インフィニット・ストラトス 黒髪と銀髪は学園に 作:ニックネームは忍者
一夏と箒の作戦は失敗だった……二人は帰還したが、一夏は重傷だった……
……ライも重傷だった。
命に危険はないが、眠ったままだった。
ライが戦ったNo.は撃破したが、千冬からのレーダーは二つの信号が同時にロストした……救援部隊も向かおうとしたが福音の方が優先で部隊が向けなかった……そして一夏の治療中に海岸からライの反応があった。現場に向かうとライは浜辺に倒れていた……。
一夏の方は箒が運んでいたが、ライはどうやってここまで来たのかは不明だった……どんな理由であれ、ライが戻ってきて、最悪な事態が免れた……。
・・・
夕方、司令室
モニターでは福音は一夏との戦闘後、動かずにいた。
「停止していますね……本部はまだ私たちに作戦の継続を?」
「解除命令が出ていない以上、継続だ」
「ですが、これからどのような手を―――」
ドンッ ドンッ
一夏の作戦は失敗したが本部の方では作戦は継続したままだった。真耶は次の手を聞こうとするが、扉から誰かがノックした。
「……失礼します」
「誰だ」
「鳳です。入室の許可を求めます」
「待機と言った筈だ。入室は許可できない」
「「…………」」
千冬に言われた鈴、セシリアは入れず、その場に立った……一人、ラウラは千冬と同じ考えだ。
「教官の言う通りにするべきだろうな」
「でも! 先生も一夏の事も心配な筈よ!」
「ライさんもですわ……手当をしても一度も様子を観に行ってませんわ……」
浜辺から医療室に運ばれるときも千冬は冷静だった……ライは家族と同じようだが一夏の方は実の弟が怪我をしたのに千冬は普通だったのだ。
「だからどうしろと?」
「箒さんにも声をかけませんでしたわ。シャルロットさんもそうですけど……作戦失敗とはいえ、冷たすぎるのではなくて?」
「……今は福音の補足に集中する。教官はやるべきとをしているだけだ……だが教官も苦しい筈だ」
「「…………」」
「それよりも問題は―――」
ラウラの言う問題は箒とシャルロット。箒は一夏、シャルロットはライ……二人はそれぞれの部屋の側にいた。それでもラウラは考えがあった。
「シャルロットは私に任せてくれないか」
「いいけど……」
「大丈夫ですの? シャルロットさんは―――」
シャルロットはライの部屋で側から離れずにいた。ライが治療室に運ばれる時もシャルロットは悲鳴をあげた。なんとか落ち着かせることは出来たがシャルロットの目は涙が出ていた。こんなシャルロットは誰も見たことが無かった。
「私も不安だが、同じ同室が落ち込んでいる姿は見たくない…………それに二人には貸しがあるのだ」
ラウラとシャルロットは同室の仲もあるが数少ない友人でもあった。ライもそうだがタッグマッチや水着での貸しがあったのだ。
「なら、あたしは箒かな……あたしは箒に言いたい事があるから」
「そうか……なら任せるとしよう」
箒の方は鈴に任せることにした。一夏と幼馴染み同士なら適任だと判断した。
「あの……わたくしは―――」
「セシリアにはちょっとした準備をお願いしよう」
「お願いですか?」
「うむ……実は―――」
ラウラはセシリアにあるお願いを始める。
――――――――――――――――――
「…………」
「…………」
一つの部屋にライとシャルロットがいた……正確にはライが布団で眠ったままでシャルロットが側にいた。
「ライ……目が覚めなかったら僕―――」
ライの姿を見たときはシャルロットは我を忘れ、叫んだ。自分の居場所を作ってくれた大切な人が傷だらけに運ばれる姿を見ると冷静にいられなかった。
「手鏡……返せないよ」
シャルロットの手にはライから渡された手鏡を握っていた。シャルロットの顔は涙の後が残っていた。
「シャルロット……ここにいたのか」
「ラウラ……」
気がつくとラウラが入ってきた。ラウラもノックはしたが返事が無いため、入ることにした。
「……福音に仕掛けるつもりだ。シャルロットの力が必要だ」
「…………」
今のシャルロットが行っても足手まといだと感じた……シャルロットはこの場にいたい行動を示す。
「……私の嫁が福音にやられた。嫁に手を下した奴を私は倒さなければならない」
「…………」
「それに……今のライがシャルロットを見たら恐らく叱るだろうな」
「…………」
ここで怒らないとなるとラウラは黙るしかなかった。
「…………「シャル―――」うん、確かに叱るだろうね」
シャルロットは立ち上がって、ラウラを見る。シャルロットは決心をしていた。
「大丈夫かシャルロット?」
「うん……先に行っていてくれるかな? もう少しだけ側にいたいから……」
「……わかった」
ラウラは部屋から出て行くと。シャルロットは眠っているライを見つめる。
「僕はライに何もお礼が出来ていない……僕の気持ちも……」
シャルロットはライに対して変化してきた。いつからかわからないがライに特別な感情を抱いていた。
「絶対に帰ってくるよ、ライ……」
シャルロットは部屋から出て行く……
「…………」
……ライは眠ったままだった。
――――――――――――――――――
「…………」
浜辺に箒は立っていた。リボンは福音との戦いで燃えて、髪を下ろしていた。
