インフィニット・ストラトス 黒髪と銀髪は学園に 作:ニックネームは忍者
「ここだな……」
ライは一人、IS学園の美術室に入る。周りを見渡すと、先輩方が描いてきた作品がいくつもあったが机の上に古いラジカセが置いてあった。
「…………」
ライはそのラジカセに近付き、置いてある机の椅子に座って、正面から向き合う。
「さて、用件があるなら手短にな」
ライがそう言うと、ラジカセの電源が勝手についた。
『お~来てくれたんだ~嬉しいね~お話しできて嬉しいよ』
「…………No.10と呼べばいいか? 本名はわからないので」
トーナメント表を見た後、ライのケータイからメッセージが入った。その文字からは『美術室で待ってるよ。No.より』と、書いてあった。奴はどうやって、こんなラジオを置いたのかは知らないが、少なくとも他言にすれば奴は他人を巻き込むと思い、ライは一人来たのだ。
『何でもいいよ~こっちはバード君でいいかな?』
「……ご自由に」
ライはNo.10の本名が知らないが、相手は知っているいるのかわからないが、自由にさせた。
『それよりも今日は二人一組の日なんでしょう? バード君の時間は大丈夫? ちゃんとパートナーもいるの?』
「俺の対戦にはまだ時間がある。パートナーは抽選で決めた。直接挨拶しに行ったが、何故か居なくてな……最悪、開始前に打合せすれば問題ない」
ライのパートナーは抽選で今日、知った。本人にも会おうとしたが、どうしてか見つからなかった。
ライの言う通り、試合開始前に会って、パートナーのISに合わせて、打鉄がリヴァイヴすればいいと決めた。
『ほ~、何もかも想定内ですか。バード君は凄いね~もう一人とは偉い違いだよ。一回戦は大丈夫? 相手は強くない?』
「……この前より、腕が上がっている。パートナーの方も問題ない……勝機はある」
この前の戦いよりも腕は上がっている。それは確かなのだが、No.10を相手にするのにはまだ遠い道のりだった。
『そうかそうか……でも、“黒い雨”はどうして二人を敵視しているのか気にならない?』
「…………それが今と関係あるのか?」
二人の会話にどうしてラウラが入ってくるのかライには疑問を感じた。別にライに話してもそれが何かに影響するのかと、ライは感じた。
『何となくわかってるんじゃないの? バード君も関係ある事なんだからさ…………それよりも黒い雨の正体、知ってる?』
「ラウラの正体?」
『そうそう、あの娘はね―――――』
・・・
第一試合は終幕を迎えていた。
一夏の接近戦とラウラの支援がいいコンビネーションであり、ラウラと箒は全くのバラバラであった。ラウラの射撃で箒の打鉄を先頭不能にし、一夏の援護に周り、二対一の状況にした。
そして、ラウラの盾からシールド・ピアーズでラウラのシールドを削っていた。
「(私は負けられない!負けるわけにはいかない!)」
ラウラは遺伝子強化試験体……人工合成されて作られた、鉄の子宮から生まれた。
ただ戦いのためにだけ作られ、生まれ、育てられ、鍛えられた。
そのあと、ラウラは優秀であったがISの出現に世界は一変した。
ラウラも適合性強情のため行われた処置『ヴォーダン・オージェ』と呼ばれる肉眼へのナノマシンの移植をする。
移植の後、ラウラの左目は金色へと変質、身体は適合しきれず、トップの座を転落……そして、『出来損ない』の烙印だった。
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……そんなとき、ラウラは出会った……織斑千冬と……。
千冬の指導の後、ラウラはIS部隊でトップの座を手に入れた。
「どうしてそこまで強いのですか? どうすれば強くなれますか?」
「私には弟がいる」
「――――――」
千冬はその時、微笑んでいた。だが、ラウラは驚いていた。
