『八幡』と『結衣』と『雪乃』のオムニバスストーリー 作:こもれび
”青春とは嘘であり、悪である。
青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺き自らを取り巻く環境を肯定的にとらえる。
彼らは青春の二文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げてみせる。
彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗さえも、青春のスパイスでしかないのだ。
仮に失敗することが青春の証であるのなら友達作りに失敗した人間もまた青春のド真ん中でなければおかしいではないか。
しかし、彼らはそれを認めないだろう。
すべては彼らのご都合主義でしかない。結論を言おう。
青春を楽しむ愚か者ども、
砕け散れ。”
「ヒッキー待った?その服、とってもかっこいいよ。えへへ」
「あら、どうしたの八幡?いつも以上に目が澱んでいるようなのだけれど」
「いや……ちょっと、昔を思い出して、自分にメガンテかけようかと思ってたとこだ」
「なにそれー?あたし、ヒッキーには絶対メガンテ教えないからね」
「そもそも、結衣さんも絶対使ってはダメよ。私は貴女が砕け散るところなんか見たくないわ」
「やめて!ちょっとだけ本当に想像しちゃったから、マジでやめて!」
まったくこいつらにはいつも調子を崩される。
まあ、でもこんな風に接してくれるから俺もこうやって自暴自棄にならずに済んでるのかもしれないが。
目の前に立つ二人の少女……由比ヶ浜と雪ノ下は、二人とも俺の『彼女』ということになる。
お団子ヘアーを今日もしっかり決めて、アイボリーのパンツドレス姿の由比ヶ浜は可愛いというより、とても、き、綺麗だ……うん。なんというか、すごく大人っぽく見える。
それと、長い黒髪を左右に束ねてツインテールにした雪ノ下はといえば、白のふわりとしたワンピースのせいか、なにか普段のお姉さん然とした佇まいからすると凄く幼くて、なんというか、か、か、可愛……
「ねえ、ヒッキー。あたしたちの格好、ど、どうかな?」
照れた感じでそう聞いてくる由比ヶ浜に、なんと答えればいいものか。俺も相当照れ臭いわけだが……
「その……か、可愛い……と、思うぞ……二人とも」
「えへへ、ありがと」「嬉しいわ、八幡」
頬を染めて微笑む二人。
ふぅ……やばい、なんでか今日は二人を直視できねえ。
二人の衣装ははっきりいえば、この世界の一般的な服には見えない。というより、確実に千葉辺りのカジュアルショップで売っているようなファッションの服だ。
実は俺の着ている服も、スラックスにシャツ姿という、それこそ千葉の男子高校生の休日の姿にほぼ近い。
この服に関しては、ポリィがお世話になってる被服屋のおばさんが、あれやこれや服を作ってくれていて、今回特別にこのような服をみんなでオーダーして作ってもらった。基本この世界の服も、絹、麻、綿が中心で化繊は当然ないのだが、ある程度までなら似せて作ることも可能であったし、近所の人が普段着にしているチュニックとかであっちの世界を歩いたとしてもそんなにおかしい感じはしないと思ったし。ということで、この世界にはないファッションを今日は三人でしているわけなのだが。
「じゃさ、いこっか。初めてのデートだね」
「そんなに難しい顔をしないでちょうだい。今日は楽しみましょ。三人でね。八幡のエスコート楽しみにしているわよ。ふふ」
言いながら、ぎゅうっと俺の両腕に抱きつく二人。
と、いうわけだ。
そう、今日俺たち3人は以前約束した『デート』をすることになった。