幼い頃、男子にからかわれていた時に一夏に助けられた。一夏は単純に強い奴が弱い奴をいじめたのを助けたような感覚だった。箒は今でも覚えている。
「箒!」
「あ……」
箒の後ろには鈴が立っていた。箒は振り向けずにいた。
「あ~あ、わっかりやすいわね~……あのさ! 一夏がこうなったのはアンタのせいなんでしょ!!」
「…………」
「で? 落ち込んでますってポーズ? …………ふざっけんじゃないよッ!」
振り向かない箒に鈴は箒の胸ぐらをつかんで振り向けさせた。
「やるべき事があるでしょうが! 今戦わなくてどうするのよ!」
「…………もうISは、使わない」
「ッ!!」
我慢をしていた鈴だったがとうとう切れて、箒にビンタした。箒は砂浜に倒れた。
「甘ったれてんじゃないわよ! 専用機持ちって言うのはね! そんなわがままで許される立場じゃないわよ! 」
「…………」
「それともアンタは戦うときに戦わない臆病者ってわけ!!」
「―――どうしろよ言うのだ? もう敵の居場所がわからない。戦えるなら……私だって戦う!!」
「……やっとやる気になったわね」
箒は言い返したが時、鈴は微笑んだ先ほどの箒は戦う気が無く、ISにも乗らないと言っていたが鈴の励ましの言葉に箒はいつもの箒に戻っていた。
「え……?」
ふと、周りを見るとセシリアとラウラがいた。
「あ~あ、めんどくさかった~」
鈴はそんなことを言うが、笑っていた。セシリアもラウラも同じだった。
「な、何?」
「皆考えていることは同じことですわよ」
「……シャルロットは―――「ここだよ、箒」……大丈夫なのかその―――」
箒は不安だったがシャルロットは普通に答えた。
「大丈夫って……福音にやられた借りは返ささないとね」
悲しい表情があったがそれでも落ち込んでいる姿ではなかった。
・・・
「ラウラ、福音は?」
「確認済みだ」
ラウラは右腕を部分展開すると地図を開く。そこには福音がいた。
「ここから30㎞離れた沖合い上空に目標を確認した。ステルスモードに入っていたがどうやら光学迷彩を持っていないようだ……衛生による目視で発見した」
「流石ドイツ軍特殊部隊! やるわね」
「……私だけで発見できたわけではない」
「? どういう意味?」
ラウラは答えずに一つの地図を出す。映っているのは様々なルートの地図だった。
「これは福音の移動ルートですか?」
「そうだ……ライが作った福音の予測ルートだ」
ライが作った事で全員驚いた。ライ一人で数百のルートが示されていた。
「……これのお陰で早く発見できた。流石としか言いようがない」
「…………」
ライを誉めているがシャルロットは黙っていた。
「すまない、シャルロット……失言だった」
「ううん……本当に凄いね。一発殴りたくなったよ」
「「…………」」
ストレートの言葉と笑顔に全員黙った…。
「それよりも皆は準備は出来ている?」
「と、当然よ。甲龍の攻撃特化パッケージはインストール済み」
「こちらも準備はできていますわ」
四人はそれぞれの追加パッケージを既に完了している。いつでも行ける状態であった。
「ま、待ってくれ! 行くと言うのか? 命令違反ではないのか?」
「だから? アンタ今戦うって言ったでしょう?」
「お前はどうする?」
命令違反……それは重大ではあるがいつもの自分達なら黙っているなど無かった。
「私……私は―――戦う。戦って勝つ……今度こそは負けはしない!」
「決まりね……今度こそ確実に落とすわ」
完全復活した箒を見て、ラウラはセシリアを見る。
「セシリア、頼み事の方はどうだ?」
「ラウラさんの言う通りにしておきましたわ。これでわたくし達は福音に攻撃を仕掛けるまでは誰にもばれませんわ!」
セシリアは司令室のレーダーをちょっとした細工をした。ここでISを展開しても見つからない仕組みだ。
「それじゃあ皆……行くよ!」
「「了解」」
シャルロットの掛け声に全員ISを展開をして、海へと飛び立った……。
――――――――――――――――――
「ここは……」
ライは何もない真っ白な所にいた。どこを見渡しても真っ白だった。
「(俺は死んだのかな……結局記憶は戻らなかったな。このまま死んでも悪くはないな)」
No.10を倒したライは海に沈んた……誰も助けにこれない状況。ライは自分が死んだのだと自覚する。
「No.1が言うには奴等はあの数だったみたいだな……特に悔いはないかな」
No.を倒したのならライはもうこのまま眠りたかった。10の言っていたNo.7は謎だが別に構わなかった。
「本当に何もないな……?」
どこか視線を感じて、後ろを見るとISが立っていた。
「月光牙……なのか?」
「…………」
ライの前には月光牙が立っていた。
――――――――――――――――――
「初弾命中!」
福音が胎児のような格好でうずくまっている格好にラウラの砲戦パッケージ『パンツァー・カノニーア』が放たれ命中する。
……今の攻撃で司令室のレーダーが反応し、命令違反がばれたのは言うまでもない。
ラウラの初弾が命中し、福音は咆哮と羽を広げる。そしてラウラの方へと接近してくる。
「続けて砲撃を行う!」
続けて砲撃を行うが福音は避ける。データよりも早く接見してきている。福音の右手がラウラに迫ってきた時、セシリアの体当たりが福音にぶつかる。
