インフィニット・ストラトス 黒髪と銀髪は学園に   作:ニックネームは忍者

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第四章 セカンド幼馴染みとクラス代表戦

 

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実施してもらう。織斑、ライ、オルコット。試しに飛んでみせろ」

 

 

IS学園のグラウンド……一組は千冬と真耶から実技を学ぶ。ライは打鉄を仮専用機として、腕輪をつけていた。

 

「わかりました」

「了解」

「来い! 白式! ……あれ?」

 

 

セシリアは返事をすると直ぐに展開。ライもほぼ同じに展開。一夏だけは呼んだつもりだが、反応がなかった。

 

 

「(早いな)……早くしろ織斑。熟練したIS操縦者は展開まで一秒とかからないぞ」

 

 

一夏はせかされ、数秒後、ISを展開。

 

「よし、飛べ」

 

 

言われて、ライとセシリアは急上昇した。行動はライが早かったが、性能の違いにセシリアの方がライを追い越し、遥か頭上で静止する。一夏も遅れて上昇するが、ライを追い越すことが出来なかった。

 

「なにを遊んでいる。スペック上ではブルー・ティアーズよりは上、打鉄を追い越せないとはどういうことだ」

 

 

「そうは言われてもなぁ。大体、空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだよ。なんで浮いてるんだよ、これ? ……ライはどうして上手く飛べるんだ?」

 

「……う~ん、飛翔かな? 鳥のように翼を広げて、バランスを保つイメージかな 」

 

「何だか、ライが鳥になったように説明されてる気がする」

「イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索した方が、建設的でしてよ」

「イメージ……俺はどうもそのイメージがな~」

 

ライとセシリアはイメージが大事と言うが、飛行のイメージは一夏には少しハードルが高い様子だった。セシリアは顔を少し赤くしながら、小声で言う。

 

「あの、よろしければまた放課後に指導してさしあげますわよ。そのときはふたりきりで―――」

「一夏っ! いつまでそんなところにいる! 早く降りてこい!」

 

一夏の通信回線から怒鳴り声が響いた。その声は周りにも響き、ライにも聴こえた。

 

「(山田先生からインカムを奪ってまで……先生がおたおたしてるよ)」

 

ISのハイパーセンサーで地上の方を見ていたライはまるで生徒のインカムを先生が取ってるように見える。

 

「ふむ…………織斑、ライ、オルコットは急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ」

 

「(急降下に完全停止……地表から―――)わかりました、やってみます」

 

千冬の指示を受けたライは一夏とセシリアよりも早く、地表へと急降下していった。

 

 

 

 

ライは頭を地上に向けて、急降下。このまま進んだら頭に激突するが、ライは地上へとぶつかる寸前に身体を前回転するかのように回り、足を下へ……

 

 

 

……すると、地表十センチのところで停止した。

 

「(少し遅かったかな)……? どうかしましたか?」

 

ライが周りを見ると、クラスメイトと山田先生は驚いた顔をしてるが、千冬は無表情であった。

 

 

 

……急降下と地表十センチの着陸……それなりの経験が有れば可能だが、素人には出来るか出来ないかのレベル……周りも驚く事なのだ。

 

「ライさん……お上手ですわね」

「そうなのか?」

 

ライが降りて、数秒後セシリアが降りてきた。ライは周りから見たら上手に見えたようだ。

 

 

「おい織斑。二人は降りてきたぞ、早く降りてこい!」

 

 

「二人とも凄いな……よし俺も!」

 

 

千冬の言葉に一夏も急降下するが……

 

 

ギュンッ!―――――

 

 

 

 

「(かなりの速度だな一夏、でもこのままだと―――)」

 

 

 

ズドォォォンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――敵からの攻撃じゃなくて安心……と、言ったら一夏に失礼かな」

 

 

・・・

 

 

「馬鹿者……誰が地上に激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする」

 

「…………すみません」

 

一夏がグラウンドに激突し、一つのクレーターと言って良いほどの穴が出来た。勿論一夏は無事。

 

「情けないぞ、一夏。昨日私が教えてやっただろう」

 

