだよ俺達は。それとなくだけどな、この戸部の告白を止めさせて欲しいという依頼を……」

 

「ええ!? そ、そんな? 姫菜がそんなこと頼んだの? 本当に?」

 

「ああ……そうだな。お前が驚くことも分る。でも、この依頼に気が付いていたのは……いや、ひょっとしたら、本当に俺のただの勘違いだったのかもしれないが、海老名さんや葉山が望んでいないと思っていたのはこの俺だけだった」

 

「で、でも……だからってなんでヒッキーが一人であんなことしたの? それならあたし達に言ってくれれば……」

 

「いや……お前らは納得なんてしなかっただろう。特に雪ノ下はな。只でなくても片方からは告白の手伝いをしてくれと言われて、その相手側からは、それを止めさせてくれという。葉山の奴はその両方に気を使っていたしな。そんな中途半端な依頼を雪ノ下が呑むはずもない」

 

「だったら、あたしは? あたしなら二人に事情を話して別の方法を考えられたかも」

 

「お前は、あいつらのグループの一人だ。あのグループの中の人間関係が崩れれば、お前の立場だって変わっちまうだろう。お前も下手なことは出来ないと……俺は思っていた」

 

「違う……違うよヒッキー! だからってそれをヒッキーが一人で抱え込む話じゃないよ! あたしは……あたしは言って欲しかったよ…」

 

 由比ヶ浜がその目に涙を浮かべて俺を見た。また、泣かせちまったか……俺はコイツのこんな顔は見たくなかった。そうならないようにと、全てを丸く収める方法を使ったはずだった。なのに……

 

「解ってる。俺が間違えた」

 

「ひ、ヒッキー……」

 

 俺はまっすぐ由比ヶ浜の目を見て話した。

 

「俺は全ての依頼をこなして、何も無かったことにしようと思ってた。そうすれば、全て元通りになると信じていた。お前も今まで通り、海老名さんや戸部達と付き合えるし、そうなれば、俺達も……俺とも雪ノ下とも今までと変わらずに居られる…そう思っていた。でも違った」

 

「……」

 

「ここがな……胸の辺りがな……苦しいんだよ。耐えられないくらいに。人にどう思われようが、俺はそんなことで傷つくことなんかもうないと思っていた。でも、違った。お前達のな……お前のその哀しそうな顔を見て、酷く胸が苦しくなったんだ。さっき、お前に突き放された時……いや、俺がお前を突き放した時からずっとな。だから、このままお前と離れるのが怖くなったんだよ。本当に悪かった。ゴメン……」

 

 そこまで言った時、突然由比ヶ浜が俺に抱き付いてきた。

 

「ふぁ!? お、おまえ、何してんだ!?」

 

「ヒッキーを離さないようにしてるだけだよ」

 

 両腕を俺の背中に回して俺を締め上げる由比ヶ浜が、微笑みながら俺にそう囁く。

 

「ヒッキーが言ったんだよ。離れたくないって……」

 

「いや、それはこういう意味ではなくてだな」

 

「いいから、あたしの話を聞いて」

 

「あ、はい」

 

 いつになく強い口調で由比ヶ浜が話す。く、くそ……理性が飛びそうだ。お、落ち着け、俺。

 

「ヒッキーごめんね。ちゃんと分かってあげられなくって」

 

「い、いや、だから、お前らに相談しなかったのは俺なわけで」

 

「ううん……違うの。ヒッキーが一人で悩んでたのは、あたし達の責任だよ。だって、奉仕部としての答えをキチンと決めてなかったし、あたしも戸部っちが頑張れば上手くいくくらいにしか思ってなかったし……」

 

「いや、お前らは悪くない。勝手に決めたのは俺だ。それを言わずにいたのも俺だ」

 

「でも、今言ってくれた」

 

「……」

 

 由比ヶ浜が俺を包みこむようにその笑顔を向ける。そして、俺の背中に回すその手に力を込めてきた。

 

