恋愛感情ゼロの幼馴染と召喚獣   作:黒ハム

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Aクラス戦と書いて命懸けと読む ①

バカテスト 国語

 

 問 以下の意味を持つ四字熟語を答えなさい。

『手に何も持っていず、素手であること。』

 

 

 神白崇彰の答え

『徒手空拳』

 

 教師のコメント

 正解です。他にも『資金・地位など頼るものがなく、自分の身一つであること』という意味もありますね。

 

 

 黒栁由梨乃の答え

『裸の王様』

 

 教師のコメント

 違います。手に何もないだけで服は着てるはずです。

 

 

 吉井明久の答え

『縛りプレイ』

 

 教師のコメント

 RPGでの上級者のゲームスタイルですか?違うと言っておきましょう。

 

 

 土屋康太の答え

『全裸装備』

 

 教師のコメント

 用紙に血の跡がついてますが君は何を想像しているんですか?

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 時刻は十時。一騎打ちの会場はAクラス。

 

「では、両名共準備はよろしいですか?」

 

 オレが昨日の疲れから寝ている間に、雄二、明久、秀吉、ムッツリーニ、姫路の五人が宣戦布告に行っていた。まぁ、ユリのお陰で寝ていてもオレに危害はなかったが。

 

「ああ」

「……問題ない」

 

 宣戦布告からの交渉の結果。一騎打ちを五回行い三回勝った側のクラスの勝ち。オレたちは三回、Aクラスには二回、一騎打ちで使用する科目の選択権が与えられ、負けた方は勝った方の命令を何でも一つ聞くらしい。

 

「それでは一人目の方、どうぞ」

「アタシから行くよ」

 

 Aクラスからは秀吉の姉が。

 

「崇彰。任せた」

「ふぁ~い」

 

 Fクラスからはオレがでる。

 

「科目はどうしますか?」

「何でもどうぞ」

「アタシも何でもいいわ」

「それでは、ランダムで」

 

 Aクラスにある巨大なディスプレイ。そこに出された教科は……

 

「科目は数学です」

「「試験召喚(サモン)」」

 

 少ししてから再びディスプレイに表示される点数。わぁーディスプレイって便利だね。

 

 

『Fクラス 神白崇彰

 数学   405点

 

     VS

 

 Aクラス 木下優子

 数学   341点』

 

 

『おぉーっ!』

 

 点数差約60点。

 

「『感覚共有(リンク)』」

 

 さて、始ますかふぁぁあああ。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 戦いが始まって数分後。

 

 

『Fクラス 神白崇彰

 数学   306点

 

     VS

 

 Aクラス 木下優子

 数学   341点』

 

 

 点数が逆転していた。

 

「ね、ねぇ。雄二。崇彰ってあんなに召喚獣の操作下手だっけ?」

「そんなことはないはずだ。しかも腕輪の能力的にもこの状況はおかしい」

 

 後ろで会話する明久と雄二。

 

「まさか、崇彰のやつ。ワザと負けるつもりか?」

「えぇっ!?」

「あー多分違いますよ」

「どういうことだ。黒栁」

「タカは昨日いろいろあってちょっと疲れたらしいんです」

「そう言えば宣戦布告に行く時寝てたね」

「はい。体力温存とか体力回復とか言って」

「だが、それと今の状況に何の関連がある」

「要するに、今のタカはやる気スイッチがオフの腑抜け状態なのです」

 

 お、ユリ正解。まだ回復が中途半端な状態で叩き起こされて、正直頭は回んねぇし、眠いし怠いし……あ。

 

『Fクラス 神白崇彰 306→273点』

 

 腕いたいなぁ……おまけにフィードバックで痛いし。散々だな。

 

「ど、どうするのさ!?」

「クソ、何とかして崇彰にやる気を出させる方法は無いのか!」

 

 後ろで騒ぐ二人。

 

「ねぇ、神白くん。それ本気?」

「まぁ、今のオレが出せる全力ではあるかな」

「そう。点数はアタシよりあっても、所詮Fクラスなのね。総合的な実力ではアタシに及ばない」

 

 そう言うと、オレの武器を弾き、遠くに飛ばす。

 

「武器も無い。もう、降参したら?アタシ。弱いもの虐めは好きじゃないの」

 

 まぁ、正直降参してもいいかもしれないけどなぁ……

 

「降参はしないさ」

 

 さすがにそれは……ねぇ。

 

「そう。なら一撃で葬ってあげる」

 

 ランスを構え突撃してくる木下の召喚獣。

 

「わわっ。どうしよう雄二。このままじゃ負けちゃうよ」

「クソ。どうすれば……」

「ここは私に任せて下さい」

「黒栁さん!そうか、黒栁さんなら……」

「何でもいい。とにかく任せたぞ」

「ええ。タカッ!」

「何だ?ユリ」

 

 バックステップで木下さんの召喚獣の突撃が当たる時間を稼ぐ。一応、ユリの言葉を聞いておきたいしな。そうは言っても後数秒で当たりそうだが。

 するとユリは息を吸って告げた。

 

「タカが勝ったら私のスカートを捲らせてあげます!」

『『『何ぃっ!?』』』

 

 A、Fクラス男子による大合唱。ふっ。

 

