『八幡』と『結衣』と『雪乃』のオムニバスストーリー 作:こもれび
台本形式の上に、内容はメタメタです。
このお話は完全な『八結雪』カップリングになります!!
冬のある日、俺は……いや、俺達3人は恋人として付き合うことを3人で決めた。
ここに至るまでの道程は様々な紆余曲折を経ており、一言で語るのは難しいが、兎にも角にも、事実として俺と雪ノ下と由比ヶ浜の3人が合意の下で恋人……それも結婚を前提とした付き合いを始めることにしたのだ。
まずはこれを示しておこう。
そして、今日。初の『恋人会議』が我が家にて開かれることになった。議題は当然『○○』である……
× × ×
ピンポーン
八幡「はいはいはい! うー……、寒い寒い」
ガチャ
結衣「やっはろー! ヒッキー」ニパッ
雪乃「こんにちは、八幡」ニコッ
八幡「よお、お前ら。さっさと上がれよ。寒いだろ?」
結衣「えへへ……ありがとね! じゃあ、お邪魔しまーす」
雪乃「お邪魔するわね」
八幡「おぉ、いらっしゃい」
結衣「あれ? ヒッキーが着てるそれなに? なんだか凄くあったかそうなんだけど」
八幡「なんだお前……
結衣「オケラ?」
八幡「なんで、地面に潜っちゃう虫みたいになってんだよ。ドテラだよ、ド・テ・ラ。ほら、キテ〇ツ大百科のベ〇ゾウさんが、これ着て勉強してたろうが」
結衣「むぅ~……そんなアニメ知らないし。なんでヒッキー知ってるし」
八幡「うっ、お、俺は、ただ、知識としてだな……(やべーKIS〇ANIMEで見たなんて言えねー、あれなんか違法……)」アセッ
雪乃「『丹前』とも言うわね。所謂江戸時代の町人服よ。でも温かいのよね……私のお婆ちゃんも使っていたからそれがどんな物かは知ってはいるわ」
結衣「へー……ゆきのん物知りだ」サワリサワリ
八幡「って、なんでお前が
結衣「だって、ホントにあったかいか知りたかったんだもん。へへ……それにヒッキーの良い匂いするし」スンスン
八幡「お前は犬か! って、雪乃も!?」タジ
雪乃「……」スンスン
八幡「もう、お前らいい加減にしろ……ほら、炬燵あっためてあるから、さっさと入れ」スタスタ
結衣「あはは、ヒッキー恥ずかしいんだ! じゃあ、行こっか、ゆきのん」
雪乃「そうね、行きましょう」
みんなで炬燵に入る。
八幡「よし、揃ったな。とりあえず、雪乃と結衣が俺にぴったりくっついて座ってるのは気にしない事にする。で、お前ら、ちゃんと調べてきただろうな」
結衣「うん!もうばっちりだよ。ちゃんと大事なとこはマーカーで線引きまくってあるし…ほらあ」フンゾリ
八幡「お前な……なんでもかんでも線引くと、ホントにどこが大事か分かんなくなっちゃうんだぞ。って、まあいいか……雪乃は大丈夫そうだな」チラリ
雪乃「貴方に言われるまでもなく、いつも通り完璧に揃えてあるわ」トントン
八幡「よし、なら始めよう。では『第一回八結雪恋人会議』~~~って、結衣、このタイトル何とかならないのか? かなりハズいぞ」
結衣「ええー、別にいいじゃん、これでpixiv検索すると色々出てくるし……それに分かりやすいし、ねー? ゆきのん!」
雪乃「ええ、そうね……『はちゆいゆき』って、『バーレイニディルムンキャット』に似ていてなんだか可愛いわよね」ニコッ
八幡「いや……猫、全然関係ないからね……それにそんなレアな猫、知らねーし、大して語呂もあってない」
