「タカ~お出掛けしよ~」
そんなこんなで休日の朝。いつも通りユリのお陰で朝から一悶着あった後、お目覚めのユリが何か言ってきた。
「はぁ?今日はお前に勉強させるつもりだが?」
この前のAクラス戦。コイツが小学生レベルの日本史の悲惨な点数を見た後、他の科目も軽く小学生から中学生レベルのところを聞いてみたところ、ちょっと涙が出そうになったので今日は一日勉強させるつもりだった。
「……ほ、ほら。タカが彼女とのデートもバイトも無いじゃないですか。た、偶には二人でお出掛けしましょ?ね?ね?」
ちなみに、今日勉強させることは予め言ってあったりする。
「……あんま金使いたくないけどな……」
「ね?お出掛けしましょ?」
でも最近はそこまで支出が減ってたからいいか。まぁ、減ったのは彼女に使う金だが。
「……はぁ。午前中だけだぞ」
「はい!あ、準備してきますね」
「へいへい」
ちなみに、オレもユリもお小遣いは貰ってる。オレはそれに加えバイトもしているが、ユリにはさせてない。何故か?お忘れかもしれませんが皆さん。ユリはただのバカじゃないですよ?
「準備完了です!」
銀髪に碧眼と、明らかに普通の日本人とは思えない。うん。先祖返りというか、完全に祖母の血が見た目に色濃く出ているんだ。しかも、普通に美少女というか美人というかだから、コイツに、バイトさせたら変な
「んじゃ、行くか」
「あ、タカ。コンタクト忘れてますよ」
「あ、そうだったな」
オレはオレでこのオッドアイだからな……というか、視力は全然悪くないから時々忘れそうになることもあるんだよな。特に休日。
コンタクトを入れて仕切り直し。よしっと、
「じゃあ、行くか」
「おー!」
こうして、オレたちは軽く出掛けることにした。
ふぅー何とか勉強時間を減らすことに成功しました。まぁ、出掛けたかったのは本音ですが。
「で?何処行くんだ?」
「そうですね……ゲームが買いたいです!」
「あ、そう」
私とタカのお金の使い道は違います。私はどちらかというと、ゲームとか本とか娯楽系。タカはまぁ、性行為をするためのものだったり、難しそうな参考書だったり……なぜでしょう。幼馴染と言ってもここまで使い道に差が出るとは……あ、でも食材とか生活必需品の分はお小遣いとは別で親たちからお金を貰ってるので安心です。
というか、アレです。私的には親からお小遣いを、タカにはバイト代の半分を貰ってますが、タカにはバイトをあまりして欲しくありません。まぁ、私との時間が減るというのももちろんですが、タカに変な
「あれ?明久か?」
歩いてショッピングモールに向かう途中で吉井さんたちを見つけました。
「あ、崇彰に黒栁さん。おはよう」
「おはようございます。島田さん。姫路さん。吉井さん」
何してるんでしょう?あ、デートでしょうか。なら納得です。
「おはようございます。お二人はデートですか?」
「「いや(いいえ)、お出掛け(です)」」
「……アンタたちみたいなお出掛けを世間一般ではデートと言うのよ」
そうなのですか?私たちは何の変哲もないただの幼馴染だから違いますよ。
「ぐぬぬ……!崇彰ばかり何故そんな可愛い女子とデートを……!」
「世間一般から見りゃ、両手に美少女を携えるお前の方が羨ましがられると思うが?」
「そうですよ。そういえば、なんでお三方は手を繋がないのですか?」
私たちは普通に繋いでいますよ?当然じゃないですか。
「そ、それは……その……は、恥ずかしいと言いますか……」
「というか、アンタたちの方こそ、よく平然と恋人つなぎが出来るわね」
「「え?これが一番落ち着く」」
ずっと昔からこうやって手を繋いでますからね。一番これが落ち着きますよ。
まぁ、本当は腕を組んだり、横から抱き着いたりしたいのですがタカに『歩きにくい』と言われたので我慢我慢です。
「あぁでも。明久を真ん中に繋いだらアレか。面白いかもしれん。絵面的に」
「あれですよ。両手を掴まれ連行される宇宙人にも見えますよ。精神的に」
きっと、吉井さんは、二人に今月の食費を使われるのでしょう。合掌。
「行くか。邪魔しても悪いし」
「そうですね。行きましょう」
さすがタカは手慣れてますね。そんな感じで再び歩くと、
「あ、赤ゴリラ」
次は坂本さんと霧島さんです。何でしょう。今日は皆お出掛けする日なんですかね。
「誰が赤ゴリラだ第六天魔王」
「誰が第六天魔王だコラ」
二人して、仲いいんですから。
「……おはよう。神白。黒栁」
「あれ?オレたちの名前覚えていたんだ」
「……うん。一度見たから忘れない」
な、なんて羨ましい能力なんでしょう。私にも分けてほしいです!