「嬉しかったよヒッキー……やっぱりさ、言葉でくれないと、あたし分からないよ。嬉しかった……ヒッキーがあたしを追いかけてくれて……だから、あたしも少しだけ勇気を、出すことにしたの……」

 

「お、おい……由比ヶ浜……」

 

 いつもと違う雰囲気に俺は圧倒されていた。直接触れる由比ヶ浜の柔らかさと温かさに脳が痺れる。

 由比ヶ浜は、潤んだ瞳を俺にむけながら言った。あの言葉を…

 

「……好き……なの……」

 

「え?」

 

「ヒッキーのことが好き」

 

 澱みなくこぼれたその言葉が俺の胸に刺さる。その傷から黒いドロドロした何かが溢れてくるような感じがして、目の前の由比ヶ浜を直視できなくなった。

 

「や、やめてくれ……お前まで……お前にまであんな目に遭わされたくない」

 

「え?」

 

 振り絞った俺の声に、由比ヶ浜が不安げに呟く。だが、俺を抱きしめるその手を全く緩めなかった。

 

「お前たちに……お前に俺は酷いことをしてしまった。だからって、それを俺に返さなくたって……頼む、俺を許してくれ」

 

「え? ち、違うよ……ヒッキー? あたしは本当に……」

 

「頼む……頼むから、放してくれ」

 

 胸が苦しかった。今の俺が大事に思っている数少ないそれの一つ。

 今の俺の居場所…俺のよりどころそのものの彼女から、俺を突き離すための言葉を吐かれる。こんなに苦しいことはない。もう二度と……あんな思いはしたくない。大切な物が壊れるところなんて見たくない。

 そうだ……俺は今の奉仕部の……雪ノ下と由比ヶ浜との関係を壊したくなかっただけなんだ。俺が頑張ることで……戸部達の関係を元に戻すことを一番望んでいたのは、俺だったんだ。動けないでいる葉山にあんな事を言っておいて、なんだ、結局俺も同類じゃないか。苦しい……こんなに苦しい物だったなんて。

 

「絶対離さない! 今ヒッキーを離したら、本当にもう戻れない気がする」

 

 俺の目を見つめながら、由比ヶ浜が涙目でそう答えている。

 

「あたしはヒッキーが好き。大好きなの! だから、さっきみたいな嘘の告白も、あたし達に気を遣うみたいなのも、逃げ出されるのも全部嫌……だから、分かってお願い! あたしはヒッキーと一緒に居たいの! もっと仲良くしたいの! こ、恋人になりたいのぉ!」

 

 俺を力いっぱい抱きしめた由比ヶ浜が泣きながら、最後はそう叫んでいた。

 不思議な気分だった。俺が本気を出せば、由比ヶ浜をひき剥がすこともきっと出来るだろう。でも、それは出来なかった。彼女の口から溢れるその言葉の一つ一つに俺の心が揺さぶられていたから。

 まさか……こいつは、本気なのか? 本気で俺の事を……

 

「ゆ、由比ヶ浜……ちょっと離してくれないか」

 

「イヤ…」

 

「その……ちゃんと聞くから。そのちょっと離れて……」

 

「絶対イヤ」

 

 首をぶんぶん振る由比ヶ浜はその力を全く弱めない。俺は、そのままで彼女に問いかけた。

 

「俺は今の奉仕部に居たいと思ってる。今の奉仕部の、お前たちとの関係を壊したくない。お前はどう思ってるんだ?」

 

「あたしは……あたしはヒッキーもゆきのんも好き。だから、ヒッキーと付き合いながら、奉仕部も頑張る」

 

「お、お前な……俺みたいな嫌われ者と一緒にいたら、それこそ、お前も嫌われるぞ!? もう前みたいな友達関係作れなくなっちまうかもしれないんだぞ」

 

「そんなこと関係ないし……ヒッキーと一緒にいられるなら、周りがなんて言ってきても関係ない」

 

「由比ヶ浜……」

 

