バカテスト 歴史
以下の問いに答えなさい。
『冠位十二階が制定されたのは西暦( )年である』
姫路瑞希の答え
『603』
神白崇彰の答え
『603』
教師のコメント
正解です。
坂本雄二の答え
『603』
教師のコメント
一体どうしたのですか?驚いたことに正解です。
吉井明久の答え
『603』
教師のコメント
君の名前を見ただけでバツをつけた先生を許してください。
黒柳由梨乃の答え
『603』
教師のコメント
まさか貴女まで……明日は嵐とでも言うのですか?
朝の目覚めは、
「く、苦しいぃぃ…………っ!離せこのやろぉぉぉっ!」
ユリが思い切り首を締めるように抱きついているため呼吸困難での目覚めだった。
「……えへへ~…………」
「えへへじゃねぇぞコラァ……!」
しかも幸せそうなだらしない顔をしながらである。この野郎。さてはやばいやつだな。
「ふぅー」
何とか逃れたオレ。やれやれ。こいつが暴走する前に朝飯を作るか。……既に暴走した後だが。
「たく…………久し振りにベットから蹴落とされなかったな」
こいつと寝ると大抵朝オレは床で寝ている。理由は単純でこの女。あろうことかオレを蹴飛ばすのだ。蹴飛ばすという表現は不適切か。こいつがベッドの上で回転する拍子にオレが邪魔で押されて落とされるだけなのだ。結論は出すまでもないがこいつが悪い。少なくともオレは悪くない。
なら、柵ありにしろって?確か中学の時に一回やってみたが柵は破壊されてたぞ?ほんと、やべぇだろ。しかも朝起きて柵が壊れて驚いて叫んでたしな。マジでやべぇだろ。
「完成っと……」
さて、起こすか。と、部屋に戻ってみると既にベッドの上で座ってるユリが、なんだ。自分一人でもようやく起きられるように……
「わぁータカだぁー」
…………どうやら、まだ目覚めてないようだ。
「だっこしてーだっこ」
本当に目覚めてないようだ。
「……ッチ。仕方ねぇな……」
「わぁーい」
抱きついてくるユリ。そう、こいつが望んでいたのは普通のだっこ。決してお姫様抱っこと呼ばれるものじゃない。そして、こいつは言ってることはガキのそれとは変わらんが、こいつは170cm越え。想像に難くないがその分、腕も長いし、足もそこそこ。つまりだ。がっちりとホールドされてるのだ。手と足で。
「たく、離すなよ」
「もちろんです~」
返事が軽いが仕方ない。彼女を信じてそのまま階段を無事降りる。そして、
「よし。離せ」
洗面台の前で手を離すオレ。だが、一向にユリが離す気配はない。
「いや」
は?
「さっき、離すなってタカは言ったもん。だからずっとこのままー」
なるほど。これがユリじゃなくて別の女とか彼女だったら殴り飛ばしていたところだ。
「…………はぁ」
離す気配がないのでオレはリビングで座ることにする。立つだけ体力の無駄だしな。
やれやれ。なんとかしてなおらんものかねぇ……
はむ
「……おい」
はむはむ
「…………おい」
はむはむ
「おい。人の耳に何してやがる」
「えへへ~」
さてはこいつ。笑えば何でも許してもらえると思ってねぇか?まぁ、ユリだから許すが。他の女?シバキ倒すに決まってんだろ。
「起きろいい加減」
「やだぁ~」
と頬をすりすりしてくるが、お前身体でかいんだからな……。はぁ。まぁいいけど。なんかもう。流れに身を委ねた方が楽だな。
「さぁ今日も頑張るぞー!」
「……そうだな」
「やれやれ朝からお疲れですか?こんなんじゃ今日持たないですよ」
誰のせいだと思ってんだ。
「ふふん♪」
というかテンション高いなぁ……
「はぁ……帰りてぇ」
「ほらほら行きますよ」
手を引っ張られるオレ。畜生。手を繋ぐんじゃなかった。提案したのオレだけど。
とまぁ、そんなこんなで店……我らがFクラス教室に到着する。
「うーっす」
「おはようございます。皆さん」
「おはよ。神白に由梨乃」
「おはようございます。二人とも」
「そっちも無事だったか。まぁ崇彰がいるし、心配はしてなかったが」
「うむ。ワシらよりも崇彰一人の方が強いからのう」
「…………(コクコク)」
「そういえばサングラスは?カラコンもしてないみたいだし……」
そう。オレは今、目を隠していない。
「別に。お前らにバレた以上隠す意味ねぇし。教師陣は少なくとも鉄人が知ってるから問題ないし」
知らないやつからしたら、高校デビューじゃないが清涼祭ではっちゃけた奴って思われるのは癪だが仕方ない。一々余計な人たちの目まで気にしてたら疲れるだけだ。
「てか朝早いな。特に明久」
「朝一番でテストを受けていたからね。ふわぁ……」
なるほど。こりゃあ寝かせた方がいいか?