「(違う……どうしてそんなに優しい顔をするのですか……私か憧れるあなたは強く、凛々しく、堂々としているのに……だから許せない……教官にそんな顔にさせる存在を……認めない!)」
「それに……いや、何でもない」
「…………」
千冬はもう一つ、ドイツのとある病院のを何度も訪れている。情報によると、病室からは千冬しか声がしないが、誰かに話し掛けていた。
ラウラは更に調べた結果、モンゾ・グロッソの時に織斑一夏ともう一人、千冬によって救助された“存在”を。
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「(教官の弟もそうだが、もう一人は強く、恐ろしかった……力が欲しい……私は―――)」
『―――願うか? 汝、より強い力を欲するか?』
「(よこせ、力を……比類なき最強を!!)」
VTS作動した。
・・・
「なんだと……」
ライは驚いていた。いや、怒りを表していた。
『お~殺気だってるね~見えないけどわかるよ~うんうん』
「貴様、その情報どこで―――」
『お~と、そろそろ急いだ方がいいかな? “例のシステム”が作動しちゃうよ』
「例のシステム?」
『名前がね~確かVTSだったかな?』
「…………まだ、そんなものがあったのか」
ライはドイツに行けるなら今すぐに行きたい感覚だった。
『さてと……そろそろ行った方がいいよ、楽しい会話ありがとね。今度は直接会って“会話”しようね~』
その声の後、ラジカセの電源がオフになる。一つの部屋が静かになった。
「…………」
ライはラジカセには触れずに立ち上がる。ラジカセを調べても何も出ないことが明白に違いないのだから。
「(No.10の言っていた事が本当ならラウラは―――――人の命を何だと思っていやがる!!)」
ライは知った。ラウラの生まれてきた理由、千冬にこだわる理由、一夏とライを敵視する理由……ライはラウラの生まれてきた理由に心の底から怒っていた。だがライは怒りを今は抑えて、急いで、アリーナへと走り出した。
――――――――――――――――――
「ああああああっ!!!!」
シュヴァルツェア・レーゲンから電流が走り、ラウラは悲鳴をあげる。すると、ラウラのISが液体のようになり、ラウラの身体を全体包むと、その姿は変わった。
「なんだよ、あれは……」
『非常事態発令! トーナメントの全試合は中止!状況をレベルDと認定、鎮圧のため部隊を送り込む!』
アリーナのアナウンスから警報がなるが、一夏は液体から出来た右手を見ていた。
「雪片……千冬姉と同じじゃないか」
その姿は織斑千冬の姿を真似した黒い“泥人形”のようだった。かつての姿を思い出させる姿。
「俺がやる……」
「え? 一夏?」
箒は一夏を止めようとするが、一夏は雪片を構えた。だがその瞬間、 黒いISは刀を振るう。その衝撃に一夏は倒れた。更にもう一撃、白式の左腕の装甲に当り、もう一撃当てようとしたとき、ピット・ゲートから誰かが降りてきた。
「―――!!」
黒いISは後方に下がる。一夏の前に着地したのは打鉄だった。
「(間に合わなかった……か)」
ライは急いで、アリーナに向かい、ピット・ゲートに向かった。ラウラの暴走は止められなかったが、非常警報のロックがかかる前に入れたのは救いだった。ライが来たが一夏は黒いISを睨んでいた。
「あの動き……俺が最初に習った千冬姉の真剣の技だ……こいつ、千冬姉の前をしやがって! この―――「まて、一夏」ライ?」
一夏は今にでも突撃しそうな体勢だ。そんな一夏をライを首を振る。
「何でだよ! アイツ―――「すまないが俺の話を聴いてくれ」……」
一夏はライに突っ掛かるが、ライはまず話を聞いてほしいとお願いする。ライの表情は真剣と必死な感情が混ざっていた。
「一夏、俺もアイツを倒したいが、ラウラも救いたいんだ」
「……俺は―――」