腕を組み箒が一夏を叱っていた。

 

 

 

 

……一応、箒が教えたらしいが、どんな教え方だったんだろうとライは考えた。

 

「大丈夫か一夏? IS装備だから何もないと思うが、平気か?」

「ライ? あぁ、大丈夫。それにしても派手にぶつかったな」

 

 

ライが側に来て、一夏に手を伸ばす。一夏も手を掴み、身体を起こす。そんな時、もう一人側に来た。

 

「大丈夫ですか、一夏さん? お怪我はなくて?」

 

現れたのはセシリアだ。急降下前の時もそうだったが、普通に会話をして一夏を心配していた。

 

「あ、あぁ。大丈夫だけど――って、一夏さん!?」

「そう。それは何やりですわ。でも、一応保健室で診てもらった方がいいですわね。よければわたくしが御一緒に行きませんか?」

 

「(IAの模擬戦から違和感が出たが……いいことなのだが、こっちがな)」

 

どうしてか楽しそうに微笑むセシリア。そんな会話を箒は不機嫌になっていた。

 

「ライも言っていたが、ISを装備していて怪我などするわけないだろう」

「あら? 篠ノ之さん。他人を気遣うのは当然のこと。それがISを装備していても、ですわ。常識でしてよ?」

 

セシリアは当然の様に言う。まるでこの前の行いが嘘のようだ。

 

 

 

「お前が言うか。この猫かぶりめ」

「鬼の皮をかぶっているよりマシですわ」

 

箒とセシリアはお互いにらみ合っていた。これが漫画なら、火花を出している光景だ。一夏はなぜ二人がこんなに険悪なのか不思議に見ている。

 

「(一夏は人気者だな)二人とも、仲がいいのはいいがそのくらいにね」

 

「誰が――」

「わたくしは――」

 

二人はライに否定の答えを出そうとしたが、途中で止まる。ライの隣の人物を見ていた。

 

 

「……邪魔だ、端っこでやっていろ」

 

 

・・・

 

 

このあとも、武装の展開やら色々と基礎を学び、授業も進んだが千冬が最後に一夏に言った言葉。

 

「時間だな。今日の授業はここまでだ。織斑、グラウンドを片付けおけよ」

 

「…………」

 

そして一夏は目の前が真っ暗な状態なった……。

 

 

「俺も手伝うから元気出せよ(食堂の準備もあるしな)」

 

 

 

 

 

……二人でグラウンドを綺麗に戻した……戻したのはいいが、余りに綺麗にしすぎて、グラウンドが一ヶ所だけ違和感が生まれたのは言うまでもない……。

 

 

・・・

 

 

 

「織斑くん、クラス代表決定おめでとうーー!!」

「「おめでとう!!」」

 

「…………」

 

クラス代表決定戦から翌日の夜……学園の食堂でクラス代表の一夏に生徒全員が祝っていた。

 

「……何で俺がクラス代表なんだよ?」

 

決闘に負けたのは一夏……敗者が代表に選ばれるのは当然の様に疑問になるもの。

 

「それは、わたくしが辞退したからですわ。確かに勝負はあなたの負けでしたが、しかしそれは考えてみれば当然のこと。何せわたくしが相手だったのですから」

「う……」

 

負けた一夏が代表に選ばれた事に理解していなく、理由を求めると、セシリアが辞退したと答える。

 

「それに、わたくしも大人げない事もいたしまして、一夏さんに代表を譲る事にしました」

 

「いや~セシリアわかってるね」

「そうだよね、せっかく男子が居るんだから持ち上げないとね~」

 

同じクラスの女子からも賛成の意見が多かった。

 

「セシリアが辞退したのはわかったが、何で俺? ライもいるじゃないか?」

「一夏……この前の織斑先生が俺に言った言葉覚えてる?」

 

IAとの模擬戦ではライの実力を発揮したが、織斑先生との手打ちの事があり、ライには“選ばれていない”事になった。

 

「あぁ、そうだったな……気が重くなるぜ」

「…………」

 

一夏はため息を出す。ライは一夏の隣の人を見る。そしてライは察したのだ。

 