「どうせ、スパッツを履いてるんだろ?」

「え?履いてませんよ」

「…………」

 

 バシッ

 

「なっ……!」

 

 左手で木下の召喚獣のランスを受け流し、

 

「悪いな木下」

 

 ガンッ

 

 木下の召喚獣の顔面に右足で蹴りを放つ。

 

 

『Fクラス 神白崇彰 273→269点

 

 Aクラス 木下優子 341→317点』

 

 

 お互いの召喚獣の点数に修正が入る。完璧に受け流したつもりだったが、少しダメージが入ったか。

 木下は自身の召喚獣に距離を取らせ、オレの召喚獣と向き合う形になる。

 

「ここから先は本気だっ!」

 

 駆け出すオレの召喚獣。さっきまでのやる気なしの空気は既に感じない。

 

「ナイスだ黒栁」

「く、黒栁さん。さ、さっきの本気?」

「え?私嘘はつきませんよ?」

「これで、崇彰のやる気は出たが、この点数差をどうするかだな」

「クソォ。崇彰め……無残に負ければいいのに……!」

「おいおい。アイツに負けられるとこっちもキツイんだよ」

「この思い(殺意)だけで崇彰を殺せたら……!」

「殺すなっての」

「でも、もう少しやる気を出させたら強くなるのでは?」

「まぁ、アイツが意外に単純って事は分かったし、好きにしたらどうだ」

「分かりました」

 

 後ろが何を言ってるかはよく分からないが、

 

「くっ、さっきまでとは動きが全然違うじゃない!武器も持ってない丸腰なのに」

「悪いね。オレは武器より素手の方が強いから」

 

 武器より素手での戦闘の方がしっくりくる。やっぱ、召喚獣と感覚を共有してるからか?

 

 

『Aクラス 木下優子 317→206点』

 

 

 よし、大分削った。ここは一丁やりますか。

 

「行くぜっ!」

 

 一旦距離を取って助走をつけて殴りかかる。

 

「タカッ!」

 

 助走によるスピード。このスピードによって生じた運動エネルギーを拳から相手の召喚獣に伝えれば、ある程度はダメージになるはず。さぁ、この勢いをつけたオレのパンチを喰らいやが――

 

「タカが勝ったら一緒に寝てあげます!」

『『『何ぃっ!?』』』

 

 ゴンッ

 

 オレの拳は命中した……床に。あまりの衝撃にコケてしまったのだ。平坦な場所なのに。

 

「えー……。寝るのはちょっと……」

(((あからさまにやる気が下がったぁ!?)))

 

 いや、だってねぇ。ユリ。寝相悪いもん。この前だって寝てる最中、ユリにオレはベットから蹴落とされたし。本人無自覚だけど。うん。それに寝起きも悪いから一緒に寝てあげるというのはぶっちゃけオレが言うことだと思う。

 

「余所見厳禁よ!」

 

 ザクッ

 

「あぁっ!?肩が凄い痛いんですけどぉ!?」

 

 見ると、木下さんの召喚獣のランスが肩に刺さっていた。

 

 

『Fクラス 神白崇彰 269→207→36点』

 

 

 気付けば二桁突入。まだランスがそこまで深く刺さってなかったから戦死は免れたが……。軽く5倍以上差があるしなぁ。あれ、これって、勝ち目なくね?

 

「お、おい黒栁!崇彰のやる気が元に戻ってるぞ!」

「あ、あれぇー?おかしいですね。何故やる気が下がってるのでしょうか?」

「崇彰が妬ましい……!」

「な、何とかしてくれ!」

「わ、分かりました」

 

 ランスを強引に抜いてその辺に捨てる。クソ、肩がいてぇぞ。

 

「タカッ!」

 

 三度目の呼び掛け。いい加減にしてほしいと思い始めた。

 

「今度は何?」

「タカが勝ったら……今度裸エプロンをしてあげます!」

『『『何ぃっ!?』』』

 

 ブシャッ

 

 あまりの一言に鼻血を出す生徒が数名。

 

『た、大変だ!ムッツリーニの鼻血が止まらねぇ!』

『誰か救護班を!ムッツリーニの血を止めるんだ!』

『誰か!こっちも数名被害者が!』

『ええい!生き残ってるものの半分は救護班を編成!半分は神白崇彰の処刑準備だ!』

『『『了解っ!』』』

 

 後ろが騒がしいが関係ねぇ!

 

「さ、さっきより動きが速くて複雑に!?どうなってるの!?」

「オラオラオラァ!」

「ぼ、防御が間に合わないっ!」

 

 こうなりゃ手数勝負だ。

 

「たとえ、一発で一点しか減らないとしても、200発殴って蹴れば関係ねぇ!」

 

 数分後。

 

 

『Fクラス 神白崇彰

 数学    36点

 

     VS

 

 Aクラス 木下優子

 数学   DEAD』

 

 

「アタシが……負けたの?」

 

 そこには、地に伏した木下の召喚獣と、それを見下ろすオレの召喚獣が残っていた。

 

「しょ、勝者。Fクラス」

 

 あまりの事に高橋女史も驚きを隠せない。

 

「オレの勝ちだ!」

 

 

 Aクラス戦第一回戦。

 

 Aクラス、木下優子VSFクラス、神白崇彰。

 

 勝者Fクラス、神白崇彰。

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