インフィニット・ストラトス 黒髪と銀髪は学園に 作:ニックネームは忍者
「うぅ……」
「大丈夫か一夏?」
「い、意味がわからん……。なんでこんなややこしいのにライは理解できるんだ……」
放課後の教室で一夏は落ち込んでいた。決闘宣言の後、一夏は負けたくない為、授業に集中した……が、結局わからず放課後を迎えてしまい、何一つ学べずにいた。ライは何故一夏はわからないのか考えた。
「理解か……一夏はもしかしたら慣れた方がいいタイプなのかもしれないな。俺は前に操縦して感覚で掴んだからな」
「操縦でも、俺と対して変わらないだろ? あぁ~わからん!」
「俺の説明が悪かったのかな? ……ハイパーセンサーも実際にIS操縦で理解したものなんだけどな」
ライは一度の操縦で感覚を掴んだものだ。操縦した感覚と筆記が頭に思い浮かんでライは学んでいたが一夏は落ち込む一方だった。
「あぁ、織斑くん、ライくん。まだ教室にいたのね。よかった」
「山田先生? どうかしましたか?」
「えっとですね、寮の部屋が決まりました」
二人の所に真耶が来て、渡されたのは二つの鍵だった。入学前の話では寮で住む話ではなかったのだ。
「俺の部屋、決まってないじゃなかったですか? 話だと、一週間は自宅から通学してもらうって話でしたけど」
「そうなんですけど、事情が事情なので一時的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです」
無理矢理部屋を決めるのはどうなのかと思ったが、二人の番号が違っていた。
「部屋割りはわかりましたけど……部屋の番号が俺と一夏違いますね? 一緒にすれば一件落着じゃないですか?」
「そうなんですけど……二人は中学時代でも同じ家で生活して、この機会に別々の生活もライくんの為になるって判断が来たみたいです」
「判断? ……まぁ、わかりました」
判断の言葉に何となく違和感が出たが、二人は承諾した。
「そう言えば荷物ってどうなっているんですか? 家に置いたままですけど」
「あ、いえ、荷物なら―――」
「私が手配をしておいたやった。ありがたく思え」
千冬が現れた。どうやら手筈は千冬がやってくれたようだった。
「ど、どうもありがとうございます」
「ありがとうございます織斑先生」
「まあ、、先生必需品だけだがな。着替えと、携帯電話の充電器があればいいだろう」
半分強引なやり方で二人は寮で過ごすことになったのだ。
――――――――――――――――――
「えーと、ここか。1025室だな」
「一夏の部屋はここか……俺はもう少し、奥だな」
一夏の部屋はここだがライはもう少し奥の部屋だった。
「そうか、奥か………また、明日なライ」
「おう、またな一夏」
ライは一言言って、奥へ行った。一夏は部屋へと入って見渡した。
目に入ったのは大きめのベットが二つ。ビジネスホテルよりいい代物。まさに格が違う学校だったのだ。
「誰かいるのか?」
一夏の後ろの出入口近くの扉から声が聞こえた。
「ああ、同室になった者か。これから一年よろしく頼むぞ」
その部屋は間違いなくシャワー室…………一夏は物凄く嫌な予感がしたが、もう手遅れ。
「こんな格好ですまないな。シャワーを使っていた。私は篠ノ之―――」
「―――箒」
脱衣室から現れたのはバスタオル一枚身につけた箒だった。
「「……………………」」
二人はお互い見つめてした。そして改めて確認した。
「い、いちか……なのか?」
「あ、おう……ほうき」
確認して一夏は箒の姿に見とれていた。
「っ……!? み、見るな!」
「わ、悪い!」
「な、なぜ、お前が、ここに、いる……?」
「いや、俺もこの部屋なんだけど―――」
一夏は箒の姿に目線をそらして説明をしたが、突然箒は壁にかけていた木刀を取ると、一夏に間合いを積めて来た。
「うおおっ!?」