「俺との話よりも箒と会話したら」

「?」

 

一夏はライの言うとおりに箒の方に向く。箒はストローで飲物を飲んでいた。

 

「……人気者だな、一夏」

「これを見て、そう思うか?」

「……ふんっ!」

「何でそんなに機嫌悪いんだよ?」

 

箒は不機嫌そうに鼻を鳴らすとそっぽを向く。

 

「(不機嫌になる理由を考えた方がいいな一夏には……ん?)」

 

 

二人の様子を見ながらライは一夏の向かいからカメラが見えたのだ。

 

「はいはーい、新聞部でーす。あ~セシリアちゃんも一緒に写真いいかな?」

 

現れたのは新聞部、 二年の黛薫子 ……今回の代表の記事の写真だろうと、ライは考えた。

 

 

「え!? 二人で、ですの?」

「…………」

 

セシリアは頬を赤くしながら嬉しそうに答える。箒は頬を膨らまして、ムッとする。

 

「注目の専用機持ちかだからね~、あ! 握手してもらっていいかな?」

「そうですか! あの、撮った写真は当然頂けますわよね?」

「それはもちろん! じゃあ立って立って!」

 

薫子が言うと二人は立ち上がる。そして握手をして、カメラを構える。二人は側によった状態になる。箒は更にムッとする表情が強くなる。

 

「それじゃあ撮るよ~は~い」

 

カシャッ……

 

 

 

……綺麗に複数の写真になりました。

 

 

 

「何故全員入ってますの!!」

 

「まぁまぁまぁ」

「セシリアだけに抜け駆けはダメでしょ」

 

写真にはツーショットから男子生徒一人と女子生徒が複数に変わった。セシリアは大声で叫ぶ。女子達も恐らく、写真が欲しかったのだろう。

 

クラスの言葉にセシリアは頬を膨らませる。一夏は笑って、箒は目を閉じて、無表情。

 

 

「さてと……あれ? もう一人の男子は?」

「ん? さっきまで居たのに……? 置き手紙?」

 

一夏はライが居ないことにキョロキョロしていると、テーブルの上に一枚のメモが置いてあった。

 

内容は“カメラは苦手で失礼する”と、書いてあった。

 

「そう言えば、写真には苦手なんだよな。いつ離れたんだ?」

「そうなの? 残念……せめてインタビューだけでも良かったのに……次にしますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カメラはどうもな……そう言えば、夕方からだったか二組の方が騒がしかったが何かあったのか……明日にはわかるかよな……今日は休も」

 

ライは先に部屋に戻って、休むことにした。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

次の日の朝、教室では代表戦の話題になる。

「もうすぐクラス代表だね~」

「思い出した、二組のクラス代表が変更になったって聞いてる?」

「あ~なんとかって、転校生に代わったのよね?」

 

 

転校生の言葉に一夏は反応する。

 

「転校生? 今の時期に?」

 

「(転校生、二組、クラス代表…………まさかな)」

 

 

 

ライはふと昨日の記憶と今の会話で一つの考えが出来たのだった。

 

「うん、中国から来たみたいだよ」

「ふーん」

 

「中国か……(確か中国代表候補生は―――)」

 

 

「ふん! わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら」

「どんな奴なんだろ? 強いのかな?」

 

ライは名前を思い出していると、セシリアは恐れが無いように言ったが、一夏は気にせず本題に戻った。

 

「今の所専用機もっているの一組と四組だけだから、余裕だよ」

 

「その情報、古いよ」

「「??」」

 

教室の入り口から声が聞こえてきた、一夏達はその声の方に視線が向く。

 

 

 

声の方を向くと、髪をツインテールにした小柄の少女が扉の入り口の真ん中に立っていた。

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

 

 

ツインテールの子は誰なんだろうと思っていると、一夏だけは見覚えがあった。

 

「鈴?……おまえ、鈴……?鈴なのか?」

「そうよ。中国代表候補生、鳳鈴音(ファン・リンイン)。今日は宣戦布告に来たってわけ」

 

鈴音は一夏に指を指しながら言う。カリスマ性を高くした言い方をして、周りが静かになる。

 