一夏はただ倒したい感覚だった。ラウラのことは考えていなかった。ライのお陰で思い出されていた。そんなとき、箒が側に来た。
「一夏、今のお前は白式が使えない……見ろ、お前がやらなくても状況を収集へと向かっている」
箒が言うようにリヴァイヴが四機降りてきた。
「確かにエネルギーが……でも俺はやりたいんだ!」
「一夏……」
「…………」
一夏のISはエネルギー切れでどうすることも出来ないが、ライはシャルルを見る。シャルルはライに一つのケーブルを見せると頷いた。
「エネルギーがないなら持ってくればいいんだよ。リヴァイブのコアバイパスを開放、エネルギーの流失を許可」
「シャルル?」
シャルルのISからケーブルを一夏の方に繋げてリヴァイヴの残りエネルギーを一夏に与えた。
「約束して、絶対に負けないって」
「勿論だ、負けたら男じゃあねえよ」
シャルルの約束に一夏は当然のように答えた。その姿は騎士のように見えた。
「じゃあ、負けたら……明日から女子の制服でかよってね」
「え……」
「おろろ……」
シャルルは冗談なのか冗談じゃないのかは一夏とライはわからないが、とんでもないことを要求した。一夏は不安が出たが、自信もあった。
「い、いいぜ……」
「あの子達何を……?」
「部隊は待機だ……任せてもいいだろう」
モニターで見ている真耶は一夏たちが何かをやろうとしていたが、それがわからなかった。千冬は逆にわかっていて、任せることにした。
「……これで完了だ」
「ありがとうよ。白式を一極限定モードで再起動する」
リヴァイヴのエネルギーを白式に送り、一夏は起動させた。その姿は右腕と雪片だけになった。
「やっぱり、武器と右腕だけで限界だね」
「一夏には十分だろ、な?」
「ああ!」
シャルルの言う通り、一夏の姿は右腕とその手に持つ雪片だけだった。ライの十分の言葉に一夏は当然の様に言う。
黒いISの前に一夏は立つ。
「一夏、死ぬな……絶対に死ぬなよ!」
「信じろ、俺を信じろ箒……必ず勝つ……零落白夜、発動!」
箒と約束し、一夏は両手で構える。
「…………」
「―――!!」
黒いISが動き、一夏は反撃し、一撃を与えた……。
………
「(流石だな、一夏)」
……黒いISの胸の中から、ラウラが現れた。倒れる彼女を一夏が支えた。
「…………」
・・・
「お前は何故、強くあろうとする……どうして強い?」
「強くねえよ……俺は、全く強くない。もし俺が強いなら、それは強くなりたいから強いのさ。強くなったら、やってみたいことがあるんだよ」
一つの空間に二人は会話をしていた。ラウラは何故一夏は強いのかと問た。一夏は強さでやりたいことがあった。
「やってみたいこと?」
「誰かを守ってみたい、自分のすべてを使って……ただ、誰かのために戦ってみたい」
「それはまるで、あの人のように……」
一人の女性IS乗りも強かった。その人も一夏と同じ目標があったのかはわからなかった。
「そうだな……だから、お前達が守ってやるよ……ラウラ・ボードヴィッヒ」
――――――――――――――――――
「何とかなったねライ」
「そうだな…………それとシャルル」
ラウラを抱えた一夏の姿を見て、二人は安心するがライは何かを言いたそうだった。
「? どうかした?」
「…………一夏と組んでくれてありがとな。俺のわがままでこんな役になってさ」
「いいよそんなこと……結果的に上手くいったからいいよ」
シャルルは全く気にしてなく、笑顔だった。ライは顔を一夏の方に向けて呟いた。
「…………俺もシャルルと組んで出場したかったよ」
「え―――」
その呟きはシャルルからは息を止められた感覚に等しかった。
「…………どうしたシャルル? 驚いた顔をして?」
「ねぇ……それって―――――」
ライはシャルルの顔を見ると驚いた顔になっていた。ライの声でシャルルはハッとして我に帰り、ライに言いたいことがあったが……
ズドンッ!