「で?二人はデートか?」
「……うん」
「そうか。雄二。仲良くな」
「待て待て。俺の置かれている状況分かって言ってるだろ」
状況?あ、坂本さんの手首に手錠がついてそこから鎖が伸びてますね。……これが彼氏と彼女の正しいデートってやつでしょうか?
「違うからなユリ。お前の今考えてること」
「え?違うの?」
「アレは雄二の趣味だ。性癖だ」
「……うわぁ。坂本さんって……」
「おい崇彰!何出鱈目なこと言ってやがるんだ!」
「……そうだったの?」
「翔子!大体お前が無理やりやって来たんだかろうが!」
え?あの霧島さんが?
「坂本さん。嘘は上手につきましょうよ。きっと吉井さんでも騙せないですよ?」
(嘘じゃないだろうがな……)
「あはは。さぁ、行くか」
「はいです」
人は見かけによらないんですね。一つ学習しました。
ユリのゲームとついでにオレの本を見て回り、時間もお昼前。昼食は家で食べると決めて帰り道の人がいない小さな公園で、
「ほら、ユリ」
「わぁーい」
喉が乾いたとか言い出したバカにジュースを奢った。……まぁ、途中で倒れられても困るしな。ベンチに二人仲良く腰掛ける。
「やー生き返りますね」
「そうかよ。なら、生き返った後は勉強な」
「えぇ……あ、昼食を今日は腕によりをかけて作りますね」
「結構だ。オレが作る。その分お前は勉強しろ」
やれやれ。魂胆が見え見えだバカ。
「あ、タカも飲みます?」
「オレが買ったからな。それ」
ユリから飲み物を受け取り、一口。飲んだ後に返す。
「あ……間接キス……しちゃいましたね」
「なに初々しいカップルな感じを出してるんだよ。全く、微塵も心に響かんぞ」
「むぅーそういう事を言ってみたくなっただけですよ」
本当に話題を逸らすためなら何でもするなコイツ。やれやれ、前のAクラス戦のお陰でユリがどこまで勉強が出来ていなかったのかが分かったしな。…………ん?Aクラス戦?何だろう。何か大切なことを忘れている気がする。そうとても大切な……
「…………あ。なぁ、ユリ」
「何ですか?」
「オレまだお前のスカートを捲らせてもらってない」
「うわぁーそれは流石にドン引きですよ」
あからさまに引いたご様子であからさまにオレとの距離を開けるユリ。
「お前が言ったんだろ?Aクラスの木下との勝負の最中に」
「……はぁ。タカの妄想もここまで来るとこの長い付き合いの私でもドン引きですね。そんな訳の分からないこと私が言うわけないじゃないですか」
「えーっと、確か『タカが勝ったら私のスカートを捲らせてあげます!』だったか?」
「何で一言一句完璧に覚えてるんですかぁ!?…………あ」
簡単に引っかかるユリ。コイツは駆け引きに向いてないタイプだと本当に思う。
「そういや、お前。今日スカート履いてるな…………狙ってたのか?」
「あ……いや、これは……」
「そうかぁ……今日のお出かけの真の目的はそう言うことか」
「そ、そんなの全然狙っんっ!?」
ユリの唇を強引に塞ぐ。これで一回……と。
「そんなにお外でそう言うことがしたかったのか……」
「そ、そんなわけんん!?」
これでトータル三回。
「そうだなぁ。捲っても面白いが……自分でたくし上げろ」
「あ、あの外でそんなことするのは流石にん!?」
四回目。
「それともあれか?学校でオレに捲られたいか?……あんな多くの人たちが見てる最中で」
「そ、それは――」
「さぁ、選ぶといい。ここで自分からたくし上げるか、学校で捲られたいか」
「わ、分かりました……」
すると、ユリは俺の前に立ちスカートの裾を手で掴む。目には微かに涙を浮かべていて、震えている。普段とは違い、外だからな。羞恥心が出てきたのだろう。
「では、行きまんん!?」
スカートをたくし上げようとする手を抑えながら、キスを二回。