「もう、そんなんで決勝戦は大丈夫なの?相手は三年生らしいじゃない」
「そうみたいだね。それも結構上位の人たちみたいだし」
ぱっと見頭悪そうなのに。まぁ、人は外見で判断するなっていい例か。
「大丈夫だよ。三年生はその分テストも難しいからね。ハンデはないよ」
「そういうことじゃなくて、ウチはアンタたちの……特にアキの実力を心配しているんだけど……」
悲しい話だ。でも反論できる要素が見当たらないのもまた悲しい。
「そんな心配をしている暇があるなら喫茶店の準備でもしてくれ。ふわぁ……」
「なんだか他人事ねぇ。喫茶店の手伝いはしないの?」
「ゴメン。寝かせてもらえるかな?ここのところあまり寝てない上に、昨夜は徹夜だったから眠くて」
「そうだったんですか。それならゆっくり休んでください」
「そうじゃな。喫茶店の方はワシらに任せるといい」
「そうですよ。お二人の分までフォローしますから」
「…………(コクコク)」
友情を感じるなぁ……いいね。こういうお互いを支え合う感じ。
「仕方ないわね。起きられそうになったら起こしてあげるけど?」
「ありがとう。それじゃ、十一時までに起きてこなかったら起こしてもらえる?」
「十一時?試合は一時からじゃなかった?」
「一番混み合うお昼時ぐらいは手伝うよ」
十一時……今が八時前だから三時間か。
「んじゃ、十一時には俺も起こしてくれ。屋上で寝ているから。ああ、崇彰」
「なんだ?」
「責任者代理は任せた」
「へいへい」
「ほわぁ。じゃあ、行ってくるわ」
「それなら僕も屋上にいるからよろしくね」
こうして出て行く二人。
「やっぱり一緒に寝るんでしょうか……?」
「間違いないわ。きっと坂本の腕枕で……」
「な……!やっぱりあの二人ってそういう関係だったんですか?」
どうして彼女たちはあの二人を同性愛者にしたいのだろうか?
「そうそう。神白。昨日はありがとうね。お陰でウチも葉月も無事だったわ」
「私からも改めて、ありがとうございますね」
「気にすんな。さてと、責任者代理として職務を果たすとするか」
「なら私はその補佐に」
「はいはい。ひとまず女性陣プラス秀吉は着替えてこい。今日も昨日同様チャイナドレス姿で頼む」
「分かったわ」
「分かりました」
「はいです」
「ワシもかのう……」
それは諦めろ。と、各々着替えに行ったし。
「ムッツリーニ。オレたちは大至急、厨房の準備。姫路が帰ってくる前に終わらすぞ」
「…………了解」
最悪の料理人を厨房に入れる訳にはいかない。早く終わらせよう。
「ところで、警備体制は?」
「…………万全。武器所持済み」
「よし。問題があったら即対処。屋上に向かう人がいたら教えてくれ。オレが対応する」
「…………任せろ」
「あと、ちょっと見せてほしいものがある」
こうして清涼祭二日目は幕開けするのだった。