「「!?」」
突然遮断シールドが破られ、何かが地面に衝突し、アリーナにいた全員が衝突した方向を見ていた。
そして煙が舞い、数秒後に姿が現れた。
「…………」
全身が銅色に近い全身装甲。頭部は一つ目があるが、こめかみの部分にもカメラのような目もある。
胸部は前が三角形みたいに尖っており、左腕には盾があった。
肩には非固定武装があり、右肩には蟹のハサミをクロスしたようなエンブレムと左肩には『No.4』とかかれていた。
「No.って……ライ」
「あぁ、わかっている」
一夏はライの方を見ると、さっきの表情とは違い、目が鋭くなっていた。
「一夏はラウラを抱えて退避を! 箒も早く! シャルルも一緒にここから離れて」
「ちょっと待って! ライは?」
「俺はシャルル達を安全な所まで誘導する。三人はISが作動しないし、リヴァイブが四機いるからここを任せるしかない……」
ライの言葉に一夏達はアリーナから離れようと走っている。ライは現状を理解している。第一に非戦闘員を退去する行動に出ている。教師方々もきっとそうすると判断した。するとシャルルが話し掛けてきた。
「……そのあとライはどうするの?」
「…………四機が不利になって、奴が暴れるのなら……止めに入る」
「そんなの―――駄目だよライ!? 四機で歯が立たなかったのにライが行ってどうにかなるの!」
「…………奴が暴れて誰かが犠牲になるのを阻止するだけだ」
「でも―――!?」
「ッ!?」
「―――――――」
ライとシャルルが会話していると、No.4がライ達の方に迫っていた。ライは打鉄の刀を展開した。
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「そこの所属不明機、直ちに武装を解除し投降せよ!」
「…………」
ラウラのVTシステムを制圧に向かったリヴァイブ部隊の隊長が警告を出しているが、No.4は黙って正面を向いていた。
そして部隊が包囲を完了する。
「各機、包囲したな…………警告を無視するのであれば実力を持って制圧する!」
「…………」
No.4は答えず、立っていた。リヴァイヴは攻撃準備完了であった。
『各機、油断するな。あれはこの前乱入した奴の仲間の可能性がある……徹底的叩け』
「了解…………攻撃開始!!」
「「了解!!」」
千冬の言葉に隊長は理解し、リヴァイブの各機はのアサルトライフルが発射され、No.4は集中砲火を浴びる。
射撃の後、ミサイルが発射され、爆風が舞う。
「…………やったか?」
「「…………」」
アサルトライフルだけならわからないがミサイルを四機分を撃ち込んで平気でいられないダメージだと確信していたが、それはすぐにわかった。
「なっ!?」
「………………」
No.4は無事だった。機体にかすり傷一つも無かったのだ。
「なっ!? ……各機―――」
「―――早く……戦いてェェ!!」
No.4は叫びながら隊長機に急速接近する。隊長機はアサルトライフルを構えるが反応に遅れ、頭部を右手に掴まれ、地面に強くぶつけた。
「隊長!?」
三番機は近接ブレードを構え、突撃する。
「三番機! くっ……四番機は背後から撃て!」
「了解!」
勝手に行動した三番機を援護すべく二番機は近接ブレードで近付く。No.4の左方向から切りつける。
「ハァァァァ!!」
「あぁ?」
No.4の左腕につけている盾の先端が折り畳み式のギザギザしたハサミが出てきた。そのハサミはリヴァイブの近接ブレードを掴む。三番機は離れようとするが全く抜けなかった。
「な、に?」
「何なんだここは?」
「貰った!!」
二番機は背後から斬りかかった。No.4は三番機を二番機に放り投げた。二番機と三番機はぶつかり倒れた。
四番機はNo.4の死角から狙い撃ちにしようとしたが回避する。そして四番に近付き。右手から武装を展開……その形は注射器のような形…………パイルであった。