はあ……マジで昔の俺が今のこの状態を見たら、怒りにまかせて絶許ノートに書きまくってただろう。不幸の手紙送りつけるまであったな。
このデートをするにあたり、少しでも気分を盛り上げようということで、一緒に生活しているにも関わらず、今日は朝から3人とも顔を合わせないように行動した。
俺はといえば、ホームの俺の部屋で起きてからすぐに支度をして、そのまま出掛けて道すがら露天で購入したフルーツを朝食にしてしばらく時間を潰したわけだ。
んで、この
そこでボーっと澄み渡った青空を仰いでいた。このところ色々忙しく、こんなにのんびりしているのが不思議なくらいだったもんで、ここ最近までのことを思い出したりしていたわけだ。
× × ×
ベル君たちが【アポロン・ファミリア】との
まず一つ目は俺達が占拠した、あの『ダイダロスの迷宮』内で、なんというかクーデター?みたいなことが起きた。
あの人造迷宮……俺達は一色救出のために最短ルートをイケロスから貰ったダイダロスの目玉でバンバン扉を開いて侵攻したため、ほぼ直線での移動しかしなかったわけだが、実はあのダンジョン、相当広いらしくてその直径はオラリオの広さとほぼ同等、さらに下層は最低でもあのダンジョンの18階層までは続いているので、とんでもない広さの未踏破エリアが存在していたようだ。しかも、まだなんとかっていう、ディックスの兄弟だか、親戚だかが掘っているらしく、今でも完成を目指して拡大中なんだと。
そんな未踏破区域から、じんめんじゅみたいな歩く植物のモンスターが大量に湧き出てきて、しかも
その時、そこには俺とディックスのふたりしかいなくて、とりあえず人間は全員ラリホーで眠らせて、じんめんじゅどもはイオラで一気に吹き飛ばしたんだが、間隙をついて飛び出てきた赤い髪の女がいきなりディックスを殺そうとしたもんで、慌ててそいつに向かってライデイン。
とにかく尋常じゃないスピードのそいつにたまたまじゅもんがクリーンヒット。よく見たら両手が完全に消滅していて、あわててベホマで回復してやろうと思ったら、一気に逃げられた。あれはいったい誰だったんだ?原作にあんなキャラいたっけかな?
主神のイケロスが消えてしまった今、彼のファミリアに属していたディックスたち団員は、ファルナの効果が消えてしまい一般人に成り下がっていた。そこへの襲撃だったわけだが、それについてディックスに聞くと、『殺される殺される』とかガタガタ震えるばかりで答えになってない。仕方がないのでそこで聞くのをあきらめたわけだが……
実はこのあと、しばらくしてどこかの神の眷属になったディックスたちが、陰でこそこそまた良からぬことを始め、なんと、俺が居ぬ間にゼノスの様子を見に来ていたアンを集団で襲おうとしたらしい。だが、もはやアンも立派な【ルビス・ファミリア】の眷属。持ち前の身体能力とじゅもんとで、
話が逸れた。
そのクーデターチックな襲撃後、地上に出た俺は、重武装のアイズたん達【ロキ・ファミリア】の集団、それも第一級、二級冒険者勢ぞろいの連中に遭遇してしまい、こそこそっと離れて、アイズたんとティオナさんの二人に聞いてみたら、どうもみんなで『ダイダロスの迷宮』の入り口を探していたのだという。
当然だが、アイズたんとティオナさんの二人はその扉の場所を知っている。知っているが、俺との約束でそこのことは秘密に、ということになっているから、言いたくても言えない。隠しているってのが心苦しすぎて二人とも真っ青になっていた。そこで……
同行してきていた主神の神ロキを呼んでもらって、これまでの事情を全部説明。