「(そうだった、名前だけは見覚えがあったな……確か一夏から話は聴いていたが……少し食い違いがあるな)」

 

ライは鈴と初めて会う。一夏から話は聴いていた。無表情だったライを明るくするため、一夏は自分の事を話していた。

 

 

 

……だが、話を聞いていたイメージとは違っていた。

 

「鈴……

 

 

 

なにカッコつけてんだ。すげえ似合わないぞ」

「んなっ!? なんて事言うのよ、あんたは!」

 

鈴は怒りの顔になった。先ほどのクール性は何処に行ったのだろうか。

 

 

 

「(なるほど、こっちが素なのか……これで納得だ……それよりも後ろを振り向いた方が懸命だぞ、既に攻撃が開始され、回避は不可能―――)」

 

―――!

 

「ッ!! 何すん―――」

 

 

鈴の後ろから拳が降ってきた。現れたのは千冬。千冬の右拳が鈴の頭を叩いたのだ。

 

「……もうSHRの時間だぞ」

 

「ち、千冬さん……」

「織斑先生と呼べ、さっさと教室に戻れ、邪魔だ」

「す、すいません」

 

千冬が現れ、鈴は退く、鈴音は一夏を向きながら一言言う。

 

「また来るからね!逃げないでよ、一夏!」

「……あいつが代表候補生?」

 

 

「(この様子だと、初めて知った様子か……連絡もなければわからないものなのかな?)」

 

 

 

――――――――――――――――――

 

「それにしても久しぶりだな。一年ぶりだな、元気にしてたか?」

「げ、元気にしてたわよ。アンタこそ、たまには怪我病気しなさいよ!」

「どういう希望だよ、そりゃ……」

 

食堂で、トレーを持ちながら二人はそんな会話をする。一つの席は一夏と鈴。隣の席はライと複数の女子。

 

「鈴、いつ日本に帰ってきたんだ? おばさん元気か? いつ代表候補生になったんだ?」

「質問ばっかしないでよ。アンタこそ、なにIS使ってるのよ。ニュースで見たときはびっくりしたじゃない、なんで作動させたの?」

 

食事をしながら質問をする。遠くから見たら二人はいい雰囲気に見える……二人の会話はまだ続く。

 

「作動させたと言うか……高校入試の試験会場が市立の多目的ホールだったんだよ。それで迷って……一つの部屋に入ったら、ISが置いてあって、手で触れたら作動した……で、色々あって、このIS学園に入試させられた訳」

「へぇ~アンタも色々あったんだね」

 

確かに一夏は試験部屋がわからなくなり、迷子になった。そして、ISを作動させた唯一の男の一人目であった。

 

「(でも、あの後……入試試験の日、ライもISを作動させたのも驚いたな。俺の試験相手を壁にぶつかる直前に助け出したもんな。俺よりも余り話題にならなかったな、報道の方に何かあったのかな?)」

 

因みにこの会話を聴いている箒とセシリアは明らかに不機嫌の顔。

 

「気になるなら声をかけた方がいいぞ。この状態を維持したら二人だけの会話となるな」

「「ッ!」」

 

ライがそんなこと言うと、二人同時に一夏へと駆け寄った。

 

「一夏、そろそろどういう関係か説明してほしいのだが」

「そうですわ! 一夏さん、まさかこちらの方とつつつつ、付き合ってらっしゃるの!?」

 

二人は最も肝心な所を一夏に質問をする。セシリアの言葉に鈴は顔を赤くした。

 

「べ、べべ、別にあたしは付き合ってる訳じゃ―――」

「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ。ただの幼なじみだよ」

「…………」

 

一夏は平然と言うと、鈴は突然黙り込んだ。

 

「? 何睨んでるんだ?」

「なんでもないわよっ!」

 

「(一夏は色々と原因の根源となる事がわかったな)」

 

鈴は怒りながら言った。ライもなんとく一夏が悪いと判断をした。

 

「……それりよりも一夏は箒に話したら? 箒は知らない話だぞ」

「そういやそうだったな。実は―――」

 