「い、いつの―――」
「ふざけんな……」
直撃をくらい、吹き飛ばされそうになるがNo.4の左腕のハサミを仕舞い、空いた手で掴み、三発のパイルをくらわせる。
「が―――」
四番機は戦闘不能に陥り、倒れた。
「こんなもんかよ……」
「き、貴様ッ!」
隊長は起き上がり、アサルトライフルを撃つ。No.4は盾で防御する。No.4は両腰にブースターを展開し、移動する。隊長の弾幕をくぐり、左手からショットガンを展開して一発撃つ。
「くっ」
隊長は上昇して回避したが、頭上にNo.4が右手のパイルを構えていた。
「うぜぇ……」
パイルを放たれ、隊長は地面に落ちる。
「これで!」
「挟み撃ち!」
No.4の左右に二番機と三番機が近接ブレードで攻撃する。
「…………」
No.4は三番機にショットガンを三発撃つ。三番機はガードしたが、動きが止まる。二番機はブレードで斬りかかったがハサミで弾き返す。
「なっ!?」
二番機は驚いたが一瞬の事……ハサミによる連撃が襲う。その攻撃で首元にハサミで掴む。
「くッ! あ―――」
「ここは……」
苦しそうにもがく二番機たが、No.4はパイルを撃ち込む。方向は地面で二番は戦闘不能になる。
「よくも!!」
三番機はミサイルとアサルトライフルを撃つ。だがNo.4はミサイルをショットガンで撃ち、アサルトライフルは回避しながら近付き、右手のパイルを解除して頭を掴む。そして地面の方に急速降下、三番機を地面にぶつけた後、左手のショットガンで至近距離から連射する。ISを解除され掴んでいた右手を放す。
「女しか居ねえのかよここは……久し振りの戦いなのによ……?」
No.4は呆れながら周りを見る。そしてここから離れようとしている三人とIS乗りが一人。
「……男?」
No.4は久し振りの戦いに快楽を求めたが周りは全員女だけで不満だった。だがやっと男の相手が見つかった。
「やっと戦える」
「よくも私の仲間をっ!!」
隊長機は損傷しながらも立ち上がり、No.4に近接ブレードを向ける。怒りのせいかさっきよりも動きがいいが、今のNo.4にはゆっくりに見えた。左手で手首を掴んだ。
「悪いな……テメェじゃあ……相手にならねぇんだよ」
左手で軽く引き寄せ、右手のパイルを頭部に撃つ。隊長機は後ろに吹き飛び、完全に戦闘不能にする。
そしてライの方を見る。
「お前なんだろ……俺を戦わせてくれた奴は……」
左腕のハサミを展開。片方の刃を出して、ライの方に飛び掛かった。
――――――――――――――――――
「ッ!?」
「俺と戦えェェェェ!!」
ライは打鉄の刀を右手に展開し、No.4の刃を受け止める。お互い押し合い始め、火花を出していた。
「お前のお陰で戦えてる……感謝するぜ」
「何を言っている!」
ライは押し返して、No.4は一旦下がったが直ぐに斬りかかり、刃がぶつかる度に火花を撒き散らしていた。
「さっきの雑兵と違う……もっと戦え!」
「くっ! 貴様何者だ!」
「No.4…………それよりも戦えよッ!!」
「!?」
No.4はハサミ上に展開、その同時にライの刀を掴む。そして右手のパイルをライに撃つ。その場で爆発が起き、ライは後方に飛ばされる。左の非固定浮遊部位が破壊された状態だった。
「ライ!?」
「(流石に今のはやばかったが、左肩ぐらい―――)来るなシャルルッ!」
シャルルはライに近付こうとしたが、ライは止める。そしてNo.4がライの方に攻めより、ハサミで攻撃してきた。ライは後方に下がり、体勢を直す。刀を構え、急速接近で反撃に出る。
「ふんっ」
No.4はショットガンを展開、正面に撃つ。ライは上昇して回避し、そのまま刀を振り下ろした。
「!? テメェ!!」
「―――――!!」