一夏はドアへ目指して外に出る。脱出し安心するが木刀で扉越しに何度も突き刺してきた。一夏は反射神経で避けたが最後の一撃は顔の真横、もはや頬を掠める距離だった。
「って、本気で殺す気か! 今のかわさなかったら死んでるぞ!」
「……なになに?」
「あっ、織斑くんだ」
「えー、あそこって織斑くんの部屋なんだ! いい情報ゲット~」
なにやら突然女子達がぞろぞろとやって来た。しかもかなりの薄着で年頃の男子には色々と刺激が強すぎる。一夏には効果抜群だ。
「ほ、箒さん! 開けてくださいお願いします! たいへん不味い状況なのです箒さん!!」
「…………」
箒からの返事が無く、どんどん女子が集まってきた。
「ま、不味い!」
すると一夏はこの場を離れるべく、離れていった。
――――――――――――――――――
「…………流石IS学園……何もかも凄いな」
ライは部屋の中を見渡して素直に思った。部屋に入る前はノックをして、誰か居ないのを確認して扉を開ける。一応シャワー室もノックして、中を確認。そしてベットを見渡す。
誰もいない事を確認して、疲れてライはベットに仰向けになって呟いたのだった。
「ルームメイトはいない……当然か」
ライは記憶喪失……モンド・グロッソで千冬が一夏を救出中に発見され、保護された。 千冬はドイツで一年間の教官を勤めている間、ライの病室を訪ねていた。
ライの身柄は一切の不明だった……。
本人も言葉は話せるが、何処か途方にくれていた。そして一年間勤めた後、日本へ帰還する時、最後の訪問した時に言った。
『私の所で住まないか? ライ』
ライはこの時驚いたのだ。一年間、表情に変化がなかったライだったがこの言葉には驚いた。勿論丁寧に断った。何一つわからなかった自分を引き取ってくれるのはライにはとても申し訳なかったのだ。
けど、千冬は引き下がらなかった。今、思い出すと不思議な事だが千冬が頭を下げてもう一度お願いしてきた。この時のライもこれで本人も安心出来るなら構わないと思った。日本に行っても、そこから一人立ちすれば問題は無いと思った。
日本に行き、一夏と出会って、ライはとても気まずい気持ちだったが、一夏はすんなり受け入れた。千冬が連れてきたから信頼があったかも知れないと思った。
中学三年生の一年間、共に過ごしてバイトして……少しずつではあったが感情が生まれていった。
「…………流石に女子と隣になったら、騒がれるだろうな」
ふとライは一瞬笑ったが、直ぐに表情を戻した。
「(千冬さんがIS学園の教師だったとは……まぁISの教師に最適な人だよな。いろんな人が居るんだな……教師や二年生、三年生………………? そう言えばこの学園の生徒会長見てないな……確か名前が更――――)」
ダンッ! ダンッ!
「ライ!! 俺だ! 一夏だ!! 頼む! 中に入れてくれッ!」
「………………??」
突然部屋の扉から一夏の必死の声にライは何事だと感じたのだった。
・・・
コンッ! コンッ!
「ライですが篠ノ之さん居ますか? 一夏が部屋に入れなくて困っています。まず一夏の話を聞いてください」
「…………どうぞ」
「ありがとうございます。ほら一夏も」
「お、おう」
「…………」
ライに事情を話した一夏はライを引き連れて箒の部屋を尋ねた。少しして、部屋に入れてくれた。箒の服装は寝間着の服装だった。
「お前が私の同居人だと言うのか?」
「お、おう。そうらしいぞ」
「(俺、邪魔かな?)」
ライも入ったが、気まずい空気に変わった。
「ど、どういうつもりだ」
「へ?」
「どういうつもりだと聞いているっ! 男女十七歳にて同衾せず! 常識だ!」
「(自分に厳しい人なんだな)」
一夏の話を聞いていたが予想よりも厳しい人だっだ。
「お、お……」
「お?」
「お前から、希望したのか……? 私の部屋にしろと……」
「そんな馬鹿な」
シュッ!