一夏は箒とセシリアに話した。

 

ファーストとセカンド幼なじみ。

 

箒が引っ越した小四の終わりと小五から中二の事。

 

そしてライとの出会い……一夏の説明で理解し、箒と鈴は見えない火花を出して、そこにセシリアが加わり、鈴はセシリアに興味が無いことを示すと顔が赤くなった……一夏のISの操縦を鈴が教える話になると、二人は猛反発。

 

練習相手の話からどうしてか付き合いの長さの話に変わり、更には「毎日一緒に食事をした」話には箒とセシリアは一夏を問い詰める話になった。

 

 

 

……鈴の家がお店だから毎日食事をした話で済んだのだが……

 

 

 

「親父さん、元気にしてるか? まあ、あの人はこそ病気と無縁だよな」

「あ……うん、元気―――だと思う」

 

「…………」

 

 

この話に鈴は表情が暗くなったのはライは見逃さなかった……。

 

 

 

・・・

 

 

 

 

「ふ~今日も疲れたな」

 

 

時刻は夜―――自室でライはシャワーを浴びて、ドライヤーで髪を乾かして、冷たい炭酸飲料を飲んでいた。

 

「今日の一夏は大丈夫だったかな? まぁ、生きてはいるな……多分」

 

 

放課後はライが一夏の指導も出来たが、箒とセシリアが二人で教えることになった。(二人の無理矢理)

 

 

ライは三人もいらないと判断する。(巻き込まれるから)

 

空いている小さい整備室で“ちょっとした”練習をしていたのだ。

 

 

「コップを洗って、本でも読むか」

 

 

ライはコップを持って、流し台の前に立ち、スポンジと洗剤を取ろうとした時―――

 

 

 

ゴンッ! ゴンッ!

 

「ライ!? 居るか! 居るなら俺の部屋に来てくれ!!」

「(コップに水一杯入れて、後で洗うか。本は―――――明日だな……何だか青いロボットの立場みたいだな)どうしたの? 一夏くん?」

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

「というわけだから、部屋替わって」

「ふ、ふざけるなっ! なぜ私がそのようなことをしなくてはならなあ!?」

 

「と、言う訳何だよ」

「う~ん……」

 

 

 

時刻は八時過ぎ、場所は一夏と箒の部屋。人数は四人、一夏とライ、箒と鈴の四人。

 

「とにかく、今日からあたしもここで暮らすから」

「ふ、ふざけるなっ! 出ていけ! ここは私の部屋だ」

「『一夏の部屋』でもあるでしょ? じゃあ問題ないじゃん」

 

鈴は何やらこの部屋に居たいから箒と交代してほしい……勿論、箒は反対している状況。

 

「何とかしてくれよ~」

「う~ん、しょうがないな~」

「何か出してくれるの!?」

「こんな時は―――って、俺のポケットは四次元では無いぞ」

 

一夏一人では無理な状況になり、ライを呼んだのだった。

 

「(一番の解決策は寮の先生……千冬さんを呼ぶのは気が引けるな)」

 

 

 

ライが考えていると、鈴は一夏に話し掛ける。

 

「ところでさ、一夏。約束覚えてる?」

「む、無視するな! ええい、こうなったら力づくで……」

「あ、馬鹿―――」

 

箒は竹刀を取って、鈴の頭部へ降り下ろす。一夏も止めに入るが、間に合わない。

 

バシィンッ!

 

 

 

 

 

 

音が響いた。鈴の右腕はISの部分展開し、受け止める“筈”だった。

 

「「…………」」

 

 

箒を止めようとした一夏は唖然と立ち尽くして、竹刀を振り下ろした箒は目を大きく開いていた。部分展開をした鈴は驚いている表情……

 

 

 

 

……三人の視線は箒と鈴の間から横に入ったライを見ていた。

 

「……」

 

ライは右手を顎に当てて、考え中。左手は竹刀を鷲掴みをしていた。

 

「ラ、イ? 大丈夫か?」

 