ライの刀でショットガンを壊し、No.4はパイルをライに撃つ。さっきと同じ爆発が起き、ライは直撃をくらい吹き飛ばされると思ったが、煙からは現れず、代わりに小さな爆発と何かがぶつかる音……その直後No.4が後方に吹き飛ばされて地面に転がった。
「ハァ、ハァ……ハァ…」
ライは立っていた…………両肩の非固定浮遊部位を失いながらも立っていた。パイルで右肩を破壊された瞬間、ライは刀でパイルを切断。空いている左手を拳にし、No.4の顔面にパンチした。
No.4はフラフラと揺れながら立ち上がった。
「テメェ……俺の武装を…………本気で叩き潰してやるよッ!!」
No.4の右腕が蟹の様な大きなハサミを装備した。両腰のブースターを全開して近付く。
「ッ!?(非固定浮遊部位の破損とダメージでシールドが……)」
「おいおい隙だらけだぞッ!」
ライは刀で応戦したが、No.4の左腕のハサミと右手の大きなハサミでは防ぎきれない攻撃だった。何度か攻撃を受ける内に刀を飛ばされ、アサルトライフルを展開するがNo.4の両方のハサミがライの両方の手首を掴み、腕を広げて動けなくした。
「く、そッ!! (動けない……何て力だ)」
「これで止めだ……」
No.4両腰のブースターのジェット部分の反対側からショットガンが出てきた。No.4にとって、隠し武装であった。
「シャルル!? 何してる早く!」
「でもライが!?」
一夏とシャルルは叫ぶがライは声が出せなかった。
「くゥゥ……(シャル、早く逃げてくれ……早く!)」
「お前を潰した後はここにいる奴らも潰してやるよ」
「ッ!」
ライは力を入れるが、ハサミの力には無駄であった。No.4の言葉が続く。
「あの金髪は最後に潰してやるよ……あの金髪を血まみれに染めたいぜ」
「!? ―――――」
System standby ―――――
「あ? 何だ?」
「…………」
No.4は両腰のショットガンをライに放ったがライは無傷であった……
……いや、姿が変わった。
「おい、一夏! あれは―――」
「あぁ……シャルルは初めてだよな」
「うん……(あれがライの言ってた―――)」
「………………」
その姿は少し前、クラス対抗戦の時に現れたNo.10…………その戦いの時にライはISと“同じで同じでない”姿に変わった……
…………今でも首から下はグレーの全身装甲、非固定浮遊部位が無い姿に変わっていた。
「テメェ、姿が変わっても同じなんだよ!!」
No.4は両腰のショットガンをもう一度撃とうとする。ライは両腕を掴まれていたが両足をショットガン目掛けて上に蹴りあげる。No.4のショットガンが破損された。
「テメェ―――」
No.4は何か言おうとするが、蹴りあげた足が頭部目掛けて正面に蹴ってきた。No.4は蹴り飛ばされ、ライの両腕が解放された。
「…………」
ライは右手を落ちた刀に手を伸ばす。刀はライの方に向かって柄を掴む。そして刀を構えた。
「何だか知らねえが、何で呼ばれたのかわかってきたよ…………」
No.4はふらつきながら立ち上がり、ライを見る。頭部の一つ目にひび割れがあり点滅している。
「貴様……まだやるのか」
「あぁ……だってよ………
…………戦いがしたいからよォォー!!」
No.4は損傷しても構わず、ライに突撃する。ライも刀を構えるが近付く直前、No.の右のハサミが地面を大きく叩く。
「っ!?」
ライの周りに煙が舞う。ライの視界には煙で何も見えなかった。
「そおぉら!!」
「くっ!?」
ライの後ろから左のハサミが首を目掛けて狙ってきた。ライは後方に回避したが右のハサミが襲う。ライは刀で応戦するが両方のハサミで刀が悲鳴を上げている音に聴こえてきた。
「一つの視界が壊れてもな、もう一個の視界があるんだよッ!」
No.4のこめかみの部分にカメラが左右に動いていた。
「テメェとはもう少し楽しめたいが、ここまでだ!」