「あ、あぶねえっ!」
「ば、馬鹿だと……そうかそうか……」
箒は木刀で一撃を与えたが一夏は真剣白刃取りで防御していた。
「(俺が観てたロボットアニメの白刃取りを思い出すな。こう―――白刃取りだとォォ!? ……みたいな)……篠ノ之さん、扉を見てください」
「?」
「わあ……篠ノ之さん、大たーん」
「抜け駆けしちゃダメだよー」
「織斑くん総受けって言うのも良いわね……」
扉からは他の女子生徒が二人の姿をとらえていた。
「なっ、ななっ……!?」
見られたことに、箒は飛び退く。
「あれー? 終わっちゃったー」
「いい感じだったのにねー」
「このあとは明日また教えるから、今日はこの辺でね」
ライは女子達に言って扉を閉めた。そして二人の方を見る。
「さてと……後は二人でゆっくり話してね。シャワー時間とか、まぁ~色々と……俺はこの辺で失礼するよ」
「ま、待て!」
「篠ノ之さん? どうした?」
ライは役目を終えさせて部屋から出ようとしたが箒に呼び止められた。
「その……箒でいい。今日はすまなかった……」
「気にしなくていいよ。久しぶりの再会にゆっくり話してね。おやすみ」
ライは手を降って、部屋から出た。
…………ちなみにライが部屋に向かって歩いている最中に竹刀で何かを叩かれた音が聴こえたが、気のせいだと判断したのは言うまでもない。
――――――――――――――――――
「なあ……」
「……………………」
「なあって、いつまで怒ってるんだよ」
「……怒ってなどいない」
「顔が不機嫌じゃん」
「生まれつきだ」
「(昨日の叩かれた音は気のせいじゃなかったんだな)」
入学式の翌日の朝、一年生寮の食堂で朝食をとっているのだが、箒はなにやら不機嫌だった。
「ねえねえ、彼が噂の男子だって~」
「なんでも千冬お姉様の弟らしいわよ」
「えー、姉弟揃ってIS操縦者かぁ。やっぱり強いのかな?」
周りの女子も男子の話で持ちきりになっていた。
「でも、もう一人の男子って何者なの?」
「う~ん、それがわからないのよね……全くの不明なの」
「そうなの!? でもそこがまた魅力ね!」
「…………」
ライの話でも女子は賑わっていた。
「だから箒―――」
「な、名前で呼ぶなっ」
「昨日はライに名前で呼んでいいと言ったのにか」
「…………」
箒の不機嫌をどうしようかと考えていたライだったが三人の食事に他の女子がやって来た。
「お、織斑くん、ライくん、隣いいかな?」
「あぁ、別にいいけど」
「俺は構わないよ、どうぞ」
三人の女子は安堵のため息を漏らし、後ろの女子は何からガッツポーズと喜んでいた。
「ああ~っ、私も早く声かけておけばよかった……」
「まだ、まだ二日目だよ。大丈夫、まだ焦る段階じゃないわ」
「昨日のうちに部屋に押しかけた子もいるって話だよー」
「何ですって!?」
女子達は盛り上がっていたが、このあと千冬の声が食堂に響き、迅速な食事に変わった。
――――――――――――――――――
「箒」
「…………」
「篠ノ之さん、飯食いに行こうぜ」
お昼になっても箒は不機嫌だった。一夏の件もそうだが、前の授業の時、箒の姉の篠ノ之束……ISの産みの親であるが現在は行方不明……世界各国が行方を探している。
姉の事で周りの女子は話題になったが、箒は「あの人は関係ない!」と、突然の大声で静かになったが千冬が授業に戻し、落ち着かせた。
「他の誰か一緒に行かない?」
「はいはいはいっ!」
「行くよー。ちょっと待ってー」
「お弁当作ってきてるけど行きます!」
「……私は、いい」
「まぁ、そう言うな。ほら! 立て立て。行くぞ」
どうしても行かない箒に一夏は箒を立たせて、一緒に歩く。
「お、おいっ! 私は行かないと―――う、腕を組むなっ!」
「なんだよ歩きたくないのか? おんぶしてやろうか?」
「なっ……! は、離せっ!」
そんなやり取りをしながら、一夏と箒は食堂に向かった。
「……君達はどうする?」
「え、えーと……」
「私たちやっぱり……」
「え、遠慮しておくね……」
クラスメイトの女子達は蜘蛛の子を散らすように退散していった。
「何だか悪いことしたかな? ……俺も食堂に向かうか」
ライも少し遅れて食堂に向かうのだった。
―――――――――――――――――
「どういうことだ」
「いや、どういうことって言われても……」
時間は放課後、場所は剣道場。一夏と箒は手合わせして数十分……一方的に負けていた一夏は箒に怒られていた。ライは少し離れた所から様子を見ていた。
「(食堂の時、箒にISについてお願いされたがあれだけ拒否していたのに上級生が出てきた途端、教える時は驚いたが……何故道場なのかは突っ込まないでおこう)」
「どうしてここまで弱くなっている!?」
「受験勉強してたから、かな?」
「……中学では何部に所属ていた?」
「帰宅部。三年連続皆勤賞だ」
一夏は少しでも生活費を稼ぐためにバイトをしていた。ライももちろんバイトをしていたが一週間分のティッシュ配りが一日で終わった。(配る筈が一つの行列が出来て全て配り、一週間分のバイト料が一日で渡された)
一日だけレストランのカウンタースタッフをやったがどうしてか物凄い客が来て、レストランのバイトは忙しいと感じた。
…………結局、どれも長続きしないバイトをやって来たライだったのだ。
「―――なおす」
「はい?」
「鍛え直す! IS以前の問題だ! これから毎日放課後三時間、私が稽古を付けてやる!」
「え? それはちょっと長いような―――ていうかISのことをだな」
「情けない。ISを使うにらまだしも、剣道で男が女に負けるなど……悔しくないのか、一夏!」
「そりゃ、まあ……格好悪いと思うけど」
「格好? 格好を気にすることができる立場か! それとも、なんだ。やはりこうして女子に囲まれるのが楽しいのか?」
「楽しいわけあるか! 動物扱いじゃねえか! その上、女子と同居までさせられてるんだぞ! ライもそう思うよな! 何ご悲しくてこんな―――」
「わ、私と暮らすのが不服だというのかっ!」
バシーン!
