恋愛感情ゼロの幼馴染と召喚獣   作:黒ハム

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大化の改新と書いて切り札と読む

 バカテスト 生物

 

 問 以下の問いに答えなさい

『人が生きていく上で必要となる五大栄養素をすべて書きなさい』

 

 

 姫路瑞希の答え

『①脂質 ②炭水化物 ③たんぱく質 ④ビタミン ⑤ミネラル』

 

 教師のコメント

 流石は姫路さん。優秀ですね。

 

 

 神白崇彰の答え

『①ビタミンA ②ビタミンB ③ビタミンC ④ピクミンD ⑤ビタミンE』

 

 教師のコメント

 ビタミンシリーズと思いきや一つだけピクミンになっていますよ。 

 

  

 黒栁由梨乃の答え

『①食事 ②睡眠 ③トイレ ④風呂 ⑤タカ』

 

 教師のコメント

 今は生物の時間ですよ?後、⑤は神白くんのことでしょうか?相変わらず仲は良好のようで。

 

 

 吉井明久の答え

『①砂糖 ②塩 ③水道水 ④雨水 ⑤湧水』

 

 教師のコメント

 それで生きていけるのは君だけです。

 

 

 土屋康太の答え

『初潮年齢が十歳未満の時は早発月経という。また、十五歳になっても初潮がない時を遅発月経、更に十八歳になっても初潮がない時を原発性無月経といい……』

 

 教師のコメント

 保健体育のテストは一時間前に終わりました。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 点数補給のテストも終えて二日後の朝。

 残るはAクラス戦。Fクラスにて、最後の説明を受けていた。

 

「まずは皆に礼を言いたい。周り連中には不可能だと言われていたのにも関わらずここまで来れたのは、他でもない皆の協力があってのことだ。感謝している」

 

 壇上にて素直に礼を言う雄二。

 

「ゆ、雄二。どうしたのさ。らしくないよ?」

「ああ。何かヤバいものでも食べたか?」

「らしくないのは、自分でも思う。だが、これは偽らざる俺の気持ちだ」

 

 でも、Fクラスのオレたちがここまで来たんだなぁって思うと感慨深いものもある。

 

「ここまで来た以上、絶対にAクラスにも勝ちたい。勝って、生き残るには勉強すれば良いってもんじゃ無いと言う現実を、教師に突きつけるんだ!」

『おおーっ!』

『そうだーっ!』

『勉強だけじゃねぇんだーっ!』

 

 最後の勝負の前に、Fクラス皆の心は一つになった気がした。

 

「皆ありがとう。そして残るAクラス戦だが、これは一騎討ちで決着を付けたいと考えている」

 

 それは先日の昼食時にユリが聞いた話を聞いていたので驚くことはなかったけど。聞いていない他の人たちはかなり驚いていて、教室中がざわついてる。

 

『どういうことだ?』

『誰と誰が一騎討ちをするんだ?』

「落ち着いてくれ。それを今から説明する」

 

 雄二がバンバンと机を叩いて周りを静かにさせる。

 

「やるのは当然、俺と翔子だ」

 

 翔子……あー、Aクラス代表の霧島翔子のことか。

 

「馬鹿の雄二が勝てる訳なぁぁっ!?」

 

 明久が素直に思った事を口走り、雄二はカッターを投げて明久の頬を掠めた。

 

「次は耳だ」

 

 この二人は友達なのだろうか?

 

「まぁ、明久の言うとおり確かに翔子は強い。まともにやりあえば勝ち目は無いかもしれない」

 

 それを認めているのなら何故カッターを投げつけたのだろうか。

 

「だが、それはDクラス戦もBクラス戦も同じだっただろう?まともにやりあえば俺たちに勝ち目は無かった」

 

 しかし、オレたちFクラスは今こうして勝ち進んでいる。

 

「今回だって同じだ。俺は翔子に勝ち、FクラスはAクラスを手に入れる。俺たちの勝ちは揺るがない」

 

 そういや、コイツはどうやって勝つつもりなのだろうか。一騎打ちと言ってたのは知ってるが具体的にどうするつもりかは知らない。

 

「俺を信じて任せてくれ。過去に神童とまで言われた力を、今皆に見せてやる」

『おおぉーーーっ!!』

 

 まぁ、ここまで導いてきた雄二の言葉には重みがある。それを分かっているのでFクラスの全員はアイツの言葉を信じている。

 

「さて、具体的なやり方だが……一騎討ちではフィールドを限定するつもりだ」

「フィールド?何の教科でやるつもりじゃ?」

「日本史だ」

 

 秀吉の質問に雄二は自信満々に答える。でも、日本史?雄二の方が日本史は上なのか?いや、そんなの聞いたことないが……。

 

「ただし、内容を限定する。レベルは小学生程度、方式は百点満点の上限あり、召喚獣勝負ではなく純粋な点数勝負とする」

 

 しかも、小学生程度のレベルで満点の上限あり。これは流石に想像外。

 小学生レベルだから満点前提の上注意力勝負に持ち込むつもりか?それにしても随分リスキーな賭けだ。

 

「でも、同点だったら、きっと延長戦だよ?そうなったら問題のレベルも上げられちゃうだろうし、ブランクのある雄二には厳しくない?」

「確かに明久の言うとおりじゃ」

 

 明久と秀吉が聞き返す。延長戦云々以前に何故小学生レベルの問題で戦おうとするかが疑問だと思うけどなぁ。

 

「おいおい、あまり俺を舐めるなよ?いくらなんでも、そこまで運に頼り切ったやり方を作戦などと言う物か」

「??それなら、霧島さんの集中を乱す方法を知っているとか?」

「いいや。アイツなら集中なんてしていなくとも、小学生レベルのテスト程度なら何の問題も無いだろう」

 

 そりゃそうだ。俺でもユリに邪魔されながら受けても満点取れる自信はある。

 

「雄二。いい加減に、タネ明かしをしたらどうだ?」

 

 オレの言葉にうなずくFクラス一同。

 

「ああ、すまない。つい前置きが長くなった」

 

 かぶりを振って、雄二は改めて口を開く。

 

「俺がこのやり方を採った理由は一つ。ある問題が出れば、アイツは確実に間違えると知っているからだ」

 

 ある問題?小学生レベルの日本史でだと?