「やらせない!!」
No.4の左のハサミが迫るがライの刀が左腕の盾の隙間に切り上げて、破壊した。
「!? でもよッ!!」
No.4左手に右手と同じハサミが装備される。No.4の姿はエンブレムと同じ蟹の腕になった。その左腕がライに向けられた。
「くっ!?」
「あめぇんだよッ!!」
No.4はライの刀をハサミで折る。そして右手のハサミで止めのような一撃を与えてくる。
「なッ!? (ここまでなのか?)」
「止めェェェェ!!」
「ライッ!!」
ハサミが目の前の時、ライの耳にシャルルの声が聴こえた。
「(俺はここで死ぬのか……奴等の目的がわからないのに……ここで死んではシャルル達はどうなる!)」
ライは思った……ここで死んだら、皆はどうなるのだと。例え増援で阻止しても犠牲者が出ては意味がない。ライの大切な人達が傷付く事をライは理解した。
「(俺は…………こいつを……
倒したいッ!!)」
ドクンッ!
Optimization Complete …………
「(何だ? これは??)」
ライの耳に何かが聴こえた。機械の音声の様な声が確実に聴こえた。
System standby …… Soldier…………
ライには何が起きているのかわからない……だが―――――
「(けど何でもいい…………その力を―――)」
Welcome ……
ライは望んだ……
「(―――欲しいッ!!)」
………… Irregular―――――――
「――――――――!!」
―――“翔べる羽”と言う物を……。
―――ガキンッ!
――――――――――――――――――
「お、織斑先生……これは―――」
「あぁ、わかっている」
真耶と千冬はモニターでライとNo.4の戦闘を観ていたが、真耶を驚いていた。千冬も驚いていたが冷静にモニターを見つめていた。
「山田君、現アリーナの目撃者は?」
「一夏くん、シャルルくん、箒さん……ラウラさんと主力四人は気絶しています……」
「外からは誰も観ていないな?」
「はい。全員避難していますが…………この状況どうしますか?」
「このままだ……それしかない」
アリーナに居た生徒、政府関係者は避難していてアリーナに居るのはライ達だけ……千冬がどうして目撃者を気にするのはライの姿だったのだ。
―――――――――――――――――
ガキンッ!
「な、に?」
「………………」
No.4の右手はライの左手首を掴んでいた。ハサミは左手首を掴んで、握り潰そうとするが、逆に左手首の装甲が硬く、ハサミが震えていた。
だが、No.4が驚いているのは違う姿になっていることだった。
「―――――“蒼い鳥”」
シャルルが口にしたのはライの姿だった。
誰もがライの姿に驚いている…………ライの姿は先程までグレーだったのに、今は蒼に染まっていた。非固定浮遊部位も今では肩に浮いていた。その形は鳥の翼のように羽を閉じていた。頭部の額にも装甲があり、角が二本前に出ていた。
―――――灰色の翔べない鳥が、蒼い翔べる鳥へとなったのだ。
「……………」
「何なんだよ……さっきからコロコロ変身してよッ!」
No.4は左のハサミを首元に狙う。ライは右手首でガードするが両手が塞がれてしまった。
「テメェ……かてぇ腕みたいだが、このまま潰してやるよッ!」
「俺は―――」
「あ?」
ライはこの姿になって初めて口を開いたが、最後の方はNo.4には聴こえなかった。
「俺はお前を倒す!」
ライが口にすると、右手から一本の蒼い柄が現れる。柄は丸く、刀の柄と同じ長さだった。
そして棒状の先端から三角形を細長くした銀色のブレードが現れた。
『ζ認証』
ライの視界に『ブレイド』と標識が現れる。ライは右腕を無理やり左腕を掴まれている右のハサミを切り裂いた。そのままブレイドを左手に送り、左のハサミを切ろうとしたがNo.4は後方に下がった。