箒は一夏に竹刀を降り下ろすが間一髪、一夏の竹刀で受け止める。
「……話の方向が少し混乱してきたぞ」
「ほ、箒……頼むから、俺はまだ死にたくない! 今度なんかおごるから」
「……篠ノ乃さん、俺からも頼む。一夏も必死だから勘弁してください」
「…………」
二人の言葉に竹刀の構えを解くと、一夏に軽蔑した眼差しで更衣室に行く。
「一夏、箒も必死に教えいるんだと思う……だから頑張れ」
「ライ…………トレーニング、再開するか」
一夏は立ち上がり、素振りを始めた。ライも見届けて道場から出ていった。
「……俺も何とかするか。第一目標、アリーナで練習予約。第二目標、練習相手…………どこぞの大気圏突入の言い方だけど急ごう」
ライは少し早足でアリーナに向かうのだった。
――――――――――――――――――
「―――なあ、箒」
「なんだ、一夏」
あれから一週間……一夏とライがセシリアとの決闘の日…………一夏の練習が今日発揮される日だが一夏の様子はどうしてか不安があった。
「気のせいかもしれないんだが……」
「そうか。気のせいだろう」
まだ何が気のせいなのか言ってもいないのに箒は気のせいだと言う。
「ISのこと教えてくれる話はどうなったんだ?」
「…………」
一週間、剣道はしていたがISの事は何も教えてくれなかった。箒は目線をそらす
。「目をそらすな」
「し、仕方ないだろう。お前のISも届けなかったのだから」
「まあ、そうだけど―――じゃない! 知識とか基礎的なこととか、あっただろう!」
「…………」
「目をそらすなっ!」
結果的に一夏と箒はずっと剣道をしていたのだった。一夏のISも届くこともなく、今日をむかえたのだから。
「…………」
「…………」
一夏と箒は黙ってしまった。
「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」
「山田先生、どうしたのですか? 先ずは落ち着いて深呼吸してください」
「は、はいっ。す~は~す~は~」
真耶は何やら走ってきた。息が乱れていた為、ライが深呼吸をさせて落ち着いてきた。
「それで山田先生、一夏に何か伝えるこことがあると思いますが」
「あ、そうでしたね。遂に来ましたよ、織斑くんの専用IS!」
真耶がそう言うとピット搬入口が開く。扉はゆっくりと開き、やがて姿が現れた。
「白い―――――IS……」
「はいっ……これが織斑くんの専用IS『白式』です!」
ライの言葉の通りに搬入口から現れたのは白いIS『白式』……飾り気のない、真っ白。純白に纏ったISが主を待つかのように待機していた。
「これが……」
「織斑、すぐに準備だ。時間も限られているからぶっつけ本番でものにしろ」
「千冬姉……」
パァンッ!