結衣「もう……いいのこれで! はい! さっさと始める!」
八幡「わ、分かったよ。じゃ、じゃあ、最初に確認しておくけどな……俺達3人は付き合ってるわけだ。まあ、それは良いとして、この先俺達は3人で結婚することは出来ない。そこはいいな」
雪乃「そうね。民法732条で「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない」と定められている以上、男性一人に女性二人で結婚することは不可能ね」
結衣「むう……ひっどい話だよね。こんなにヒッキーのこと好きなのに……あたしはもっとこの前みたいに……ヒッキーとゆきのんと3人でデートして、お泊りして、それからそれから……」ムムム
八幡「いや、まて、今そういうラブコメ要素要らないから」キパッ
結衣「なんか酷い事言われてる!」ガーン
雪乃「そうね、尺の都合もあるものね……ここから回想シーンに入ってしまうと、大盛りタコ焼きそばさん(旧姓)の『ショートです』と言い張りながら10万文字越えてしまう作品並みのスケールになってしまうわ」
結衣「尺とか言っちゃってるし!? ……って、個人名出しちゃったの!?(あ、私達ディスってないですからね、大盛りさん(旧姓)ごめんなさい)」
八幡「まあ、冗談はさておき……」
結衣「冗談だったんだ!?」アングリ
八幡「えーと、今日の議題だ。ま、さっきから話が出てるんだけどな……議題は俺達の『結婚』についてだ。とりあえず、順に調べてきたことを言って行くか」
雪乃「そうね。色々当たってみたけれど、やっぱりこの『3人で』というのが難点ね。さてと、誰から話す?」
八幡「そうだな、じゃあ、まず俺からだ」ガサゴソ
八幡「この資料を見てくれ。まず、基本的なことだが、日本は婚姻に関しては『一夫一婦制』を取っている。さっき雪乃が話した通り、民法にも規定されている。一人の夫に、一人の妻。だが、この様式を取り入れたのは、明治に入ってからだ。欧米列強に合わせて、正式に採用したわけだな」
結衣「それまではどうだったのかな?」
八幡「その前……江戸時代以前は、時代劇とかであるように、殿様に正室と側室がいる場合もあって、一人の男性に多数の女性の結婚……所謂一夫多妻の慣例もあった。でも、これは一般的じゃない。あくまで、支配階級、トップカーストに許された権限と言って良い。一般大衆は基本一夫一婦のままだし、実際に側室となった場合でも、正室と比較して、身分が劣るとされた。まあ、豊臣秀吉の時の様に、正室のおねは子供が出来なくて、側室の淀の方が、権力を握ったなんて例もあるけどな」
雪乃「確かに、正室、側室で言うのなら、一般的な側室に当たる言いかたに『お妾さん』、『愛妾』、『二号さん』なんて、蔑称に近い呼び方があるわね」
八幡「そうだな。なんにでも順番は付けたがるもんだが、言われる方は堪ったもんじゃないよな。でもこれは仕方がない。明治政府が欧米に倣ったわけだが、要は、キリスト教を信仰している国は必然的に、一夫一婦制になっている訳だ。キリスト教の場合、浮気はご法度であって、神との契約に違反しているとされる。だから、姦通罪なんて罪を問われる国が世界にまだあるんだ。日本じゃ大分以前に撤廃されてはいるのだけどな」
結衣「うーーん……解かる様な、解かんないような……?」ハテ?