「ば、馬鹿な……ハサミが―――テメェ――!!」
「………………」
No.4は右手を見ながら破壊されたハサミにショックを受けていたがすぐに左手のハサミでライに突撃した。ライはブレイドを両手に握って、刃を前に向ける。
「ハアアァァァァッッ!!」
「…………!!」
ライは刃を下に下げ、刃を左のハサミに向けて切り上げる。No.4のハサミが破壊された。
ライはNo.4にブレイドの連撃を与える。No.4の装甲が少しずつ削られていく。
そして最後に右足の蹴りを脇腹に与える。No.4はアリーナの地面へと転がった。
「ま、まさか…………潰してきた筈なのに、潰されると、は……せっかくの戦いがッ……」
「お前達は何者だ。No.10と仲間なのか? No.4」
No.4はもはや戦えない状態だと判断したライは問い詰めていた。今なら知りたいことがわかるのだから。
「 …………テメェは知らないのかよ……だが、近い内に……わかる筈、だ…………」
「何を言っている? 貴様らは何を企んでいるッ!」
ライの質問に答えなかったのか、ライは少し怒りを表しながら質問した。その時、No.4の視界に何かが映った。
「……? テメェ……そうかよ、No.10が、期待…………した、訳かよ……」
「どういう意味だ? お前達は俺を知っているのか?」
No.4は段々と口数が減ってきた。ライはNo.4に近付く。
「知っている? …………そのISは―――――」
「!?」
No.4が喋っていると、頭上から何かが急降下してきた。No.4にぶつかり、何者かが降りてきた。
「あれは―――――」
「ククゥゥゥゥ…………」
―――――鳥だった……。
ISよりも大きく、全身黒と灰色に染まって、頭部は細長い嘴、胸部の左右に大きな羽が一枚ずつ、脚は四つの爪、細長い尻尾のようなものが地面についていた…………その姿はまるで“鴉”だった。片足はNo.4の胴体の上に置いていた。
「くッ! アァッ!!」
No.4は苦しそうに声を出していた。身動きもとれないのに完全に踏み潰そうとしていた。
「ククゥゥゥゥ―――」
鴉は小さく鳴くと嘴が少し横に開く。そしてエネルギーのようなものが嘴へと溜めていった。
「こ、こんな―――」
鴉の嘴からレーザーが発射され、爆発が起きた。火の中からは鴉が現れ、踏みつけていたNo.4は最初からなかったかのように無くなっていた。
「クゥゥゥゥ!!」
鴉は上に向きながら叫んでいた。まるで獲物を仕留めたように鳴いていた。ライは只立っていた。
「何だよアレ……ISなのか箒?」
「わ、私が知るわけないだろッ! それにISは人が乗るものだ」
ISは人が乗る物、アレは明らかに人が乗って操縦してるように見えない。IAならわかるがあんなIAは全世界に公表されていない姿なのだ。
「ライッ! 」
「………………」
シャルルがライの側に寄ってきた。ライは鴉の方を見つめていた。
「ライッ! 織斑先生から退避命令が来たよ! 早くこの場から―――」
「………………」
鴉が現れてから千冬は一夏達に退避命令が出たのだ。シャルルはライに伝えていたのだが、ライの意識は完全に鴉の方に向いていた。
「―――――」
「え?」
ライは呟いた。シャルの耳には聴こえなかった。いや、声が小さかったのだ。
「アレは……」
「ライ?」
「…………アレは――――――!!」
ライは鴉に飛び掛かったのだった……。
続きやった方が方がいいでしょうか?
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続ける
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完結でいい
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続けてヒロイン追加