「冗談だ。ほら、帰るぞ」
「あ、あれ。でも……」
「こんな誰が見てるかわからない場所でそんなことやらせるかっての」
「……うぅ」
この後、本格的に泣きだしそうになったユリをなだめるのに苦労し、腕に抱き着いて離れなかった。まぁ、泣かせかけた原因オレですね。……ちょっと冗談が過ぎたかな。でも、アレは……まぁいいか。
「つかれたぁ~」
あれから家に帰って、軽い昼食を取り、ユリの部屋で勉強をさせていた。
「もう疲れたのか?」
「うん~」
「じゃあ、ゲームでもするか?」
「やったぁ~」
張り切って下に行き、準備にかかるユリ。……実は疲れてないだろお前。
「準備出来ました」
「そう」
わざわざ二階まで来てオレを呼ぶ。
「で?何やるの?」
「コレです」
画面には『熱血・Ping-Pong』とタイトルが表示される。要するに卓球か。
「で?ユリ。操作方法はどうやるんだ?」
「適当にやってればタカのことだから何とかなりますよ。はい、どうぞ」
そう言われて渡される2Pのコントローラー。既に試合はユリのサーブで始まろうとしていた。
「ふっふっふっ。タカ。負けたほうが罰ゲームですよ」
「はぁ?ちょっと待て。それはいいが、罰ゲーム以前に操作方法を……」
既にサーブは決まり、ユリ側に1点が入る。ちなみに、11点先取ということは分かった。
「これならタカに負けないはずです!」
続くサーブも決まりスコアは2-0……やれやれ。
「ったく、操作方法ぐらい教えろっての」
見よう見まねでサーブを打つも、鋭く返され、3-0。
「これなら、私のストレート勝ちも夢じゃないですね!」
『PLAYER1(ユリ) VS PLAYER2(オレ)
0点 VS 11点 』
あれから、第一ゲーム。オレはユリの操作方法を真似して9-11と逆転勝利。その後ユリが三ゲーム先取にしましょうとか言い出し、二ゲーム目は5-11。そして、三ゲーム目にしてオレのストレート勝ちという結果で終わった。
「な、何かがおかしいです……」
肩で息をし、膝を床につけてるユリ。
「まぁ、こんなものか」
「むぅータカはずるいです……タカばっか何で頭もよくてこういうことも出来るのですか」
オレはゲームの類をあまりしない。だが、それでも明久や雄二と数回やれば遜色ないレベルでやれる。ユリが言うにはオレはゲームにおいても天才らしい。例えば常人が格ゲーで一人のキャラを完全に極めるのに一週間かかるとしたらオレは数試合ぐらいで完全に極めてしまうらしい。まぁ、イマイチピンと来ない例えだが。
「……仕方ないです。私が料理を作るのでタカは買い物をしていてください」
「いやいや、前からお前が夕食作る担当だからな。で?何を買って来ればいいんだ?」
「エロほ――」
「そうか。医学書か。お前も勉強に目覚めたんだな(ニッコリ)」
「――冗談です。このメモに纏めてあるので行ってきてください」
えーっと?日用雑貨に明日の分の食材か……
「分かった。行ってくる」
「気をつけてね」
さて、食材も買ったし日用雑貨でも……
「むぅ。崇彰かのう?」
「あ、秀吉。それにムッツリーニもか」
「…………珍しい」
買おうと店に入るとムッツリーニと秀吉が話しているのが見えた。……これでコンプリートしたんじゃないか?オレの文月学園での友人関係。……友達が少なくないかって?いや、気のせいだようん。
「二人もおつかいか?」
「うむ」
「…………崇彰も?」
「ああ。ちょっと補充して来いってな」
「お主に買い出しを頼めるなんて」
「…………黒栁しかいない」
……あれ?というか、何でアイツの言う通りに来たんだろう?まぁ、いつものことか。
「オレの買い物は……っと」
メモの通りに手早く商品を買い物かごに入れていく。
「お主は選ぶのが早いのう」
「そうか?」