「問題ない、多少の痛みがするがかすり傷だ。箒、これが生身の人間なら正直良くないぞ、だが鈴は代表候補生だから部分展開は可能……いらない事だったかな? でも、怪我が出来たらそれこそ問題だしな…………鈴はISを解除して、箒は竹刀を戻して」

 

「「…………」」

 

 

一夏はライを心配する。だがライは左手を気にせず、制服のポケットに手を入れて、状況を説明する。箒は竹刀を片付けて鈴はISを解除する。

 

「……話を戻すが、一夏は鈴との約束は覚えてるかな?」

「え? あー、あれか? 鈴の料理の腕が上がったら毎日酢豚を―――」

「そ、そうっ。それ!」

 

「―――おごってくれるやつか?」

「……はい?」

 

 

「…………」

 

ライも鈴が言っていた“約束”が気になって本題を戻したが一夏の発言に鈴は困惑する。ライも箒も同じだった。

 

「だから、鈴が料理出来るようになったら、俺にメシをごちそうしてくれるって、約束だろ? いや、しかし―――」

 

パァンッ!

 

 

 

「……へ?」

 

鈴は一夏の頬をひっぱたかれた。一夏はどうして叩かれたのか理解してない。

 

「最っっっ低! 女の子との約束をちゃんと覚えてないなんて、乙心の風上にも置けないヤツ! 犬に噛まれて死ね!」

 

鈴はそう言うと、床に置いてあったバックを持って、出ていった。一夏は何故叩かれた理解していなかった。

 

 

「何なんだ一体?「一夏」――― 箒? どうした?」

 

 

 

「馬に蹴られて死ね」

「え!? ライ、一体―――「問題は解決したな、俺は失礼するよ。それと一夏…………今のは恐らくお前が悪い、箒も左手は気にしないでね」…………」

 

ライは一言言って、左手を降りながら部屋に戻っていった。

 

 

 

 

一夏はしばらく、立ち尽くしたと言う……。

 

 

 

 

「(最初の時は痛みがしたが、今では何ともないかな……この程度なら、怪我しても、すぐに良くなるんだよな)」

 

 

ライはどうしてか怪我や風邪を引いても直ぐに良くなる体質だったのだ。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

そして、この日はクラス対抗戦……一夏は第一試合、対戦相手は―――

 

 

 

―――二組の鈴だった。

 

 

アリーナでは鈴のIS、第三世代、甲龍を装着し、一夏を待っていた。因みに一夏はピット・ゲートで準備完了であった。

 

「一回戦から鈴が相手とはな……」

「鈴のISは甲龍、一夏と同じ近接型。セシリアとの試合と同じだと負けるぞ一夏」

「そうです、油断しないことですわ」

 

「固くなるな、練習の時と同じようにやれば勝てる」

「あぁ……サンキューな」

 

『それでは両者、規定の位置までに移動してください』

 

このアナウンスの後、一夏は発進し、一夏と鈴は軽く、会話をして、試合が始まった。ライ達は千冬の居るモニター室へ向かった。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

一夏は何とか鈴の攻撃を防いでいたが、防戦の一方だった。そして、距離をとったが、甲龍の武装の衝撃砲をくらった。

 

「(第三世代……一夏に勝ち目が無い訳じゃ無いんだが……空間圧力の衝撃砲の威力は凄いな)」

 

 

衝撃砲をくらった一夏は地面へと激突した。まともにくらい、シールドが残り二割を切っていた。

 

「まともにくらうと恐ろしいものだな(死角が無い武装に、どうする一夏)」

 

ライもモニターを観ている限り、一夏は完全不利な状況だが、何かを考えている顔になり、何か思い付いたのか、鈴に話しかけた。

 

『鈴』

『? 何よ?』

『本気でいくからな』

『何よ! そんなの当たり前じゃない! 各の違いを見せてあげるわ!!』

 

 

 

「イグニッション・ブースト……私が教えた」

 

千冬は一夏に瞬時加速を教えていた。これは一夏にとって勝利への鍵でもあった。

 

「? イグニッション・ブースト?」

 

「……一瞬にトップスピードを出して、相手に接近する奇襲攻撃か……確かに一夏に勝ち目がありますが、出し所次第ですね」

「お前も出来るのかライ?」

 

 

「いえ、俺は“まだ”です……ですが、通用するのは一回きりですね」

 

「…………そうか」

 

そして、試合は一夏に有利な状況になる。この一撃は鈴にとって、致命傷のダメージになる筈だった。

 

「(何だ? 映像でしかわからないが、空が―――――!?)一夏! 鈴! 早くそこから離れろ!!」

『『え?』』

 

ライは真耶が座っているパソコンにアクセスし、喋るが、もう遅かった。

 

 

ズドォォォォォォンッ!!