 

「その問題は――――『大化の改新』」

 

 大化の……改新?

 

「大化の改新?誰が何をしたのか説明しろ、とか?そんなの小学生レベルの問題で出てくるかな?」

「いや、そんな掘り下げた問題じゃない。もっと単純な問いだ」

「単純というと……何年に起きた、とかかのう?」

「おっビンゴだ秀吉。お前の言う通り、その年号を問う問題が出たら、俺たちの勝ちだ」

 

 よりによって年号かよ。雄二。いくら何でもそれは間違えないだろ。

 

「はぁ。雄二。そんなのユリでも分かるよ。なぁ?」

「そうですよ。『いいハコ(1185)作ろう、大化の改新』で1185年ですよね。全く。私でもこんな簡単な問題……あれ?タカ。何で泣きそうな感じで頭を抱えているのですか!?」

「はぁ。違うよ黒栁さん」

「え?何がですか?」

「『鳴くよ(794)ウグイス、大化の改新』で794年だよ。やれやれ、崇彰も大へ……あれ?何で崇彰は更に頭を抱えているの!?僕どこか間違えた!?」

 

 もうヤダ……このバカ二人。

 

「大化の改新は645年だ……バカたちが」

「「えぇっ!?」」

「ユリ。明日の夜みっちり勉強を叩き込んでやる」

 

 あー何故こんなに壊滅的なのだろうか。

 

「コホン。この問題は翔子も間違える。これは確実だ。そうしたら俺たちの勝ち。晴れてこの教室とおさらばって寸法だ」

 

 しかし、現実は甘くなかった。……的な?

 

「あの、坂本君」

「ん?なんだ姫路」

「霧島さんとは、その……仲がいいんですか?」

 

 そういや、雄二は霧島のことかなり親し気に呼んでいたな。珍しい。

 

「ああ。アイツとは幼馴染だ」

 

 なるほど。

 

「総員、狙えぇっ!」

「なっ!?なぜ明久の号令で皆が急に上履きを構える!?」

「黙れ、男の敵!Aクラスの前にキサマを殺す!」

「俺が一体何をしたと!?」

 

 クラスの三人の男子を除いた残りの男子の意見は一致した。

 

「遺言はそれだけか?……待つんだ須川君。靴下はまだ早い。それは押さえ付けた後で口に押し込む物だ」

「了解です隊長」

「皆も左足と右足で分けておくように。右足は雄二、左足は崇彰用にね」

『了解っ!』

 

 明久。君はいつから、隊長になったんだい?後、オレを巻き込むな。

 

「てか、明久。何でオレも処刑対象なんだ?」

「黙れぇっ!この他校に彼女もいて、そこに綺麗な幼馴染もいるこの外道野郎が!」

「まぁ、ユリが綺麗という事と他校に彼女がいる事は認めよう。ただ、外道というのは頂けんな」

「た、タカもカッコイイですよ!それはもうかなり!」

「よしよし。褒めても明日、勉強で地獄を見せる事は確定だけどな」

「いじわる……」

 

 お前のためだ。この阿保が。

 

「あの、吉井君」

「ん?何、姫路さん」

「吉井君は霧島さんが好みなんですか?」

「そりゃ、まあ。美人だし」

「…………」

「え?何で姫路さんは僕に向かって攻撃態勢を取るの!?それと美波、どうして君は僕に向かって教卓なんて危険な物を投げようとしているの!?」

「まぁまぁ。落ち着くんじゃ皆の衆」

 

 パンパンと手を叩いて取り持つ秀吉。

 

「む。秀吉は雄二と崇彰が憎くないの?」

「冷静に考えてみるが良い。崇彰の相手はともかく、雄二の相手はあの霧島翔子じゃぞ?男である雄二に興味があるとは思えんじゃろうが」

 

 秀吉の言葉に明久たちは思い出したかのような顔になる。あーそういうこと。

 

「むしろ、興味があるとすれば……」

「……そうだね」

 

 明久たちは一斉にある少女の方を見る。

 

「な、何ですか?もしかして私、何かしましたか?」

 

 慌てる姫路。視線は彼女に集中する。

 噂だと霧島は女子が好きで男には一切興味が無いと言われてるが、まぁデマかな。どっちかというと一途に思う誰かさんがいて振り続けた結果こんなデマが流されるようになったのだろう。予想だけど。

 

「とにかく、俺と翔子は幼なじみで、小さな頃に間違えて嘘を教えていたんだ」

「嘘を教えるとか最低のクソ野郎で幼馴染持ちの風上にも置けない外道野郎だな」

「言い過ぎだろ……」

 

 だって、オレですら嘘を教えたことはないよ。

 

「アイツは一度覚えた事は忘れない。だから今、学年トップの座にいる」

 

 へぇーそんなに記憶力がいいんだ。

 

「俺はそれを利用してアイツに勝つ。そうしたら俺たちの机は――」

『システムデスクだ!』

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