「…………値段とか見て買ってる?」
「ああ。一瞬で全部把握して、どれが一番いいか最適なのを選んでいる」
「……能力の使い方を間違えておらぬか」
「…………無駄に高スペック」
なんか散々ないいようだなぁ。
「まぁ、無駄に高スペックで悪かったな……っと、悪い。早く帰れって催促が来た。帰るわ」
「あーお主らは半同棲生活を送ってるのじゃったな」
「…………妬ましい」
「同棲ってほどでもねぇよ。ただ、幼馴染が協力して生活してるだけだ」
そのまま会計を終わらせさっさと帰る。
「やれやれ、あれで互いに恋愛感情がないのじゃから不思議じゃのう」
「…………それでも妬ましいものに変わりはない」
というわけで、家に到着。
「ただいま……!?」
「お帰りなさいタカ」
出迎えてくれるユリ。エプロン姿にお玉をもって、少し昔の新妻感が漂っているが、驚いたのはそこじゃない。
「もうすぐできるからね~」
「なぁ、ユリ。その格好……」
「はい?裸エプロンですが何か?」
そう。エプロンの下に何も着てない裸エプロンと呼ばれる姿だった。
「……ユリ」
「わわっ。いきなり抱き着いてどうしたのですか?」
「……お前を襲いたい」
「……ふふっ。いいですよ。でも、先に夕ご飯です」
「……分かった」
食事の後、私たちは行為を済ませた後、休憩をはさんでお風呂でお互いの体を洗います。……まぁ、明日普通に学校ですからね私たち。
「ふにゃー」
「風呂で寝るなよ。運ぶの面倒だから」
疲れた私に対し、タカの冷たい一言。
「むぅーいつもより激しくやってきたのはどこの誰ですか?」
「…………」
そっぽを向くタカ。いつもは私から襲ったり仕掛けたり襲ったりしますが偶にタカからこうやってやるときがあります。私から仕掛ける時も何だかんだタカは凄いのですが、こうして、自分から仕掛けた時のタカはいつもよりもヤバいです。まぁ、それも私が仕掛ける時よりタカから仕掛ける時というのは、タカが完全に興奮というか性欲を暴走させてるときですからね。
「まぁいいですけど」
タカはアレです。前にネットで調べましたがタカの息子さんは一般成人男性より大きいそうです。それに加えて精力?と呼ばれる奴が人より優れています。おまけにタカの学習能力は尋常じゃありません。ゲームもですがこれも例外ではないです。いやータカってそう思うと本気を出せば女性ぐらい何人も同時に相手できそうですね。というか、相手したことあるんじゃないですか?だって、クズ野郎ですから。
「全く、昼間のスカート捲り未遂といい今日のタカは性欲を発散させましたね。こんないたいけな少女に」
「……ベッドの下」
「はい?」
「ベッドの下の隅に隠されている本。そこに書かれていた内容を実行した。ああいうプレイに憧れていたんだろ?」
「なっ……!」
え?あの本の存在もばれてた!?……はっ!そういえば、内容というかシチュエーションが今日の公園でのことと酷似していました!スカートを捲らせるようなことをちらつかせ羞恥心を高めさせそのまま……
「あれ?その割には、スカートを捲られてませんよ?後その先も」
「うっせ。外でそんなことさせるかよ」
再びそっぽを向くタカ。あれ?何故でしょう。今日のタカはかわいく見えますね。
「さてと、勉強でもするか」
「え……これ……から?」
「ああ、そうだ」
「……私……もう……疲れた」
「さっきまで普通に話していただろうが、ほら行くぞ」
「や、やめるのです!タカは私のことが嫌いなのですか!」
「ああ嫌いだ」
「うわぁああああん!そんなこと言わないで下さいよぉ」
「……冗談だ。バカ」
「じゃあ、彼女と私どちらが好きですか!」
「ユリ」
「……そこは彼女って言ってあげましょ?さすがに……ね?」
そんなこんなでいつもの休日は終わっていきました。