福音が落ちていくなか、セシリアの強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』に搭載されている大型BTレーザーライフル《スターダスト・シューター》が福音を狙う。福音は直ぐに体制を直し、狙撃を避けて雲の中へと隠れた。
『敵機Bを確認。排除行動へと移る』
「かかった!」
セシリアに攻撃を仕掛けようとするがシャルロットのショットガン二丁が福音を捉えた。近距離で放たれ命中するが、福音は直ぐに距離を取る。
『優損順位を変更。現空域から離脱を最優先に』
シャルロットから離れたが、シャルロットはショットガンからアサルトカノンを装備して、福音に放とうとしたが福音の全方向エネルギー弾をシャルロットに放つ。シャルロット『ガーデン・カーテン』に搭載している実体シールドで弾雨を防ぐ。
「このくらいじゃ落とせないよ!」
――――――――――――――――――
砂浜に海が流れる所に一夏は立っていた……。
「ここは……どこだろう? 懐かしい?」
一夏の前には女の子が立っていた。小柄で白いワンピースに白い帽子を被っていた。
『呼んでる……行かなきゃ』
「え?」
少女は空を見る。一夏もつられて空を見ると雲と青い空だった。
「……あれ?」
少女の方へと視線を戻すと少女は消えていた。
「力を欲っしますか……?」
「え……」
振り向くと、周りは夕方の海へと変わっていた……そして、沈む夕日の前に記録で見た白騎士が立っていた。
――――――――――――――――――
「はああああつ!!」
箒の刃が福音の右肩へと食い込んだが突然左右両方の刃を手のひらで握りしめる。 そして上昇する。
「なっ!?」
「箒! 武器を捨てて離脱しろ!」
「箒!」
「箒さん!」
全員が離脱しろ言うが、箒は手離さない。すると福音は翼を広げてエネルギー弾を展開する。
「くっ!」
紅椿の爪先からエネルギー刃が折り畳み式のように現れる。
「たああああぁぁっ!!」
かかと落としのように斬撃を与えると福音の両方の翼を失った。福音は海面へと堕ちていった。
「無事か箒?」
「私は……大丈夫だが……!?」
福音は海からエネルギーの珠と一緒に現れる。そして背中からは本物の鳥のような翼を拡げた。
「まずい! これは『第二形態移行』だ!」
福音は第二形態になった。今までのデータで進化をした。ラウラの言葉と同時に福音の反撃が始まる。
――――――――――――――――――
「力を欲っしますか?」
「……」
白騎士の言葉に一夏は頷く。
「……何の為に?」
「そうだな……友達を―――いや、仲間を守るため、かな」
「仲間を……ですか」
「何て言うか世の中って結構色々、戦うことが多いだろう? 道理のない暴力って結構多い……そういうのから出来るだけ仲間を助けたいと思う。この世界で一緒に戦う仲間を」
「そう……」
『だったら行かなきゃね』
「え?」
また、あの少女が現れた。今度は目の前にいた。
『ほら……ね?』
一人の少女が再び現れると同時に一夏の手を握った。
――――――――――――――――――
福音の翼からエネルギーで溜めたビーム砲を撃つ。箒に直撃すると箒は海へと落ちる。
「箒さん!?」
セシリアは助けに行こうとするが福音が迫っていた。離れようとするが福音が先回りをするとエネルギー状の翼がセシリアを包んだ。包まれた翼から解放されるとセシリア下へ落ちた。
福音はシャルロットにエネルギービームを放つ。シャルロットはシールドで防御するがシールドが破壊された。
「…………会いたい」
地面に叩きつけられた箒は一人呟いた。
「一夏に会いたい……会いたい……一夏―――」
「……箒」
「……一夏?」
箒は目を開くと一夏がいた。一夏の姿は第二形態移行だった。
「ああ、待たせたな」
「一夏!? 身体は?傷は?」
「大丈夫だ……皆には止められたけどな」
一夏は目を覚した……周りに状況を聞いて、止められたが一夏は飛び出して来た。
「良かった…良かった……本当に」
箒の目尻にほ涙が浮かぶ。
「なんだ? 泣いているのか?」
「な、泣いてなどいない!」
箒はそう言うが、もう泣いている姿になっている。
「……ちょうどよかった。これ、やるよ」
「え……」
一夏の右手にはリボンがあった。
「誕生日、おめでとうな。今日は七月七日だろ?」
「…………」
「じゃあ、行ってくる!」
リボンを渡した一夏は福音へと飛んでいった。
――――――――――――――――――
「通信はまだ回復しないのですか!?」
「無駄だ……恐らく連中が切っている」
「「先生!!」」
司令室でも通信回復を行っていた。細工したのも長時間に仕組んでいた。そして司令室に生徒が入ってきた。
「入るな! 作戦中だぞ!!」
千冬が叫ぶが生徒はかなり焦っていた。
「わかっています! ですが―――」
「お、織斑くんが―――」
「…………」
二人の言葉に千冬は一夏に何が起こったのか理解した。
「それと……らいむーが―――」
「なんだと―――」
一夏は先に出たがもう一人のIS乗りも福音の所へ向かっていた。
――――――――――――――――――