八幡「(こいつ全くわかってねえな……はあ……)まあ、要はな、日本では昔から基本一夫一婦制だったってことだ。で、もう一人女性を囲うと、その人の事は『お妾さん』、『二号さん』とか呼ばれちゃうってことだ。どうだ結衣、分かったか?」
結衣「うん! 要は一人目が一号で、二人目が二号なんだね! 分かった!」ニパッ
雪乃「…………」
八幡「…………」
雪乃「で、では、次は私の番ということね。八幡が歴史から調べてくれたから、そこは端折るけれど、基本的な法律から解説するわね。さっき言った通り、重婚は罪で、刑法184条にも重婚罪が規定されていて、違反した場合の法定刑は2年以下の懲役となるわね。まあ、これについては、結婚したのは、いいけど、相手が実はすでに結婚していて……なんて、詐欺まがいの状態からしか適用されないのだけど、このような民法や刑法があるから大手を振って3人で結婚なんて事は出来ないのよ」
八幡「まあ、そもそも、世間一般の目から見ても、三人夫婦なんて異常に映るだろうからな」
雪乃「あら、三人なら、夫婦じゃなくて、夫婦婦……いえ…格の順に言うから、婦婦夫かしらね」ニマニマ
八幡「グッ……なんで俺が一番下っ端みたいになってるんだよ。自覚はしてるけども。でも『ふふふう』ってなんだかスラ子ちゃんの笑い方みたいで可愛いな」
結衣「それなあに?」
八幡「い、いや、分からないならそれでいいんだ(小説〇になろうで完結済み!!『スライムなダンジ〇ンで天下をとろうと思う』絶賛応援中!! スラ子超かわいい!!)」アセッ
雪乃「まったく……くだらないこと言ってないで、私の話を聞いてちょうだい。まだ終わってはいないのよ」
八幡「あっはい」
雪乃「問題なのは、その呼ばれ方とかではなくて、戸籍や税金よ。夫婦であれば、同じ籍に入ることで、同一世帯として見て貰えるわ。だから、所得に応じての配偶者控除なども受けられるのだけど、例えば、八幡と結衣さんが結婚して、私が内縁関係のままだとすると、貴方達は夫婦として通常のサービスを受けられるけれど、私は独立した世帯主として存在することになる。つまり、一緒に暮してはいるけど、他人のまま……税金も個人として徴収されることになるし、もろもろの控除も受けられない。おまけに、もし八幡との間に子供が出来たとしても、婚姻関係に無いのだから、父親の欄は空欄。子供は非嫡出子、私生児ということになってしまうわ」
結衣「なんかゆきのん可哀そう……」
雪乃「えーと、結衣さん? 仮に私と八幡が結婚すると、今度は結衣さんがその立場になってしまうのよ」
結衣「えぇっ!? なんかちょ、ちょっとそれ嫌かも!?」アセッ
雪乃「そうでしょ? だから、今悩んでいるのよ。日本での結婚は男性一人対女性一人のみ。確かに重婚できる国もあるにはあるけど、そこに移り住んで3人で結婚をするということは、現実的だとは言えないわね」
八幡「まあ、その辺の法律には色々抜け穴があるにはある。まあ、要は養子縁組を使いこなせばいいんだ」
結衣「幼稚園組?」
八幡「ん~……まあ、その間違え方可愛いからゆるす」ポッ////
雪乃「あなた、やっぱり結衣さんには甘いわね……先が思いやられるわ」ジロリ
八幡「ぐっ……それについてはお前にだけは言われたくないが……、まあいい。養子縁組だ。一人は俺と結婚して、もう一人はうちの親と養子縁組する。そうすると、俺と兄妹の関係になるわけだが、戸籍上これで3親等以内に入るわけだ。財産分与なんかは、配偶者が優位になることは間違いないが、少なくとも他人ではなくなる。親の扶養にも入ることも出来るしな。生まれた子供についても、そのままなら私生児だけど、改めて俺の子供として養子縁組すれば、両親のある子供になるわけだ。ただ、その場合生みの親は戸籍上線を引かれてしまうのが難点なんだが…」
雪乃「でも、その方法も完ぺきではないわね。一般的に見て、重婚関係の既成事実を構築していると明らかになれば、それは罪に問われることになるし、大体、それを近親者が納得の上で理解を示してくれるとも限らないわ。うちの両親もそうだけれど、貴方のご両親だって、そんな常識外の発想に共感してくれるとも思えないわ」
結衣「えーーーん。そうしたら、もう三人でラブラブ出来ないの? そんなのヤだよ。あたしヒッキーの赤ちゃん欲しいし。それに、ゆきのんとも一緒に居たいもん。ゆきのんの赤ちゃんも一生懸命育てるから!」