 

 

 

アリーナの上空から遮断シールドを突破した何かが降ってきた。

 

 

 

降ってきた“何か”は起き上がった。

 

 

「試合中止! 織斑、凰! 直ちに退避せよ!」

 

 

「IS……なのか?」

 

モニターからでも何かがは映っていた。

 

 

 

 

全身深い灰色をした『全身装甲』。ISにしては腕が異常に長く、腕も異様に大きかった。巨大な腕からは出力の高いビームを放ち、頭部のセンサーレンズも不規則にいくつも装着していた。

 

「織斑くん!? だ、ダメですよ! 生徒にもしものことがあったら―――」

 

ライが謎のISを観ている間に真耶は通信しているが返事がない。一夏と鈴は何か会話しているが、脱出ではなく、戦う姿勢になっていた。

 

「もしもし!? 織斑くん聞こえますか!? 織斑くん!!」

 

ISのプライベート・チャンネルで真耶は声を出したが、もう無意味だった。二人の戦い方は鈴が相手を誘導して、一夏に一撃を与える作戦に見えた。

 

「(先生たちもISで制圧に向かっている……それはいいが問題が―――)」

 

「本人たちがやるといっているのだから、やらせてみてもいいだろう」

「お、織斑先生!? 何をのんきなことを言っているのですか!」

「落ち着け、コーヒーでも飲んで落ち着こうじゃないか」

「……あの、織斑先生、それ塩ではありませんか?」

「…………」

 

 

「(千冬さんが間違うこともあるんだ)」

「一夏……」

 

千冬は落ち着いて、コーヒーに砂糖を入れていたが、それは塩を確実に入れていた。ライは少し驚いている。そんな中、箒はモニターに映っている一夏を見詰めていた。

 

「先生! わたくしにISの使用許可を! 直ぐに出撃できます!」

「そうしたいところだが、……これを見ろ」

「遮断シールドがレベル4、扉が全てロックされて誰も入れない……あのISの仕業に見えなくはないな―――一番の問題は避難も救援にも出られない状況だな」

 

ライはモニターに書いてあるアリーナの状況を見た。アリーナに残されている生徒は全員出られない……パニックを抑えれるのも難しい状況になっている。

 

「でしたら! 緊急事態として政府に救援を―――」

「やっている。現在も三年の精鋭部隊がシステムクラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、すぐに部隊を突入させる」

 

突入部隊は整っているが、扉のロックが解除されない……凄腕のハッカーが居ても難しいセキュリティーなのだ。

 

「はぁぁ……結局、待っていることしかできないのですね……」

「何、どちらにしてもお前は突入部隊に入れないから安心しろ」

「な、なんですって!?」

 

セシリアは救援に行きたがったようだか、千冬は逆に反対していた。勿論理由もあった。

 

「お前のISは一対複数向けだ。むしろお前がいては邪魔になる」

「そんなことありませんわ! このわたくしが邪魔などと―――」

「それよりもライ……お前にはアレは何に見える?」

 

セシリアの言葉よりも、千冬はライに質問をした。ライもセシリアの言葉も気になったが、質問に答えた。

 

 

 

「……俺の勝手な憶測ですか、アレは無人機です」

「む、無人機!? ISにそんな―――あれ

?」

 

ふとセシリアが周りをキョロキョロする。そして一人いないことに気付いた。

 

「あら? 篠ノ之さんはどこへ?」

「…………」

 

ライは近くにあるキーボードに触れ、小さいモニターを見詰めた。そしてわかった。

 