白式の第二形態『雪羅』の左手がシールドモードで展開。
福音はエネルギー弾を連射していたが砲撃が入り、離れる。
「すまん、回復に手間取った」
「さあ! 反撃のお時間ですわよ」
「ラウラ、セシリア」
一時離脱してたラウラとセシリアが一夏の側に来た。鈴とシャルロットも回復して一緒に来た。
「一夏、さっさと片付けるわよ!」
「エネルギーは充分……僕たちの心配はいらないよ!」
「シャルロット……その、ライは―――「今は言わなくていいよ」……」
一夏もライの事を聞いた……シャルロットに何か声をかけるがシャルロットは平気でいた。
「ライは大丈夫だから」
「そうか……なら行くぞ!」
一夏に続いて、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラが続いた。箒は一夏の背中を見る。
「(私は共に戦いたい。あの背中を守りたい!)」
箒は強く願うと紅椿は光だした。
「これは―――」
箒視界には『絢爛舞踏』発動と示されていた。そしてエネルギーが回復した。これは紅椿のワンオフ・アビリティーであった。
箒は一夏から貰ったリボンを髪に縛ると一夏の元へと向かった。
――――――――――――――――――
ライの前には月光牙が立っていた。だが露出がある部分は装甲で埋っていた。頭部には二本の角があり、体は鎧で蒼い騎士か蒼い鬼に見えた。
「…………」
月光牙は左手から蒼い刀を取りだし、ライに差し出した。
「まだ、戦えと言うのか」
「……」
鎧は頷いた。ライはもう戦う気は無かった。ライはもう生きる気も無かった。
「俺は―――」
「…………」
鎧は右手を上げる。白い空間から夜の空へと変わった。
「あれは……シャル?」
ライが見える光景はシャルロット達が福音と戦っていた。一夏も箒もいて、一夏の姿が変わっていた。
「第二形態……流石だな」
第二形態になった一夏を見て、ライは凄いと感じた。短い期間でここまで成長するとは思わなかった。そして、鎧を見つめる。
「第二形態なっても……一夏達が危ないのだな」
「…………」
鎧は頷いた……ライは刀を見る。
「そうだな……俺もまだ死んではならないよな……“約束”もあるしな」
ライは生きる事を決めて、鎧が持つ刀を掴もうとするが手を止めた。
「お前も、また戦ってくれるか?」
「…………」
鎧はまた頷いた。ライは刀を掴む……そして光に包まれた。
『……頑張ってね―――』
「え―――」
完全に包まれた時、ライの耳に少女のような声が聞こえたのだった。
「…………?」
目を開けると天井が見えた。そして体を起こすと布団に寝かされていた状態と痛みが伝わる。
「痛い……生きている証拠か」
ライは自分が生きている事を理解して、枕元にシャルロットから貰ったお守りが置いてあった。
「……
……半分力を貸してくれよ相棒」
ライはお守りを首にかけて、外へと向かう。
――――――――――――――――――
「ぜらあああっ!!」
一夏は近付こうとするがエネルギー弾で近づけなくいた。
「やばい、エネルギーがっ!」
一夏のエネルギーが無くなりそうになり、福音はそのまま連射を続けた。
『!?』
エネルギー弾を発射していた福音はシャルロットのアサルトカノンとラウラの砲撃で距離を取った。箒は一夏の隣に立つ。
「一夏! これを受けとれ!」
「これって―――」
箒の手が一夏に触れると白式のエネルギーが回復していった。
「一夏……奴を倒すんだ!」
「あう……行くぞ!!」
「うん」
「ああ」
「オーケー!」
「はいっ!」
六人は肩を並べて福音を追い掛けた。
――――――――――――――――――
「(凄いスピードだ、な)」
ライは今、月光牙を纏い、福音の元へと向かっていた。ライのISは姿は同じだが、非固定浮遊部位は現在、肩と背中にくっついていた。翼のジェットは背中に向けて全速力で飛んでいた。
『ε認証』の文字が表示されながら。
「(まるで、こういう時に使う仕組みだな)」
そんな事を考えていると福音のエネルギー弾が見えた。
「(あれか……厄介だな本当に。? あれは―――)」
近付くライはある光景を見て、更に加速した。
――――――――――――――――――
「一夏! 今だッ!」
「うおおおぉぉ!!」
『!!』
福音はエネルギー弾で箒に蹴りを与えると一夏へと仕掛ける。
「ラウラ! 頼む!」
「任せろ!!」
追い詰められる一夏にラウラは一夏に援護をする。福音は援護をするラウラが邪魔になり、エネルギー弾を撃つ。
「くっ!」
ラウラはダメージを負うが、福音の後ろからセシリアのブルー・ティアーズが後ろから直撃した。
「わたくしがここにおりましてよ!」
福音はセシリアに向かおうとするが衝撃砲が当たる。
「一夏! もう一回よ!」
『―――!!』
福音は360°にエネルギー弾を放つ。正に隙のない攻撃だった。
「しまっ―――」
「鈴!!」
回避できな鈴にシャルロットは助けた。
「一夏急いで! もう持たない!!」
「ああ!!」
福音の攻撃で周りが見えなくなる中、一夏は夕日から福音に接近した。
「今度は逃がさねえー!!」
一夏の左手が福音を捉えるが回避した。
「なっ!?」
『!!』
「一夏!!」
シャルロットは片手でアサルトカノンで一夏を援護した。福音はシャルロットに切り替えた。
