恋愛感情ゼロの幼馴染と召喚獣   作:黒ハム

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お久しぶりです。
長らくお待たせしました。
まだまだ続くハイランドパーク編をどうぞ。


デートと書いてただでは終わらないと読む ③

 あの後、ノイン(明久)を半殺しにし、泣き止んだユリを連れて、メリーゴーランドやコーヒーカップに乗った。

 そして昼食の時、オレたちはレストランにやって来た。(死にかけた)明久と姫路が言うにはここでイベントを行うからついでに食事をして行ってほしいと。一言言うなら逆だ。食事のついでにイベントだからな?

 

「ほへぇ……なんかクイズ会場みたいですね」

 

 丸テーブルがそこら中にあり、前方にはステージとテーブルが。

 

「いらっしゃいませ」

「二名……秀吉?」

「二名様ですね。こちらの席へどうぞ」

 

 何故か秀吉がボーイをやっていたがスルーしておこう。

 とりあえず、姫路が言うにはメニューは決まってるそうなので注文の必要はなし。皆同じものが提供されるとのこと。で、お題は先払いだそうなのですでに払っておいた。豪華なメニューで期待していてくださいと言われたが……

 

「オードブルでございます」

 

 なるほど。コース料理か。普段ではお目にかかれない料理ばっかりだな。

 目の前にはナイフとフォークが並んでいるが特に動じてはいない。というわけで食べ始める。

 

「…………どうしましょう」

「なにがだ?」

 

 しかし、ユリが固まって動かない。

 

「きれいな盛り付けで食べるのがもったいないとかそんな感じか?」

「…………どうやって食べればいいか分かりません……」

「たく。コース料理の食器の使い方くらい……あ、そこまで常識でもないか」

 

 金持ちは知らんが普通の高校生なら知らなくても不思議ではないか。

 

「じゃあ、一つ一つ教えてやる」 

 

 ということで、オレは食事と並行してユリに食べ方を指導するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな感じでデザートも食べ終えた頃、それは唐突にやってきた。

 

《皆様、本日は如月ハイランドのプレオープンイベントにご参加頂き、誠にありがとうございます!》

 

 会場に大きく響くアナウンス。

 

《なんと、本日ですが、この会場に結婚を前提としてお付き合いを始めようとしている高校生のカップルがいらっしゃっているのです!》

 

 なるほど。これがイベントか。

 

《そこで、当如月グループとしてはそんなお二人を応援する為の催しを企画させて頂きました!題して、【如月ハイランドウェディング体験】プレゼントクイズ~!》

 

 出入り口を閉鎖する重々しい音が聞こえる。なるほどな。これで雄二の退路を断ったと。おそらく明久が主導だな。

 

《本企画の内容は至ってシンプル。こちらの出題するクイズに答えて頂き、見事五問正解したら弊社が提供する最高級のウェディングプランを体験して頂けると言う物です!もちろん、ご本人様の希望によってはそのまま入籍ということでも問題ありませんが》

 

 最後のは大問題だろ。

 

《それでは、坂本雄二さん&翔子さん!前方のステージへとお進み下さい!》

 

 司会が二人の席を示すと、レストランにいるオレたちを含めた観客が一斉に雄二たちへと目を向ける。あーあ。逃げ道が本当になくなったな。

 

「……ウェディング体験……頑張る……!」

「落ち着け翔子。そう言った物はだな、きちんと双方の合意の下に痛だだだだっ!耳が千切れるっ!行く!行くから放してくれっ!」

 

 霧島に耳を引っ張られながら壇上へと渋々と上がる雄二。

 スタッフ誘導のもと、解答者席へと着席した。

 

《それでは【如月ハイランドウェディング体験】プレゼントクイズを始めます!》

 

 解答方式は、雄二と霧島の間に大きなボタンとマイクが一つずつセットされている。おそらく、それを押して口頭で解答するんだろうな。

 さてさて、どんな問題を用意しているのやら。

 

《では、第一問!》

 

 ボタンに手を伸ばす用意をし、間違える気満々な雄二の姿。なるほど。クイズに間違え続ければ体験をやらなくてすむというわけか。

 

《坂本雄二さんと翔子さんの結婚記念日はいつでしょうかっ?》

 

「……どうしましょう。問題の意味が分かりません」

「安心しろ。オレも一切分からん」

 

 

 ──ピンポーン!

 

 

 オレたちが頭の中にクエッションマークを浮かべていると霧島が押した。流石は学年主席。オレとは格がちが……

 

《はいっ!答えをどうぞっ!》

「……毎日が記念日」

 

 ……オレにはこの解答も意味が分からない。

 

「やめてくれ翔子!恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだ!」 

《お見事!正解です!》

 

 雄二は正解と言った司会を睨む。しかし、驚く表情を見せたことから……あぁ、出来レースか。

  

《第二問!お二人の結婚式はどちらで挙げられるのでしょうかっ?》

 

 それはクイズじゃない。質問である。

 

 

 ──ピンポーン!