俺がデカルチャーズのワレラだってことも含めて、これまでのことを全部包み隠さずに教えた。どうせこの人は神だから、嘘を吐いたって見破られるに決まってるしな。
そして、当然だが、彼女は口をあんぐりと開けて絶句。ぼそぼそ漏らす声は、もはや標準語で、関西弁はどこへやら。
ま、仕方ないわな。異世界人の俺達がカーディスと戦って勝って、イケロスが実はファラリス神で今は消えていて、あのファイアジャイアントみたいなやつを瞬殺したとーちゃんが、まさに今ダンジョンで修行してるとか。ルビス様のことが無ければ、絶対信用してもらえない自信まである。
結局、このダイダロスの迷宮に関しても、たった今起こったその襲撃の話をしたことで、今すぐに侵攻するのは危険だと彼女は判断してくれた。
少なくともこのダンジョンの中にはまだ何か秘密があるようで、その秘密に関して【ロキ・ファミリア】は動いているようだった。俺が撃退したその赤い髪の女のことも何か知っているようだったし。でも何も教えてはくれなかったけどな。
ということで、主神の彼女の一声で解散。みんなホームへと帰って行ったのだった。
その引き上げ際、団長のフィンさんに鋭い目で睨まれてしまった。ひょっとして俺がワレラだって見抜かれたかな?あの人には何か申し訳ないことをしてばっかりだ。
そして二つ目はといえば、それから数時間後、辺りが暗くなった頃に起こった。
俺が地下水道ではなく、上の通りをたまたま遭遇したポリィと二人で並んでホームへ歩いて向かっている途中、急に遠くで爆音があがり、そして、見上げた南西の方角に真っ赤に染められた黒煙が立ち上り始めた。
と、それを見て、あー、あれか。と納得。
あれは原作の7巻のイベントだ。
命姐さんの友達の
まあ、今のベル君は相当強いし、結果はだいたい分かっているから、見に行く必要はないな……と思っていたら、隣のポリィが急に火事の方に向かって走り出した。
「こんな火事場、めったにないし、稼ぐなら今でしょ……じゃなくて、し、心配だから、ちょっと見てくるね~じゃあね」
って、今、稼ぐとか言ってなかったか?あいつ。
ったく、お仕事はやめなさいっての。いつか刺されるぞ。いやマジで。
そんな心配をしつつ、その時俺は、まっすぐホームへ帰ったのだった。
× × ×
ボッチだったはずの俺も随分と知り合いが増えたもんだ。
それこそいまだに孤独でいるんだなんて、自分で思い込むまでもなく、俺はもうボッチではないことを自覚していた。そして、まぎれもなく今リア充街道まっしぐらなわけだ。
両手に花が居るわけだし。
そんな片方の彼女が聞いてきた。
「ヒッキー、今日はどこに連れて行ってくれるの?」
「まあ、あれだ。俺なりに考えてはみたんだが、初めてだから気の利いたことなんか多分出来ねえよ。だから、怒るんじゃねえぞ」
「別にそんなことで腹を立てたりなんかしないわ。だいじょうぶよ、すでに貴方に望むハードルは地上1センチメートルくらいまで下げてあるから、ね、
「ちょっとちょっと、こんな状態でまで、わざわざディスらないでね。これでも結構真剣に悩んだんだからな」
笑い合う二人を見ながら俺はまっすぐバベルを目指して歩いた。
ここはいつも通っている道だ。つい昨日もバベルの2階で久々のデカルチャーズの診療所を開いた。
急な営業であったにも関わらず満員御礼。しかも、もともとの治療費からすれば10倍に値上げしたにも関わらずだ。小町とアンに行列の整理をしてもらって、なんとか捌いたって感じだったしな。なんと昨日一日だけで2000万ヴァリスの売り上げ。本当に、ジャイアントスレイヤーの称号様様だ。
俺達がバベルに来るのは何もデカルチャーズの姿の時だけではない。