「くっ!!」
シャルロットは鈴を離すと反対方向へと飛ぶ、福音は更に接近してシャルロットの目の前に立った。
「しまっ―――」
シャルロットの前には福音がエネルギービームが発射直前だった。
――――――――――――――――――
「シャ―――!?」
一夏は叫ぼうとしたが後ろからかなりのスピードで急速接近してくる何かに振り向こうとしたが振り向く前に通り過ごして福音に体当りした。福音は海へと落ちた。
『!?』
「あれって―――」
「一夏、あれは―――」
「どういう事ですの?」
「でも、間違いないわよね」
「うむ……確実に―――」
一夏たちは驚いている。一夏より重傷だった“彼”が現れたのだから……。
「……ライ?」
「…………」
シャルロットの前にはライがいた。ライはシャルロットの顔を見る。
「無事か?シャル」
「う、うん」
シャルロットが答えるとライは微笑んだ。本当にライがいるとわかった。
「遅れてきてすまない……少し寝過ごした」
「……身体は大丈夫なの?」
「出血はしてないから問題ないさ。それよりも問題は―――」
ライが言おうとしたら福音は海から上がってきた。問題は福音なのだ。
『!!!!』
福音はまるで怒っているように見えた。ライはブレイドを二刀流に展開。
「シャルとの約束があるんだ……悪いが手短に済ませるぞ!!」
ライは福音に接近する。福音はエネルギー弾を放つが、ライはそれを見えるかのようにすれすれと回避していた。
『!?!?!?!?』
福音はまるで亡霊と戦っている様になっていた。福音は激しく混乱していた。
「無人機が怯えるのは以外だな!!」
「!?」
ライはブレイドを振り下ろしたがギリギリ回避して離れた。ライは福音を追いかける。近付いてくるライを福音はエネルギービームを射つ、ライは爆発した。
「ライ!?」
一夏は叫ぶが直ぐに理解したライは爆発した煙の正面から表れた。
『!?』
「うおおぉぉ!!」
『γ認証』
ライの右の手のひらの下から何かが装備された。ライは手を前に出して、福音に当たる直前に装備された物から緑色の針が出てきた。ライの視界には『ブレイクインパクト』と書いてあった。
それはパイルバンカーにもみえたがレーザー式であった。威力は本物よりかなり落ちるが何回でも使える武器であった。
「一夏ッ!」
ライは一夏を見ながら叫ぶ。一夏はライの目を見ると、行動に出て急上昇する。
『!!?』
「くっ!」
ブレイクインパクトは当たったが福音の左腕だった。左腕は火花が出ていたが、まだ健全だった。福音は離脱しようとしていた。
「ハアアアアァァ!!」
『δ認証』
ライの左腕に装備が出てきた。手のひらの下からアンカーのような緑色の鞭が出てきた。
『スティンガーショット』は福音の片足を掴み海の方へと投げる。
「今度こそ逃がさねえぇぇー!!」
『!!??』
上空から一夏が急降下して一夏の雪羅が福音の頭部を掴む。
「行けッ!一夏!!」
「うおおおぉぉ!!」
そのまま福音を浜辺へとぶつけた。ぶつけた同時に一夏の両手は零落白夜で福音の胸へと突き刺していた。
「くううぅぅ!!」
強く差していたが福音の右手は一夏の首を掴む。
「うぅぅぅ―――ライッ!!」
「ハアァァァ!!」
一夏は上に叫ぶ。真上からはライが急降下して来る。ライは左手から蒼い刀を出して構えた。
ガキンッ!
『………n、No.7―――』
「…………」
福音はライだけにメッセージを送る……ライはそのメッセージを眺めた。
二つの刃で福音の胸にひびが入ると福音は機能停止した。翼も消えて、完全に停止した。
「―――終わったな」
「ああ……やっとな」
一夏とライはお互いに見て笑った。空はもう日の出になっていた。
「(眩しい、な……)」
眩しい光だったが、空を照らして、真っ暗から青く変えていった……。
――――――――――――――――――
「作戦完了―――と言いたいところだが、お前たちは重大な違反を犯した」
「「はい」」
旅館の入り口前、千冬の前には七人のメンバーは横一列に並んでいた。千冬は処罰を下す。
「……帰ったらすぐ反省文の提出だ。懲罰用のトレーニングを用意してあるからそのつもりでいろ」
「あ、あの織斑先生。もうそろそろこのへんで……皆さんも疲れている筈ですし」
判決を言い渡しているなか、真耶はその辺でと言って、千冬は言葉を止めた。
「……しかしまぁ、よくやったな」
「「え……」」
突然の言葉にメンバーは戸惑った。
「全員、よく帰ってきたな……今日はゆっくり休め」
千冬は少し顔を赤くして言った。
「それと、ライは医療室に直行と……これを」
「……?」
千冬はライに封筒を渡す。ライは受け取ると何だろうと考えた。
「(この封筒……もしかして―――)」
「さっさと医療室に行け、命令だ」
「……了解」
ライは一人笑って、医療室へと向かった。千冬も心の中で笑っていた。
「「??」」
封筒の中身を知らない者は当然の反応だった。
・・・
「ね、結局、福音の暴走の原因は何だったの?」
「本当に誰も乗ってなかったの?」
「戦ってるとき、怖くなかった?」
「もっとはなし聞かせて! 先生たち何も教えてくれないから」