 真っすぐに思いを言葉に乗せる由比ヶ浜の気持ちが、俺には辛かった。人の本気程あてにならないものはないと俺は思っている。

 でも、なんだろうこの感じは……

”そろそろ信じてもいいんじゃないか”

 俺の中の何かがそう囁く。

 信じる?人を信じる? 俺がか? それは無理だ。

”お前は由比ヶ浜が嫌いなのか”

 そんな訳ない。大事に思ってる。大事にしたいから……いつまでも一緒に居たいから、俺は……

”人が変わらないでいられるって本気で思ってるのか”

 それは……

 

 ああ、そうだ……俺は当の昔に分かっていたのだ。

 葉山たちのグループを見ながら、変わらないで頑張る日常になんの意味もないってことを。

 そう思っていたくせにな……

 

「由比ヶ浜……分かった……分かったよ。お前が俺の事を本気で思ってくれてるってことは。だから俺を信じて離してくれないか?」

 

 その言葉に由比ヶ浜は顔を少し上げた。そして俺を見ながら彼女は……

 

「やっぱりイヤ。ヒッキーの顔、まだ引きつってるし」

 

 おおう……何? なんなの? 自分で言っておいて信じてくれないとか……っていうか、ちょっと冷静になってきたら、滅茶苦茶恥ずかしくなってきたぞ。 

 さっきから由比ヶ浜の奴、ぴったり俺に抱き付いたままだし、顔近いし、なんかすごく柔らかい感触がむにむにと……

 

「お、おい……頼むから離れろ! お、俺も冷静じゃなかった。悪かった。だから、離れてくれ、頼む」

 

 その俺の言葉にも首を振る。どうしろってんだ!

 

「あのな由比ヶ浜、俺も冷静になって来たし、お前も、そうだろ? えっとな……さっきからお前、すごく恥ずかしいことしてるの、気が付いてる?」

 

 俺のその言葉に、由比ヶ浜の顔が一気に赤く染まった。ふう、こいつやっぱり分かって無かったのか。でもこれで漸く……

 

「そ、そ、それでもダメ……まだ、離れない!」

 

「なんでだよ!? 離れてても、話しは出来るだろ?」

 

「で、でもダメなの! だって……だってまだヒッキーの答え貰ってないから……このまま離したら、ヒッキーきっと何も言わないで行っちゃうし」

 

 真っ赤な顔のまま俺にそう話す由比ヶ浜は真剣だった。コイツ……こんな顔してまで……

 

「分かった……ちゃんと答えるよ……」

 

 一瞬由比ヶ浜がビクりと震えたのが分かった。

 ああ……コイツも怖いんだな。

 今ならもう分る。好きになった相手に拒絶されること程怖いことはない。俺だってそれくらい解るのだ。そうか……今は俺が答える番なんだな……

 俺はそれを思い、生唾を飲み込んで彼女を見た。

 

「由比ヶ浜……俺はお前の事が……」

 

 由比ヶ浜の俺のせなかに回す手に力が込められた。真剣なコイツの為に、俺もきちんと応えよう。

 

「好き……なんだと思う……多分……?」

 

「ヒッキーぃ!!」

 

 由比ヶ浜が俺の背中を思いっきりつねってきた。

 

「いたたたたた! 痛いって! ちょっと待て……ちゃんと応えたろ!? なんで抓るんだよ!」

 

「だって答えになってないし! 好きなの? 嫌いなの? どっち?」

 

「い、いや……だから、嫌い……ではない……って、いたたたたた! だから痛いって!」

 

 頬を膨らませて、むすっとした様子の由比ヶ浜は、じろりと俺を睨んでいた。

 

「だからな……俺もまだ良く分かってないんだよ。嫌いじゃない……だから好きなんだよ……多分。これじゃダメなのか?」

 

「ダメにきまってるし! あたしが欲しいのはそんな答えじゃないし! そんな誰にでも言える『好き』はいらないし! ちゃんとはっきりあたしに言ってくれるまで、絶対にこの手は離さない」