 

 

 今度は雄二が素早くボタンを押し、マイクに口を寄せる。

 

《はいっ!坂本さん!答えをどうぞっ!》

「鯖の味噌煮!」

 

 それは場所じゃない。料理である。

 アイツ……間違えるために必死だなぁ……。

 

《正解です!》

「なにぃっ!?」

 

 驚く雄二。オレも驚いているが。 

 

《お二人の挙式は当園にある如月グランドホテル・鳳凰の間、別名【鯖の味噌煮】で行われる予定です!》

 

「ねぇ、タカ。そんな別名初耳ですよ」

「安心しろ。あの司会者も初耳だ」

 

 こじつけもここまで来ると清々しいな。 

 

「待ていっ!絶対その別名はこの場で命名しただろ!強引にも程があるぞ!」

《第三問!お二人の出会いはどこでしょうかっ?》

 

 雄二の言葉は盛大に無視されて第三問に入る。今回はさっきみたいなのが答えだと流石に不正解になる。そのため、雄二が素早くボタンを押そうとする。だが……。

 

「……させない」

 

 

 ブスッ

 

 

「ふおぉぉぉっ!?目が、目がぁっ!」

 

 霧島が雄二に目潰しをした。雄二、合掌。

 

 

 ──ピンポーン!

 

 

《はい、翔子さん!解答をどうぞ!》

「……小学校」

《正解です!お二人は小学校の頃からの長い付き合いで今日の結婚にまで至るという、なんとも仲睦まじい幼馴染なのです!》

 

 すげぇ。今の雄二の姿を見て仲睦まじいと言える司会者がすげぇ。

 

「むぅ。仲の良さでは負けてませんよ」

「そうだな」

 

 多分勝負にならないだろう。

 

《では、第四問参ります!》

 ──ピンポーン!

 

 司会者が問題文を読み上げてようとしている最中に雄二がボタンを押した。もうむちゃくちゃだ。雄二の奴、とうとう問題を無視したな。

 

「──わかり」

《正解です!それでは最終問題です!》

 

 で、司会者は雄二の回答を無視して正解にする。どっちもどっちである。

 

『ちょっとおかしくな~い?アタシらも結婚する予定なのに、どうしてそんなコーコーセーだけがトクベツ扱いなワケ~?』

 

 いきなり不愉快な口調で言う女性の声が聞こえた。何故だろう。凄いむかつく声だ。

 

『あの、お客様。イベントの最中ですので、どうか──』

『あぁっ!?ゴタゴダとうるせーんだよ!オレたちゃオキャクサマだぞコルァ!』

 

 オレたちもお客様だからな?うるせぇよゴミ。

 

『アタシらもウェディング体験ってヤツ、やってみたいんだけど~?』

『で、ですが──』

『ゴチャゴチャ抜かすなってんだコルァ!オレたちもクイズに参加してやるって言ってんだボケがっ!』

『うんうんっ!じゃあ、こうしよーよ!アタシらがあの二人に問題出すから、答えられたらあの二人の勝ち、間違えたらアタシらの勝ちってコトで!』

『そ、そんな──』

 

 慌てるスタッフを無視し、ぱっと見チンピラとクソギャルのカップルがズカズカと壇上に上がり、設置してあるマイクの一つをひったくった。

 なるほど。答えがある以上、ここで雄二はワザと外すつもりなんだろうな。オレたちにとっては不愉快極まりないが雄二にとっては救いの神なのだろう。

 

『じゃあ、問題だ』

 

 雄二のことだ。どんな簡単な問題でも間違えるつもりだろう。さぁて、どんな問題を出す?

 

『ヨーロッパの首都はどこだか答えろっ!』

 

「…………」

「…………」

 

 言葉を、失った。

 

『オラ、答えろよ。わかんねぇのか?』

 

「ねぇタカ。ヨーロッパなんて国ありましたっけ?」

「よしよし。その疑問を抱けたお前は正常だ」

「わぁーい」

 

 ヨーロッパというのは国でなくあくまで州の名前。しかも正式にはヨーロッパ州であり『ヨーロッパ』という国は存在していない。存在していない国の首都はやはり存在していないのだ。

 あのチンピラ。一体何を正解としているのか。むちゃくちゃ気になる。

 

《……坂本雄二さん、翔子さん。おめでとうございます。【如月ハイランドウェディング体験】をプレゼントいたします》

『おい待てよ!こいつら答えられなかっただろ!?オレたちの勝ちじゃねぇかコルァ!』

『マジありえなくない!?この司会バカなんじゃないの!?』

 

 文字通りバカなカップルがぎゃあぎゃあ騒ぐ中ステージの幕が下りる。

 まさか、明久やユリを超越するバカがいるなんて……。

 

「世界って広いなぁ……」

「どうしたのですか?遠い目をして」

 

 何でもない。世界の広さを改めて認識しただけだ。所詮は井の中の蛙大海を知らず……か。




ちなみに匿名設定を切りました。
理由は作者がハーメルンから失踪していないことを示すためです。
ナジミ改めて黒ハムとして頑張っていきます。
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