夕食の席では他の生徒達が福音の事を訪ねてきている。正直言って、誰も答えたくなかった。
「駄目……機密って言われてるんだから」
「だいだい、あたし達だって聞かされていないんだから」
「それに詳細な情報を知ればお前たちにも行動の制限がつくぞ……いいのか?」
ラウラの発言に周りは怯えた。
「そ、それは、困るかな」
「見張りとかついたらやだもんね~」
政府からの監視は厳しいと噂れている……その内容は聞くと恐ろしくなると言う。
「……あら? 一夏さんと箒さんは?」
セシリアが周りを見ると二人の姿はなかった……。
「「もしかして―――」」
「あはは……」
三人は顔を会わせると立ち上がり、何処かへ行った。シャルロットはただ笑っていた。
――――――――――――――――――
「一夏、大丈夫かな……」
一人部屋に戻ったシャルロットはお茶を飲んでいた。そして三人が一夏の元に向かって、今頃どうなっているのかなと考えた。三人のISが修理完了していたらもうそれは恐ろしかった。
「一夏と箒か……僕もライと―――って、ライは部屋から出れないか」
ライは一日様子見だった。怪我人の為、部屋から出れず、会うことも出来なかった。
「お~い、シャル居るか~?」
「え? この声―――」
シャルロット耳にライの声が聞こえた。でもその方向が窓の方で、見るとISを纏っていた。
「ライ!? どうしてここに!! 」
「いや、“約束”したじゃないか」
「約束って―――うわっ!」
シャルロットは窓を開けて話していると、ライはシャルロットをお姫様抱っこをして空へと飛んだ。
「すまないが時間がないんだ。もう少ししたらレーダーに反応するんだ」
「…………」
低速で数分が経過したがライはそのまま飛行を続ける。シャルロットはライの話よりも態勢と距離に気にしていた。
「(ち、近いし、お姫様抱っこ…………夢みたい)」
「そろそろかな……降りた場所から見るといい星空に見えるんだ……シャル?」
「う、うん……(このまま時間が止まればいいのにな)」
シャルロットはそう思ったけど、ライは着陸し、シャルロットも降ろして、ISを解除した。
「ここから歩いて帰ればいい星空が見えると思うんだ。シャルは歩ける?」
「うん……星空って約束の?」
「そうだな、こっそり抜け出すのはよくないが一緒に星空は見たいしな」
「…………」
ライはただの約束だと言うが、年頃の男女が旅館からこっそり抜け出して星空を見ながら歩いて帰るのは胸がドキドキなシャルロットだった。
――――――――――――――――――
「…………」
海辺の崖に腰を掛けている束がいた。モニターを開いて福音との戦いのデータを見ていた。
「は~は~白式には驚かれるな~まさか操縦者の生体再生まで可能だなんて、まるで―――」
「―――まるで、『白騎士』のようだな。コアナンバー001。お前の心血まで注いだ一番目の機体に、な」
束の後ろに千冬が立っていた。束は振り向く。
「やあ、ちーちゃん」
「……例えばの話がしたい。とある天才が一人の男子を高校受験の日にISがある場所に誘導できるとする……そこにあったISをその時だけ動くようにしておく……すると、男が使えないISが動いたように見える」
「う~ん、それだとその時しか動かないよね……実の所、白式だけがどうして動くのか私にもわからないんだよね~」
束は海を見ながら普通に答える。千冬は話を続けた。
「まあいい。今度は別の話だ……とある天才が大事な妹を晴れ舞台にデビューさせたいと考える……そこで用意するのは専用機と何処かのISの暴走事件だ。暴走事件に際して、妹の乗る新型の高性能機を作戦に加える。妹は華々しくデビューというわけだ」
「すごい天才がいたものだね」
まるで今回の福音の出来事の様に聞こえる。束もどこかの知らない人の口ぶりだ。
「ああ、凄い天才がいたものだな……かつて、十二ヶ国の軍事コンピューターを同時にハッキングするという天才がな」
「…………」
……かつての白騎士事件の出来事を話すと束は黙った。すると束は空を見上げる。
「ねえ、ちーちゃん。今の世界は楽しい?」
「そこそこにな」
「そこそこなんだ……ねぇ、ちーちゃん」
「なんだ?」
束は振り向く。今度はどこか悲しい顔に見えた。
「―――彼をどうする気?」
「…………」
彼とはライの事を言う。けど千冬は一つ質問する。
「その前に一つ、No.の事はお前は知っているのか?」
「そうだね~……私は会ったことはないよ。存在は知っていたけどね」
「…………」
束は嘘をついて喋ってはいなかった。
「ちーちゃん……彼に感謝するのは良いことだけど、彼の事はちーちゃんがわかるんじゃない?」
「…………」
「彼は人になれば神にもなれる……もしかしたら化け物かも知れないのに」
「おい束―――」
「今は蒼い翼だけど、いつか黒く染まった血の翼になったら……ちーちゃんがその手で止めるの?」
「…………」
束は表情変えずに千冬を見る。千冬は黙っていた。
「…………でもちーちゃんに任せるよ」
「何―――」
吹き上げる風がふくと、束は姿を消した……。
「…………」
千冬は背中を木に寄りかかり、空を見つめた。
――――――――――――――――――
「やっぱり雲が無いから月も見えて星も見えるな」