一応俺達3人は【ルビス・ファミリア】の冒険者。最近ではこの冒険者スタイルでダンジョンに潜ることが増えてきている。そもそもデカルチャーズはこのオラリオでは有名になりすぎてしまった。この格好ではちょっとそこまでの簡単な用事ででかけることができないのだ。目立ちすぎだから。
なぜダンジョンへ行くかといえば、ある物を採取しに、23階層の
まあ、後でどうせ寄るからその時でいいだろう。
ちなみに、俺達3人は一般的には外国から来たレベル3の冒険者ということになっている。さすがに、本当のレベルを言うわけにもいかないし、言ったところで信じてもらえるわけもないのだが。
ということで、レベル3らしく振る舞うために、使うじゅもんも低位の物に限るようにしている。
だが、13階層だったかで、急に現れたモンスターの群れに驚いた雪ノ下が、思わずマヒャドをぶっ放してしまい、火炎地獄のフロア全体を氷漬けにしてしまったことがあり、以来非常に恥ずかしい二つ名で呼ばれるようになったわけだが。二つ名と言えば、俺も由比ヶ浜もつけられてしまったのだが、それも今は別にいいだろう。
今はとにかくバベルだ。
俺達はいつもの階段を使わずに、以前ここに住んでいたときに使用していた、魔石昇降機の前に立った。
「どこに向かうのかしら?」
「5階だ」
雪ノ下の問いかけにそれだけ答えると、俺は魔石を操作して5階まで移動させた。
降りてみればそこにはバベルの外壁に沿ってたくさんの商店が並んでいる。魔石昇降機の浮かぶ吹き抜けから下を見下ろせば、2階のドワーフのおじさんが切り盛りしている冒険者向けの食堂のテーブルが小さく見えた。
「すごい、バベルの上って、こんなにお店あったんだ。知らなかった」
目を大きく見開いている由比ヶ浜が周りを見渡しながら感嘆の声をあげる。
「でも、武器と防具の店ばかりね。なにか新しい剣でも買うの?」
「いや、流石にデートでそれはないだろう。まあ、ここは冒険者の街だし、このバベルの中は武器屋ばっかりだが相当賑わってるからな。デパートっぽい雰囲気の方がいいかと思ってここにしたんだ。で、俺達が行くのはあそこだ」
俺はあらかじめアスフィさんに聞いて調べておいた店を指さして、そっちに二人を誘った。
その店は並ぶほかの店々とは少し趣が違い、表に置かれているのは剣ではなく、木工細工の人形や木のワンドなど。店内の棚にや壁に並ぶのは様々な輝きを放つ石の細工品など。その店名は……
「『ギムの店』?宝石店なのかな?」
その由比ヶ浜のつぶやきに俺は頷く。
「宝石というよりは、マジックアイテムの材料の店みたいだな。アスフィさんはここで魔道具の材料を仕入れたりしてるって言ってたな」
「ふーん……ねえ、見て見てゆきのん。この木の猫、かわいいよぉ」
「これ、頂くわ」
「早っ‼決めるのめっちゃ早いよゆきのん‼あれ?なんかこのやりとり昔したことがあったような、なかったような」
「気の所為ね結衣さん。この子は誰がなんと言おうと私が守るわ」
「まあ、その猫は好きにしろよ。っていうか、雪ノ下、今更だがお前猫好きすぎて、
「して……」
俺の問いに、雪ノ下はぷいっと顔を背けた。
ああ、これはしてますね、確実に。
「まあ、い、一度だけ……ね、道を歩いていたら、前を歩く兄妹の猫人の冒険者風のお兄さんの方の尻尾と耳をいつの間にか触ってしまっていたの。モフモフして本当に最高だったわ。あ、エプロンドレスの妹さんの方は触れなかったのだけれど」
何をうっとり思い出してんだよ。
っていうか、兄が冒険者で妹がエプロンドレスの猫人って……俺の原作知識で言えば、あの超おっかないファミリアの第一級冒険者のことじゃないの?