「織斑先生と呼べ……それよりもさっさと装着しろ。フォーマットとフィッティングは実戦でやれ。出来なければ即敗けだ……わかったな」
千冬に言われ、一夏は装着していく。
「(まるで人と機械が繋がっていくように見えるな)」
ISは機械と同じように操縦席へ座っていくがISの操縦席は機械と一心同体に言っていいほどの操縦席なのだ。
「ISのハイパーセンサーは問題なく動いているな。一夏、気分は悪くないか?」
「大丈夫、千冬姉。いける」
「そうか」
「…………」
千冬は特に何事もないように言ったが、ライから見たら何処かほっとしたような声だった。
「(やっぱり家族は大事にしているだな千冬さんは…………当然だよな―――?)」
ライがそ思っていると一夏と箒が何か会話していた。
「箒」
「な、なんだ?」
「行ってくる」
「あ、あぁ……勝ってこい」
「あぁ! ……ライも見ていてくれよな」
「ちゃんと見てるぜ一夏……負けるなよ」
ライは右手を拳にして親指を立てる。一夏も返して、ピット・ゲートに進む。そして一夏はアリーナへと飛び立つ。一夏が飛び立った後、千冬はライに話し掛ける。
「ライ、お前のセシリア戦は無しだ」
「無しですか……俺は専用機がないからですか?」
予定では一夏の後にライがセシリアと対戦予定だったのだが無しになった。ライから見たら専用機無しでは不利だと思ったのだ。
「いや、別の対戦相手に変更だ」
「そうですか。その相手は―――」
「相手は終了後に教えてやる。今は二人の対戦を観るのが先だ」
千冬はモニター室に歩いていった。ライはもう一度ピット・ゲートを見る。
「(フォーマットとフィッティングが早く出来れば勝機はあるが遅ければ―――)」
ライは心の中で呟いて、モニター室へ行った。
「よくもまあ、持ち上げてくれたものだ。それでこの結果か、大馬鹿者」
「……はい」
一夏とセシリアとの決闘は一夏の敗北……セシリアに止めを刺されたのではなく、一夏のエネルギー切れが敗退に成った。
「織斑先生、確かに一夏は負けましたがそれでも努力はしたと思います」
「ライ……」
一夏は負けだが、それでも一夏の有利へと勝負になっていた。エネルギーが残っていたら一夏は勝利になっていたのかも知れなかった。
「けど一夏、武器の特性を考えないで使うとさっきみたいにまたなるぞ。今回で多分身についたと思うけど、明日からは毎日訓練だね」
「…………」
ライの的確なダメ出しに一夏は頷く。ライはこう言うのは得意な正確なのだ。
「えっと、ISは今待機状態になってますけど、織斑くんが呼び出さばすぐに展開できます。ただし、規則があるのでちゃんと読んでおいてくださいね。はい、これ」
「う…………」
真耶が説明しているのは一夏のISの待機状態は腕につけてある白いガントレット……そしてルールブックがドサドサと…………ゲームの攻略本以上にある。
「何しても今日はこれでおしまいだ。帰って休め」
「帰るぞ一夏」
「ちょ! 待てよ箒!」
一夏は先に歩いている箒を追いかける。ライも追いかけようとするが―――
「ライ、ちょっといいか?」
「はい、何ですか織斑先生」
「実は―――――」
――――――――――――――――――
「…………」
「な、何だよ?」
帰り道の中庭で箒は一夏を見ていた。
「その、何だ……負けて悔しいか?」
「そりゃ、悔しいさ」
「そ、そうか。それなら、いい……」
箒はそれだけ言って、黙ってしまう。何やら言いたい口ぶりだった。
「(素直に言えばいいのにな……仕方ない)結局一夏にISを教えるのは箒で決まりだな」
「え? そうなのか箒?」
そんな様子を見たライは背中を押した。箒はほんの少し明るくなった。
「む、無理にとは言わないぞ! ……ライの方がいいじゃないのか?」
「まあ、箒がイヤだって言うのならライに――」
「い、イヤとは言ってない!」
突然の大声で叫ぶ箒。一夏は一体どっちなんだと言う顔になった。
「そ、その……コホン。い、一夏は私に教えて欲しいのだな?」
「そうだな」
「そ、そうか……。そうかそうか。なるほどな。ふふっ、仕方ないな」
嬉しそうに微笑んだ箒をライは見逃さなかった。
「よし、ではこの私が教えてやろう。特別にな」
「(これでいいかな? せっかくの幼馴染みなんだから話したいよな…………やっぱり俺は邪魔かな?)」
二人の会話を見て、ライは邪魔物かなと考えた。
「では、明日からは放課後は空けておくのだぞ。いいな」
「おう! …………ところでライ、明日はお前の対戦相手は誰なんだ?」
「そうだな、確かに誰なんだ?」
「ん?」
予定では一夏の次にライがセシリアと対戦であった。セシリアからは二連戦余裕だったらしい。だが、千冬から変更が出たのだ。もうライは誰が対戦相手かは知っていた。
「そういえば誰も知らないよな。俺の対戦相手は―――――
―――――“IA”だ」
……明日はISとIAの模擬戦になったのだった。
――――――――――――――――――
サァァァァァ……
シャワーノズルからお湯が吹き出す。セシリアはシャワーを浴びていた。
「あの後、ライと決闘する筈がIAと模擬戦の成績で選ばれる…………そんなことよりわたくしは…………
……織斑一夏――」
セシリアは一夏の名を口にする。
普段のセシリアならライとの決闘は自分にあると抗議をするはずだが、今は決闘せずにすんだ事に安心していた。
何故なら今の状態で戦っていたら集中できないからだった。一夏との出来事で頭が一杯だったのだ。
「織斑一夏…………この気持ちは一体―――――」
セシリアはもう一度、一夏の名を口にしたのだった……。
続きやった方が方がいいでしょうか?
-
続ける
-
完結でいい
-
続けてヒロイン追加