「うん……こんなに星空がよく見えるんだね」
二人は砂浜を歩きながら星を見ていた。聞こえる音は海から砂浜へと波の音と、二人の声だった。
「それとすまないな、旅館の羽織姿で……歩きづらくないか?」
ライはシャルロットを連れ出したが、シャルロットは羽織を着ていた。ライも同じく羽織を着ていた。靴は旅館から借りて持ってきた。
「僕は全然平気だよ……ライは大丈夫なの? 一日様子見みたいだけど」
「それはそうなんだが、自分ではもう平気なんだよ。ISの方は整備はしたけど何だかいつもと違ったな。後でまた再確認しないとね」
No.と福音の戦いで無理をしたのか、いつもの調子が出なかった。ライのISはエネルギーが空っぽに近い状態。ライは抜け出すのにセシリアが行った細工をまたやってここまで来たのだった。
「星空の約束もいいけど……こっちの約束もね!」
「手鏡……そうだったな。シャルに預けたままだったな」
シャルロットはライの一歩先に立って、振り向いたら預かった手鏡を返した。ライは受け取るが、忘れていたようだ。
「忘れていたの? ライの大切な物なんでしょ?」
「俺の大切な物だが、シャルと星空を見るのが楽しみだったんだよ」
「そ、そうなんだ……」
ライは普通に言うが女の子から見ればよく恥ずかしいこと簡単に言えるんだと思った。
「ねぇライ……伝えたい事があるけどいいかな」
「伝えたい事? 何かな?」
―――星空が広がる浜辺でシャルロットはある事をライに伝えようとする。シャルロットの顔をうっすら赤くなっていた。
「僕ね……ライの事が―――「あれは一夏と箒か?」―――え?」
ライはシャルロットの後ろの海岸の方を見つめていた。シャルロットもそっちの方を向く。
――――――――――――――――――
一夏は箒にデコピンした。二人は海岸沿いで座っていた。
「ほい、終わり」
「馬鹿にしているのか!?」
「まあ落ち着け。興奮するな」
「黙れ! 私は武士だ。誇りを汚されて落ち着いていられるなど―――「お、おい箒! 当たってるんだけど……」―――ッ!」
箒は怒って一夏に迫ったが、箒の胸が一夏に当たっていた。二人の姿は水着……かなりの密着だった。
「その、なんだ……意識するのか?」
「はい?」
箒は離れて、胸を隠した。一夏は何に意識の顔をしていた。
「だ、だからだな……ッ!」
「!?」
箒両手は一夏の左手首をつかんで自分の胸に当てた。一夏はかなり驚いた。
「私を……異性として意識するのかと聞いているのだ……」
「ま、まあな……」
「そうか……」
意識していると伝えると箒は喜んでいた。
―――そして、二人は自然に顔を近付けて―――ガツン……
「(? ガツン? 何で―――!?)」
一夏の額の前には何かの銃口……すぐに放たれ、一夏はギリギリ回避した。
それはそして空を見ると、専用機の三人がいた。
「姿が見えないと思えば……」
「よし、殺そう」
「ふふ、ふふふふふ……」
ラウラは単純に怒っていて、鈴は殺意丸出しで、セシリアはもうホラーだった。
「ひっ! 箒! 逃げるぞ!!」
「え? うわっ!?」
一夏は箒をお姫様抱っこをして走り出した。後ろからは三人のIS……武装を一夏に向けていた。
「待てー!!」
「お待ちなさい!!」
「殺すー!!」
「助けてくれライィィー!!」
一夏は叫んだ。救いの友を……。
――――――――――――――――――
「一夏……大丈夫かな」
「そうだね(なんとくこうなると思ったけど)」
一夏は箒を抱えて走っている。迫る三人の攻撃から逃げていた。あのまま続けたらきっと旅館から先生方が来るからそれまで耐えれば一夏は大丈夫だと思った二人。シャルロットは箒もきっと同じ気持ちになったと感じた。
「僕達も戻ろ? ばれたら大変だしね」
「そうだな。俺も部屋で寝ていることにしよ」
「はは……」
ライとシャルロットもばれたら大変だから二人も歩き出した。
「シャル、さっき何か言おうとしてなかったか?」
「……何でもないよ」
「そうか」
シャルロットはライに伝えようとしたが止めた……別の機会にした。
「(それよりも一夏は箒と……キスしようとしてたよね)」
もし三人の攻撃がなかったら、月が照らす海岸で二人はキスをしていたとシャルロットは思った。キスしてる光景見たら、シャルロットとライはどうなっていたと考えた。
「(―――まさかね……早く戻ろ)」
「シャル……戻る前に話していいかな?」
「ライ? いいけど、急がなくていいの?」
歩き出して、直ぐにライに呼び止められたシャルロット。ライは言いにくい顔をしていた。
「話しは直ぐに終わる……シャルに言いたい事があるから」
「僕に言いたいこと事?」
「あぁ……俺も一夏に負けていられないからな」
「負けてられない?」
ライがどうしてそんなことを言うのかシャルロットはわからなかった。一体何に対してなのか。
「あぁ……この際だからシャルに言おう。前から言おうと思っていたからな」
「前から思っていたこと?」
ライが少し赤くする。シャルロットもどうしてか赤くなる。
「正直、この状況で言うのも変だが……」
「(え!? ちょっと待って、この会話夢で―――)」
「俺―――」
シャルロットの胸が更にドキドキしてきた。さっき自分が言おうとしたことがライが言おうとしていた。