 

「お、お前な……それは脅迫って言うんだよ! でもな、そんなんで俺がお前に言ったところで、それは俺が嘘をついたかどうか分からないだろ!? だから、こんな急には……」

 

「それでもいい……ヒッキーの言葉が欲しいの‼ あたしはヒッキーが好き……一緒に居たい! お願いヒッキー、あたしの事好きって言って」

 

 うう……これはもう答え出てるな。由比ヶ浜がここまで食い下がる奴だったなんてな。なら……なら言ってやるさ。

 

「由比ヶ浜……俺もお前が好きだ! たぶ……いや、好きだ! 大好きだ!!」

 

「ヒッキー……うん、ありがと! すごく嬉しいよ!」

 

 涙ぐみながら由比ヶ浜が俺に更に強く抱き付いてくる。おまけに頬ずりまでしてくるし……お、おい……離してくれるんじゃなかったのか?

 

「なあ、由比ヶ浜。これで本当に良いのか? 俺が嘘ついてたらどうするんだ?」

 

 俺がそう聞くと、由比ヶ浜はにっこりと微笑みながら…

 

「うん、いいの! だって、あたしがヒッキーをもっと好きにさせて見せるから……頑張っちゃうから」

 

 なにこの生き物、超可愛いんですけど!

 こんなに俺のことを想ってくれてるなんてな……俺の今までの悩みはいったい何だったんだよ! 

 そうだな……こんなのも悪くない。気になってた女の子に好きになられるのもな。頑張って良かった……頑張って追いかけて、気持ちを吐き出して、本当に良かった。コイツを好きでいて本当に良かった」

 

「え? ヒッキー……今のホント?」

 

「えっ? ひょっとして声に……」出てたのかぁ?

 

「ヒッキー、スキ! 大好きっ!」

 

 そしてそのまま、由比ヶ浜が離れる事はついになく……ずっとくっついたままホテルまで歩く羽目に。

 そして着いた先で、遅い俺達を心配していた雪ノ下に白い目で睨まれたことは、言うまでもない。

 

 人間万事塞翁が馬とは良く言ったもので、本当にどう転ぶのかなんてやるまで分からないもんだ。少なくとも俺は、経過はどうあれ新しい関係を手に入れた。変わらないものなんてない……必ず変わる。だから、良い方に変わるように努力しよう。それしか、俺達に出来ることはないしな。

 

「ヒッキー……窓の外の景色ばっか見てないで、あたしを見てよ! はい、アイスだよ、あーん」

 

「ちょ、ちょっとお前な……そのスプーンお前使ったやつだろ?」

 

「ええ? いいじゃん別に……彼女なんだし! 一緒に食べよこのアイス」

 

「い、いや……だからちょっとそれは…」

 

「ヒキタニ君! 見せつけてくれちゃってぇ! ホント、羨ましいわぁ!」

 

「うん……八幡、本当に良かったね! おめでとう!」

 

 ウッ……戸部はどうでも良いが、と、戸塚ぁ~!? 彼女が出来たからって俺を見捨てないで!

 新幹線の席を向かい合わせにして 俺と由比ヶ浜、それと向かいに戸塚となぜか戸部の二人が座っている。うう、戸塚の隣が良かったよぉ……。

 由比ヶ浜と付き合うようになったことを知った戸部が何故か急に俺達に馴れ馴れしくなったわけだが、まあ、これあれだわ……俺が海老名さん狙いじゃなかったことが分かったからだな。そんなことを考えていたら、両頬を急に掴まれて、グイッと顔を捻られる。

 

「むう……ヒッキーはあたしを見るの! はい! あーん……」

 

 もう、なんなのこれ……でも、まあ、幸せではあるな……

 

 由比ヶ浜が差し出すアイスを、一口に食べながら、妙にむず痒いこの彼女という存在に、俺は密かに喜びを感じているのであった。

 

「えへへ……ヒッキー、だーいすき!」

 

 了

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