やめろよ、俺はそんな連中と関わりたくないんだからな。
そんなやり取りをしつつ、店内奥を見れば、ごつい筋肉ムキムキの体躯の見るからにドワーフな白髭の爺さんが、小さい仔犬の木彫り人形を彫っている最中だった。やっぱりドワーフは手先が器用なんだな。
「ほれ」
「え?」
その爺さんが彫り終えたのか、その精緻な仔犬の彫像を由比ヶ浜にそっとさしだしてきた。それを由比ヶ浜もキョトンとした目で見ているが。
「お団子の嬢ちゃん、良かったらこの犬をやるわい。そっちの嬢ちゃんもその猫気に入ったんなら持って行っていいぞ」
「え、でも……」
戸惑う二人に、ドワーフの爺さんが言う。
「遠慮せんでいい。それにあんたらがそれを貰ってくれれば、そこの兄さんが何か高い買い物をしてくれるじゃろうて」
それを聞いた二人がお互いに見合ってくすりと笑った。そしてそっと抱えながら、
「ありがとうございます。大事にします」「私も大切にさせて頂きます」
ドワーフの爺さんは満足げにそれを見てから、俺に、さあ何か買っていけと言わんばかりにどや顔を向けてくる。
まあ、どうせ、もともと何か買うつもりではあったんだけどもな。
俺はもう一度店内を見渡す。
値段は、数字だけは読めるようになったから値札を見ればわかるのだが、他の説明文に関してはちんぷんかんぷんだ。
ただ、大なり小なりここのアイテムはどれもこれも魔力の加工が施してあると聞いているから、マジックアイテムってカテゴリーにはなりそうだが……うん?
俺は棚の上に並んでいた一揃えのとあるアイテムに目を止めた。
彼女に贈るならこれがいいんじゃないか?と思ったのも一瞬、いやいや、流石に恥ずかしすぎるだろ、と思い直そうとしたとき、俺の顔の両側から由比ヶ浜と雪ノ下の顔がにゅっと出てきた。わわ、どこから顔出してんだ。
「え?これ買ってくれるの?本当に?超うれしいよ、ヒッキー」
「本当に嬉しいわ、八幡。私、一生大切にするわね」
「お、おお……」
なんの反論もできないまま、目を輝かせている二人の脇から、踏み台に乗ったドワーフの爺さんがその3つのアイテムをそっと毛氈に載せてカウンターへと運んだ。
それはそれぞれに大きな宝石の嵌め込まれた指輪。同じ形ではあるが石の種類が違うのか赤と黄と青の三種類が一式となっていた。
ドワーフの爺さんが説明してくれる。
「これはわしが丹精込めて細工したマジックリングでの、赤は炎の魔法、黄は雷の魔法、青は癒しの魔法の力がそれぞれ込められておる。まあ、効果は非常に弱いもんじゃが気休めにはなるかの。と言っても、どちらかといえば装飾用じゃわい。どうじゃ?なかなか良いもんじゃろ?」
そう言って俺に指を3つ立てて見せる。
「え?30万ヴァリスか?」
「ちがうわ、300万ヴァリスじゃ。まあ、リングの加工は無料でやってやるわい。どうじゃ、この世界に二つとない一品じゃぞ」
なんだよ、このじいさん、商売上手いな。この状況、買わざる得ないだろうって。
俺は財布から金貨で300万ヴァリスを取り出して支払った。
じいさんはホクホクした顔で、俺達の指のサイズを測り始める。
そして早速リングの加工に入った。
しばらく、店の外で上下する魔石昇降機を3人で眺めながら時間を潰した。そして加工が終わった指輪をもらうと、また通路の端に寄って、そこで二人にそれを渡そうとした。すると……
「ヒッキーにつけてもらいたい」「私もお願いするわ」
言って、二人がそろって左手を差し出して来る。
何をすればいいかわかり切っているが、まあ、ここは言うとおりにしようと、俺は包みから指輪を取り出して、赤の指輪を由比ヶ浜の薬指に、黄色の指輪を雪ノ下の薬指へと嵌めた。そして今度は二人が一緒に、俺の左手の薬指へと残った青の指輪を嵌める。
その直後、なんというか、すさまじく恥ずかしくなり、俺達三人は顔を背けたまま黙って手を繋いで顔の火照りは冷めるのを待つ羽目になった。この時、店内のドワーフの爺さんがにやにやしていたのを、俺は見たくなかったのに、見てしまったのだった。