「(や、やっぱりこれって―――)」
「―――も一夏と箒の二人に負けないよう共に頑張ろうな!」
「…………はい?」
その言葉にシャルロットは一気に冷めた。
「あの二人、恐らくこれから負けないよう特訓しようとこっそり約束しようとしてただろ? 俺も一夏と同じくシャルと特訓しようと思ってさ」
「…………」
続く言葉にシャルロットは更に冷めた。もうそれは絶対零度になっていった。
「シャル? どうした?頭を下げてさ」
「そうだね、二人には負けていられないよね」
シャルロットは顔を上げて、笑顔になっていた。
「シャルさん、発言の許可を求めます」
「うん、いいよ」
「その一何故ISを展開? その二何故武装を毎回入れ替えていますか? その三何故武装を替える度に俺に向けていますか?」
シャルロットはリヴァイヴを装備して両手の武装を毎回入れ替えている。方向は必ずライの方を向けていた。
「う~ん、その一は特訓の為。その二はこれから始めるから。その三は“逃がさないから”」
「(逃がさないか……どうすれば―――)シャルさん、俺は今ISを呼べません。練習が出来ないとおもいますが……」
ライは何としてでも生きるため、交渉をしていた。
「生身でISの攻撃を回避するのもいい練習だよ。僕も射撃の訓練が出来るからね」
「いやいやシャルさん、生きた的は確実に死んじゃうよ!」
「大丈夫だよ。火薬は引いてあるから」
「野菜のカットした品じゃないよシャルさん!(駄目だ、確実に俺は―――!?)」
ライが話している途中にシャルロットは地面にシールド・ピアースを差した。そして―――
「じゃあ……“始めようか”」
「(逃げるが勝ちだな……
……走れッ!)」
ライは走り出す。シャルロットはガトリングとショットガンを装備した。
「ライ! 逃がさないから!」
「助けてくれ一夏アァァー!!」
―――ライも救いの友を叫び、特訓と言うのが始まった。
……ライは一夏と合流し、千冬が来るまで走り続けた。
「もう! せっかく期待したのに!」
「何にッ!?」
…………臨海学校では色々な事が起きたが、こうして全員無事で臨海学校は終わった。
次の日、帰りのバス……
「あ~……」
「お互い眠そうだな一夏」
「そりゃあ……なあ」
福音の戦いもそうだが、星空の逃走もかなりの疲労だった。二人は当然寝不足だ。
「ライ、飲み物ないかな?」
「すまない、俺も持っていない」
「そうか……誰か、飲み物持ってないか?」
一夏はふと、周りに声をかけるが……
「……唾でも飲んでいろ」
「知りませんわ」
「なっ……なにを見ているか!」
ラウラとセシリアは何処か冷たく、箒は一夏にチョップをしてきた。
「(一夏に休息はないな。それよりもどうするか)」
……結局、一夏は誰も飲み物をもらえなかった。一方シャルロットも朝から不機嫌で話し掛けても素っ気なかった。ライはどうすればいいか考えた。
・・・
パーキングに休憩中に一夏はバスを降りて飲み物を買いに行った。ライはシャルロットの隣に座った。
「シャル……その、昨日は―――」
「別にもう怒ってないよ(勝手に期待したのは僕だしね)」
「そ、そうなのか……だとしても俺が悪かったんだよな。すまない」
「謝らなくていいよ。それよりも一夏の方は動き出したね」
「動き出した?」
シャルロットは窓に指を指す。ライもその方を見た。
「……考えていることは同じだな」
「そうだね」
窓の外を見ると四人が一夏にペットボトルを持って、渡していた……数秒後には喧嘩の声が始まるのは当然だった。
「(俺も喉乾いたな)シャル、飲み物買ってくるシャルもいるか?」
「あ、あのねライ―――(よし、こんなときの為に用意してあった飲み物を―――)」
「「ライくん!!」」
ライが飲み物を買いに行こうとしたが、一組の女子から飲み物を渡される。
「(数は一組の人数……俺と一夏たちの人数を減らすと―――数えるのは辞めよう)……あ、ありがとう皆」
ライは予備のボストンバックを取り出して、鞄に積めた。持つときは大変だなと感じた。
「ライ」
「な、何かな、シャル?」
シャルロットはライに飲み物を渡す。ライは正直、いらないと言いたいが ―――
「“飲んでくれるよね”」
「勿論です」
シャルロットの笑顔にライは飲み物を即行で受け取り、飲み始める。
「(しばらく飲み物は買わなくていいかな……
……泣けるぜ)」
ライの部屋の冷蔵庫に大量のペットボトルがあるのは見るたびに憂鬱になったライの黒歴史でもあったのだ。
…………数本は500じゃないのが混じっていたのはライは見るたびに落ち込んだ。
………恋い焦がれる六重奏も書きたいと思うのでもう少しだけお付き合いください、少し時間がかかりますがほんの少しだけ待ってください。
続きやった方が方がいいでしょうか?
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続ける
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完結でいい
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続けてヒロイン追加