「すみません織斑先生、少し離れます。セシリアもいつでも“準備”をした方がいいよ」

「あぁ、わかった」

「は、はい……」

 

ライは直ぐにモニター室から出た、そして走っている。

 

 

「(最初に見て、思ったが……動きが基本通りと言うか、機械のような動きだった…………それよりも箒はピット・ゲートに向かったな。俺もそっちに行くべきだが、どうしてか“整備室に行け”と叫んでいる)」

 

ライは整備室に急いだ。どうしてかわからないが自分でも箒の所ではなく、整備室に行けと言っていた。

 

 

 

 

 

 

「(アイツの目……普段と違う目になっていたな)」

 

千冬はライの目に違和感があった。普段見ない違う瞳に変わっていた。ライはその事に気づいていない様子に見えた。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

「男なら……男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」

「…………」

 

箒はピット・ゲートから一夏に向かって叫んでいた。応援しているように見えるが謎のISはそれが気にくわないのか、腕のビーム砲を箒に向ける。

 

 

「箒!? 鈴! やれ!!」

「わ、わかった―――ちょっ! ちょっと馬鹿! 何して―――「いいから撃て!」―――ああもうっ……! どうなっても知らないわよ!」

 

鈴の衝撃砲は一夏の背中に放った。その衝撃砲は白式のエネルギーとなり、一夏の白式は力を得た。

 

その力は謎のISに振り降ろし、右腕を切った。だが、左腕が一夏を殴り、一夏は地面にぶつかる。

 

 

一夏の目の前は左腕のビール砲が放とうとしていた。

 

「……狙いは?」

 

 

 

 

「完璧ですわ!」

 

謎のISの後ろからセシリアの狙撃に撃たれた。謎のISは倒れ、静かになる。一夏の一撃は腕を切ったのもそうだが、遮断シールドも同じように切ったのだった。

 

「ギリギリのタイミングでしたわ」

「セシリアならやれると思っていたさ」

「そ、そうですの……本当にライさんの言う通りでしたわ……まるでわかっていたような事に見えましたわ」

 

セシリアは嬉しい気持ちになるが、ここに来させたのも、ライが言ってたからだった。

 

「ライが? まぁ、何にしてもこれで終わ―――」

 

 

 

ギュイン……

 

謎のISはセシリアのライフルに撃たれて倒れたが、再び起き上がった。

 

「一夏!? まだアイツ動いてる!!」

 

残った左腕を一夏に最大出力で狙いを定めた。鈴は叫んだが一夏はためらいもなく、刃を構え飛び込んた。

 

 

その左腕は一夏を―――

 

 

 

 

 

ザンッ!

 

 

 

 

…………一夏に放たれる筈だった左腕は切り落とされていた。謎のISの後ろから何者かが現れ、謎のISに背を向けて着地した。その何者かはIS打鉄だった。

 

「…………」

 

その左腕を切り落としたのは打鉄を装着しているライだった。右手に近接ブレード『葵』を握っていた。

 

謎のISは起き上がって飛ぼうとするが、ライは振り向くこと無く刀を腰に仕舞うかのように動きを見せるが、仕舞っている方向が上に向いていた。刃の先はISの額を貫いていた。

 

「…………」

 

額から刀を抜き取り、葵を解除したらISはそのまま倒れ、ライは振り向くこと無く一夏の側に近寄った。

 

「一夏、大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫だけど……ライも大丈夫か? 何だか表情が暗いぞ」

 

ライは一夏を心配するが逆に一夏はライを心配していた。ライの表情は今でも暗くなっていたからだ。

 

「…………一夏が無茶するからだよ。流石に今のくらっていたらひとたまりもないぞ」

「そうか。悪かったよ、でもお前も無茶するなよライ」

 

そう言って一夏とライは微笑んだ。鈴とセシリアもも降りてきて、このまま箒がいるピット・ゲートに戻ろうとするが……

 

「いや~お見事お見事」

「「!?」」

 

ライ達の頭上に“ソレ”は現れた……。

 

 

続きやった方が方がいいでしょうか?

  • 続ける
  • 完結でいい
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