雪乃「駄々を捏ねないでちょうだい。私だってそうしたいと思っているのだから」
八幡「まあ、そうだな……近親者の説得って言うなら、地道に外堀を埋めて周るしかないだろうな。常識ではないことをするわけだから。まあ、理解を100%得るのは難しいだろうな。だから……」
雪乃「だから?」
八幡「まあ、ある程度、理解を得られたかなってところで、二人同時妊娠とかな……それくらいの破壊力がないと、難しいだろう。今回に関しては俺が悪者になると二人から引き離されるだろうから、とにかく俺がお前らの面倒を見られるって位の箔をつけるのが先だろうな」フンス
雪乃「そう……妊娠よね。まあ、貴方がしっかりしていればいいのでしょうけど、そんなこと言って大丈夫なの?」
八幡「実は一人、見本がいるんだ。うちの町内でも有名なじいさんなんだが、その人奥さんと愛人と3人で暮してんだよ。そのどっちにも子供がいて、凄い大家族なんだ。元は豆腐屋らしいんだけどな、かなり手広く商売やってて羽振りが良くて、若いころから3人一緒だったらしいんだわ。で、その奥さんも愛人さんもすごい仲が良くてな。まさか二人とも祖父さんの嫁さんだとは思わなかったよ」頭ポリポリ
結衣「じゃあさ、その御祖父さんたちに、一緒に暮すための秘訣とか聞いたら、私達も上手く行くんじゃないのかな?」
八幡「まあ、今のところ聞いた話だけど、とにかく金なんだと。二人の奥さんに、子供もたくさん。それに、世間の視線もきついときてる。祖父さんが言うには、とにかく金があって、それを使えば文句を言う人間も減るんだとさ……まあ、親族は赤ん坊で、周りの人間には金で対応するしかなさそうだな」
雪乃「という事は八幡。貴方には特別強化講習を受けてもらう必要があるわね。なにがなんでも、官僚になってもらうわ」キパッ
八幡「うっ……これで専業主婦の夢も潰えたか。仕方ないな、自分で決めたことだ……お前らの為ならなんでもするさ」
結衣「ひ、ヒッキー」ジーン
雪乃「さて、これで、一つ問題が減ったわね……。残る問題は……そう、赤ちゃんをどう作るかよね」
結衣「そう、それなんだよ! ママに聞いたらさ……おしべがどうとか、めしべがどうとか、赤い顔してごにょごにょ言ってて何だか良く分かんなかったし」
八幡「あー、うちは親が普段いねえから、小町に相談してみたんだが、聞いた途端に滅茶苦茶怒られたな」ズーン
雪乃「そう……でも困ったわね。私も相談する相手が居なくて良く分からなくて……」
結衣「むっふっふーん……ゆきのんもまだまだだね。こういう時の為に、これがあるんだよ」バサッ
八幡「そういやお前、何調べてきたんだよ……その手に持ってる紙束。結構厚そうだけど?」チラリ
結衣「あたし、ヒッキーの赤ちゃんどうしても欲しかったからね、どうすればいいか、姫菜に相談したんだよ。そしたら、これを印刷してくれてさ。で、一生懸命読んでマーカー点けたんだけど、専門用語が多くて良く分かんなくて」テヘ
八幡「って、お前……なんで、蛍光ペンじゃなくて、油性ペンでライン引いてんだよ。これじゃ元の文章も読めねえじゃねえか」
結衣「えへへ……ごっめーん」テヘペロ
雪乃「えーと……百かしら? ……濁? ……肉……奉? んん……、読めないわね。これで何をどうするというのかしらね……?」
結衣「えーとね……姫菜が言ってたんだけど、3人でベッドの上でこれを読んでれば、まず間違いなく赤ちゃん出来るよって」
雪乃「? ベッドの上で? なんなのかしらね? まあ、でもそう勧められたのなら、一度挑戦してみましょうか……ね、八幡?」チラリ
八幡「うーん、訳わからんが、そのままじゃとりあえず読めないな……えーとなになに? 高橋徹著『俺ガイル 日常の何気ないエロス。』ね。ちょっとパソコンで調べて読んでみるか……そうしたら、3人で俺の部屋に行くとしようか……パソコンもベッドもあるし」
結衣「よし、じゃあ行こう」
雪乃「そうね」
八幡「……あー、さっきからずっと俺らだけでしゃべってて悪かったな。とりあえず、六法全書とか持ってきてくれて助かったよ……じゃあ、俺らちょっくら2階に行ってくるから。まあ、のんびりしててくれよ、『葉山』」
隼人「…………」コクリ
ガヤガヤ
タンタンタンタン
隼人「………………………雪乃ちゃん……」グスッ
キッチンの陰から……
小町「……泣ける…」クゥッ
了